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相乗りで何処までも 【 〆 】/9037


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自分のトピックを作る
8959: 検索 [×]
ID:415c83bff 2025-06-23 11:17:40


…っ、父さん、母さん…!
(偽物だと分かればまた何か起こる前に立ち去ろうと相手の手を引く。だがその前に自分の名前を呼ぶ声が聞こえて思わず目を向けてしまう。そこには写真に写っていた男女一人ずつが佇んでいてこちらに手を振っている。さらにいつしか偽名として使った『らいと』という名前で呼ばれると胸の奥が大きく揺さぶられて目の前の二人を両親だと認識してしまう。誘われるまま近づきたい気持ちとここが異常空間で有り得ない偽物だと主張する理性が拮抗して動けないでいると突然どこからともなく車が突っ込んできて両親を轢いていく。目の前でスローモーションのように身体が吹き飛んでその表情は苦痛に歪み、壁との間に挟まって嫌な音と声が響いた。瓦礫の間から力ない手足が見え血だまりが広がっていけば【大事な両親の死】に正気を保てず相手と繋いでいた手を離すと二人を呼びながらその現場に駆け寄った。両親が苦しそうに息子の名前を呼ぶ、体が震えて指先が冷えていくのを感じながら固まっていると『何で一緒に来てくれなかったの』『なんでお前だけが生き残っているんだ』と悲しみや冷たさを感じられる声が聞こえて「…え」と息を詰まらせて)



8960: 探偵 [×]
ID:65b68c258 2025-06-23 12:32:07


え、……っ、…フィリップ…この人達は両親じゃない。ここに、いるはずが……
(響き渡る轟音と砕け散る車、そして押し潰されていく両親の体。【大切な家族の死に際】に上手く息ができなくて今にも走り出しそうだった。しかし相手の呟きが聞こえて既のところで足が止まる、その間に相手は車の方へ走り出してしまった。こちらの両親のはずなのにあの言い方ではまるであそこに倒れているのが相手の両親のようではないか。僅かな違和感にギリギリで正気を保ちながら遅れて近づくと埃と血に塗れた両親の姿があって名前を呼ばれれば頭が真っ白になって動けなくなる、そこでこちらを非難するような事を言われれば息を飲んだ。互いに両親二人に見つめられているように見えていて充血した目が悲しく、恨めしく向けられると衝動に任せて体を動かしてしまいそうだった。しかし視界に入る相手の様子をみればまた違和感は募る、こちらの親が事切れようとしているのをあんな動揺して見ることなんてない。となれば答えはひとつ、お互い存在しない両親を見せられているだけだ。それを自覚すれば目の奥が締め付けられるような心地になる、震える唇をなんとか開けて話しかけ相手の肩に手をかけるが感情まで操作されては上手く言葉を紡げなくて震える声のまま「俺達に、親は居ないだろ」とただ現実のままを口にして)


8961: 検索 [×]
ID:415c83bff 2025-06-23 14:03:24


っごめん、なさ…、…しょう、たろう。…居ない?……、そうだ、僕達に親は…
(目の前で起こった出来事と目の前の惨状を見ればもう助からないのは明らかだ。相手と同じぐらい大切な家族と植え付けられた存在が亡くなりそうな状況に上手く息ができない。そんな状態で充血した二人の目がこちらを向いて非難されると胸が酷く傷んだ。もっと早く気付いていれば、駆け寄っていれば防げたかもしれないとありもしない後悔が溢れて息子になった状態では震えた声で謝罪の言葉を口にした。そうして目の前で起きた事に飲まれていたが肩に手をかけられたことで漸く外に居る相手の存在を認識してその名を呼びながら視線を向ける。相手も顔色が悪く、声が震えている。何故自分の両親の事故なのに、という疑問が生まれて見つめていれば彼らが両親ではないと告げられる。そもそも親が居ないという言葉が上手く呑み込めなくて瞳を揺らすも違和感やこれまでの生い立ちなどを考えると思考はそちらが正しいと告げている。異変の存在を思い出して相手と同じ言葉を紡ごうとしたが瓦礫の中の両親がまた自分達の名前を呼ぶ。湧きあがる感情すらこの空間で作られたものなのか判断出来なくてゆっくり立ち上がって再び相手の腕を掴むと「…僕の家族は、君とアキちゃんだよね?」と記憶にある家族の方が正しいのだと確認するように尋ねて)



8962: 探偵 [×]
ID:65b68c258 2025-06-23 17:24:35


…あぁ、そうだ。俺とお前とアキコだけが家族だ。お前の両親は、記憶がねぇだけだからどっかにいるかもしれねぇが……少なくとも俺にはいない。俺の両親はもう死んだし、顔も覚えてねぇ。俺の両親はもう死んでる
(潰れた車の下敷きになっている両親を見て相手はかなり動揺していて恨めしげに非難する声に謝罪さえしている、その言葉は自分の胸にも鋭く突き刺さるがやはりこの状況はどう考えてもおかしかった。気持ちを無理やり押し込めて事実だけを口にする、相手の意識はこちらへと向くが弱々しい声でまた両親のような何かに名前を呼ばれると嫌でも胸が苦しくなった。相手がこちらの腕を掴む、こちらも真実を見失わないように相手の肩に片手を置いて気持ちを押し込め頷いた。相手が記憶喪失である以上両親が存在する可能性はあるが少なくともフィリップには親がいない。そしてそれよりもより確実に、自分には親がいない。死に際は知らないが確かに墓に線香をあげたことがある、それこそが紛れもない事実で感情に流されそうになる心を引き戻すために何度も両親が死んだことを口にしていた。だがそれに伴って顔色はますます悪くなってくる、上手く息が出来なくてここに長居するのは良くなさそうだ。こちらを掴む相手の手を取り「行くぞ」と声をかければ両親は『置いていかないで』『助けて』とそれぞれ縋るような声を出す、息を吐き出せばそれは震えて「俺に両親はいない」と唱えるように言えば元来た道を引き返し始めて)


8963: 検索 [×]
ID:415c83bff 2025-06-23 18:06:11


…うん。………翔太郎、
(冷静になればおかしいと感じるのに上手く感情と結びつかなくてずっと揺さぶられるままだ。唯一この中で無条件に信じられる相手の腕を掴んでその存在を感じながら事実を問うと肯定の返事がされる。今の現状を相手は説明するように言葉を述べているが両親が死んだと繰り返す様子は自分に言い聞かせているようでその度にその顔色は悪くなっているように見えた。事実だとしてもあまり意識したくないことだろう。手を取られて引き返すように言われると素直に頷く。背後から両親だったものが縋るような声をあげ、隣から震える声が聞こえると繋いだ手を強く強く握って道を進んでいく。振り返る暇がないように、早足で手を引く形で角を曲がると【7番出口】の表示された案内板が現れる。正解の道を選ぶことが出来たが心は依然揺さぶられたままだ。そして両親の存在や生死すら知らない自分よりも少しでもその姿や親族からの情報を知っている相手の方が深く傷ついたはずでそれは相手の声や顔が物語っている。先に進む前に足を止めて上書きするように名前を呼ぶとそのまま相手の身体をぎゅっと抱き締めた。少しでもその不安を取り除こうとゆっくり頭を撫でながら体温を共有する、相手の両親については本で調べた以上の事は知らない。触れることの出来る立場でもないが放っておけなくて「…僕はずっと傍にいるよ」と一人ではないと告げて)


8964: 探偵 [×]
ID:65b68c258 2025-06-23 18:55:36


…、フィリップ……あぁ、今の俺にはお前がいる。アキコも、愛するこの街の人もいる
(有り得ないはずの光景なのに強制的に感情を揺さぶられて正気であるために何度も現実を唱え続ける、両親のような何かに背を向け歩き出してもじっとりと何かが体に絡みついてくるようだったが相手に強く手を握られその温かさがあれば真っ直ぐと歩いて行くことが出来た。やがて角を曲がれば無事に案内板の数字は増えて軽く息を吐くが未だに息苦しさが抜けないでいた。すると相手に名前を呼ばれてそのまま抱きしめられる、頭を撫でられれば喉につっかえていたものが溶けだしてようやく深く呼吸をすることが出来る。こちらからも腕を回すと肩口に顔を埋めて強くその存在を確かめた。両親がいないことを悲しむ日もあったが祖母とこの街が自分を存分に愛してくれて、今は所長と何より相手が自分のことを想ってくれる。両親が亡くなっている事実はとうの昔に乗り越えたはずだったが強制的に気持ちが引き戻されたのもこの異変のせいだろう。こちらからも相手の体を強く抱き締める、相手だって両親と思い込まされた人が事故に遭うところを見たのだから平気ではないはずだ。相手の背中をゆっくりと撫でてから顔を上げると「大丈夫だ、俺達の周りには大切にしてくれる人が山ほどいる」と力強く言い切る、その顔色は元に戻っていて小さく笑みを浮かべて)


8965: 検索 [×]
ID:415c83bff 2025-06-23 22:17:50

そうだね、僕達は一人じゃない。…早く僕たちの街に帰らないと
(相手を抱きしめて頭を撫でてみると腕の中で深く呼吸するのが感じられた。相手からも腕が回されて肩口に顔を埋められる、少しでも先程感じた物が溶けてしまうように頭を撫でて自分が側に居るのだと告げれば所長と街の人の名前があがって小さく頷いた。相手からの腕の力が強くなって背中を撫でられるとその顔が上がって目が合う。そして力強い言葉が聞こえるとこちらも緩い笑みが浮かべた。両親が居なくなったと言う過去と事実は変えることは出来ないが自分たちの周りには守りたい人も必要としてくれる人も沢山居る。噛み締めるように呟くとまたぎゅっと抱き着いた。さきほど乱された感情が徐々に落ち着いてくると今度は早くその街に帰りたくなる、そのためにも引き続き正解の道を選ばなくてはならない。必ず戻ると決意を新たにすると「行こう」と声を掛けて手を引いて先に進んだ。角を曲がると途中までは普段通りな光景が広がっている。だがその奥に今までと違って上へと続く階段が出来ていた。三連続で精神的に負荷のかかる異変を見ていたせいか平和であることへの安堵と出口への渇望に「もしかしてアレが出口かい?」と声を弾ませて早足で近付こうとして)



8966: 探偵 [×]
ID:65b68c258 2025-06-23 22:57:16


あぁ、そろそろ風.都.の風が恋しくなってきたぜ。……待て、フィリップ。最初に掲示されてたルール、覚えてるか?8.番,出.口から出ること、ってのがあったはずだ
(無理やり引っ張り上げられてしまった親を亡くした悲しみも相手に包まれれば今の自分達の居場所を思い出すことが出来て顔を上げる、目線を交わした相手にも笑顔が灯っていて今はそれが何よりも心を暖かく包んだ。強く抱き締められるとこちらも回す腕に力を込めて相手の存在を感じまたこちらの存在を伝える。早くあの街に帰らなければ、そして二人だけの家に相手と一緒に帰りたい。こちらも強く頷いてニヒルな笑みと共にキザったらしいことを言えば再び手を繋いで歩き始めた。通路を進み角を曲がる、いよいよ出口が近づいてきたと期待が高まった矢先に目の前に階段が現れて目を瞬かせた。地下道からの出口が目の前に広がっている、しかも階段の上からはずっと欲していた陽の光が見えて一気に希望が芽生えた。やっと出られると安堵が溢れ隣にいる相手からも弾んだ声が聞こえてくる、早足で進み始めた相手について行くように進み始めたがその途中で違和感に気が付いて相手の手を軽く引いて止まるように促した。自分達が目指していたのは8.番.出.口のはず、しかし先程掲げられた案内板には次が【7番出口】だと記されていた。つまりあとひとつ足りないのだ。さらに階段の横に掲げられている案内板には【0番出口】と表記がある。それは最初に提示されたルールとは異なる出口、期待した分ゴールではない落差に深々とため息をつきながら「つまりこれは…偽物の出口だな」と言い)


8967: 検索 [×]
ID:415c83bff 2025-06-24 00:19:34


8.番,出.口……あ。……ずっと思っていたけどこの通路、なかなか良い趣味しているね。
(早くここを脱出したいと言う気持ちは高まったまま目の前に地上へと続く階段を見つけると声を弾ませて近づいて行く。だがその途中手を軽く引かれて声をかけられると止まって耳を傾ける。最初に見たルールが伝えられて階段横にある案内板を見れば【0番出口】と書かれている、さらに先程見た案内板が7番だったのを思い出すと小さく声をあげた。つまり目の前の階段は偽物であり、これも異変の一種と言うことだ。ぬか喜びした分落胆してしまって今までのことも振り返ってありのままの感想を口にしていた。偽物ならば用はない、それにあと少しで本物の出口があると思えばすぐに気も持ち直して手を引いて来た道を引き返した。そうして角を曲がるといよいよ案内板には【8.番.出.口.】の表記がされていた。「これが最後の通路だね」と相手に声をかけると繋いだ手を今一度強く握って足を踏み出した。目の前は至っていつも通りの通路だった。原点に返り一つ一つ確認していると通路の奥から足音が聞こえてくる。今までの例を踏まえ身構えているとその人物が角から姿を表す。それはあの夜死んだはずの鳴.海.荘.吉でハットの下からこちらを覗くと『翔太郎』『フィリップ』とそれぞれの名を呼んでいて思わず固まってしまって)



8968: 探偵 [×]
ID:65b68c258 2025-06-24 08:10:26


あぁ、イヤらしいとこ突いてきやがる。____おやっさん…
(こちらが出口への希望が高まった最高のタイミングで出された偽物の出口という異変、浮かれたまま飛び込んでしまえばきっとまた0番からやり直しになっていたことだろう。相手の愚痴に近い感想には頷いて同意する、人の心を弄ぶような異変ばかりだが次こそが最後のはずだ。そうやってここで起こる異変のイヤらしさとパターンを見ていたからこそ薄らこうなることを予感していた、あるいは期待していたのかもしれない。相手の手を強く握って互いに隣にいることを確かめながら一見なんの異変も見当たらない通路を進む、足音が聞こえて角から出てきた人物にはどうしようもなく動揺させられてしまった。あの時死んだはずのおやっさんが目の前にいる、あの声で名前を呼ばれるのは随分と久しぶりでそれだけで心が震えてしまう。だが当然おやっさんはもういない、あの始まりの夜におやっさんは死んだのだ。明らかな異変を見つけたのなら来た道を戻らなければならないのに足は簡単には動かない。かつてのように呼びかけるのが精一杯だった。ゆっくりとこちらへ近づいてくるおやっさんは相変わらずハードボイルドで心が震えるほどかっこいい、二人の目の前で立ち止まったおやっさんは『俺は探偵としてあの夜お前達が犯した罪を見逃すことはできない』と静かな口調で告げられれば自分の罪を思い出して瞳が揺れる。そしていつかのように、そして今は自分達がやっているように、左手がこちらへ向けられ『さ.ぁ.、.お.前.の.罪.を.数.え.ろ』とおやっさんに突きつけられれば頭が真っ白なって)


8969: 検索 [×]
ID:415c83bff 2025-06-24 11:18:02


…、………な、に…
(今までの悪趣味な異変の傾向を見ていれば予想は出来た、だがあの夜に死んだ時と同じ姿で鳴.海.荘.吉が現れると瞳を揺らしてしまう。あの時貰った名前で呼ばれると幻だと分かっていても動けなくなっていた。引き返さなくてはと詰まっていた息を無理やり吐き出して動こうとした瞬間、目の前まで近づいて来た彼が静かな口調で罪の告発をし始めてまた大きく心が揺らされる。鳴.海.荘.吉は自分達の始まりでもあり、あの夜の罪の象徴のようなものだ。彼の左手がこちらに向けられて受け継いだはずのセリフを突き付けられると背中には嫌な汗が伝って息を飲んだ。彼が懐を探ってあの日壊れたはずの骸骨のメモリを取り出す、ドライバーが使えない今変身されてしまえば対抗が出来ない。ちらりと左を見れば固まったままの相棒が居て例え変身出来たとしてもそれは酷な選択だろう。思考だけがやけに空回りして繋いだままの手の感覚すら感じられなくなっていたが彼は予想に反してメモリを再び仕舞うと『だが…』と言いながらさらにもう一歩近づいてくる。そしてそれぞれの頭にぽんと手を乗せてくると『…今までよくやったな』と褒めるように静かながらも柔らかさのある声が落ちてきて拍子抜けする。撫でられる訳ではない、だけど確かな体温を感じられる手が頭に乗っていれば幻だと分かっていても後を継いだ存在に認められたという気持ちが先行してその手を振り解けないでいて)


8970: 探偵 [×]
ID:65b68c258 2025-06-24 12:30:24


…、…おやっさん…俺……
(頭では目の前にいるのが幻だと分かっているのに感情は全く追いついていない、目の前で話して動いてこちらに語りかけるおやっさんは間違いなくあの時のままで抱いてはいけない【会えて嬉しい】という感情がふつふつと胸の中で揺らめいている。だがいつもは自分達が投げかけられる言葉を突きつけられおやっさんがその手にスカルのメモリを構えると指先がスっと冷えていくのが分かる、あの日の罪は逃れようのないものでおやっさんに見逃せないと言われれば何も言い返せなかった。しかしおやっさんはメモリをしまって一歩近づくと二人の頭に手をのせて大きく目を見開く、そしておやっさんの姿で、声で、褒められるとまた大きく瞳を揺らした。おやっさんに褒められることなんてほとんどない、ストレートでない言葉を数える程言われた程度だろう。無意識に詰まった息を吐き出す、おやっさんを失った日から今までおやっさんに近づきたいのに遠くておやっさんのようにやりたいのにずっとできないままでいる。憧れには程遠く近づけている気さえしない、そんな目標の人からこんなにも直接的に褒められるなんて。ここが異変の起こる通路だという事実が頭の中で少しずつ薄れていく、気がついた時には笑みを噛み殺すように嬉しそうな顔を浮かべていた。一度敵対すると思った反動でおやっさんに褒められた喜びに簡単に舞い上がってしまうと「もう俺だって立派な探偵だろ?」とその瞳はおやっさんに吸い込まれている、すると頭に乗っている継承したハットが縁から絹糸となってハラハラと解れてゆっくりと崩れていった。不必要なそれを取り除くように探偵の魂たる帽子が崩れていくのにも気が付かず嬉しそうな顔でおやっさんに目を奪われていて)


8971: 検索 [×]
ID:415c83bff 2025-06-24 14:21:26

…翔太郎、……!
(先ほど両親だと思わされていた存在の死を目の当たりにして、さらにあの施設から自らを解放してフィリップとしての生き方を教えてくれた人物にこれまでの事を褒められて子供のように頭に手を置かれると理性に反して気持ちは高ぶってしまう。それは相手も同じようでこの通路に閉じ込められてから一番の笑顔を彼に向けてから自慢げに探偵を名乗っていた。もしかしたら幻想ではないのかもしれないと有り得ない考えすら浮かんでいたが相手が被っていた探偵としてのハットがハラハラと解けて崩れていくのを目の当たりにすれば目を見開く。師匠からあの日受け継いだ物、普段からハードボイルドを称して何よりも大切にしているそれが無くなっていっているのに相手は全く気づかずに視線を彼に向け続けている。今まで積み重ねていたものが崩れていくような感覚に背筋が冷えて浮ついた心地良さから目が覚めた。相手にも知らせなければと名前を呼ぶがその声に被せるように『事務所に帰るぞ』とまるで今でも事務所で過ごしているような口ぶりで声をかける。彼は自分が来た角の方、つもり異変が無ければ進むべき方向へと歩き出していた。もしかしたらあったかもしれない光景だがあの日確かに鳴.海.荘.吉は亡くなった。再び相手の手を引くと「…翔太郎、鳴.海.荘.吉はもうこの世に居ない」と真剣な顔で告げて)

8972: 探偵 [×]
ID:65b68c258 2025-06-24 17:36:39


あぁ!、…え...…おやっさんは……そこにおやっさんがいるじゃねぇか?そんな、わけ…
(長年憧れて今も自分が歩む道の指標で、何よりも最高にハードボイルドなおやっさんを目の前にすれば気持ちは高まって全てのことが頭から抜けていってしまう、それはあの日の夜の事もその後の積み重ねも同様で継承したはずのものは流れ出していき心はおやっさんに弟子入りしていたあの日々に戻ってしまう。相手の呼ぶ声が聞こえたが直後おやっさんの声が鼓膜を揺らせばそちらに引っ張られてしまって意気揚々と返事をすれば当然のようにおやっさんについて行こうとした。だがその前に相手に手を引かれると動きを止めて相手の方をみる。その間もハラハラと帽子は崩れ続けている。真剣な表情で告げられた内容は今見えている光景とは矛盾するもので目を瞬かせる、そこにおやっさんがいるのにこの世にいないなんてこの状況に説明がつかない。軽く笑って相手の言葉を否定しようとするがその声は震えている、何処かで相手の言葉が正しいと理解している自分がいて目線が激しく揺れた。前にも一度こんなことがあったと記憶がぼんやりと蘇る、おやっさんに呼ばれて相手に引き止められて、そしてあの時の言葉が、『行かないで』と叫ぶ相手の声が脳内に響いた。前にも後ろにも動けずにいるとおやっさんが静かに近づいてくる、そして繋いでいない方の手首を掴まれると『早く行くぞ』と声をかけられておやっさんの方を戸惑う目で見ていて)


8973: 検索 [×]
ID:415c83bff 2025-06-24 19:08:44


…翔太郎。…っ、あの日僕たちは確かに罪を犯した。だけど大事なものを鳴.海,荘.吉から託されただろう
(事務所に帰るのだと声をかけられると相手は疑問を抱くことなく着いていこうとする。だが目の前の光景は悪趣味な幻なのだ。不正解の道に進もうとする相手の手を引いて引き止め、現実を突きつけると相手の目が分かりやすく瞬いた。冗談でも聞いたように笑おうとするが否定する言葉は震えてちゃんと言えていない。本当は相手も分かって居るはずなのだ、だが動けないでいる相手に痺れを切らしたのか彼が相手の手首を掴んで連れて行こうとする。両手をそれぞれに掴まれる形となれば自分との繋がりを思い出させるようにその手を強く握って名前を呼んだ。だが彼もまた相手を静かな目で見つめ『前に言ったよな、翔太郎。お前はあの日勝手な決断で罪を犯した。また同じ轍を踏むつもりか?』とあの夜のことを持ち出して問い詰める。確かに鳴.海.荘,吉はハードボイルドと言う言葉が良く似合う男だったがこんな事を言うほど冷たくは無かった。そんな幻に相手を取られまいと声を上げて思い出させるように言葉を紡ぐ。強く手を握ると「彼に託された僕たちの街に帰ろう、翔太郎」とまっすぐ相手を見て)


8974: 探偵 [×]
ID:65b68c258 2025-06-24 20:53:44


…俺は……おやっさん……、…そうだ、俺達はおやっさんからこの風.都.を託されたんだ。ここで立ち止まってる場合じゃねぇ
(おやっさんは目の前にいてこのままおやっさんの弟子を続けていたいのに相棒はもうおやっさんはいないのだという、その言葉に首を振りたいのにそれが正しいことなのだと、おやっさんはもういないのだと本能が理解している。相手に強く手を握られ名前を呼ばれればハットが解ける速度が鈍くなる、しかし直後おやっさんに手首を掴まれてあの時の罪を突きつけられるとまた目を開いてグラグラとそこを揺らした。上手く息ができない、ここでおやっさんの言う事を聞かなければまた同じ事が起こってしまうのではと倒錯した考えが頭の中を巡る。おやっさんの言いつけを守るべきなのだろうかと考えが傾いた矢先に再び相手が強く手を握ってあの夜のことを、おやっさんが倒れたあの瞬間を思い出させる言葉を告げられる。相手の方を向いた探偵の顔はあの夜と同じくおやっさんの後をついてまわるハーフボイルドにも及ばない見習いの顔付きだった。ゆっくりと息を吐いて混乱する頭を落ち着けるために目を閉じる、おやっさんに掴まれた手首は冷たいが相手に握られた手はいつも通り、相も変わらず暖かくてその温もりを頼りにゆっくりと現実を手繰り寄せた。再び目を開けるとその瞳はこの街の探偵を名乗る半熟探偵のものになる、同時に尊敬する人から託された帽子は逆戻しのようにその形を取り戻した。自ら進むべき道を決めると真っ直ぐと相手を見つめる、そして「ありがとよ、フィリップ」と礼を伝えた。こちらが自分についてこないと悟ったおやっさんに似た何かは『そんな聞き分けの悪いように育てた覚えはないぞ』と言いながらこちらの手首を再び引こうとする、しかしそれを腕に力を込めて静止させれば「嘘つけ、俺のことしょっちゅう怒ってただろ」と軽い調子で返した。呪縛から逃れたのを悟ったのかおやっさんの反対の手が伸びてこちらへと襲い来る、相手と繋いだ手を離してそれを受けるとそこからは互いの手が拳へと変わった。おやっさんの拳を受けこらちも拳を振るうが組み合いにはなるものの決めきれない、徐々に押されるようになれば再び組み合った隙におやっさんの腕を掴み拘束すると「フィリップ頼む!」と相手に後を託して)


8975: 検索 [×]
ID:415c83bff 2025-06-24 22:13:59

それでこそ僕の相棒だ。…っ、ああ!
(あの夜の罪を突きつけるような言葉にまた顔色を悪くする相手だったが強くその手を握り誓った約束を告げた。こちらを向いた感情に流されて迷う見習いの目が閉じられる、体温と今まで二人で積み重ねた日々を共有するように手を握っていればゆっくりとその目が開いた。その顔は見慣れた相棒の物に戻っていて頭上にあったハットも再生していくのが見えると自然と口角があがってその目を見ながら【相棒】と呼んだ。彼が相手の手を無理矢理引こうとするが相手は軽口を叩きながら抵抗して静止させる。鳴.海,荘.吉のフリをして引き込むのが無理と判断したのか反対側の手で拳を打ち込むが相手はそれを受け止めて取っ組み合いが始まる。当人の運動能力もコピーしているのか段々と相手が押されていくが、不意にその腕を拘束して名前が呼ばれるとその意図を察する。力強く返事をしながら容赦ない回し蹴りを打ち込むと彼は鈍い声をあげながら地面を転がった。命の恩人に攻撃を与えるなど普通は躊躇するものだが偽物だとわかりきっていれば大事な人を貶されたのを晴らしたようで妙に清々しい気分だ。一人ではなく二人でこの状況を打破し「僕たちの弱みを着くのは上手いみたいだけど詰めが甘いね」などと呟いていたが急に通路が大きく揺れたかと思えば彼が連れて行こうとしていた奥の方から天井が崩れ瓦礫が落ちてくる。正しい方を選ぶタイムリミットが迫っているのかもしれない。彼を見る相手の横に並ぶと「引き返せばきっと出口だ」と声を掛けながら様子を伺って)


8976: 探偵 [×]
ID:65b68c258 2025-06-25 07:48:55


あぁ、俺達が二人で一人ってのを分かってねぇみたいだ。…、…走るぜ、フィリップ
(おやっさんが自分達に託したものを、自分が行く道を、そして相棒と二人でこの街の探偵であることを思い出すとその目は亡霊ではなく相手の方を見つめる、視線を交わす相手からいつものように【相棒】と呼ばれればこちらはニヒルな笑みを浮かべた。おやっさんのような何かは無理やり通路の奥へとこちらを連れ込もうとするがそれを阻止すれば取っ組み合いが始まる、亡霊とはいえこちらの記憶を元に作られているせいかひとりではおやっさんには到底叶わない。そういう時にどう解決するのかは二人で歩んできた経験から明白で動きを封じてから相手に声をかける。華麗な回し蹴りがおやっさんの亡霊にヒットすれば意識を奪うことに成功してその体は地面へと崩れ落ちた。目を閉じて床に突っ伏すそれに目を向ける、その光景はどうしようもなくあの夜を思い出させるがあそこで始まったから今自分達はここにいる。それを確かめるように帽子に手を乗せていれば通路の奥から崩壊が始まった。相手の声に頷き答えると相手の手を取って走り始める、元来た道を駆け抜け角を曲がる間も地下通路が崩壊する音は止まらなかった。それに押されるように走っていけばまた目の前に陽の光が差す階段が現れる、その横には【8.番.出,口.】の看板があって今度こそあれが正真正銘の出口だろう。「このまま抜けるぞ」と階段を駆け上がっていけば一瞬視界が真っ白に染まった。そして次に目を開けた瞬間、周囲に広がっていたのはいつもの風の街の風景だ。人々が行き交う中柔らかな風.都.の風が二人を通り抜けると「戻った、のか?」と思わず呟いて)


8977: 検索 [×]
ID:415c83bff 2025-06-25 11:36:50


…みたいだね、見覚えのある景色だ。……!消えてる、
(一人では適わずとも二人ならば何でも出来る、それを証明するように命の恩人を象った幻を地面に沈めると自然と笑みが浮かんだ。相手がハットの位置を直す仕草に思った以上の安堵を覚えながら見ていたが奥の方から通路の崩壊が始まった。大規模な異変に相手から手が取られて来た道を走って戻る、角を曲がっても背後の音が収まることがなく更に先に進むと光が差す階段が現れる。今度こそ【8.番.出,口.】の看板があって正解の出口だ。相手の言葉に「ああ、行こう」と返事をしながら一気に階段を駆け上がると一気に光が上から降り注いで視界が白に染まった。一瞬音も途切れて次に心地の良い風を感じる。目を開くと見慣れた街の風景が広がっていて先ほどの通路の中の様な閉塞感はない。相手の呟きに頷きながら辺りを見渡してみるとさきほど駆け上がってきたはずの階段は跡形もなく消えていて突然転移してきたようだった。腕時計を確認してみても依頼人と別れてからさほど経っていない時刻であの通路の中で繰り返した時間とは釣り合っていない。まるで白昼夢でも見ていたような出来事でメモリの存在も感じられなければ「…これが依頼人の求めた怪奇現象だったのだろうか」とぽつり零して)


8978: 探偵 [×]
ID:65b68c258 2025-06-25 12:27:33


な、…ンなわけ、……この街の怪奇現象はメモリで十分だっての
(ずっと閉塞感のある薄暗い通路にいたせいか風が吹き陽の光が明るく人々の声が聞こえる風景は随分久しぶりのような気がして呆気にとられてしまう、思わず呟きをこぼすも相手からは同意の返事が返ってきて間違いなくここは風の街であるようだ。相手の驚く声に慌てて振り返ってみると階段は忽然と消えている、そもそもここには地下通路に繋がる階段もなく何故自分達がこの場所にいるのか全く説明がつかなかった。相手が視線を向ける時計をこちらも覗き込んでみるも時刻は説明がつかないものでますます混乱してしまう。これこそが依頼人の探していたものではないかという相手の推測には即座に否定しようとするもののすぐにそれが不可能であることに気がつく。もしメモリによるものならばあんな回りくどいことをせず確実に自分達に危害を加えただろう、愉快犯の可能性もなくはないだろうが体中にじっとりと残る嫌な心地が自分達の常識を超えた何かの存在を予感させた。軽くため息を吐くと愚痴っぽく呟く、これ以上この街に厄介事が増えるのはごめんだ。あの通路で起こったことは全てなかったことになっているようで原因不明の現象にはただ疲労感が残れば「とりあえず事務所戻るか」と声をかけて)

(/お世話になっております!そろそろ区切りかと思いましてお声がけさせていただきました。パロディ的なお話でしたが短い感覚でギャグからシリアスまでなんでもありなお話が出来てとても楽しかったです!後半にいくにつれ段々シリアスさが増して追い詰められていく二人にハラハラしつつも最後は二人で力を合わせて異変を切り抜けるという王道な感じが出来てめちゃくちゃ満足しました。今回もありがとうございました!
次のお話ですがいかがしましょう?連続でこちらが提案させていただいたお話をやらせていただいているので、検索様がご希望のお話をさせていただけれはと思っています!)


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