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冒険者ギルドの日常/1137


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自分のトピックを作る
1086: クレア [×]
2025-11-03 01:04:44

>1084

カルロス…ですか?ええと、彼は…顔は良いですけど、ちょっとおバカで、変態で、剣もダメダメで……う~ん…言葉に表すと難しいですね。ただ一つ、はっきりと言えることがあります。彼は誰よりも優しかったです。

(不意にカルロスについて尋ねられると、クレアは暫し苦い表情で固まった。当然、カルロスのことを片時も忘れたことはないが、だからこそ自ら心の傷を抉るような真似をしたくはないのが正直なところである。しかし、レドの真剣な眼差しを見て、きっと彼にとって必要なことなのだろうと意を決すると、ついに重たい口を開いた。何年も連れ添った、隣に居るのが当たり前だった半身とも言える恋人を言語化するというのは思いのほか難しく、クレアはたどたどしい様子で思い立った特徴を一つ一つ挙げていくが、咄嗟に出てくるものと言えば悪いものばかりである。事実であるのだから仕方ないが、これは不味いとクレアは唸りながら小首を傾げ、今一度カルロスについて考える。自分はカルロスの何処に惚れたのか…長考の末に一つの結論に辿り着いた。「優しさ」、それこそがカルロスの本質である。辛い時に常に寄り添い、求めている言葉を掛けてくれる。クレアにとって、勉学や腕っ節などどうでも良いと思える唯一無二の魅力であった。)

1087: クレア [×]
2025-11-03 01:14:35

>1084

カルロス…ですか?ええと、彼は…顔は良いですけど、ちょっとおバカで、変態で、剣もダメダメで……う~ん…言葉に表すと難しいですね。ただ一つ、はっきりと言えることがあります。彼は誰よりも優しかったです。

(不意にカルロスについて尋ねられると、クレアは暫し苦い顔で固まった。当然、カルロスのことを片時も忘れたことはないが、だからこそ自ら心の傷を抉るような真似をしたくはないのが正直なところである。しかし、レドの真剣な眼差しを見て、きっと彼にとって必要なことなのだろうと意を決すると、ついに重たい口を開いた。何年も連れ添った、隣に居るのが当たり前だった半身とも言える恋人を言語化するというのは思いのほか難しく、クレアはたどたどしい様子で思い立った特徴を一つ一つ挙げていくが、咄嗟に出てくるものと言えば悪いものばかりである。事実であるのだから仕方ないが、これは不味いとクレアは唸りながら小首を傾げ、今一度カルロスについて考える。自分はカルロスの何処に惚れたのか…長考の末にハッとした表情を浮かべて一つの結論に辿り着いた。「優しさ」、それこそがカルロスの本質である。辛い時に常に寄り添い、求めている言葉を掛けてくれる。クレアにとって、勉学や腕っ節などどうでも良いと思える唯一無二の魅力であった。カルロスの優しさを語るクレアの表情は最初の苦い顔から一転して、温かな笑みを浮かべていた。)

(/少し訂正致しました!)

1088: アンナ・ランストリウム [×]
2025-11-03 02:04:35

>1085


教会としてもアリシア様のご厚意には感謝のしようもございません。子供達もリズリット様がいらっしゃるのを楽しみにしておられましたよ?ふふっ…子供は私も好きです。元気いっぱいで純粋で穢れを知らない。此処にいる子供達はそれぞれ事情がありますが…私も元気を貰っています

(既に多数の聖教国の司祭や諜報員…果ては工作員が多数入り込み、策謀が巡り人間種至上主義が着々と根付きつつあるこのフィリア王国で例え偽善であっても、孤児に対して救いの手を差し伸べる存在には打算抜きで感謝を述べる。お菓子を貰ってはしゃぐ子供達を見て、笑みを浮かべながら自分も子供が好きだと零す。だが彼女の言う「好き」の中には純粋あるが故に政治思想を植え付けやすく、知恵をつけて賢しくなった大人よりも信徒化させやすいからという邪悪な感性も入っている。)


確かに…お付きともなるとご苦労も絶えないでしょう。こうして少しでも息抜きが出来るならば今後もいらして下さい、子供達も待っていますから。何ならば私で良ければお話をお聞きしますよ?



(聖教国の教会内でも派閥闘争なんてものは多々あった。彼女にとっては教皇を信ずる者同士何を争う必要があるのか無意味な争いにしか見えなかったが王国の、ましてや彼女は第三王女の侍女と記憶している。王族内では日常茶飯事なのだろう。相手の声色からもその気苦労が聞いて取れたため労う様に言葉をかけて。ゆっくりと大聖堂を指差し、司祭として祈りのポーズを見せれば告解もやりますよ、と笑みを零す)

…帝国の武官までも…ですか。色々としがらみも多い中で遠方の国とも牽制合戦…心中、お察し致します。教会としても帝国とは因縁浅からぬ間柄故、何も起きなければ良いのですが

(だがその後に聞こえてきた帝国の武官、というワードを聞けばその顔からすぐに笑みが消える。彼女にとっては仇敵にも等しい国でもある為憎悪の感情が滲み出そうになるが気取られないように言葉を選んで、既に国交断絶状態にある祖国と帝国に対して王国がどうなってゆくのかを憂いて)



1089: リズリット [×]
2025-11-03 09:35:00

>1088

あぁ…聖教は帝国との間に色々あったのですよね…では、暗い話題はこのくらいにして、お言葉に甘えて世間話でも致しましょうか。罪の告白は少々気恥しいので…またの機会に。

(笑みの消えたアンナの表情から帝国の名前を出したことは迂闊だったと反省し、告解まではいかずとも世間話でもしようと提案して。自らの罪、主君を裏切る行為の数々はとても人に明かせるものではない。いつか罪悪感に苛まれ自死すらも選択肢に入れることがあるのなら、その時に利用しても良いかもしれないと、気恥しさを装う照れ笑いの裏で重たい考え事をしていた。話しているうちにも並行して菓子を配り終え、孤児院の中へ戻っていく子供達の笑顔に、リズリットの荒んだ心も幾分か癒されたようだ。)

1090: レド [×]
2025-11-03 21:38:06

>1087

ふっ、あははっ!俺の師匠(オヤジ)も似たような男でしたよ。つまりなんとも人間臭くて……誰より人間らしい方だったわけですね。

(ハハ、カルロス様は聖人どころか案外抜けてる男だったとはと、思わず大笑いして。だがそこに師匠(オヤジ)……剣の教えは立派だったけど、その実ガサツで寂しがり屋で未練がましいダメ男……たとえ不完全でも、人に愛を与える優しい男の事を見出だした。カルロスも師と同じように、なんとも人間らしい方と締めくくると、同じく温かな笑みを返して。その笑みには感心とあきらめが含まれる。「あぁ……こりゃ勝てんわ」と。)

クレアさん、貴重なお話をありがとうございました。俺はちっぽけなカラスに過ぎないが、剣士として行ける所まで羽ばたこうと思います……貴女方おふたりの、優しさを胸に。

(そろそろ退室する頃合いだろう。立ち上がって落とした刀を拾い、差し直して。カルロス様……クレアさんを長年支え続けたその優しさは尋常では無い。そして罪に苦しみながらも人を救わんとするクレアさんもまた……二人に届くのはいつの日か。改めてクレアの側に立つとカラスのように黒ずくめの身体をピンと伸ばし、穏やかに微笑みながらの敬礼を別れの挨拶として。)

1091: クレア/エルフリーデ [×]
2025-11-03 22:48:09

>1090

ふふっ、そうかもしれませんね。
…はぁ…それではレドさん、お城勤め頑張ってください。レドさんならきっと、どんな壁も乗り越えられると信じています。

(「人間らしい」。この表現にクレアは心底納得がいき、レドの大笑いに釣られたことも相まって思わず吹き出した。よく食べ、よく寝て、夜にはどこに隠していたのであろう体力を発揮する。まさに人間らしさを体現したカルロスの振る舞いを鮮明に思い出し、笑わずにはいられなかったのである。しばらく思い出し笑いで肩を震わせていたが深呼吸をして平静を取り戻すと、レドを真っ直ぐに見つめて激励の言葉を掛けた。)

…スー…スー…

(ギルド前に停められた近衛隊の馬車の中、エルフリーデは片側の座席を占有して横になり、心地良さそうに眠っていた。夜通し遊び呆けた挙句に朝から酒瓶を空けていたため眠気に抗えなかったのであろう。悪魔のような性格とは裏腹に、窓から差した光に照らされて輝く銀髪も相まり天使のような寝顔である。別れ際にレドに告げた「また後で」という台詞はこの馬車での再会を指していたのである。シエルが任務を優先するあまり刺されたことを事件化しないことを見越していたようだ。帝国の武官を連れ帰れというアリシアの命令もあり、馬車の御者も特段気にする素振りはない。)

1092: アンナ・ランストリウム [×]
2025-11-03 23:18:10

>1089


はい…お察しの通りかの国と聖教国は既に敵対関係といっていいもので。リズリット様もお気を付けください。帝国の者達は危険な思想を抱いております

(帝国内の教会で働いていた彼女にとってはまさしく思い出したくもない思い出の1つでもあった。幸い地理的にも王国と帝国は遠く、互いに牽制し合っている段階の為まだ脅威という脅威は見えてはいないが帝国で受けた焼き討ちの被害者でもあった為か、王族に近い位置にいるリズリットに忠告の意味も込めて気をつけろと零して)

ふふ、神はいつも皆を見ておいでです。悩まず告解する事できっとお許しになられます…いつでもお待ちしておりますよ。して、貴女は第三王女の侍女であった筈。第三王女…ルイーズ様はご息災であられますか?

(両手を合わせて祈りの格好を取ったまま、目を瞑って静かに告げる。彼女の抱える事情の全てを知っている訳ではない為聖職者としての言葉で、優しく諭すように声色を落とし、そして目を開けて笑みを浮かべて。ふと、思い出したかのように彼女が仕える主君、第三王女について問うて。孤児院へは王国騎士副隊長、アリシアの名代で来てはいるが本当の主君は第三王女ではないのかという口調でリズリットを見ては、その主君の身を案じて)




1093: リズリット [×]
2025-11-04 19:21:44

>1092

ご忠告痛み入ります。はい…ルイーズ様は今朝も変わらず元気なご様子でしたよ。最近では嫌いだったピーマンも食べられるようになられたのです。うぅ…立派に成長されました。

(本音を言えば聖教徒でないリズリットにとって、帝国も聖教国も似たようなものだと考えているのだが、当然ながらそんな失礼な印象は心の内に留めて素直に忠告に感謝を述べた。続けてルイーズの話題に移ると、リズリットは己が抱える罪悪感から一瞬だけ視線を逸らすもののすぐに戻し、今朝の様子、そして嫌いな食べ物を克服できたことまで伝える。ルイーズの成長を語る際には大袈裟にもハンカチで涙を拭う仕草を見せる。ルイーズのことが好き過ぎてという訳ではなく、これは罪悪感を紛らわす為の空元気である。)

1094: アンナ・ランストリウム [×]
2025-11-05 02:13:43

>1093


まぁ…それはそれは。まだまだお若い身ではありますが1つ1つ、成長なされているのですね…アリシア様もさぞお喜びでしょう。


(彼女の素性を知らないアンナは、その心に住まう闇と罪の重さを測り知る事は出来ない。しかしながら聖教国とも関わりの深い王国の近衛騎士の長たるアリシアが擁立する王位継承者候補の微笑ましい一面に、聖教国出身者としての思惑抜きで若き第三王女の成長を喜んで)


しかし…こうしてお恵みを下さるアリシア様とは一度お会いしてお話を聞きたくはありますね…もしかすれば聖下(教皇)や聖女様あたりは既に会われているのかもしれませんが。

(こうして孤児院へ寄付や孤児たちに施しを与えてくれる存在は、いち聖職者としても尊敬に値するものであり羨望の眼差しを向けながら、王城のある方向を見て。派閥闘争うず巻く伏魔殿とも言えるその場所は何も知らないアンナにとっては手の届かない、高みにある場所のようで)




1095: レド [×]
2025-11-05 06:52:12

>1091

ありがとうございます!ではこれにて。……あっ、またリンゴ食べさせてください!

(クレアさん、いい顔になった。満面の笑みで激励の言葉に応えて退室……そして廊下に出ると無邪気に笑いながらリンゴの話を持ち出すと一礼してドアを閉め、今度こそクレアの前から姿を消して)

ふぅ…………分かったか?俺が会うのをためらった意味が。
「あー……うん、まあね。昔のレドが相手しちゃダメな人だったわあれは……メンゴメンゴ」
「アハハ……ごめんよ、ボクも見抜けなくて……いい顔になったねレド。あの人の言う通り、今のレドなら何でも乗り越えられそうだよ。」
「いってらレド。生きて帰ってくるんだぞ。愛しのアリシアちゃんと一緒にね。」
ああ、行ってくる。土産話ならたっぷり持って帰るから楽しみにしていろよ、お前たち……

(静まり返った廊下。ふと脇を見やれば、光差す窓の下に昔の仲間・眼鏡の魔法使いと褐色の女戦士の姿が見える。彼らには「敬遠してないでクレアと会え」と尻を叩かれたが、昔の未熟な自分がクレアと会っていたらお互いを傷つけるだけで終わってただろう、と、仲間に呆れ顔を向けて。しかし十分な経験を積んだ今の自分は多少なりともクレアさんの癒しになれた。剣術指南としてもやっていけるだろう……仲間の見送りの言葉に親指を上げて応えると、踵を返して廊下を出て。もっとも、傍から見ればレドが誰もいない窓の光にブツブツ独り言を吐き、親指を立てているようにしか見えないが……)



「あっお前!向こうに「首狩り」がいただろう!俺と会わせろっ!」
ああ?何だよ急に。いいからどけよ。というか、会ってどーすんだよ。
「知れたこと!あの女を倒して、今日から俺が「首狩り」として名を上げてやる!」
…………バカなことを。
「なっ、なんだと!?」
そんな二つ名、喜んでお前にやるよ。その方があの人も安心するだろう。というか、もういないんだ「首狩り」は。今あそこにいるのは「首狩り」でも騎士様でもない。長い戦いで哀しみを背負った、一人の女性……
「ふざけんな!」

(食堂に戻ると、先ほど掲示板の前で「首狩り」に代わり名を上げると息まいていた男に絡まれる。レドは元の荒くれとして冷たく睨みつけていたが、やがて目の前の男が「賞金首狩りとして悪を倒す剣聖」などと「首狩り」の意味も知らずに崇めていた昔の自分と重なって憐れみを覚え、静かに説得し始める。そんな姿に逆上した男が襲い掛かってくるが……)

「グッ……!?ガハッ……!」
……お前じゃあの人には勝てない。いや、あの人を斬って名を上げたところでその先には何も無い……無駄なことだ。
「たっ、たす……ぐがっ……」
覚えとけ。これこそが、首を狩られる痛み……血に酔う前に引き返すんだな。
(突っ込んでくる男の首に左手を差し込むと、そのまま壁に叩きつけて。首から血が流れるほどにきつく締め上げられ苦しむ男をレドは冷徹に睨み、淡々と諭し、諭し終わったところで手を離す。)

あぁ……やっちゃった。俺もまだまだ、あの二人のように優しくなれねぇなぁ……

(首を押さえてせき込み泣きながら去る男を尻目に、男の血の付いた左手を残念そうに眺めて。俺もクレアさんやカルロス様には程遠いな……血を見ずにはいられない性分という意味では、俺もあの帝国兵の女と同類かもしれない……と溜息を吐くと、手近にあった布巾で血を拭って。唖然とする周囲の冒険者には目もくれず受付に向かって静かに歩き、預かっていた荷物一式を引き取ると、新たなる試練……外に控える近衛隊の馬車に乗り込むべく、扉を開けてギルドを出た。)

1096: リズリット [×]
2025-11-05 14:59:09

>1094

はい、つい先月に聖教国に赴かれて、その際に教皇様に謁見し、聖女様とは会食をされたと聞いているのです。こちらにも何度か予定の合間を縫われてお伺いしていたのですが…ご多忙の身ゆえ滞在時間も限られますし、おそらくアンナさんとはタイミングが合わなかったのでしょう。私の方からもアリシア様にそれとなくお伝えしておきますね。

(アンナの推測通り、アリシアは既に教皇や聖女との接触を図っていた。リズリットにはその目的は不明だが淡々と知り得る事実を告げる。上位の騎士とはいえ一国の長に謁見出来ることには確実に裏がある。諜報機関に属する者として、あわよくばこの機会に教会側の人間から情報を収集出来ればと考えていたが、反応を見る限りアリシアとの接点がないアンナは白のようだ…と、笑顔の裏で品定めしていた。であれば詮索は程々に通常の会話を維持すべきだろうと判断し、会って話をしてみたいと言うアンナの要望をアリシアへ伝えることを約束した。)

1097: クレア/エルフリーデ [×]
2025-11-05 15:01:11

>1095

ええ、勿論です。はぁ…

(応接室を去るレドの後ろ姿を、クレアは温かな笑みを浮かべたまま手を振って見送った。完全に姿が見えなくなると、また一人になってしまった寂しさから小さく溜息を吐き、ビールに口を付けてその孤独を紛らわす。しばらく感傷に浸っていると、応接室のドアがノックされギルドの職員が顔を出した。職員の手には王家の家紋の封蝋で閉じられた手紙が握られており、事態を察したクレアは顔を引き攣らせる。レドのお陰もあり少しだけ前を向けるような気がしていたタイミングで、黒い鷲の紋章が新たな波乱の幕開けを告げた。)

貴殿が冒険者のレド殿とお見受けする。シエルの救出ご苦労であった。さ、あまり時間は残されていないんだ。準備が済んだのなら速やかに乗車してくれ。

(全身黒ずくめのポニーテール、この特徴からレドを特定することは容易かったことであろう。レドがギルドから出てくるなり甲冑に身を包んだ馬車の御者が声を掛けた。近衛隊は当番制で御者を回している為、面識のない様子から以前会食の場に手配された御者とは別の人物である。御者は同じ近衛兵としてシエルの一件で建前上の礼は言うものの、随分あっさりと話を済ませて乗車を促した。近衛隊一の雑用係と自称するだけあって、シエルはアリシア以外にも邪険にされていることが容易に窺える。そのことを一層肯定するかのように、御者が馬車のドアを開けると、中には騒動の犯人であるエルフリーデが心地良さそうに眠っているのであった。)

1098: アンナ・ランストリウム [×]
2025-11-06 00:44:40

>1096


やはり既に御目通りを…少し羨ましい部分もございます。私達のような司祭職では聖下に御目通りすら叶わぬ身。アリシア様のような高潔で聡明な御方ならば、と聖女様もお考えになられたのでしょう…
お口添え感謝いたします。父なる神の下に、貴女の進む道に光多からん事を

(王国の騎士の長たるアリシアが既に教皇や聖女と接触している事を聞くと、何となく分かっていたのか視線を下に向ければぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。諸外国に赴き動向を探りながらその地で信徒を増やす諜報、工作員の一面を持ち程度行動の自由が許されている駐在司祭という立場の彼女でも雲の上の存在にも等しい教皇や聖女には個人での御目通りすら叶わないと漏らして。そして卑屈になってしまったと顔を上げればリズリットの心遣いに再び手を合わせて静かに目を閉じ感謝の意を伝えて)


…そういえば、最近は王国内で亜人達の抗議活動も活発化してきておりますね。つい先日も少し離れた教会近くでありまして…「鎮圧」にあたったのです。リズリット様の方は大丈夫ですか?奴ら、しきりにアリシア様のお名前を出しておりましたので…

(ふぅ、と一息ついてから切り出した話題は、王国内で起きている獣人のデモの事で。人間種至上主義を掲げる聖教国にとって人間種以外の存在は差別の対象とされる存在であるが故に、アンナの口調も当然と言わんばかりに獣人とすら言わず亜人呼び。とても聖職者とは言えないがアリシアと関わりのある彼女も何か被害は受けていないかと心配したようで)








1099: レド [×]
2025-11-07 00:12:06

>1097

「おい見ろよ、近衛隊だぜ……チッ、聖教国の手先が何でギルドに」
「誰か乗るぞ……あれ誰?」「さあ?なんか見たような気もするが」
「近衛隊の関係者にしちゃ野暮ったいな」「こら、早くしなさい!こっちだって馬車乗るんだから」

(昼前を迎えたギルド前。正面に堂々と停車する近衛隊の馬車の周囲に人だかりができている。高貴さとは縁の無い冒険者たちの拠点に似つかわしくない荘厳な馬車はそれだけで冒険者の注目の的になるが、近衛隊の排除対象となる獣人やエルフは忌々し気に馬車を睨むか、そそくさと立ち去っていく。
やがてポニーテールを揺らした黒ずくめの青年……レドが無造作にギルドの扉を開けて馬車へと歩き出すと、冒険者たちの注目はそちらへ集まる。周囲の冒険者たちには目もくれず、横柄な態度を取る御者を無言で睨みつけると、催促を無視して馬車の後部に回り、荷物を積み始める。積み終わると荷物をガサゴソまさぐってから、御者の正面に立って。)

言葉に気を付けろ。

(御者に鋭い視線を突き刺すレドの肩回りには白布がはためいており。これは受付で「アレ」と指示しておいた、師匠・ショウカクから誕生日に貰い受けたケープである。いつの日かレドが宮仕えをする日のためにとショウカクが着用していた羽織をリメイクして作られたこのケープは太陽を浴びてなめらかに輝き、カラスのように黒いレドを彩る。)

本来なら「勇者」レイラを通して抗議すべきところを我が友・シエルに免じて行ってやるのだ。お前の顔が潰されないだけありがたく思え。

(眉間に皺を寄せながらドスのきいた声で御者を罵るレドの姿からは、クレアに応対した時のような純朴な雰囲気は消えている。そもそも王国内で帝国兵が兵士を襲うなど本来は剣術指南どころの話ではない上、帝国兵を連れ帰るために身体を張ったシエルを邪険に扱われては怒りが隠せないものだ。御者を睨みながら馬車に乗ると、自分でドアを閉めて)

はぁ……なんでこんな帝国兵なんかと……。こん……な……?

(赤鞘の野太刀を抱きながら腰掛けると、まるで子供のように眠る帝国兵の女にちらりと視線をやり、うんざりして溜息を……あ、あれ。帝国兵……?おかしいな。何度も何度も視線をやると、隣で安らかな寝息を立てているのがあのシエルに暴行した女・エルフリーデと確認し……「は、はぁ!?」と口を押さえながら叫んで。口を押えたまま、驚きと困惑と……絶望に目を開きながら、呟いて)

おいおいクレアさん……いきなりとんでもない壁が来ちゃいましたよ……

1100: リズリット [×]
2025-11-07 18:59:50

>1098

なんだか最近は物騒ですよね…私は何ともありませんが、近衛隊の方は大臣クラスの獣人から説明責任を追求されたりと、忙しそうな印象を受けるのです。

(聖職者らしい仰々しい感謝の言葉に、なんだか身に余る栄誉を受けたような気がして、リズリットはにかんだ笑みを浮かべた。話題が獣人達の抗議活動へと移ると、アンナのなんとも攻撃的な表現に顔を引き攣らせるのを我慢して、神妙な面持ちとなり自身の近辺の状況を伝える。当然ながら、同じ陣営とはいえアリシアとの直接の上下関係を持たないリズリットには飛び火していないが、アリシアの属する近衛隊は宮廷内の獣人有力者達を中心に槍玉に上がっていた。亜人に偏見を持たないリズリットにとって、本心では自業自得だろうと思っているものの神妙な面持ちを崩さずに哀れんでみせる。)

1101: エルフリーデ [×]
2025-11-07 19:01:39

>1099

チッ…庶民風情が…

(鋭い視線を突き刺された御者は吐き捨てるようにレドの出自を罵ると、踵を返して馬に跨った。プライドの高い近衛兵にしてみればアリシアに気に入られただけと捉えている、ぽっと出の冒険者に凄まれたことが癪に触ったのだろう。レドが乗車したことを確認すると、乱暴に馬車を走らせた。)

…うぐっ…痛いなぁ…
おや、レドさんじゃないですかぁ。待ちくたびれて寝てしまいましたよー。これからしばらくは同じ屋根の下で寝食を共にする身、今から親睦を深めようではありませんか。

(馬車が急発進したことでエルフリーデは壁に頭を打ち付けた。ここに来るまでに宿でシャワーを浴びてきたのだろう、甘い石鹸の匂いを漂わせながら身を起こすと、レドの姿を視認するなりニヤついた笑みを浮かべて話しかける。その様はまるでシエルの一件などなかったかのように馴れ馴れしく、そもそも自分が過ちを犯したという認識がないのであろう。今のところは敵意を見せておらず言葉通りの友好を求めているが、美しい見てくれとは裏腹に悪魔にも等しい倫理観である。)

1102: レド [×]
2025-11-08 09:59:33

>1101

ったく、こんな血生臭いシンデレラを世話をしろってのか。夢もへったくれもねぇな……アリシア様も別便にしてくれよ……

(エルフリーデを拒絶するがごとく、眉間に皺寄せ腕を組んでブツブツ呟いて。冒険者から近衛隊剣術指南というシンデレラストーリー。だがその実態は胡散臭い近衛隊の馬車に横柄な御者、お城にいる王子は継母より意地悪な第一王子、そして何より、馬車に乗るのはシンデレラではなく血と酒の臭いしかしない帝国兵……夢と希望もあったもんじゃない地獄のような現実に、がっくりと溜息を吐いて。
雑な発進で身体が揺れる。そこに御者の怒りと侮蔑を察して「野郎、なめやがって……」と吐き捨てていると、今の振動でエルフリーデが起きてしまった……げんなりした顔を、目覚めた彼女に向けて)

……俺は嫌だね。誰かさんのせいで疲れてるんだ、寝るから起こしてくれるなよ。

(今朝の所業など無かったかのようにいけしゃあしゃあと挨拶するエルフリーデに、腕を組んだままぷいっと顔を背けて。その顔に案外怒りは無い。今は波を立ててはいけない、シエルに制されている、というのもあるが、倫理観が違い過ぎて話が通じそうにない諦めの方が勝るのである。
それでも、一瞬ちらっとエルフリーデに視線が行って。密室に漂う石鹸の香りに、どこかアリシアに通ずる悪魔的な美貌と魅力……完全に無視できるレドではなかった。)

1103: エルフリーデ [×]
2025-11-08 11:55:02

>1102

冷たいですねぇ…王国人には人の心がないのでしょうか。

(当然の如くつれない態度を取るレドに、エルフリーデは身を身を乗り出して顔を覗き混むと、ジト目を向けて抗議した。人の友人を刺しておいて驚くほど綺麗なブーメラン発言である。透き通るような蒼眼にレドの顔を映しながら、どうすれば彼の気を引けるのか思案していると、帝国人らしい野蛮な発想に至った。)

我が覇道を~…ふふっ、冗談です。けど、レドさんが寝てしまうのなら、暇を持て余して使ってしまうかもしれませんねぇ。

(完全な脅迫である。レドのよく知る魔法の詠唱を口ずさみ、途端に赤黒く禍々しい魔法陣が車内に顕現しかける。しかし、全貌を現す前に詠唱を中断したことで霧散した。忌憚のない笑顔で冗談とは言うものの、自分に構わなければ使用する可能性を示唆している。レドの技量を持ってすれば発動前に止めることも可能だと思われるが、無視されるくらいなら、そのいざこざでさえエルフリーデにとっては娯楽なのだろう。大人しく暇つぶしに付き合うか、相手にせずに無理やり付き合わされるか、ないも同然の選択肢を提示した。)

1104: レド [×]
2025-11-09 11:23:56

>1103

んなっ!?…………あぁ、なんて野蛮なんだ、アリシア様も何故このような帝国兵を……なあ、なんでだよ。

(見覚えのある悪魔の魔法によって車内が赤黒い地獄絵図と化すとさすがに身震いするが、霧散と同時に呆れに転じて溜息を吐いて。近衛隊の馬車でこんなことを実行に移したら王国に断罪されるどころか本国に帰れない。そんなこともわからないのか?脅迫の仕方さえ知性のかけらもない……
こんな奴にシエルを刺したことを非難したところで、それは害鳥に「畑を荒らしてはいけません」と説くようなものだ。なんでこんな害鳥が近衛隊に招かれたのやら……ひとまずその蒼い瞳にジト目を刺しつつ、そもそもアリシアに呼ばれた理由を聞いて。)

1105: エルフリーデ [×]
2025-11-09 20:36:37

>1104

そんなもの決まってるじゃないですかぁ。両国の親睦を深める為ですよー。私としては貴方が剣術指南役に指名された理由の方が気になりますけどねぇ。若い無名冒険者を招くなんて、何か裏があるとしか思えません。宮廷、聖教国、はたまた新勢力か…果たして貴方はどこの差し金なのでしょうか。ふふっ。

(レドから話題を振られたことに嬉しそうにニコッと微笑むと、派遣された建前上の理由を述べるに留めた。後先を考えない愉快犯と言えど、流石に帝国側の真意を易々と明かすほど愚かではないらしい。エルフリーデは言葉を続け、逆にレドが指南役に選ばれた真意を尋ねる。レドがエルフリーデを訝しむのと同じように、エルフリーデから見たレドもまた同様の対象であった。なにも暴れる為だけにデュランダルを訪れた訳ではなく、選択肢の最初に「宮廷」を持ってくる辺り、調査対象の姿形を知らない制約の中で短時間の内にレドの素性や総合庁舎での宮廷役人との接触まで調べ上げたことが窺える。返事を待つエルフリーデの顔は心底楽しそうにニマニマとした笑みを浮かべており、そこに敵意はなく、一愉快犯として状況がより煩雑化することそのものを楽しんでいるかのようであった。)

1106: アンナ・ランストリウム [×]
2025-11-10 01:07:01

>1100


本当に物騒です…帝国も軍備拡張を進めているとの噂もあります。亜人達もそうですが本当の敵は神に背く人間…差し迫った脅威ではないとの事ですが名が通るという事はそれだけ敵も作りやすくなる…王国の象徴である王家ともなれば毎日の様に糾弾が起きているでしょう。ああ、神よ…

(他国文化を排斥し独自路線を推し進め始めた帝国を間近で知ったアンナは、偏見も勿論あるが脅威度は獣人達と同じなのか常に槍玉に上げられ続ける王国の近衛隊、及び王族の面々を憂いて静かに神に祈って。リズリットが抱える事情、立場、そして王国内で渦巻くどす黒い闇の部分を知らないアンナはこうして2人きりで喋っているからなのか奥底に眠る性格が垣間見えた。聖教国の人間として植え付けられた根底意識もあってか発言は無礼極まりないものだが情勢を憂い神に縋り、そして導かんとする信仰心は本物なので歪にも見えて)


………名残惜しいですがそろそろ巡回の時間が近づいてきました。長々とお時間を頂戴してしまい申し訳ございません、リズリット様。
お恵み頂いたアリシア様…そして第三王女ルイーズ様にも宜しくお伝えください。…貴女に神のご加護があらんことを。

(大聖堂の大時計を見やれば、自身の職務を遂行せねばと腰を上げる。孤児院への寄付の礼、としては長々と時間を取ってしまったと深々と頭を下げて謝罪を述べれば、仮面の笑顔に等しい柔和な笑みを浮かべて。重ねて礼を申し上げれば権杖を手に持つと、外回りに行く為に法衣のフードを被ってはシャンシャン、と数回打ち鳴らしてその場を後にしていき)




(/返信遅れて申し訳ございません;一度区切りとさせていただきたいです。別の絡み文を出し直そうと思います!)


1107: リズリット [×]
2025-11-10 17:39:10

>1106

いえ、こちらこそ巡回前だと言うのに息抜きに付き合って頂いたこと、お礼申し上げるのです。それでは、いってらっしゃいませ。

(時間を取ったことを謝罪されると、リズリットは自分の方こそ巡回前という忙しい中で時間を取ってしまったと、忌憚のない笑みを浮かべて感謝の言葉で返した。お互いに謝ってはなんだか辛気臭いという、場をしらけさせない為に王城内で培われたコミュニケーション能力からの判断である。話を終えると、侍女らしい丁寧な所作で頭を下げて、「いってらっしゃいませ」とアンナの後ろ姿を見送りながら思考に耽った。一見人が良さそうな司祭でさえ亜人への差別を隠そうともしない…自らの真の主人である第一王子ジェラルドの為にも、やはり危険分子たる聖教会の動向には気を配っておくべきだろうと心に刻んだのであった。)

(/了解致しました!こちらこそあまり返信出来ず、また、お互いに特殊なポジションのキャラということもあり、なかなか方向性を見い出せずにグダってしまい大変申し訳ありません…)

1108: レド [×]
2025-11-10 20:01:43

>1105

俺は「勇者」の弟分だ。あの人は無名だろうと分け隔てなく接してくれる方だが政(まつりごと)は好まない。だからアリシア様との会食に俺が代理で行くことになって……そこでお眼鏡にかなったというわけだ。
というわけで、それは俺に聞いてもしょうがない。アリシア様に直接伺うことだな……親しいんだろう?今朝みたいなことしでかしても見逃してもらえるくらいには……

(エルフリーデを横目に見ながら、刀を抱きながら腕を組んで質問に答えて。今朝正体を明かしてから今までの間に自分の素性はおろか、宮廷の事まで探り当てるとは……単なるサイコパスではないと眉間に皺を寄せるが、宮廷のことは触れなかった。なにも嘘ではない。宮廷の存在は横槍に過ぎない。「勇者」の伝手でアリシアと出会い、糸目野郎と切り結んだ腕を認められ、それから……という経緯自体は事実であり、そこに招かれる側の意志が介入する余地は無い。
レドがこうして宮仕えする日が来る時のためにと師匠が遺した白いケープを指で撫でながら話し終えると、「なにが親善目的なものか、他国で暴れておいて」と言わんばかりにエルフリーデを睨み、アリシアとの関係を質問して。ここまでの分析力がありながら今朝の暴挙、アリシアに抗議されないと知った上での行動だろう。アリシアもまた招聘当日になって部下に捜索させる辺り、エルフリーデの気性を把握しているらしい。何より今朝の狼藉の黙認……この帝国兵とアリシアは親しい間柄か……あるいは相当な利害関係がある、とレドは見ていた。)

1109: エルフリーデ [×]
2025-11-11 19:54:26

>1028

へぇ、つまり貴方とアリシアさんはそういう関係ってことなんですねぇ。これは思いがけない収穫を得ました。
そうですねぇ…私は貴方ほど親密ではありませんが、彼女にはそれなりに親近感を抱いていますよ。きっと彼女もまたそうなのでしょう。なにせ同類ですから。

(会食を機にお眼鏡にかなったと聞いて、エルフリーデはニヤッと口角を吊り上げると、揶揄うような口調で二人が恋仲なのだろうと推測を立てた。間違いではないのだが、その特異な経緯の詳細を話せない為にこのような結論に至るのは当然であろう。皮肉交じりにレドほどアリシアとは親密ではないと前置きしつつ言葉を続けると、自分自身とアリシアとの関係を「同類」と例えた。レドがその意味に辿り着くわけがないと踏んでいるのか、挑発的な笑みを浮かべているが淡々と事実を述べたに過ぎない。自分もアリシアも同じく悪魔憑きであると。)

1110: レド [×]
2025-11-12 18:50:28

>1109

同類ねぇ……あんたアリシア様と違って子供好きには見えないが。
ああ……せっかくだから観光案内してやろう。あの城みたいなのがデュランダル中央庁舎だ。デュランダルは冒険者の都……冒険者になりたくてここに移住する奴は、まずあそこで住民登録をする。いわば冒険者のはじまりの地というわけだな。

(頬杖を突くと、エルフリーデに「子供を慈しむアリシアとお前のどこが同じなんだ、一緒にするな」とばかりにジト目で溜息を吐いて。アリシアとの関係は見抜かれたが、周知の事実だから何の痛手も無い……というかそうでもなければ無名の平民が近衛隊に招かれるはずもないから。だがこの恋も、いま自分が帯びている使命を果たせば壊れるであろう、脆く儚いものだ……
ふとエルフリーデ側の窓の外から見えるデュランダル中央庁舎に視線が行くと、思い出したかのように指をさしつつ説明して。冒険者のはじまりの地、天を衝く城のごとき庁舎。レドはあそこに控える宮廷=第一王子派に呼び出され、「国の平和のためアリシアの罪を暴け」という密命、人間として終わっている任務を受けた。密命を受けてもなおレドの心は迷っている。「農民を弾圧せよ」「愛する者を裏切れ」と命じる国がもたらす平和。そんな偽りの平和などいらない、クレアさんを苦しめ泣かせた国などむしろ滅びればいい、とレドは考える。
だが宮廷の助力を得なければ、アリシアの「同類」……アリシアと同じ悪魔の魔法を操るこの帝国兵に、この国もアリシアも、そしてクレアさんも呑まれてしまう……葛藤に苦しみながら説明をするレドの声には覇気が無い。)

1111: エルフリーデ [×]
2025-11-13 21:25:53

>1110

お察しの通り、たしかに子供は甚振っても面白くないので好きではありませんねぇ。今の貴方みたいに覇気がない人も。ですから…私を楽しませる為にも元気を出してください。こうすれば多少は気が晴れますか?

(レドの推察の通りエルフリーデは子供を好いていない。玩具になり得ないからという極めて自分勝手な理由を、さも当然のことかのように淡々とした様子で述べた。そして、その対象には覇気のない声色で観光案内をするレドも当てはまったようだ。中央庁舎には目もくれず代わりにレドの顔を覗き込むと、その頭に手を置いてニコッと微笑む。不憫な動機に似合わず、その様はまるで傷心の青年を慰める天使のようである。頭を撫でれば元気が出る…親しい人や憧れの人、このような関係性の人間からされたなら、それも有り得ることであろう。しかし、そういった人間関係を無視したエルフリーデの思考は短絡的で、まるで子供のような発想と言って差し支えない。それは彼女自身が人との温かな繋がりを経験したことがない故であり、帝国の劣悪な環境が今の彼女の人格を形作ったことを如実に表していた。)

1112: レド [×]
2025-11-15 10:40:25

>1111

あの、人の話を……様子のおかしい人だ。バカエルフ以上に……

(人の話を聞かずに頭を触ってくるエルフリーデに呆れ顔を向けながらも、されるがままに頭を撫でられて。人を刺したり突然頭が良くなったりと思ったら、今度はまるで子供のような無邪気な有様……考えが読めない。バカエルフ以上に。「エルフ」なだけに。
動機はひどいが……何はともあれ子供をいたぶる趣味は無く、人を元気付けようと寄り添う気はあるらしい。頭を撫でられるたび、レドの顔も穏やかになる。)

帝国兵エルフリーデか……愉快な遠足になりそうだな。

(エルフリーデの微笑みを見つめながら、彼女の頭に自らの手をポンと置いて。天使のような笑顔に、酒浸りなところ……何故かクレアさんを思い出す。あの人も罪悪感を捨てたらこの帝国兵のようになるのだろうか。この女と共に往くこれから先の道中、そして生活に、一体何が待ち受けているのか……と思いを巡らせながら、ただ彼女の蒼眼に自らの灰色の瞳を向けて。)

1113: エルフリーデ [×]
2025-11-15 19:07:17

>1112

…な、何をしているんですか…べつに私は気を落としていませんよ…?

(頭に手を置かれる直前、エルフリーデは怯えたようにびくりと身体を震わせると、反射的にレドの頭から手を離して腰に携えた剣に添えた。帝国では人に触れられる時、悪意や敵意によるものが殆どである為だ。そうした事情から、自分が触れるのならまだしも人に触れられることには特に警戒している事が窺える。一連の所作から、今朝の騒動も結果的に楽しんでいたとはいえ故意ではないのだろう。レドに敵意がないと判断すると、抵抗することなくその手を受け入れるものの、きょとんとした様子で小首を傾げてその意図を尋ねた。)

1114: レド [×]
2025-11-16 11:29:02

>1113

む……!?
あっいや、同じ屋根の下で寝食を共にする身なら、お互い触れ合って元気を分かち合おうと思ったんだが……触られるのは嫌か。すまない。

(頭を触った途端急に剣に手をかけるエルフリーデに真顔になって。今まで多数の女性に触れてきたが、ここまで警戒されたのは初めてだ。クレアさんですら俺に接触を許したのに……と戸惑っていると、エルフリーデが再び自らの手を受け入れる。シエルを刺した経緯はともかく、シエルを蹂躙したことには変わりが無い。そして一方的に人の頭を触っておきながら自分の頭を触るのは許さないでは、身勝手が過ぎる。コイツに謝る必要など本来は無い。無いが……もしかしたらこの女もまた、接触を極度に恐れるほどに虐げられた人間なのかもしれない……こればかりはどうも俺の方が軽率だったかもしれない……と、困り顔になりながら頭を触った経緯を説明し、ゆっくりと彼女の頭から手を離しつつ詫びて。)


1115: エルフリーデ [×]
2025-11-16 16:03:46

>1114

いえ、嫌というわけでは…ただ、怖いんです。祖国では、隙を見せると命も有り金も全て奪われてしまうので。平和なこの国ではそんなこと滅多にないでしょうし、この国の価値観に沿った振る舞いを心掛けてはいるのですが、触れられるとなるとつい反射的に身構えてしまうんですよねぇ。

(語られた経緯に納得するとエルフリーデは完全に警戒を解いて、友好的なビジネススマイルを貼り付けた。決してレドに触れられることが嫌だった訳ではなく、寧ろ心地良いとすら感じていた。気恥しいそんな感情は内に留め、決して不快感からではなく祖国で培った防衛本能が働いたに過ぎないことを説明すると、比較的治安の保たれている王国に合わない自らの体質に、困ったように頬に手を添えて眉尻を下げた。)

あぁ…決して同胞が野蛮だと言いたい訳ではありませんよ?そこは誤解なきように。
剣術指南に選ばれるほど学のあるレドさんであれば歴史の一端はご存知かもしれませんが…少々遠い遠い昔話を致しましょうかぁ。
我々の御先祖様は大陸中央の肥沃な大地に住まう農耕民でした。しかし、悲しいですねぇ…恵まれた土地というのは誰もが欲するものです。欲に目が眩んだ周囲の異民族は剣を手に、農具しか握ったことのない非力な御先祖様達を雪と氷に覆われた不毛の地に追いやりました。ふふっ、可哀想そうですねぇ。食い繋ぐには獣を狩るしかありません。生きる為に、農耕民だった御先祖様達は鍬ではなく初めて剣を手にしました。けれど、獣など無限に湧いて出てくるものではありません。狩れば狩るほどその数を減らしていき、やがては小兎すらもいなくなってしまいます。そうなれば、後は隣人から奪うしかありませんねぇ。仲間内は勿論、かつて自分達を追いやった異民族すらも新たな狩りの対象です。鍬の振り方は忘れてしまっても、剣さえ振るうことができれば食い繋げると、御先祖様達は素晴らしい気付きを得てしまいました。そうして誕生したのが「力こそ正義」を国是とする我が祖国です。めでたしめでたし。
我々は奪うほかに生きる術を知りません。かつて我々がされたように、弱き者から奪うのは正当な権利です。だから決して野蛮などとは思わないでください。これは立派な文化なのですから。

(前述の説明では帝国人が野蛮だという誤解を生みかねない。そう考えたエルフリーデは、指南役に選ばれるほどの人間ならば知っているかもしれないと前置きしつつ、帝国誕生にまつわる長い昔話を語った。明るい口調に似合わず紡がれる物語は迫害の歴史。奪う以外に生きる術を失った哀れな農耕民達のお話である。今や農具の振り方も忘れた帝国人が、それも雪に閉ざされた不毛の大地で自給自足の生活を営むことは不可能であろう。生きる為に奪う、かつて奪われたのだからそれは正当な権利なのだと、たとえ同胞に命や金品を狙われようとそれは文化なのだと、エルフリーデは本気で信じている。おそらく彼女のみならず殆ど全ての帝国人に共通する認識なのだろう。その振る舞いは、クレアが懸念していた帝国人の価値観の違いを如実に表していた。)

1116: レド [×]
2025-11-17 19:13:29

>1115

そうか、そんな歴史が。きっとご先祖も再び弱者として抑圧されたくないと必死で戦ったんだろう。野蛮どころか当然の帰結だな……

(エルフリーデの語るグラキエス帝国史を頷きながら聞き入って。「力こそ正義」。だがその実態は、侵略により祖国を追われ、生き残るためには暴力に縋るしかなかった弱者による復讐国家……暴力や略奪に走るのは自らを強者と示したいため……弱者になりたくないという恐れの裏返しだろうと、静かに目を閉じ結論付けて)

(レド!あんたなに絆されてんだよ!こんな……略奪者なんかに!)
(早まるなペトラ。今こいつ一人をぶちのめしても意味がない)
(だって……)
(これは……単なる悪の帝国なんかじゃない)

(ふと窓の外に視線をやると、帝国に迫害された昔の仲間・女戦士ペトラの怒りの形相がレドにだけ見える。憤慨する仲間に首を振りつつ、自らの東刀を撫でて。俺だって、飢饉には弾圧で返すこの国で生き残るために鋤でなく剣を握った身の上だ。正直気持ちは分かる……)

ま、立派か野蛮かはさておき……触られるのが嫌な理由はよくわかった。ここまで生き延びるのも大変だったろうな。

(どうやら帝国人の暴力性は文化や信条として根付いているようだ。王国の価値観とは到底相容れそうにないが、咎めたところで不毛な問答になるだけだろう……ひとまずエルフリーデに静かな目線を送り、触られることすら恐怖を感じる帝国でここまで生きてきたことを労って。)

1117: エルフリーデ [×]
2025-11-18 13:59:49

>1116

ええ、それはもう大変でしたよぉ。人攫いに捕らえられたことだってあります。だって私可愛いですから。ふふっ、あははっ!…ハァ…ハァ…

(レドの労いの言葉に同調すると、人攫いに捕まった過去を冗談交じりに明かした。神秘的にも見える銀髪を靡かせて、忌憚のない笑みを浮かべるエルフリーデは確かに王国の基準で見てもかなりの美人である。可愛いのは事実だが、この傲慢な自画自賛に自分でツボって、耐えきれずに吹き出した。腹を抱えてしばらく笑い転げ、ついには疲れ果てると、ストンと自身の頭をレドの肩に置いてもたれかかる。触られることを恐れるエルフリーデが自分の身体を人に預ける、その行動は言葉にしないまでも、レドがエルフリーデから一定の信頼を得たことを意味していた。帝国の歴史を聞いて理解を示してくれたレドに対してのある種の敬意なのだろう。自分の雪のように冷たい肌とは違うレドの体温をその身に感じながら、エルフリーデはニコッと微笑んで「人肌の温もりも悪くはありませんね。」と耳元で囁いた。
そうこうしている内にも馬車は王都の地を踏み、窓から見える光景には陽の光で純白に輝く王城が姿を覗かせる。)

1118: レド [×]
2025-11-19 06:50:09

>1117

エルフィ……

(人攫いに捕まった過去を自画自賛をまじえて笑いながら語るエルフリーデに、悲し気な目を向けて。一見傲慢だが、人はどうにも辛い事を話す時はかえって笑うという。城勤めの過去を思い出して作り笑いを浮かべたクレアさんのように、この女もまた……憐れみのあまり返す言葉が無く、エルフリーデの愛称を呟いて。)

んなっ!?近ぇよばか!……まあいいや。

(突然自分の肩に頭を預け、耳元で囁いてくるエルフリーデにびくっとして、顔を赤くしながら叫んで。アリシアがいるのに異性と、それも帝国兵となんてくっついていられないが、アリシアのような悪魔的な魅力と、今まで人の温もりを知らずに生きてきたかのような肌の冷たさに負けて引き?がせず、結局恥ずかしがりながらも彼女の接触を受け入れて。そうこうしている内に見えてきた王城を見ながら、どこか観念したかのように呟いて。)

……女慣れするのもまたカルロス様に近づく一歩だしな。

1119: レド [×]
2025-11-19 06:51:56

>1117

エルフィ……

(人攫いに捕まった過去を自画自賛をまじえて笑いながら語るエルフリーデに、悲し気な目を向けて。一見傲慢だが、人はどうにも辛い事を話す時はかえって笑うという。城勤めの過去を思い出して作り笑いを浮かべたクレアさんのように、この女もまた……憐れみのあまり返す言葉が無く、エルフリーデの愛称を呟いて。)

んなっ!?近ぇよばか!……まあいいや。

(突然自分の肩に頭を預け、耳元で囁いてくるエルフリーデにびくっとして、顔を赤くしながら叫んで。アリシアがいるのに異性と、それも帝国兵となんてくっついていられないが、アリシアのような悪魔的な魅力と、今まで人の温もりを知らずに生きてきたかのような肌の冷たさに負けて引きはがせず、結局恥ずかしがりながらも彼女の接触を受け入れて。そうこうしている内に見えてきた王城を見ながら、どこか観念したかのように呟いて。)

……女慣れするのもまたカルロス様に近づく一歩だしな。



(/一部文字化けがあったので訂正します……)

1120: エルフリーデ [×]
2025-11-19 12:53:20

>1119

エルフィ…随分と可愛い名前で呼んでくれるんですねぇ。軍では「馬鹿」や「愚図」だの碌なあだ名を付けられないので、なんだか新鮮な気持ちです。

(呟かれた可愛らしい愛称を繰り返すと、少しの間を置いてエルフリーデは口角を吊り上げた。馴れ合いを良しとしない帝国軍に於いてあだ名とは悪口が常である。初めての愛称が余程気に入ったのか無意識にレドの腕に抱きつくと、真っ直ぐにその瞳を見据え、言語化出来ない内なる喜びを「新鮮な気持ち」と言い表した。あまりに強く抱き締めているため、エルフリーデの豊かな双丘はレドの片腕を完全に飲み込んでいる。そんなやりとりの最中にも馬車は進み、遂に城の正門に到着した。改修工事でもしているのか門は幕に覆われており、警備に当たる衛兵も通常数人のところを数十人体制の厳戒態勢である。そして、眠たそうにあくびをしながら、臨時で編成されたであろう警備隊の指揮を執っているのは緑髪のエルフの騎士…レドもよく知るバカエルフであった。)

1121: レド [×]
2025-11-19 22:51:05

>1120

く、苦労してんだなエルフィ……ああっでも、そろそろ離れた方がいいぞ?ほら、城に着くし!アリシア様に見られたら大変なことに……

(なにげなく呟いた愛称が相当気に入ったエルフリーデがレドの腕を強く抱きしめると、ますますあたふたし出して。しなやかにきらめく銀髪、華やかな香り、吸い込まれそうな蒼き瞳、そしてつい視線が行ってしまう、自らの腕を飲み込む……で、でかい……なんだか心まで飲まれそうだ。でもここまで懐かれたからには振りほどくわけにもいかず、ひとまずついに目の前に現れた窓の外の王城を指差して気を逸らそうとして。
だが城の正門に入って「あるもの」を目にした途端、レドのあたふたした動きは急に止まり、歯を食いしばり始めて。エルフリーデに抱かれていない方の手は自らの東刀をがっちりと握りしめ、抱かれた腕を包み込む豊満な感触の源には目もくれずに、瞳孔の開いた瞳を窓から見える「あるもの」に突き刺して。「あるもの」とは?なぜか幕に覆われた正門ではない。レドが睨みつけている「あるもの」とは緑髪のエルフであり、本来は正門の警備などするはずのない人物。自分とレイラの命を狙い、自らの技をことごとく防いだ挙句に野原へ捨て置いた因縁の相手。共和国数十万殺し。百年王の側に仕える魔女にして、王に仇なす者を闇に葬るフードの死神……フィリア王国騎士団副団長・第二席エリス・フィンベル!その忌むべき名の代わりに、自らが付けたまたの名を顔を歪ませながら呟いて。)

バカエルフ……!馬鹿な、なぜこんなところに……!

1122: エルフリーデ [×]
2025-11-20 11:30:05

>1121

私よりもあんなエルフの方がいいんですかぁ?そうだ、レドさん。今晩はアリシアさんと三人で楽しいことしましょうよ。ね?

(すっかり外にいるエリスにレドの関心が向けられたことに、エルフリーデは少しだけ妬いてしまったようだ。一層身体を密着させると、エリスから興味を逸らすべく甘い声色でレドの耳元に囁く。恋愛においては純真なアリシアが同意する訳もないのだが、エルフリーデにはそんなことは関係ない。断るのならアリシアの目の前で見せつけるまで、がっちりとレドの腕をホールドしている様からはそんな本気度合いが窺える。
一方で馬車は何事もなく正門を通過するが、その刹那、自らに向けられた敵意に気が付いたエリスはレドに視線を返して、挑発するかのようにニヤッと口角を吊り上げた。エルフ種特有の高潔さはどこへやら、相変わらず性格の悪いエルフである。)

1123: エリス/カトリーナ [×]
2025-11-20 13:43:08

過去編「たとえ命に代えても」

近寄らないでッ…!

(王城の一室に、罵声と共にティーカップの割れる音が響く。声の主はカトリーナ、フィリア王国の第二王女である。王族の中でも聡明で、他国に嫁いだ姉に代わり王位継承の有望株に数えられている一人だ。そんな彼女が今、珍しく気が立っている様子であった。罵声を浴びせられたメイドは信じられないといった様子で後退ると、ついには耐えきれずに部屋を飛び出した。後にはカトリーナと散乱した破片のみが残される。)

あちゃー…どうしたのさ。君が取り乱すなんて珍しい。私でよければ話を聞かせてくれないかな?

(騒ぎを聞きつけたエルフが一人、その部屋へと足を踏み入れた。彼女は王国騎士団副団長を務めるエリス。困り顔で頭を掻きながら、ご乱心の王女に臆することなく歩み寄ると、まだ成長途上にある少女の為に膝を折り曲げて、親身に話を聞こうと試みた。)

エリス…あなたは、私の味方…?

勿論だとも。あぁ…王族を守るのが私達騎士の仕事だからね。

(不安げに瞳を揺らしたカトリーナの問いかけに、「勿論だ」とエリスは考えるまでもなく返答する。しかし、あまりに返答が早すぎたためか、カトリーナの目には未だ疑念が感じられた。更なる質問を投げかけられることを察したエリスは少しだけ視線を宙に彷徨わせ、取って付けたかのような理由を並べると、カトリーナは押し黙って頷く。どうやら納得してくれたようだ…エリスは心の内で胸を撫で下ろした。)

お姉様が、亡くなったと聞いたわ…群衆に石を投げられながら…首を刎ねられたと……こんなのおかしいわ、絶対に裏があるの!きっとお兄様が…だから誰が味方か分からなくて…怖くて……私…わたし…死にたくないのっ…!助けて、エリス…!

(涙ながらに心情を打ち明けたカトリーナを見て、エリスの胸は締め付けられる。あぁ…賢いこの子は姉の訃報を聞いて真相に辿り着いてしまったようだ…腹違いの兄弟達が普段と変わらない日常を過ごす中で、この子だけが現実と、身に迫る脅威を見据えている。カトリーナの置かれている状況を冷静に整理すると、エリスは覚悟を決めて瞳を開いた。この子の不安を取り除けるのは私しかいない…私であるべきなんだ。)

そっか…それは怖かったね。大丈夫…全部、私に任せてよ。君は絶対に私が守るから。

本当に…?

私は100年この国を守ってきた副団長さ。人っ子一人守るくらい造作もないよ。

(カトリーナを抱き締めて、頭を優しく撫でる。従者が信用ならないというなら食事だって用意するし、あらゆる身の回りの世話をしたって構わない。文字通り、エリスは全て任されるつもりであった。いつもののらりくらりとした様子など微塵もない姿を前にして、真っ直ぐな瞳でカトリーナが投げかけた問いかけは疑念ではなく最終確認である。エリスは自信満々に胸に手を置いて、己が実績と職務にかけて守り抜くことを誓った。)

そこまで言うなら信じるわ。でも、どうしてそんなにも尽くしてくれるの…?

だって君は………君の亡きお母さんと約束したんだ。何があっても君を守るって。たとえ命に代えてもね。

そう…お母様と……お母様のお話色々聞きたいわ。私、会ったことないもの!

ええと…別の話題にしないかな?もっと楽しそうな話があると思うけど…

勿体ぶらずに教えなさいってば!

(エリスの言葉と表情に嘘は感じられない。しかし、騎士としての使命感に駆られて、というのはエリスの人柄を知る人間であれば誰もが疑問を抱かずにはいられないだろう。どうしてここまで尽くしてくれるのか、カトリーナの尤もな質問に何かを告げようとしたエリスは思い留まり、ばつが悪そうに視線を逸らして暫し言い淀んだ。思考を終えて、言葉を待つカトリーナに視線を戻すと、これは、彼女が産まれてすぐに亡くなったという母親との約束なのだとエリスは語る。「たとえ命に代えても」、この言葉に、決して他人事ではない覚悟を宿して。母との約束と聞いてカトリーナはさらに興味を示すが、これまたエリスはばつが悪そうに天を仰ぎ見た。なんとか話題を逸らそうとするがカトリーナはなかなか引き下がらない。問答の末に最後にはカトリーナが折れて、代わりに一晩中エリスの生い立ちや趣味趣向、果ては恋愛遍歴まで、根掘り葉掘り質問責めされたのであった。)

1124: レド [×]
2025-11-21 08:28:15

>1122

ちょっ!何言ってんだよ!そんな親善あるか!あんた何しに……

(さすがにエルフリーデが密着を強くして、その上耳元で爆弾発言をしてきてはレドの意識もエリスから彼女へと戻る。身体をバタバタさせて彼女の密着に抵抗しようとするが……)

な…………ッ!

(緑髪のエルフがこちらに気味の悪い笑みを返してきた途端、またしてもレドの顔と身体は一瞬で凍り付く。まるで全てを見通したかのようなその笑みに心臓を射貫かれた感覚がする……思わず握りしめた刀も手から落としてしまい。しばしの硬直の後、思わず顔から流れ出た冷や汗を指で拭って)

人を弄ぶしか能の無いバカエルフめ、そうやっていつまでも笑っているがいい!この世に生まれて二十余年、いつも命を張ってきたこの俺だ。百年物の置物とは格が違うと、証明してやる……!

(エリス・フィンベル。百年王に仕える副団長。だがレドからすれば意味もなく自分を生かし、今こうして自分がもがいているのを笑うために何百年も生きている性悪エルフにしか見えない。……そういう女が第一王子派という安牌に属していないのは何故だろう……という疑問を頭の片隅に残しつつも、そのふざけた糸目をいつかひんむかせてやる!と改めて誓うと、冷や汗で湿った手を握りしめ、歯を食いしばり、エリスのいた方へ怒りの形相を向けて)

……というわけでシリアスな雰囲気で行きたいんだ。そろそろ離れてくれないかなエルフィ?

(何はともあれ当面の心配はこの帝国兵、エルフリーデだ。自らの腕を包む柔らかい感触にちらっと視線をやってから、彼女の顔に困り顔を向けて。敵意は逸らしたが別の意味で心配になってきた。夜這いとかされないかな、天井裏とかで寝た方がいいかもしれない……)

1125: エルフリーデ [×]
2025-11-21 13:20:55

>1124

仕方ありませんねぇ…レドさんはほかの女にご執心のようですし、今日は諦めてあげます。

(レドが抵抗する度にぷるんと擬音を出して揺れていた双丘は、困り顔を向けられたことでついに腕から離れた。どんな感情であれ、自分以上にあのエルフがレドの気を引いたことが面白くないのであろう、エルフリーデは不貞腐れて窓の外に視線を向けてしまう。しかし、「“今日は“諦める」という言葉からも分かる通り、レドの貞操の危機は依然として健在のようだ。
しばらくして、馬車は王城の敷地内に併設された近衛隊庁舎前で停車し、黒い軍服に身を包んだ二名の近衛隊騎士に出迎えられる。馬車の中から見える二人の顔は爽やかな笑みとは裏腹に瞳に光が宿っておらず、「不気味な組織」という世間一般的な近衛隊の印象を裏付けるものであった。)

1126: レド [×]
2025-11-22 08:36:23

>1125

ふぅ……そうむくれるなよエルフィ。ありゃ俺の人生を変えた女……命がけの恋人なんだ。

(エルフリーデのとてつもない武器の感触が腕から離れたのを感じ取ると、つい今までその感触が残っていた腕に視線をやり、安堵の溜息を吐いて。すっかり拗ねてしまったエルフリーデに静かな視線を向けつつ、先のエルフの事を語って。エリス・フィンベル。第一王子派でもアリシア派でも無い副団長。行動原理はまるで分からないが、今回の件で介入してくることは間違いないだろう。その時こそケリをつけてやると誓いながら窓の外をちらりと見ると、いよいよ近衛隊庁舎に到着したと気付く。)

さあ着いたぞエルフィ。支度はいいか。

(エルフリーデに呼びかけながら落とした刀を拾い、出迎えの近衛兵を無表情で見つめて。どこまでも人をコケにするバカエルフのものとはまた違う、張り付いたような気味の悪い笑顔だ。会食で初めて会った時のアリシアのような……あれも悪魔憑きなのだろうか、と考えを巡らせつつ、馬車のドアが開くのを待って。)

1127: エルフリーデ [×]
2025-11-22 11:03:49

>1126

へぇ…人生を。それでは、そう遠くないうちに私もレドさんの人生を変えてあげます。楽しみにしていてくださいね。

(エルフによって人生を変えられたと聞いて、エルフリーデは対抗意識を燃やしたようだ。視線をレドに戻したかと思えば、二ッと口角を吊り上げて、自分の手でレドの人生を変えてみせると宣言する。その目はまさしく捕食者のものであり、人生を変えるとは即ち既成事実を作るということに他ならない。レドが身を守る為にも、屋根裏で寝るという選択肢はもはや現実的なものになりつつあった。宣言を終えると同時に外で控える近衛兵によって馬車のドアは開かれ、支度を終えたエルフリーデはレドの確認の言葉に頷いて、共に馬車を出る。)

お待ちしておりました。エルフリーデ殿、そしてレド殿。エルフリーデ殿はコンラッド殿の元へ、レド殿はアリシア様の元へ別々にご案内致します。

(馬車を出た二人に男の近衛兵が恭しく頭を下げる。行き先が異なる為、別々に案内する旨を伝えると、もう片方の女の近衛兵にエスコートされる形でエルフリーデはその場を後にした。またすぐに会えるのだが、名残惜しそうにチラチラとレドに視線を送る様はなんとも乙女らしい。残された男の近衛兵の方も「お荷物はお部屋まで運んでおきますのでご心配なく」と前置きした上で、レドをエスコートすべく背を向けた。VIP待遇に慣れている為か、所作の一つ一つが丁寧で洗練されたものであるが生気のない瞳も相まり、まるで精巧な人形のような不気味さを醸し出していた。)

1128: レド [×]
2025-11-22 20:34:14

>1127

は、はぁ。そりゃどうも……

(なんだか変な方向にスイッチが入ってしまったエルフリーデの宣言に何とも言えない顔を向けて。馬車を降り、近衛兵の片割れにエスコートされ去り行く彼女の背中をげんなりした顔で見送って……ああ、ゆっくり寝られる保証すら無いとはとんでもない話を受けたものだ……だがある名前が頭に引っかかると真顔になる。「コンラッド殿」、連れの帝国兵だろうか。帝国もアリシアも、この王国で一体何を……と考えつつ、案内係の近衛兵に向き直って。)

ん……かたじけない。これからよろしく頼む。

(近衛兵に淡々と挨拶して後をついていき。何とも底の見えない男だ。近衛じゃなくて刺客の間違いじゃ……この配下の有り様といい帝国を呼び寄せた件といい、アリシアも最早悪魔に呑まれてしまったか。あの夜のことは幻だったのだろうか……一抹の不安を抱えつつ、眼前にそびえ立つ白き王城を見上げて。農民が王城などを目の前にしては緊張で立ち竦むだろうが、色々なものを抱えるレドは緊張どころではない。表情も足取りも、むしろ静かだ。)

ま、やるだけのことをやるんだ。そうだろう師匠(オヤジ)。

(師匠から貰い受けた白きケープをはためかせつつ、視線を近衛兵の背中に戻して。天を黒鷲が覆い、地に悪魔が笑うこの王城に、いま一羽のカラスが舞い降りる。)

1129: アリシア [×]
2025-11-22 22:34:41

>1128

レド殿をお連れ致しました。

(シエルが特異なだけで基本的に近衛兵は馴れ合いを好まないようだ。道中振り返ることなく淡々と歩みを進め、ものの数分で近衛隊庁舎の最上階へと辿り着く。そこに佇むのは今やアリシアのものとなった近衛隊長執務室。扉をノックして短く要件のみ伝えると、「通してください。」というアリシアの指示に従い、そのまま扉を解放してレドへ入室を促した。)

レド殿、お待ちしておりました。突然のお呼び立て、申し訳ありません。お疲れでしょうしソファに…と言いたいところですが、すみません。もう一つ我儘を聞いてほしいのです。少しだけ…甘えさせてください。

(レドの顔を見るなりアリシアは仕事の手を止めた。机の上には山積みの書類が並んでおり、騎士団の役職者が如何に激務かを物語っている。視線のみで近衛兵を下がらせると、二人きりになって初めてアリシアはその顔に柔らかな笑みを浮かべた。軽い足取りでレドへと歩み寄り、ひとまずは急に呼び立てたことを詫びる。本来であれば、レドの労をねぎらって休憩がてら雑談と言いたいところだが、今のアリシアはそれどころではない。レドと一夜を過ごしてからというものの胸の高鳴りが治まらないのである。頬を赤らめながら、抑えられない衝動に抗うこともなくレドに抱き着くと、その胸板に顔を埋めた。しばらく全身でレドを感じて落ち着きを取り戻すと、普段とは違うレドの装いに上目遣いで感想を告げる。)

そのケープ、良くお似合いですね。

1130: レド [×]
2025-11-23 14:07:31

>1129

(近衛兵に従いながら庁舎の中を進んで。道中は雑談一つさえ無く、響くのはカツカツという足音ばかり。やがてアリシアの待つ執務室に辿り着くと、ただ事務的な彼女の声が返ってくる。親しみやすさとは程遠い国王直属の近衛隊、二十越えたばかりの俺がどうやって剣術指南するべきか。そして今アリシアはどうなっているのだろう……無表情の下に悩みを隠しつつ、入室すると「冒険者レド、お召しにより参上しました。」とアリシアに一礼して。)

あ、アリシア様!?お会いしとうございました……
……このケープは亡き師の形見にして宮仕えの装い。これを纏いながらアリシア様にお仕えできること、光栄に存じます……!

(意外!アリシアの様子はつい今朝がた友人を帝国兵の生贄にした指揮官と同一人物とは思えないほど優しい。そう、一夜を共にしたあの日の時と同じだ。驚きと安堵に顔を緩めながら、アリシアの身体を受け入れて。上目遣いの彼女に視線を合わせ、照れながら褒められたケープの事を語って。ふと机を一瞥すれば山積みの書類が見える。そこにアリシアが抱える近衛隊の、そして名門ライデン家の惣領としての重責を感じ取れば、彼女を優しく抱きしめて。羽二重で織られた白絹のケープ。冒険に持ち出すには勿体無く、宮仕え用に、アリシアの下へ参じるために取っておいたそれはなめらかに輝き、レドの印象をより柔らかくする。)

1131: アリシア [×]
2025-11-23 16:38:03

>1130

なるほど、お師匠様の美的センスには感服致します。今やご挨拶に伺えないことが残念でなりません…

(レドの話を聞きながらケープへと視線を移すと、形見でありながら非常に状態が良い事に気が付く。きっと仕立ての良い品なのだろう、レドの黒い装いに対象的な純白のケープは良く映える。もし、いずれレドが纏うことまで考えていたならば、そのセンスには感服するほかにない。愛おしそうにケープの手触りを確かめながら、今や挨拶に伺うことも叶わないレドの亡き師へと想いを馳せて、アリシアは顔を伏せた。そして、同時に何かに気付いてピタリと動きを止める。そう、先程まで別の女(エルフリーデ)が密着していた事もあり、石鹸の甘い匂いがレドに移っていたのだ。アリシアはゆっくりと顔を上げると、不安に瞳を揺らしながら問いかける。)

レド殿…その…決して浮気を疑っている訳ではないのです。ただ、ほかの女の匂いがしてはどうにも不安になってしまって……再会して早々にはしたないのは承知していますが…今一度、愛を確かめさせてください。

(まさかレドが帝国兵に目を付けられたなどとは想像もしていないが、冒険者である以上は性別問わず様々な付き合いがあるのだろうとアリシアは理解しているつもりである。決して浮気ではないと、レドに対する信頼は揺らいでいない。しかし繊細なアリシアは、異性としての魅力がないのではないかと、自分自身に対する言い知れない不安が心の奥底で燻っていた。その不安を拭う為にも、再会早々に身体を求めることははしたないと承知の上で、瞳を潤ませてキスをせがんだ。レドも気が付いている通り今のアリシアは本来の人格である。きっとレドとの接触がその人格を呼び覚ますトリガーとなっているのだろう。あの夜と同じく、一人の恋焦がれる乙女としての懇願であり、皮肉にも、これから先アリシアを裏切ることになるレドへの洗礼でもあった)

1132: レド [×]
2025-11-23 20:23:08

>1131

う……事情は後で説明します。ただひとつだけ……アリシア様。俺はいつでも、アリシア様の味方ですよ……

(どうやらエルフリーデの匂いを嗅ぎ取られたらしい。やってくれたなあのバカエルフ二世……と、一瞬気まずそうな顔をしながらも、すぐ穏やかな顔になってアリシアの願いを受け入れて。「俺はいつでもアリシア様の味方」。彼女を裏切る密命を帯びておきながら恥知らずな発言だ。しかしアリシアに潜む悪魔が聖教国どころか、帝国、果ては同じ悪魔まで呼び寄せた以上、彼女を止めなければならない。せめて今だけは彼女の孤独と重責を癒してあげたい……そんな葛藤を胸に目を閉じ、アリシアの頭と身体をそっと抱き寄せれば、彼女の唇に自らの唇を重ねて。)

1133: アリシア [×]
2025-11-24 05:16:08

>1132

んっ…ふっ…レド殿…その言葉を聞けて安心しました。いつまでも…お慕いしております。

(目を閉じ、甘い吐息を漏らしながら身体を委ねる。しばらくして顔を上げると、未だ興奮の冷めない潤んだ瞳をレドへ向け、愛おしそうに彼の頬に手まで添えて、信頼と、変わらぬ愛の言葉を紡いだ。唇を重ねたことで不安が拭えたのだろう、緊張が解けてアリシアの身体は脱力し、一時的に、あの夜と同じくレドの支えなしでは立つこともままならない状態となっている。激務によるストレスの反動でもあるのだが…今はそれすらも心地良いといるほどに、全幅の信頼を置いた相手に全てを委ねるような感覚に快感すら覚えていた。その危うさは、未熟な身体と精神に悪魔を宿し、神経を擦り減らしながら政にかまける彼女の限界が近いことを示すものでもあった。)



1134: レド [×]
2025-11-25 01:40:37

>1133

ん……っっ…………!
……はぁ、はぁ…………アリシア様、だいぶお疲れのようで……一旦ソファで休みましょう。気の済むまで側におりますから。

(愛する人の柔らかい唇を心の赴くままに吸ってから、紅潮した顔、潤んだ瞳をアリシアに向けて。彼女の優しい手を頬に受けるその顔の距離は、お互いの熱い吐息がぶつかり合うほどに密着している。ああ、こうしていつまでも愛を交わせていられたら……と願いつつアリシアを抱き寄せていると、彼女の柔らかい身体にまるで力が入っていないことに気付く。あの「地獄の門」とやらを使った形跡も無いのに。どうやら近衛隊という重責そのものが彼女を苦しめているらしい……アリシアの膝裏に手を回すとお姫様抱っこして、ソファに座って休みましょうと提案して。無論ライデン家としての誓いがある以上、事を起こす気は無い。共に座ることでアリシアを心身共に癒したいだけである。穏やかな顔がそんな下心の無さを物語る。)

1135: アリシア [×]
2025-11-25 14:22:18

>1134

お気遣い感謝します。そうですね…色々と話すべきこともありますし、ひとまず休憩に致しましょう。

(熱い口付けを終えてしまったことに名残惜しさを感じるも、抱え上げられたことで再びアリシアの胸はときめいた。口付けを交わす時とは違ってお互いに目を瞑っておらず、赤く染った顔を見られるのが恥ずかしくて、思わずアリシアはレドの胸板に顔を埋める。そんな状態でも何とか言葉を紡いで休憩に同意すると、ソファに移るまでにレドの負担を減らすべく、身体が揺れないようにギュッと力を入れて抱き着いた。エルフリーデよりは小ぶりなものの、服の上からでも分かる確かな柔らかさがレドの身体を包み込む。)

1136: レド [×]
2025-11-26 06:52:54

>1135

はわっ!?アリシア様!?……こ、こういうのも、心地よいものですね。あはは…………あっいや、すみません。座りましょう……

(アリシアに強く抱きしめられると、彼女を抱きかかえた状態のままうろたえて。密着が強くなって、彼女特有の温かくて柔らかい感触も肌に伝わってくる。このままずっとこうしていようか……と流されそうになると、首をブンブン振って思い直し、動き始めて。御者もそうだが、こうしてアリシアの寵愛を受けて剣術指南になったことを快く思わない人間は近衛隊の中にも腐るほど存在するだろう……「愛人枠で選ばれた男」などと見られては彼女も傷つく。実務面でも支えにならねば……と決意すると、アリシアを静かにソファに座らせ、自らも隣に座って。)

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