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神々の庭【日常/ファンタジー/3L/途中参加歓迎】/61


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17: 磬/鸞 [×]
2024-02-28 00:12:50

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薄明の陽射しを受けてキラキラと反射する真っ白な雪に、眩しさを覚えて瞬きを繰り返す。ところどころ顔を出す土の道は溶けかけた雪で濡れていて。ジャリ、シャリと歩く度に響く湿り気のある音が耳に心地よい。連日の暖かな空気を受けてか、すっかり開いてしまった梅の花から柔らかな香りが溢れ出る。まるで自身の身体から香っているかのような濃度の高い香りに、先程まで苛立っていた気持ちが和ぐようで。意識的に深呼吸を繰り返すと、心にまで春の暖かな陽射しが差し込むような穏やかな気持ちになる。

「命に限りある生き物を作るなってあれほど…!はぁ、この子達が亡くなったら、辛いのはアンタでしょうに」

それはそうと物申したいことは変わらないもので。ここに来るまで秘めていた思いをガッと吐き出す。いくら自分たちのために作られた場所とはいえ、街で大声を出すのも憚られたため、こうして人気の薄い山道を歩んでいる次第である。ヒトの子から離れても悩みの種は尽きず。ここ最近…というよりは、ヒトの子と関わっている時から続いている悩みが、同じ身体を共有する同一神の存在で。彼は命が潰えることに耐えられない性格にも関わらず、命に限りがある存在へ積極的に寄っていくのである。同じ身体なのだから、彼が眠っている間に世話をするこちらの身にもなって欲しいという愚痴を何度飲み込んだことか。ヒトの子に関わっていた時代に同じことをしていた手前、強く言えないのも悩みの一つで。

「…アンタたちもアタシじゃなくて、磬に愛された方が幸せだろう?」

なんでそんなに擦り寄ってくるんだい、と溜息混じりに溢すも、腕に抱かれた小さき獣には通じない。猫と呼ばれるその生き物は、ヒトの子たちが魅了されるのも頷けるほど愛らしい仕草をしていて。くしくしと片手で顔を擦っては、一生懸命についた汚れを舐め取っている。そんな呑気な姿に毒気が抜かれるのは確かで。生まれたばかりの愛い存在を抱き直し、何度目かのため息をついて。


(/スレ投下致しました!こちらに絡むもよし、新しくスレを立てるもよし!ご自由に物語を進めてくださいませ~!)

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