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相乗りで何処までも 【 〆 】/7209


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自分のトピックを作る
7154: 検索 [×]
2024-11-15 22:08:25


…え、…そんなの不可能だ。 この建物のセキュリティを君も知っているだろう? そう易々と逃げ出せる訳が……。…あの男は僕に何か自分で決断したことがあるかと聞いてきた。…明日、処置の一環で僕の記憶がリセットされることになってる。処置を受ければあの時の事も今聞いたことも全部消える。……
(ここに居る以上ただ変わることなくただ同じことの繰り返しをするしかない。それが当然なのだと生きてきた所に相手がハッキリとした口調で全く違う道を提示すれば今度は思わず声が零れた。後ずさりして空いた距離を詰められ正面から見つめる瞳には確かな光が灯っていて目が離せない。そして自分をここから連れ出すと宣言されると更に目を見開く。何とも安直で愚かな手段だ、侵入者の件があってからより一層セキュリティは厳しくなって鼠一匹すらここから出ることの出来ない管理体制になっている。そんな状況でなんの力もない2人がここから出れるはずもない。バッサリ相手の言葉を切り捨て脱出は不可能だと淡々と告げていく、だが断言しきる前に地.球.の.本.棚で言われたことを思い出す。あの男は自分で何を選び行動して来なかったことか自分の罪だと言った。その時は何を伝えたかったのか途中で彼が殺されたことで分からなかったが今妙に脳裏に過ぎった。そして昨日自室に帰る際処置の日が決まったと伝えられたことを話す。効率的に情報を脳内に入れ、処理するために定期的にこの頭の中の不要な記憶は消去される。コンピューターのキャッシュを削除するようにロスを産むものは不要という判断だろう。その処置を受ければ全部を忘れて空っぽになる。だから今自分の頭の中に前回の処置以前の記憶は何一つ残っていない。今回も処置を受ければあの夜に起きたこともこうして話していることも、この胸の妙なざわめきも今考えていることも全て忘れる。そのことを相手に伝えると迷うようなぎこちない間を挟んでから「…僕は、わすれたくない、と思う」と初めて意思のようなものを示して)


7155: 探偵 [×]
2024-11-15 22:55:19


え、……、……なら尚更今夜ここから出ねぇとな。お前からの依頼もこの鳴.海.探.偵,事.務.所の探偵…助手が引き受けたぜ。…それにお前の中におやっさんがいるなら絶対に消させやしねぇ
(ここから脱出することを告げれば相手は目を見開いて即座に不可能だと否定される、ここへ入る時にもセキュリティの高さは散々思い知って更にそれが強化されていることも知っているがそれは脱出を諦める理由にはならない。自分はここにいては行けないのだ、風.都へ戻ることも相手をここから連れ出すこともメモリ犯罪を止めることも全て必要だ。おやっさんが居ないなら自分がやるしかない。脱出が不可能である理由を淡々と述べる相手を意思が変わらぬ目で見つめていると、相手がおやっさんとのことを話し始めて思わず目を瞬かせる。おやっさんはメモリを相手が入っていた装置に突き刺してはいたがこちらから見えていたのはそれだけで話している様子はなかった。だが相手が嘘をついているとは思えず静かにその様子を見守る。そして記憶がリセットされることを聞けば眉を潜める、研究員が今晩は処置日だから相手を部屋から所定の設備に誘導するよう伝えられていたがこの事だったらしい。相手は何かを考え迷うように暫しの間黙り込んだが、直後忘れたくないと伝えられると今度はこちらが目を開いた。あれだけメモリ開発以外に興味を持たなかった相手が自らの意思を伝えるなんて、まだ短い時間しか時を過ごしていないが間違いなく相手の中で何かが変化している。そしてそれはおやっさんに由来している。思わずニヒルに笑う、こうなればますます今夜脱出する以外の選択肢はなくなった。相手がぎこちなく伝えた言葉を依頼と受け取るとその依頼を受けると返事をする、探偵と堂々と言い切りたかったがおやっさんの小言を思い出せば後から小さく『助手』という言葉を付け加えた。それにこの世におやっさんがいない以上おやっさんの痕跡は消えるしか選択肢がない、相手の中に少しでも憧れの人がいるのならばそれを消したくなかった。相手に握手をするため手を差し出す、思えばまともに名乗っていなかったことを思い出すと「俺は左.翔.太.郎だ。お前は?」と名前を聞いて)


7156: 検索 [×]
2024-11-16 00:05:52


探偵…、…これは何がしたいんだい?
(あの男と交わした会話を口にすれば相手の目が瞬いた。そして記憶と言う今の自分でいられるタイムリミットを伝えれば眉が潜められる。この機会を逃せば全てを忘れてもうこの手を取ろうと考える事は無くなる気がする。メモリのことについてはまだ考えは纏まらないがこの記憶は消したくないと意志を伝えればその目は見開かれて、その後に口角をあげられる。相手の初めて見る表情に目を奪われていると相手はますます覚悟を決めて探偵助手を名乗る。聞きなれないそのワードを自らも口にしながら続けられる話を聞く。あの男が自分と相手を繋いだような妙な心地を覚えながら相手の目を見つめていると何故か手を差し出される。その行動の意味がわからずにその手と相手を交互に見て首を傾げ疑問を投げかける。相手から名が名乗られてこちらの名前を問われる。自分の名前など覚えていない。だがあの男が言っていた言葉を思い出すと「…名前は分からない。だけどあの男はそれを聞いて僕のことをフィリップと呼ぶと言っていた」と授けられた名前を伝えて)

7157: 探偵 [×]
2024-11-16 10:13:05


は?なにって握手だろ…、……さすがおやっさん、いい名前だ。フィリップってのは最高にハードボイルドな男の中の男の名前だ。そいつは自分の決断で全てを解決する。おやっさんがお前にフィリップって名前をつけた意味、分かるだろ?
(こちらが手を差し出すと相手は視線をウロウロとさせて首を傾げていて思わず間の抜けた声が出る。ここはかっこよく握手を交わすシーンだろうと思ったが直後自分の名前すら分からないこと、そしておやっさんからフィリップという名前を与えられていたことに息を飲んで動きを止めた。相手はきっとメモリ開発以外の常識と呼べるものをほとんど持ち合わせていない、定期的に記憶がリセットされここではただただメモリを作り続ける存在でしかないのだろう。相手が先程話したおやっさんに問われた言葉と授けられた名前を聞けばおやっさんがどんな思いを相手に託そうとしていたかは理解できた。憧れの人のイキな名前に思わず口角があがる、自分がハードボイルドになりたいと騒ぎ立てた時に小説を渡されその男のことを教えて貰った時のおやっさんの顔は忘れられない。あの時言われた言葉をそのまま相手へと伝える、ハードボイルドなおやっさんが大好きとまで言っていたハードボイルドな男の生き様のキーワードは決断だ。改めて手を相手へと差し出す、真っ直ぐと相手を見つめると「この手を取るなら俺は必ずお前を外へと連れてってやる。ここから出るか、それとも残るか。お前が決めろ、フィリップ」と最初の決断を迫って)


7158: 検索 [×]
2024-11-16 11:47:44


ハードボイルド…、決断…、……僕は、君と…左.翔,
太.郎と外に出てあの男が言っていた意味を確かめてみたい。
(他人が自分に接触するのは定期的な検査の時だけでこうして差し伸べられた手の意味は分からない。困惑するような態度の相手に名付けられた名前を告げると何かを理解したようにまたその口角があがる。窺うような目を向けていればその名前に込められた意味を教えてくれる。ハードボイルドとは初めて会った時に相手も言っていた。全くその要素を持っているとは思えないのに自称する相手の姿、そしてただ言われるがまま従うのではなく自分で決めて選ぶこと、その二つのワードを繰り返していれば相手がこちらを真っ直ぐ見て決断を迫る。普通に考えれば必ず外に出すなんて根拠のない妄言で二人でこの研究所を抜け出せる確率なんて限りなく低い。それでも目の前の探偵助手を名乗る男は諦めなど知らない顔で出来ると自信に満ちた顔を見せている。この手を取れば何か変わるかもしれない、あの男と相手の言う言葉の意味が分かるかもしれないと突き動かすような何かを感じたから。それに運.命.の.子でも識別番号でもない、新たに付けられた名前の響きが迷いを晴らすと顔をあげた。相手の真似をしてゆっくり手を差し出すとその手に指先を触れさせる。そして相手を光を宿った真っ直ぐな目で見つめ自らの決断を口にして伝え)


7159: 探偵 [×]
2024-11-16 12:50:19


なら改めてその依頼引き受けさせて貰うぜ、フィリップ。これは握手って言って、よろしくって意味と、まぁ…今回のはお互いを信頼するって証だ
(再び手を差し伸べて相手に初めての決断を迫る。相手は言われるがままにメモリを作り、言われるがままに記憶を消され過ごしてきている。おやっさんが相手にフィリップと名付けたのは自分の意思で決断し動けるようになれと、そういうメッセージなのだろう。それならばとおやっさんに代わり決断を迫れば、迷うように俯いていた顔が暫くして上がった。手に指先が触れてそのまま相手を見つめていれば意思のこもった光ある目がこちらを向いて相手は自ら決断を下した。相手がおやっさんに背中を押されて歩み始めた事にまた口角があがれば力強く頷く。そしてこちらに触れるだけだった手をしっかりと握った。相手は全ての常識が通じない相手だ、こういう事から自分が教えていかなければならないらしい。つい先日までおやっさんから教えられる立場だったことにまた寂しさを覚えながらこの行為の意味を教える。真正面から言うにはなかなかにクサくて恥ずかしい内容なのだがこの研究施設を二人で脱出するためには互いの信頼関係が必要だ。それに長年ここにいる相手がいる事でよりこの施設を突破しやすくなるはずだ。握手する手を離さないまま「決行はお前の記憶を消すために俺がお前を連れ出す時だ。それなら一緒に歩いてても怪しまれねぇ」と改めて作戦を伝えて)


7160: 検索 [×]
2024-11-17 00:51:16

信頼…、ここからの脱出を決めた以上僕達は一蓮托生のようなものだ。目的が果たせるよう君に協力しよう。…ああ、その時は処置の準備などに人員が割かれて監視が薄くなったはずだ。途中までなら僕の生体認証でロックも開く。
(生まれて初めて自分の意思で自分のやりたいことを決める、可能性は限りなく低いとしても相手と共にここから脱出したいと告げると力強く頷かれて手を握られた。初めて他の誰かにここまで距離を詰められて素肌に触れられ体温を感じるという経験に視線をそちらに向け固まってしまう。直ぐにこの行為の説明がされると初めて聞くワードの数々だったが歩み寄ろうとしてくれているのが分かった。二人でここを抜け出すとするならば成功した時も失敗した時も辿る末路は同じになる。今までの対応や調べた内容からは十分な能力があるとは正直あまり思えないが相手を頼るほかないだろう。こちらからも信頼を示すように手に力を込めて握り返してみながら協力を口にした。その状態のまま作戦が共有されると頷く、記憶の削除にはそれなりの準備が必要なようで今日は研究員の人員が幾らかそちらに回されていると聞いている。自分が普段通り指示に従うと思っているなら監視もそれほどされないだろう。普段から研究所を好きに動いていいと幾つか生体認証での権限がある為気付かれるまではそれで移動が出来る。問題はそれ以降ではあって「そこから出るのに何か策はあるのかい」と問いかけた所で扉の先の方から見回りの人物であろう者の足音が聞こえてきて咄嗟に手を離して)

7161: 探偵 [×]
2024-11-17 09:45:41


ならもうちょっと俺の作戦もやりやすくなりそうだな。いいか、脱出ルートは、……別にただ世間話してただけだ
(こちらから手を強く握ると相手は最初こそ戸惑った様子だったがやがてその手は握り返されて口角があがる。一蓮托生という言葉に強く頷く、相手がここから出るのだと決断したならばここからは二人が辿る運命は同じになるのだから。作戦時間を告げれば警備が手薄になることと相手の生体認証が使えることを告げられますます口角はあがる。ひとりで脱出ルートを考えていた時はある程度力技を使う予定だったが相手という味方を得た今ならばもう少しことを穏便に進められるかもしれない。研究施設から出て更には海を渡ることを考えると長い道のりではあるのだがより一層希望は見えてきた。こちらの作戦を問われてそのまま伝えようとするものの外に人の気配を感じて手が離れる。そのまま通り過ぎてくれれば良かったのだが見回りの人間はあろうことかこの部屋に入ってきた。こちらが上着を脱いでいることに怪訝な目を向けると『何をしている…話し声が聞こえたぞ』と静かにこちらを睨みつけてくる。相変わらず嫌な目線にこちらも睨み返しながら当たり障りない返事をするがそれが気に食わなかったのか男は持っていたファイルの角を晒されたままになっていた肩の傷へと突き刺してきた。思わず呻き声をあげるも男は冷たい視線のまま『メモリ開発の邪魔をするな。お前は監視だけしてればいい。お前のせいで記憶リセットの期間が短くなったんだぞ』と忌々しげに口にしていて)


7162: 検索 [×]
2024-11-17 10:51:18

…この男はJOKERメモリの被検体なのだろう? 昨日の結果が気になったから直接検証していた。
(お互いの意思が揃えば計画が詰められていく。この研究所こことは多少なりともこちらの方が知識や権限があるがそこかは外に出た空間は全くの未知の世界だ。その脱出経路を事前に確認しようと問いかけ、相手が答えようとした所で見回りの人間の足音が聞こえてきてそのまま扉が開いた。普段自分はメモリの開発に熱中してそれをただ後ろで監視するという状況が多いが今は向かい合って話していて相手は上着を脱いでいる。その状況に疑いを込めた視線が相手に向けられ、誤魔化すような言葉を返せばファイルの角でその肩を突き刺す。実験体に言うことを聞かせる為のこの研究所で良く見掛ける行為であるのに相手が痛みに呻き声をあげればズキっと何処かに痛みが生じた。見回りの口振りからするに今回の処置はあの夜の出来事による影響をリセットする目的もあるのだろう。言われるままの時には抱かなかった胸のざわめきのような物を感じながら開いたままのメモリの実験データを見せながら淡々とした口調で見回りに最もらしい説明をする。これもメモリ開発の一環であったと告げれば少し疑いは緩むが変わらず相手に冷たい視線を送ったままで『…なら良いが、処置の送迎までお前には別の仕事が出来た。こっちに来い』と言うとその腕を掴み何処かに連れていこうとして)


7163: 探偵 [×]
2024-11-17 11:50:01


な、おい待て俺は聞いてねぇぞ!
(まだ癒えきっていない傷にファイルの角が刺されば強く鈍い痛みが体全体を襲って呻き声をあげながら顔を顰める。相手がわざといつもの調子で受け答えをすれば疑いは晴れたのかファイルは外されるが未だ痛みで脳が揺れていた。男は淡々とした口調でこちらに別の仕事が出来たと言って腕を掴む、今から相手と作戦を共有しさらに練度を高めるつもりだったのにそれはマズイ。それに男が持つファイルがチラリと視界に入れば息を飲んだ。そこに並んでいたのは『追加実験』の文字、男は数いる研究員の中でも『負荷』をかけるのが大好物の人間だ。ファイルの紙面上にずらりと並んだ実験項目を今からこなせばきっと終わる頃にはまともに歩けなくなる、相手の監視が終わり実験が始まる前のタイミングを脱出開始の時間に選んでいたのも一番体が回復しているからといる理由だったがこれでは作戦の成功は遠のいてしまう。今夜相手の記憶がリセットされるのを考えれば絶対にこの男についていくことはできない、反論するも男は『実験体が歯向かうな』とこちらへファイルを振りかざした。その瞬間に覚悟が決まる、全てを実行するには今しかない。振り下ろさらたファイルを弾いてその腕で拳を顎に叩き込むと男がフラりと体勢を崩す、そのまま口を押さえて後ろに回ると男の首を絞めあげて)


7164: 検索 [×]
2024-11-17 12:35:57

…っ、左.翔.太.郎、こっちだ!
(単なる見回りだと思ったが相手に用があったらしくその腕を掴んで強引に引っ張っていこうとする。見回りの男の持つファイルはメモリ開発に関する資料だったはずで先日の結果を受けて更なる実験を課そうとしているのが分かった。昨日の実験の傷も癒えておらずに立て続けに負荷をかければどうなるかなど火を見るより明らかだ。どうにか阻止しなければと思うがその前に相手が抗議を口にし、それに対して再びファイルが振りかざされる。目の前で行なわれるこの研究所の実態に思わず固まってしまっていると相手はファイルを弾いて拳を叩き込んで締め上げる。慣れたような動きに圧倒されるが見回りの男がジタバタと抵抗しながら懐を探って通信機器のようなものを触ろうとしているのを見れば咄嗟にその手に掴みかかって奪い取る。自分の行動に信じられない物を見るような顔でこちらを見ながら男は首を締められ意識を失った。これで相手が連れて行かれることは無くなったが相手とこの男が追加実験の実験場に現れなければ直ぐに異変に気付かれるだろう。多くの警備の人物がここになだれ込んでくるのも時間の問題だ。ならば今のうちに出来るだけ遠くに逃げるしかない。自らの決断が決まれば名前を呼びながら相手の腕を掴んで男が来た反対側、自分の自室のある方の廊下へ手で生体認証を解除してから走り出す。そこから曲がって上位の研究員しか入ることの出来ない研究棟に生体認証でパスして入ると薄暗い廊下を二人で駆け抜ける。作戦を共有する暇も無いままひたすら距離を稼ごうとしながら「何処に向かえば良いんだい」と問いかけて)

7165: 探偵 [×]
2024-11-17 13:13:00


っ、ナイスだフィリップ!___俺達が目指すのはダストエリアだ。ゴミは一箇所に集められて定期的にこの島の外に出てる。今日は回収船が来る日だ、それに紛れて脱出すんぞ
(夜の時間まで待てなくなってしまった今、脱出はこの瞬間から始めるしかない。男を締め上げ意識を落とそうとするが男は抵抗しながら通信機器を取り出して冷や汗が額を伝う。しかし相手が素早く通信機器を取り上げて形勢は逆転した、思わず相手を誉めながら男の意識を奪う。こうなってはもう止められないが相手も覚悟は決まったようでそのまま名前を呼ばれて腕を掴まれると部屋の外へと走り出した。いずれあの部屋から運.命,の.子.と監視役の実験体がいなくなり研究員が倒れているのが見つかる、もうここを脱出するまで一時も止まってはいられないだろう。誰もいない研究棟を走りながら行き先を聞かれれば改めて脱出ルートを説明する、といっても理屈は簡単だ。この島から出ているのは何も人だけではない、ゴミの処理はこの小さな島では賄いきれないらしく一箇所にゴミを集め定期的に島の外へと運び出しているようだ。実験の合間にゴミを専用のルートで運んでいく職員をみかけたことがある、もうすぐ回収の日だなんだと話しているのが聞こえ回収船が来る日を割り出したというわけだ。ロックされた研究室の窓越しに物品搬入用のエレベーターを見つけると「フィリップ、この部屋入れるか?あそこから抜け出そうぜ」と声をかけ)


7166: 検索 [×]
2024-11-17 14:05:14

…なるほど。メモリと違ってゴミならその建物を出る時の検査は無い、悪くない策だ。…ああ、
(移動しながら脱出経路に着いて聞けば予想もしない答えが帰ってくる。だがその理由を聞けば納得のいくものでこの騒動の中で逃げるならば一番可能性のある手だ。被検体の立場でそこまで調べられていたことに驚きと関心を抱きつつ素直に頷くと目的地を頭の中に定めた。といっても研究エリア以外は立ち寄った事がなくダストエリアは未知の場所だ。そうして研究棟を移動していれば相手が物品搬入用のエレベーターの存在を見つけて足を止める。ものを運ぶ用途の物なら搬入搬出のルートに繋がるはずだ。そこに行くための研究室のロックの解除を頼まれると施錠部分に近付く。自分の生体認証では突破出来ないタイプのものだったがこのタイプのセキュリティは裏コードで解けるはずだ。目を瞑り意識を集中させて地.球.の.本.棚を開くと設置した型番や情報からこの施錠のセキュリティコードを探る。条件が分かれば絞り込むのは簡単で直ぐにコードが出てくれば液晶にそれを打ち込み、電子音とともに解錠された。早速中に入りエレベーターのボタンを押して自分のたちの階まで呼び出す。だがそのタイミングで無人だった研究棟の警告灯が急に光り『最重要監視対象とB級実験体一人の逃亡を確認、全職員は最優先事項として彼らの身柄を押さえよ』と事態に気付いた研究員による警報がスピーカーから流れた。もう事態に気付かれた焦りが募る中エレベーターが着けば開いたその中に相手の手を引いたまま飛び乗って)

7167: 探偵 [×]
2024-11-17 21:37:07


そこは良い作戦だって言えよ。……お前、今どうやって…っ、…
(相手に研究室のロック解除を頼む、当然掌をかざしてあっさり突破できるものかと思ったがそうでもないらしい。どうするのかと声をかける前に相手はその場で目を瞑って動かなくなってしまった。一刻を争うこの時に何をやっているのかと焦って話しかけようとするがまたも声をかける前に相手の目が開く。そして迷いなくコードを打ち込むとあっさりと扉は開いて呆気にとられてポカンと口を開けた。まるでエスパーな手法に戸惑いつつ中へと移動していれば警告音が鳴り響いて緊急事態を知らせるアナウンスが鳴り響く、「もうバレたのかよ」と悪態をつくがあの研究員を締め上げた時からもう止まれやしない運命なのだ。ここからは悪魔の選択を選ばないように決断をし続けるしかない。エレベーターの扉が開くとその中に飛び込んで軽く息を整える、搬入搬出路に出られるのはいいがここからダストエリアへの道は分からない。もう逃げ出した事がバレているのなら迅速に、かつ見つからないように移動しなければならないだろう。先程相手が分からないはずのコードを導き出したのを思い出せば「なぁ、このエレベーターからダストエリアの道って分からねぇのか?さっきみたいにこう、目瞑って」と聞いてみて)


7168: 検索 [×]
2024-11-17 22:37:08

僕が出来るのはこの地球に関しての知識を絞り込んで探す事とその内容を見ることだ。さっきのはその施設に使われているセキュリティの種類と割り当てられた識別子から情報を絞り込めたけど、この研究所の名前や住所などが分からなければ地図の知識を得るのは不可能だ。
(気絶した研究員を見つけたのかそれとも今の正規ではない解錠を検知したのかは分からないが施設内に警告音が響き始める。指示通りに彼らは全力を上げて自分達を捕まえに来るだろう。二人でエレベーターに飛び込むと自動で一階が選択されて動き始めた。天井で作動している監視カメラをちらりと見ながら息を整えていると相手から何とも曖昧な言い方で尋ねられ、視線を向ける。何やら先程の手法を勘違いされているようであれば自分が普段知識をすくい上げる為の方法を説明する、提示された条件を元に無数の本棚から一つを絞り込むのは出来るが逆を返せばその情報が確かで無ければ何も出来ない。ハッキリと不可能だと言葉を返すが唇で指先で触りながら考えると「…君は何かこの施設について知っているかい?」と問いかけ)

7169: 探偵 [×]
2024-11-18 07:53:24


情報を絞り込んで探す、検索みたいなもんか。…住所なら絞りこめるかもしれねぇ。俺が今から言う条件に当てはまるとこをその地球の知識ってやつから絞り込んでくれ
(相手の視線が一瞬上を向いてつられてそちらを見ると監視カメラがみえる、こちらの動きは向こうに筒抜けと言ったところか。となればより迅速に動かなければならないが正確なルートが分からなければ袋小路に追い詰められる可能性もある。先程目を瞑っただけで暗証番号を解いてみせた相手ならば何らかの力でどうにか出来るかもしれないと聞いてみたがそうも簡単な方法ではないらしい。地球の知識とはまた膨大な量で普段ならば疑わしい所だが一蓮托生だと言っているこの状況で相手が嘘を言っているようには思えない。相手の言い様から先程の行為は検索を行い結果を導き出したのだと解釈する、となればこの場所だって同じく検索すれば住所が分かって地図が得られるかもしれない。自信を顔に宿すと相手に検索を頼む、風.都にある港を基準に船に乗っていた時間とスピードと方角から考え海上の範囲を絞り込み島の凡その大きさを伝えると「ただし建物はカモフラージュされてて外からは見えてねぇ。だから条件には無人島を追加してくれ」と検索のキーワードを伝え終わると結果が出るのを待って)


7170: 検索 [×]
2024-11-18 10:38:40

…分かった、やってみよう。 …無人島、…条件が当てはまる島が3つ、その内現在公に人の出入りのないはずの島は…これか。……閲覧を完了した。建設当初の構造だけど場所の配置は把握した。
(自分が地.球.の本.棚から知識を得る仕組みを説明すれば相手はおおよそを理解したようだ。メモリを作る際は詳細にその情報を指定されていたためすくい上げるのは簡単だったがその条件が分かっていなければ難しい。だが外部から侵入した相手ならば一発で分かるような的確なワードでなくても何か知っているのではないかと問いかける。するとその表情は自信に満ちたものに変わり、言われるままに目を閉じて地球に接続した。外から相手の声によって条件が与えられていく。特定の港から行くことの出来る海上の範囲とその大きさ、そして無人島であることを唱えれば目の前の本棚は次々に減っていき3冊の本が残る。そこから無人島の中でも公に人の出入りや利用がされていない場所を絞り込めば1冊となった。その本を取り出し必要なページを開いて脳内に情報を入れると意識を浮上させ目を開く。得られた情報は増設前の一番初めの建物の内装地図だがゴミ捨てなどの位置はその頃から大きくは変わらないはずだ。相手の方を向いて淡々とその結果を告げたタイミングでエレベーターが目的階に着く。そこから降りてずらりと並ぶ扉の一つに入ると「あそこから真っすぐ行くことも出来るようだけどこっちの配管整備の道の方が監視カメラに映らないはずだ」と言いながら一旦階段を降りて配管の通る道を進んでいき)

7171: 探偵 [×]
2024-11-18 12:30:35


よし!建物の下層ならそうそう構造は変わらねぇはずだ。これでルートはバッチリだな……なら、コソコソ進むか
(こちらが地球の知識を使った検索を頼むと相手は集中するように目を閉じる、目を閉じるのは検索する時の癖のようなものなのかもしれない。この島の場所を特定するような情報を相手に伝えていく、固唾を飲んで見守る間相手は特に動くことは無かったが該当の島は3つに絞られ更に検索条件が追加されればやがて相手の目が開いた。そして地図情報が手に入ったと聞けば思わず拳を握ってガッツポーズをする、これで迷わずダストエリアまでたどり着けるだろう。最短ルートを通るべきかと思ったが相手は階段を降りた配管設備の道を選択して頷き後を進む、薄暗い道だが一旦は監視の目から逃れられそうだ。暫く進んでいくとそこが見覚えのある風景であるのに気がつく、ここはあの夜におやっさんと侵入してきた時にも通ったルートだ。奇しくも同じ道を通っていることに脳裏にはおやっさんの顔が浮かぶ、直後自分達が通る上の通路から誰かの足音が聞こえてきた。通路の下に人影があれば気づかれるかもしれない、咄嗟に相手の腕を掴んで配管の影へと二人して身を寄せると相手に覆い被さるようにして息を殺した。少しでも動けば何者かがいるのがバレてしまう、相手に向かい「動くな」と小さな声で囁く。しかしそれはあの夜におやっさんに自分が命じられた事で、自分が背いた命令で、そのせいでおやっさんは死んでしまった。通路の上で追手が声をあげながら走っていく、しかしそれも遠くの出来事のように聞こえておやっさんとのやり取りがフラッシュバックすれば目を伏せその場で意識をあの夜へと飛ばしてしまっていて)


7172: 検索 [×]
2024-11-18 16:19:35

…、 ……左,翔.太.郎、…左,翔.太.郎!
(完璧な地図とは言えないがそう大きく基礎的な設備は変わらないはずだ。頭に入れた地図に従って一般的な廊下ではない配管設備の道を選んで密かに移動することにする。薄暗い道を進んでいると上の方から足音と誰かの声が聞こえた。その瞬間に腕を掴まれ配管の影に隠れるような形で身を潜める。上から覆い被られると視界は狭くなって目の前の相手しか見えなくなる。そのまま小さな声で言いつけられると素直に頷いて静止を保つ。二人で息を殺しながら様子を伺っていればすぐ下にターゲットがいることに気付かなかったようでこの辺に居るはずだと指示が飛んで走り去っていく足音が聞こえた。どうやら上手く潜めたようだがすぐそこに追手がいるのには変わりない。今のうちに移動しようとするも覆いかぶさった相手は何故か動こうとしなくて小さな声で名前を呼ぶ。だが一切反応が無く先ほどまで自信が見られた目は伏せられ、心なしか血の気の失せたような顔で固まっているのを見れば強く名前を呼びながら顔を手で挟んで強引にこちらを向かせる。そのままじっと相手を見つめると「この状況で考え事とは随分と余裕だね」と思ったままの少し棘のある言い方をしながら様子を伺って)

7173: 探偵 [×]
2024-11-18 17:45:28


…っ、……次のルート考える分にはいいだろ
(頭の中であの夜の出来事が早回しのフィルムのように何度も駆け巡る、おやっさんに言われた言葉が頭に響いて最後におやっさんが目の前で倒れていく。夢で繰り返しみた光景が頭から離れなくて今が現実なのか夢の中なのか、あの夜なのかもう終わったことなのか、判断がつかなくなってたるで水の中に溺れていくように上手く息が出来なくなる。視点が合わず顔を白くさせていたが何かが頬に触れて無理やり顔の向きを変えさせられるとようやく意識を手元に取り戻した。思い出したように息を吸い込んで浅く短い呼吸を繰り返す、ようやく目は焦点があって相手の顔を呆然と見つめた。少々棘のある言い方ながらも考え事をしていたのだと言われるとようやく自分の現実へと戻ってくる、だが素直に自分の非を認められなくて無理やり手を振りほどくように顔を背けると体を離した。地図情報を把握しているのは相手でルートを考えるも何もないのだが良い言葉は思い浮かばなくて言い訳になっていない言い訳を口にする。改めて周囲の気配を探れば近くに敵はいないようで「いくぞ」とぶっきらぼうに声をかけると薄暗い道を勝手に進み始めて)


7174: 検索 [×]
2024-11-18 19:20:45

……、ああ。
(反応がない事に違和感を覚えてその顔を挟んでこちらを向かせる。何処か遠くを見ていたような目はやっと焦点を結び視線が交わる。繰り返される浅く短い呼吸に何かしら異常が起きているのは分かるがそれを推測出来る材料は持ち合わせていない。相手を見つめたままいつもの口調で声を掛けると反発するように顔を背けられ体も離れていく。こちらに地図の検索を頼むならばルートを知らないはずで理解不能の言い訳に首を傾げるがひとまず動けるようなら進行に支障はない。先走って進み始めた相手に短く返答すれば大人しく後ろについて行った。暫く薄暗い道で二人の足音だけが響く中で進んでいくと行き止まりに辿り着いた。ここからはまた普通の廊下に出る必要があり、誰かに見つかるリスクは更に上がる。「さっきの様子を見る限りこの辺を巡回しているはずだ。上に上がったら一気に駆け抜けるよ」と相手に告げると音を立てないように階段を上がって外の廊下の様子を窺って)


7175: 探偵 [×]
2024-11-18 20:06:20


…分かった。ちょっとは時間稼ぎしとくか
(もう何度も繰り返しみる記憶にいい加減慣れなければならないのに未だに体は動けなくなってしまう。だがそんな弱みを相手に見せるわけにもいかない、自分は今おやっさんの代わりとして相手を外に連れ出すという依頼を遂行する頼りになる人間でなければならないのだから。こちらの異変に気づかれないうちに歩き出せば背後から相手がついてくる足音が聞こえる、やがて行き止まりへとたどり着くと目の前にあるのは上にあがる階段だけとなった。ここからはまた監視カメラがあるルート、つまり時間との勝負になるはずだ。相手も同じ考えのようで一気に走り抜けるよう言われると頷く、だがここらに敵が集まっているなら多少敵をどこかへ引き付けておきたい。壁に整備用の工具箱が設置されているのを見れば相手が階段をあがるうちに中から手頃なレンチを取り出す、相手に向かって「こいつを投げたら走れ」と声をかければ自分達が歩いてきた通路に向かって力の限り遠くへレンチを投げつけた。相手に目で合図を出し走り出す、宙を舞ったレンチは遙か後方で配管にでも当たったのか派手な音が鳴った。数人の足音が聞こえて後方に集まっていくのを聴きニヒルに笑えば相手に先導を任せて走り「次どっちだフィリップ?!」と声をかけ)


7176: 検索 [×]
2024-11-18 22:01:13

…、こっちだ! …ッ、この前のド.ー.パ.ン.ト…!
(ここまでは裏の道を通ってこれたがここからは監視カメラのあるエリアを進まなくてはならない。どうにか追いつかれる前に逃げ切るためにも一気に走り抜けることを提案すれば相手は頷くが階段を登っている間近くにあった工具箱を漁る。そこから工具であろう物を取り出して指示を受けると素直に頷いた。相手が工具を遠くに投げ、目の合図を受けて走り出す。遠くの方で派手な音が響くとそちらの方に人が集まる足音が幾つか聞こえた。安直な発想だが効果はありそうだと感心しながら頭に入れた地図通りに角を曲がって最短距離で進んでいく。研究室のエリアを抜けるとひらけたエントランスのような場所に出てくる。今までと違う雰囲気に気を取られていると突如足元に光弾が飛んできてその衝撃に軽く吹き飛んでしまう。床を転がって咄嗟にその光弾の発射元に顔を向ければあの夜見たド.ー.パ.ン.トが宙に浮かびその下には警備兵が待ち構えていた。どうやら待ち伏せされていたようだ。脱出経路が割れていれば当然の出方ではあるが『お散歩の時間は終わりよ』と何処か上機嫌に語るド.ー.パ.ン.トが手をかざすと警備兵がこちらに向かって銃を構える。更にド.ー.パ.ン.トが光弾を手のひらで生み出し、こちらに放とうとするのが見える。何とか体は起こすが避けきるには時間が足りなくて来たる衝撃に体を縮こませて目を瞑るしか出来ず)

7177: 探偵 [×]
2024-11-19 07:55:23


っ!!野郎…!…、フィリップ!!
(ダストエリアはゴミを船に乗せることも考えれば建物の端にあるはず、相手の支持に従い駆け抜けていけばやがてたどり着けるはずだ。やがて広いエントランスに出てくる、目立つ場所は早く走り抜けようとしたがその前に光弾が飛んできて軽く体が飛ばされた。咄嗟に受身を取って体勢を立て直せばまるであの夜と同じようにあのド.ー.パ.ン,トと銃を構えた警備兵が見えて一気に怒りが沸き起こる。余裕のある物言いに更に怒りを募らせていたがこちらが動く前にド.ー,パ.ン.トは再びこちらへ光を放とうとする。その時になってようやく相手が体勢を崩していることに気がつけば咄嗟に走り出してその体を抱えると無理やりその場から動かしなんとか光弾を回避した。光弾は次々とこちらへ打ち込まれて相手の体を抱えたまま先程の通路へと駆け込み攻撃をしのぐ。しかしこのままではダストエリアに到達できない、苦々しく思っているとド.ー.パ,ン.ト,は『あの子は痛めつける程度に、実験体の方は殺しなさい』と命令が下って警備兵がこちらへ近づいてくる。ここでも実験体呼ばわりにまた怒りを覚えていると自分たちが走ってきた方からひとりの研究員が警備兵を1人だけ連れてやってきて息が詰まる。息も絶え絶えに『やっと見つけたぞ実験体!』と叫ばれ退路さえ絶たれてしまった。しかし研究員の手には小さなジュラルミンケースがある、外からは分からないのに何かに呼ばれているような気がしてその中身を察すれば小さく笑った。相手から離れ研究員と警備兵に近づくと「いいもん持ってんじゃねぇか」と声を掛ける。その意図が分からず研究員はポカンと口をあけるがその隙にケースを奪い取ってそれを振り回し警備兵のこめかみに当てて意識を奪うと最後に手刀で研究員の意識も奪う。化け物に対抗するにはこちらも化け物になるのが手っ取り早い、おやっさんと同じように。ケースを開けて中身を取り出す、確か研究員はこれをガ.イ.ア.ド.ラ.イ.バ.ーとよんでいた。ドライバーを腰に付けてメモリを構える、そこで相手の方へ目線を向けると「フィリップ、俺は依頼人であるお前を必ず守る」と宣言すればメモリを起動させた。禍々しい声で『JOKER』のボイスが鳴り響きメモリをドライバーに挿入する、すると体は黒いモヤに包まれて次の瞬間には黒い道化師のような化け物が姿を現した。「いくぜ!」と強く叫ぶと通路から飛び出しこちらに迫る警備兵へと向かっていって)


7178: 検索 [×]
2024-11-19 11:29:49

っ、一旦引いた方が…左.翔.太.郎? っ、あれはジ.ョ.ー.カ,ー,ド.ー.パ.ン.ト…!
(初めて間近に迫った死への恐怖に体は動かなくて目を瞑った。だが思っていた衝撃が来る前に体は浮いて相手に抱えられる形で運ばれていく。光弾が次々打ち込まれるのを何とか避け先程の廊下の壁に身を隠すことは出来たが彼らが迫って来ている事には変わりない。強行突破出来ないならば一度退くべきかと考えるが直後背後に別の研究員と警備兵がやってきて挟み撃ちにされる。焦りが募る中何故か相手は小さく笑って無防備のまま研究員の方に近づいて行く。思わず様子を伺うように名前を呼ぶが相手は流れるように研究員の持っていた箱を奪い取って二人の意識を沈める。その手際にも圧倒されたが箱の中からガ.イ.ア.ド.ラ.イ.バ.ーとメモリを取りだしたのを見れば目を見開く。あれは確か上位の研究員か幹部と呼ばれるこの研究所の上位組織の人物がもっている物だったはず、最近実験に使うようになったと聞いていたが実物を見るのは初めてだ。相手はドライバーを腰に巻いて覚悟を決めたような顔でメモリを構える。堂々と自分を守ると宣言する様は何処かあの男に重なるものがあってその横顔に目を奪われる。メモリを起動させドライバーに差し込まれると相手の体は黒いモヤに包まれて道化師を象ったド.ー.パ.ン.トへ変化する。今までJOKERメモリは一部変化した物はいたがド.ー.パ.ン.ト態になった者は誰もいない。初めて見るその姿に動けないでいたがそれも向こうも同じようで『なんで実験体がガ.イ.ア.ド.ラ.イ.バ.ーを使えているの』と困惑の声が聞こえる。壁を飛び出した相手が警備兵を攻撃する姿に圧倒されていたが相手が怪物になろうともこの状況は数でこちらが不利であることには変わらない。周囲を見渡せばこの辺りのセキュリティを司る装置を見つけて念のため警備兵の持っていた銃を手にしてから相手が彼らの気を引いている内にこっそりとそちらに近づいた。侵入者対策用に幾つか機能があるようでそのロック方法を推察すれば再び地.球.の.本.棚に潜ってその方法を探る。得た情報でハッキングに近い事を行い何とか一時的に権限を得ると防衛システムを発動させれば警告音が鳴り、エントランスと奥の廊下を遮る頑固なシャッターが下り始める。まだ戦闘中の相手に「左.翔.太.郎、はやくこっちだ!」と叫ぶと一足先にシャッターの奥の廊下に入り、銃で警備兵の足を正確に狙い撃ちながら相手が来るのを待って)

7179: 探偵 [×]
2024-11-19 12:38:34


あいつらは俺を『長持ち』させるためだって言ってたが、どうやらあんたには秘密にしてたみたいだな
(一瞬視界が暗転して視界が晴れると全身に力が漲るのが分かる、感情の昂りで自身の能力が上下することは何となく分かっていてだからこそ負荷をかける実験ばかり受けていたが今はあのド.ー.パ.ン,トに対する怒りで体はいつも以上に素早く力強く動く。警備兵など相手ではなく銃弾を避け時に手で払いながら近づけば拳を奮って次々に意識を奪っていく。困惑の声をあげる怪人には同じく怪人の顔の下でニヒルに笑い煽るように答えてやる、あの時研究員がドライバーを持ち歩いていたのもドライバー使用の申請や承認がされていないせいで不用意に何処かへ置いておくことも出来なかったせいだろう。いつも痛めつけられている研究員が思わぬ追い風となって警備兵を沈めていくが多勢に無勢というものでなかなか勢力を削ぐことが出来ない。宙に浮かぶド,ー,パ,ン,トは『実験体のくせに生意気な!』と叫んで再びこちらに光弾を飛ばしてくる、それを順に避けるが次々に降り注ぐ攻撃を避けきれずに肩に一発貰ってしまうと苦痛の声をあげる、警備兵には十分な力を発揮するがあのド.ー.パ.ン.トには届かないのか『プロトタイプですらないドライバーで私に勝てるはずないでしょ?』とまた余裕の声が降ってくる。このままでは追い詰められるのも時間の問題だ、奥歯を噛み締めていると突然警告音が鳴り響いて場が騒然とする。直後相手の呼ぶ声が聞こえて反射的に走り出した。下がっていくシャッターに向けて全力で走る、警備兵は相手が牽制してくれているが背後から光弾が追いかけてくる。シャッターが閉まるギリギリのタイミングで体を中へと滑り込ませるが無数に降り注いでいた光弾が再び腰へと当たってしまって、シャッターが閉まった直後に地面へと煙をあげながら転がって変身が解除されてしまう。メモリは無傷で排出されるがドライバーからは煙が上がっていてもう使えそうになく「くそ、」と悪態をつきながら無理やり上体を起こして相手と目を合わせる。どう声をかけるべきか暫く迷ったあと「……助かった」とぶっきらぼうに言って)


7180: 検索 [×]
2024-11-19 15:03:12

…短期間に過度な負荷がかかったからドライバーが耐えきれなかったようだ。…? さっき君が僕を助けたように僕もここで君が殺されては困る。二人で一緒に脱出するのだろう?
(この緊急事態に感情が昂っているのかかなり好調に動けているようだがそれでも数の利と空中浮遊しているド.ー.パ.ン.トの攻撃に押されている。防衛システムを起動させ退避を叫べば相手はこちらへ走り出す。相手を逃がすまいと追いかけてくる警備兵は銃で牽制するがギリギリで滑り込んだ身体に追尾してきた光弾が当たって転がりながら変身が解除される。シャッターが完全に閉まってひとまず遮る物が出来れば相手の側にしゃがみこんで様子を伺う。見たところ致命的な傷はない、何時の日か調べたドライバーの機能を思い出せば本体が致命的なダメージを食らう前にドライバーが衝撃を肩代わりして破壊されたのだろう。もう一度使う事は出来ないが窮地を凌ぐことはできた。相手が上体を起こしてこちらを見るがまたしても動かなくなってしまう、だが今回のは迷っているような仕草で僅かに首を傾げているとぶっきらぼうに言葉を告げられて目を瞬かせる。協力すると約束したのだからそれぞれの危機の回避を手伝うのはごく自然なことだ、相手を失ってしまえばここから脱出できる確率は一気にゼロに近づくのだから。利害関係のように淡々と答えるが先ほどの動きは確かに二人で無ければ切り抜けられないようなものだった。ふと脳内にあの男が相手のことを自分にない物を持っている人物だと言っていたことを思い出す。その時はピンとこなかったが今ならば少しだけ分かる気がする。先にこちらが立ち上がると先ほど信頼の証として行った握手でもするように相手に手を差し出してじっと相手を見ながら言葉を掛けて)

7181: 探偵 [×]
2024-11-19 18:37:32


ったく、お前はそういう奴だった……こういうのもできんじゃねぇか。あぁ、絶対に風.都.に帰るぞ
(なんとかシャッターが閉まるのには間に合ったものの最後の一撃で地面を転がってしまって鈍い痛みに顔を顰める、しかしあれだけ派手に攻撃を食らった割には痛みは少ない。その理由を相手が淡々と述べるのを聞きながら体を起こした。真正面から礼を言えるガラではなくて一言ぼそりと呟いたが相手からは相変わらず淡々と機械的な返事が返ってきて思わずガクリと顔を俯ける、相手が一般常識すら知らない感情の薄い人間だということを忘れていた。気を取り直して顔をあげる、すると目の前には相手の手が差し出されていて思わず相手の顔を見上げる。相変わらず感情は読めないが先程握手の意味は教えたばかりだ。無意識に口角があがる、相手とまともに話したのは今日が初めてなのに二人であればこの島を抜け出せるはずだと自信が湧いてきた。相手の手を取り立ち上がる、相手がハッキングしたおかげで暫くこの壁が破られることはないだろう。「いくぞ」と声をかけて真っ直ぐに伸びる通路を駆け抜ける、やがて案内板が現れてコンテナが通れるくらいの扉を見つければ「あれだ!」と声をあげて大開の扉を開ける。その瞬間に潮の香りが鼻腔を擽る、海が近い証拠だ。そして目の前に広がるのはゴミが集められたコンテナがずらりと並ぶ光景、ここかゴミを集めて船で運び出すダストエリアで間違いないだろう。奥には船が見えて相手に目で合図を出すと早速乗り込んでしまおうと歩みを進める。しかしその前にコンテナの中に見覚えのあるものを見つけて足を止めた。そこにあったのはあの夜に着ていた服で「俺の服だ!」と思わず声をあげてシャツを手にとった。相手の部屋で上着を脱いでから上半身はずっと何も纏わないままでこの格好で船に乗るのは流石に厳しい。シャツの下にはジャケットもあって手に取り持ち上げる勢いで袖に腕を通したところで体が固まる。ジャケットの下から出てきたのはあの夜、あの瞬間に、おやっさんが被っていた帽子だった。どんなにねだっても被らせて貰えなかったハードボイルド探偵の帽子、それがゴミに紛れていることに酷く胸が傷んで震える手で帽子を拾い上げる。おやっさんの帽子は薄汚れてブリムが一部破れている、主を失い生気さえ失いかけている帽子を見つめるうちに目が離せなくなってまた意識が遠くへと連れていかれるとその場から動かなくなってしまって)


7182: 検索 [×]
2024-11-19 19:50:09

…左,翔.太.郎、……左,翔.太.郎!
(相手に手を差し出して待てばその顔がこちらを見上げる。こういうの、が何かは分からないがこの口角に笑みが浮かんでこちらの手を取って立ち上がる相手を見れば何処と無く満足のいくような不思議な感覚がした。並んだ相手に改めて自分たちの目的を告げられると小さく頷いて通路を進んでいった。その先には大きな扉があって二人でその扉を開ける。その瞬間今まで嗅いだことの無い類の未知の匂いがして思わず足を止める。これが外の香りなのだろうか。検証するように深く息を吸い込んでもその原因が分からず辺りをキョロキョロする。辺りにはずらりと中身の入ったコンテナが並んでここからゴミを排出しているようだ。相手の後ろを続いて歩いているとコンテナの一つに近付いてシャツを手に取る。その服は確かにあの夜に見かけた相手のものだ。その服に袖を通す姿を見守っていると突然相手の動きが止まる。視線を追えば見覚えのある帽子、あの男が身に付けていたハットがあって震える手でそれを拾い上げるとまたそれを見つめて遠い目をする。この様子を見る限り配管設備の道の時の妙な態度もあの男のことを思い出していたのだろう。隣から相手の名前を呼んでみるが反応はない。自分達が移動してきた廊下からは未だに警告音がしていて追っ手が来るのも時間の問題だ。目の合わない相手の顔をじっと見つめ変化が無いことを確認すれば目を覚まさせる為に名前を呼びながら思いっきりその頬を手で叩いた。良い音を響かせると「それを被っていた男はあの日死んでいる、目を覚ましたまえ」と冷静にその事実を告げて)

7183: 探偵 [×]
2024-11-19 20:42:50


……ッ、……分かってんだよ…分かってんだよそんなこと!!おやっさんはずっとハードボイルドで誰にも知られずひとりで戦うくらいかっこよくて風.都.の探偵でずっと……俺の、憧れで……それなのに、これだけしか残ってねぇんだぞ!
(事務所の奥で何度見上げたか分からない憧れの帽子、こっそり被ってはまだ早いと怒られ、そろそろ被りたいと言う度にまだ早いと怒られ、羨望の対象でもあった帽子。しかもこれはおやっさんが特別な事件の時にしか被らない白の帽子、それが今薄汚れて形も崩れかけて、まるでおやっさんの、探偵の魂が抜けてしまいそうな姿で手の中に収まっている。頭の中でおやっさんとの会話が鳴り響くのに見える光景はおやっさんが事切れるその瞬間ばかりだった。しかし不意に頬に強い衝撃を受けて周囲の音が聞こえるようになる、いつの間にか止まっていた呼吸は酸素を取り戻すように浅く早い。そして相手の声でこの帽子の持ち主は死んだのだと言われるとまた息を詰まらせた、無理やり息を吐き出しながら奥歯を強く噛むと相手の方にようやく顔を向ける。思考の洪水は止まらなくて浮かんだままを相手にぶつける、囚われた部屋の中でおやっさんは死んだのだとなんとか飲み込んだはずなのに打ち捨てられた帽子を見た途端にあの日言葉を交わす間もなく呆気なく消えてしまった憧れの人に縋り付いてしまう。目線が再び手の中の帽子へと吸い込まれてしまうとたった一つの形見を握りしめて「おやっさんが…消えちまう……」と呟くとその場から動くことさえ躊躇っていて)


7184: 検索 [×]
2024-11-19 21:38:20

……あの男は、鳴.海.荘.吉は僕をここから連れ出そうとして死んだ。あの時意識の中で僕達は話をしていた。もし僕がもっと早く決断をしていれば鳴.海.荘.吉は命を失わずに済んだのかもしれない。…決断しなかった事が罪ならば僕は彼が付けてくれた名前で、自分で決断することでその罪を償いたい。
(頬を思いっきり打って死んだことを突きつければ息を詰まらせ、顔がむく。まるで叫ぶように思いの丈をぶつける相手から一時も目を逸らさずにその言葉を聞いた。勢いのあった声は徐々に萎み、目線が帽子に落ちる。そして小さな呟きが聞こえれば今度はこちらが口を開く。ここは自分が不自由なく過ごす事が出来る場所であの夜まで疑いもなく同じ日々を繰り返していた。だがあの男は初めて自分をメモリを作る為の道具や便利な物ではなく1人の人間として扱い、救おうとしてくれていた。もしもの話など非現実的ではあるが自分が何処かで決断をしていればあの男が撃たれることは無かったかもしれないし、そもそもこの場所に来ることも無かったかもしれない。そう視線を少し伏せてから語り、再び相手の方を見れば真っ直ぐその目を見つめながら自らの罪を口にする。そして自らの意思で贖罪の道を進むと告げれば「あの時、鳴.海.荘.吉はその場から逃げ出すのでもなく多数の銃弾から君を庇うことを選んだ。僕はあの一夜のやり取りしかしていないが君ならば彼がその決断をした意味を理解出来るのではないのかい」と言葉を続けて)

7185: 探偵 [×]
2024-11-19 22:22:45


え、…決断の、意味……俺があの時、おやっさんの言うこと聞いてればおやっさんは死ななかった。俺の罪は、おやっさんの命令に背いて勝手に決断した事だ。その俺を生かしたおやっさんの決断の、意味…
(僅かに残ったおやっさんの痕跡すら消え失せそうな光景に一歩前へ足を踏み出すのすら躊躇してしまう。ハットから目を離せなくなっていたが不意に相手が口を開いておやっさんの名前を出せば自然と顔があがって視線を交える、そして意識下で会話をしていたのだと知れば目を見開いた。先程名前を授けられた話を聞いたがどうやらそれは共有された意識の中で行われていたものだったらしい。おやっさんの話となれば聞き逃すわけには行かなくて静かに相手の言葉を聞く、それは相手が罪を数えその罪を償う覚悟の言葉で意思の宿る決断に瞳が大きく揺れた。相手の決断におやっさんの言葉が蘇る、いつも罪人に問いかける時に使う最高にかっこいい台詞だ。おやっさんの言葉に従い相手は今背中を押されて歩き出そうとしている。そしてその言葉が今度は自分の方へと向いた。自分の罪を数える、もしもあの時勝手な判断で動かなければこの結末にはならずおやっさんは死なずに済んだ。この罪を償い続ける義務がある、その為に必要なのは探偵助手ではないだろう。手の中のハットのホコリを払って形を整える、ゆっくりと深呼吸をすると「俺は、俺の罪を償わなきゃならねぇ。そして、街を泣かせる奴らに罪を数えさせなきゃならねぇ。おやっさんに代わって、探偵として」と決断を下すと自らの頭にハットをのせた。おやっさんが自分を生かした意味、それは自分の罪を数え償う事だ。いつもおやっさんが言っていたように。おやっさんの決断に報いるには探偵助手としてではなく探偵としてこの依頼と、そしてこれからの依頼とを解決していくしかない。目深に被ったハットからは微かにおやっさんの匂いがする、いつも憧れて、しかしコーヒーをいれるのは下手で、最高にかっこいいハードボイルドな探偵。それを受け継ぐということはおやっさんを過去へと置いていく行為でもあって「…俺にはまだ、帽子は早ぇのに…」と呟けばハットの下で一筋だけ涙を流して)


7186: 検索 [×]
2024-11-19 22:58:24


…左.翔.太.郎。 僕は見ての通りここに居たことがすべてで知らないことばかりだ。そして君もまだ未熟なのだろう? ならば僕と君の二人でやっと鳴.海.荘.吉のような一人前になると思わないかい。
(鳴.海.荘.吉の話を始めれば相手の顔が上がって視線が交わる。そして自分の罪の話をすればその瞳が大きく揺れる。相手が囚われているのは喪失感だけでなく自分と同じ、あの時の後悔に近い感情だろう。彼が最後にした選択の意味を問えば言葉が紡がれていく。そしてゆっくりと深呼吸をして決断を決めたような顔つきになると彼が被っていたハットを相手は自ら頭に乗せる。顔付きも雰囲気も違うがその姿に一瞬彼の面影が重なった。ハットを目深に被った状態では目元は見えないが頬に涙が伝ったのを見れば無意識に一歩踏み込んで名前を呼びながら顔を覗き見る。あの日に相手に言われた通り、ここで言われるがままメモリを作っていた自分は悪魔だった。そんな自分が彼の言葉を受け、相手の手を取って抜け出すのを決めた今やっと人間になれたのかもしれない。そんな未熟な状態であるが、相手もまた探偵だと名乗りきれなかった半人前なのだろう。足りないものを持っていると言った彼の言葉が脳裏を過ぎれば心が動くまま相手の頬に手を添え涙を拭う。あのド.ー.パ.ン.トと対峙した時、何を決めた訳でもないのに最適の手段を取れた。ならば二人なら一人前になれるのではないかとその目を見ながら口にして)



7187: 探偵 [×]
2024-11-20 08:21:05


、誰が未熟…っ、……そう、だな…探偵って肩書きもこの帽子も俺が一人で背負うには重すぎる。でもお前と二人なら、俺はハードボイルド探偵として堂々と立ってられそうだ
(もう何度涙を流したのか分からないのにおやっさんのことを思えばまた涙が溢れてくる、それを他人に見せるのはハードボイルドではなくていつかおやっさんが言っていたようにハットでその涙を隠そうとしたが結局は涙をせき止めることは出来なくて頬に一筋落ちてしまった。相手がこちらを覗き込んでくれば赤い目を見られないように目を逸らす、そんな中で未熟者と言われれば反射的に反論しようとするが直ぐにその語調は萎んでいった。言葉を手放している間に頬に手を添えられ涙を拭われると驚きの目で相手の方をみる、機械的な相手がこんな他人に寄り添う行為をするとは思わなかった。そして二人分でやっとおやっさんに届くのだと言われればまた瞳が大きく揺れた。これからは一人でおやっさんの代わりをやって行くのだと言ってやりたいがここまでたどり着くのだって一人ではなし得なかった。自分と同じようにおやっさんに託され背中を押されて歩き始めた相手がいたからもたつく足をなんとか前に進めてここまで来れたのだ。他人の感情なんて分からないと思っていた相手が決断する事を決めて今自分の涙を拭った、ひとりでは背負いきれない鳴.海.探.偵,事,務.所の探偵という職務を相手とならばきっと背負っていける。同じ罪を償う者としても。ゆっくりと頷いて相手と視線を交える、そして二人ならば歩んでいけると返事をした。ずっと頬に手を添えられたままでだんだんと恥ずかしくなってくれば「いつまで子供扱いすんだよ」とその手を軽く払う、しかし顔には笑みが浮かんでいて「ならお前は今日から俺の相棒だな」とこれから同じ道を歩む相手に新たな関係を持ちかけて)


7188: 検索 [×]
2024-11-20 11:25:07


…、だって君、年上には見えないし。あいぼう…、相棒ってなんだい。
(何かに惹かれるように相手の頬に軽く手を添えて涙を拭うと相手の目が驚きの感情を浮かべる。顔を向かい合わせたまま二人で一人前なのだと告げればその瞳が大きく揺れた。ここを出たとて自分が行く場所はない。ならば鳴.海.荘.吉の意思を継いで同じ仕事をするといっのも一つの手だろう。だがその為には足りない部分が多いが、二番目に手を差し伸べてくれた相手とならば罪を償って新たな道を進めるかもしれないと根拠もない気持ちが募る。目線を合わせたまま二人なら、という単語を聞けば無意識に少し口角をあがって軽い笑みを見せた。この場所に停滞するのではなく先に進んでいくことを決断した所で頬に手を添える今の状況に不満があったのか手を払われた。これが子供扱いに該当するかは疑問ではあるが背丈や顔つきから自分より年上だろうと推測できるもののその実感が一切なく素直な感想を口にした。だがその顔に笑みが浮かんで未知のワードが告げられると同じ言葉を拙く繰り返す。初めて聞く相棒というワード、地.球.の.本.棚で調べればすぐに出るのだろうが今欲しい答えはきっとそれじゃないだろう。そう思えば真っすぐと相手を見つめながらその言葉に込められた意味を問いかけて)

7189: 探偵 [×]
2024-11-20 12:37:36


なっ?!どっからどう見ても俺の方が年上だろ!……相棒ってのは同じ目的のために背中を預け合い補い合う、阿吽の呼吸で動けるような最高に信頼できる奴の事だ。そいつといれば一人で出来なかったことも二人分以上にできて何でもできるんじゃねぇかって思えちまう。同じ願いの為に喜びも痛みも分け合う一心同体の相手、それが相棒だ
(いつまでも慰めるよう頬に添えられる手に気恥しさやらで耐えられなくなって手を払うとあろう事か年上に見えないなんて言われて思わずツッこむようにして叫ぶ。相手の正確な年齢は分からないがそれなりに開きのある年齢差のはずだ、それが年上に見えないなんてそれこそ子供だと言われているようなものだろう。まだまだ言い足りない事はあったがその前に相棒の定義を聞かれて目を瞬かせる。そういえば相手には一般常識というものが欠けているのだった。だが改めてその意味を聞かれると考えるように目線が下がる。かつておやっさんにも相棒がいたらしいが最後にはおやっさん自身の手でその相棒は消えてしまって相棒というものを詳しく聞くことはなかった。おやっさんから借り受けた言葉がない以上自分の言葉で相手に伝えるしかない、暫くして目線を上げると自分が思う相棒についてその意味を伝える。話しているうちに熱が篭って途中から願望が乗ってしまって興奮気味に語っていたが、それは相手に望む関係を伝えているのと同義で最後にそれに気がつくと軽く咳払いをする。これではまた年上に見えないと言われてしまいそうだ。無理やり落ち着きを取り戻すと「まぁ、探偵に相棒ってのは付き物だしな」と先程の興奮を誤魔化すように言って)


7190: 検索 [×]
2024-11-20 13:42:10

……なるほど、一番信頼のおける一心同体の人物…悪くないね。ならば今日から僕は君の相棒であり、君も僕も相棒だ!
(年上には見えないと口にすればすぐにツッコミが入る。こういった所は全く彼には似ていないがコロコロと表情を変える様は見ていてとても賑やかだ。そんな中相手が口にした相棒という言葉の意味を聞けば目を瞬かせる。自分から言い出したことにも関わらず目線が下がると僅かに首を傾げるが大人しく相手の行動を待つ。再び目線が上がってこちらを向くと相棒について説明がされる。背中を預けてお互いを補って行動出来るような信頼できる人物、その説明は今まで誰かと人間関係を結んでこなかった自分には新鮮でとても輝いているものに見えて瞳にきらきらとした光が灯っていく。それは相手も同じようで口調に熱が籠って興奮気味に相棒という存在について語る。相手がその相棒という関係をこちらに望んでくれているのだと分かれば今までの説明を自分の中でかみ砕くように呟いてその口端をにやりと吊り上げる。相手の誤魔化しの態度など聞いてもないように一歩踏み込むと今日一番の無邪気な笑顔でお互いがお互いの相棒であると告げた。そんな会話をしていれば突如ダストエリア内の機械が作動してコンテナが動き出す。これらを積み込んだら恐らくすぐにでも出航するのだろう。「急ぐよ、左.翔.太.郎」と声を掛けるとコンテナが運び込まれていく船の方へ近づいていき)


7191: 探偵 [×]
2024-11-20 15:19:43


っ、…あぁ。お前は俺の相棒だ、フィリップ
(相棒の定義を説明するうちにその言葉には熱が乗ってしまう、おやっさんの相棒については漠然としか知らず余計に憧れが膨らんでしまっていたせいかもしれない。熱弁する間に相手がこちらと同じくらいに目を輝かせていたことには気が付かなくて、こちらは無理やり冷静になったが相手は興奮冷めやらないようでこちらへさらに一歩近づいてきて目を見開く。その瞬間に視界いっぱいに広がっていたのは相手が好奇心を瞳いっぱいに輝かせ無邪気に笑う姿でその輝きに目を奪われてしまった。相手の部屋で数字の羅列に興奮していた姿とはまるで違う未知を前に興奮を隠さず笑う姿に相手が隣にいれば、相手が相棒ならば、どこまでも道を進めるような根拠の無い自信が胸に溢れた。相手の笑みに釣られるようにこちらもニヒルに笑って頷く、目深に被りすぎたハットを適度な位置に戻してこちらからも改めて相手が相棒であると伝えた。相手と新たな関係を結べば周囲にあるコンテナが動き出す、どうやら出航の時間が近いらしい。相手に声をかけられ船の方へと進み始めたが直後出入り口の扉が勢い良く開く、そして先程の警備兵がダストエリアへとなだれ込んできた。どうやら追いつかれてしまったらしい、『見つけたぞ!』という怒号と共にこちらに銃弾が飛んできて「フィリップ!」と叫びながら相手の体を抱えて動いていないコンテナの影へと隠れる。早く船に乗り込まなければならないのにとんだ足止めだ、しかも警備兵の何人かはメモリを使用してマ.ス.カ,レ,イ,ド,・.ド,ー,パ,ン.トになっていて簡単には船に乗り込めそうにない。奥歯を噛み締めながら唯一の対抗手段であるJOKERのメモリを取り出す。これを使えば敵を蹴散らせるがもうドライバーはない、メモリを直接肌にさせることも知っているがその末路は実験室で良く目にしていた。だがここを切り抜けるためには他に手はない、例えこの身がどうなっても。メモリを握りしめて相手の方をみると「俺が時間を稼ぐからその間に船のコントロールを奪ってくれ」と頼んで)


7192: 検索 [×]
2024-11-20 16:51:37

っ、あと少しなのに…。 左.翔.太.郎、それは駄目だ!
(お互いが新しい関係である相棒であると伝え合って当初からの目的であったこの場所からの脱出のために船へと向かう。だがその直後に出入り口の扉が開いて警備兵が流れ込んでくれば思わず目を見開いた。容赦なくこちらに銃が向けられ発砲されると相手に抱えられてコンテナの影に身を隠す。あと船に乗り込むというだけなのにこれでは近づくどころか動くことも出来ない。どう動くべきか考えていれば相手は先程使ったメモリを取り出す。だがドライバーはここにはなく直で突き刺すと使用すればどうなるかは今までの実験の結果から分かりきっている。その末路を相手に辿らせたくはない。そのメモリを握る手首を強く掴んで初めて相手の言葉に拒否を示す、だが打つ手がないことには変わりなくて『もう逃げられないぞ』という怒号が近づいてくる。じりじりと身を寄せていれば突如獣の咆哮のような声が何処からか響いた。その声になんだと近づいて来たマ.ス.カ,レ,イ,ド,・.ド,ー,パ,ン.トがこちらに銃を向けた途端白い影が横切って火花を散らす。その白い影は身を潜めたコンテナの上に飛び移り何かを足元に投げ捨てていった。それはあの夜相手が持っていたアタッシェケースであれ以来行方が分からなくなっていたものだ。あの時初めて見た未知の仕様のメモリとドライバー、そして使用者は自分と意識を共有することになる運用方法を思い出せば逆転の可能性に口角が上がって指紋認証でそのロックを解除してその中身を相手に見せる。その中には相手が持っている物とはまた違うJOKERのメモリが並んでいて「その覚悟があるのなら、身も心も悪魔と相乗りしてみないかい?」と視線を相手に移しその目を見ながら決断を迫って)


7193: 探偵 [×]
2024-11-20 17:41:01


なら他にどうやって、っ!…ぬぁっ!?これ、おやっさんのデスクにあった…
(この局面を切り抜けて風.都.に帰るためにはまたあの怪物になるしかない、命を削ることになってでもだ。こちらから作戦を提案するが相手からは強く否定されてしまってメモリを持つ手首を掴まれる。しかし現状敵に対抗出来るのはこのメモリだけだ、相手を睨み言い返そうとするがその前に周囲に咆哮が響き渡って言葉が途切れた。こちらに近づいていた敵の呻き声が聞こえ直後目の前に何かが降ってくると思わず声をあげる。目の前に落とされたのはあの日自分がおやっさんに届けたジュラルミンケースで目を丸くする、確か捕まった際になくしてしまっていたが何故かそれが目の前にあることに困惑するしかない。しかし相手はそれを見て何かを確信したのか口角をあげて指紋認証でケースを開ける、相手とおやっさんの指紋で開くその中身を相手はこちらへと見せて『相乗り』を持ちかけられた。その意味を理解することは出来なかったが、視線は今手の中に収まるメモリを見た時と同じように、あるいはその時よりも強烈に、JOKERの名前が刻まれた紫のメモリへと強く吸い寄せられる。誘われるまま切札の名前が刻まれたメモリを手にする、あの夜に見た時はこれが一体なんなのかまるで検討がつかなかったが今ならこれをどう使えば良いか奇しくも理解できた。目線をあげて相手と目を合わせる、相手の言うことを全て理解できてはいない、しかし誰よりも相手が提示した手段ならば信じるだけだ。それが自分が悪魔だと叫んだ相手との相乗りだとしても。ハードボイルドな探偵らしくニヒルな笑みを浮かべると「相棒のお前が言うなら乗らねぇわけにはいかねぇな!」と決断を下しドライバーを手に取った。腰に据えればベルトが腰に巻きつく、次いで相手にも同じドライバーが現れるとまた驚くこととなった。理屈を聞きたいところだが今は時間がない、相手の左隣に立ってJOKERのメモリを構えると「いくぞフィリップ!」と声を挙げて)


7194: 検索 [×]
2024-11-20 19:30:58

ああ、変身!!…やはりこのドライバーは二つのメモリを使うとともに君と僕の意識をひとつの体で共有するようだ。
(相手にジュラルミンケースの中身を見せながら相乗りへと誘えば相手は切札のメモリに吸い寄せられるように手を伸ばす。これがどんな物か説明する時間も惜しい、だが相手はどんな物か何となくでも分かったようでニヒルな笑みを浮かべドライバーを手に取る相手を見ればこちらも一際輝いて見えたCycloneのメモリを手に取る。相手がドライバーを腰に巻けば何処からともなく自分の腰にも同じドライバーが現れる。やはり予想通りだ。相手の声掛けに応えながらその右隣に立つとメモリを構えてドライバーに挿入する。メモリは相手のドライバーに転送され、二つのメモリがセットされたドライバーが開くと体から意識が抜けていくような感覚を覚える。次に感じたのは巻き起こる風と左側の意識だ、目を開けば普段より少し高い目線の高さになっていて傍らに自分の体が倒れ込んでいるのに気付く。自分の体を見ればド.ー.パ.ン.トのものとはまた違う緑と紫を宿した装甲を纏っているようだ。やはりこの姿はお互いの意識や思考を共有するようで今の状況を分析する間も左側からは相手の感情や意識が伝わってくる、意識の中で考察を述べていれば驚いていた警備兵が気を取り直しこちらに襲いかかってくる。「詳しい話は後だ、まずはこの状況を切り抜けるよ」と告げれば共有するようになった体を動かしてマ.ス.カ,レ,イ,ド,・.ド,ー,パ,ン.トに攻撃を仕掛けて)

7195: 探偵 [×]
2024-11-20 20:24:31


変身ッ!__な、んだこれッ?!どうなってんだ?!お前が俺の中にいんのか?!お前倒れてんじゃねぇか!!
(ドライバーを腰に据えベルトが巻きついた瞬間、何故か隣にいる相手の考えが手に取るように分かった。まるで同じ思考回路を共有しているような奇妙な感覚、侵略されたでも奪われたでもない共有しているとしか言えない不思議な感覚に苛まれていた。繋がった思考から次にどうすれば良いかが頭に流れ込んできてそれに従って相手と共に同じ言葉を叫ぶ。相手の思考通りにメモリを挿入しドライバーを開いて起動させれば体の周りに風が巻き起こる、その風は遠く離れた地のはずの愛すべき風.都を思い出させた。緑と紫の装甲を纏えばガ.イ,ア.ド,ラ.イ,バ.ーを使った時とは比べ物にならないほどの力が溢れて更に右隣には相手の、相棒の気配を感じる。相手の考察をなんとなく聞きながらひとつの体に二人の意識がある訳の分からない状態に思わず顔や体を触るがその質感はいつもの体とは全く違っていて、ふと自分の隣をみれば今意識を共有しているはずの相手が地面に転がっていて思わず叫んでしまった。だが敵はこちらを待ってくれないようで相手の呼び掛けに「あぁ!」と力強く答えると襲ってきたマ.ス.カ.レ.イ.ド.・.ド.ー.パ.ン.トに拳を叩き込む。振り抜いた拳はひとりの時よりも明らかに力強く右隣に相手がいる分遥かに心強い、続いて襲いかかってきた敵も拳一発で仕留めればその体を引っ掴んで後方から援護射撃している警備兵に投げつけてやる。勢い良く飛んで行った敵は警備兵を巻き込んで倒れてしまいそれを繰り返しているうちにあっという間に敵を制圧してしまった。先程は数の力に全く勝てなかったというのにあまりにもあっさり片付いてしまうと「すげぇな…」と呟くしかなくて)


7196: 検索 [×]
2024-11-20 20:59:13

これがこのドライバーの力…興味深いねぇ…。このまま船に乗り込むよ。
(装甲を纏ってからずっと左側の意識は軽いパニックを起こしていて随分と騒がしい。こちらも分かっていないことは多いが相手と共にある姿でこの事態を切り抜けられるための力を持っているのは分かった。相手に呼びかけながら動き出せば力強い返事がされてそのままの勢いで拳を叩き込んだ。次々に襲いかかってくる警備兵をどちらかが察知してはもう一方が拳を叩き込んだり投げ飛ばしたりと息のあった動きで沈め、圧倒していく。そうしていればあっという間に全ての警備兵は床に倒れ片付いた。一つのメモリを引き出すガ.イ,ア.ド,ラ.イ,バ.ーよりもずっと強く二つの能力の組み合わせで何倍にも力を発揮する様は先程相手が説明した相棒の意味によく似ている。その驚異的な力に好奇心を滾らせて右側でニヤリと笑っていたが船の方を見れば全てのコンテナを積み込み今にも出港しそうになっている。それを逃す訳にはいかないと相手に声をかければ変身したまま意識のない自分の体を肩に担ぎ上げる。急いで船の方に走り、勢いのまま甲板に飛び乗ると船はゆっくりと出港を始めて)



7197: 探偵 [×]
2024-11-20 21:44:37


俺達二人で一人の体になって、こんなに……え、あぁ、おぅ……
(あれほど苦労した警備兵をこの姿であっさりと倒してしまえば自分でも呆気に取られてしまい敵の居なくなったダストエリアを呆然と眺める。その間にも相手の思考はこちらへ絶えず共有されて何とも奇妙な感覚だ、相手がこの状況に好奇心を擽られているのだって手に取るように分かる。先程相手に相棒の意味を説明したがこの状況はそれを体現するような変身で文字通りの一心同体となっていてただただ困惑していた。未だこの姿には慣れないが相手が船の出港が近いことに気がついて声を掛けられる。相手と思考を共有し当然のように魂が抜けてしまった相手の体を持ち上げる光景にはやはり慣れなくて困惑の返事をしたまま船へと乗り込んだ。ゴミの回収船となれば警備も今まで以上に薄くどうにでもなる状況だろう、このまま船に乗っていればきっと風.都にたどり着ける。あの夜から深く暗い闇に閉じ込められている気分だったが今は相棒と、そしておやっさんの魂が籠ったハットと共にようやくそこから抜け出せた気がした。遠ざかる島の風景にまたあの夜を思い出してしまいそうになっていた矢先、島からひとつの閃光が真っ直ぐこちらに伸びてやってくる。それが攻撃の意思のあるものだと悟ると「伏せろ!」と言いながら身を隠した。相手の体を物陰に隠して顔をあげればあのド.ー.パ.ン.トが息を荒らげてこちらを見下ろし『どうなってる?!なんでこんな結果なんだよ!』と違和感のある喋り方で叫んでいて仮面の下で眉を顰める。怪物の体はノイズが入ったように時より歪んで『なんで絶望していない?!運命をねじ曲げたのに!』と喚いているのを聞けばこちらの脳内にもノイズがかかったような痛みが走って)


7198: 検索 [×]
2024-11-20 23:44:34

っ…さっきと違うような……運命? くっ、…
(時間切れになってしまわないよう自分の体を担ぎ上げて船に乗り込む。ここまでたどり着けば後はやり過ごして本土にたどり着くことが出来るだろう。自分がなすがまま閉じ籠っていた研究所が離れていくのをただただ見つめていたが閃光が目の前に伸びてきて相手の声と動きで物陰に身を隠す。そこには先程のド.ー.パ.ン.トが居てここまで追ってきたことに焦りが募る。だが空中で喚く姿は先程の上機嫌さがなく、その姿がまるで乱れたホログラムのように歪むと目を見開いた。運命をねじ曲げた、という言葉を聞くと酷い頭痛が走って思わず頭を押さえた。相棒と最悪の別れを経験して二人で研究所を抜け出したのは事実だ、だけども今のこの出来事が本当にあったことだっただろうか。一度疑いを持った世界は存在が揺らぎ、各地にノイズが広がって景色に亀裂が走る。世界が真っ白になって壊れた瞬間、全てを思い出した。__ 意識が元に戻って目を開けるとあの日初めて風.都.に降り立った時に使った港の上にダブルとして立っていた。目の前には事件で追っていたDistortメモリのド.ー.パ.ン.トが居て、酷く困惑した様子で信じられないと声を上げている。ようやく全てが繋がると奴の言い分に小さく笑って「僕たちの運命とここに居る意味は君にねじ曲げられるほど軽い物じゃないからね。そうだろう?翔太郎」と相手に話を振って)

7199: 探偵 [×]
2024-11-21 07:56:38


___あぁ、その通りだぜフィリップ。俺達は例えどんな運命を辿ってもあの夜の罪を償わなきゃならねぇし、おやっさんに託されたものを投げ出さねぇし、必ず二人で一人の探偵になる。そしてお前みたいなやつに投げかける言葉はいつも同じだ。…さ.ぁ.、.お. 前,の.罪.を,数.え.ろ.!
(閉ざされた小さな部屋からおやっさんに背中を押されて飛び出して相棒と共に相乗りの末島を脱出した、ようやく手に入れた結果のはずなのに今はそれに何処か違和感を覚える。そしてねじ曲げられた運命が元の道へと回帰し幻想が崩壊すると頭痛の後に全てを思い出す。あの日の夜相手と共にボロボロになってたどり着いた港にダブルの姿で立っている、しかしそれは脱出の末ではなくこの事件の犯人を追い詰めたからだ。相手の言葉を仮面の下で聞けばこちらも小さく笑う、話のバトンを受け取るとこちらも自信を滲ませた声で言葉を続けた。あの夜により最悪な分岐を進んだ幻覚を見せられていたようだがどんなに深く暗い闇に飲み込まれようとも必ずそこから抜け出して見せる。おやっさんの存在と一心同体の相棒がある限り何度でもあの夜を乗り越えてみせる。仮面の下でニヒルに笑えば敵に左手を向ける、そして敬愛しもうこの世にはいない憧れの師匠から受け継いだ言葉を犯人へと言い放った。自分の能力が効かないのを悟ったド.ー,パ.ン.トは力でねじ伏せようとこちらへと襲いかかってくる、しかし単純な物理攻撃など二人で一人の姿の前ではなんの脅威にもならない。共有する意識のもと体を動かし敵の攻撃をいなすと連続で拳を叩き込んで最後には蹴りで怪物の体を地面に転がした。地面で藻掻く敵を前に「決めるぜフィリップ!」と右隣へ呼びかけて)


7200: 検索 [×]
2024-11-21 10:57:02

ああ、良い夢を見せてくれたお礼と行こうか。ジ.ョ.ー.カ.ー.エ.ク.ス.ト.リ.ー.ム!!
(抱いた違和感から幻想を脱すれば変わらず相棒である相手と共にド.ー.パ.ン.トに対峙する。能力を掛けた人物に運命を捻じ曲げたIFの世界を見せることで戦意を喪失させ最後には絶望させて抜け殻のようにしてしまうのが奴の能力のようだがダブルとして二人纏めて幻覚を見せようとしたのが敗因だろう。こちらが話を振れば左側から自信を滲ませた声で言葉が続く。出会い方がどうであったとしても、自分達が意志を継いだ鳴.海.荘.吉の存在と世界で一人だけの最高の相棒との出会いさえあれば自分達がここに立っていることに変わりはない。左側の意識と共に左手を向け、罪を数えさせる言葉を声を揃えて投げかけた。能力を看破されたド.ー.パ.ン.トはこちらに襲い掛かってくるが相乗りをしている自分達の敵ではない。息の合った動きで拳を叩き込み、渾身の蹴りをお見舞いすれば簡単に地面へと転がった。相手からの声掛けにこちらもにやりと笑って応じると切札メモリをスロットに刺してマ.キ.シ.マ.ム.ド.ラ.イ.ブを発動させその身体を巻き起こる風によって浮き上がらせる。そのまま必殺技を叫びながら半身ずつの二連撃を叩き込むとド.ー.パ.ン.トの体は爆発し、人間の体に戻った男から排出されたメモリは粉々に砕け散った。これでひとまず事件は解決だろう、変身を解いて少し遠くに倒れた自らの体に意識を戻す。相手の元に向かおうとしてふとそこから見える海に目を奪われる。全てが始まったあの日、幻覚で見たような状況には陥ることは無かったが大切な人を亡くし始めての相乗りをして命からがらこの街に逃げて来たのは変わりない。ここからあの島は見えない、見えたとしてもあの研究所は大きな爆発を起こして崩壊しているはずだ。そうだと分かっていてもやけにリアルな時間を過ごしたことが後を引いてそのまま動けず海を見続けていて)


7201: 探偵 [×]
2024-11-21 12:29:29


……またあの夜を経験することになっちまうとはな
(相手に最後の一撃を呼びかければ右側から確かな自信と高揚感が伝わってきてこちらの気持ちも昂っていく、二人ならば二人分以上の力をもって何処までもいけるのだという全能感が全身を包み込む。あの日強く惹かれたJOKERのメモリを腰のスロットに差し込んであの日よりも強い風を纏えば半身ずつの二連撃を叩き込んだ。怪物の体は爆散してメモリが排出されればその体は元の男の姿へ戻る、男は力不足のショックも相まってか気を失っていて当分動くことは無いだろう。変身を解除すればひとまずジンさんへと電話して犯人確保の連絡をする、軽くやり取りをすませて電話を切るが大体いつもこの辺りでやってくるはずの相棒が隣にいない。周囲を見回せば相手は港から見える海へと目を奪われている、視線を向けるその先はあの施設があった場所だ。海風に飛ばされないようにハットを軽く押さえてから相手の元へと近づくと隣に立って同じように海を眺めた。遠い記憶のようで今でも鮮明に思い出せる始まりの夜の記憶、多少運命の分岐が変わってもその結果は変わりはしなかった。良い意味でも、悪い意味でも。相手の方へ目線を向ける、薄気味悪いと思っていたこの顔も今は随分と見慣れて印象も変わったものだ。いつまでも海に、あの夜に、目を奪われたままの相手に「何考えてんだよ」とわざと軽い調子で話しかけて)


7202: 検索 [×]
2024-11-21 14:15:08


ああ、随分と巧妙な再現度で暫く気付けなかったよ。…、全てはあの日から始まったんだね。
(メモリを破壊して事件は解決した。もう少しすれば刃.野.刑事をはじめとする警察が来てあの男は連行されていくだろう。いつも通りの事件の終わりだが目はこの港から見える海に奪われて相手が隣に来ても目が離せないでいた。能力を掛けた本人の記憶から幻を作り出すせいかやけにリアルな出来事だった。少し歯車を?み合わせがずれていれば今回のようなことが起きていてもおかしくはない。何があってもこの場所に辿り着くのだと啖呵をきった気持ちに勿論嘘はないがそれはつまり何度も同じ罪を繰り返してしまうことである。そんな感傷を察してか軽い調子で話しかけてきた相手に思ったままの言葉を口にする。あの施設を抜け出して相手と相棒として探偵業を営むようになって確実に自分の世界は広くなった。そして様々な人と交流したり事件を解決したりする中でメモリの生み出した悲劇や被害を目の当たりにすることが増えた。あの時自分が生み出し続けていたメモリがこの街を傷つけている、そして相棒の大切な人の命を奪った。その罪を改めて突き付けられたような気分だった。海風を浴びながら相手の方に目を向ければ少し迷うように視線を揺らしてから「…僕は、罪を償えているだろうか」とぽつり本音を零して)

7203: 探偵 [×]
2024-11-21 17:27:46


なんだよ忘れちまったのか?俺達が涙を拭ってきたこの街の人の顔、ちゃんと思い出せよ
(こちらが隣に並んでも相手の視線は暫く海を見続ける、見せられたのは仮初の幻覚だがそこに記憶という事実が織り交ぜられていたせいで妙にリアルな夢を見てしまった気分だ。あの夜に無理やり戻されてしまったのと同じこの状況でただ黙ってここを去ることも出来ないのはよく分かる。軽い調子で問かければ相手の視線がゆっくりとこちらへ向く、迷うように視線を揺らした後に疑問が投げかけられると軽く笑みを浮かべた。努めて明るい調子のまま二人のこれまでの軌跡を振り返るように言う。ものを探す依頼から大きな事件の手助けまで、これまで犯人に罪を数えさせてきたがそれも全てこの街の涙を拭うためだ。苦い結末だったことがあっても依頼人の悲しみを少しでも取り除けるように少しも手は抜いたことが無い。自分も、当然相手もだ。あの夜の罪は決して消えないもので自分達には償い続ける義務がある、それは永遠に変わらないが「まだ全てを償うには全然足りねぇけど、ちゃんと一歩ずつ確実に進めてる。俺が保証するぜ、相棒」と迷う必要はないことを伝えると相手の頭を軽く撫でて)


7204: 検索 [×]
2024-11-21 19:40:45

…街の人の顔、…一番傍に居る君がそう言ってくれるなら信じられる、
(あの夜のことを繰り返した様なものだった事に加えフィリップになる前の自分のことを思い出したせいで妙に気持ちが落ち着かない。何を考えてるかと問いかけられて胸にじわじわと広がる不安をぽつりと零せば相手は変わらず明るい調子で今までのことを思い出すように言う。今まで色々な依頼を引き受けてこなして、その中で大変なことに巻き込まれた事も苦い結末を見たこともあったが笑顔になってくれた人も大勢居た。二人だからこそ未然に防いだ被害も何個もある。沈んでいた瞳に光が宿って噛み締めるように呟いていればあの日結んだ関係性で呼ばれ、その手で頭を軽く撫でられると残り僅かだった不安さえ溶けて固かった表情を緩める。あの日から今日という日まで相乗りしている相棒が保証してくれているのならばこれで良いと安心出来る。軽くその手に擦り寄ってから改めて相手を見つめると「ならばこれからも一緒に頼むよ、翔太郎」と穏やかな笑みを見せて)

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