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クレア [×]
2025-04-26 19:59:48
過去編「剣の強さと心の弱さ」
…ごめんなさい…ごめんなさい…
(あの日、集落を血祭りに上げて以降クレアは毎夜罪悪感に苛まれていた。瞳を閉じれば脳裏に浮かび上がるのは赤く染まった集落、鉛のような血の匂い、そして農民達の命乞いの言葉。あの日クレアは間違いなく最善を尽くした。もし捕虜の為に無垢の市民から食料を徴収したら、怖気付いて反乱を放置したら、おそらく被害は途方もなく膨れ上がっていたことであろう。最小限の人間を切り捨てることで多くの市民を救い、王国の安寧を勝ち取ったのだ。しかし、まだ十七になったばかりのクレアの精神はそうやって折り合いを付けられるほど成熟してはいないのである。)
…ハァ…ハァ………ゴクン……
(次第に呼吸が荒くなり、身の危険を感じたクレアは枕元に置いてある錠剤の詰まった瓶を手に取り蓋を開け、掌いっぱいに取り出すと一息で飲み込む。次第に呼吸は落ち着きを取り戻し、ほんの一時の気休めであるが正気を取り戻しつつあった。元は騎士団の上級役職の激務に耐え兼ねて精神を病んだことをきっかけに処方された薬であるが、あの一件以降ますます薬に頼る機会が増えた。これ以上服用頻度を増やせば長生きは出来ないと医師からは告げられたが、このままでは天命を全うする前に自らその命を絶っても可笑しくない精神状態故に仕方ないことであろう。幼い頃から要領が良く、特に剣に至っては稀に見る天才的な才能に恵まれたクレアであるが、その心は凡人とそう変わらない。剣の強さと心の強さは比例せず、ほかでもない自分の才に苦しめられる様は何とも皮肉なものであった。)
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