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冒険者ギルドの日常/1422


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自分のトピックを作る
1403: レド [×]
2026-08-10 09:59:47

>1402

(縛っていた髪を解き、アリシアの隣で横になる。じんわりと布団の中に広がるアリシアのぬくもり、 身体の中に染み込んでゆくアリシアの柔らかい香り、そして自分を純粋に信頼して子供のように身を委ねてくれるアリシアの赤みを差した美貌……レドには初めての経験である。そうしたものに触れていると確かに緊張はするが、だんだん安らぎの方が勝ってきた。緊張がいくらか解けた穏やかな笑顔で、アリシアに返事して。)

はは、俺もですよ……ってあれ、アリシア様、子供の頃お父様と添い寝されたことは……?俺もないんですけどね。

(この前背負った時もそうだが、アリシアは父親の身体に守られた経験が無いように見える。なにせあのオークみたいな親父だ、ろくな思い出もなさそうだと平時のレドなら質問を控えるところだが……緊張が解けたからか、頭に湧いた疑問を何の気なしに投げかけて。)

1404: トピ主 [×]
2026-08-14 01:26:23

(/すみません!少々立て込んでいまして、返信明日になります!)

1405: レド [×]
2026-08-15 09:34:13

>1404

(/了解です!お待ちしております。)

1406: アリシア [×]
2026-08-15 20:22:08

>1403

いえ…そうした記憶はありませんね。非才の身ゆえ、何かにつけて怒られたことは数知れずですが…ふふ。

(レドの質問に、アリシアはしばらく記憶を辿ってみるものの、思い返されるのは常に才能の権化たるクレアを引き合いに出されて理不尽に怒鳴られた日々。今さら感情が揺さぶられる事もないが、そんな父親への呆れからアリシアは思わず乾いた笑みを零した。
しかし、自分のつまらない幼少期を語るよりもアリシアが興味を示したのはレドの過去についてである。レドも同様に父親と添い寝をしたことがないようだが、それはアリシアの思い描いていた平民像とは大きく異なるものであった。アリシアもまた、その事についてなんの気なしに問いかけてみて。)

レド殿もそうした経験がないようですが、平民の方も家族とは寝床を共にしないのですか?

1407: レド [×]
2026-08-18 22:52:22

>1406

(案の定ひどい父親の下で育ったようで、変な事を聞いてしまったと申し訳なさそうに眉尻を下げていると、逆にアリシアから自分の生い立ちを問われた。レドは天井を静かに見つめ、「平民……か。俺も普通に生きてない男、指標にはなりませんが」と前置きしつつ、穏やかに自らの出生を語り始めて。)

俺は辺境の農村の生まれ……生まれた時から父親はいなくて、女手一つで育てられたんです。でも母親も、八つの頃に……村を襲った盗賊に……

(目を閉じつつ、幼い頃に親を亡くした事を語って。生来レドに父親はいなかった。母親には添い寝してもらった経験はあるようだが、辛い別れの記憶の方が勝るのか、レドの口から添い寝の話は出てこない。)

運よく生き延びた俺は母の仇を討とうと盗賊の一味に戦いを挑んだ。でも力の差は歴然で……と、ここまでならよくある農村の悲劇。でもトドメを刺されそうになったその時――

『やれやれ、つまんねぇモンを斬っちまった。引退したってのに落ち着かねぇもんだ』

(目を開けると、今度は母の仇を討とうとして敵わず、盗賊たちに返り討ちにされそうになった話に移る。そして死の間際……突如として目の前で何かが閃いたかと思うと大勢の盗賊が糸が切れたかのように皆倒れ伏し、代わりに見慣れぬ剣を握り、長い白髪をたなびかせた幽鬼のごとき老人が現れた。それこそが東国から来た剣士・ショウカク、後のレドの師匠であった。)

……盗賊を討って仇を討つ力が欲しいと拝み倒して、なんとか弟子入りを認められてからは二人っきりの師弟生活。ひたすら剣と心を鍛える厳しい師匠との添い寝は……なかったかな。はは……

(結局、事実上の父親であるショウカクとも添い寝した経験は無かったと、アリシアの方に顔を向けながら苦笑いして。)


1408: アリシア [×]
2026-08-19 20:07:08

>1407

その…ごめんなさい……辛い過去を語らせてしまいしたね…

(何気ない質問が思いのほか重たい話を引き出してしまったことに、アリシアは困惑と申し訳なさでしばらく返答を詰まらせて瞳を泳がせる。どうにか感情を整理して謝罪の言葉を絞り出すと、この重苦しい空気をどう打開すべきか、瞳を伏せて今一度思考を巡らせた。)

お母様の代わりは務まりませんが…わ、私で良ければいつでも添い寝しますから…寂しさを感じたらいつでも申し付けてください。

(レドが失ったものを埋め合わせるには自分では役不足かもしれない。そんな不安を抱えつつも、瞳を上げたアリシアは真っ直ぐにレドを見つめて、孤独を感じた時にはいつでも自分を頼って欲しいと告げる。その本気度は無意識に身体に現れたようで、気が付けばレドの腕を両手で手繰り寄せて、自らの双丘に埋めていた程である。)

1409: セシル [×]
2026-08-20 16:39:45

過去編~セシル・リカードの追憶~

今でも、ときどき思い出す。
騎士学校へ入学したばかりの頃。 まだ五体満足で、剣を握れば自分は何にだってなれると、本気で思っていた頃のことを。
そして、クレア・ライデンに初めて声をかけた日のことを。
あれを「友情の始まりだった」なんて綺麗に言ってしまうのは少し違う。
だって私は、最初からあの子と友達になりたかったわけじゃない……
私は、ライデン家と繋がりが欲しかった。
それだけだった。

私の生まれたリカード家は、古い騎士の家系ではあったけれど名門と呼べるほどではない。
代々騎士団にそれなりの人材を送り出してきたから、名前くらいは知られている。でも、王都の社交界で「リカード」の名を出したところで、振り返る人間なんてそう多くないだろう。
だから家では、よく言われた。
「騎士学校は剣だけを学ぶ場所ではない」
「人脈を作れ」
「将来、大きな力を持つ人間とは良い関係を築いておけ」
私はそういう話を別に嫌ってはいなかった。
当時の私は、それが大人になるということなんだと思っていたから。
そんな中で同期にいたのがクレア・ライデン。
騎士の名門、ライデン家のご令嬢。
しかも、入学時点から明らかに周囲の生徒とはものが違った。
剣を握らせれば教官さえ黙り込む技量を見せつけ。
座学では履修範囲外の問題を平然と解く。
魔法適性も並外れて高い。
ああ…これが才能なんだって、私の根拠のない自信はその時に打ち砕かれたよ。
けど、誰もが羨む才能を持ちながら、人の輪に入るのが苦手なのかクレアはいつも一人だった。
今なら笑ってしまう。
あの頃の私はそんなクレアを見て、
――都合が良い。
なんて考えたんだから。
「ねえ、クレア・ライデンさんだよね?」
私が初めて声をかけると、クレアは読み耽っていた教科書から顔を上げた。
「……そうだが」
「私、セシル・リカードって言うの。同期なんだし、仲良くしようよ」
満面の笑顔。
我ながら完璧美少女だったと思う。
でも、クレアはしばらく私の顔を見つめたあと、
「……なぜ?」
と聞いた。
思わず固まった。
「なんでって……同期だから?」
「他にも同期はいる」
「そ、それはそうだけどさ」
「私と仲良くなる理由にはならないと思うが」
可愛げのない子だと思った。本当に。
隣でそのやり取りを聞いていた友人のリリーナなんて、吹き出していたくらいだ。
「ぷはっ…!セシル、完全に警戒されてるじゃない!ふふっ…」
「うるさいなあ」
「だって顔に書いてあるもの。『裏があります』って」
「書いてない!」
「書いてる」
そしてクレアも
「……鬱陶しいから近寄るな」
なんてトドメを刺してきた。
あの時の私はどんな顔だったかな…たぶん泣きそうだったと思う。
それでもめげずに、毎日、毎日毎日…時にはリリーナも交えて私はクレアに構った。
ある日クレアの方が先に折れて、当たり前に隣にいる仲になった。
最初はただの意地だったと思う。
けど、いつしか家のこととか、そんなものはもうどうでもよくなっていて、気付けば純粋にクレアのことを「友達」と看做していたんだ。
誰よりも強くて、誰よりも賢くて、いつも澄ました顔をしているけれど、本当は寂しがり屋で、そんなクレアのことがたまらなく愛おしかった。
居れる限りの時間を共に過ごすくらいに。

クレアが飛び級してから、私達が一緒にいられる時間は目に見えて減った。
仕方のないことだった。
私とリリーナが通常の課程をこなしている間にも、クレアは上級生に混じって講義を受け、実技訓練をこなし、騎士団本部から回されてきた特別課題にまで手を出していた。
本人は何でもない顔をしていたけれど。
今思えば、あの頃のクレアは明らかに頑張りすぎていた。
「クレア、今日の夕食どうする?」
「要らない」
「また?」
「食堂へ行く時間が惜しい」
「昨日も同じこと言ってなかった?」
「昨日とは違う。今日は本当に時間がない」
「昨日も本当に時間がないって言ってたよ」
そう言うと、クレアは露骨に嫌そうな顔をした。
「……セシルは細かいな」
「友達が三食まともに食べてるか確認するくらい普通でしょ」
「普通ではない」
「普通ですー」
そんなやり取りを何度したことか。
最初のうちは、私もそこまで深刻には考えていなかった。
クレアは元々そういう子だったから。
教わったことはできて当然。一度始めたことなら、最後まで完璧にやり切る。誰かに頼るくらいなら、自分で全部片付けた方が早い。
そうやって何でも抱え込む。
しかも厄介なことに、本当に大抵のことは一人でできてしまう。
だから周りも頼る。
教官は期待する。上級生すら相談を持ち込む。 同期は分からない問題を聞きに来る。下級生からすれば、史上最速で飛び級したライデン家の天才なんて、もう半分伝説みたいなものだった。
そしてクレアは、その全部に応えようとした。
――応えられてしまった。
それが良くなかったんだと思う。
ある日の夕方。
訓練を終えた私は、リリーナと一緒にクレアを探していた。
その日は三人で街へ出る約束をしていたんだ。 ずっと前から約束していて、クレア自身も珍しく楽しみにしていた。
……はずだった。
「いないねえ」
「図書室にもいなかったし、訓練場にもいなかったし……」
「忘れてるんじゃない?」
「クレアに限って約束を忘れるかな」
「セシルとの約束だからじゃない?」
「どういう意味?」
「そのままの意味」
「リリーナ?」
「冗談冗談」
そんなことを言いながら校舎を歩いていると、人気のない廊下の奥にある自習室から灯りが漏れているのが見えた。
嫌な予感がした。
扉を開ける。
そこにクレアはいた。
机いっぱいに本と紙を広げて、椅子に座ったまま動かずにいた。
「……クレア?」
返事がない。
「おーい」
近寄って、ようやく気付いた。
クレアは本を読んでいなかった。
ただ同じ頁を開いたまま、じっと一点を見つめていた。
「クレア」
肩に触れる。
その瞬間。
「っ……!」
クレアの身体が大きく跳ねた。
剣を突き付けられたみたいな反応だった。
「あ……」
私を見る。
けれど、いつものクレアじゃなかった。
顔色が悪い。目の下には薄く隈ができている。 何より、その目がひどく疲れていた。
「セシル……?」
「そうだけど」
「……何か用か」
「何か用か、じゃないよ。今日、三人で街に行く約束だったでしょ」
「今日……?」
クレアが窓の外を見る。
夕暮れだった。
「…………すまない」
その声を聞いた瞬間、胸の奥がざわついた。
クレアは約束を破るような子じゃない。
まして、忘れるなんて。
「いつ寝た?」
聞くと、クレアは黙った。
「クレア、答えて」
「……昨夜」
「何時?」
「覚えていない」
「その前は?」
「…………」
「ご飯は?」
「食べた」
「何を?」
また黙る。
私は溜息を吐いた。
横ではリリーナも、さすがに笑っていなかった。
「ねえ、クレア。ちょっと休もう」
「必要ない」
即答だった。
「必要あるよ」
「ない。明日までに終わらせる課題が――」
「必要あるよ!」
「ない!」
「あるってっ!」
少し強く言うと、クレアの眉が寄った。
「問題ない…私にはできる」
「できるかどうかの話じゃない」
「できるなら問題ないだろう」
「問題あるよッ!」
思わず声を荒らげた。
クレアが目を見開く。
私も自分で驚いた。
だけど、止められなかった。
「何でもできるからって、限度があるでしょ!」
「…………」
「寝ないで、ご飯も食べないで、ずっと勉強して訓練して……それで倒れたらどうするの?」
「倒れていない」
「今にも倒れそうじゃん!」
「私は……」
クレアが立ち上がった。
そして、その身体がふらついた。
「クレア!」
慌てて腕を掴む。
本人はすぐ姿勢を立て直そうとしたけれど、力が入らないらしい。
「離せ」
「離さない」
「大丈夫だ」
「大丈夫な人はそんなにふらつかないって!」
「……今日は少し調子が悪いだけだ」
「なら、医務室行くよ」
「必要ない」
「行くの」
「嫌だ」
「子供か!」
「セシルにだけは言われたくない」
こんな時でも、言い返す元気だけはあるのが腹立たしかった。
結局、私とリリーナで半ば強引にクレアを医務室まで連れて行った。
その日の医務室は担当教官が席を外していた。
代わりに当番として残っていた男子生徒が一人。
「あれ、セシル?どうしたんだい、風邪でも引いた?いやセシルに限ってそれはないか」
聞き覚えのある声に顔を上げる。
余計な一言に眉を震わせながら
「おい、カルロス…それはどういう意味かなぁ…?」
カルロス・ヴァルモント・ヘイロス。
同学年の男子生徒で、社交界や合同訓練で何度か顔を合わせたことがあった。
謙虚というか、妙に大人びているというか、悪名高いヘイロス家の子弟にしては気取ったところのない、そんな印象の少年。
会えば話す程度の関係、人畜無害で家柄も申し分ない。
私の中では結構好印象だった……の・だ・が!
やっぱりこいつもヘイロスの人間だ!遠回しにバカって言いやがってぇ!ぜーったい許さない!
なんて怒りは心の内に秘める。
なんたって、この頃から私は既に一人前のレディーなんだから。
「こほん…」
と、カルロスが言い訳を並べる前に咳払いで先手を打つと、私はリリーナと共に両肩を担いで患者(クレア)を差し出した。

この時の選択を私は今も悔いてる。
この頃はこれが最善だと思っていた。
もう一度時をやり直せるとしても、私は同じ行動を取るかもしれない。
ただ……
――相手がカルロスでなければ。
この出会いが、後に友が一生の呪縛に囚われるきっかけになるなんて思いもしていなかった。

1410: トピ主 [×]
2026-08-20 16:43:56

(/少々時間が出来ましたので、セシル視点での騎士学校時代の過去編をクレアとカルロスの出会いまでを一区切りとして書かせて頂きました!
何部かに分けて現在時間軸まで書く予定です。お暇な時にお読みいただければ幸いです。)

1411: レド [×]
2026-08-21 19:56:41

>1408

……!つっ、辛いだなんて、とんでもない……もう過去の事はケリつけましたし……むしろ寝物語には重すぎる話をして申し訳ないというか、俺はアリシア様に相応しくない生き方をしてるというか……

(自ら明かした辛い過去はアリシアを申し訳なく感じさせたようだ、突然腕をアリシアの胸に押し付けられて、あたふたして。シャツ越しに伝わる恋人の柔肌、どうにも慣れない。その恋人がただの農民として生きていたら見(まみ)えることすら叶わなかった名家の美女、それも憧れの人の似姿とあればなおさらだ。)

……お心遣い、感謝します。こうやっているとなんだか……懐かしい感じがします。

(しかしだんだんと落ち着いてきて、その胸の感触と温もりに、情欲よりも安らぎや懐かしさを覚えるようになった。顔をほんのり赤くして目を伏せながらも、アリシアの慈愛に静かに感謝を伝えて。)

1412: アリシア [×]
2026-08-21 21:53:10

>1411

ふふっ、相応しいかどうかは私が決めます。なんたって私はあの強欲狸の娘ですから。

(自らの生き方を卑下するレドの言葉に、アリシアは愛おしさを隠せない柔らかな笑みを浮かべて返した。相応しいかどうかは自分で決める。なんとも自分本位で、名家の娘という立場からはかけ離れた発言だが、こういう時ばかりは自らの親の振る舞いを免罪符に使うあたり、アリシアもまた強かな女である。
言い終えると、レドと同様にアリシアも相手の温もりの心地良さを感じながら、一層身体を密着させる。鼻先が触れ合う程に近付いたところでやっと動きを止めると、じっとレドの瞳を見つめて、言葉にしないまでも、暗にキスをせがんだ。)

1413: レド [×]
2026-08-22 19:28:02

>1412

強欲て。なにもオークロード、あっいえオズワルド様をそのように仰らなくとも。はは……

(仮にも自分の父親を「強欲狸」と吐き捨てるアリシアに気圧されて、苦笑いを浮かべて。かくいうレドも釣られて「オークロード」などと放言しているが……一見儚そうなアリシアだがさすがに名門の惣領である。この時ばかりは会食で初めて対面した時の凄味を感じざるを得なかった。)

……っ!アリシアさま……

(気が付くとアリシアが身体を密着させて、顔も眼前に寄せてきた。なめらかな肌な感触、甘い吐息、とろける視線に抗えず、思わず身体をぴくりと震わせ、目を泳がせる。なんだかあなたが私に相応しいのは決定事項だと言わんばかりに、アリシアに捕まったかのようだ。結婚したら尻に敷かれたりして……なんて心中で苦笑いしつつ、アリシアに誘惑されるままにぎこちなく唇を重ねて。静まり返った夜の部屋に、ぴちゃっ、ぴちゃっと水音が響き渡る。)

1414: アリシア [×]
2026-08-22 21:41:30

>1413

っ…んぅ……

(思惑通りにアリシアは口づけを受け入れると、全身を脱力して、されるがままに甘い声を漏らす。時間にして十数分、快感に脳までもとろけきろうという所でアリシアの側から唇を離した。これ以上は自ら課した約束を反故にして、この先までもせがんでしまいそうで、彼女なりの線引きを通した形である。
そして、未だ残る多幸感に口元を緩めながらも、再び真っ直ぐにレドの瞳を見据えて言葉を絞り出した。)

ふふ、レド殿。変わらずにお慕いしております。明日も早いですし、今日はもう身体を休めましょう。

(変わらないレドへの愛を言葉でも伝えると、身体を密着させたまま瞳を閉じる。恋人の温もりを感じながら眠りに付く贅沢に心躍らせながも、激務の疲れからか、次第にアリシアの意識は薄れていった。
そうして意識を完全に手放す直前、昼に交わした一つの約束を思い出す。揶揄い半分にお預けしたそれを果たすには今しかないと、薄れゆく意識の中でモゾモゾと手を動かして、レドの掌を自らの胸に宛がった。最後にニコッと悪戯な笑みを浮かべたところで、相手の反応を見ることも叶わずにとうとう意識を手放したが、その天使のような寝顔はまるで幸せの絶頂にいるかのようであった。)

1415: レド [×]
2026-08-23 12:26:51

>1414

(今回のアリシアの口付けはいつになく長い。彼女に唇を吸われ甘い吐息と唾液を流し込まれるたびに「アリシア……さまぁ……」と気の抜けた声を漏らしながら唇を重ね続けていると、アリシアの方から唇を離された。)

はぁ、はぁ…………はわっ!?あっ、アリシアさまっ!?
……寝てる。まったく、いじわるなアリシア……

(すっかりとろけた顔で息を荒くしていると、手があるものに導かれて、子供のように慌てふためいて。ほんのりとした温もりがあって、指が沈み込む適度な弾力……レドがとてつもなく弱いもの、アリシアの胸だ。トドメとばかりに愛の言葉と、こちらをからかう妖艶な笑みを向けられると、レドは顔を真っ赤にして、心もすっかり射貫かれてしまった。
しばらく呆然としたのち返事しようと口を開いたが、アリシアはすっかり安らかな寝息を立てている。夢魔のように翻弄された気分になって眉尻を下げたが、そこにかえって魅了されるのも確かだ。しかしこれ以上の事はしたくてもしてはならない……一旦アリシアから視線を外し、彼女のぬくもりを感じながらどうにか呼吸を整えると、自らも寝る準備に入る。)

……今日ぐらいは、いいはず。だよな……明日につながる今日ぐらい……

(身体を少し足側へとずらすと、頭をアリシアの胸に預ける。ふんわりとして、そしてほんのりと汗で湿った特有の感触に、甘い香り。そしてイザベラには無い人間としての鼓動……すべてがレドを今まで味わった事の無い安らかな気持ちにさせる。これからアリシアを告発する者が享受すべきでは無いはずだが、せめて今日だけは彼女の慈愛に甘えたい。なにせ明日から彼女を守るための外交に赴くのだから……
目を閉じるとすぅすぅ寝息を立て、アリシアの胸の中で子供のように穏やかな顔で眠って。)

1416: アリシア [×]
2026-08-23 16:47:53

>1415

…ん……
あら?随分と甘えん坊ですねぇ。そんな所も可愛らしいです。

(窓からの日差しに顔を照らされて目を覚ましたアリシアは、すぐに胸に預けられた感触に気が付いた。レドの見せる子供のような寝顔に母性が刺激されると、耐え切れずに頭を抱き抱える形で、その顔を自らの胸に埋める。その姿勢のまましばらく頭を撫でること数分、満足した頃合いにやっと手を離し、そのままベッドを出て一足先に身支度を始めた。
顔を洗い、仕立てられた軍服に袖を通す。鏡の前で最終的な身なりを整えて準備完了…と、ここまでがいつもの流れだが、今日に関しては最愛の人が部屋にいる。食が細いためアリシア自身は朝食を食べないものの、夜食用に部屋に常備してある最高級のパンに、これまた最高級の生ハムを挟んだ簡易的なサンドウィッチを手早く用意して、皿に乗せ、一枚のメモと共にテーブルへ置いた。メモの内容は事務的なもので、教会行きの馬車を近衛隊庁舎の正面に手配しておくという旨の内容である。これにて全ての支度を終えると、レドの頬に軽くキスをして「いってきます」と、満面の笑みで部屋を出た。)

1417: レド [×]
2026-08-24 20:35:55

>1416

(すっかりと夜の帳に包まれた、王国辺境の静かな農家。収穫期の多忙な作業を終え、単なる木の台と言うべき素朴なベッドの上で母子が語り合っている。同じベッドの上、ブルネットに碧眼、そして淑やかな口調が美しい三十弱の母親が黒髪の子供に優しく語りかけつつ、母子は眠りにつこうとしている。)

『今日も一日お疲れ様でした。収穫期は大変でしょう。身体、痛くないですか?』
『へへっ、ぜんぜん!身体動かすのも鎌使うのも得意だし、母さんの豆煮込みを食べればすぐ元気出るし!』
『えへへ……頼もしいですね。お父さんもきっと喜んでると思います』
『うん。僕、これからも父さんの分まで頑張るからね』
『なら私は……あなたが気持ちよくお休みできるよう頑張りますね。おいで、レド』


んん……母さん、僕……
…………!夢か。こんな夢見たのは……アリシア?

(一方アリシアの部屋ではレドが寝言を呟きつつ、もぞもぞと目を覚ました。無論先の農家の光景は幼少のレドの姿、そして今のレドが見た夢である。寝ている間にアリシアからたっぷりと慈愛を受け取ったことで、記憶の奥底に埋もれていた母親との思い出が蘇ったらしい。
だが顔を預けていたはずのアリシアの姿が見当たらないことに気付いてキョロキョロ見回すが、彼女の姿は見えない。代わりにサンドイッチ……アリシアが用意してくれた朝食に気が付くとテーブルへ歩み寄り、「朝食……ありがとう、アリシア。いただきます。」と感謝の言葉を呟いてから口に入れた。)

ふおっ、すげぇ!今まで俺は木材でも食ってたのか?パンってこんなに綺麗で、もっちりしてて、かぐわしいモンだったのか!?まるでアリシアの……
……いけない、早く支度しないとあいつに笑われるぞ。「やあ少年。こんな時間まで恋人のベッドで過ごしていたとはね。私も百年副団長を務めてきたけれど、ここまで呑気な剣術指南は初めて見たよ」ってか?なんでお前の尻拭いしなきゃならねぇんだよ!ふざけんなぁ!

(アリシアが用意してくれた生ハムのサンドイッチは眠気が吹き飛ぶほどの美味だった。口の中でとろける生ハムの濃厚さを、パンの耳の香ばしさが引き立てる。何よりパン生地が白く綺麗で、噛めば噛むほど甘い味が広がる。一口かぶりついた途端、今まで食べてきたサンドイッチとはまるで別物の上品な味わいに興奮しながら感想を口に出していたが……アリシアへの惚気が始まったところで我に返る。美食にふけっている場合ではない。今から副団長エリスの後始末の一環として、教会へ向かわなければならないのだ。エリスの真似をしながら彼女への恨みを吐きつつ、サンドイッチを一気に掻き込んで身支度を整え始める。
アリシアと同じように顔を洗い、身なりを整え、鏡の前に立つ。最後に鏡を見ながら長髪を縛ってポニーテールを作り、憧れの人の模倣をして準備完了である。)

剣術指南2日目か。初日から刀や魔法が飛んできたんだ。いまさら何が来たってひるむかよ。雨が降っても槍が降っても、俺は退かないからな!いくぞっ!

(開けた場所で自らの野太刀を構え、抜き打ちからの十字斬り「秘伝・松鶴十文字」を放って気合を入れる。聖教国、未知の世界で何が待つのかは分からない。だが何が来ても今の自分に恐れる物は無いと活を入れながら刀を納め、アリシアの指示通りに馬車へ向かうべく颯爽と扉を開けて部屋を出た……が、昨晩アリシアにかけた自らのケープから彼女の甘い残り香を感じ取るとケープをつまみ、その甘い香りを嗅いで。)

…………無事帰ったらまた添い寝してもらえるかなぁ……

(耳をほんのり赤くしながら呟くと、また馬車に向かって歩き始めて。)

1418: ウェルディ [×]
2026-08-24 23:26:05

>1417

(/教会までの道中にとくにイベントなどはないので、円滑な進行のために場面転換させていただきます!)

よくぞお越しくださいました。
私はウェルディ、王都聖教会に籍を置く司祭の一人にございます。本日は私めが施設内をご案内させていただきますので、どうぞよろしくお願い致します。

(予めアリシアから一報があったのだろう、馬車を降りたレドを一人の司祭が迎え入れた。
青髪のサイドテールを靡かせながら、模範的なまでに丁寧な自己紹介を見せた彼女はウェルディ。ここ王都聖教会に籍を置く司祭だ。度々亜人との間でトラブルを起こすことから、世間からは聖教徒自体があまり良い印象を持たれていないが、やはり人間種の為の宗教だけあり、同胞へ向ける敬意は本物なのだろう。
ここまで客人へ向けた完璧な対応を見せたウェルディだが、そんな彼女にも一つだけ大きな欠点がある。それは聖職者とは到底思えない程の素肌の露出。もはや夜街に立つ娼婦にも劣らないレベルで祭服を着崩しているのである。「よろしくお願い致します」と、頭を下げた際には、その暴力的なまでに実った双丘が服からこぼれ落ちそうな程であった。それでいて本人は至って普通な顔をしているのだから、方向性は違えど、聖教徒はもれなく常識がどこかしら欠如しているのであろう。)

1419: レド [×]
2026-08-25 06:14:04

>1418

……四方に使いして、君命を、だったか。アリシアのためにもなめられるわけにはいかないな。まずはしっかりと挨拶を……んなあっ!?

(馬車を降り、カツカツと靴音を響かせながら教会の敷地を歩く。レドはBランクの一般冒険者。教会は未経験だが、アリシアの使いとして粗相はできない。目を伏し、師・ショウカクから習った「一人前の剣士として誰かに仕えその使者となったなら、主君の恥にならない振る舞いをせよ」という意味の言葉を呟きながら歩き、出迎えの気配を察したところで足を止める。
さあ挨拶だと目を開いた途端、思わず声を漏らしながら体を震わせた。出迎えの司祭・ウェルディの、ほぼ裸のような出で立ちに刺激を受けてしまったのである。彼女がお辞儀をしてたわわな胸がこぼれそうになった時などは、「ッッッ!」っと唇を噛みしめ、耳を赤くしながら思い切り目を逸らしてしまった。)

こっ、近衛隊剣術指南のレドです。よっ、よろしくお願いします……

(はっ、裸のお姉さん!?なんで聖職者がこんな格好を!?来る場所間違えたかな……と内心で慌てつつ、どうにか視線をウェルディの顔に合わせて自己紹介をして。しかし声が震えて身体もガチガチに固まっており、まるで新米冒険者のよう。早くも師・ショウカクが見たら「ガキかおめぇは……」と頭を抱えたくなる姿を晒したのであった。)

1420: ウェルディ/セレスティナ [×]
2026-08-25 10:50:12

>1419

ふっ…そんなに緊張なさらないでください。此処は全ての人間にとって家も同然の場所。神の御本とはいえ、気楽に構えて頂いて大丈夫ですよ。

(自分の破廉恥な服装が原因とは露知らず、レドの慌てようを、聖域に足を踏み入れたことによる緊張と捉えたウェルディは、初心な反応に思わず笑みを零して、気遣いの言葉をかけた。初めて訪れる教会にこれだけの緊張感を持って臨む様は、ウェルディの目にはさぞ信心深く映ったようで、レドの意図しない方向で好印象を与えるものであった。)

さ、中は広いですから、はぐれないように決して手を離さないでくださいね。

(しかし、いくら成人男性とはいえこれだけガチガチに緊張しては広い教会内で迷子になる可能性もあるかもしれない。そんな不要な心配がウェルディの頭を巡ると、有無を言わさずにレドの手を握って歩みを進めた。まるで子供扱いだが、第一印象があれでは仕方ないことであろう。
一歩踏み込む度に「ばるんばるん」と音が鳴りそうな程にたわわを揺らしながら教会内を進むと、やがて中央ホールに差し掛かった。そこでは百人程の信徒が頭を垂れて祈りを捧げており、皆の視線の先にいるのは、壇上で教えを説く高位聖職者。金色の月桂冠を頭に戴き、ステンドグラスから差し込む光を後光のように身に纏った神聖な立ち姿。宗教画から飛び出して来たかのような絶世の美貌。彼女こそは本国より遣わされた大司教セレスティナである。そんな要人が、視界の端にレドを捉えるなり説教をやめて、面白いものを見つけたかのように僅かに口角を吊り上げると、徐ろに視線を向けた。それに合わせて、中央ホール内の信者達も一斉にレド達へと視線を向ける。深い隈のある者、目が血走っている者、症状は様々だがここの信徒達は明らかにまともな精神状態ではない。ウェルディは特にその点については気にした素振りを見せないが、こうして注目を集めること自体は想定外であったのだろう。立ち止まり、大司教へ向けて疑問の意で首を傾げた。)

1421: レド [×]
2026-08-25 18:27:17

>1420

いや、その、一人で歩け……はぁ……よろしくお願いします、ウェルディさん…… 

(なにやら色々誤解しているウェルディに手を握られると身じろぎして離れようとしたが、(身なりはともかく)清楚で包容力ある女性に優しくされるとどうにも拒めない。結局思春期の少年のようにもじもじしながら、そのまま手を引かれた。
女性に手を引かれる剣術指南。このままではエリスの「亡者の行進」がなくとも師・ショウカクが墓から蘇ってレドに殴りかかりそうだが、あられもない姿のウェルディから目を逸らそうと教会を見上げた途端、レドの表情は剣術指南に相応しい真剣なものになった。)

…………大きすぎる。

(ウェルディに手を引かれながら見上げた教会、まるで王城のような威容の感想をぽつりと呟いて。他国の宗教施設にしては過剰に大きく、王城に迫る勢いのそれは、まるでフィリア王国への挑戦に見える。ウェルディは「全ての人間の家」とは言うが、そこにエリーゼやセレナのような亜人の居場所はあるまい。レドにはこのイレギュラーな建築物がまるで亜人・異教徒を駆逐するための前線基地、否、要塞のように見えて面白くなかった。
視線を下ろして中に入ると、極力ウェルディを見ないようにして進む。目の前で妖しく揺れる方の「大きすぎるもの」を見てしまったら最悪歩けなくなる……案内が終わるまで彼女に極力視線を合わせない。時には目も閉じよう。そうしてやり過ごそうと誓いながら礼拝中の中央ホールに入る。全員の家と呼ぶにはどうにも暗い雰囲気だと眉をひそめながら通過しようとしたが、高位聖職者らしき女の説教が中断された途端、全員の視線が一斉に襲いかかってきた!)

あっあの、ウェルディさん?ホントに大丈夫なんですか?俺、今にもリンチされそうなんですけど……

(この異常事態でも平然としているウェルディの顔に対し、流石に引きつった笑顔を向け、事情の説明を求めて。何が気楽か、全ての人間の家か。今にも余所者の自分を襲いそうじゃないか!殺伐とした雰囲気に、ウェルディの手を握るレドの掌が汗で湿り始めた。)

1422: ウェルディ/セレスティナ [×]
2026-08-26 05:36:03

>1421

……?
大丈夫ですよ、レドさん。皆、とても優しい人たちですから。

(レドの問いかけに、質問の意図を測りかねたウェルディは暫しきょとんとした様子で考え込む。ウェルディも他の信徒と同じく邪教に思考を犯されている側の人間であり、つまりレドとは見えている世界が違うのである。彼女の目には、珍しい来客を温かな目で見守る信徒達が映っているだけで、レドの言う「リンチ」が何を指しているのかが理解出来ていないようだ。しばらくの思考の末に、大勢の注目を浴びたことで再発した緊張で変なことを口走ってしまっているのだろうと推測すると、安心させる為に和かな笑みを向けてレドを諭した。)

教会に…今日…客人…教会に…今日…客人…
…ふふん、閃きました。皆さん、心して聞いてくださいね。
・・・教会に行くのは今日かい?

(一方でこの状況を作り出した当の本人、セレスティナは顎に手を添えて、壇上で何やらブツブツと呟きながら考え事に耽っており、考えが纏まるなり明らさまなドヤ顔を見せた。そうして何を言うのかと思えば、溜めるに溜めて発せられたのは親父ギャグ。それも場が一瞬で静寂に包まれる程に寒いものである。悪い形で再び周囲の視線を集めた彼女は、しばらく気まずそうに瞳を伏せてから、一泊置いて再度口を開いた。)

ぞごは゛わ゛ら゛っ゛て゛よ゛ー゛!お世辞でもなんでもいいですからぁー!

(見事なまでの逆ギレ、完全にアホの子の振る舞いである。しかし、その哀れさが却って信徒達のツボにハマったようで、少し遅れてホールが笑いに包まれる。所謂スベリ芸というものだ。静寂から逆ギレまでの完璧な間があってこそ成せる技だが、殆どの人間の目には偶然に映ることであろう。どこか抜けているものの親しみやすい聖職者。そんな人物像を意図して作り出している彼女の手腕はそう簡単に見破れるものではない。
感情に触れることがトリガーになっていたらしい。説教中のある種の洗脳状態が解けた信徒達は、先程までの殺伐とした空気感が嘘のように和かに談笑に耽っており、そんな彼らにセレスティナは解散を命じてから、悠長な足取りでレドとウェルディの元に歩み寄った。)

ウェルディ司祭、その方はどちら様でしょうか?

こちらはレドさん、勇者様の関係者だそうで、急用でいらしているとか。大司教様は聞き及んでいないのですか…?

なるほど、なるほど…どうやら枢機卿はサプライズがお好きなようで。お歳を召した方のユーモアというのは時に難解なものですねぇ…。
事情は理解しました。でしたら彼の案内を、以降はこの私が引き受けます。枢機卿にもそうお伝えしてください。

し、しかし…

ふふん、私の聖務については心配ご無用です。もう殆ど片付けてありますから。

いえ…そうではなく…彼は極度のあがり症なのです。私が離れてしまっていいものかと…

あがり症…?なるほど……なるほど……??
そ、その点もご心配なく。手くらい繋げますから!

分かりました…ではよろしくお願いします。
それではレドさん、またご帰宅の際にお迎えにあがりますね。

(二人の会話を要約すると、大司教たるセレスティナにのみ来客の情報が伏せられていたらしい。そこには枢機卿の明確な意思が働いており、それに対してセレスティナが「ふざけるな。あの老いぼれが」という恨み節をかなりお上品な言い回しで漏らしたことからも、教会内の潜在的な対立を示す一幕であった。
やられたからにはやり返す、そんな意図があるのだろう。枢機卿が意図して遠ざけた客人を自らが案内することに決めると、ウェルディに交代を迫る。しかし、その要求を拒まれたことから何事かと事情を尋ねてみれば、どうやら件の客人(レド)はかなりの曲者らしいと察して。子供でもあるまいし、なぜ一人の成人男性が手まで繋がれているのかと、頭は疑問符で埋め尽くされた。これを単に「あがり症」で片付けていいものかと、その明晰な頭脳をフル稼働させるも合理的な結論はついに出ることはなく、結局思考を放棄して、ウェルディに引き続いて手を繋ぐという選択を選んだ。
名残惜しそうに「ばるん」とたわわを揺らしてお辞儀をしたウェルディがその場を立ち去るなり、セレスティナはレドへ視線を移す。)

それではレドくん?お姉さんから離れないでくださいね。
私はセレスティナ。本国から遣わされた、しがない使いっぱしりです。

(事情はよく分からないが、ともかくレドを緊張させないように、セレスティナは孤児院の子供と接するような優しい声で彼に接した。生憎と、セレスティナにレドを緊張させる程の代物(たわわ)はないため、無用な気遣いなのだが、成人した冒険者が、二人の聖職者に立て続けに子供扱いを受けるのは、誤解が誤解を生んだ悲劇である。
そんなことは知る由もなく、セレスティナは先程までウェルディに握られていたレドの手を、争いなど知らないかのような白くすべすべとした自らの手で優しく包み込み、反対の手を自らの胸に手を当てて謙遜した自己紹介をしてみせた。)

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