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冒険者ギルドの日常/919


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915: エリーゼ/セレステ [×]
2025-07-04 08:52:17

過去編「洗礼」

僭越ながら本日より第二騎士団長の任を賜りました。エリーゼ・リファイスです。皆様方と肩を並べられること誠に光栄に思います。若輩の身でありますが、ご指導ご鞭撻の程よろしくお願いします!

(王城内に備えられた会議室、騎士団の上位役職者が集う円卓を前に、エリーゼは緊張で猫耳をピクピクと震わせながらも元気一杯に声を張り上げて恙無く自己紹介を終えた。頭を下げながら、癖である「にゃ」という可愛らしい語尾が出なかったことに内心で安堵する。しかし、顔を上げ周囲を見やると拍手を返したのは王国騎士団長のみ。ほかの上位役職者達は興味が無さそうに各々が持ち込んだ資料に目を通していた。歓迎されていない…それを自覚するとキュッと胸が締め付けられるような感覚に囚われる。それもその筈で、数々の功績を元に厳格な審査を経てその地位についた彼らとは違い、エリーゼはたまたま空席に国王の一存で滑り込んだだけのポッと出の存在だ。彼らにしてみれば手放しに歓迎出来る訳がなかった。失意のまま席に着くも、このままでは終われない。仕事上彼らの協力が必要不可欠な為、この定例会議が終わったらまずは個人的な関係から構築しようと心に決めた。)

あ、あの!ヴァレンヌ卿っ!少しお時間いいでしょうか!

(定例会議が終わり、各々が足早に会議室を後にする。上位役職者はその殆どが寝る間もない程の激務である為時間を惜しんで急ぐのも当然であろう。せめて誰か一人でも良好な関係を築こうとエリーゼも慌てて会議室を出ると、周囲に流されずにゆったりとした足取りで日に照らされた廊下を歩む一人の女性の姿が目に付いた。セレステ・ヴァレンヌ、次席補佐官を務める彼女は上位役職者で唯一エリーゼと歳の近い稀有な存在である。これを好機と捉えたエリーゼは、姿が見えなくなる前に廊下を駆け出し、セレステの背後で立ち止まり緊張を振り切って声をかけた。)

チッ…なんでしょう?仕事に関することであればお聞きします。

あっ…いえ、そういうのではなく…同じく祖国に忠誠を誓った身、折角ですし親睦を深められればと思いまして!お忙しい身であることは重々承知していますが、少し立ち話でもどうでしょう…?

興味ありません。では。

(振り返りざまに舌打ちをされたような気がしたが、きっと思い違いだろう。まだ要件すら話していないのだ。向けられた高圧的な視線に怯みながらもエリーゼは曇りのない真っ直ぐな瞳を向けて、同じく祖国を守る仲間として親睦を深めたい旨を伝えた。最初からガツガツ行くのではなく、ちょっとした立ち話から順序だてて交流していこうなんて遠慮がちに構えていたつもりだが、セレステはそれすらも興味がないと切り捨て踵を返した。)

まっ、待ってください…!

(知らぬ間に何か粗相を働いてしまったのだろうか…?ついこの前まで地方勤務の一般騎士だった身の上。高貴な場に於いてまだ知らない常識があったとして何ら不思議はないと、そんな不安が頭を過ぎる。せめて原因を聞いて必要なら詫びを入れよう。誠意に突き動かされるままにエリーゼは立ち去ろうとするセレステの手を掴む。その行為が彼女の逆鱗に触れるとも知れずに。)

触るなッ!害獣風情がッ…!

…うぐっ…苦しい…にゃッ…!

(手が触れた瞬間、鬼の形相で振り返ったセレステに首を鷲掴みにされて、めり込む程に壁に叩きつけられる。衝撃で頭部からは血が滴り、首を絞められていることも相まりエリーゼは薄れゆく意識の中で命の危機を感じ取った。死にたくない…!その一心で腰に携えた剣を抜いて思いきりセレステの脇腹に振りかぶる。経験で劣ると言ってもエリーゼも王国武術大会優勝者、常人であれば今の一撃を受けて致命傷は免れないだろう。しかし、無慈悲にもセレステには傷一つ、服のシワ一つ与えることは叶わなかった。確かに刃はセレステに届いているが、まるで目の前のそれが不変の存在であるかのように手応えが感じられないのだ。もはや抵抗のすべもないことを悟ると、エリーゼの顔からは一層血の気が引いた。)

人間様に生かされている獣の分際で私に抵抗するとは…躾が必要なようですね。

ひっ…ごっ、ごめん…なさっ…うぐぅ…!

これは躾だと言いましたよね?示すべきは謝罪ではなく感謝の心です。

…ありがとう…ございまっ…ぐぁっ…!

なぜ笑顔ではないのですか?上っ面だけの感謝は不要です。

…ハァ…ハァ…ありがとうございます…うぅっ…!なんで…

よく出来ました。ではもう一回。

(エリーゼは首を掴まれたまま、今度はうつ伏せで床に寝かされる。躾とやらを前に恐怖に顔を引き攣らせながら発せられた命乞いを意味する謝罪は無慈悲にも顔を床に叩きつけられる音で掻き消された。どうやらセレステのお気に召す返答ではなかったようで、ゴミを見るような冷たい眼差しをエリーゼに向けて、謝罪ではなく感謝をしろと淡々と告げる。恐怖心に突き動かされるまま震える脳をなんとか働かせ、エリーゼは言われるまま感謝を述べるが、理不尽にもそれすらも再び顔を床に叩きつけられて掻き消された。なぜ笑顔ではないのかという疑問に唖然としながらも、息も絶え絶えにエリーゼは笑顔を作り、感謝を述べる。が、今度は言い終えたと同時に再び顔を床に叩きつけられた。その瞬間、エリーゼの心の中で何かが壊れる音がした。その後も何度も何度も笑顔の感謝を強要されては叩きつけられてを繰り返し、気を失って目覚める頃には通りがかった騎士によって医務室に運ばれていた。獣人の回復力ゆえか身体の傷は驚く程にすぐに治ったが、精神に負った傷はそうはいかない。刻み込まれた恐怖により、この日を境にエリーゼの顔から笑みが抜け落ちることはなかったという。)

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