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パンドラの箱(〆)/304


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自分のトピックを作る
81: アーネスト・ブラッドフォード [×]
2023-10-17 01:06:34



( 自分とならば一回り以上、相棒となら親子でもおかしくない年下に黙らされた上司と幹部らに、もう何も言う事は無い。相棒の荒いヒール音を背景にさっさと管理室を後にする。己も些か荒立てて床を踏んではいたが、体力差からいつの間にやら隣を越され、二歩ほど遅れつつ共にロビーに至る。すぐ傍の席に相棒はけたたましく、己はのっそり鈍々しい動作で座り、椅子の背凭れに上体の全てを預けて暫し――相棒の声がロビーに反響する。疲労で少々ぼんやりしていた所に不意を打たれた驚きを瞬きで散らし、「…全くだ。コネで人を管理する側に回ってしている事が、お上様方の雁首を揃えての吊し上げとは…頭の外だけでは無く中身まで隙間だらけのようだな。」投げられたそれにまず肯定、次いでは同じ苛立ちを混ぜての暴言を吐き出す。――もし二人を諌める者がいたならば。“日頃の行い、素行、態度のせいもあるだろう”などと多少苦言を呈したかもしれない。だが、今ぴりつく二人の前に出る者どころか、目を合わせる者すらこのロビーには一人として居ない。「しかし…」一通り気の済むまで怒りと毒を宙に投げ捨てたその最後、自らが萎んでいくような深い息を吐き出し、己も頬杖を突いてすっかり背を丸める。「……流石に、今日はこれ以上の面倒事が起きん事を願おう。」ふと視線を向けた先の通路、今頃になって管理室に連行されていくトーマスらしき赤毛を視界の風景に、誰にともなく疲れきった先の願望をボソリと溢して )


(/ ああ~そこはかとなく感じられる優先順位…好きぃ……アーネスト、力じゃイヴさんに勝てない上怪我人の扱い慣れてなくて一緒に振り回される事でしょう…有り難うございます!あ、それともう一つ聞き忘れが…このドタバタ編でアーネストが大分虫の息()なので、次のピンチ編は数日後的な感じで時間進めようかと思ってましたが…主様はどうでしょう、この日の内にピンチ編に進んでおきたいとかあります…? )




82: イヴ・アレクセイ [×]
2023-10-17 07:45:51


(「ホントそうだね~…もうこんなのコリゴリ!」相棒の言葉に答えつつ、誰かのデスクの上─ではあるが、"真面目に""話を聞くために"同じ姿勢で座っていた所為か凝り固まった肩と言わず全身の関節をバキバキと鳴らしながら腕を回し、相棒の視線の先を追う。そこには鼻にティッシュを詰め込まれた状態で、職員数名に連れられて管理室まで連行されているトーマスの姿が見えた。その情けない姿に少々笑みを漏らしつつも、周囲の─何故か直接目が合う職員は一人もいないが─ちらちらと何か言いたげにこちらを伺う職員数人にギロリ、と先程患部を黙らせた刺々しさと苛立ち満載の睨みを向ける。すると職員たちはひっ、と怯えたような声を漏らしながら慌てて目を逸らし、飲む気もなかったのであろうコーヒーのカップに慌てて口を付けたりし始めた。そんな姿を横目にダサ、と呟きながら溜息を吐き、「…もう仕事無いよね~?オレおうち帰る~…何かあったら呼んで~…」と疲れたように欠伸を一つ、返事を聞く前に愛車の停めてある駐車場に向かって歩き始める。駐車場に到着すると大人しく主の帰りを待っていた愛車のシートを撫で、ヘルメットを被りながらシートに跨り、自宅への帰路を辿り始めて)

(そうなんです…優先順位バグってるんですよ…!!!ああ…見えます…二人で結局ドタバタみたいになっているのが見えます…そちらの形式で大丈夫ですよ!!今イヴもお疲れ()でおうちに帰りましたので!!)

83: アーネスト・ブラッドフォード [×]
2023-10-18 00:33:06



( 周囲の視線も、元々以上に気に留める余裕は無く、ただ相棒が何か呟いたのを耳の触りに眠たげな瞬きを。その内に立ち上がって去っていく相棒の背中に、解ったとだけ一言見送り、その姿が見えなくなってから己も席を外して自身の車で帰路に着く。――それから幾日か過ぎ。特別仕事も騒ぎも起こらない平和な日々を送っていた、とある日の朝。いつも通り夜更かしをしたソファーの上で目覚めて、時間を掛けた覚醒の間の後、支度を進めるその途中。新品に変えたばかりだった、飾り気の無い普段使いのヘアゴムが千切れてしまう。「……縁起でもない。」それに至極面倒そうに顔を顰めつつ、代わりを散らかる部屋から探せば、組紐というか細いリボンというか、兎に角そういった――恐らくは何かのラッピングだっただろう青く長い布が見付かる。これでいいかとそれ以上の捜索を億劫がり、適当に纏めた髪に巻き付け雑に固結び、それで漸く終わった支度に一つ息を吐いて家を出る。機関に着き、今日はロビーには留まらずに蔵書室にて過ごし、目が覚める程度までの時間が流れた頃、「……仕事か。」鳴り響いたサイレンに嫌悪だだ漏れの顔を上げる。ついでに溜め息まで落としつつもそれまで読んでいたものを元に片付け、気の進まない重い足取りで通路を歩み )


(/ 自分の怪我<服なイヴさん…無論そこも含めて好きなのですが…その内頑張って自己評価を変えさせてみせますよ!アーネストがね!!()ああ…良いですね…微笑ましいです……そのままバディ仲良くしてる所をもっと沢山見せて欲しいですね!了解です!ではピンチ編いってみましょう!! )




84: イヴ・アレクセイ [×]
2023-10-18 07:35:46


(殺風景な街中に映える、一筋の赤い流星のような愛車に乗って自宅に戻ると、いつもの如く食事とも言えぬ食事を取り、特に見る気もない深夜のテレビ番組を惰性で点けながら、いつの間にかソファで寝落ちるという不健康なルーティンを繰り返し、翌朝を迎える。寝惚け眼でソファから起き上がって顔を洗い歯を磨き、最後の機関へと向かうための着替えの際、ジーンズを履いた時の微かな違和感にふと目を向ければ、赤やら紫やら、極彩色かつ大量のストラップが揺れるチェーンからお気に入りの─白い猫を象ったキーホルダーが無くなっていた。何処かで落としたかな、と然程気にするでもなく用意を済ませ、愛車に跨って機関まで向かう。機関に到着すればロビーの定位置に腰を下ろし、暇そうな表情で携帯を触っていたものの、ふと機関中に鳴り響いた、耳を劈くようなけたたましいサイレンの音に眉を顰めた。お仕事面倒くさ~い、と誰に言うでもなく嫌そうに呟き、席から立ち上がると、姿の見えぬ相棒の居るであろう通路に向けて歩を進めて)

(めちゃくちゃ自己評価変えてやってください!
!!こちらも了解です!!)

85: アーネスト・ブラッドフォード [×]
2023-10-19 01:41:03



( 俄に騒がしく、慌ただしくなっていく機関内、しかし己のペースは崩さず通路を歩く。その最中、普段と違う髪止めの余りが身体の揺れの度に首に触って、その僅かな擽ったさを気にして時折項を擦る。そのまま大した距離も歩かず角を曲がった所で、丁度正面に見慣れたヒールと金のポニーテールが見えて、歩幅を少し広げスピードを早める。「……良い朝だな、イヴ。」その隣に並び立ち、目だけを彼へ向けてその顔を確かめれば、口からは挨拶代わりに仕事への遠回しな猛毒を吐く。無論顔付きも声もそれへの毛嫌いと面倒さで歪んでいる。おまけでまた溜息まで混ぜ込みつつ、足並みを揃えて“仕事”の為に通路を進んで少し、一応特殊個体の情報を取りに管理室を目的地としている途中、下がっている視線が何かの違和感を捉える。「……ん。」そこそこの思案の間を空けて、違和が何処であるかは気付いたよう。相棒が身に付けるストラップ群を顰め眼で観て、「……腰のそれ、そんなものだったか?」だが結局、どれがどうかとまでは当てられず――そも当てようという気もあまり有らず、面倒事に晴れない道中、気の紛らわしついでにその事を尋ね )


(/ はい!!!
では、暫し背後の私はお暇しますね!!また後ほど!! )




86: イヴ・アレクセイ [×]
2023-10-19 08:38:51


(まだ薄暗い通路を歩く内相棒の姿が見え、相棒が横へやって来ると当然のように歩くスピードを落として相棒と並んだ。おはよ~、と挨拶を返しかけたところで、今日の相棒には何だか妙な違和感があるような気がして口を噤んだ。頭の天辺から爪先まで不躾に一瞥した後、ふと髪を結んでいるゴムに目を留める。いつもならば黒か茶色の、実用性にしか興味の無さそうな、飾り気のないシンプルなヘアゴムが髪を束ねているだけ。だが今日は青く細い、可愛らしいリボンが相棒の髪を束ねていた。相棒の単色の装いに映える青い彩りに思わず小さな笑みが溢れ、「ん。おはよ~、アーネスト。今日なんか髪の毛オシャレだね~?」と少々遅れながらも朝の挨拶を返す。そうこうして廊下を歩いている内、相棒が自身のキーホルダーについて言及してきた。すると待ってましたとでも言わんばかりに相棒の方をくるりと向き、「そうなんだよ~、アーネスト!お気に入りの白ネコちゃん失くしちゃってさ~。オレ今めっちゃショックなの!」と態とらしく潤ませた目と情感をたっぷり込めた声、そして大袈裟に両手を広げて説明する。あの白ネコちゃん、なんかアーネストに似てて好きだったのにな~、とふてぶてしく眠そうな顔をしていた白猫のキーホルダーを思い浮かべながら笑ってみせた。その後は特に相棒と何を喋るでもなく管理室の前に到着し、「ぜ~ったいオレ昨日のこと怒られるじゃん。面倒臭~い」と文句を垂れながらも管理室の扉をノック無しで勢い良く開く。案の定幹部や上司はノックくらいしないか、と小言を垂れるが気にすることもなく、また今日も来ていないらしい誰かのデスクに腰を下ろした。「…情報だけ貰いに来たんですけど。教えてもらったらさっさと向かいますんで~」と1秒でも早くこの場から立ち去りたいオーラを醸し出しながら、オペレーターに圧を掛け)

(了解しました!!)

87: アーネスト・ブラッドフォード [×]
2023-10-20 00:03:41



( すぐに挨拶が返ってこなかった事も、己側も見られている事も気にはしなかったが、此方の変化の指摘に、今度は意識的に布の余りを触る。「…普段使ってるのが切れてな、家にあった紐で代用した。」それからごく端的に、髪を結果的に装飾する事になった経緯を話す。その後、少し経って指摘した相棒の違いに、想定以上のオーバーなリアクションが跳ね返り、思わずストラップ群から相棒の顔へ視線が上がる。「……ああ、あの…」白猫、と聞いてそのシルエットが薄ぼんやりと思い出され、しかしそれに何か言う前に笑うその言葉に声が止まる。「……似ていたか?」正直形もうろ覚えな失せ物の顔は尚更薄く、はて、と管理室への道中首を傾げていた。――管理室到着。相棒の文句には鼻を鳴らす音だけ返して、己も無遠慮に開いた扉の内に挨拶無しに踏み込む。それに何か言う声も聞こえたが、全て無視を決めてオペレーターを注視。自分達二人分の圧を受けたオペレーターは身を縮こまらせながらも、震える手でパネルを操作しモニターに映した映像と共に何とか説明を始めた。――この前の植物系個体とは丁度反対方向、場所も機関からやや遠い。そして、その能力は、「……氷相手でしたら、私達では不適、炎の方が良いかと思われますが。」氷の塊を投げ、周囲を凍らせ、大暴れする氷結系統。理解した瞬間、嫌の文字を顔全面に映し、若干遠回しに辞退を申し出る。が、それに是が答えになる筈は無く、幹部らと上司に余計に嫌みを浴びせられる。「……解りました。失礼します。」義務がどうだ権利がどうだ、耳タコもののテンプレート“説教”を面倒そうに、大きな舌打ちの後強めの語句で無理矢理断ち切り、「行くぞ、イヴ。」現場を共にする相棒に呼びかけ、今しがた入ってきた管理室の出入口に再び早足を向け )




88: イヴ・アレクセイ [×]
2023-10-20 06:26:46


(退屈そうに時折足を組み変えつつ、モニターに映された映像に視線を移す。そこには大人の拳程もある氷塊を周囲に向けて投げつけ、周囲を凍らせ、癇癪を起こした子供のように暴れる─まあ、今回の特殊個体はいい大人だが─が映し出されていた。2分ほどで映像から目線を逸らし、明確に言葉には出さないものの相棒と同じく嫌を全面に押し出したような表情を浮かべる。と、相棒に向いていた幹部と上司の"有り難い"嫌味の矛先は自身へも向いてきた。お前は態度がどうの、能力がどうの云々、それは完全に無視を決め込んで右から左へ聞き流し、相棒の声に応えるようにデスクから飛び降りた。管理室を出る前、思い出したかのようにオペレーターの方へ視線を向けると「…情報ど~も。情報のお陰で、相性最悪の個体の制圧に向かえるようになったよ~」と声の嫌味も刺々しさも隠そうとしない、表情も普段の笑みではあるのだが瞳の奥が笑っていない笑みを浮かべながら取って付けたような謝意を述べる。普段の自身から放たれることはない、冷え冷えとした空気に中てられたオペレーターが固まっているのも無視し、キーホルダーの擦れる音を残して相棒とともに管理室を後にした。腹いせのように扉を勢い良く閉め、足音も甲高く廊下を歩く。ロビーを抜け、いつも通り駐車場に到着した所で「後ろ乗って~」と軽い調子で呼び掛けながら、相棒に向けてヘルメットを投げ)

89: アーネスト・ブラッドフォード [×]
2023-10-21 01:00:46



( 管理室を出て、あからさまに不機嫌な足音を立てる二人を、道行く職員達が避けて目を逸らす。「……冷静な判断も出来ん上司など、居る価値も意味も無いな。」ロビーを抜ける途中、前髪のピン留めや眼鏡の取り外し等仕事への切り替えを行いながらも、どうにも収まりきらなかった苛立ちが猛毒の独り言として落ちる。邪魔も無く外へと出て、ん、と短い返事と同時に放られたヘルメットを受け取り、装着して相棒の愛車の後ろへ。「……さて。」着きたくはなかったが、現場付近に到着。個体の能力の影響か、既に冷気が辺りを囲んでいる寒さに肩を竦め、避難指示に動く職員には手帳提示のみの無愛想な挨拶をして、騒ぎの中心に重い足を向ける。まだ此方には気付いていない特殊個体を遠目に様子見しつつ、「今回ばかりはあまりサポートに期待をするな。今のストックで効くものがあるか怪しい所だ。」危険を前に見栄は不要と、相棒へ先に自身の武装状況を淡々と伝えておく。それでも一応己の武器に、予備実弾と血液マガジンの双方を装填し、「…効果がありそうなのは、精々貴様のその武器程度か。」その熱なら或いは、と多少の希望を相棒の刀に向けて数秒後、此方に気付いてか特殊個体が威嚇らしい声を放つ。――しかしそれに一々怖じも怯みもしない。ただ一つ、深々億劫そうな溜め息を吐き出し、「……やるか。」己にも相棒にも発破を掛ける静かな一声と共に腹を括って、此方へ向けて攻撃準備を始めた個体の警戒に構えを取り )




90: イヴ・アレクセイ [×]
2023-10-21 09:13:36


(愛車が現場に到着するなり、ぞくりと底冷えするような冷気が服の隙間から入り込んできた。寒さに若干震えながらもヘルメットを外しながら現場に入り、相棒と同じく特殊個体を観察してみる。─モニターで見た通り、かなりいい大人だ。下手をすると自身の親程度もあるだろうか。そんな年齢の人間が子供のように暴れ回っているとは情けない、と口に出す代わりに溜息を一つ。こちらに視線の戻ってきた相棒の正直すぎるほど正直な発言にやっぱそっか~、とどこか諦めたように笑いながら、修理から戻ってきたらしい月光を鞘から抜いた。日に照らされた月光は、その青白く光る高熱の刃が光を反射し、妖しく輝いている。相棒の期待の言葉には苦笑を浮かべ、眼の前の次々に生成されていく氷塊と自身の月光の刃を見比べてから「ん~…どうだろ。効くか効かないかだと、結構微妙かな~」と珍しく弱気に呟いた。だがこちらに気付き、威嚇するように小振りな─子供の拳ほどの氷塊を投げ付けようとしてくる特殊個体と向き合うと、相棒と同じく気合を入れるような息を一つ、普段の軽薄さは何処ぞへ鳴りを潜めた、真剣な眼差しで月光を構える。目前に月光を突き出し、防御するような形で特殊個体に向けて一歩踏み出した。投げ付けられた氷塊は次々に月光の刃に命中して一瞬の内に溶け、溶け切らなかった分は面倒そうではあるが捌きつつ、特殊個体への歩みを止めることはない。時折捌き切れなかった氷塊が頬や腕を掠め、小さくも鋭い切り傷を付けていく。その都度痛みに眉を顰めるものの、最短距離を突き進んで特殊個体と対面する。「は~い、ご対面。オレ、アンタを制圧しにきたんだよね~。無駄な抵抗はやめてさ、大人しく捕まってくれると助かるんだけ…」その言葉が最後まで言い切られることはなく、特殊個体は何事かを叫びながら自身─イヴの腕を鷲掴み、氷塊で武装した拳で何度も何度も殴り付け始めた。その度にイヴの表情は痛みに耐えかねるように歪む。顔には出さないものの周囲に漂う冷気の所為で低体温症になっていたようで、異能を使う余力すらないらしく)

91: アーネスト・ブラッドフォード [×]
2023-10-22 06:33:18



( 戦闘開始。特殊個体に向けて前進する相棒とは逆に、己は遠ざかり壁を探す。瓦礫と氷の積み上がった陰、ライフルに変形させた武器を構え、一応、爆薬を飛んでくる塊に撃ち込んでみる。「……駄目だな。」ど真ん中、命中したはいいが威力は半減以下。多少脆くなった塊が砕けかけて軌道を逸れる程度。それでも実弾や何もしないよりマシと、相棒の死角に入る塊を、一つにつき数発ずつ撃って何とか壊す。スコープ越し、相棒が早くも目標に辿り着いたのを確認して、警戒をほんの僅か緩めたその矢先、目に飛び込んだ光景に、「――何を、」一度目、絞った声は震える。思考が怒りで消えていく。「――何を、している。」二度目。今度はハッキリと。どちらに向けてとも知れないその声は、地の底の如く低い。――スコープを外す。ゆらりと立ち上がる。岩陰を出る。そして、ライフルの実弾を滅多撃ちにする。だが相棒には当然、個体本体にも当てない。こっちを見ろと、ただ個体の意識を自分に向けさせるだけの行為。その意図は相棒の救助と、「……潰す。」“敵”への殺意表明。個体が此方を認識したその瞬間に、前方へと走り出す。投げられる氷塊を持ち前の動体視力と反射神経だけで強引に回避していく最中、両の掌からは滲み出す薬性血液が、武器の表面を伝ってパタパタと落ち――そのたった一滴ずつが各々に凍り付いた地を融かし穿ち、足跡の代わりに経た道筋を残していく。それに何か本能で感じるものでもあったのだろう、個体側から、どうあっても直撃するコースに大きな塊が現れ、「……邪魔。」だがそれを変形させた武器、唯一の白兵戦仕様である銃剣の先、己の血に塗れた刃で袈裟斬りに払えば、塊はあっさりと真っ二つに融け切れて落ちる。なれば走る速度は落とさない。リボンが切れて髪が解けても、避けきれない攻撃が肩や脚を薄く裂いても。そして遂に目の前に迫り、銃剣を槍宜しく振り被る――が、寸でで飛び退かれ、刃は地に突き刺さる。しかし、衝撃と勢いに己の血液が身に跳ねたらしい。個体はその脚の片方に酷い焼け爛れを負っている。熱い、溶ける、と珍しく意味有る言葉を個体が発して、 だが此方は無音のまま、相棒と個体の間に立ち、“敵”を明確な憎悪を赫々と湛えた瞳で捉える。「――――」ギチリと噛み締めた歯の合間から、獣の息が漏れた。武器を伝う血液は先程より量が増え、その特性も握る武器自体をも融かし始めるまでに濃度が高じていたが、アーネスト自身に気付いた様子は無い。つまり――能力が、明らかに本人の制御を外れている。その過程で、別の毒性でも混ざったか、個体の動きが鈍ってきている。それで戦意か意識が薄らいでか、冷気も少しずつ和らぐ。しかし、それは知った事ではない。“敵”の完全な排除に再び武器を構えて、刃の届く距離まで詰めんと姿勢を前傾させて )




92: イヴ・アレクセイ [×]
2023-10-22 08:34:03


(何度も腕を殴られている内にバキリ、と嫌な─鈍く、何かを砕くような─音が自身の腕から鳴った。次いで凄まじい、思わず悲鳴でも上げたくなるような激痛が襲ってくる。─内出血にしては痛みが酷い。多分腕のどこかの骨、掴まれている場所的に橈骨か尺骨─音が重かったので、ひょっとすると橈骨かもしれないが─のどちらかが殴打に耐えかねて折れたか、ヒビが入ったかしたのだろうか。一切の汚れが無い白い革ジャンに、じわりと赤い鮮血が一塊滲んだ。ふと目線を上げれば、普段の毒舌で無気力な相棒からは想像もつかない、怒りに我を忘れてこちらへ猪突猛進してくる相棒と目線が刹那噛み合う。その姿に少しばかり目を丸くすると凍えて震える、浅い吐息を一つ吐き出して、後ろ手に構えていた月光の柄を自身を拘束する特殊個体の顎目掛けて突き出す。予期せぬ攻撃に、特殊個体が少し怯む。少しでも動く度に血が滲んでいる箇所が堪え難い疼痛を訴えるが、精神力で無理矢理抑え込み、身体を捻って特殊個体の拘束を抜け出そうとした。折れたかヒビが入っているかしている片腕と、健常な両腕。勝敗は誰が見ても明らかだった。─が。イヴは月光の高熱の刃を振り翳したかと思えば特殊個体の、自身を拘束している腕にその刃をぐっと押し当てる。高熱のレーザーで皮膚や肉が一瞬にして焼ける悍ましい臭いが漂い、耳を劈くような悲鳴と共に特殊個体はイヴの腕を離す。これ幸いと身を翻し、今しがた刃にこびりついた赤黒い肉片ごと、特殊個体の顔へと、野球のスイングの要領で振り抜きながら再び刃を押し付けた。特殊個体からは再び絶叫が上がり、その刃が離れるか否か、周囲を包んでいた冷気は完全に沈静化する。顔と腕、そして脚にそれぞれ大火傷を負い、戦意を喪失した特殊個体の側をするりと離れ、今度は相棒の背中へ声を掛けた。─だが。普段の相棒では、無い。普段なら制御されている筈の血液が止め処無く溢れ、手に持っている武器すら融解し始めていた。漏れる吐息は荒々しく、これでは人間と言うより、まるで獣─戦意を失って地面にへたり込む特殊個体を完全排除しかねないオーラを醸し出す相棒を前に、イヴは満身創痍の状態で異能を使用し、全身を紙片化したかと思えば相棒の前に降り立ち、肉体を再構成する。そのままぱっと両手を広げ、「アーネスト、一旦落ち着こうよ~。ほら、オレご覧の通り無事なんだしさ」と言い聞かせてみた。患部はまだ腫れてはいないが、明らかにおかしな方向へ捻じ曲がっている。落ち着いてくると革ジャンに滲んだ赤の汚れが憎らしくなってきたのか、恨めしげに見つめながら「多分これ骨折れてるかな~?ヤバいね~!」と常時襲ってくる痛みを誤魔化すように笑いつつ、普段通りの軽く明るい自身を装って、内心悲鳴でも上げたい気分を抑え付け気味に患部を振り回し)

93: アーネスト・ブラッドフォード [×]
2023-10-22 22:11:01



( 仕留める。潰す。排除する。普段なら考えられない程の暴力的な感情。それにつき動かされるまま、ここまでの突進で悲鳴を上げる身体を沈み込め、飛び掛かるその直前。視界に割り込む紙片に動きが止まった。“敵”だけを見据えていた目は、睨めるように組み上がる存在を見詰める。現れたのは笑顔。そして名を呼ぶ軽い声。いつもの相棒の姿。「…………イヴ。」――“彼”を認識する。“相棒は無事である”。その事実にすっと憎悪が凪いで構えが解ける。荒く浅かった息を深く吸い、今頃になって能力の不制御から来る貧血に多少ふらつきながら、相棒の状態をじっくり確認して顔を顰めたその直後、「なっ、」明らかに人体にあるまじき方向を向く腕をヘラヘラと笑って振り回す姿に目を見開いて、咄嗟に武器を放ってその両肩と二の腕を己の諸手で挟むように掴み、叫ぶ。「動かすなっ!!」狼狽、焦り、怯え。合わせた視線に混ざる色。「多分ではなく、確実に折れているだろう、それは。」前線を担当して十五年余り、骨折程度経験がある。そしてそれは少なくとも、そんな風に笑える痛みではない。思い出すその感覚に――まだ自覚の無い僅かな心配も含んで――顔が思い切り歪む。「見ているこっちまで痛くなる。…だから、今はそういう奇行を止めろ。」それから、今更目を逸らしていつもの毒言。今、己が血に塗れた手で反射的に掴んだ相棒の服は、融けていない。動揺と呆れ以下、ごちゃつくあらゆる感情を溜め息に変えて吐き、平素の不機嫌そうなふてぶてしい態度で、まだ無事な側の相棒の肩から片手だけを離す。「……怪我を見せろ。」ぶっきらぼうに告げた一言の思惑は、相棒の負傷の応急処置。医術は素人だが、部分麻酔なり傷の癒合なり、まあ出来る事があるだろうと、相棒の次の行動を待ちながら、さんざ毒を垂れ流した跡が残る掌上を自らの白衣で雑に拭って、また新たに薬性の生成及び捻出を始め )




94: イヴ・アレクセイ [×]
2023-10-23 07:47:47


(相棒に患部を振り回すことを止められ、どことなくきょとんとしたような表情のままで一旦は─まあ、本音を言えば振り回すなんてとんでもない程の激痛なので─言われるがままに大人しく腕を下げた。「え、やっぱ折れてる~?マジか~…」自身でもとっくに分かり切っていた癖に、相棒からの言葉に態とらしく落ち込んでみせる。だが自身の骨折よりも服が汚れたことの方が腹立たしいようで服めっちゃ汚れたんですけど~、と血の滲んだ部分を睨みながらけらけらと乾き切った、感情の籠もらない笑い声を上げた。滲んだ血は既に乾き始めていて、最早帰ってから洗った所で取れやしないだろう。相棒の表情が歪むのを見ている内、胸の奥底に罪悪感とも、他の何であるとも取れない微妙な感情が僅かにざわめくのを感じる。その感情は自身が疑問に思うより先に、勘違いだったかのように心の中でふつりと消えていった。自分だって疲れている癖に此方の怪我を見せろ、と言う旨の相棒の発言を受け、「は~い、どうぞどうぞ~」といつもの軽い調子で捻じ曲がった腕を相棒の方へ差し出す。その際、差し出した拍子に走るズキリ、とした痛みに耐えかねたかのように一瞬表情が歪んだものの、すぐにいつもの表情を取り繕う。そして自身は心配そうな声を上げながら近寄ってきた他の職員に、先程と同じ場所にへたり込んだままでぼんやりとしている特殊個体の制圧を指示した。職員数人に周りを取り囲まれ、ふらふらとした足取りで専用車に移されていく特殊個体をぼんやりとした眼差しで見つめつつ、自身はぶっきらぼうながらも手付きは丁寧な相棒の手当てにすっかり身を任せていた。簡易な手当てが終わると職員の持ってきた自身の鞄から包帯を、そして腰に挿していた月光を抜き取り、月光を支え代わりに包帯をグルグルと腕に巻き付ける。が、巻き付けてから愛車のことを思い出したらしく、「…あ~!これじゃ運転できないじゃん!」と大声で叫んだ。その後相棒の方をくるり、と振り向いたかと思えば「運転お願いして大丈夫~?アーネスト」と健常な方の片腕で軽く謝意を述べて)

95: アーネスト・ブラッドフォード [×]
2023-10-23 23:52:42



( 素直に差し出された腕を診る直前、相棒の顔に一瞬目を向け、だが何も言わず。ただ今薬を成す左手のもう一方も彼から離し、白衣のポケットを探って麻酔薬を――本来は武器を通し個体の捕獲に使うものであるその血液マガジンを取り出して、片手で器用に蓋を開ける。それから左の指先から数滴、成分調整に薬性を垂らして混ぜた後で、塗布タイプの麻酔に変えたそれを相棒の折れた箇所の皮膚へ、負傷に障らぬよう慎重に塗っていく。その処置が終わった次、流石に傷薬等のストックは無し。新たに生成した止血と傷口の接着を兼ねたもので大きな傷を隙間無く覆い、一時的に保護する。その他小さな負傷に構う事は無い――筈、だったが。ふっと視線を上げた先、余所見をする相棒の頬にある傷が、目に付いた。とっくに流血も止まっているそれに指を伸ばし、ビッ、と親指から滲ませた僅かな癒合薬血を、“何と無く適当に”其処に塗り、その傷だけは跡形も残さず修復した。それを手当の締め括りとして手を離し、相棒が腕を固定する合間に先程放り投げた自身の武器を拾う。最早一から作り直した方が早いのではという損傷具合――まあ、十割自分が原因なのだが――の銃剣を拳銃形態に戻してホルスターに仕舞いつつ、僅かに揺れる視界に目頭を押さえている所に、相棒の声が響いた。「……ん。ああ、運転だな。問題無い。」尋ねられた事を理解するのが一瞬遅れ、だがすぐに平常と同じく端的に返し、帰還の為の足を踏み出す。――駐車場所、相棒の愛車前。赤い二輪のハンドルやアクセルの感触を確かめ、一人納得に頷くと、相棒のヘルメット着脱程度は補いつつ、ややゆっくりめの運転で危なげ無く機関へと戻る。二輪を降りて機関のロビーを入った所で一度立ち止まり、数秒の間の後、 「……先に医務室だな。」報告を後回したい私情と、緊急性が比較的高い怪我人連れの建前と。その二つを合わせ、あの苛つく無能な上司達の居る管理室より、少々口煩いだけの医療班長が居る医務室を勝手に優先し、報告先とは真反対の方向に怠い身体を向け )




96: イヴ・アレクセイ [×]
2023-10-24 07:23:42


(自身以外の運転する愛車に乗るのはどことなく新鮮で、機関に到着するまで普段よりゆっくりと流れていく景色に目を向けていた。機関に到着し、愛車を降りると相棒の後を追ってロビーに入る。医務室、と呟く相棒に「うえ~…この怪我って絶対怒られるじゃんか」と表情を歪めるものの、管理室にこの状態で報告に行くよりは医務室で、あの─どこかハムスターやリスのような小動物に似た雰囲気の、若い医療班長に叱り飛ばされる方がマシだと考えたらしい。すぐにま、いっか、といつもの笑顔で声を上げ、気分を切り替えてさっさと医務室へ向かっていく。固定してあるとは言え簡易、歩く度にズレそうになる月光をもう片方の手で支えつつ、医務室の扉を叩いた。医務室の中からどうぞ、という声が聞こえ、扉を開くと中に居た医療班長が今日は何処を怪我したんですか、と言いながら自身たちの方をくるりと振り向く。固定された自身の腕を目にした途端、血相を変えて自身に詰め寄るとこれ折れてるじゃないですか、や何処でこんな怪我してきたんですか、と捲し立てるように騒ぎ始めた。耳タコものの言葉をすみませ~ん、と適当に流していると、彼女は自身を無理矢理椅子に座らせて手当てするので大人しくしててくださいよ、と睨みを効かせて眉を顰めながら包帯やら何やらを棚から取り出してくる。そうして戻って来るとまずは適当な添え木─月光を取り外して包帯を解き、応急処置のしてある腕に手を翳して異能を使用する。薄緑の暖かな光が自身の腕を包み、痛みが少しずつではあるが和らいできた。空いている方の片手で腕用ギプスを持ってきた所で、ようやく自身以外の存在に気付いたらしく、入り口辺りに立っている相棒へ視線を投げる。彼女は軽く会釈をすると、送り届けて頂いてありがとうございます、管理室には私から報告しておくのでアーネストさんはお先に向かっていただいて大丈夫ですよ、と微笑んで)

97: アーネスト・ブラッドフォード [×]
2023-10-24 21:10:02



( 己の出した単語に明らかに表情を変えた彼に、諦めろ、と一言素っ気なく返し、相棒共々医務室に向かう。白い扉が開いた瞬間、当然腕の折れた相棒の方に班長の目が奪われる。「……さて。」一気に騒がしくなる医務室の中心は相棒。その隙に入口から室内に目を巡らせ、己が見上げる程大柄な医療助手の男を見付ける。分析解析の異能を持つその四十路前後の助手――己には珍しく、機関加入時から付き合いのある相手――に、一つ目配せをして招くように軽く指を動かす。それだけで察したらしく男は苦笑し、医療班長の見ていない隙に薬棚の隅から中身入りの細いシリンジを取り出し己の傍に寄る。久し振りだね、…ああ、と無難な言葉のやり取りに紛れこっそりとそのシリンジ――造血剤を受け取って、何の小言が飛ぶかも解らない口煩い班長が振り返る前にポケットに隠す。相棒からは見える位置だっただろうが、幸い班長には見付からなかったらしい。微笑みを向けた彼女を一度見遣り、「…では、管理室に行ってくる。」だが無反応のまま、すぐに相棒の方へ視線を流してそちらに声を掛ける。「…このキーキー煩い子鼠と、図体ばかりの見かけ倒しの爺熊の言う事をきちんと聞いておけ、イヴ。あんな怠慢が二度と無いようにな。」そのついで、不遜と不機嫌、それに気怠さを練り込んだ毒を最後に吐いて室内に背を向け、愛想を毒で返された班長の怒り声と、人の名前覚えるようになったんだね、ブラッドフォード君、とのほほん己の変化を喜ぶ助手の声から重たい足取りで遠ざかる。――管理室の扉前。面倒さに溜め息を落としノックした後、相棒が来る前に終われば見舞うか、などと血の回らないぼんやり頭で考えながら一人報告の為にその中に入り )


(/ どうもアーネストがお世話になっております!!最近は相棒同士で武器を交換して文句言いながら戦うのも良いよね、などと考えております私です!!何やらほんのり芽生えたピンチ編、もうちょいで終わりかなと思いまして、お次は何が宜しいかお訊きしたく顔を出させてもらいました!!どうでしょう、主様の方で何かご希望妄想などは何かございますか!? )




98: イヴ・アレクセイ [×]
2023-10-24 21:50:47


(相棒の、自身はもうすっかり慣れた毒と共に医務室の扉が閉まるなり、眼の前で自身の手当てをしていた彼女は何なんですかあの態度、やら私は子鼠じゃなくてエリザだって何回も言ってるのに、などと呆れたような表情で愚痴を溢した。それをぼんやり聞き流していると貴方もそう思いませんか、と急に話を振られる。「ね~、アーネスト酷いね~」適当な表情を作って、これまた適当な相槌を打ちながらされるがままとなっていた。少しすると自身の腕から薄緑の光と大体の痛みが消え、仕上げにギプスで腕をぐるぐる巻きに固定されたかと思えば立ち上がる間もなく奥の方にあるベッドにぽい、と些か乱雑に放り投げられる。え、と目を丸くし驚愕の声を上げて起き上がろうとすると、彼女の咎めるような視線が飛んできて、治癒力は高めておきましたので、すぐ骨は繋がるでしょうけど最低1時間くらいは安静にしててください、と言葉が続く。─それは暗に「動くな」と言っているようだった。彼女に同調するように医療助手の彼─先程相棒に爺熊だのなんだのと手酷く形容されていた方─も何やら作業をしつつ、そうだよ~、寝てないとなどと呑気に間延びした声で自身にそう微笑みかける。医療班長とその助手に言われてしまえば流石の自身も形無し、言われるがままベッドに横たわった。固定されている方の指先を動かしてみると、痛みもなくスムーズに動いた─流石の異能と言うべきだろうか。彼女らは既に自身に興味を失ったようで、別の作業をしているらしく、一定の間隔を置いてガサガサと何かを探すような音が聞こえてくる。唇を子供のように尖らせたまま行儀悪くベッドの上で脚を組み、ポケットから携帯を取り出そうと手を突っ込んだ時、携帯と同時に何かがポロリ、と零れ落ちてくる。何かと思って手に取ってみれば、それは朝無くしたと思っていた、人を小馬鹿にしたようなふてぶてしい表情をしたふくよかな白猫のキーホルダーであった。─どこかで擦れたのか、若干ボールチェーン部分が損傷していたが、大部分は腰に提げていた時のまま。こんなとこにあったんだ、と声を漏らしながらそれを眺めていると、今頃管理室で幹部やら上司やらにあれこれと面倒なことを言われているであろう相棒の姿が想像できて、思わず笑みが溢れてきて)

(どうもどうも!!うちのイヴがいつもお世話になっております!!何か芽生えましたね…!イヴは何なのか自覚する前に消えちゃいましたが…()あ~…良い…良いですね…お互いに「お前、これどうやって使うんだ!」とか「無駄な機能付けてるんじゃない!」みたいに文句言い合いながらも抜群のコンビネーションで敵を屠っていくの、最高に"良い"ですよね…!!!うーん、次ですか…いきなりどっちかのおうち訪問・再(今度は完全オフモード)とかはお互いにハードル()が高そうですよね…お出かけ編やっちゃいますか?イヴが「運動したほうが良いよ~、アーネスト」とか言いながら"体力づくり"の名目で無理矢理街中を連れ回した後にカフェでお茶とか…行きつけのバーで飲んだりとか…どうです?)

99: アーネスト・ブラッドフォード [×]
2023-10-25 22:05:43



( 管理室内。上げた前髪も解けた襟足もそのまま、戦いの汚れも残して並んだ上司らを前に鈍い言葉で報告を。失態にここぞとばかり、やれ判断ミスだ、警戒の怠りだなんだと好き勝手を口々に浴びせる幹部に、「……そもそものミスは貴様ら無能の采配だろう。」と、敬語を使う余裕も無い重い頭で思う――筈が、どうも口に出ていたらしい。一層激しくなった“説教”へ聞こえよがしに溜め息を吐き出し右から左と流していたが、相棒の名が出た瞬間顔色を変える。「………今、何と?」良い気味だ、と嗤った上司、それから幹部へ。あの戦場と同じ赫々とした怒りの目を向け、辛うじて敬語を噛ませて問い返す。たったそれだけで黙り込んだ全員を、「…次は無い。」と脅して不機嫌に鳴る靴で踵を返し、管理室を出て話を強制終了する。時間にして三十分過ぎ程、相棒の姿は見えず。ならば、と機関内の購買に寄り、適当に視界に入ったオレンジ一つを見舞品に医務室へ。ノックも無しに扉を開けて、「イ、――。」相棒の名を呼ぼうとした所で、目の前に立ち塞がった医療助手の姿に驚いて全ての動きが一度フリーズする。用件は?ブラッドフォード君、と呑気そうなのに圧のある問いに我に返り、不機嫌な睨み上げで男へ立ち退きを要求するも、男の表情は穏やかなまま変わらない。――暫しの膠着。先に折れたのは此方で、フイと視線を顔ごと逸らす。「………イヴ・アレクセイの見舞い。具合が良いなら迎えだ。」それから不貞腐れて投げ遣りに用件を伝える態度は、拗ねた子供に殆ど同じ。それを微笑ましく了承する助手へ、思い切り舌打ちを返した後に大股早足で相棒の元に。「……腕は。」空いている隣のベッドに勝手に座り、先程の助手に捻けた機嫌を引き摺りながらも、体調を尋ねる言葉と見舞のオレンジを相棒に放り投げ )


(/ アーネストの方も自覚には程遠そうですね…()良いでしょう!!余興みたいな機能(ゲーミング発光とか)起動しちゃって「何っの為の機能だコレは!!」って相棒にぶちギレたりとか、思わぬ方向に飛び道具飛んで「扱いにくい!使えるかこんなもん!」って言いながらもしっかり敵を薙ぎ倒してく…堪らないですよねえ…!!ですねえ~…よし、お出かけ編しましょう!!賛成!!イヴさんの言葉に拒否犬みたいになるアーネストを強制連行して下さいませ!!()さて、お出かけならオフ日で街中バッタリか午後半休でしょうか。なんにせよ、最後はバー行ってほしいですね…たまには珈琲以外も飲んでほしいので……() )




100: イヴ・アレクセイ [×]
2023-10-25 23:23:50


(白猫のキーホルダーを眺めている内、知らず蓄積された疲労の所為か、それとも単純な眼精疲労の所為なのか─ベッドの上に座った姿勢のまま、少しばかり転寝をしていたらしい。医務室の中の壁掛け時計にそれとなく目を遣ると、自身が医務室のベッドに放り投げられてから早三十分程が経過していた。そして当然だが、眠る際に手の力が抜けたらしく、今しがた眺めていた白猫のキーホルダーは自身の腹部辺りに転がっている。ギプスで見た目だけは大袈裟に固定されている腕の痛みは最早完全に無くなり、多少動かしてみても違和感がない。ここまで治ればもう良いだろう、とベッドから降りようとした所で医務室の扉がいきなり開き、入り口で医療助手に道を塞がれている相棒の姿が目に入った。ベッドから降りかけていた脚を戻し、行儀悪く脚を組んだ、転寝をする前の─怪我人とは到底思えない程態度の悪い姿勢を取る。ベッドからでははっきりとは聞こえないが、相棒と医療助手は何やら話をしているらしい。医療助手の能天気な笑みとは対照的に、相棒は意地を張るように黙り込んでいたが、ややあって相棒の方が根負けしたらしく不貞腐れたような表情で口を開いた。良いよ、だの何だのといった形に医療助手の口が動いたのとほぼ同時、相棒の大きな舌打ちがはっきりと聞こえてくる。うっかり吹き出しそうになりつつも、いつもの笑顔を浮かべてベッドへやって来る相棒を待つ。投げられたオレンジを片手で受け取り、あんがと、と軽く礼を述べながら皮を剥くのも億劫そうに一瞥した後、丸齧りした。口に広がる柑橘の爽やかな風味を感じ、寝惚けている脳が目覚めるような感覚を感じながら、医療班長に手当てされた腕を彼女に怒られない程度に軽く振ってみせる。「も~、この通り!治った治った!エリザちゃんすごいよね~」とお道化るように笑い声を上げながら医療班長の名を呼んだ。捜し物をしていたらしい彼女はその名に反応して顔を上げ、なんですか、と自身に近寄ってくる。ついでに相棒の姿も見つけたらしく、送り出した時と同じように軽く会釈をしながらわざわざ迎えにまで来て下さったんですか、と送り出した時よりは愛想を損なった声で問うた。それに相棒が何か返事をする前に、自身が「そ~そ~、頼んでたの!じゃ~ね!」と捲し立てて相棒の手を取り、医務室を後にして廊下へと出る。ふと、気になっていたこと。「アーネスト、運動不足じゃな~い?運動しようよ!」と相棒の顔を無駄に真っ直ぐ見つめてそう口を開き)

(ああ…イヴ絶対いらんもの付けてますね…ゲーミング発光機能とか、刀身部分のホログラムとか…そしてアーネスト様の武器を借りた時には確実に「どのマガジンか分かんないんだけど~」ですね()了解しました!!どれだけ文句言われても笑顔で受け流して連れ出させますね!!()ちょうどイヴ怪我(治ってる)してますし、午後は半休にしちゃいましょうか!)

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