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215:
ブラックホール&ステカセキング/フェロー&ギデル [×]
2024-08-14 01:26:36
>>シャーリーズ・フルウールト、南部住宅地ALL
【南部住宅街/ブラックホール&ステカセキング】
?「おい……おい、起きろっ!!」
何者かに身体を揺すぶられながら大声で呼びかけられ、全身黒ずくめで、赤いマントを羽織り、顔に大きな穴が空いた男は目を覚ました。
男……悪魔超人・ブラックホールは、額に手を当て、ぼやけた意識を覚醒させるように、軽く頭を振る。
ブラックホール「……ぁっ?……俺、いつの間に寝てたのか……?」
自分は先程まで、魔界で二人の仲間と共に、別地で戦う超人たちの行方を見守っていたはずだったが……と、先程までの自分の行動を思い返していれば、隣から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
?「よう、やっと目ェ覚めたかBH!」
ブラックホール「ん?……なっ!?お前……ステカセキング!?」
横を見れば、ケケケ、と笑いながら手を振る、巨大なカセットプレイヤーに手足を生えたような姿をした悪魔超人がそこにいた。
その超人__ステカセキングの姿を見て、ブラックホールは驚愕した。
それもそのはず、目の前にいる彼は、少し前に起きた戦いの中で、死亡したはずだったからだ。
ブラックホール「お、お前……先の正義・悪魔VS完璧の全面対抗戦で死んだはずじゃなかったのか!?」
ステカセキング「いやぁ……俺もそう思ってたんだが……とりあえず、周りを見てみろよ!」
ステカセキングからそう言われ、辺りを見回すブラックホール。そこで、彼はもうひとつの異常事態に気づく。
死んだはずの同胞が生きてる事実に気を取られて気づかなかったが、自分が今いる場所は、先程までいた魔界ではなかった。
濃霧と灰が立ち込めた、何処かの住宅街だったのだ。
状況が呑み込めず、ブラックホールは困惑する。
ブラックホール「……っ!?なんだ、ここは……!俺はたしかに魔界にいたはず……!!」
ステカセキング「いや~、俺にも何がなんだか、わけわかんなくてよ~。あの戦いで負けて死んでから、超人墓場で何をすることもなくぼーっとしてたのに、気づいたらこんな霧と灰だらけの町にいてよ。隣にはお前が寝てるし……」
何がどうなってんだが、と頭を抱えるステカセキング。ブラックホールは、そんな彼の経緯を聞いたあと、「グム~」と唸り声をあげる。
ブラックホール「……他勢力の超人の仕業……ってわけでもなさそうだが……とにかく、まずはこの辺りを探索する必要があるな」
この場所がどこなのか、自分たちに何が起きたのかの手がかりを探すべく、ブラックホールは行動を開始しようとする。
その時。
ブラックホール「ん?」
近くで、何かの音がして、顔を上げる。
それは、何が道路を走るような音と、何者かの声だった。
ブラックホール「!!あっちの方に誰かいる!行くぞステカセ!!」
ステカセキング「お、おい待てよ!?」
自分たち以外に人がいるとわかり、走り出すブラックホールと、その後を慌てて追いかけるステカセキング。
しばらくして走り続け、二人が目撃したのは、霧がかかってよく見えないが、無線か何かで周辺に呼びかけながら、道路をかけ抜ける何者かの姿だった。
ブラックホール「ただ事じゃない様子だな……なんとか俺たちの存在に気づかせて、話を聞けりゃあいいんだが……」
ステカセキング「あ、それなら俺に任せろ!」
ブラックホールのつぶやきを聞くなり、得意げに声を上げたステカセキングは、返事を待たずに自分のボディに備え付けられたボタンをカチッ、と押した。
すると……。
『ばぁぁぁあ~~んっ!!!』
ブラックホール「ゲェェッ!?」
ヘッドホンになっているステカセキングの足部分から、爆音の音楽が流れてきた。
普段はこの地獄のシンフォニーと呼ばれる音技で、相手の脳を破壊し、建物も廃墟に変えるレベルだが、今回は遠くにいる相手を呼び止めるだけであるため、音量もその程度に抑えている。
……が、隣にいるブラックホールには十分うるさいため、耳を押えていた。
>モルガン、自然公園ALL
【移動中→自然公園/フェロー・オネスト&ギデル】
フェロー「……夢、だったら良かったんだがなぁ……」
シルクハットを深くかぶりつつ、狐の耳としっぽが生えた男は溜息をつきつく。傍では猫の耳としっぽが生えた少年が、彼にピッタリとくっついている。
狐耳の男……フェローは、とある路地裏で血濡れの少女に遭遇し、その後異形の化け物に追いかけられ、別の少女に助けられたおかげで、難を逃れ……そこで意識が途切れた。
次に目を覚ました時には、以前とは全く異なる場所にいた。
__はぐれていた相方と共に。
相方……猫耳の少年、ギデルの話によれば、遊園地に迷い込み、自分と同じ迷い人に遭遇したところで霧に覆われ、意識を失ったらしい。
相方と無事に合流出来たのは良いものの、この霧と灰の町から逃れられたわけではないため、まだまだ安心できない。
そうフェローが途方に暮れていれば……。
ギデル「!、!」
フェロー「……ギデル?」
傍らにいるギデルに、服の裾を引っ張られ、そちらに視線を向けた。
ギデルはフェローの顔を見つめるだけで、何も言葉を発さない。が、フェローには彼が何を言いたいのか伝わった。
にっ、と口角をあげて、こちらを見上げるギデルに言葉を返す。
フェロー「……そうだな、俺たち二人がいれば、怖いものなんかなにもありゃしないさ。
さ、落ち込むのはやめやめ!さっさと手がかりを探し__」
相方のおかげで自分を取り戻したフェローは、気持ちを切り替えて、この町から脱出する手がかりを探そうと、止めて居た足を動かし始めた。
その時、何気なく視線を向けた公園に、霧越しだが人影が見えたのだ。
自分たちと同じ迷い人か、あるいは異形の化け物か?ギデルを自分の背に隠して警戒しつつ、フェローは大声でその人物に呼びかけた。
フェロー「おーい、そこに誰かいんのかー?」
(それぞれ絡ませていただきました。改めてよろしくお願いします)
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