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Petunia 〆/853


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自分のトピックを作る
161: ギデオン・ノース [×]
2022-08-20 15:57:34




(“ヴィヴィアンが魔獣の群れに攫われた”。想定外の緊急事態に船乗りたちは血相を変えて大騒ぎしているが、その中にあって、肝心のギデオンだけが普段の冷静さを取り戻すことができたのは、他ならぬ彼女のおかげで。……あの賢いヒーラーは、こんな時でもギデオンの動揺を見透かしていたのだろうか。上空に打ち上げられた信号花火の健気な赤は、燻る焦燥を意地でも鎮めさせるには充分過ぎる代物だった。無論あの状況で何もないわけがない、相手の置かれた状況にはまったくもって問題しかない。それでも彼女があのように伝えた以上、今はただ無事を信じ、最善の手を尽くすのが自分の役目。そう切り替えれば素早く仲間を振り返り、策を言い合う野郎どもに荒っぽく呼びかけはじめて。──それから数十分の後、近場で見つかった無人の山小屋から幾つか雪靴を失敬すると。夏空の下、一筋だけ白く凍った湖の上を懸命に進んでいく、物々しい雰囲気の男たちの姿があった。湖水を割り開いて陸路を作り出す案は流石に無謀が過ぎていたが、一時的な足場として行く手をしっかり凍らせていくくらいなら、船乗りたちの負担もそこまで大きなものにならない。雪靴には限りがあるため、他の連中はつるつる滑りながら必死に後ろをついてきているものの、ギデオン自身は当然の如く先行組だ。熱操作の魔法に長ける者の先導に従い、広大な湖の水平線を睨みながらひたすらに足を駆る。そうしてようやく見えてきたアーヴァンクの巣、ギデオンたちの侵入に気づいて飛び出してきた迎撃部隊とは、即席の氷上で激しい戦闘を繰り広げた。こちらは魔剣持ちがギデオンただひとりのみだが、船乗りたちは優秀な水魔法の使い手だ。周りの湖水をドラゴンやヒュドラの形に変え、アーヴァンクたちに叩きつけることで襲撃の勢いを削ぎ、そこにギデオンが剣の一太刀を振り下ろす、そうして互角の戦局が燃え上がる。ギデオンも含む何人かはアーヴァンクの鋭い牙に腕や足を切り裂かれたが、重傷でもなければいちいち気にしていられない、自分たちの手元から誘拐されたのはあのヴィヴィアンなのだ。──そして、アーヴァンクたちからすれば、自分たちの手元から奪い返されようとしているのもまた、あの美しい娘なのだ。その場の全員に全くその自覚はなかったが、氷上の男たち、もとい雄たちは皆、だれもが彼女ただひとりを巡って、むさくるしく殺気立っていた。怒号や威嚇の声を飛ばし、剣に牙に、水に拳に、それぞれ本気でぶつかり合い、最後にはただの大乱闘、果たして傍目にはどちらも似たようなしぶとい暴れっぷりである。船乗りたちとアーヴァンクたちとでプライドをかけたただのボクシング大会が始まり、動けなくなったものは人も獣も声援だけを飛ばすようになった頃、ギデオンはと言えば、どさくさに紛れて場を抜け出し、荒い息を整えながら流木の山を駆け上がっていた。それらしい場所を血眼で探し回り、ばったり出くわした見張りのアーヴァンクが悲鳴じみた警告を発するや否や、無慈悲な雷魔法をバチバチと放って沈める。やがて、巣の出入り口をようやく見つければ、誰のものかもわからぬ返り血を浴びた姿で、こわばった表情で飛び込んでいき。暗がりにじっと目を凝らせば、すぐに彼女は見つかった。──アーヴァンクたちにのしかかられ、それでも必死に、顔を上げてこちらを見ようとしている。まだ無事だったが、“襲われている”。状況をそう読み取った瞬間、ギデオンの顔からは奇妙なほど表情が抜け落ち、音を鳴らして構えた魔剣が酷く冷たい光を帯びた。そうして曖昧に告げた、妙に硬質な響きの声は、そこのアーヴァンクを屠って今すぐにでも助け出すと伝えていて。)

…………そこを、動くなよ。



(/そう仰っていただけてほっとしました。今後の展開についても快諾いただきありがとうございます。新ストーリーに関する主様の構想について、もちろん首を長くしてお待ちしております、非常に楽しみです……! どうか無理はなさらず、ゆっくりとご自由にイメージを膨らませてくだされば幸いです。
今後の展開ではなくギデオンの過去に関してですが、裏設定に近いものとして、若い頃の火遊びに特定の傾向がありそうだなと考えておりました。具体的には以下のようなものです。

ギデオン:基本的に不特定多数と関わり、逆に一対一の関係性は持ちたらがらないので、落ち着いた振る舞いに反し表面上は放蕩。しかし大事なところの倫理観はしっかり備えており、相手を騙すような嘘はつかない。20代半ばの茶髪の女性が好み。軽い関係を求めて自分に本気にならない女性を選ぶ傾向。
アーロン:基本的に一度にひとりとのみ関係し、恋人らしい付き合いもきちんと重んじるので、砕けた振る舞いに反し表面上は誠実。しかし大事なところで倫理観が欠けており、嘘をつくことに躊躇いがない。自分より年下の黒髪の女性が好み。本気の関係を求めて自分に尽くす女性を選ぶ傾向。

この先描写したい、盛り込みたい内容というよもり、あくまでも参考になれば程度のメモです。広く浅くのギデオンと狭く深くのアーロンで傾向にだいぶ差がありますが、その辺りはお互いほどほどに立ち入らない暗黙の了解があったのではないかと想像しております。主様のイメージと違う箇所、好みの塩梅に擦り合わせたい箇所などあれば、何なりとお申し付けください。また今回は軽い共有に留まりますので、質問相談等の特筆事項がなければお返事には及びません。こちらこそ、目下進行中のアーヴァンク編も引き続きよろしくお願いいたします……!/蹴り可)





162: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-08-22 15:25:40




──ギデオンさ……待って!!待ってください!!
この子たちと話をさせてください!

( ああ、この人が来ればもう大丈夫──薄暗い巣に走る閃光に一拍遅れて空気を揺らす衝撃音。慣れ親しんだ魔素が巣中を迸る感覚に、これ以上ない頼もしさを覚えて心から安心し。此方の言葉を明らかに理解しているらしい知能の高いアーヴァンクだからこそ、両者のプライドを考えればこの場の穏便な収拾の難しさに頭を悩ませていたのだが、ギデオンならきっと全て解決してくれるに違いない。そううっとりと顔をあげたのもつかの間、普段意外と感情豊かな相棒の何も映さない表情が目に入れば、数秒前の自分の見通しの甘さを一瞬で反省する羽目となって。水の代わりに鮮血を滴らせる美丈夫の、一周回って冷静さを全く感じられない冷たい声に顔を引きつらせ、明らかに自分よりも強い敵を目の前にしても尚、気丈にビビを守ろうとするアーヴァンクの腹下から、無理やりはいずり出たのは火事場の馬鹿力という他ない。巣を破壊されたアーヴァンクが怒るのは道理だが、動物や魔物の営みが人間の営みを邪魔した時、人間のビビは人間の味方をせざるを得ない。故にアーヴァンクの味方をする気もないし、先程彼らの巣を問答無用で破壊したことは後ろめたさどころか、正当だったと胸を張って言う強さも持ち合わせている。それでも意思疎通が取れそうな相手なら、魔物相手でも交渉を視野に入れる柔軟性もまたビビの強さで。何より今ここで両者の戦闘を止めたかったのは、派手な血液こそ返り血のようだが、誰より大事な相棒の手足に決して浅くない鋭い傷を診とめたから。今すぐにでもギデオンの治療に駆け寄りたいが、今この魔物を刺激するのは得策といえないだろう。つま先まで濡れ鼠の状態で頬におくれ毛を張り付かせたビビが両者の間に立ちふさがり、ビビの誘拐に予想以上に怒ってくれていたらしいギデオンをまっすぐに見つめて暇を懇願する間、同時にビビに味方されたアーヴァンク達がざまあみろ、と言わんばかりの子憎たらしい表情をギデオンに向けている頓珍漢な状況となっていて。 )

アーヴァンクのいる川は他の魔物が寄り付かないって書いてありましたよね。
巣の場所だけ移動してもらえば、その方が船員の皆さんにも都合がいいはずです!





163: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-08-22 21:54:33



( / 先日はギデオン様とアーロン様の詳細な嗜好をありがとうございました!艶福で色気あるアーロン様の女の敵っぷりや、シェリーの面影を感じさせるギデオン様の好みなど、何度も読み返してはお二人の浮名が流れていたであろう時代の妄想が止まりませんでした……本当に素敵な資料で何度お礼を申し上げても足りないほどです!貴重な供給本ッ当にありがとうございます助かります。

以下はギデオン様の若気の至りがバレる展開について、以前少しだけ考えていると申し上げたものです。まだざっくりとした大枠ですので、折角頂いたお二人の嗜好を活かせるシーンも盛り込みたいですし、背後様のイメージと違う点や、やりたいシーンなどがあれば是非ともお申し付けください。


?幸せのおまじないのウワサ

建国祭の余韻もとうに収まり、秋の気配がキングストンへ訪れる季節。巷では若い少女たちや娼婦達を中心に願いの叶う"幸せのおまじない"が流行していた。
最初こそ『気になる彼とお喋りできるおまじない』『喧嘩した友達と仲直りできるおまじない』といった可愛らしい内容だったそれは、次第に『邪魔者を"減らす"お呪い』『嫌いなあの子が不幸になるお呪い』と不穏な物に変わっていったという。
おまじないの結果かどうかはともかく、実際に不調を訴える者も現れ始めると大事にしたくない学院や、治安維持部隊の踏み込みを嫌う娼館から依頼を受けた2人が捜査を進めた結果、どうやら一連の騒動に夢魔が関わっているらしいと判明して──


元々、複数の娼館やギデオン様の女性達との人脈を使わねばならなくなるような展開かつ、その後の黒い舘編を想定し、最初から女の情念を感じさせる呪い騒動を考えていたのですが、冒険者としての2人の活躍ということで、『それぞれ別のツテから頼まれて調査し始め、ギデオン様が女性に絡まれてるところでうっかり遭遇する』といった形だと、以前お話していた修羅場にも繋げやすいかと、事件の発端に魔導学院を追加し、最初は可愛らしいおまじないだったという展開に変更致しました。
真相は犯人のインキュバスが精力のために、女性の髪や爪を使うおまじないを広め、願いを叶える代わりに少しずつ精力を貰っていたのが、欲をかいてエスカレートしたという単純めな方がまとめやすいかと。

不調を訴える女性の治療、お呪いの残骸などから内容を解析したり、縁深い魔導学院での立場・人脈など、ビビとしてはかなり活躍しやすい展開なのですが、ギデオン様にとっては如何でしょうか……?
この編のインキュバスと、黒い舘編のサキュバス様は今の所全くの無関係と考えていますが、夢魔の関与に気づいた際のギデオン様の反応やスタンスなど、黒い舘編を前に少しだけ拝見出来たら嬉しいです。
物語の温度は黒い舘編がシリアスになりそうなのと、折角建国祭で2人の距離が近づいたので、基本的にはギャグ寄り修羅場パートと、夫婦漫才を含むラブコメメインの明るめを想定中ですが、題材自体は重めですので思いっきりシリアスでも、もしくは全く違う展開も大歓迎ですので、背後様のご意見をぜひお聞かせください。 )




164: ギデオン・ノース [×]
2022-08-23 03:13:31




────……、

(相手が自ら這い出たのも、魔獣どもがそれを許すほど大人しくしていたのも、想定外の光景ではあったが。慌ててそばにやってきたヴィヴィアンの姿が、背後の出入り口から差し込む陽射しで薄明るく照らされれば、必死に言い募ってくる何事かは右から左へ聞き流し、視線だけを素早く巡らせてその全身を確かめる。赤い噛み痕も、青い痣も、小さな切り傷すらひとつとて見当たらない。ずぶ濡れではあるが、どこにも怪我をしていない。……無事だ、自分は間に合ったのだ。そうとわかれば、青い双眸がやっと微かに和らぎ、構えていた右手の剣も緩やかにやや下ろされる。とはいえ、警戒を完全に解いたわけでは勿論なく。不意に左手を伸ばして相手の細い二の腕を掴むと、自分のそば、正確にはギデオンを挟みアーヴァンクたちと距離を取れる斜め後ろの方にまで、問答無用でぐいと引き寄せ、己の間合いの内側に入れて。それでようやく落ち着きを取り戻せば、数周遅れでギデオンの頭が理解しはじめたのは、相手が先ほど懸命に口走っていた不可思議な言葉の数々。“この子たちと話を”、“巣の場所だけ移動してもらう”? 「何を馬鹿なことを」と、相手を振り返りながら訝しげに否定したのも、本来ならば仕方のない話。アーヴァンクの生息域からは、確かに他の厄介な魔獣が一掃される。しかしそれは、強靭な肉体と凶暴な本能を持って生まれたアーヴァンクが、他の魔獣を追放もしくは殲滅するからだ。ギデオンたち人間とて奴らの攻撃対象であり、死者が出ることも珍しくない。奴らの知能は実際高いことには高いが、所詮はけだもの、平和なお話など御伽噺に過ぎない。そう頑なに思い込んでいたものだから、「とにかく、お前は後ろで……」と、全くわかっていない様子で巣の奥に目を戻したとき。それまで厳戒を当然としていたギデオンは、大いに面食った様子を見せてそれを失うこととなった。──暗がりに潜むアーヴァンクたちが、ギデオンたちへの攻撃の気配をまるで見せないどころか。どいつもこいつも、なんだかやけに表情豊かな様相を呈していたせいである。ヴィヴィアンに庇われたからかもじもじと照れている者、喜びに尾を打ち鳴らし無邪気にいななく者、任せろと言わんばかりに大きく張った胸をどんどんと叩く者、妙に悦に入った表情でギデオンを馬鹿にしている者、絶妙に腹立たしいドヤ顔を見せつけてくる者、「おいあの野郎どこの馬の骨だ」「あいつあの娘の何なんだろな」と副音声のつきそうな疑り深い横目を向けつつ髭面を寄せて噂する者。……いや、いったい、何なのだ、これは。あまりに予想外かつシュールな光景にさしものギデオンも当惑していると、その隙をついてするりと近づいてきた一頭──ギデオンを怪しむように囁きあっていた二頭の片割れ──が、あろうことか、ギデオンの右手をふんふんと熱心に嗅ぎ始めた。魔剣を握ったままだというのに、いつギデオンに斬りつけられてもおかしくない状況であるというのにだ。思わずこちらのほうがおののくように後ずさりつつ、再び相手を振り返ると、先ほどの迎撃部隊とはまるで異なる魔獣たちの様子に、混乱もあらわな声で問いかけて。)

……なあ、おい。こいつらは……おまえをここに、攫ってきた連中……だよな?





(/喜んでいただけて何よりです! ギデオンの好みの由来をしっかり読みとってくださり、こちらも背後冥利に尽きております。そしてまた、主様構想の新章案も楽しみにしておりました……!
結論としましては、一も二もなく、全てに渡り大賛成です。実はこちらも前々から、この先いつか取り組みたい展開のうち、「ビビが卒業した魔導学院が関連する話」をやれたらいいなあと密かに夢見ていた次第でして……。まさか主様の方からこんなにも素敵な形で提案してくださるとは、と興奮冷めやらぬ状態です。『幸せのおまじない』がエスカレートしていくというあらすじも、怪談じみた要素やファンタジーならではの要素、主様の仰るように女の情念が絡みつく要素など、わくわくするものをぎゅっとひとつに束ねてくれる最高のアイディアです、本当にありがとうございます……! こちらの思い描いていたイメージや、いずれ待ち受ける黒い館編への伏線も巧みに取り入れてくださり、ますます感謝の念が尽きません。
挙げるとすれば、こんなシーンが見たい、こんな設定があるといいかも、などのプラス要素でしょうか、


・『それぞれ別のツテから頼まれて調査し始め、ギデオンが女性に絡まれているところでうっかり遭遇』したのをきっかけに、同じ事件を調べているなら、と共同捜査に切り替わる導入。

・「なんかヤバいおまじないが広がってるから調べてほしい」という、クリア条件が不明瞭な頼みではあるので、平時は普通に他のクエストをこなしつつ、それ以外の時間を使って長期的に調査する……というような、これまでと違った距離感のクエスト遂行にするのもありか。

・まじない関連を調べるため、とにかくまじないが関係する場所に出向くふたり。魔導学院や娼館に限らず、王城の舞踏会や、教会付属の孤児院など、ストーリー展開に都合の良いように創作。その過程で夫婦漫才の必要が生じるケースに遭遇。

・夢魔は通常、多くの人間から精力を採取することでその生命力を強めるという学識がある。本事件の犯人であるインキュバスは、夢魔として強大になるため、人口に膾炙しやすい「おまじない」を悪用した。
※このことから、「アーロンに恋をしたサキュバスの少女」は、アーロン以外の精を自ら受け付けなくなったために、通常の夢魔としての生を歩めなくなってしまったことがわかる。アーロンを一途に慕う彼女の精神に反し、夢魔としての彼女の体は極度の飢餓に苦しんだ。これを解決するため、自分自身も魔族でありながら、遠戚ともいえる悪魔と魂を売る契約をかわしたのが、12年前の悲劇を招いた一因。この契約によって、アーロンの精だけでも生きていけるように、悪魔に授けられた膨大な魔力で自身の体を歪めた代わりに、夢魔としての正気を完全に失ってしまったのだった……という裏設定(原案)。

・ビビが世話になった魔導学院の教授の登場や、実際に魔導学院に足を運ぶ展開。行きかう学生を見たギデオンが、学生時代のビビを想像して妙な気分(自分の知らなかった相手を知る新鮮さと、それはそうと謎に覚える犯罪臭、彼女を女として見始めているからこその気まずさなど……)になったり。

・まじないがエスカレートしていった終盤、実践した女性たちやその被害者が呪いに翻弄されるのを、ギデオンとビビで颯爽と救いに行く展開。「カレトヴルッフの有能な冒険者」として、コメディや恋愛抜きに、シンプルに人命救助に当たるふたりの息ぴったりな連携など。呪いの悪影響について、死者が出るレベルもありかなと思いますし、それだとシリアス色が強すぎる場合は、映画のエクソシストよろしく、呪いであり得ない動きをさせられて苦しむ女性たち……くらいの塩梅にするのが良さげかなと考えております。


上記最後のみややシリアス寄りかもしれませんが、後に控える黒い館編に備え、全体的には緩めな楽しい話にする、というバランス調整には大いに賛同しております。あくまでもストーリー終盤の山場だけ、ふたりのかっこいい活躍を引き出すべく派手な展開へ盛り上がる、というイメージです。
ビビの活躍の要因として、「不調を訴える女性の治療」「お呪いの残骸などから内容を解析」「縁深い魔導学院での立場・人脈」を挙げてくださっていましたが、いずれも是非とも。心行くまでお願いいたします。完全に前々から夢見ていた要素過ぎて……本当に公式化するんですかと踊り狂っております……
夢魔関連で深い因縁のあるギデオンの反応なども、是非是非美味しく盛り込ませていただきますね。


またちょっと違った話ではあるのですが、黒い館編への備えとして、こちらから盛り込みたい要素がひとつ。

・ビビがギデオンの家に行く展開。本来かなりの額であろうギデオンの稼ぎに対し、貧しいと言っても過言ではない、かなり質素な暮らしをしているとわかる。
※これは12年前の事件以来、昏睡状態の子どもたちを魔法医療で世話するための医療費を、彼らの家族に代わり、ギデオンが支払い続けているため。
※ギデオンがビビの求愛になかなか応えられないのも、実は経済的な問題という世知辛い原因もあった。「この先一生、自分の過去の事件のことで賠償し続けるかもしれないのに、求婚なんてできる立場か」。このころにはビビに対し感情が大きくなっているので、手を出すなら責任を取る覚悟ですべき(つまり責任を取るには経済的に頼りないのが明白なので手を出さない)、という拗らせに至っている可能性。

・ギデオンの私生活を知って親密度がより深まる/質素な暮らしぶりに疑問を持っていた矢先に事件のことを知り、ギデオンが自分ひとりで過去の贖罪を果たし続けていることを知る……などの話に繋げられればと思っております。

上記について、マリアの幼い息子を預かることになったギデオンが自宅で腰を痛め動けなくなり、看病としてビビが出向いて……その成り行きから、3人で疑似家族めいたほのぼの日常パートを……というような小話を密かに空想していたりもしたのですが、おまじない編に盛り込むとちょっと情報過多かな? という気もしています。その辺りは、話の流れ全体を俯瞰した上で、一番良い形で物語を楽しめるよう必要な取捨選択を行いたい所存です。ですので、物語に具体性を与える足し引き自由な材料として、参考程度にしていただければと……!

諸々興奮と願望を詰め込んだ結果、膨大なボリュームになってしまい申し訳ありません。お返事はゆっくりと、省略や分割などしていただいても大丈夫ですので、ご負担にならないようにしていただければと思います。)





165: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-08-26 10:03:10




──っもう!ちゃんと話聞いてくださいよ!

( 何もビビもこの一瞬の態度だけで、アーヴァンク達の危険度を判断した訳では無い。ギデオンが到着するまでの間、巣を観察して見つけた魚の骨やら、貝殻などの食べ残しの塚に、人間を含む哺乳類の残骸がないことは確認済み。誰よりこの運河に詳しいであろう船員達が、下流で巣を見つけた時の意外そうな驚きの表情を鑑みても、この運河では今までアーヴァンクの人的被害はなかったと見て良いだろう。その判断を見くびられ、守るべき子供の様な扱いをされたのは聞き捨てならなかったが、薄暗さも相まってやや開き気味の瞳孔が全身を滑る感覚と、自慢の脚力をあっさりと崩される程強く引かれた腕に、相手の動揺と心配を痛いほど思い知れば、如何せん絆されてしまう自分が悔しい。態とらしく眉間に皺を寄せてはみるものの、両拳を握ってした抗議には拭えない甘い響きが残った。面食らったように振り返るギデオンの動揺滲む声に、ジトリと瞼を半分に閉じても尚、上向きにカールした長い睫毛を冷たく震わせることで溜飲を下げ、アーヴァンクによる執拗な捜査が、今朝自分がすがりついていた左腕に及ぶ前に歩み出でれば、その鼻先を自然な動きで絡めとる。一瞬目をぱちくりとさせてから、満更でもなさそうに伸び上がり、ちゃっかり濡れた鼻先をビビの顎にちゅっと押し付けて来るアーヴァンクの習性などいざ知らず、ギデオンを振り返りながら微笑ましげに笑えば、すぐにアーヴァンクに向き直り。1頭の抜け駆けに我も我もとばかりに首を伸ばす魔物達に笑顔で手を伸ばせば、デレデレと眦を下げて浮かされた様に頷く魔獣達のごわついた毛を撫で付けてやり。 )

何故かわかりません、が、ふふ……凄く人懐っこいんです。
……ねえ、さっきは巣を壊されて怒っただけなのよね?私達もっと上流の街に住んでるの。下の巣だとちょっと遠いけど、この辺なら時々仕事で来るから会いに来れるわ。


( / ご連絡が遅れて申し訳ございません。9月半ばには一段落致しますので、それまでご容赦いただければ幸いです。

次章につきまして、そう仰っていただけて大変安心いたしました!魔導学院につきましては、詳しい説明を殆ど入れずに小出しにしていたにも関わらず、興味を持っていただけるとはありがたい限りで、必ず近いうち何処かで描写できるようにいたします。完全にこちらのやりたいこと詰め合わせパックですので、背後様のなさりたいこともどんどん取り入れつつ、これまで通りダイジェストや割愛も活用して、穏やかに変わりつつある2人の関係を眺めたい所存です。

数々の素敵なご提案もありがとうございました。どれも本当に魅力的で全部やりたい!と今から次回が楽しみで堪りません!
共同捜査については全く同じことを考えていたため、その流れでお願いいたします。

全体的な流れといたしましては、クリア条件不明かつ、プライベートの知り合いからの依頼半分、お願い半分といった形ですので、背後様のおっしゃる通り今までと違った距離感になるかと思われます。
それぞれのツテから依頼され娼館で鉢合わせした後の展開は、午前中や夕方まで通常の仕事をこなした後、待ち合わせをして本件の捜査をする流れをループにすれば少しでもシンプルになるかと思うのですが如何でしょうか。メタ的には日中の仕事は割愛することになるので、待ち合わせ→目的地(娼館、学院、舞踏会、孤児院、その他)の繰り返しですね。中でも娼館や学院含む教育機関は、何か所も回ることになると思いますので、やりたい部分だけピックアップすれば宜しいかと。キャラ的にも毎晩仕事後に待ち合わせする日課ができるのは美味しいと思うのですが、他にご希望の進行方法があればご提案ください。
期間的には長めにとって夏の終わりから、解決する頃には初雪が降っているイメージだと、やりたいこと全部詰め込んでも忙しすぎず、季節の移り変わりも楽しめるかと思うのですが、長編すぎるでしょうか……

背後様のご提案が本当にどれも素敵で、ひとつずつお返しさせていただきたいのですが、今朝の暇を逃しますとまた暫く返信が遅れそうですので、お言葉に甘えて次回と分割させていただきます。

次回に分けると申し上げた矢先で申し訳ございませんが、ギデオン様のご自宅訪問について、ぜひ楽しめればと考えております。
これまで逃げ回っていたところから本気になった瞬間、既に求婚や経済面を意識しているギデオン様のあまりの感情の重さと大きさに、声を出すほど喜んでしまいました……!ここが完ッ全にツボでして、仕事中に思い出しては繁忙期を支える活力となっております笑 ここだけはお伝えしたく、蛇足で大変失礼致しました。引き続きよろしくお願い致します。 )




166: ギデオン・ノース [×]
2022-08-27 00:53:20




そいつらはきっと、“人懐っこい”ってんじゃあ……

(照れ隠しの滲む可愛らしい反論の声に、巣の奥のアーヴァンクたちの何頭かは、「ん?」「こいつは?」「どういうアレだ……?」と言わんばかりの嫌な目つきで、何故かギデオンの方をじとっと睨んできたのだが。その不穏な雰囲気も、他でもないヴィヴィアンが慈愛に満ちた触れ合いタイムを始めれば、雨上がりの陽が地上の暗さを晴らすかのように一瞬で霧散してしまった。そこにいるのは明らかに、人間と敵対する凶暴な魔獣ではなく、野生味の欠片も残さず飼い慣らされた人畜無害な毛玉ども。その有様を目の当たりにすれば、それまでギデオンが切らさずにいた戦意も流石に萎まざるを得ず──とはいえ、今度は別の厄介な懸念が持ち上がり、思わず顔をしかめながら呻き声を漏らしてしまう。アーヴァンクたちの異常な懐きようで、ふと思い出した。あまりにしょうもないのでどこの資料にも記載されなくて当然なのだが、この魔獣どもは番となるメスに乏しいせいか、人間の美女にだらしないほど弱いという。つまり、ヴィヴィアンにやたら甲斐甲斐しくしたがるカレトヴルッフの親父どもと同じで、奴らはただ下心満載なだけなのだ。それがどうして、相手には愛いもののように映る様子。それがなんだか無性にイラっと来て、できるだけすぐにここを引き上げさせたい気分になり、金色の横髪をがしがしと?きむしる。とはいえ、ギデオン自身はこの卑しい魔獣ども直接どうこうお話しする気になどなれないし、なんだか連中の方でも、相手に撫でてもらう合間にギデオンを敵視しているようでだ──ヴィヴィアンの意識が向いた瞬間は、にこっと受けの良い笑顔めいたものを浮かべるのだが、それさえ外れれば、何せああだ。「ケッ」と吐き捨てるかのようなあのツラを、ギデオンに寄こすのである。微妙に本気で腹立たしいが、大人げなく噛みついてもいられない。この巨大な巣の手前に船乗りたちを残してきたのだ、相手にはそちらの治療もしてもらわねばならないだろう──そうすれば、とりあえずこいつらからも引き離せる。そう算段を立てれば、長い息を吐いて忍耐力を培い。我ながら、この大ごとの解決策にしてはあまりに荒唐無稽な案だと遠い目をしつつ、本来は獰猛な魔獣たちを見事に掌の上で転がしている相手の背中に頼みごとを。)

……、なあ、そいつらがお前の言うことを聞きそうなら、ちょっと頼んでみてくれないか。下流のダムを取り壊して、運河の邪魔にならない支流のどこかで営巣してくれ、って。それで通るようなら、お互い丸く収まりそうなんだが。




(/丁寧なご連絡ありがとうございます、ご予定かしこまりました……!

全体的な流れの詳細な案に関してですが、これまでにない新しい試みに今からわくわくしているくらいで、是非ともその方向でお願いいたします。
今までは言うなれば、1:全てのきっかけが起こったシルクタウン編、2:バディ関係構築のグランポート編、3:それぞれの思慕が深まり定着した建国祭編、2.5:その感情が芽生えつつあったダブルベッド事件編……というように、じっくりと土台作りにあたってきたかと思います。一方これからのストーリーでは、ふたりの絡みがいよいよ日常に当たり前に溶け込んでいくということで、猛アタックと小狡い回避のじゃれ合いがこれまで以上にしっかりと映えそうで……!
日課の確立はある種の王道テンプレ感を堪能できそうですし、「おまじない」関連という口実のもと、いろんな小事件を一口ずつ味わう手軽さもたまりません。そうして共同捜査するうちに、相手と共に動くことがいつの間にやら至極当然になっているであろうところにも進展を感じて萌えます……とにかく素晴らしい流れです、ありがとうございます。差し当たって最初のうちは、ビビがきりりとかっこよく活躍するような小話を共に楽しませていただければと!
おまじない編にかける期間の長さについても、同じようなものを希望しておりましたのでご心配なく。使い勝手の良いダイジェストを進行を用いるにあたって、時間に充分ゆとりを持つほうがのびのび構想できますし、秋の食事に舌鼓を打ったり、互いの冬服姿を鑑賞したり、季節の移ろいから共に過ごしてきた時間の長さを感じ入ったりするのも楽しそうです。(類似の季節モノ要素として、黒い館編の前後を問わず、クリスマスイベやカレトヴルッフ総出の忘年会、なんていうのもいずれやってみたいという願望をそっと置かせていただきますね。随分と気が早い話ですので、おまじない編が落ち着いたころにでも、また相談させていただければと思います。)

自宅イベントや、ギデオンがやがて抱き始めるクソデカ感情についても、歓迎していただけたようで何よりです!
今のところ、この先しばらくのギデオンはある意味開き直るというか、「あの日の夜に『事情があって応えられない』と一度きちんと伝えた以上、彼女の相変わらずのアタックをこちらが軽く受け流してももう問題はない、誠意を欠くことにはならない」からと、彼女との関わりを保ちながらものらりくらりする予定でいます。そのくせ心の奥底では既に大きく絆されているので、他の男がビビを攫いそうになったら何食わぬ顔で妨害に出そうです。容姿や仕事ぶりはなまじ良い部類でありながら、「昔は散々女遊びをしていたくせに、ようやく見つけた本命相手にはいろいろバグった挙句?せ我慢を決め込む」という酷い拗らせぶりなので、マリアやエリザベス、レオンツィオをはじめとしたカレトヴルッフの面々は呆れ返ると思いますが……!笑 この辺りのコメディも、おまじない編の中に追々混ぜさせていただければ幸いです。

物語のために、ご多忙な中お時間を割いてくださっていることは重々承知しておりますので、相談事項や特別なご感想などがなければ、お返事は落ち着かれるまでお構いなく(読み流していただいても大丈夫です)。こちらの方も、主様の添えてくださった心遣いを、何度も嬉しく読み返しては日々の励みにしております……! 蒸し暑い日々が続きますが、どうかゆったりとご自愛くださいませ。/蹴り可)






167: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-08-27 17:20:46




っ!ありがとうございます!!ギデオンさん大好き!

( 苛立った調子で頭を掻き毟るギデオンは、どうやらアーヴァンク達のことが嫌いな様だ。下流であれだけの激闘を繰り広げた上、先程までの心配ぶりを思い出せば無理もない。彼らが凶暴な魔獣ということを差し引いても、これで攫われたのが逆の立場だったら、と思えば気持ちはよく分かり。さて、どう説得したものかと薄く唇を開きかけたところで、ビビが二の句を次ぐ前に、長い長い溜息と共に此方の判断を尊重してくれた相棒に一瞬目を見開き──やっぱり大人だなあ、と高鳴る胸に目を細めれば、心から湧き上がる感謝に勢い良く頭を下げて。成り行きで親交を深めることとなった魔獣達に、それなりの優しさを見せてはいるとはいえ、根は案外現実主義なビビである。普段ギルドの冒険者たちや人前では控えるような、2人きりの時にしかしない甘えた感情の発露を見せたのは、アーヴァンク達をただの魔獣としか見ていないからで。素直な感情を溢れるままに、満面の笑みで真っ直ぐにぶつけるビビとは対照的に、背後のアーヴァンク達には下流でやりあった時同様かそれ以上の迫力が宿る。それでも振り返ったビビに「良かったねー!」と、高いテンションのままに抱きしめられて、頬擦りまでされてしまえば、振り上げた前歯のやり場を失う様にオロオロと頭を振って、とうとう観念することにしたようだった。 )

──おまじない、効かなかったですね。

( それから、愛しのヴィヴィアン直々に心をポッキリ折られた魔獣達も連れて素の外に出ると、氷上はでっぷりと一際大柄なアーヴァンクと、ずっとビビに熱を上げていた船員による熱い一騎打ちとなっていた。双方それぞれに肩を組み、野次を飛ばし合う彼らの耳目が一斉に此方を向いたかと思うと、駆け寄ってきた船員達の筋肉に背後のアーヴァンク諸共もみくちゃにされるという一幕もあり。そんな彼らを魔獣たちも含めて一列に並ばせ、お詫びも兼ねて治療にあたっていたビビだったが、2人と1頭をこなしたところで、面倒になったようで一纏めにそれぞれの勲章を癒してみせるという大技も披露した。アーヴァンク達はと言えば、ビビに頼まれれば、先程ギデオンが提案した内容をあっさりのみ、ビビが定期的に仕事で訪れる郊外のほど近くに引越しを約束してくれる安定ぶり。身体的にも精神的にも疲労の浮かぶ船員達にもお詫びと感謝を伝え終わって、やっと水位も戻り始めた夕刻。再び船に乗り込まんとしている乗客たちの中で、ギデオンの腕にそっと触れればぽつりと呟き、昼間船員たちと同時に1度治療したそこへ、もう一度柔らかく魔法をかけて。 )


( / こちらこそ毎度格段の御配慮をありがとうございます。
お気遣いを無下にするようで申し訳ございませんが、進行に必要な部分に絞らせていただいて失礼致します。

まずは期間や進行方法へのご理解感謝致します。ギデオン様の今後暫くのスタンスも確認致しました。諸々楽しみにしております。

・訪れる場所について
最初に娼館で遭遇する初日は、数件他の娼館も周って、ギデオン様馴染みの女性達にお会いしたり、ボロを取り繕えていないギデオン様を拝見したりしたい。
翌日以降、初めての待ち合わせの後、魔導学院に向かい、他の場所でも噂が蔓延していることを聞く。→様々な場所訪れる流れへ。
以降、時間を飛ばしつつご提案の場所に行くイメージ。先々でギデオン様と関係があった女性が出てきたりすると、本章の趣旨が叶うのかなあと。(教会とか罰当たりですが笑)

・ギデオン様のご自宅訪問について
上記の繰り返しの中で、待ち合わせに来ないとか、急なキャンセルとかで心配したビビが、マリアさんに話を聞いて訪問するイメージ?

・ビビの暮らし
現在自分の稼ぎのみでギルド周辺の下宿暮らし。郊外に実家にあたる豪邸あり。幼少期から魔導学院の寮暮らしのため、経済的ギャップによるお嬢様ムーブは少ないが、監視の目が厳しかったので世俗には疎め。家事スキルは非常に高い。

・終盤の展開について
夢魔はあくまで精力目的のイメージなので殺しはしないかと。最悪で発狂を想像していたため、エクソシスト賛成。最後の被害者は、序盤で学院を案内してくれたいい子とかが被害者とかでもいいかもしれない。

必要事項のみと申し上げたにも関わらず、長文大変失礼致しました。背後様もご体調にお気をつけてお過ごしください。以上で問題がなければお返事には及びません。 )




168: ギデオン・ノース [×]
2022-08-27 22:48:59




(やけに意気消沈した様子のアーヴァンクたちは、それでもヴィヴィアンの可憐な“お願い”の甲斐あって、例の条件をあっさり飲み込んだらしい。ギデオンたちを背に乗せて下流に戻れば、ブドウ弾で半壊していたダムの残りをあっという間に取り壊し、瓦礫も残らず撤去するという、完璧な快諾ぶりを見せつけてくれた。連中が彼女の元に「褒めて褒めて!」と性懲りもなく押し寄せる光景に再び辟易させられながら、いきりたつ船乗りたちとともに止めに入ったものの。とにかくこれで、運河は無事に水かさを取り戻すことだろう。奴らの肝心の新居は、やはり懲りずに、ヴィヴィアンが時折立ち寄るキングストン郊外に作るそうだ。──そうして、拍子抜けするほど呆気ない問題解決を遂げた、その日の夕べ。やたら疲れる一日だったと振り返りつつ、赤い陽射しに照らされた船乗りたちが元気よく乗船案内をする光景を眺めていると、ふと片腕に控えめな感触。そこまで感情は込めずに、けれど確かに気遣わしげに添えられた相棒の言葉に振り向けば、長い睫毛に縁どられた若葉色の瞳の中に、曖昧に複雑な、淡い落ち込みの色を見出す。何か言おうとゆっくり口を開くも、暫しそのまま留まったのは、かける言葉を間違えたくなかったからで。……ギデオン自身は、おまじないなどという女・子どもの好きそうな代物を、ほとんど試したことがない。若い頃に寝た女の何人かが、「次もまた会えるように」と揃いの飾り紐なり腕輪なりを贈ってきたことならあったのだが、薄情にも、それを実際に身に着けたりはしなかった──「会いたいときにちゃんと会いに行くから」とはっきり伝えて、強引に引き寄せた相手の額なり唇なりに甘いもののひとつでも落とせば、それはそれで彼女たちのお気に召したからでもある。要はそんなもの、夢想的なお遊びに過ぎない、当人の持つ意志の前にはくだらない、と。そう軽んじる考えを抱いてきたはずのギデオンでさえ、昼間の相手の口づけに込められた温かな祈りに今更気づけば、口にする言葉に迷う。……適当に軽く笑って流すのは、きっと違う。そう感じて答えたのは、優しく治癒魔法を重ねてくれる薄い手に、己のもう片方の掌をそれとなく重ねながらのこと。いくらあのアーヴァンクたちが例外的に能天気だったとはいえ、すべてを解決した突破口は他ならぬヴィヴィアン自身だ。傷だってこのとおり、あの巧みな魔法のおかげで既にほとんど塞がっている。物事の良い面を、自分が皆にもたらした素晴らしい成果をもっと見てほしい、と。こちらもそっと、相手の顔を軽く覗き込みながら礼を告げて。)

おまえがああしてくれたから、逆にこれだけで済んだんだろう。本来なら、腕を丸一本持ってかれたっておかしくはない相手だったんだ。……つくづく、今日はありがとうな。






169: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-01 01:36:19




──……なんで、そんなに優しいんですか。

( 冒険者にとって武勇を表す勲章ともなり得る向こう傷を、勝手な心配のままに否定できる言葉も立場も持ち合わせていないから。そっと優しい腕を撫でながら、あくまで自分のかけたおまじないの無力さを嘆く振りをする。ビビの視界の中で誰より強く美しい相手を目の前に、己の卑怯さに唇を引き結んだその瞬間。添えられた手の温もりと、ごく自然に寄せられた顔の近さには思わず薄く頬を染めてしまうも──誰にでも言ってるんだろうなあ、なんて。ギデオンが自分に対し、特別に心を砕くことなど有り得ない、そう勝手に期待する鼓動に言い聞かせれば、引かない頬の赤みを、今更誤魔化すことは諦めて。そのまま真っ直ぐに相手を見つめ返しながら、完全に言いそびれていた感謝の言葉を重ね。ほうっと緊張が緩んだような息を漏らせば、重ねられた手の甲に額を乗せて、じんわりと移り始めた手の温もりと、顔の見えない安心感に珍しく弱音を漏らしたヴィヴィアンが、相手から想像以上に大切にされていることを自覚するのは数週間後の話。 )

こちらこそ、助けに来てくださってありがとうございました。嬉しかったです、本当はその……ちょっと、怖かったので。


( 擾乱の夏が過ぎ、建国祭から一ヶ月もたてばキングストンに秋の足音が近づいてくる。とはいえ仕事終わりのヴィヴィアンに、魔導学院から依頼もとい頼み事、という曖昧な呼び出しがかかったのは、未だ残暑の厳しい時節のことだった。──恩師のシスター曰く、1ヶ月ほど前から女生徒達を中心に"幸せのおまじない"なるものが流行っていると。それだけであれば何も気にすることでは無いのだが、当初こそよくある可愛らしい内容だったそれは、次第に誰かを害すような不穏な物に変わっていったという。実際に不調を訴える者や、お呪いを"使った側"と思われる生徒が引きこもるようになったりと、現実の被害が無視できないものとなって調査を始めたものの。前半のそれとて、後半のそれなら尚更、多感な年頃の少女たちは教師相手に中々口を割らない。ならば相談しやすい第三者を、という声が持ち上がっても、学校法人の隠蔽体質というのはどこも変わらないもので。数年前まで在籍し、今はギルドの冒険者といううってつけな人材に白羽の矢がたったというわけ。そうして調査に乗り出すも、仕事終わりの短時間の捜査では、その少女に辿り着くまで2週間ほど要した。噂を学院内に持ち込んだ少女は、休日に彼と出かけた先で聞いただけだと、手元の水晶を弄ぶ。早熟な印象の彼女が口にした連れ込み宿の店名は、ビビが学生だった頃にもやはり早熟だった同級生から「ここ先生の見回り少ないからオススメ」と共有されたものと同じで、嫌な伝統だと苦笑せざるを得なかった。
で、あるからして──よりによって翌日の夕方、このタイミング。ヴィヴィアンが連れ込み宿や娼館の立ち並ぶ、この区画を訪れることとなったのは、悲惨な偶然としか言いようがなかったので。わかり辛い位置にある宿を探すため、手にしていた地図から顔をあげた瞬間、よく見知った相手の様子に笑顔のままピシリと固まって。 )




170: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-01 17:13:02




( / お世話になっております。ヴィヴィアンの背後です。今回お詫びしなければならない点がございまして、大至急連絡差し上げました。
昨晩の返信についてですが、以前に話し合った『元馴染みの娼婦に縋りつかれているところに遭遇』というイメージが強かったため、あの結びとなったのですが、読み返してみるとギデオン様の行動を制限してしまっている良くないロルだと今更反省しております。大変申し訳ございません。
現在、ビビは目的の宿に向かう最中に娼館の前を通りがかっている最中、ということで最後のロルと台詞は無視していただければと思います。勿論既にお返事をご用意していただいているようであれば、書き直しには及びませんので、ご負担のない形にしていただければ幸いです。
この度は大変失礼致しました。今後このような事がないよう気を入れ直して参る所存ですので、引き続きお付き合いいただけると嬉しいです。)




171: ギデオン・ノース [×]
2022-09-01 20:19:55




戦士だからな、後援の仲間を助けて当然だ。……お前も無事でよかったよ。

(安堵したような小さな吐息。次いで、猫が額を摺り寄せるような仕草で温かく触れられれば、あまりに信頼に溢れたそれに内心動揺し、青い視線がかすかに揺らいだのだが。ぽつりと落ちた小さな声にふと表情を変えると、相手のつむじを静かに見下ろし。片手をそっと引き抜いて、その形の良い頭を二、三撫でてやることにした。──溌溂としたヒーラー娘、ヴィヴィアン・パチオは、その朗らかな笑顔の奥に、冒険者としての確固たる誇りを熱く宿した娘である。ギデオン自身、グランポートの海上でそれを見誤り、怒りを買って引っかかれたクチだ。その彼女がこうして、怖かった、と打ち明けるのは、やはり、それなりに自分は彼女の信頼を得ているのだろう、と理解するには充分で──それでいて、彼女の複雑な胸中を読み取るまでには至らなくて。ぽんぽん、とあやすような手つきを残すと、タラップに続く列が動いたのを見て、穏やかな声を落とした。)

……ほら、帰ろう。明日の昼には、キングストンだ。


(──果たして、そんな初夏の一幕から2カ月も過ぎた頃。熟練戦士のギデオン・ノースはその日、所属ギルドであるカレトヴルッフ本舎に、貰ったばかりの依頼完了書をすぐには届けないことにした。理由は単純、厄介な同僚戦士たちと顔を合わせないためである。何せ最近のあいつらと来たら、この残暑でついに頭が茹で上がったのか、「ビビちゃんといったいどうなったわけ!?」と鬱陶しいことこの上ないのだ。建国祭の期間中、若い彼女との妙な噂は一度鎮火したように見えたが、どうもそうではなかったらしい。「いや、どうなったも何もないが……」と落ち着き払って答えれば、連中は目をくわっと?き、ギデオンの胸倉に掴みかかって、「あんなにしょげてたビビちゃんがまた元気になって、同時におめえまでなんか顔つき柔らかくなってんだろお!? 何もねえわけねえだろが! 吐けよ! 花火観ながら何話したんだよクソ野郎!!」と、妙に鋭い勘を働かせてくる始末。以来しつこく追及され、煙に巻くのも面倒になってきたところだった。……そんなに自分の顔はわかりやすいのだろうか、と気になりはするのだが、それでも、あの夜時計台でヴィヴィアンと交わした会話を奴らに口外する気はない。それに今夜さえやり過ごせば、連中は長期クエストでしばらくギルドを留守にするので、また静かな日々を取り戻せるはずである。そう考えて、魔物狩りに出ていた郊外から自宅に直帰することにしたのが、しかし運の尽き。別の、長い長い面倒ごとの始まりとなってしまった。──同じキングストン市内でも、重要施設や歴史的建造物が居並ぶ中心部に比べ、西部のこの辺りは猥雑な街並みである。形ばかりの検問所を抜ければ、そこは華やかな所謂花街。例え目抜き通りであっても、お天道様が姿を消すなり、見目の良い男女が客引きに躍り出てくる。無駄に風貌の良いギデオンは、蠱惑的な衣装の娘たちからくすくすと声をかけられることも珍しくはない。それでも慣れたもので、平然とただ無愛想に、すべてを無視して突っ切っていけば、この色町より更に暗々たる場所に居を構えた自宅まで、まっすぐ帰りつくはずだった。「何だ、あんた生きてたのかい」と、やけによく通るしゃがれ声で呼び止められるまでは。思わず足を止めて振り向けば、そこには煙管片手に立っているけばけばしい身なりの老女。脇に黒服の護衛の男を二人侍らせたその威風堂々たる佇まいには、嫌でも見覚えしかないというもの。黒い毛虫がのたくったような付け睫毛をにたりと歪め、ギデオンがかつて何度か通った娼館『サテュリオン』のやり手婆その人は、愉快そうに囁きかけてきたのだ。「なあ、あんたにゃ昔散々貸しといたさね。うちの娘たちのことで聞いてほしい話があんだよ。──恩返しと思って、哀れなばばあにちょいと頼まれておくれよ」と。)

(そんなわけで、ちょっとどころではない頼みごとを、それより更にちょっとどころではない過去のあれこれの恩返し、もとい清算のため、引き受けることになったギデオンである。完全無報酬の依頼だが、抜け目のない婆のことだ、どんなに忙しくともギデオンなら断らない──否、断れないと踏んでいたのだろう。だからここしばらくは、昼の仕事が終わるなりこの三業地に赴き、可憐な辻君たち相手に聞き込みなど興じている。今日の調査対象は、一見普通の酒場にも見える『豊穣のホルン』の看板娘が一人、フィオリーナ。店内は早くも満席のため、通りに面したテラス席に腰を落ち着けて話し込もうとすれば、巻き毛の美婦はギデオンの膝に乗り上げてくるしたたかぶりで。「ねえ、もう一年はこっちのほうに来てなかったんじゃないかしら」くすくす笑いながらしなだれかかり、何ら感慨を浮かべていないギデオンの顔を、すべらかな指先で揶揄うように撫でるその手つき。かの偉大なるギュンター大佐を常連として縫い留めているのも、この熟れた手管なのだろう。「“おまじない”の話はしてあげるけど、ここじゃ聞き耳を立てられてしまうわ。“2階席”なら、きっとナイショ話にも向いてるのではなくて……?」だなんて、意味深な菫色の瞳に甘く乞われたところで、ギデオンの心は揺れず、寧ろうんざりしたようなため息を吐くだけだ。今はもう、その気がない。槍使いのホセと若妻が内々に挙げた私的な結婚式に出席して以来、どういうわけか、刹那的な快楽を求める気持ちが完全に湧かなくなっていた。「悪いがここで話したい。“夜食”を食べに来たわけじゃないんだ」そう言い、相手の肩を軽く押すようにして上体を離れさせれば、フィオリーナは少女のように唇を尖らせる。三十路手前にもかかわらず自然に愛らしいその仕草こそ、彼女の高い指名率の所以に他ならないのだが、生憎それはギデオンの目にまったく入らなかった。彼女と距離を取った瞬間、開けた視界の奥に見つけてしまったからだ。外の通りから石になったようにこちらを凝視する、この不埒な街にあまりにも似つかわしくない……夏中見てきた相棒の顔を。──いや、嘘だろ、何故。どうしてこんな場所に! ギデオンもまた、予想外の事態にただただ頭が真っ白になって凍りついていると、不審に思ったのだろう、フィオリーナがくるりと振り向き。「あら?」と小首を傾げ、ギデオンとヴィヴィアンをちらちらと交互に見遣ること2往復。状況を把握した途端、「あらあらあら!」と今度はやけに楽しそうな笑い声をあげ、ギデオンの膝からするりと滑り降り。テラスの柵からたわわな胸元ごと身を乗り出すと、「彼のお友だちかしら? ねえ、お手元のそれは地図よね、この辺りのどこかへお出かけ? 案内してあげるから、貴女もこっちにいらっしゃいな!」そう屈託なく微笑みながら、何やら面白い関係らしい、やけにうら若い“彼のお友だち”を、おっとりした声で呼び込んで。)





(/こちらこそいつもお世話になっております!
お詫びいただいた内容についてですが、実はこちらとしてはまったく差し支えない展開でしたので、どうかお気になさらず。もともとこの展開のイメージを強く持っていましたし、むしろ実際に取り入れてくださってとても嬉しかったです。本日リアルで忙しくしていたため推敲→投稿するのが夜の時間にはなりましたが、上記ロル自体も実は朝の段階でほとんど書き上げておりましたので、主様にいただいたそのままから何も問題なく続きを書けております。なのでどうかお気に病まれず……!
また、逆に自分はどちらかといえば、物語性優先のこうした確定展開を大歓迎しております。ある程度相性が合わなければ難しい、贅沢な遊びであると捉えておりますので……。なので、何か仔細がある場合などは遠慮なく相談を持ち掛けますから、どうか固く畏まらず、ゆったりくつろいだお気持ちでビビサイドのお話を紡いでくだされば幸いです。(何せ当方自身、普段から大いに好き放題させていただいておりますので……! いつもありがとうございます。)

この後の展開についてですが、
・テラスに寄る→3人で話、そこで共通の目的が発覚
・テラスを離れる→ギデオンが追いかけ、2人で話して共通の目的が発覚
と、どちらでもこの先に向けた対応がとれますので、或いは上記にない第三の道を含め、お好きなしていただいて構いません。フィオリーナはぽっと出のキャラなので、ギデオンへの働きかけなども合わせて、遠慮なく自由自在に動かしていただければ。彼女の勤める酒場『豊穣のホルン』は、一階で飲み食いし、気に入った給仕の娘を二階の宿に連れ込むような形態をイメージしておりますが、こちらもお好きに料理していただければと思います……!
ノリノリで書きたいだけ綴ってしまいましたが、ふたりで話すようになればまた適度に落としていきますので、ロルの長さにもお気遣いなく。今後ともよろしくお願いいたします。/蹴り可)





172: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-02 21:30:50




──ありがとうございます。でも“仕事仲間”のプライベートを邪魔したら悪いですから。

( それは宿周辺で聞き込みをするにあたり、普段の冒険者スタイルでは警戒され聞けるものも聞けなかろうと、一度帰って私服に着替えたことを後悔し始めていた頃だった。数歩進むごとに店の名を聞かれ絡まれるのに心底うんざりし、自分はこの地区の人間ではないという主張もかねて取り出した地図の無防備さがまた、声をかけてくる輩の質の悪さを助長させていることにも気付けないまま、踝丈の黒いスカートと揃いの胴衣に、深緑のエプロンを身に着けただけの、ローブも杖もないディアンドル姿では力尽くで押し切ることもできずに、距離だけなら数分で行ける猥雑な夜道に何十分も足をとられている。遠慮のない下卑た視線をビビの胸元や下半身に向ける男たちの急所に、ファイヤーボールをお見舞いしてやる妄想のループが3桁に到達する頃、それでも恩師のためにと奮起してあげた視界へ、人目もはばからずに、美しい女の柔らかそうなまろい臀部をその膝に乗せ、その華奢な肩に手を回している意中の男を捉えてしまえば、その内心の荒れようは相当なものだった。──人の幸せを奪ったまま、自分が幸せになるのは許せないのではなかったのか。あの夜そう声を震わせていたとは思えない相手の姿に、いや、自分以外とでもいいから幸せになれといったのは誰だと、“元気”があってなによりじゃないか。といった投げやりな己の思考が一瞬前の自分をあざ笑う。女の自分でも赤面するような可愛らしい笑い声と共に、少し高いテラスから豊かな胸が目の前に突き出されれば、大きさなら負けていない自身のそれを一瞬見下ろして、やはり2カ月前の同室の夜に押し倒しておくべきだったかと、思い出だけでももらっておけばという、破滅的な似合わない思考さえ頭をよぎる始末。この女性が本命ならば、確かに失恋し傷つきはするが、ギデオンが孤独でなくなったことを笑顔で祝福した。ただの性欲処理ならば私でもいいじゃないかと、何度も言うが大きさなら負けていない胸元を張り、どちらにせよ私というものがありながら薄情なものだと、彼女でも何でもない立場で浮かべるにはやや理不尽な怒りが沸き上がり。何故か自分を呼び寄せようとする美女の意図に困惑しつつも、その申し出に隙のない笑顔でお礼を告げ、相棒からあっさりとランクダウンした男にそれは冷ややかな視線をチラリとむけてすぐにフィオリーナに視線を戻し。小さく会釈をしてから別れ際、ギデオンにも聞こえるよう言い放ったそれは、確かに聞き込みの用事があるのは嘘ではないが、ギデオンに対する完全なる負け惜しみで。 )

場所も大方は把握してますし、私も用事があるので失礼します。


( / 寛大なお言葉ありがとうございます。そう仰っていただけますと非常に救われます。読み返していた際にどうしても気になり取り急ぎ連絡した次第ですので、決して背後様のお返事に対して遅いと感じたりですとか、ましてや急かしたりする意図はなかったことだけはお伝えしたく……!
毎度細部までお気遣いのこもったご返信になんとお礼を申し上げればよろしいかわかりません。此方も背後様の紡ぐ素敵な物語に日々癒され、萌えておりますので、これからも背後様の素敵な世界観溢れるロルを拝見できることを楽しみにしております。此方も背後様同様に確定を歓迎しておりますので、今回はすり合わせをする前に好みに差の出るロルを回してしまったことを謝罪いたします。大変失礼いたしました。
今後の展開についてですが、その身一つで地位も名誉もある男性と渡り合うような強くも、可愛らしいフィオリーナ様と是非お話させていただきたかったのですが、あの場面でビビがテラスに寄る自然な展開が思い当たらず、上記の展開とさせていただきました。離れようとするビビを呼び止めて3人でお話しする展開でも、追いかけてから2人でお話しする展開でも、進めやすいようにしていただければ幸いです。
文章量に関しましてもお気遣いいただきありがとうございます。毎回本当に読みやすく魅力あふれるロルで、毎回世界観に引き込まれている内に読み切ってしまいます。この先の痴話げんかパートも楽しみにしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。/蹴り可 )




173: ギデオン・ノース [×]
2022-09-03 01:46:44




────ッ、

(遠目にもはっきり読み取れたヴィヴィアンの表情は、ショック、怒り、傷つき──そして心からの失望と軽蔑。建国祭最終日の朝にあったあのひと悶着など比にならない、決定的過ぎるそれらを見れば、この状況をどう思われたか嫌でも理解できてしまって。固くこわばった表情で口を開きかけものの、ぴしゃりと心を閉ざすような一声を残した相手は、既に立ち去ろうとしているところ。もはや思考すら挟まずに、ほとんど反射的に椅子を倒して立ち上がれば、上着をさっと引っかけながらフィオリーナに向き直る。「後日また来る」、詫びすら省いた念押しの言葉をそう短く告げれば、テラスにもたれたままの美女は可笑しそうにくすりと微笑み、「大事な娘なのね。ちゃんと話していらっしゃい」と温かな声援を。しかし、それに応じる時間はもう残っていなかった。ましてや、こちらが出ていくと見るなり嬉しそうな顔をしていそいそテラスを上がってくる、まるで下手糞な変装のギュンター大佐に気づく余裕など。とにかく彼女を追わなければ、と。そのことで頭がいっぱいで──階段を駆け下り、急いで走り出した頃には、すれ違う何人かの女の手首に奇妙な紋様が描かれていることなど、到底目に入るはずもなかった。)


ヴィヴィアン、ヴィヴィアン、待ってくれ!

(明らかな焦燥の滲む声を華奢な背中にかけながら、人ごみを抜けて通りを駆け抜け、ようやくのことで追いつくと。歩調を合わせて勝手に横並びになり、呼吸を浅く整えながら、珍しく必死な表情でどう切り出すべきか思い悩む。……そもそも、よりによってこんな風俗街に、しかも普段とは違う年頃らしい装いの相手が来ていること自体、ギデオンが大いに狼狽えるには充分で、ともすればその辺りにまで思考がとっ散らかりそうだ。正直、そこのところの訳も今すぐ本人に問いただしたい、ものすごく問いただしたい。が、絶対にそれが先じゃないことくらい、さしもの朴念仁にもわかる。優先すべきは己の身に起きている大変いたたまれぬ誤解、それを早急に解くことで、何よりの死活問題だ。でなければ、春から続いてきたこのうら若いヒーラーとの関係がきっと破綻してしまう、それだけは断じて回避しなければならない。そうして──時間にしては数秒程度だろうが、ギデオンの頭は目まぐるしく回っていたので──散々に迷った末、ようやく口から出てきたのは、相手の怒りをある程度受け止めつつ、どうにか説明させてほしいという懇願。す、と先回りして相手の前に立ちはだかると、見るだに恐ろしい相棒の娘の顔をそれでもまっすぐに見つめながら、衆目を集めぬようにと、やや落とした声で試みて。)

…………、誤解されてもおかしくない状況だったのは認める、が……事実じゃないことで、おまえと無駄に拗れたくない。──頼む、話を聞いてくれないか。





(/数々のお心遣い、誠に痛み入ります……!
直近の展開についてのイメージ共有助かります、ありがとうございました。ロル中におまじない関連の伏線っぽい何ものかを仕込ませていただきましたが、こちらはロルの体裁を整えるためだけに適当に盛り込んだものですので、何か裏設定を考えているだとか、この先どこかで回収したい要素だとかというわけではございません。と、こちらからもちょっとした必要事項のみ連絡させていただきます……! 引き続きよろしくお願いします。/蹴り可)






174: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-03 23:45:52




( この地区に足を踏み入れた時点で、まだ西の空にうっすらと橙の光を残していた目抜き通りも、今や完全に日が暮れて。立ち並んだ店から仄かに漏れ出る光の影に、やけに密着して歩く男女が増えてくる。時たま上がる品のない笑い声も、染み付いた酒と煙草、軽薄な香水の香りも、全部全部大嫌いだ──先程までは数m進むのにも苦労していた人混みを、怒りに任せて早足に突き進む間、女性の肩に回されていたギデオンの腕が何度もフラッシュバックしては、鼻が痛んでじゅんと目が潤んだ。これ以上なく酷い気分だというのに、背後からかけられる切羽詰まった声を嬉しく思ってしまう自分も確かに存在する。そんなぐちゃぐちゃに乱れきった感情を整理しきれずに、横に並んだ相手を無視したものの、立ちはだかられてしまえば止まる他なく。 )

ッ大丈夫です。少し驚いた、だけですから……

( 本当はわかっているのだ。ギデオンとの関係は、一方的な片思いを許されているだけの曖昧な関係で。彼に大切な人ができようが、誰と関係を持とうがビビに断る義理がないことを。それでも建国祭の夜、相手に少しだけ近づけたと喜んでいた自分は如何に滑稽だったろう。目の潤みが下瞼の縁を乗り越えるのを、自尊心だけで踏みとどまっている。惨めな自分をこれ以上見られたくなくて、何が大丈夫なのか自分でもよく分からないまま、体をねじって相手の脇をすり抜けようとするも、誰より大好きなギデオンに頼まれてしまえば、どうしたって後ろ髪を引かれてしまう。ゴミの転がった道へ一度踏み出した右脚を、無言で左脚の元に戻して、どうしようもない不安ごと自分の左腕を抱えるも、ギデオンの顔を見ることは出来なかったから、見つめられていることに気づくことは叶わなかった。 )

…………。




175: ギデオン・ノース [×]
2022-09-04 18:56:30




………………

(夕刻もとうに過ぎ、夜の帳が下り始めた薄暗い路傍にて。相手が背けた目元こそよく見えずとも、その声音や熱く震える息遣いから、今にも溢れだしそうなものを必死に堪えているのがひしひしと伝わってきて。最初こそぎょっとしたギデオンも、すぐに苦々しく顔を歪め、何も言えずに視線を落として立ち尽くす。ヴィヴィアンを──初めて、泣かせた。他でもない自分のせいだ。その事実に酷く打ちのめされるが、彼女のショックは自分より余程大きいはずで、それを思うとますますやりきれない。──彼女とは別に恋人同士でもないのだから、ギデオン自身に操立てをする義務はない。だがそれでも、自分は彼女の好意を知っていて、応じずとも受け止める関係を了承している。彼女の心を、適当に扱って良いわけがない。……本当に大事なら、正しい言葉を慎重に選ぶべきだ。そう思考を落ちつけると、顔を上げ。近くの浮浪者が修羅場と見て野次を飛ばしてきたのに、「失せろ。……聞こえなかったか、失せろ!」と、珍しく声を荒らげ追い払ってから。未だあちこちに目をさ迷わせつつ、ぽつりぽつりと話し始め。)

……さっきの女と会っていたのは、依頼されてる案件の、聞き込みをするためだ。ああいう店だから、向こうにもそういう目的だと思われて……ああいう風に振る舞わせて……驚かせてしまったが。
あの日にお前と、あんな会話をしておいて……他所で遊び呆けたりしないし、……お前に、嘘をついたりもしない。──嘘は、つかない。




176: ギデオン・ノース [×]
2022-09-04 18:59:06




………………

(夕刻もとうに過ぎ、夜の帳が下り始めた薄暗い路傍にて。相手が背けた目元こそよく見えずとも、その声音や熱く震える息遣いから、今にも溢れだしそうなものを必死に堪えているのがひしひしと伝わってきて。最初こそぎょっとしたギデオンも、すぐに苦々しく顔を歪め、何も言えずに視線を落として立ち尽くす。ヴィヴィアンを──初めて、泣かせた。他でもない自分のせいだ。その事実に酷く打ちのめされるが、彼女のショックは自分より余程大きいはずで、それを思うとますますやりきれない。──彼女とは別に恋人同士でもないのだから、ギデオン自身に操立てをする義務はない。だがそれでも、自分は彼女の好意を知っていて、応じずとも受け止める関係を了承している。彼女の心を、適当に扱って良いわけがない。……本当に大事なら、正しい言葉を慎重に選ぶべきだ。そう思考を落ちつけると、顔を上げ。近くの浮浪者が修羅場と見て野次を飛ばしてきたのに、「失せろ。……聞こえなかったか、失せろ!」と、珍しく声を荒らげ追い払ってから。ぽつりぽつりと話し始めていた時にはあちこちにさ迷わせていた青い双眸を、最後には再び、後悔と罪悪感、そしてそれよりも伝えたい自分なりの誠意を乗せて、まっすぐに相手へと向け。)

……さっきの女と会っていたのは、依頼されてる案件の、聞き込みをするためだ。ああいう店だから、向こうにもそういう目的だと思われて……ああいう風に振る舞わせて……驚かせてしまったが。
あの日にお前と、あんな会話をしておいて……他所で遊び呆けたりしないし、……お前に、嘘をついたりもしない。──嘘は、つかない。



(/※ほぼ同一の内容ですが、改稿前のロルが何故かペーストされてしまったため訂正です。/蹴り可)





177: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-05 14:55:18



依頼……よかッ、良かったぁ……

( 珍しく声を荒らげたギデオンに、思わず驚き顔を上げれば、その瞳が頼りなげに彷徨い、それでも最後は此方へまっすぐに向けられるをしっかりと見てしまったのと、『──嘘は、つかない』そんな口先ではなんとでも言える言葉も、ギデオンが言うのなら。高度な理屈も何も無く信じたいと心からそう思えた。故にそれ以上疑う素振りなど微塵も見せずに、相手の言葉を小さく反芻すれば、深い安心の滲む微笑みを満面に浮かべて。笑顔に歪んだ目元から、怒っていた時は頑なに零さなかった涙をハラハラと白い頬へ滑らせる。これだけ態度で示されても尚、恋人でもないのに面倒だと思われてないかだとか、恋心ゆえに目の前の相手にだけは卑屈になってしまう自分にも言い聞かせるように、辛そうに顔を歪めたギデオンの手をとって、世界で一番大好きという単純な思いを伝えるように握りしめながら、その青い目を真っ直ぐに見つめ返して。それからやっと周りに目を向ける余裕が生まれると、恥ずかしそうにはにかみながら手の力を緩め。2人1組で行動することが多くなってから、何となく相手がギルドから依頼されている内容の仕事は把握しているが、この地区を訪れることになりそうな依頼が思い当たらず。ギデオンも自分同様後ろめたくない相手から、依頼され調査していると疑いもせずに、まだ少し濡れている瞳を悪気のない信頼で輝かせて。 )

そう、ですよね。そんな酷いこと、ギデオンさんがするわけないのに。本当にごめんなさい……
"ギデオンさんも"依頼でいらしてたんですね──何を、どなた からの依頼を調べていらっしゃるんですか?



178: ギデオン・ノース [×]
2022-09-05 19:14:06




(苦しい状況だったにも拘わらず、相手は自分の言葉をまっすぐ信じてくれたようだ。怒りや悲しみで浮かべていた涙が、大きな安堵で綺麗に流れ落ちるのを見れば、ギデオンもほっとして張り詰めていた気配を弛める。実際、ヴィヴィアンとの関係が始まる前から、あの手の女で処理をする気がとうに消え失せていたのは事実だ──あの夏を過ごした今となっては、尚のこと。とはいえ、フィオリーナと寝たことがないわけではないので、彼女の信頼溢れる声にはほんの少し心苦しさを覚えはするのも正直なところ。とにかく、今は違うのだということをヴィヴィアン本人が理解してくれたなら、それでいい。ぎゅっと握られていた掌を、はにかみながら優しく緩められても、ギデオンがすぐには振りほどかなかったのは、そういった安心感や、一抹の後ろめたさによるもので。別にいいんだ、と言うように淡く浮かべていた微笑みは、しかし次の瞬間色を失うことになった。)

…………、

(言葉に詰まる一瞬の間、素早く思考を巡らせていたのを、果たして相手には気づかれただろうか。『嘘はつかない』、つい今しがた己が放ったばかりの台詞だが、まさかこんなにも早く墓穴を掘ることになるとは思わず、内心つうと冷や汗をかく──が、あくまでも表情だけは冷静に。小さなヒビ程度なら入ったかもしれないが。とりあえず、要らぬことを言わなければ良いのだ。詳しい話を聞き出されなければ、ギデオンも本当のことだけを話していられるし、相手の信頼を損ねずに済む──彼女に隠れてなにかこそこそする腹積もりがあるというわけでもない。気だるそうな声音で相手の方に水を向けたのは、そういった事情で。)

昔からの知り合いの婆さんが、この辺りに縁があってな。なんでも最近、妙なまじないとやらが広がっているとかで、厄介な気配がするから調べて欲しいと頼まれたんだ。……お前の方は?




179: ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-06 17:14:55




──えっ、本当ですか!?
私も変なおまじないについて調べて……るんです。

( 深く聞かれたくないというギデオンの願いも虚しく、"妙なまじない"という身に覚えのあるワードに、ビビの表情から私的な甘えが抜け落ちて、いつも通りの生真面目なそれが顔を出す。これ以上なく頼もしく信頼のできる情報提供者の登場に、思わず興奮して詰め寄ってしまったが──待って、と、この気味の悪い噂が最早学院内で収まるような規模ではないという可能性に気がつけば、浮いていた踵と共に声のトーンを落としていき。それから一瞬周囲を見渡すと、周りを見習っていつかのようにギデオンの片腕に上半身ごと縋り付く。夜の繁華街で密着する男女の談笑に態々耳をそばだてる物好きはそうそういないだろう。自身の機転にウインクと共に満足気な笑みをギデオンに向けてから、「実は……」と、自身もまた学院時代の恩師に頼まれてここにいることや、おまじないの概要を本人は至って真剣な顔で説明を。艶やかな唇からふう、と細く一息つけば、正式な依頼でない以上言い出し辛そうに、それでも後輩達を初めとした被害者たちに思いを馳せれば、上目遣いに真剣な眼差しをギデオンに向けながら、思わず腕に力が籠ったのは無意識で。 )

人の恋心を喰い物にするなんて……
──ッ、ギデオンさん。この噂、もしよろしければ一緒に……協力して、捜査しませんか。




180: ギデオン・ノース [×]
2022-09-07 06:54:31




は……?

(それはいつぞやの始まりの朝を彷彿とさせる光景。パッと表情を変えた相手がずずいと真剣に詰め寄ってくれば、気圧されたこちらは若干仰け反り……しかし今度は宥めるでなく、困惑の声を漏らす。そんな馬鹿な。花街で広まっている危なっかしい黒魔術もどきについて、何故相手まで調べているのだ。そんな疑問を見透かしたのだろうか、ギデオンの腕にするりと絡みついてきたヴィヴィアンが──不思議なもので、先ほどまでの怒り顔や泣き顔が嘘のようにごきげんだ──自分の引き受けた依頼の背景を、真剣な声音で明かすにつれて。じわじわ湧きあがっていた嫌な予感はますます確信へと変わり、されるがままで固まるギデオンの横顔には焦燥の色が差しはじめる。相手がこれから言いそうなことにはすでにおよそ見当がつく、だがしかし。今回ばかりは、シルクタウンのときのようにおいそれと手を貸すわけにはいかない。なにせ自分は、あの毒々しいやり手婆に、「ここらの蝶たちに多少“顔が利く”だろうから」と調査報告を強要されている身だ。できるだけ早く事を片付けて自由の身に戻るには、婆の不快な目論見通り、己の伝手を頼らねばならない。つまり……自分の過去の悪所通いのほどが、露骨に捜査線に関わってくるのだ。だから絶対に、何が何でも、相手と共有するわけにいかない。仕方がないから、ここは何かうまい言い訳をつけてかわそう、と。無言で相手の話を聞くふりをする間、ゴルゴンの石像より固く決心したものだから。被害者を想って控えめな悲憤の声を落とす相手に、真面目くさって相槌を打ちつつ。上目遣いの大きな瞳を覗き返し、申し訳なさそうな顔を向けて──)

……そうだな、別に、構わんが。

(──向けようとした、はず……で。ぽろりと零れ落ちたのはしかし、何故か思い描いていたそれとは真逆の言葉。……これでもギデオンは、女慣れしているということで、ハニートラップを警戒する必要があるクエストに重宝されてきた人材なのだが。彼女の柔らかなそれを腕に押し付けられた瞬間、彼女の意に添わぬことを働こうとする一切が、どこか彼方へと吹っ飛んだらしい。内心、自分自身の有様に「……?????」と激しく混乱しているのだが、表情だけはいかにも平然としたまま、口からはするすると、妙にそれらしいことばかり飛び出て。)

協力というか、虫除けの連れが必要だろう、お前には。──地図片手に歩いてるようじゃ、声をかけてほしいと言ってるようなもんだぞ。






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