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オリジナルキャラなりきりチャット
自分のトピックを作る
1410:
トピ主 [×]
2026-08-20 16:43:56
(/少々時間が出来ましたので、セシル視点での騎士学校時代の過去編をクレアとカルロスの出会いまでを一区切りとして書かせて頂きました!
何部かに分けて現在時間軸まで書く予定です。お暇な時にお読みいただければ幸いです。)
1411:
レド [×]
2026-08-21 19:56:41
>1408
……!つっ、辛いだなんて、とんでもない……もう過去の事はケリつけましたし……むしろ寝物語には重すぎる話をして申し訳ないというか、俺はアリシア様に相応しくない生き方をしてるというか……
(自ら明かした辛い過去はアリシアを申し訳なく感じさせたようだ、突然腕をアリシアの胸に押し付けられて、あたふたして。シャツ越しに伝わる恋人の柔肌、どうにも慣れない。その恋人がただの農民として生きていたら見(まみ)えることすら叶わなかった名家の美女、それも憧れの人の似姿とあればなおさらだ。)
……お心遣い、感謝します。こうやっているとなんだか……懐かしい感じがします。
(しかしだんだんと落ち着いてきて、その胸の感触と温もりに、情欲よりも安らぎや懐かしさを覚えるようになった。顔をほんのり赤くして目を伏せながらも、アリシアの慈愛に静かに感謝を伝えて。)
1412:
アリシア [×]
2026-08-21 21:53:10
>1411
ふふっ、相応しいかどうかは私が決めます。なんたって私はあの強欲狸の娘ですから。
(自らの生き方を卑下するレドの言葉に、アリシアは愛おしさを隠せない柔らかな笑みを浮かべて返した。相応しいかどうかは自分で決める。なんとも自分本位で、名家の娘という立場からはかけ離れた発言だが、こういう時ばかりは自らの親の振る舞いを免罪符に使うあたり、アリシアもまた強かな女である。
言い終えると、レドと同様にアリシアも相手の温もりの心地良さを感じながら、一層身体を密着させる。鼻先が触れ合う程に近付いたところでやっと動きを止めると、じっとレドの瞳を見つめて、言葉にしないまでも、暗にキスをせがんだ。)
1413:
レド [×]
2026-08-22 19:28:02
>1412
強欲て。なにもオークロード、あっいえオズワルド様をそのように仰らなくとも。はは……
(仮にも自分の父親を「強欲狸」と吐き捨てるアリシアに気圧されて、苦笑いを浮かべて。かくいうレドも釣られて「オークロード」などと放言しているが……一見儚そうなアリシアだがさすがに名門の惣領である。この時ばかりは会食で初めて対面した時の凄味を感じざるを得なかった。)
……っ!アリシアさま……
(気が付くとアリシアが身体を密着させて、顔も眼前に寄せてきた。なめらかな肌な感触、甘い吐息、とろける視線に抗えず、思わず身体をぴくりと震わせ、目を泳がせる。なんだかあなたが私に相応しいのは決定事項だと言わんばかりに、アリシアに捕まったかのようだ。結婚したら尻に敷かれたりして……なんて心中で苦笑いしつつ、アリシアに誘惑されるままにぎこちなく唇を重ねて。静まり返った夜の部屋に、ぴちゃっ、ぴちゃっと水音が響き渡る。)
1414:
アリシア [×]
2026-08-22 21:41:30
>1413
っ…んぅ……
(思惑通りにアリシアは口づけを受け入れると、全身を脱力して、されるがままに甘い声を漏らす。時間にして十数分、快感に脳までもとろけきろうという所でアリシアの側から唇を離した。これ以上は自ら課した約束を反故にして、この先までもせがんでしまいそうで、彼女なりの線引きを通した形である。
そして、未だ残る多幸感に口元を緩めながらも、再び真っ直ぐにレドの瞳を見据えて言葉を絞り出した。)
ふふ、レド殿。変わらずにお慕いしております。明日も早いですし、今日はもう身体を休めましょう。
(変わらないレドへの愛を言葉でも伝えると、身体を密着させたまま瞳を閉じる。恋人の温もりを感じながら眠りに付く贅沢に心躍らせながも、激務の疲れからか、次第にアリシアの意識は薄れていった。
そうして意識を完全に手放す直前、昼に交わした一つの約束を思い出す。揶揄い半分にお預けしたそれを果たすには今しかないと、薄れゆく意識の中でモゾモゾと手を動かして、レドの掌を自らの胸に宛がった。最後にニコッと悪戯な笑みを浮かべたところで、相手の反応を見ることも叶わずにとうとう意識を手放したが、その天使のような寝顔はまるで幸せの絶頂にいるかのようであった。)
1415:
レド [×]
2026-08-23 12:26:51
>1414
(今回のアリシアの口付けはいつになく長い。彼女に唇を吸われ甘い吐息と唾液を流し込まれるたびに「アリシア……さまぁ……」と気の抜けた声を漏らしながら唇を重ね続けていると、アリシアの方から唇を離された。)
はぁ、はぁ…………はわっ!?あっ、アリシアさまっ!?
……寝てる。まったく、いじわるなアリシア……
(すっかりとろけた顔で息を荒くしていると、手があるものに導かれて、子供のように慌てふためいて。ほんのりとした温もりがあって、指が沈み込む適度な弾力……レドがとてつもなく弱いもの、アリシアの胸だ。トドメとばかりに愛の言葉と、こちらをからかう妖艶な笑みを向けられると、レドは顔を真っ赤にして、心もすっかり射貫かれてしまった。
しばらく呆然としたのち返事しようと口を開いたが、アリシアはすっかり安らかな寝息を立てている。夢魔のように翻弄された気分になって眉尻を下げたが、そこにかえって魅了されるのも確かだ。しかしこれ以上の事はしたくてもしてはならない……一旦アリシアから視線を外し、彼女のぬくもりを感じながらどうにか呼吸を整えると、自らも寝る準備に入る。)
……今日ぐらいは、いいはず。だよな……明日につながる今日ぐらい……
(身体を少し足側へとずらすと、頭をアリシアの胸に預ける。ふんわりとして、そしてほんのりと汗で湿った特有の感触に、甘い香り。そしてイザベラには無い人間としての鼓動……すべてがレドを今まで味わった事の無い安らかな気持ちにさせる。これからアリシアを告発する者が享受すべきでは無いはずだが、せめて今日だけは彼女の慈愛に甘えたい。なにせ明日から彼女を守るための外交に赴くのだから……
目を閉じるとすぅすぅ寝息を立て、アリシアの胸の中で子供のように穏やかな顔で眠って。)
1416:
アリシア [×]
2026-08-23 16:47:53
>1415
…ん……
あら?随分と甘えん坊ですねぇ。そんな所も可愛らしいです。
(窓からの日差しに顔を照らされて目を覚ましたアリシアは、すぐに胸に預けられた感触に気が付いた。レドの見せる子供のような寝顔に母性が刺激されると、耐え切れずに頭を抱き抱える形で、その顔を自らの胸に埋める。その姿勢のまましばらく頭を撫でること数分、満足した頃合いにやっと手を離し、そのままベッドを出て一足先に身支度を始めた。
顔を洗い、仕立てられた軍服に袖を通す。鏡の前で最終的な身なりを整えて準備完了…と、ここまでがいつもの流れだが、今日に関しては最愛の人が部屋にいる。食が細いためアリシア自身は朝食を食べないものの、夜食用に部屋に常備してある最高級のパンに、これまた最高級の生ハムを挟んだ簡易的なサンドウィッチを手早く用意して、皿に乗せ、一枚のメモと共にテーブルへ置いた。メモの内容は事務的なもので、教会行きの馬車を近衛隊庁舎の正面に手配しておくという旨の内容である。これにて全ての支度を終えると、レドの頬に軽くキスをして「いってきます」と、満面の笑みで部屋を出た。)
1417:
レド [×]
2026-08-24 20:35:55
>1416
(すっかりと夜の帳に包まれた、王国辺境の静かな農家。収穫期の多忙な作業を終え、単なる木の台と言うべき素朴なベッドの上で母子が語り合っている。同じベッドの上、ブルネットに碧眼、そして淑やかな口調が美しい三十弱の母親が黒髪の子供に優しく語りかけつつ、母子は眠りにつこうとしている。)
『今日も一日お疲れ様でした。収穫期は大変でしょう。身体、痛くないですか?』
『へへっ、ぜんぜん!身体動かすのも鎌使うのも得意だし、母さんの豆煮込みを食べればすぐ元気出るし!』
『えへへ……頼もしいですね。お父さんもきっと喜んでると思います』
『うん。僕、これからも父さんの分まで頑張るからね』
『なら私は……あなたが気持ちよくお休みできるよう頑張りますね。おいで、レド』
んん……母さん、僕……
…………!夢か。こんな夢見たのは……アリシア?
(一方アリシアの部屋ではレドが寝言を呟きつつ、もぞもぞと目を覚ました。無論先の農家の光景は幼少のレドの姿、そして今のレドが見た夢である。寝ている間にアリシアからたっぷりと慈愛を受け取ったことで、記憶の奥底に埋もれていた母親との思い出が蘇ったらしい。
だが顔を預けていたはずのアリシアの姿が見当たらないことに気付いてキョロキョロ見回すが、彼女の姿は見えない。代わりにサンドイッチ……アリシアが用意してくれた朝食に気が付くとテーブルへ歩み寄り、「朝食……ありがとう、アリシア。いただきます。」と感謝の言葉を呟いてから口に入れた。)
ふおっ、すげぇ!今まで俺は木材でも食ってたのか?パンってこんなに綺麗で、もっちりしてて、かぐわしいモンだったのか!?まるでアリシアの……
……いけない、早く支度しないとあいつに笑われるぞ。「やあ少年。こんな時間まで恋人のベッドで過ごしていたとはね。私も百年副団長を務めてきたけれど、ここまで呑気な剣術指南は初めて見たよ」ってか?なんでお前の尻拭いしなきゃならねぇんだよ!ふざけんなぁ!
(アリシアが用意してくれた生ハムのサンドイッチは眠気が吹き飛ぶほどの美味だった。口の中でとろける生ハムの濃厚さを、パンの耳の香ばしさが引き立てる。何よりパン生地が白く綺麗で、噛めば噛むほど甘い味が広がる。一口かぶりついた途端、今まで食べてきたサンドイッチとはまるで別物の上品な味わいに興奮しながら感想を口に出していたが……アリシアへの惚気が始まったところで我に返る。美食にふけっている場合ではない。今から副団長エリスの後始末の一環として、教会へ向かわなければならないのだ。エリスの真似をしながら彼女への恨みを吐きつつ、サンドイッチを一気に掻き込んで身支度を整え始める。
アリシアと同じように顔を洗い、身なりを整え、鏡の前に立つ。最後に鏡を見ながら長髪を縛ってポニーテールを作り、憧れの人の模倣をして準備完了である。)
剣術指南2日目か。初日から刀や魔法が飛んできたんだ。いまさら何が来たってひるむかよ。雨が降っても槍が降っても、俺は退かないからな!いくぞっ!
(開けた場所で自らの野太刀を構え、抜き打ちからの十字斬り「秘伝・松鶴十文字」を放って気合を入れる。聖教国、未知の世界で何が待つのかは分からない。だが何が来ても今の自分に恐れる物は無いと活を入れながら刀を納め、アリシアの指示通りに馬車へ向かうべく颯爽と扉を開けて部屋を出た……が、昨晩アリシアにかけた自らのケープから彼女の甘い残り香を感じ取るとケープをつまみ、その甘い香りを嗅いで。)
…………無事帰ったらまた添い寝してもらえるかなぁ……
(耳をほんのり赤くしながら呟くと、また馬車に向かって歩き始めて。)
1418:
ウェルディ [×]
2026-08-24 23:26:05
>1417
(/教会までの道中にとくにイベントなどはないので、円滑な進行のために場面転換させていただきます!)
よくぞお越しくださいました。
私はウェルディ、王都聖教会に籍を置く司祭の一人にございます。本日は私めが施設内をご案内させていただきますので、どうぞよろしくお願い致します。
(予めアリシアから一報があったのだろう、馬車を降りたレドを一人の司祭が迎え入れた。
青髪のサイドテールを靡かせながら、模範的なまでに丁寧な自己紹介を見せた彼女はウェルディ。ここ王都聖教会に籍を置く司祭だ。度々亜人との間でトラブルを起こすことから、世間からは聖教徒自体があまり良い印象を持たれていないが、やはり人間種の為の宗教だけあり、同胞へ向ける敬意は本物なのだろう。
ここまで客人へ向けた完璧な対応を見せたウェルディだが、そんな彼女にも一つだけ大きな欠点がある。それは聖職者とは到底思えない程の素肌の露出。もはや夜街に立つ娼婦にも劣らないレベルで祭服を着崩しているのである。「よろしくお願い致します」と、頭を下げた際には、その暴力的なまでに実った双丘が服からこぼれ落ちそうな程であった。それでいて本人は至って普通な顔をしているのだから、方向性は違えど、聖教徒はもれなく常識がどこかしら欠如しているのであろう。)
1419:
レド [×]
2026-08-25 06:14:04
>1418
……四方に使いして、君命を、だったか。アリシアのためにもなめられるわけにはいかないな。まずはしっかりと挨拶を……んなあっ!?
(馬車を降り、カツカツと靴音を響かせながら教会の敷地を歩く。レドはBランクの一般冒険者。教会は未経験だが、アリシアの使いとして粗相はできない。目を伏し、師・ショウカクから習った「一人前の剣士として誰かに仕えその使者となったなら、主君の恥にならない振る舞いをせよ」という意味の言葉を呟きながら歩き、出迎えの気配を察したところで足を止める。
さあ挨拶だと目を開いた途端、思わず声を漏らしながら体を震わせた。出迎えの司祭・ウェルディの、ほぼ裸のような出で立ちに刺激を受けてしまったのである。彼女がお辞儀をしてたわわな胸がこぼれそうになった時などは、「ッッッ!」っと唇を噛みしめ、耳を赤くしながら思い切り目を逸らしてしまった。)
こっ、近衛隊剣術指南のレドです。よっ、よろしくお願いします……
(はっ、裸のお姉さん!?なんで聖職者がこんな格好を!?来る場所間違えたかな……と内心で慌てつつ、どうにか視線をウェルディの顔に合わせて自己紹介をして。しかし声が震えて身体もガチガチに固まっており、まるで新米冒険者のよう。早くも師・ショウカクが見たら「ガキかおめぇは……」と頭を抱えたくなる姿を晒したのであった。)
1420:
ウェルディ/セレスティナ [×]
2026-08-25 10:50:12
>1419
ふっ…そんなに緊張なさらないでください。此処は全ての人間にとって家も同然の場所。神の御本とはいえ、気楽に構えて頂いて大丈夫ですよ。
(自分の破廉恥な服装が原因とは露知らず、レドの慌てようを、聖域に足を踏み入れたことによる緊張と捉えたウェルディは、初心な反応に思わず笑みを零して、気遣いの言葉をかけた。初めて訪れる教会にこれだけの緊張感を持って臨む様は、ウェルディの目にはさぞ信心深く映ったようで、レドの意図しない方向で好印象を与えるものであった。)
さ、中は広いですから、はぐれないように決して手を離さないでくださいね。
(しかし、いくら成人男性とはいえこれだけガチガチに緊張しては広い教会内で迷子になる可能性もあるかもしれない。そんな不要な心配がウェルディの頭を巡ると、有無を言わさずにレドの手を握って歩みを進めた。まるで子供扱いだが、第一印象があれでは仕方ないことであろう。
一歩踏み込む度に「ばるんばるん」と音が鳴りそうな程にたわわを揺らしながら教会内を進むと、やがて中央ホールに差し掛かった。そこでは百人程の信徒が頭を垂れて祈りを捧げており、皆の視線の先にいるのは、壇上で教えを説く高位聖職者。金色の月桂冠を頭に戴き、ステンドグラスから差し込む光を後光のように身に纏った神聖な立ち姿。宗教画から飛び出して来たかのような絶世の美貌。彼女こそは本国より遣わされた大司教セレスティナである。そんな要人が、視界の端にレドを捉えるなり説教をやめて、面白いものを見つけたかのように僅かに口角を吊り上げると、徐ろに視線を向けた。それに合わせて、中央ホール内の信者達も一斉にレド達へと視線を向ける。深い隈のある者、目が血走っている者、症状は様々だがここの信徒達は明らかにまともな精神状態ではない。ウェルディは特にその点については気にした素振りを見せないが、こうして注目を集めること自体は想定外であったのだろう。立ち止まり、大司教へ向けて疑問の意で首を傾げた。)
1421:
レド [×]
2026-08-25 18:27:17
>1420
いや、その、一人で歩け……はぁ……よろしくお願いします、ウェルディさん……
(なにやら色々誤解しているウェルディに手を握られると身じろぎして離れようとしたが、(身なりはともかく)清楚で包容力ある女性に優しくされるとどうにも拒めない。結局思春期の少年のようにもじもじしながら、そのまま手を引かれた。
女性に手を引かれる剣術指南。このままではエリスの「亡者の行進」がなくとも師・ショウカクが墓から蘇ってレドに殴りかかりそうだが、あられもない姿のウェルディから目を逸らそうと教会を見上げた途端、レドの表情は剣術指南に相応しい真剣なものになった。)
…………大きすぎる。
(ウェルディに手を引かれながら見上げた教会、まるで王城のような威容の感想をぽつりと呟いて。他国の宗教施設にしては過剰に大きく、王城に迫る勢いのそれは、まるでフィリア王国への挑戦に見える。ウェルディは「全ての人間の家」とは言うが、そこにエリーゼやセレナのような亜人の居場所はあるまい。レドにはこのイレギュラーな建築物がまるで亜人・異教徒を駆逐するための前線基地、否、要塞のように見えて面白くなかった。
視線を下ろして中に入ると、極力ウェルディを見ないようにして進む。目の前で妖しく揺れる方の「大きすぎるもの」を見てしまったら最悪歩けなくなる……案内が終わるまで彼女に極力視線を合わせない。時には目も閉じよう。そうしてやり過ごそうと誓いながら礼拝中の中央ホールに入る。全員の家と呼ぶにはどうにも暗い雰囲気だと眉をひそめながら通過しようとしたが、高位聖職者らしき女の説教が中断された途端、全員の視線が一斉に襲いかかってきた!)
あっあの、ウェルディさん?ホントに大丈夫なんですか?俺、今にもリンチされそうなんですけど……
(この異常事態でも平然としているウェルディの顔に対し、流石に引きつった笑顔を向け、事情の説明を求めて。何が気楽か、全ての人間の家か。今にも余所者の自分を襲いそうじゃないか!殺伐とした雰囲気に、ウェルディの手を握るレドの掌が汗で湿り始めた。)
1422:
ウェルディ/セレスティナ [×]
2026-08-26 05:36:03
>1421
……?
大丈夫ですよ、レドさん。皆、とても優しい人たちですから。
(レドの問いかけに、質問の意図を測りかねたウェルディは暫しきょとんとした様子で考え込む。ウェルディも他の信徒と同じく邪教に思考を犯されている側の人間であり、つまりレドとは見えている世界が違うのである。彼女の目には、珍しい来客を温かな目で見守る信徒達が映っているだけで、レドの言う「リンチ」が何を指しているのかが理解出来ていないようだ。しばらくの思考の末に、大勢の注目を浴びたことで再発した緊張で変なことを口走ってしまっているのだろうと推測すると、安心させる為に和かな笑みを向けてレドを諭した。)
教会に…今日…客人…教会に…今日…客人…
…ふふん、閃きました。皆さん、心して聞いてくださいね。
・・・教会に行くのは今日かい?
(一方でこの状況を作り出した当の本人、セレスティナは顎に手を添えて、壇上で何やらブツブツと呟きながら考え事に耽っており、考えが纏まるなり明らさまなドヤ顔を見せた。そうして何を言うのかと思えば、溜めるに溜めて発せられたのは親父ギャグ。それも場が一瞬で静寂に包まれる程に寒いものである。悪い形で再び周囲の視線を集めた彼女は、しばらく気まずそうに瞳を伏せてから、一泊置いて再度口を開いた。)
ぞごは゛わ゛ら゛っ゛て゛よ゛ー゛!お世辞でもなんでもいいですからぁー!
(見事なまでの逆ギレ、完全にアホの子の振る舞いである。しかし、その哀れさが却って信徒達のツボにハマったようで、少し遅れてホールが笑いに包まれる。所謂スベリ芸というものだ。静寂から逆ギレまでの完璧な間があってこそ成せる技だが、殆どの人間の目には偶然に映ることであろう。どこか抜けているものの親しみやすい聖職者。そんな人物像を意図して作り出している彼女の手腕はそう簡単に見破れるものではない。
感情に触れることがトリガーになっていたらしい。説教中のある種の洗脳状態が解けた信徒達は、先程までの殺伐とした空気感が嘘のように和かに談笑に耽っており、そんな彼らにセレスティナは解散を命じてから、悠長な足取りでレドとウェルディの元に歩み寄った。)
ウェルディ司祭、その方はどちら様でしょうか?
こちらはレドさん、勇者様の関係者だそうで、急用でいらしているとか。大司教様は聞き及んでいないのですか…?
なるほど、なるほど…どうやら枢機卿はサプライズがお好きなようで。お歳を召した方のユーモアというのは時に難解なものですねぇ…。
事情は理解しました。でしたら彼の案内を、以降はこの私が引き受けます。枢機卿にもそうお伝えしてください。
し、しかし…
ふふん、私の聖務については心配ご無用です。もう殆ど片付けてありますから。
いえ…そうではなく…彼は極度のあがり症なのです。私が離れてしまっていいものかと…
あがり症…?なるほど……なるほど……??
そ、その点もご心配なく。手くらい繋げますから!
分かりました…ではよろしくお願いします。
それではレドさん、またご帰宅の際にお迎えにあがりますね。
(二人の会話を要約すると、大司教たるセレスティナにのみ来客の情報が伏せられていたらしい。そこには枢機卿の明確な意思が働いており、それに対してセレスティナが「ふざけるな。あの老いぼれが」という恨み節をかなりお上品な言い回しで漏らしたことからも、教会内の潜在的な対立を示す一幕であった。
やられたからにはやり返す、そんな意図があるのだろう。枢機卿が意図して遠ざけた客人を自らが案内することに決めると、ウェルディに交代を迫る。しかし、その要求を拒まれたことから何事かと事情を尋ねてみれば、どうやら件の客人(レド)はかなりの曲者らしいと察して。子供でもあるまいし、なぜ一人の成人男性が手まで繋がれているのかと、頭は疑問符で埋め尽くされた。これを単に「あがり症」で片付けていいものかと、その明晰な頭脳をフル稼働させるも合理的な結論はついに出ることはなく、結局思考を放棄して、ウェルディに引き続いて手を繋ぐという選択を選んだ。
名残惜しそうに「ばるん」とたわわを揺らしてお辞儀をしたウェルディがその場を立ち去るなり、セレスティナはレドへ視線を移す。)
それではレドくん?お姉さんから離れないでくださいね。
私はセレスティナ。本国から遣わされた、しがない使いっぱしりです。
(事情はよく分からないが、ともかくレドを緊張させないように、セレスティナは孤児院の子供と接するような優しい声で彼に接した。生憎と、セレスティナにレドを緊張させる程の代物(たわわ)はないため、無用な気遣いなのだが、成人した冒険者が、二人の聖職者に立て続けに子供扱いを受けるのは、誤解が誤解を生んだ悲劇である。
そんなことは知る由もなく、セレスティナは先程までウェルディに握られていたレドの手を、争いなど知らないかのような白くすべすべとした自らの手で優しく包み込み、反対の手を自らの胸に手を当てて謙遜した自己紹介をしてみせた。)
1423:
レド [×]
2026-08-26 19:49:58
>1422
!!そんな……
(信徒の異様な雰囲気を何とも思っていないウェルディの返事に瞳孔を開いて。この人とは見える景色が違うのか。先の審問官のように、亜人を見ればこの笑顔も鬼の形相に変わる狂信者でしかないのだろうか……ウェルディの笑顔に価値観の隔たりを見たその時、さっきまで殺伐としていた信徒たちが壇上の聖職者・セレスティナのギャグ(らしきもの)に笑いだし、一転和やかになった。うーん、気の回しすぎだったか?でも結局皆こっちに挨拶もせずそそくさと去っていくし、やっぱり優しいようには……冷や汗を垂らしつつ、違和感を残しながら一連の様子を見届けると、セレスティナが近づいてくる。
彼女に一礼してから二人の会話を脇で聞いていたが、「勇者様の関係者」という、レドが口にしておらずウェルディが知るはずのない素性を彼女自身が発してからはより耳を傾けた。ウェルディの色気に惑わされて見落としていたが、向こうから出迎えて事情も聞かずに案内したところを見ると、自分の素性とある程度の事情は伝わっているらしい。それもここの枢機卿が責任者として迎え入れるようだ。アリシアの根回しだろう。一方で……どうやらこの大司教は枢機卿と対立しているらしい、とレドは察した。)
あっ、あが……あ、いえ、不束者で申し訳ありません。
ウェルディさん、ありがとうございました。ではま……っっっ!
(だがいつの間にか「極度のあがり症な子ども」扱いされ始めたのに気づいて慌てて口を開いたが、途中で反論をやめた。なにせ信徒が一斉に自分を睨みつける教会だ。ましてや相手は彼らを自在にコントロールし枢機卿とも対立する大司教。聡い行動はむしろ危険……そう判断するとおずおずと頭を下げて無作法を詫び、未熟者で通すことにした。『レド、おめぇは短気でプライドが高すぎる。それじゃすぐ殺られるぞ。時にはバカのふりでやり過ごすことも必要だ……仮痴不癲(かちふてん)という』。そんなショウカクの教えを思い出したのもあるが、ウェルディ相手にパニックを起こしたんだから不束者扱いされても仕方ないという自覚もあった。
さてそのウェルディ、信徒の狂気を垣間見たとはいえ、最初から最後まで自分を案じてくれた親切で優しいお姉さんという印象をレドは拭えない。去り際に案内のお礼を言おうとしたが……煽情的に揺れる彼女の果実をまともに見てしまったことで頬を赤くしながら歯を食いしばってしまったので、きちんとお礼を伝える事ができなかった。)
本国の大司教様!改めまして、近衛隊剣術指南のレドと申します。その、さっきからすみません。王都の聖教会は初めてで緊張して……なにせ大きくて、迫力があるもので……
(ウェルディの代わりにセレスティナに手を引かれることになったが、今度は別の意味で緊張している。確かにお祈りの時の振舞いは滑稽だったが、本国の大幹部として現地の枢機卿と対抗しようとしているのは先の会話でも明らかだ。彼女も師匠の言う「仮痴不癲」の使い手と思うと油断ならない。何はともあれ同じく自分を子ども扱いするセレスティナに対して緊張した様子の、でもウェルディの時よりはマシな自己紹介をして。そして王都聖教会特有の、大きくて迫力あるものに圧倒されていたことも、正直に伝えた。)
1424:
セレスティナ [×]
2026-08-26 22:48:47
>1423
大小の差はあれど、人は誰しも初めて立ち入る場所に緊張を抱くものです。恥じることはありませんよ。
(いくら大聖堂に次ぐ規模の教会とは言え、果たして手を繋がれなければならない程に緊張を抱くものだろうか。それとも何か邪な思惑があるからこその緊張なのだろうか。様々な憶測がセレスティナの頭を過ぎるものの、まさかウェルディの大きすぎるものが原因とは露にも思わず、結局またしても答えに辿り着くことはなかった。一先ず、慈愛に満ちた眼差しを向けて、建前上の理解を示すと、レドの手を引いて歩みを進める。)
さあレドくん、そちらのソファにお掛けください。勇者様とお会いする前に少しだけ私とお話をしましょうか。
本日はどのような用事で勇者様にお会いされるのですか?
(中央ホールを抜けた先、通路に面した客室の中へ入るなりセレスティナは内側から鍵をかけた。部屋の内装は、テーブルを挟んで対面する形でソファが二つ置かれており、中央の壁にはご立派な額縁に納められた教皇の肖像画が飾られている。セレスティナはレドへ着席を促すと、自らもまた片方のソファに腰掛ける。
これまで通りの優しい声色で「お話をしましょう」なんて切り出したものの、これは明らかな尋問である。おそらく事情を察している枢機卿と、その意思の下でレドを案内していたウェルディとは異なり、納得のいく説明を果たさない限り、素直に勇者の元へ案内する気はないのだろう。世間話かのようなトーンで投げかけられた質問の裏で、レドへ向けられた瞳には確かな疑念の色が浮かんでいた。彼女の纏う魔力の性質もまた道中とは明らかに異なるものに変容しており、赤黒くドロドロとしたそれはアリシアの纏う魔力に似ていながらも、それ以上の邪悪を孕んでいる。間違っても教皇に不都合なことを言ってしまえば、この禍々しい魔力が矛となってレドへ向かうことであろう。)
1425:
レド [×]
2026-08-27 08:16:29
>1424
はは……恐れ入ります…………!?
だっ、大司教様!なっ、何ですかこれは!?
(苦笑いしながら手を引かれるが、ウェルディと違ってどうにも落ち着かない。やはり権力者ゆえか……そう考えながら大司教セレスティナの全身に脇目を向けていたが、いつの間にか部屋に軟禁されてしまった!優しい口調を保ちつつも禍々しい魔力を放ち、教皇の肖像画が見下ろす部屋で来訪の目的を答えるように迫るセレスティナに「こんのカマトト野郎!何が使い走りだよ、本国からの監視役じゃねーか 」と内心で毒づくが、いくらなんでもここで喧嘩は売れない。部屋をキョロキョロ見回してパニックになった態を保ちつつ、勧められた席には座らずに口を開いた。)
俺、いや私は王国近衛隊アリシア様の使いです。緊急の用により勇者様にお会いせよ、国家の大事ゆえ用件は勇者様に直接お会いするまで話してはならない、と申し付けられてここへ来たんですよ。というより……教会の皆様はそのためにウェルディ司祭を迎えに寄越されたのではないのですか?
(『「勇者を襲撃した副団長エリスを3日以内に連行しろ、さもなくば王国を滅ぼす」という教皇の命令を翻意させるため、勇者レイラを聖教国へ寄越して教皇を宥めろ』という指示を本国からの監視役相手にバカ正直に話すわけにもいかない。手をバタバタさせて声を荒げながらも、近衛隊の実質的指揮官・アリシアの使いとして教会へ来たことを説明して。
いかにも混乱しているようだが、自分は王国高官の使者であり独断で害すれば危険な立場であること、レド個人の判断で用件を明かせる立場では無いことを明かしつつ、ウェルディを迎えに寄越して招いておきながら謁見を妨害する矛盾を突き付けている。)
1426:
セレスティナ/フィリア枢機卿 [×]
2026-08-27 15:52:51
>1425
そう緊張なさらないでください。これはただの世間話……の、つもりだったのですが。「国家の大事」と聞いてしまった以上は、尚のことその内容を聞かない訳にはまいりませんね。
知っての通り、勇者様は我が国にとって象徴も同然の存在です。そのような方を、本国の預かり知らぬところで「国家の大事」に巻き込むなど、到底見過ごせる話ではないのです。ご理解頂けますでしょうか。
(あくまで、これは尋問ではなく世間話。そういう建前だった訳だが、一人の剣士として、また高官の使者として、レドの能力が優秀過ぎたが故に、言葉の揚げ足を取るかのように名実共に尋問へと移行する。一見するとセレスティナの態度も声色も何もかもが変わらない中で、レドはこれを尋問と判断して弁明を始めたが、そもそも彼が演じている通りの愚者ならば、この部屋に招かれた時点で何かを察して慌てふためくこともなければ、セレスティナが脅しに用いた禍々しい魔力すらも視認出来ないことであろう。流石に愚者を演じる為に、あえて子供のように司祭に手を引かれていたことは想定外であり、危うく見過ごしてしまう可能性すらあったが、こうして目の前でレドの擬態を見破れたことに優位を確信したのか、セレスティナは僅かに口角を吊り上げた。
「ご理解頂けますでしょうか」と、同意を求める言葉と同時に発動されたのはレドもよく知る魔法「地獄の門」。無詠唱で即座に展開出来るあたり、セレスティナの技量は相当のものである。レドの真下で蠢く赤黒い魔法陣は、誰がどう見てもこれが攻撃魔法だと確信することであろう。控え目な物言いとは裏腹に、有無を言わさぬ自白の強要に他ならなかった。しかし、そんな絶対絶命とも言える状況下に一つの救いの手が差し伸べられる。)
おやおや…あまりお客人を困らせるものではありませんよ、大司教。
…っ、枢機卿。どうして此方に?
ウェルディ司祭から、案内を貴女に代わったと聞いてから随分と時間が経ちましたが、待てども待てども姿が見えなかったのでね。もしや、二人で迷子になってしまわれたのではと…こうして探しに来たのですよ。
それはそれは……ご心配をお掛けしたようで申し訳ありません。ですが、見ての通り談笑に耽っていただけのこと。すぐに向かいますので、一先ずお引き取り願えますでしょうか?
ふむ、談笑ですか。
いやはや、大司教も冗談がお好きなことで。
はて、それはどのような意味で――
(ノックもせずに開かれた扉から現れたのは、ここ王都聖教会ひいてはフィリア聖教会の頂点に君臨する高位聖職者、枢機卿であった。優しそうな風貌とは裏腹に、纏う死臭は並の魔物をも越えて、常軌を逸していると言う他にない。
大司教と枢機卿、相対した両者ともに聖職者然とした笑顔を絶やさないものの、紡がれるのは皮肉を交えた舌戦の応酬。口も頭も回る両者のやり取りに話は平行線を辿るかに思えたが、終わりは唐突に訪れる。
眩い閃光が客室を飲み込んだかと思えば、次の瞬間には耳をつんざく甲高い音と、衝撃波がその場の人間の肌を撫でる。これら全てが去ると同時に広がっていた光景はあまりに凄惨なものであった。床に広がる血の海に沈むのは、首が胴から切断された、大司教であったもの。その背後に飾られた教皇の肖像画さえも壁とともに両断されていたのだ。まさしく地獄絵図、そう呼ぶに相応しい有様であり、この場には教皇の権威でさえ及ばない。そう宣言しているに等しい所業である。)
…今、何を…
(しかし、それらの光景がまるで幻であったかのように、次の瞬間には全てが元通りとなっていた。けれど、確かに首を刎ねられた実感は残っているようで、セレスティナは自身の首に手を添えて、動揺を隠せない様子でその場にへたり込む。
不可視の斬撃に、時間の逆行。そんなものが果たして有り得るのか、セレスティナは思考を巡らせながらも、未知の存在を前にした恐怖にその身を震わせていた。そんな様子を嘲笑うかのように枢機卿は言葉を続ける。)
郷に入っては郷に従うものですよ。私の城であまり手荒なことをされては、私も同じ土俵に下りなくてはなりません。その点を今後はよく御留意していただきたい。
さて、ではお客人、君はもう行きなさい。廊下を真っ直ぐに進み、突き当たりを右に曲がってすぐの部屋にレイラはいます。あまり待たせると後が面倒ですから。
(見下ろすような形でセレスティナに釘を刺し終えると、枢機卿は続いてレドに歩み寄ってその肩に優しく手き用件を告げる。内容はレイラの居場所であり、敬称で呼ばないことや、短気で我儘な彼女の性格をよく理解していることから、相応に付き合いが長いのだろう。とくには枢機卿からレドに対してはこれ以上の用事はないのか、言い終えるなりあっさりと離れて、本来レドが勧められていたソファに腰掛ける。和かな表情で視線だけをセレスティナに向けて、貴女はこれからお説教ですよと言わんばかりの牽制をすると、セレスティナは忙しなく瞳を揺らして完全に萎縮していた。この様子であれば、しばらくはレドの邪魔立てなど出来る筈もないであろう。)
1427:
トピ主 [×]
2026-08-27 16:01:29
脱字があったので一部訂正します。
優しく手き→優しく手を置き になります!
1428:
レド [×]
2026-08-28 06:34:39
>1426
そっ、そのように仰られても、勇者様にお目通り叶わないことには……そもそも何ゆえこのようなご無体な真似を……!
(あっさり言葉尻を捉えられ、完全に尋問状態となってしまった。どうもお喋りが過ぎて演技がバレたらしい。まだ何も詠唱していないのに、今まで何度も見てきた赤黒い魔法陣の気配を足元に感じる。ひきつった顔で何とか反論するがもう遅いだろう。「くっそぉっ!さすがに大司教、「カチフテン」とやらも俺より上だったぜ!すまねぇ師匠(オヤジ)、もっと勉強するんだった!」と亡き師に詫びながら死を覚悟したところに、枢機卿が割って入る。一見好々爺な彼の介入に安堵して一息吐きながら一礼したが、大司教との会話を眺めるうちに恐ろしい現実を思い知る。)
……これが枢機卿…………んなっ!?今、何を……
(目の前で繰り広げられる権力者同士の冷たい諍い。Bランクには縁の無い光景を冷や汗を垂らしながら見守る。最早バカを装う気さえ無い大司教セレスティナと対峙する枢機卿から禍々しいプレッシャーを感じる。まるで指先、口先ひとつで人を容易く消せる反社の首領か、あるいはそれ以上……祭服を着たパン屋みたいな外見をした肖像画のジジイより強そうに見えると、教皇の肖像画に視線をやったその時、突如目の前が光に包まれた!
……閃光と爆音とで膝が崩れる。気が付けば大司教が教皇の肖像画ごと切断され、血塗れの肉塊と化していた……はずだったのにいつの間にか元通りになっていた。理解が追い付かない現象、恐らく本気で怯えているであろうセレスティナを目撃したレドも、彼女と同様に首を押さえる。ターゲットが自分だったら同じようにやられていただろう。崩れた膝を立て直しつつも、首を押さえたまま険しい顔で正面、かつ枢機卿のいない方を見据える。ウェルディの時と同様、枢機卿を直視できないのだ。だが今回はむやみに凝視したら自分も狙われるという別の理由であるし、「お姉さんに緊張しました」などと軟弱な姿勢を晒すことさえ許されない空気をも感じていた。今度ばかりは本当に歩けなくなりそうな重圧を覚え、ウェルディとは違う理由で全身が硬直した。)
……ありがとうございます、閣下。王国近衛隊剣術指南役レド、お目もじ叶いましたこと、光栄に存じます。
(枢機卿に手を置かれ、我に返る。ウェルディが「全ての人間の家」と表現した教会を「私の城」と呼ぶ、逆らう者を暴力で従わせる権力者。迷える子羊の手を取り優しく導く司祭さんと、肩に置く手をもって「早く行け」と命ずる責任者。レイラ(ねえさん)と親しいであろうこの老人こそ、教皇をも恐れぬ冒涜の君主なのだ。
彼の前でウェルディの時のような醜態は晒せない。右手を上げ、ピンと伸ばした指を眉尻に添える挙手敬礼をもって仲裁と案内への感謝、そして自己紹介を枢機卿に伝えるレドの顔は精悍で声もよく通り、その眼差しはしっかりと枢機卿を捉えている。ウェルディの時とはまるで別人、教会に来てから一番まともな名乗りを終えると一礼して退室、案内通りにレイラの部屋へ向かって。だが初めて自らの足で教会の廊下を歩くレドの顔は険しく、そして冷や汗が止まらない。枢機卿、聖教国の脅威を実感したレドは、思わずぽつりと零して。)
…………これが聖教国か。
1429:
フィリア枢機卿/レイラ [×]
2026-08-28 20:28:17
>1428
はて?彼とは初めてお会いした筈なのに、記憶の端に引っかかったようなこの既視感の正体はなんでしょうか。
纏う雰囲気に、あの立ち姿…どこかで。ああ、思い出しました。彼女も確か、似たような刀を持ち歩いていましたね。他人の空似か、はたまた何かの因果か。
(レドが立ち去った後、お説教(物理)によって再起不能となった大司教の傍らで、フィリア枢機卿は一人、ブツブツと呟いて物思いに耽っていた。今日初めて会った、レドと名乗った青年に対して抱いた謎の既視感。その正体を突き止めるべく記憶を辿ると、一人の女性が脳裏に浮かんだ。「東枢機卿」、遠い異国に住まう彼女と王国人であるレドの間に如何なる接点があるのか皆目見当も付かないが、きっと偶然ではないのだろう。それ以上を調べる気はないものの、一先ず引っかかりが解消されたことに満足すると、フィリア枢機卿はご丁寧に大司教を椅子に座らせてからその場を後にした。)
おそい…おそい…おそい!!!レドは何をしている!
用事があると聞いて、眠い目を擦りながら身支度を済ませてやったというのに…一向に来ないぞ!どういうことだ、シル!
知らないよー。それに、勇者様がいつも夜更かしして昼頃に起きてるだけで、この時間には起きてるのが当たり前だよー。
むむむ……うるさい!黙れ!
(一方その頃、レイラは床に寝そべってジタバタと、まるで子供のように癇癪を起こしていた。早朝の城からの一報でレドが来ると聞いて、ルンルン気分で身支度を済ませたは良いものの、レドが教会に到着したとの知らせを受けてから早30分、通常なら敷地の広さを考慮してもこれだけ時間がかかる筈はなく、焦らしに焦らされてついに我慢の限界を越えたのである。世話役のシル司祭に当たるものの素っ気なく正論で返されて、一層ご機嫌斜めだ。果たしてこの状態で要望を聞くのか、レドの手腕が試されることであろう。)
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