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29:
禽慧琳 [×]
2025-04-11 07:42:00
>28 刻灯
(己へと向けられる関心は疑問というより懸念に近いか。穏和な光源が遠ざけられ周囲は仄暗い闇に包まれる。剣呑な雰囲気が漂い始めた頃には警鐘を鳴らすのは遅過ぎた。自分はこの界隈ならざる者──謂わば異物。それは見る者が見れば容易く見抜かれる訳で。さっさとこの場を立ち去りたい。だが、後ずさろうとした足は彼の一笑に止められる。「何よ……っ…!」何が面白いのか言い返そうとした矢先、一瞬何が起こったか分からなかった。己の背後に置かれた長い下肢に退路を断たれ、手首は歴然たる力の差に軋み、そして視界は彼の端正な偽悪に支配されていた。思わず息を呑み目を剥く。薄暗さが手伝い五感が聴覚に集中しやすい中、耳元に近接した口から発せられた怖いほど静か過ぎる囁きは、一層自分の内に響いた。痛みと恐怖に顔が歪むのが分かる。おめでたいのは、どこかで高を括っていた自分の頭の方だったのだ。号哭出来たならこれらの感情も幾分か和らいだだろうか。だが、それすら含め余計な言動をしてはならない、そもそもしようと思う事自体、湧き上がらせてはくれなかった。取り敢えず自分が此処に居た理由を話さなければ。漸く絞り出したか細い声で「…た、偶々……っ…、」偶然通りかかっただけであり籌策で無い事を続けたかったが、吐息が震えて発声が上手く出来ず声を呑む。むしろ好都合だったのかもしれない。真ではあるが彼はそんな答えは求めていない。核心を素直に言明しない事には納得も通用もしないだろう。後継者候補ともあろう人物がこの先も起こり得る脅しに屈するなど聞いて呆れられる。現状、自分にはこうするしかない。俯いて一度瞼を落としグッと意を決したように力を込めた後、渇いた口内に残された僅かな唾で無理矢理喉を湿らすと声の震えを努めて押し殺し静々と「そんなに知りたいのなら教えてあげる……逃げてるの…お父様の命令から。……貴方がさっき叫んだあれは作り話なんかじゃない」素性を明かせば逆に利用されるかもしれない。しかし自分に手を出せば報復が返ってくる。背後にあるあまりにも強大過ぎる傘が自分に降り掛かる禍災を避けていた。素性を明かすか明かさないか迷ったが後には引けない。顔に影を作ったまま呟き)
私の名前は……禽…慧琳…。
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