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278:
クレア/ティア/ダンテ [×]
2024-08-31 22:40:38
>277
そう警戒するなよ、仲間だろォ?悪いことは言わねぇ。そこの聖女様を大人しく渡してくれりゃお互いに血流さずに済むんだ。べつに殺しはしねぇから安心しな。
(自身に向けて殺気を放つクレアを宥めようと、ダンテは自らの鎧に施された不死鳥の紋様部分をコツンと叩き、努めて穏やかな口調と陽気な笑顔で説得を試みた。その紋様はクレアの旅装束に刺繍されたデザインと同一のものであり、同じ冒険者チームに属していることが窺える。ミミの背後に隠れるティアに視線を向けながら、大人しく彼女を渡せば戦いは避けられると力説するが、寄り添おうと一歩踏み出したその瞬間、クレアの剣は容赦なくダンテの首を目掛けて振り抜かれた。ダンテの提案は一考に値しない。クレアは言葉ではなく行動で拒絶を示した。)
この人は…知り合いでもなんでもありません…今はただの敵です。そんな事よりも…聖女様を連れて…この場を離れてください!幸い首都は目前です…!
(振り抜かれた剣はダンテの大剣によって防がれ刃と刃が擦れ合い火花が散る。鋭い一撃を受けて尚ダンテが涼しい顔を浮かべる一方で、純粋な腕力で劣る上にブランクや寝不足などコンディションにおいて数々のハンデを抱えるクレアは激しい打ち合いにより手の皮が擦り剥け剣の柄から血が滴り落ちていた。余裕がなく、途切れ途切れに言葉を紡ぐクレアはかつての仲間を今は敵だと言い放つと、自分が長くは持たないことを察してミミにティアを連れて首都に逃げるように訴えた。クレアが倒れた後にミミが単独でティアを守りながらダンテを退けることは困難であることや、幸い首都を出てすぐに襲撃を受けた為に帰還が容易であること、目的が聖女である以上はクレアが単身で時間稼ぎをしたとしても致命傷を負わせるほど執着されないであろうことなど、単なる捨て身ではなく総合的に考えての判断であった。戦いにおいて素人であるティアも状況が良くないことを察しているのであろう。不安から、自身を庇うように目の前に立つミミの服の袖をギュッと掴んだ。)
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