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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
181:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-07 10:54:11
これはっ……う、確かに……。
でも、ギデオンさんが一緒に調べてくださるならもう安心ですよね、ありがとうございます。
( お互い個人的な知り合いからの私的な依頼、その上それこそシルクタウンの際とは勝手が違い、ただ襲い来る魔獣を切り捨てれば良いという訳でもない。現時点でさっぱり解決の目処が立たない厄介な事件は、特殊な事情でもなければ、情報源と人手は多いに越したことはないはずで。まさにその特殊な事情というものに相手が苛まれているとはいざ知らず、控えめに首を傾げながらも、断られる可能性は低いと踏んでいた故に、相手の承諾に対する反応は、あの朝程大袈裟なものとはならなかった。此方の無防備さを咎める指摘に珍しく──何故かギデオンにはよく聞かせている気がするが、子供っぽい不満のこもった声で、地図を出す前から声がけは厄介だったのだと主張しようとして。はたと、出してからの方が男どもが執拗かったことに今更気づいて、気恥しそうに小さく唇を尖らせる。そのまま、猫のように目を細め、ギデオンの肩に頭を擦り付けたのは、誤魔化しが半分と、ちゃっかり役得な体制を満喫してやらんとする気持ちが半分といったところ。今まで一切効果を発揮してこなかったハニートラップを、無意識に成功させていることに気づかぬまま、ある意味無邪気にギデオンを見上げれば、ギデオンがここにいる意味を思い出し口を抑え。冷静に状況を口に出せば、仕事故に我慢こそしているものの、それの意味するところにみるみる赤くなっていき。 )
──それで、その『ウトピア』って宿まで行ってみようと思ってたんですけど、
別にここまで流行ってるならそこじゃなくても……って!ギデオンさんあのお店で聞き込みしてらしたんですよね、邪魔してしまってごめんなさい……今からじゃ、多分、遅いですよね……?
182:
ギデオン・ノース [×]
2022-09-07 14:56:37
(俺はいったい何を。自ら煩労を招くつもりか──と、内心呻き声をあげていた一方で。ギデオンの指摘に不平そうに言い返しかけたかと思えば、素直にばつが悪そうに引っ込んだり。それをうやむやにするかの如く、ついでに良い機会だからと、ご満悦な表情で大いに甘えかかってきたり。相手のそんな、くるくると目まぐるしく変わる、何気なくも色とりどりな表情を目の当たりにすれば。……まあ、仕方ないか、なんて、甘い考えに傾いてしまうのも、否定しようのない事実だった。おそらくギデオンの胸にはまだ、先ほど彼女を傷つけた件の罪悪感が強く残っているのだろう。そうだ、それに違いない、ならば仕方がない、払わねばならぬ代償というやつである。そうして、先月から確かに芽生えつつある感情から諦め悪く目を逸らすように、罪滅ぼしと思って一種の覚悟を決めてしまえば。赤くなりながら慌てる相手を、緩いため息をつきながら見下ろし、気にするなと肩をすくめようとして──)
いや、別にあの女が有力な情報を持ってると確信してたわけじゃないから、気にしなくていい。……、
(──そしてふと、かすかに目を見開く。そうだ、いっそ共同捜査ならば、計画を誘導することで先ほどのような鉢合わせを回避できるではないか。疚しい相手には裏で単独の聞き込みをしておいて、そこで得た情報を彼女との捜査に持ち込めばいいのだ。ヴィヴィアンの、やり手婆に押し付けられた調査も一層早く片付けられる。天啓を得たとばかりにはっきり動き始めた頭は、明確な筋道を組み立て始め。──伯母の店を引き継ぐことになったのよね、と、いつかの枕もとで煙草をふかしていた女の声など、今のギデオンの頭からはすっかり抜け落ちている次第。致命的なミスによって自ら破滅に突き進んでいることを知らぬまま、こちらもいつも通りの仕事モードを取り戻す、真剣な表情を浮かべ、てきぱきした声音で告げて。)
あっちには後日出直しておくから、差し当たってはお前の情報をもとに動いていこう。明日は昼からグレンデル狩りが入ってるから、できれば暇のある今夜のうちに、お前の方で得た心当たりをあたれるだけあたっておきたいんだが……それでも構わないか? 遅くなったら、下宿先には送っていく。
183:
ギデオン・ノース [×]
2022-09-07 15:01:55
(俺はいったい何を。自ら煩労を招くつもりか──と、内心呻き声をあげていた一方で。ギデオンの指摘に不平そうに言い返しかけたかと思えば、素直にばつが悪そうに引っ込んだり。それをうやむやにするかの如く、ついでに良い機会だからと、ご満悦な表情で大いに甘えかかってきたり。相手のそんな、くるくると目まぐるしく変わる、何気なくも色とりどりな表情を目の当たりにすれば。……まあ、仕方ないか、なんて、甘い考えに傾いてしまうのも、否定しようのない事実だった。おそらくギデオンの胸にはまだ、先ほど彼女を傷つけた件の罪悪感が強く残っているのだろう。そうだ、それに違いない、ならば仕方がない、払わねばならぬ代償というやつである。そうして、先月から確かに芽生えつつある感情から諦め悪く目を逸らすように、罪滅ぼしと思って一種の覚悟を決めてしまえば。赤くなりながら慌てる相手を、緩いため息をつきながら見下ろし、気にするなと肩をすくめようとして──)
いや、別にあの女が有力な情報を持ってると確信してたわけじゃないから、気にしなくていい。……、
(──そしてふと、かすかに目を見開く。そうだ、いっそ共同捜査ならば、計画を誘導することで先ほどのような鉢合わせを回避できるではないか。疚しい相手には裏で単独の聞き込みをしておいて、そこで得た情報を彼女との捜査に持ち込めばいいのだ。ヴィヴィアンと動くことで彼女の信頼をより確かに取り戻せるし、やり手婆に押し付けられた調査も一層早く片付けられる。天啓を得たとばかりにはっきり動き始めた頭は、明確な筋道を組み立て始め。──伯母の店を引き継ぐことになったのよね、と、いつかの枕もとで煙草をふかしていた女の声など、今のギデオンの頭からはすっかり抜け落ちている次第。致命的なミスによって自ら破滅に突き進んでいることを知らぬまま、こちらもいつも通りの仕事モードを取り戻すと、真剣な表情を浮かべ、てきぱきした声音で告げて。)
あっちには後日出直しておくから、差し当たってはお前の情報をもとに動いていこう。明日は昼からグレンデル狩りが入ってるから、できれば暇のある今夜のうちに、お前の方で得た心当たりをあたれるだけあたっておきたいんだが……それでも構わないか? 遅くなったら、下宿先に送っていく。
(/改稿漏れ訂正です。たびたび失礼いたしました!)
184:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-08 10:52:03
……はい、ありがとうございます、勿論です!
それではガンガン参りましょう!
( 相棒の賢しらな腹づもりなど知る由もなく、私的な理由で仕事を邪魔されても、一切気にした様子を見せないギデオンの優しさに感動すれば、尊敬のたっぷり滲む真っ直ぐな視線とともに、相手に絡ませている左腕とは逆の手をグッと握って見せる。寛大な相棒に深く感謝して、邪魔してしまった以上の成果はあげてみせると、意気込むビビのやる気に比例するように、それはもうガンガン相手の黒歴史が暴かれていくということも意味しているのだが、それこそ現時点の2人の知るところではない。
──とはいえ普段関わりのないこの地区に、相手が言うような心当たりがそうある訳でもない。相手の土地勘に助けられつつ訪れたウトピアの外観に、何やら薄い既視感を覚えれば小さく首を傾げて。あまり遠くない記憶に引っかかるそれよりは、此方は多少あけすけな看板が目に毒だが、こぢんまりと古ぼけた建築や立地に見合わぬ小綺麗な風貌、普通の宿なら主人が客を出迎えるフロントには誰もおらず、入口から見えない位置にあるカウンターの奥から小さく人の気配が感じられるのみ。そこで鍵と料金の受け渡しをしているらしい様子は、成程、ここがそういう行為するための宿だからだろう。あまりキョロキョロするのも如何なものかと、サッと視線だけでそこまで観察したところで、やっと気づいた既視感の正体は2ヶ月前、今まさに腕を組んでいるギデオンと泊まることとなったグランポートからの帰路の宿で。今更あの宿の不思議な立地と目的に気がつけば、その夜の醜態までをも思い出し、カアッと耳の先まで熱くなるのを感じるが──流石に今思い出してることバレたら恥ずかしくて立ち直れないかも、と右手で数度顔を仰いでから小さな咳払いをひとつ。自分で見上げたギデオンの顔に少しだけ固くなりながら、カウンターに歩み寄るためを装って、さりげなく左手を抜こうとして。 )
……ッ、ヨシ、あ、あの人にお話聞いてみましょうか、
185:
ギデオン・ノース [×]
2022-09-08 13:26:06
(相手が示した住所までの道程は、やはり勝手知ったるものだった。そこ自体を利用していたわけではないが、5ブロックほど離れた位置にある老舗の『クラブ・リリス』の方に、三年ほど前まで世話になっていたからだ。しかし、あまりはっきりリードしては悪目立ちするだろうからと、如何にも熟練戦士らしく、所属ギルドのある市の地図くらい端々までしっかり頭に入れているというふりを。「こっちじゃないか」「たぶんこの小路だろう」などと、いけしゃあしゃあと抜かしながら並んで歩くこと暫し。辿り着いたのは小綺麗な旅籠、つい最近も改装を重ねたばかりらしい。明け透けな看板やそこに書かれた料金表は目にも留めず、平然と中に入るが、そこでふと、隣から漂う落ち着かない気配を振り返る。最初こそ物珍しそうに周囲を一瞥していた娘は、何やらはっとしたかと思えば、次の瞬間首まで赤く染めながらわたわたしはじめる始末。──ああ、あのとき泊まった宿の実態に今更気づいたな、なんて。付き合いの長さゆえの気づきから、口の端を歪めつつ生温い視線を送れば。あれだけ“役得”を堪能していたにもかかわらず振り腕をほどく相手の逃亡を、何ら引き留めることはなく。たださらりと、涼しい顔で追い討ちをかけることにして。)
そうだな、ちゃんと二部屋空いてるか確認してみよう。
(──しかし、そんな愉快な気分も、奥の受付に先に近づいて店員の顔を見た瞬間、跡形もなく吹き飛んでしまう。小指同士を絡めながら立ち去っていく紳士ふたりを見送るのは、焦げ茶色の髪を肩口の辺りで切り揃えた女。それだけなら別にどこにでもいるが、ノースリーブの装い故にはっきりと見える左肩のケルベロスのタトゥーは、そう見間違えるものではない。立ち止まったギデオンが思わず凝視しているのに気づいたのだろう、受付の女もくるりと振り向き、元々大きい水色の目を更に真ん丸にしてみせる。「──やだ、ちょっとギデオンじゃない!」跳ね起きるように立ち上がった女は、そのままカウンター越しにギデオンに近づき、細身の──出るところは出て引っ込むところは引っ込んでいる、15年前とどこも変わりない──体を、黒磨きの台から乗り出す姿勢に。「もうずっと連絡取れなかったじゃない、何してたのよ! 『リリス』の子たちも、あんたがもしや大怪我でもしたんじゃないかってずっと噂してたのよ? 特にカロリーヌなんて見てらんなかったわ、可哀想じゃないの、あんたそんなに薄情はなかったと思うんだけど。せめてあたしには連絡くらいくれたっていいじゃないのに、ねえ? でもま、よかった、無事に生きてたなら許してあげる。あら、そちらは新しい子かしら? 相変わらず元気ねえ、何時間で泊まってく? 終わった後にあたしともベッドで話してくれるなら、結構値引きしてあげるわよ」……一気にこれだけのことを、無駄によく通る明るい声で勢いよく喋ってのけた女は、最後ににこりと愛想の良い笑みを相手に向けた。が、途中何度か口を挟もうとしていたギデオンの方はと言えば、完全に片手で顔を覆い、満身創痍で打ちひしがれている有様で。「……アイリーン、頼む、ちょっと一旦黙ってくれないか……」と呻き声を上げるのを、「は? なによ冷たいわね」と切り捨てて綺麗な眉をしかめた女には、たった今、すべてを無邪気に破壊し尽くしたことなど、全く見えていないのだろう。)
186:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-09 01:05:41
……──ゎッ、わァッ!!
( なんの抵抗もなく外された腕に、少しの寂しさなどという甘いものに浸っていられたのも束の間。一歩踏み出すよりも前に、サラリとかけられた言葉の意味を捉えかねて振り返ると、ギデオンがこんな涼しい顔をしている時は大抵、揶揄われている時だと分かる程度には共にいる時間も長くなってきた。一瞬怪訝に眉を顰めれば──分かってたなら教えてくださいよ!!という心からの叫びは声にもならなかった。とはいえ、そうして行き場のない羞恥を両手に握って目を細め、どんな主張も言葉にならないといった風にワナワナと唇を震わせていたものだから、寧ろアイリーンの興味深いお喋りを、よぉく聞き取ることができたのは僥倖といったところ。女性の唇から飛び出た聞き覚えのある名前に、ピクリと睫毛を震わせると──( リリスの"子たち"?カロリーヌ……?新しい子、"相変わらず元気"ねえ……はあ、何時間も、まあベッドでお話ですって! )と、項垂れていくギデオンと引き換えに、すっかり熱の引いた顔に浮かべられた笑顔はどんどん深まるばかり。とはいえギデオンの女癖の悪さは、上の世代の冒険者たちには広く知られているし、ビビ達世代でも歳若い頃からギルドに関わっていた者たちには、エヴァンズ氏が歌劇団の歌姫の隠れファンだということや、カトリーヌの料理の才が絶望的ということ同様、薄らと勘づかれていることの一つである。アイリーンの言い草からして、最後に訪れてから時間も経っている様だし……勿論いい気はしないが、それを責めるのは流石にナンセンスだ。それ故にアイリーンの話を聞き終わって覚えたのは、怒りというよりは呆れと、噂は本当だったんだなあという感慨のみ。それでも先程大いに揶揄ってくれた復讐と、本人からは絶対聞けないような昔話を求めて、打ちひしがれるギデオンを一瞥してから、態と軽薄な態度でお喋りなアイリーンへ近づけば、カウンターに肘をつきながら語尾にハートがつきそうな甘ったるい調子で首を傾げて。 )
あー!やっぱり遊んでるんだー!
さっき、私には他所では遊ばないとか言ってたクセに……ねえ、私はお姉さんのお話もっと聞きたいな
この人ここにもよく来るんですか?
187:
ギデオン・ノース [×]
2022-09-09 03:51:19
違っ……別に、昔の……話で……
(相手の甲高い非難を聞きつけてバッと顔を上げるも、何やら様子の変わった相手を見ながら喉から絞り出したのは、情けないほど苦しい言い訳。身に覚えがある以上、“遊んでいた”こと自体は決して否定できない事実だ。とはいえ昔はそのことを、どの女にも隠していなかった、むしろ隠すつもりすらなかった。それが今は、ヴィヴィアン相手となるとまるで事情が違うわけで──そしてできれば、というか絶対に、耳に入れたくない話であって。そんな苦悶のギデオンをよそに、災厄の女アイリーンは、「『他所で遊ばない』って……は? だれが言ったの? こいつ? ──ご冗談でしょ!?」なんて、片腕全部を使って思いきりギデオンを指差し、大げさに叫ぶ始末。信じられないと言わんばかりの失礼極まりない表情も、首をこてんと傾げた相手を見るなり「あらやだ何この子可愛い優勝」とまた別の驚愕に染まる、途端に物凄く嫌な予感がする。「おい、待て、」と止めようとしたが、アイリーンはろくにこちらの顔も見ぬまま、掌だけを妙にキレのある速さで突き出し、“いいからあんたはすっこんでて”のジェスチャーを。彼女自身もカウンターに肘をついて頬杖を突き、ダイヤモンドもかくやというほどのキラッキラした笑顔を浮かべれば、「んーん、うちには多分一回も来てないよ! こいつがよく女連れ込んでたのは『エデンの林檎』ってところかな、アメニティが超リッチだからうちなんかよりよっぽどおすすめ。あれもちゃんと箱ごと置いてくれてるし、ローションもいい匂いだし、あとルームサービスの飲むチョコレートがすっごく美味しくて実用的で──」……いっそ露骨な、明らかに実体験込みとわかる会話、それも何やらヴィヴィアンの役に立つだろうと考えて伝授しているらしいトークを繰り広げられ、傍らで制止を食らい続けていたギデオンはふらっと気が遠くなりそうな顔をする。……これだから、こいつを一目見た瞬間凍りついていたのだ。関わり始めた15年前にはその美貌でやたら持て囃されていたが、ギデオンに言わせれば、アイリーンは口から先に生まれてきたような女で、空気の読めない馬鹿である。しかも馬鹿の発揮どころがどれも妙にクリティカルヒットで、何故かこいつが喋るだけで酒場が修羅場に代わったり、巨額横領事件の真犯人が見つかったり、ひとつの政権が派手な泥沼の末同士討ちしながら崩壊したりしたものだ。しかし生憎アイリーン本人には、諸悪の根源たる自覚が全くない。体の相性と素の性格──情交の後、煙草に火をつける小一時間だけは人が変わったように寡黙で賢くなる妙な一面──の相性さえなければ、ギデオンとて関わろうとしなかっただろう。そういう、ある種の凶星のもとに生まれついた女なのだ。関係が穏やかに自然消滅した当時、「そういや俺は何ともならなかったな」なんて大いに油断していたものだが、まさか数年越しに、ギデオンの人生に新しく現れたヴィヴィアンとの関係にしっかり楔を打ち込むなどとは思いもよらない。今もまだ、「頼むからもうやめてくれ」と横から何度も言い続けているのだが、まさしく水を得た魚のアイリーンはむしろわざと聞く耳を持たず、身振り手振りでギデオンを巧みに追いやりながら喋り倒す有様で。「──だからね、こいつが好きで手を出すのはいつだってフリーのビッチばっかだったわけ、あたし含めて一人残らず。それがいったいどういう風の吹き回し? あなた見たところ良いおうちのお嬢さんでしょ? 確かに髪も目も顔も胸もこいつの好みドンピシャだけど──え、ちょっと、まさかもうしっぽりなんて言わないでよ。四十近くにもなってこんないい子誑かしてるなんて、無責任畜生ドクズもいいとこじゃないの! そしたらあたしこの世の女の平和の為にこいつの始末も辞さないんだからね、あなたが泣いてもそれだけは譲れない、可愛い子の明るい未来を守るためにお姉さん戦うんだから。それはそうと、ふたりはどういうご関係なわけさあ吐いて。全部、全部よ、全部全部吐いて!!」──要は、そこが聞きたかったらしい。大興奮ではしゃぐアイリーンの頭にようやく横から手を伸ばし、髪をぐしゃぐしゃぐしゃっとかき回して「ぐえっ」と離脱させるのに成功すると、疲れ切った表情でヴィヴィアンに向き直る。精も根も尽き果てて、もはや顔を見るのが恐ろしいどころではない。二十歳になる前から当時の親友と連れだって女を漁りまくっていたことも、爛れた関係の相手はアイリーン以外にたくさんいたことも、三十路手前になるころからここらの娼館に通い詰めるようになったことも、あらかた凄まじい勢いで暴露されてしまった。だが真面目に、こんな場合ではないはずである。そう、ギデオンもヴィヴィアンも本来は冒険者としての崇高なる使命感から聞き込みにやって来たはずで、なにもくだらない与太話を興じに来たのではないはずだ。「ああもう最ッ悪、だからあんたモテないのよ!」と捨て鉢な台詞を吐いて髪を整えるアイリーンをよそに、疲労がありありと滲む声でようやく口を挟むと、追って懇願するようなまなざしを向けるほど、その憔悴ぶりは相当もので。)
……こいつに喋らせ続けたら、千年後だってひとりでぺちゃくちゃ囀ってるぞ。そろそろ仕事の……まじないの件の話をしよう、他はどうだっていい、そうだろ。な……?
188:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-09 10:46:36
( 得てして女同士でのこういった話は下世話になりがちで、実戦経験のないビビでも何とか話についていける程度には、学生時代や冒険者になってからも見た目だけは美しい悪友達に鍛えられている。時に「実用って……?」と頬を染めたり、露骨な話題にはきゃあっと笑い声まじりの悲鳴をあげたり、ギデオンの制止に上手く被らせる形で「それでそれで?」と楽しげに目を輝かせたりと、適度な相槌で話を盛り上げながらも、あっさりと此方の生い立ちを見抜き、それはそれは膨大なギデオンの若気の至りを、筋道立てて面白おかしく説明してくれる話の巧みさに、頭のいい人だなあとギデオンとは真逆の素直な尊敬を抱く。それこそ先程フィオリーナとの逢瀬を垣間見てしまった際の様に、それがごく最近、特に夏以降の話であれば衝撃と共に悲しみも感じようものの、アイリーンの話してくれたそれはどれも数年以上前のもので、どちらかと言えば面白くない気持ちより、ギデオンが絶対に見せてくれない一面を知ることができた嬉しさが勝る。特にまだ10代や20代の頃の話になれば、どんなに格好よく可愛かったのだろうと、まだまだ色々勢い余っていた頃の相手を微笑ましく想像したりして。一通り聞きたかったことを聞いて満足したところで、丁度物理的な制止に入ったギデオンに、次は自分の番かと首を竦めて待つも、アイリーンには与えられた気軽な触れ合いが自分には与えられないことに静かな不満が胸に溜まる。優しいアイリーンはビビのことをギデオンの好みドンピシャだと言ってくれたが、こんなに美しくて頭のいい人と比べられればそれは勝ち目がないだろう。とはいえ相棒の仕事を促す懇願も最もで、えへ、とあざとく眉を下げれば素直に謝罪して。それからカウンターの向こうに向き直り、いつもの爽やかな笑顔で自己紹介したところで、一瞬手を口元に考え込み悪戯っぽく笑ったかと思えば、ギデオンの制裁を期待して、先程の体勢に戻るように逞しい腕をとって。 )
ごめんなさい。だってギデオンさんあまり自分のこと教えてくださらないから。
──アイリーンさん、楽しいお話ありがとうございました。私はギデオンさんと同じギルドの冒険者でヴィヴィアン・パチオと申します。
今日は流行ってる"おまじない"についてなにかご存知かお聞きしたくて……先程、関係って仰ってましたよね。私の片思いなんです、
189:
匿名 [×]
2022-09-09 13:14:36
(素直に話をやめてくれたまでは良かったのに、再びぎゅっと片腕に抱きつかれ──実り豊かなそれも当然柔く押し当てられ、しかもギデオンとの関係を「私の片思いなんです」なんて紹介されようものなら、ギデオンの居心地の悪さはそれはもう凄まじいもので。それでも相手を振りほどくことはなく、ばつの悪そうな顔をふいと真横に逸らして「…………」とされるがままどまったのは、相手の話が己も承認した否定しようのない真実だから、そしてアイリーンの面を見るのが心底恐ろしかったから。案の定、乱れ髪を整えきったアイリーンはまず相手の挨拶に感心しきり、「もうほんとにすごくよくできたお嬢さんじゃないの……人出が少ない弱小ホテルだからこんなことしてるけど、『ウトピア』支配人のアイリーン・カーターよ! ビビちゃんならうちはいつでも大歓迎だから、好きな時にいらっしゃい」なんて、名前から相手の愛称をするりと言い当てたかと思えば。次いでギデオンの方をぐりんと向き、「こぉんないい子が、あんたに健気に『片想い』? それもここ最近の話じゃなさそうな感じで? へぇえ、随分良いご身分ねえ………?」……見なくともわかる、これは絶対に凄絶な笑みを浮かべている、奴の凶暴さを知る連中の間で“狩りの構え”と恐れられたアレである。冷や汗をだらだら流すギデオンは何ら言い返すことができず、悪魔の視線の集中砲火でただ蜂の巣にされるのみ。それでもその後思わず彼女を振り向いたのは、盛大なため息をついたアイリーンから、「どうせあんたの方は、『サテュリオン』の女帝に言いつけられて動いてんでしょ」と、事の経緯をずばり見抜かれたからだ。なぜわかる、と端的に尋ねれば、「だってあそこ、一番人気のアドリアーナが客の奥さんに“呪われた”って、今すっごく大騒ぎだもん」……どうやら、やり手婆がギデオンに話した事件も、既に知っていたらしい。「確かにここいらじゃ今、変な『おまじない』が大きなウワサになってるわよ。娼館の女の子たち、可哀想なくらい怯えてる。ねえ、あたしが聞きかじってる話は全部教えてあげるから、とりあえず奥行こっか。ここでこのまま立ち話もアレでしょ?」そう言ってウインクすると、まっすぐな髪をさらさら揺らしながら立ち上がり、カウンター裏の扉を開けて休憩室らしき部屋の中へ。そこにいる誰かと何やらやかましく言い合っているのは、休憩中らしい相手に受付を代われと言っているのだろう。男性店員は不満そうに反論しているが、相手は口八丁手八丁なあのアイリーンだ、結果は言わずもがな。男の呻き声が聞こえてきた後、「いいよ、入っていらっしゃーい!」なんて元気な声がかかれば、ため息をつきながらふと隣の相手を見下ろし──ぐ、と軽く睨みつける。何をアイリーンと親しくなってるんだ、という恨みがましい非難である。ついでにいつぞやよろしく、自由な手の方の裏拳を持ってくると、相手の額にこつんと一撃。パチッと軽度の雷魔法を炸裂させた隙にするりと腕を振りほどけば、念入りに物申しつつ、カウンター裏へ回っていき。)
頼むから、俺の知らないところでここに遊びに来たりしないでくれ。……あいつ、おまえ自身のことだって丸裸にするつもりだぞ。
(/念の為共有です。アイリーンが想定以上に濃いキャラになってしまいましたが、お好きなように動かしたり喋らせたりしていただいて構いません。展開づくりを煩わせていたら申し訳ないです……!/蹴り可)
190:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-10 17:49:47
うっ……、……?
( その拳が額に当たる瞬間、真っ白に染まる視界と同様に胸の不満も温かく霧散する──はずだった。しかし、ぎゅっと閉じた目を薄く開けながら、思わず自分の胸をまじまじと見下してしまったのは、微かな痺れがこめかみから引いても尚、心臓を息苦しく締め付けるそれが全く消えなかったから。その正体が、過去といえど関係のあった女性に、ギデオンが触れたことへの醜い悋気だとさえ気づかなければ、相手を怒らせて気を引こうとする行為の子供っぽさもまた無自覚で。アイリーンの話が楽しかったことも、自分との関係が深まる前の出来事を非難するのをナンセンスだと思っていることもまた事実。それでも、本気で恋をしたことがある者なら少女でもよく知っている、ビビがギデオンに抱く感情が引き起こす理不尽な感情にはじめて直面すれば「……???」と困ったように眉を下げて困惑し。腕を引き抜かれてやっと意識を取り戻すも、先程までは素直に謝る気でいたというのに、口を開けば責める言葉が飛び出てしまいそうで、どうしても漏れ出てしまった冷めた笑い声を、いつものどうせ相手にされないだろう軽口で誤魔化した。 )
……じゃあ、ここに来たくなったらギデオンさんが付き合ってくださいね
( そうして扉をくぐったバックヤードは、居心地のよさそうな外観とは裏腹に少し殺風景な印象だった。それでも、雰囲気重視というか、ある意味実用一辺倒いうか……兎に角、収納も直視もし辛い形をしたあれこれや、帳簿の類が良く整理されて収納されている様と、従業員の休憩に使われているらしい一角に飾られた一輪挿しが、ここを管理している人の人柄をよく表している。「二人とも適当なところにかけ……やっぱりビビちゃんはこっちの椅子においで」と、二台ある大きく柔らかそうなソファの間で、わざわざ一脚しかないシンプルなスツールを叩かれるのが、なんらかの気遣いだとわかる稀有な体験をしつつ、お礼と共にお言葉に甘えて腰掛ければ本題に移り。アイリーンの話から得た情報は要約すると三つ。まずは、彼女のツテで話の聞けそうな“おまじない”被害者の情報数名分。それから、銀髪に緋色の目をした恐ろしく容姿の整った者達が噂を広めているらしいということ。最後に、おまじないの詳細な方法。ひとつめについては心苦しいが、“おまじない”の性質を調べるにあたり、症例が増えるのは正直ありがたいところ。ふたつめは、ウトピアの客などに話を聞くうちに、そのやけに珍しい特徴の人物が良く登場すると、他でもない彼女が気づいたらしい。複数形なのはそれ以外の年齢や性別、背格好が同一人物とは思えないほどにバラバラだから。そして最後の三つめ、「それがさあ、なんの“おまじない”かはわからないんだけどね」と、色っぽく目を伏せた彼女が教えてくれた内容は、少しでも魔法をかじったものなら一度は触れたことのあるような、資格のない一般人でもメモを片手にその手の店を訪れれば、簡単に手に入れられてしまう材料ばかりを使ったもの。一方で、その材料の加工の仕方や合わせ方は違和感どころか、態とかき乱したというのが正しいかもしれない。例えるならば、十字架をひっくり返して白米に刺すといったような、由来も文化圏もちぐはぐな、ただどれも不吉なそれを無理やり組み合わせた感じ。まるで、悪魔召喚をかなりお手軽にしたような……と、そこまで考え込んだところで「あたしが知ってるのはこれくらいなんだけど……ねえ、まさかタダで話だけ聞いて帰ろうなんて思ってないわよね」と、アイリーンの目が商人らしく光る。確かに今はウトピアの支配人とはいえ、夜の蝶相手に短い時間でも話を聞いて何も払わず帰るのは失礼なのかもしれない。この手の相場は知らないが手持ちで足りるだろうかと、必死に財布の中身を思い出しているビビを見て「やだ冗談よ、それにあたしなんか一晩買ったって冒険者様の分厚い財布には全く響かないって」と楽しそうに吹き出したかと思えば、スッと急に真剣な表情に戻って「ただね、可愛いヒーラーさん……出来たらでいいんだけど、さっき話した子たちの様子を見に行くなら、最初にアメリアを診てあげてくれない?知ってるでしょ『シャバネ』の。友達なのよ」そうギデオンの方を一瞥しながら、足を組み替えたアイリーンの表情は色っぽくも何処か儚げで、気づいたら彼女の綺麗な手を取って力強くうなずいていた。 )
ええ、勿論です!アイリーンさんのご友人はお任せください!
( / お世話になっております。今回もご共有ありがとうございます。展開づくりの邪魔などということは一切なく!むしろ素敵なアイリーン様の魅力を表現しきれずもどかしいですが、展開に合わせて動かさせていただきました。蹴り可とのことでしたが、少しだけ確認したいことがございましたので失礼いたします。また、こちらも念のためにはなりますが、当方が登場させたNPCのこともお好きに描写していただければ幸いです。
本題というほどではございませんが、今章、次章とギデオン様の過去に深くかかわる展開を進めるにあたり、シェリーの追加情報や、ビビの父であるギルバートのpfが必要であれば用意しようかと考えております。先程申し上げた通り、お好きに描写していただければ結構なのですが、あったほうが描写しやすいなどあれば仰っていただければ幸いです。どちらかといえば、シェリーはビビよりギデオン様に関係深いキャラですし、これを機に背後様の方で好きにされたいということであればそれも宜しいかと考えております。ギルバートにおいては、対して関わりがなく興味がないということであれば、変に情報量を増やすのもいかがなものかと悩んでおりまして……どちらも此方から言い出すのはどうかとも思ったのですが、これを機にもし、こうされたい!などご意見があればお聞かせ願いたいです。
因みに今回アイリーン様に語っていただいた銀髪赤目の人物ですが、淫魔がそれぞれ相手の好みの容姿に姿を変えているというイメージです。完全に雰囲気設定で、後に活かしていただく必要はないのですが、混乱を招かないようご報告のみ失礼します。 )
191:
ギデオン・ノース [×]
2022-09-11 17:11:17
(ふと振り返ってさえいれば、いつもとは少し違う相手の様子を察することができたかもしれない。しかしその時のギデオンは、相手に背を向けてバックヤードに向かっており、違和感と葛藤が綯交ぜになった彼女の表情をついぞ目の当たりにしなかった。だから相手の、本当は酷く寂しい気持ちが隠された軽口にも、ひらり、と適当に手を振るのみで。それが大きな過ちだったとき思い知る羽目になるのは、少し後のこと。)
(──さて、そんな一幕の後。ごく質素な一室にて、巷を騒がすまじないについての聴き取り調査が始まった。聡いアイリーンの細やかな気遣いはやはりつゆ知らぬまま、先ほどまでとは打って変わった真剣な表情で、彼女の話に耳を傾けてみれば。思いのほか、アイリーンとの再会は非常に重要な鍵だったとわかり、それをもたらしてくれたヴィヴィアンにも深く感謝することになる。……ギデオンはこの一週間、『サテュリオン』のアドリアーナを呪った人妻を手掛かりに、近隣の住人や彼女の友人、彼女が赴いた店の店員、或いは夫の通う娼館などをあたってきたのだが、正直結果は芳しくなかった。どいつもこいつも、悪質な“まじない”に手を出した件の人妻の怨念を恐れて、あまり口を割りたがらなかったせいだ。しかし、仕事柄とその性格から上、幅広い人種と世間話をするアイリーンは、まじないを広めた張本人たちの特徴や、加害者が講じた呪物の傾向までしっかり掴んでくれていたらしい。銀髪や緋眼というのは、実在しない容姿ではないが、それなりに珍しい部類だ。年齢や性別がばらばらということは、呪術に長けた特殊な血族が何らかの目的でこの地区に入り込み、複数人で呪いを広めているのだろうか。だとすれば組織立った犯行であり、グランポートのとき同様、かなり厄介な事件になりそうな懸念がむくむくと浮上する。……そして、魔導学院できちんと学問を修めたヴィヴィアンとは違い、ギデオン自身には経験則の知識しかないものの。まじないを信じた者たちが作った呪物は、非常に禍々しく、なかなか奇異な代物と聞こえる。特殊な材料は使わないようなので、薬草屋や魔道具屋の帳簿から作成者を探し出すのは厳しいだろう。しかし呪物そのものは、魔法を修める者の目にこそかなり目立って映るので、作られてしまった後ならば、発見はそう難しくないかもしれない。アイリーンの紹介した被害者から話を詳しく聞き出せば、どんな呪物を使われたかわかり、そこからこの先作られる新しい呪物を予測して先回りするのも、あり得なくはない筋だろう。……こうして、彼女から得た情報をもとに推理し、これからどれを取っ掛かりに捜査していくべきか思案していたタイミングで。「情報の礼として、『シャバネ』のアメリアを訪ねてほしい」などとアイリーンに言い出されれば、思わず顔を上げ。ヴィヴィアンが無邪気に彼女の手を取る斜め後ろから、彼女をこっそり睨みつけた。──おい、嫌がらせか。──半分ね。どうせあんた、相変わらず鈍感野郎みたいだし? ──意味がわからん、何のことだ。──だからそういうところでしょ、バカ。はいこの話はもうおしまいね。そんなやりとりを火花交じりの視線と表情ででバチバチとかわしたあと、結局ギデオンがため息ひとつで了承したのは、アイリーンもアイリーンなりに、その『シャバネ』で働く友人の身を本気で心配しているのだろうとわかってしまったからである。ソファーの背もたれに背を沈め、眉間を指で押さえながら、淡々と事務的な声音で、必要な話を積み上げていく。──しかしアメリア、アメリアか。自分が『シャバネ』に通った当時はそう高くない女だったから、一度か二度買ったものだが。風の噂では、あのとき傾いていた『シャバネ』を見事立て直したのは、他でもないアメリアの功だという。つまり今頃は、売り物を引退して若手を育てる立場になったか、未だ前線だとしてもそう簡単に手を出させない高級娼婦だ。フィオリーナのときのように、妙なことにはならない……と、思いたいが。)
この後すぐに、俺とヴィヴィアンで確かめに行く。おまえのほうでも、何か新しいことがわかったらなるべく早く教えてくれ。カレトヴルッフの俺の私書箱の番号は覚えてるな? ……ああ、助かった。何かあれば、またヴィヴィアンと来る。
(そうして仕事のためとはいえ、「ヴィヴィアンと一緒にまた連れ込み宿に来る」約束をしたなどと、まったく自覚のないままに。簡単に挨拶を済ませてから『ウトピア』を発ち、慌ただしく次の聴取先へと向かう。『シャバネ』はメゾン・クローズ、つまり高級娼館なので、オペラ通りの北、様々な高級店が居並ぶ商業地区にひっそり紛れ込んでいる。半端に膨らんだ白い月が路地を薄明るく照らす下、通りを行きかう人々はやはり、『豊穣のホルン』があった繁華街の衆に比べると、どこか身なりの良い人間が多い。……それでいて、そんな目が肥えているであろう男たちでも、ギデオンの隣を歩くヴィヴィアンのことをチラチラ見たり、わざわざ立ち止まって振り返ったりしている。つくづく相手は人目を惹く容姿なのだと気付く──そこらの娘と違い、腕の立つ冒険者なのだとわかっていても、やはり心配なものは心配だ。故に、四頭立ての馬車が目の前を通り過ぎる際、向かいからくるスーツの男たちに近い方へとさり気なく立ち位置を変えながら。隣を歩く相棒の方に軽く身を屈め、敢えて男たちの方をしっかり見やりつつ囁いて。)
……おまえの自衛力を見くびってるわけじゃないんだが。この辺りの地区を調査するときは、極力俺に声をかけてくれ。ギルドの仲間でもいいが、とにかく、今日みたいにひとりで出歩くのは絶対に避けた方がいい。……懐に余裕のある連中でも、見境のない奴はいる。
(/ご相談ありがとうございます。ビビの両親のPFについてですが、是非とも、是非ともお願いします……!
自分の方で「こういう設定があってほしい」というのはあまり抱いてこなかったのですが、ふたりとも大切な脇役ゆえ、詳細が判明するのであれば大変ありがたいです。まず、ギデオンの師であり初恋の女性でもあったシェリーは勿論のこと。
そしてギルバートについてもですが、興味がないどころか、むしろ大いに、大いに気になっておりました。彼はシェリーと違って今も元気に存命中ですし、カレトヴルッフの先代ギルドマスターである以上、確実にギデオンと同時期に働いていたわけですし。何より、ビビがギデオンにアタックしていることはカレトヴルッフ内で噂になっていると思うので、もしそれが先代の耳に入ったら、娘を溺愛するギルバートはどう思うのか……? と。あとは気が早い話ですが、ビビとの将来を考えるなら、ギデオンが絶対対決しなければならない相手でもあるので()
ですので、「こういった設定があってほしい」はないのですが、「このところはどうなっているんだろう?」というのをいくつか挙げさせていただきますね。
●シェリーについて
・何か、豪快な彼女らしい伝説があれば是非。ギデオンがシェリーのどこに惚れていたのかがより掘り下げられますし、いつかのタイミングで、娘のビビに話して聞かせてあげるのも良さそうだなあと。
・ちょっと別件にはなるのですが、シェリー関連の話で。今現在のビビはあくまでも、「ギデオンにとってシェリーは大事な師匠だった」と知っているのみで、初恋の相手でも会ったことまでは知らない、という認識をしております。この辺りについて、ギデオンや当時を知る周囲がビビのためにずっと秘密にするのか、あるいはいつかビビ本人も知ってしまうのか。知った場合、彼女のトラウマである「皆から母を奪ってしまった」が再び発動するのか。もしくは、初恋の人の娘にあたる自分をギデオンがどう見ているのかわからなくなる……だとか。今すぐ決めたいというのではなく、ここのところもいずれ掘り下げたら美味しそう……! というアイデアを共有させていただきます。
●ギルバートについて
・今現在は何の仕事をしているのか、どんな生活をしているのか。(願望ではなく可能性のひとつの空想として。元大魔法使いということで、今は魔導学院で教鞭をとっているとかかな……? と考えたりしておりました)。
・ギデオンとビビの噂を知っているのか。知っていた場合、その程度はどのくらいか(ビビが一方的にアタックしているという認識か、ギデオンも若干絆されつつある話も聞いているのか、或いは若い頃あんな風だったギデオンが娘を誑かしたと見るか)
・ギデオンのシェリーに対する想いを知っていたか。知っていた場合、いつからか(シェリーとギルバートが結ばれる前、結ばれた後、シェリーの没後(葬式の様子やギデオンの女の好みなどで?)など。)
・ギルバート現役時代の、冒険者としてのギデオンとの距離感。(ギデオンがギルバートのパーティーで彼に仕えていた、とお言うような設定を、お好きに作っていただいて構いません。)
・相手がギデオンということを一旦抜きにして、可愛い愛娘に男ができたと知った場合、通常どのような反応をするのか。
銀髪赤目の集団の正体は例の淫魔である、というお話も承知しました! 共有ありがとうございます。主様が今回詳しい情報をくださったおかげで、今章の捜査風景が鮮やかに目に浮かんできたため、なんとお礼を申し上げれば宜しいやら。『シャバネ』の元ネタも調べて、当時の娼館事情をさらに調べたり、実在するシャバネ通りの方の風景をネット越しに観光したりと、大変エンジョイしております。いつもありがとうございます……! シェリーとギルバートの情報含め、お時間のある時にゆっくりお返事いただいて構いませんので、どうかお気遣いなく。)
192:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-14 13:04:19
はぁい、わかりました、"パパ"!
ギデオンさんは心配性なんですよね、知ってます。
( 見くびっていないというのなら、どの立場でその発言をしているというのだろう。何の気なしにされた、ウトピアへ再び一緒に来るなんて約束も。いつの間にか自然と詰められるようになった顔の近さも──ああ嫌だ、全部無駄な期待だと分かっているのに。通りの向こうをぼんやりと見つめたまま、最近めっきり父になんか見えない相手へ、不満げに、けれども深刻さは全く感じられない甘えた調子で放った"その言葉"は、ギデオンへではなく、彼の女癖を知っても尚、相手の一挙一動に期待し浮かれてしまう己への揶揄。ここの美しい女性たちと比べれば、どうしたって乳臭い自分がこんなことを言ったって、ギデオンの表情はいつかのあの夜の様に涼しいままに違いない。季節外れの突風に、前髪が乱れるのを嫌って片手を顔の前にかざせば、その語尾がこれみよがしな自嘲に揺れるのを感じて──ほら、こういうところが子供っぽいのよ。と、脳ばかりはどこか冷静に自分の感情的な心臓を嘲笑う。一度ゆっくりと瞼を閉じて小さく息を吐いて、反省と共に不安や不満も勝手に全部飲み下す。次にうっすらと目を開く頃には、いつも通り、"冒険者の顔"を浮かべられたはずだ。そのまま我儘なヴィヴィアンが顔を出さないうちに、ギデオンの忠告を受けて、明日以降調査に付き合ってくれそうな仲間達を脳内でリストアップしてみる。今回女性陣はナシとして──ギースやダグ辺りの普段わかりやすくビビを可愛がってくれる紳士連は、あれでいて本当に紳士なので、ビビと2人で此処へ来るような真似にはいい顔をしない。あれは少なからずビビの人気に乗じて騒ぐのを楽しんでいる節があると、少なくともビビはそう踏んでいる。もっと若い同年代の中には、そもそもこの込み入ったお願いをできるような相手は殆ど思い浮かばず、その点バルガスはあの真面目さからも非常に信頼がおけるが、彼と彼の幼馴染でもあるリズの気持ちを知っていて、あの彼女と冷戦をするような勇気はとてもない。実際の時間にして3秒程、細い指を顎にあてて小さく考え込んで、誠実に考えてギデオンしかいないのなら、ここは相手の言葉に甘えてしまってもいいだろう。やっとギデオンへ顔ごとその大きな目を向ければ、先程の揶揄に相手から反応が帰ってくるとは、露ほどにも思っていない間合いで、誘いの言葉を重ねようと薄く口を開きかけ。 )
……、
( / ご丁寧なお返事ありがとうございます。
毎回返信にお時間いただきありがとうございます。私事にはなりますが、昨日今日で最近立て込んでいたリアルの方が落ち着きますので、明日以降また以前通りお返事できるかと思います。
お返事頂いたにもかかわらず、申し訳ございませんが、ご質問いただいた件は、ただいま用意しておりますので取り急ぎロルのみ失礼致します。/蹴可 )
193:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-16 12:32:45
( / お世話になっております。大変お時間をいただいてしまいましたが、2人のPFが完成致しましたので上げさせていただきます。かなりの長文となってしまったので、まずはPFのみの投稿で失礼致します。 )
姓名 / シェリー・グラハム(パチオ) ??享年 / 28歳 (生きていれば51歳) ??容姿 / 暗い焦げ茶色のカールしたショートカット。切れ長の睫毛の長い目は、ビビと同じ鮮やかなグリーン。身長155cm、小柄、細身。 ??人物 /
・ヴィヴィアンの母親、先代ギルドマスター、ギルバート・パチオの妻。
・その体格によるハンデを感じさせない大胆な立ち回りと、素早くしなやかな身のこなしが特徴の剣士。ビビにも優る脳筋で出世にこそ無頓着だったものの、その面倒みの良い姉御肌な性格から後輩の信頼は厚く、単身でのリントヴルム討伐や、キングストンの馬上槍試合での女性初&当時最年少優勝など、冒険者としての経歴も華々しい。
・その豪快な性格は私生活にも反映され、大きな仕事などで得た臨時収入など、生活に必要な分以外の給金はポンと孤児院に寄付してしまったり、かと思えば仲間達を集めて一夜でぱあっと飲みきってしまったり。クラーケンを退治した際に、イカが食えるなら食えるはずだとその場で焼き始め、弟子や仲間達と宴会を初めてしまった。何事かと異臭に集まる市民たちにも振る舞い、酒を奢って黙らせ、一晩で200人以上が集まった結果、その仕事で稼いだ金を使い切りキングストンに帰れなくなってしまう。結局宴会で仲良くなった漁師の好意で帰って来たものの、クラーケンのゲソ焼きだけをギルドに持ち帰り、先々代ギルドマスターを呆れ返らせた伝説がある。
・酒は強いが酒癖は最悪。前述の単身リントヴルム討伐も、本来は小隊で受ける予定だったにも関わらず、その前夜、景気付けにと小隊の仲間を連行紛いの強引さで飲みに引きずり回し、その挙句全員潰して自身も二日酔いで討伐しに行ったという経緯がある。リントヴルムを倒した瞬間、シェリー自身も地面に膝をつき、心配に駆け寄った市民の目の前で盛大にリバース。その上、「流石に怒られると思って」と、上記の全てを事後報告で済ませ、後の旦那となる当時のギルドマスターに想像の数百倍怒られた。その後ギルド直々に異例の禁酒令を出され、二日酔いでも鈍らぬその剣の鋭さと共に、こちらもある意味で伝説となっている。
・大衆酒場の娘で、自身はあまり養育環境には恵まれなかった。それ故に幸せな家庭には憧れが強く、段々大きくなるお腹に幸せそうに微笑んで、娘と会えることを日々心待ちにしている。
姓名 / ギルバート・パチオ??年齢 / 51歳??容姿 / 全く癖のないブロンドをオールバック。瞳の色は緑がかったグレー。白い肌と大きな目が印象的な顔はビビと瓜二つだが、目元は垂れ目でビビより柔和な印象。身長185cm、筋肉質。
?人物 /
・ヴィヴィアンの父親、シェリー・グラハムの夫。大魔法使い。
・少年期はその可愛らしい容姿と、全属性の魔法を容易に使いこなす才能から「精霊の愛し子」とまで呼ばれた大天才。容姿と才能の代わりに、性格がねじ曲がったとまで言われる偏屈で、娘とシェリー以外の人間には辛辣で、ネチネチと嫌味たらしく、憎たらしいことこの上ない。一方、仕事に対しては非常に真面目で、分かり辛いが仲間想い。娘が関わらなければ、ただの面倒なツンデレおじさん。
・シェリーとは同期で、最初こそ無茶苦茶する彼女へ一方的なストレスを貯めていたものの、尻拭いに振り回され続けるうちに何故か惚れていた。気持ちを自覚してからは何度振られてもめげずにアタックし続け、とうとうシェリーが絆されるほどの溺愛ぶり。彼女が亡くなった後も、他の女性を愛すことは今日まで一切ない。
・人望こそないものの、その真面目な生活と強大な才能ゆえに、気がついたら偉い人になっていた苦労性。厳密にはギルドマスターではなく、マスター代理をビビの生まれる1年半程前からの約5年間務めた。先々代が年齢で引退すると、丁度適任者がいなかったこともあり、1年だけという仮約束でマスター代理につくも、杜撰な管理体制や事務方の労働環境の改善に力を入れている間に5年経っていた。カレトヴルッフでは異例の魔法使いマスターで、任期中、派手な事件も少ないため冒険者からの人気は薄いが、事務や外部の関係者達からの評価は高い。
・現在魔導学院に籍だけは置いているものの、フィールドワークと称して、ここ数年は1年の殆どシェリーを思い出が詰まったキングストンには寄り付かない。娘のことはこれ以上なく溺愛しているものの、幼少期は仕事に追われ、ビビが魔導学院に寄宿してからは関わりも少なく、イマイチ愛情が伝わっているのかいないのか。世紀の大天才も娘も前では普通の父親。
194:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-16 12:33:11
( / 度々失礼致します。先日は詳細なご質問ありがとうございました!お返事は如何におまとめ致しましたので、何かご不明点やご要望があればぜひおきかせください。)
●シェリーについて
・何か、彼女らしい豪快な伝説
→PFに、以前より想像していたエピソードを2つ程記入致しました。このエピソードから掘り下げ辛いなどありましたらお気軽に仰ってください。また、エピソード内の描写していない細かい部分などは、ご自由に改変していただいて構いません。
・ギデオン様の初恋をビビが知るべきか
→現時点での認識は相違ございません。今後については話の展開次第だとは思いますが、現時点では知ってしまう展開に興味がございます。建国祭を乗り越えているため、トラウマは少し胸が痛むものの、ギデオン様を信じているため必要以上に思い悩まないといったイメージで。初恋の人の娘にあたる自分をギデオンがどう見ているのかわからなくなる、というのは是非やってみたいです!ただ、今回もかなり恋愛に軸を置いている章ですし、あんまりビビが思い悩んでいるシーンばかりというのもマンネリになりそうで……仰る通り、やるとしてももう少し先がいいかなあと考えております。
(話はズレますが、今回のシーンも先程フィリーナ様との件でお話したばかりですので、軽めに流していただいても結構です。ビビの気持ちが憧れや綺麗事から、本気で恋に落ちてなりふり構っていられなくなってくるという描写が出来ればと盛り込んだ次第でした。)
●ギルバートについて
・今現在は肩書き、暮らし
→実はほぼ全く同じことを考えておりました。シェリーが亡くなり、マスター代理の責任もなくなった後、冒険者でいる意味を見失ったギルバートが、ビビが学院から休暇で帰ってくる間以外、彼女と仕事でいった街から街へ放浪の旅を続けていたところを、客員教授に招かれたというイメージです。現在は、シェリーと行った場所だけに拘らず、各地の文化や郷土に触れながら、気ままに魔法やその歴史を研究し、時たまビビが鈍器と呼んでいる、分厚い書籍を発行しています。
・ギデオン様とビビの噂を知っているか
→知りません。過保護なため、娘の近くに自身の息がかかった精霊をよく飛ばして来ますが、ビビがそれに気づいて、逆にビビにとって都合の良い情報だけを伝えるようにお願い?しています。
知った場合は、まず確実にギデオン様が娘を誑かしたに違いないと憤慨するので、ギデオン様には頑張っていただきたく……()一番ビビが大人になっていることに気がついてない人です。
・ギデオン様がシェリーを好きだったことに気づいていたか
→ギデオン様が非常に巧みに隠していた、とかでもない限りは、10代の男の子の恋心には気づいていたと思います。とはいえ、必要以上に警戒したり関わってくることはなく、シェリー死後はギデオン様の遊び相手の顔を覚えるほどの余裕もありませんでした。
・ギデオン様との距離感
→元々シェリーとビビ以外に、そこまでベッタリ関わる人では無いので、マスター代理といち冒険者といったあっさりした関係がいいかなと。一度、シッターとギルドに遊びに来ていたヨチヨチ歩きのビビに、デレデレになっていたところをバッチリ目撃されたくらいでしょうか。
・娘が男を連れて来たらどうするか
→最初は僕より強い男以外は認めない()と泣いて大暴れするものの、なんだかんだ娘の幸せは願っているため、年齢などが客観的に見て問題ない範疇であれば、時間はかかりつつ、認めていくと思います。
195:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-16 12:38:13
( / >193のPFが、コピペの事情により謎の結合を起こしてしまっておりました。大変失礼致しました。)
姓名 / シェリー・グラハム(パチオ)
享年 / 28歳 (生きていれば51歳)
容姿 / 暗い焦げ茶色のカールしたショートカット。切れ長の睫毛の長い目は、ビビと同じ鮮やかなグリーン。身長155cm、小柄、細身。
人物 /
・ヴィヴィアンの母親、先代ギルドマスター、ギルバート・パチオの妻。
・その体格によるハンデを感じさせない大胆な立ち回りと、素早くしなやかな身のこなしが特徴の剣士。ビビにも優る脳筋で出世にこそ無頓着だったものの、その面倒みの良い姉御肌な性格から後輩の信頼は厚く、単身でのリントヴルム討伐や、キングストンの馬上槍試合での女性初&当時最年少優勝など、冒険者としての経歴も華々しい。
・その豪快な性格は私生活にも反映され、大きな仕事などで得た臨時収入など、生活に必要な分以外の給金はポンと孤児院に寄付してしまったり、かと思えば仲間達を集めて一夜でぱあっと飲みきってしまったり。クラーケンを退治した際に、イカが食えるなら食えるはずだとその場で焼き始め、弟子や仲間達と宴会を初めてしまった。何事かと異臭に集まる市民たちにも振る舞い、酒を奢って黙らせ、一晩で200人以上が集まった結果、その仕事で稼いだ金を使い切りキングストンに帰れなくなってしまう。結局宴会で仲良くなった漁師の好意で帰って来たものの、クラーケンのゲソ焼きだけをギルドに持ち帰り、先々代ギルドマスターを呆れ返らせた伝説がある。
・酒は強いが酒癖は最悪。前述の単身リントヴルム討伐も、本来は小隊で受ける予定だったにも関わらず、その前夜、景気付けにと小隊の仲間を連行紛いの強引さで飲みに引きずり回し、その挙句全員潰して自身も二日酔いで討伐しに行ったという経緯がある。リントヴルムを倒した瞬間、シェリー自身も地面に膝をつき、心配に駆け寄った市民の目の前で盛大にリバース。その上、「流石に怒られると思って」と、上記の全てを事後報告で済ませ、後の旦那となる当時のギルドマスターに想像の数百倍怒られた。その後ギルド直々に異例の禁酒令を出され、二日酔いでも鈍らぬその剣の鋭さと共に、こちらもある意味で伝説となっている。
・大衆酒場の娘で、自身はあまり養育環境には恵まれなかった。それ故に幸せな家庭には憧れが強く、段々大きくなるお腹に幸せそうに微笑んで、娘と会えることを日々心待ちにしている。
姓名 / ギルバート・パチオ
年齢 / 51歳??
容姿 / 全く癖のないブロンドをオールバック。瞳の色は緑がかったグレー。白い肌と大きな目が印象的な顔はビビと瓜二つだが、目元は垂れ目でビビより柔和な印象。身長185cm、筋肉質。
人物 /
・ヴィヴィアンの父親、シェリー・グラハムの夫。大魔法使い。
・少年期はその可愛らしい容姿と、全属性の魔法を容易に使いこなす才能から「精霊の愛し子」とまで呼ばれた大天才。容姿と才能の代わりに、性格がねじ曲がったとまで言われる偏屈で、娘とシェリー以外の人間には辛辣で、ネチネチと嫌味たらしく、憎たらしいことこの上ない。一方、仕事に対しては非常に真面目で、分かり辛いが仲間想い。娘が関わらなければ、ただの面倒なツンデレおじさん。
・シェリーとは同期で、最初こそ無茶苦茶する彼女へ一方的なストレスを貯めていたものの、尻拭いに振り回され続けるうちに何故か惚れていた。気持ちを自覚してからは何度振られてもめげずにアタックし続け、とうとうシェリーが絆されるほどの溺愛ぶり。彼女が亡くなった後も、他の女性を愛すことは今日まで一切ない。
・人望こそないものの、その真面目な生活と強大な才能ゆえに、気がついたら偉い人になっていた苦労性。厳密にはギルドマスターではなく、マスター代理をビビの生まれる1年半程前からの約5年間務めた。先々代が年齢で引退すると、丁度適任者がいなかったこともあり、1年だけという仮約束でマスター代理につくも、杜撰な管理体制や事務方の労働環境の改善に力を入れている間に5年経っていた。カレトヴルッフでは異例の魔法使いマスターで、任期中、派手な事件も少ないため冒険者からの人気は薄いが、事務や外部の関係者達からの評価は高い。
・現在魔導学院に籍だけは置いているものの、フィールドワークと称して、ここ数年は1年の殆どシェリーを思い出が詰まったキングストンには寄り付かない。娘のことはこれ以上なく溺愛しているものの、幼少期は仕事に追われ、ビビが魔導学院に寄宿してからは関わりも少なく、イマイチ愛情が伝わっているのかいないのか。世紀の大天才も娘も前では普通の父親。
197:
ギデオン・ノース [×]
2022-09-16 16:17:21
(/まずはお返事が遅れてしまい、申し訳ありません……! 九月半ばまでお忙しいとお聞きしていたため、のんびりと設定整理など行っていたのですが、途中からこちらもリアルが立てこんできた関係で遅くなっております。肝心のロルの執筆と推敲にもう一日だけお時間をいただきたいので、今しばらくお待ちいただければ幸いです。
今日のところは、取り急ぎそれ以外に関するお返事だけお先に。まずは二人分のPFと質問へのご回答、ありがとうございました! シェリーのぶっ飛んだ女傑エピソードに声を出して笑い、またギルバートの想像以上に愛しくなるキャラクター造詣にほっこりしておりました。個人的に、まさかの偏屈ツンデレおじさんでありながらシェリーに猛アタックし続けた情熱的な一面、また一人称「僕」というギャップが大変突き刺さっております……。以下、つらつらした感想や幻覚、提案です。膨大になってしまいましたので、今話しておきたい事柄があるもの以外は、読み通していただくだけで大丈夫です。いずれその話が盛り込めそうになったタイミングで覚えていれば、その時ご相談できればと思います。
▼シェリーPFより
・シェリーとの師弟生活にて、豪快過ぎる師匠に対し、しばしばツッコミ役に回っていたギデオン少年の幻覚。当時は苦労性だった……?
・とはいえ、冒険者としての彼女は揺るぎなく強い戦士だったので、彼女の中に冒険者としての理想像を見出した憧憬が恋慕と混ざり合っていた可能性(ちょうどギデオンに一目惚れした時のビビと同じような感じ?)。
・●提案(過去):ギデオンがシェリーの弟子に就いたのは、リントヴルム討伐の直後。ギデオンにシェリーのお目付け役を兼ねさせるため+シェリーに責任感や自制心を見に就けさせるため+未成年を御側付きにすることで酒場に入りにくくさせるため……という背景があったら面白そうだなと。少年時代のギデオン自身、シェリーの悪酒伝説を事前に聞き知っており、どんな厄介な女を割り当てられたんだ……と警戒していたところ、その強さと明るさを目の当たりにして逆に惹かれていったという幻覚が見えております。禁酒してもなお豪快過ぎたシェリーの数々の逸話を、苦労が伺える遠い目つきで、でも一抹の懐かしさを滲ませて語る、現在の様子だったり。
・●提案(現在):シェリーがあちこちで宴を開いたときの縁で、各地の当事者たちに「あんときの坊主じゃねえか!」と懐かしがられるギデオンの幻覚。中年手前のギデオンが老人たちに子ども扱いされる珍しい光景だとか、少年時代のギデオンの青いエピソードを老人たちが面白がってビビにバラしたがるだとか。
・●提案(現在):カレトヴルッフ忘年会にて、飲み過ぎたビビが、介抱しに来たギデオンの服にリバースしてしまう展開。その後理性を取り戻したビビが、最悪だ嫌われちゃう……と嘆いていたところ、皆の前でギデオンがさらりと「今更このくらいで嫌ったりするか」と口走ったり(この台詞を言わせてみたいと密かに妄想し続けておりまして……())。ビビはすぐに理解して顔を真っ赤にするのでも、まだ二日酔いで頭が回ってなくてその時は気づかないのでも。ギデオンは純粋に、飲み過ぎた仲間の介抱に手慣れているのもありそう。禁酒令を特別に解禁されたときに飲みまくってやっぱり吐いたシェリーを世話したことがある、とかもあり得そう。
▼ギルバートPFより
・少年時代の(シェリーに惚れる前の)ギデオン、(同じく彼女に惚れる前の)ギルバートの口から、シェリーに関する嫌味や愚痴を聞いたことあるのでは……!?
・少なからずシェリーの豪快さに苦労した者同士、ふたりともどこかでお互いシンパシーを感じていそう。
・時系列整理メモ:ギルバートのギルドマスター(代理)着任期間は、先々代が年齢を理由に引退した24年半前(ギデオン14~15歳頃)~19年半前(ギデオン19~20歳頃)。逆に、現代ギルドマスター(敬語調の穏やかな人物)が着任したのが19年半前。●そろそろ代替わりもあり得そうなので、この先の物語に人事変動ネタ導入もありか。
・おそらくマリア辺りはギルバートに深く感謝している。主に管理体制や事務の労働環境改善が理由で。その関係から娘のビビに目をかけている、とかもあり得そう。
・ギデオンの恋心に気づいていた件、了解です! ギルバートに比べ、ギデオンのそれは冒険者としての憧れや母性への渇望(詳細別記)もだいぶ大きかったと思うので、恋の鞘当てが起こるような雰囲気にはならなかっただろうなあと思っています。自分とシェリーの年齢差や、彼女を本気で狙うには自分がまだ幼すぎることも理解していたでしょうし。ギルバートもその辺の弁えを察してくれていた場合、シェリー関連はお互いさらっとした感覚でいそうです。
・ギデオンとギルバートはあっさりした関係、解釈一致です! デレデレになっていたところを目撃したところがあるのも面白過ぎるので是非。ギルバートは人望が厚くない人物のようですが、「悪い人じゃないんだ」と語るギデオンがいる……絶対いる……。如何にも彼の苦労を知っている風の涼やかな表情の裏で、ギルバートのあられもない有様を微笑ましく思い出しながらになりますが。
・ギデオンは婿の物件として、「年齢などが客観的に見て問題ない」という点に引っかかると思うのですが、冒険者としての実力が確かなことからぐぬぬ……と思い悩むギルバートがいそう。しかしギデオンのかつての火遊びはそれほど知らなかったという話なので、ギデオンについて調査してその辺りを聞き知るなり殴り込んでもきそう() ギルバート関連ネタが豊富すぎでは……?
・驚愕:ビビの猛アタック気質、まさかのシェリーではなくギルバートの血筋だった件。
・●提案(現在):今回のまじない編の調査研究のため魔導学院の図書館に寄った際、手に取った本がギルバートの著書だった……という展開を是非やってみたかったり。その後、まじないの影響で出現した低級悪魔をやっつけるのに、彼の本を鈍器として扱う展開も見てみたかったり。やっつける(物理)。
・●提案:そういえば、ギルバートにはビビに隠れて酒を浴びる一面があったとお聞きしています。ギデオンの初期設定でも、『黒い館』事件の子どもたちへの罪悪感から深酒をする時があるというものがあるので、ギデオンとギルバートの姿を重ねて何かしらの反応を示すビビが見てみたかったり……
・●提案(将来):ギデオンとギルバートの対決の際、「どうしてふたりして私のことをちゃんと大人として扱わないの!!」とビビに怒られる展開。バチバチに火花散らしてたはずが並んで正座させられる父親と婚約者の図、絶対面白いと思うんですよ……! もちろん本当に父親であるギルバートと違い、そのときのギデオンはビビをちゃんと女性扱いしていると思うのですが、それでもどこか過保護な点はギルバート同様抜けてなかったり。
また以下は、お返事を待つ間に作成していたギデオンPFの改訂・増量版です。この先あまり使わないと踏んだため、胸元にダガーを隠している設定は削除しました。それ以外は主に、ギデオンの歩んできた人生の加筆となっております。この先適宜修正など行うかもしれませんが、せっかくですのでおつまみ程度に楽しんでいただければと!
姓名 / ギデオン・ノース
年齢 / 39歳
容姿 / 白髪の混じり始めた暗めの金髪で、時折掻き上げる程度の長さの前髪あり。やや垂れ目気味の目は薄いブルー。若いころはさぞやモテただろうとわかる彫りの深い顔立ちだが、加齢によりくたびれた雰囲気を醸している。職業柄しっかり引き締まった肉体の持ち主。ワインレッドのシャツに黒い脚衣、革製の上着と靴といったシックな服装を好む。戦う時の戦士装束は年季の入ったそれで、魔法の込められたドラゴン革とミスリルの鎧が組み合わせられたもの(※グランポートで空いた貫通痕は業者により修繕済)。この装束を脱いでいる間も、腰に愛用の魔剣を携える。
人物 / 所属ギルド『カレトヴルッフ』で25年勤めあげているベテラン。常に気怠げながらも面倒見が良いため、周囲からの信頼は厚い。積極的な性質ではないので大隊のリーダー役に名乗り出ることなどはないが、小隊ならば率いてきた実績も多数。若手の育成や相談役を任されることも多く、その関係で顔は広い。ただし本人自身は本来単独行動を好み、ギルドの宴も最初だけ顔を出したら若い連中の酒代を奢り自分は端の席に引っ込む、といったことがほとんど。休日もどちらかと言えば一人静かにゆっくり過ごすことが多い。
ギルドの仲間や馴染みの知り合いには年長者としての情をかける一方、自分自身に対してはどこかで、「人並みの幸福を手に入れてはいけない」と強く思い込んでいる節がある。ごく時々だが、ひとりで深酒をして若干自棄になることも。
今年の春の終わりごろから、後輩のヒーラー娘、ヴィヴィアン・パチオと仕事を組むことが増えている。カレトヴルッフのマドンナである彼女に惚れられてアタックされている、という噂が立っているようだが、ギデオン自身が日々仕事で忙しく、カレトヴルッフ本部に立ち寄ることが少ないので、事実かどうかは定かではない(というより、まだ定かにしたくない連中が多い)。
過去 / 今でこそ女性関係を敬遠しているが、若いころは寧ろ積極的で、今とは違い陽気だったこともあり、バチバチに遊びまくっていたとの噂。所縁のある女性が各地におり、ギルドの用事などでばったり出くわした際には再びモーションをかけられることも。(なお現在の本人は、露骨に苦虫を噛み潰したような顔をして嫌がるのが常。また、女性たちはどれも妖艶かつ曲者揃いで、ビビのような純粋な恋慕を抱くタイプはいない様子。)
女遊びがぱったり途絶え、現在のように落ち着いたのは、12年ほど前に起きたとある事件が原因。「黒い館」「サキュバスの女」が絡んでいるということ以外は情報が残っておらず、詳しく知るのはギルマスほか口の堅い少数のベテランのみ。自分を幸福から遠ざけるようになったのもこの事件がきっかけであるとうかがえる。
半生/
○幼少期:北部の街にて、高級娼婦からお偉方の男の愛人になった、ジェニファー・ノースの元に生まれる。
ギデオンが将来困らぬようにと、彼女から文字書きを教わったり、やたら良い食事を与えられたりした成果から、ある程度の教養と、本来の身分にしては分不相応に肥えた舌を持つことに。
父親には正妻と跡継ぎの子どもたちがいたが、ギデオンとその母親にも愛情を向けていたようで、時々家を訪ね、生活に不便がないよう取り計らってくれていた。
正規の関係ではなくとも愛情関係は成立するようだ、と幼いギデオンが何となく学んだ要因。
○32年前(7歳):父親が何らかの罪で捕まり、全財産が差し押さえに。
彼が養っていたギデオン母子もそれまでの隠れ家を追い出されることとなり、母親から「おまえは都で働きなさい」と別れを告げられる──幼いながらに、今生の別れらしいと淡々と理解する(そもそもギデオンは母親が元娼婦だと知らなかったため、彼女が息子を遠ざけて夜鷹に戻ったことまでは察していない)。
僅かばかりの金を握りしめ、母親の伝手を頼ってキングストンに……向かうはずだったが、幼すぎてそう上手くいかず、あちこちで見習いや雑用をして食いつなぐ。
○31年前(8歳):子どもにしては教養があるということで、ギデオンをいたく気に入ったへんてこな旅商人に連れ回されていた(この関係で目上の世話を焼く経験を積んでいる)。やがて、彼の知り合いであるカレトヴルッフの冒険者に保護がてら引き取られ、ようやくキングストンの地を踏む。
冒険者の子・遺児・幼い親族、もしくは純粋な孤児を預かる施設に入り、しばらく集団生活を送る。
○29年前(10歳):ほかの子どもとともに、自動的にカレトヴルッフ冒険者見習いとなり、下積み時代を過ごす。
冒険者という人種がさらに身近な存在になり、その道を強く志す。
○25年前(14歳):剣の腕を見込まれ、カレトヴルッフでの冒険者登録を遂げた後、女剣士シェリー・グラハムに師事。
剣技や冒険者としての立ち回りを教わるうちに、12歳年上のシェリーに淡い初恋を抱く。──もしかしたら、母性のようなものも彼女に求めていたのかもしれない。
○24年前(15歳):シェリーが懐妊、同時にギルバート・パチオと結婚。
薄らとした失恋と同時に、師弟関係も解消することに。
まだ少年だったギデオンにとっていろいろあった時期ではあるが、それでもシェリーへのまっすぐな敬愛から、研鑽を積み重ねていく。
○23年前(16歳):シェリーが娘の出産で死亡。
内心かなり落ち込んでいたが、同い年の魔法剣士見習いであるアーロンから、一緒に遊ばないかと声をかけられる。
これがきっかけで2人は親しくなり、背中を預けあってクエストを共に達成しつつ、自由な時間には連れ立って女遊びをするようになる。
本格的な独立が始まる。
〇21年前(18歳):アーロンとともに、二人一組の双子剣士として駆け回っていた青春時代。
勢い余って遊びまくっていたあるとき、アーロンが年下の少女を引っかける。少女の正体は人間のふりをしたサキュバスであり、初めて交渉する相手がアーロンだった。
サキュバスは「優しくしてくれた」アーロンに本気で恋をしてしまうが、アーロンにとってはただの遊び相手でしかない。
最終的に、「人間とサキュバスでは子どもを作れないから」という理由で、一方的に別れを告げる。
ギデオンはこれを静観。
○18年前(21歳):自分の女性関係を一度真剣に考え直し、カレトヴルッフの事務員として働いていたマリアと仮交際していた時期。
それでも当時はまだシェリーのことを引きずっていたのをあっさり看破され、話し合った末友人関係に戻る。
〇17年前(22歳):サキュバスの少女が、アーロンを諦めきれずにずっと追いかけ、アプローチをし続ける。
やがて疎ましく思ったアーロンが、彼女を呪いで攻撃してしまった。弱りきったサキュバスはついに姿を消す。
ギデオンも流石にアーロンを咎めて口論になるが、結局のところ友情が続く。
○15年前(24歳):マリアがカレトヴルッフの冒険者と結婚したころ、酔ったアーロンと「互いの女の趣味を交換してみよう」という(最悪な)話に至り、アーロンは二十代半ばの茶髪の女を、ギデオンは年下を引っ掛けることになる。
その結果、アーロンの人脈によりアイリーンと知り合う。アイリーンは当時17歳だったが、出会ったときの店では20歳と偽り働いていた。
このため、彼女に手を出した後になって実は未成年だと知らされ、ギデオンはぶったまげる羽目に。尚アイリーンはしれっと開き直っていた。
──容姿こそシェリーと似ていても、中身はまるきり別人かつ強烈だったアイリーンとの出会いによって、ギデオンの中に微かに残っていたシェリーへの拘りは、ようやく自然に失せていく。
同時に、ギデオンのポリシーに反する物件を黙って紹介した咎でアーロンと真剣に話し、以降の女遊びはそれぞれで嗜むようになる。
後腐れのない関係を求めていたギデオンは、キングストンよりも遠征先で一夜の相手を探すことが増える。
●12年前(27歳):
この頃には、ギデオンもアーロンもある程度落ちつき、それぞれ個人で引き受けている仕事のためやや疎遠になっていた。
しかしある日アーロンから、「最近子どもが行方不明になっている事件を一緒に調査してほしい」と依頼が入る。何か心当たりがあってギデオンを選んだ様子。
→調べるうちに、行方不明の子どもたちは4人全員、「髪色・目の色・顔のそばかすがアーロンと同じ」と判明。
→さらに、子どもたちはある森のそばで行方不明になったこと、そこには「恨みに狂った美しい魔女が黒い館に住んでいる」噂があるらしいことがわかる。
→アーロンは若いころの過ちが万一明るみになるのを恐れ、同行者にギデオンのみを指名。2人だけで館に乗り込むことにしてしまった。
→黒いペチュニアの咲き乱れる不気味な館を訪れてみると、やはりそこにいたのは例のサキュバスで、彼女は完全に気が触れていた。
彼女はアーロンに捨てられたのが9年前であることを理由に、いずれも9歳前後の「アーロンとの間にできた子ども」を魔法の力で監禁し、一方的に愛で暮らしてきた様子。
ただし、サキュバスである彼女は人間の世話の仕方を知らず、誘拐された子どもたちは既に酷く衰弱していた。
→子どもの保護を第一に考えたアーロンは、ギデオンに子どもたちを連れ出させるため、彼女に嘘の愛を囁く。
しかしそれがサキュバスの逆鱗に触れ、彼女は大暴れした。
死闘の末、サキュバスの放った呪いが四方八方に飛び散り、ギデオンの目の前で3人の子どもが死んだように動かなくなる。
⇒子どもの命を奪わせるわけにいかないと考えたアーロンが、サキュバスに対する無抵抗と完全服従を宣言。
彼女はギデオンに子どもを連れて出ていくように言うと、館に火を放った。
⇒結局、行方不明になった子どもは全員発見できたものの、無事だったのはアラン少年ひとりのみ。ほか3人は昏睡状態で、後に魔法医に診せても呪いを解くことができないとわかる。
黒い舘の焼け跡からは、アーロンの死体は見つからなかった。
⇒かつてアーロンとともに興じた若い過ちのせいで、ギデオンがアーロンを止めずにいたせいで、ギデオンが咄嗟に子供を守れなかったせいで、全員が不幸に陥る悲劇が起きてしまった……という考えから、一連の出来事はギデオンにとってトラウマとなる。
⇒それまで緩やかに関係を保っていた女たちのほとんどと、次々に縁を切る。
自分の人生に突然余裕がなくなったことと、女絡みで道を踏み違えた男を間近に見た結果、自分ももし女性たちを不幸にするような過ちを犯したら、と恐れたのが原因。
○11年前から3年前(28歳~36歳):ギデオンの過ちで昏睡してしまった子どもたちの医療費を肩代わりするため、高額報酬の危険な仕事ばかりをガンガン引き受ける。
そのストレスによる反動で本能的な欲求が強くなり、賠償分を差し引いた金で娼館通いをするように。
このころは、情で繋がる女ではなく、あくまでも金で契約する商売女としか寝る気になれなかった。
通ったことがある店は、『シャバネ』『サテュリオン』『クラブ・リリス』『豊穣のホルン』 など。
この時代に、ホセ、レオンツィオ、スヴェトラーナと出会い、それとなく友人関係になる。(※彼らにとってのギデオンはこの頃の印象が強いので、いつも涼やかな顔を取り繕う下で娼婦を食い、その癖どこかひとりで追いつめられている、複雑な剣士というイメージが残っている)
○3年前(36歳):がむしゃらに働いた成果により、カレトヴルッフである程度の地位を築き、安定した固定収入を得られるように。
危険な仕事を無理に詰め込むことが無くなった結果、欲も落ちつき、娼館通いがめっきり減っていく。
若手指導の仕事が増える。
おそらくこの頃、ヴィヴィアンがカレトヴルッフに正式加入。
○1年前(38歳):仕事仲間と行った『豊穣のホルン』が、娼館通いの最後に。
○約8ヶ月前(38歳):槍使いのホセと若妻の結婚式に出席。
幸せそうに寄り添う二人を見て己を見つめ直し、元から離れつつあった女関係の遊び事から、さっぱり足を洗うことに。
○約4~5ヶ月前:ある朝、カレトヴルッフの掲示板前で悩んでいた16歳下の若手ヒーラーに声をかける。
その後の成り行きから彼女と相棒関係になり、人生が変わりはじめる。 )
198:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-17 14:17:20
( / いえいえ!お忙しい中、ご丁寧なお返事ありがとうございます。どのご提案も本当に魅力的で、これからも背後様と、2人の関係を拝見できるのが非常に楽しみでなりません。返信速度につきましては、こちらも先月から開きがちでしたのでお気づかいなく、リアル優先でご負担の少ない形でご用意していただければ幸いです。
手のかかる年上女性の面倒に追われる美少年……なんと美味しい設定でしょうか!
2人の初恋の経緯が似ているという設定も本当に愛しくて。シルクタウンの時のビビの様に、ギデオン様も、危ないところをシェリーに助けられて恋に落ちたのかななどと妄想しては、その可愛らしさに悶えれば良いのか、そんな初恋をビビより10歳も早く経験しているギデオン様のマセてるところにときめけば良いのか、何度もニヤつきながら文章を読み返す気持ち悪いオタクになってしまいました……。現在のギデオン様がビビに対して何かを言う度に、マリア様や昔からお付き合いのある冒険者の方々に、お前が言うのかと思われているギデオン様がいると思うと、非常に妄想が捗ります。
ギデオン様がシェリーの弟子に就く経緯や、惚れる前のギルバートとの語らいなど、素晴らしいご提案をありがとうございます。非常に魅力的な設定ですので、是非そちらでお願い致します。それにあたって、此方の方でももう少し時系列を修正したい点が幾つかございましたので、ギデオン様の新しいPFを確認しながら、時間のある時に調整させていただきますね。
そこでひとつ提案なのですが、もし宜しければ設定置き場用にもうひとつトピックを立てても宜しいでしょうか?5月から4ヶ月ほど、非常に長いお時間お付き合いいただいて、レスもそろそろ200を超えますし、以前こう仰ってたはず……と、レスを遡ることが増えてまいりまして。また、こちらは私事なのですが、あまりやり取りをする場で長大な設定を置くのもと遠慮した結果、背後様からもっと素晴らしい設定をお返しいただいて、もっと此方も拘れば良かったと思うことも度々あり……全部読まなくても良い細かい設定ですとか、裏話を気兼ねなくおける場所があれば良いなあと考えていた次第です。
其方はもちろん、全部読んで追っていただく必要はないのですが、見る場所が増えるのは事実ですし、ご負担ということであれば断っていただいて構いません。
以下は純粋な感想のみになっておりますので、もしよろしければお時間ある際にお読みください。
ご老人に子供扱いされるギデオン様、という展開も非常に魅力的で、是非この先拝見させていただきたいです。どこかの街で仕事をした後、何らかの理由でビビが宴会を提案し、無理に飲まされるなり、飲むなりしてリバースしたのを介抱していたところで、街のご老人達のシナプスが繋がったりという展開もありそうだななどと考えてしまいました。もう!本当に!!その台詞は本っ当に狡くて最高なので!!!是非お聞かせいただけることを楽しみにしております!
ギルバートについても非常に好意的に捉えていただけて非常に安心致しました。マリア様が感謝しているという設定も、此方の設定に深みを与えていただけて感謝の気持ちしかございません。
ギルバートが脅威にならないと判断し、ギデオン様が諦めた年の差を、娘のビビが憧れで終わらせずにアタックし続けると思うと感慨深いものがありますね。自分にこそ弱いギルバートが、周囲からそこまで人気のあるマスターでなかったことはビビも知っているとは思うので、ギデオン様悪い人じゃないと仰ってくださるのには非常に救われると思います。
年の差もあって非常にぶつかり合う(一方的にギルバートがキレてるだけかもしれませんが) 2人だとは思いますが、女の趣味が似ている者同士()いつかは仲良くなって欲しいなあと思う次第です。
当方もヴィヴィアンのPFは加筆したいと常々考えておりましたので、背後様がお忙しい間に完成したら提出いたしますね。
それでは今後ともよろしくお願い致します。 )
199:
ギデオン・ノース [×]
2022-09-17 16:51:26
(二ヵ月ぶりに発せられたその致命的な呼び名に、そこそこ重いダメージを一瞬ずしっと受けたものの。初めてではないことと、揶揄うような軽い調子──を努めた声──だったことから、「……」と彼女に寄せていた体勢を元に戻し、遠い目つきを外側に逸らすだけでやり過ごすことにする。とはいえど、彼女の実父であるギルバートより世代はひとつ下だから、あくまでものの喩えだろう、そのはずだ……などと思い耽る横顔には、複雑そうな色合いが露骨に浮かぶ有様で。彼女がこちらを振り向いた気配がした途端、なんとなく遮るように口を開いたのは、自覚のあるその表情を見られたくはなかったためだ──遅かったかもしれないが。)
──場所柄、同期を誘いにくかったら……俺に声をかけてくれ。仕事の都合さえ合えば、基本的に動けるはずだ。
(「聴取する女性の中には、同性にしか打ち明けたがらないタイプもいるだろう。その点でも一緒に動いてくれたほうが、俺の方の調査でも助かる」と。きっかけこそくだらない保身だが、ひとたび口から滑り出たのは、それなりに合理的な理由。……虫除けのためであれ他の男とここに来させたくない、という感情がふと湧きだした自覚など、ほとんどないままだった。──そうして奇しくも誘いの言葉を先取りしながら、厳めしい骨董品店や老舗の魔道具屋に紛れるように建つ『シャバネ』にとうとう辿り着く。ギデオンが通った4年前とは違い、その出入り口は人目を忍ぶ路地裏にあった。娼館に限らず、余計な客を招き入れたくない一見お断りの高級店に多く見られる形態だ。通常は裏口にあたる、地味だが分厚い扉を守るのは、黒服に身を包む筋骨隆々の守衛2人。女連れのギデオンが近づいてきたのを見た男たちは、薄らと眉を顰め、「どのようなご用件でしょう」と、建物の中身を明かさずに曖昧な問いかけを。公認ギルド協会の身分証を見せ、利用ではなく捜査のために訪れたことを明かせば、ガサ入れを警戒した守衛は眼光を鋭く光らせる。しかし、『サテュリオン』のやり手婆の名と彼女に渡された情報も明かせば、顔を見合わせてからすんなりと気配を収め、非礼を詫びてふたりを中へ。訝し気な様子でやってきたメイドに、応接間に案内するよう話を取り付ければ、メイドも心得た顔になり、迷路のように複雑な廊下をしずしずと案内し始めた。……おそらく、女将の監視下でアメリアに聞き込みをするために、館の最奥まで通されることになるのだろう。ぽつぽつと灯る燭台の明かりに危うく照らされるゴシック様式の館内は、歩きながら眺めるだけでも見応えのあるものだ。名画の複製やグリフォンの?製、交差する形で飾られた見事なサーベル、ドラゴンの鱗の甲冑。そういった装飾品にそれとなく目をやるうちにふと思い出した裏話を、低い小声で隣に囁くことにして。)
この館、元は数百年前の貴族の邸宅らしくてな。最初は、要人同士で密談をするためにこんな複雑な造りにしたそうなんだが……最後の当主が死んだ後、残された女主人が拷問館に造り変えて、夫を陥れた政敵を次々暗殺したなんて逸話がある。女主人が処刑された後も、解体業者が次々不幸な目に遭うせいで、取り壊すことができなかったらしい。
どういう手を使ってか、『シャバネ』の初代がここを買い取ってからは、そんな物騒な話もなくなったが──地下に残ってる拷問部屋は、今でも被虐趣味の貴族御用達って噂だ。
(/温かなお言葉をありがとうございます……! 今後直接の展開についてですが、アメリアに詳しく話を聞き、呪物や加害者などについてしっかり情報を得るのでも、既にアイリーンのところである程度聞き込みしているためごく簡素に済ませるのでも、どちらでもお好きな方向にしていただければと思います。
さて、設定置き場を設ける件についてなのですが、是非ともお願いしたい所存です。お互い心置きなく物語の世界を広げられた方が、より深く楽しめると思うので……! 実は当方も密かにメモ帳などに情報をまとめ、お返事待ちの間に眺め返しては思いを馳せておりましたし、いっそ別所を提案してみようか、しかしそれだと重いだろうか、というのを、初期のころから悩んだりもしておりました。なので負担など一切なく、むしろ需要ありまくりなくらいです。
この件についてひとつ提案するとなると、無登録で共有できるWeb上のテキストサービスの利用などでしょうか。セイチャット上では基本編集不可ですが、そちらを利用する場合、情報の加筆修正や、URLの振り分けによるカテゴライズ・リスト化なども可能となるため、情報整理においてかなり便利なのではないかと思っております。出会いや宣伝目的ではなく、匿名性を保ったままセイチャ上の交流を補佐するためのものですので、規約やマナーにも違反しないかな……? と。
しかしながら、決して主流な手法とは言えませんので、主様のイメージに沿わない場合は遠慮なくスルーしていただいて大丈夫です。その際は、セイチャットのトピック上で情報を見やすくする方法を考え出して、引き続きサイト内で楽しく遊べればと思っております……!
以下は諸々、感想の類となります。
此方の幻覚や提案が主様にとっても好みのようで、安心と嬉しさに湧きたっておりました。主様の話してくれた場面や裏話もとてもとても好みで……! アイディアの採用もありがとうございます。特にギデオンの礼の台詞はもう言わせたくてたまらなかったので笑 時機をみはからいながら進めてまいりますね……! そして主様の話を聞くうちに、ギルバートとギデオンとビビの3人がとても良い家族になれそうで、思いがけずほっこりしております。お互いにお互いに救われる関係、とても性癖です……。ともにシェリーとビビを大事に思う男同士、そのうち良い酒を酌み交わせる関係になればいいなあと思っております。
あと、前レスで触れそびれてしまったのですが、バルガスとリズのフラグはやっぱり幻覚じゃなかったんだ……! とものすごく興奮しておりました。建国祭の件がきっかけなのか、それともその前からなのか、バルガスはいつからリズを好きなんだろうとか、それともまだリズの片想いなんだろうかとか、もうあれこれ気になって気になって! ふたりとも最高のキャラクターなので、その辺りもおいおい知ることができれば幸いです。)
200:
ヴィヴィアン・パチオ [×]
2022-09-19 15:41:03
( 生意気な態度をとるビビに対しても、どこまでも大人な気遣いをしてくれるギデオンを見るに、相手の顔に一瞬、なんとも言えない複雑な色が見えたような気がしたのは気のせいだったらしい。いくら正規の依頼中では無いとはいえ、今晩の自分は気持ちを掻き回されすぎではなかろうか。勝手に期待したくせに落ち込んでいる己を自覚すれば、反省の気持ちとともに小さく息をつき、端的なお礼とともに頭を下げると、そのまま前に向きなおれば丁度その分厚い扉が見えてくる頃だった。)
、ッ──……ひ、非現実的な話ですね。亡くなった人間が生きている人間をどうこうできるなんて絶対な……そうそう何度もありませんよ。
どうせ何か都合の悪い物でも見て口封じでもされたんです。絶対そう!
( そうして踏み入れた豪奢な館は、ビビの想像する"娼館"とは一線を画すものだった。メイドの後ろを静かについて歩く間、ついその緑の瞳を好奇心にあちこち彷徨わせていると、徐ろにかけられた低い囁きに思わず息を飲んで、小さく肩を縮こまらせる。先程気持ちを切り替えようとしたばかりだと言うのに、一気に主張し始める心臓を抑えれば、けれども今のはビビだけのせいではないはずだと、誰に向けたものか分からない主張が心中に湧き上がる。羞恥心やら状況が許すなら、相手に対し如何に己が格好良くて、ビビの心臓に負担をかけているかを膝詰めで説教してやりたい気分になりつつも、素直に上半身ごと相手の方へ桜色に染った耳を貸したのは間違いだった。ギデオンの裏話にふんふんと頷くことが出来たのは最初だけ、すぐに好奇心による目の輝きも、頬の色もみるみる失われ、終いにはキュッと口を閉じたまま、下唇を噛んだ微妙な表情を披露する。──ありがちな怪談よね。と、内心やれやれと倒していた上半身を元に戻せば、その馬鹿馬鹿しい与太話を何気なく笑い飛ばす──少なくとも、本人はそうしたつもりだった。確かに倒されていた上半身は縦になっているが、その分足元までぴったりとギデオンの脇に近づいているし、2回ほど何も下げていない腰の脇を弄った右手は、爪の先が白くなるほどきつく自分の左肘を掴んで、心臓は一瞬前とは違った意味で主張を繰り返している。そもそも、ただの雑談をここまで強く否定する時点で不自然極まりないわけだが、グランポートの一件で完全に否定できなくなってしまった天敵の存在を依然認めるつもりはないようで。角を曲がった瞬間、「ア゜ッ」とごくごく小さく奇声をあげたのも、急に現れた一際立派な貴族らしい女性の肖像に驚いたわけでも無ければ、未だしばらく続くらしい迷宮の様な廊下が急に薄気味悪くなったりもしていない。したがって、どこか毛を逆立てた野生動物のような装いで不自然に言い募る言葉も、勿論強がりではなくただの感想だと主張する構えで。 )
ふ、ふふ……なによ、ただの絵じゃない……これがその女主人公だったりして──
( / 今後の展開についてご連絡ありがとうございます。それではアメリアについては、実際の被害者の描写をメインとして新しい情報はあまり出さない方向で、サクッと進める方向で参りましょう。今回でアメリアの描写まで行きたかったのですが、ビビのホラー耐性について折角拾っていただいたので以上の形となりました。次回、背後様の方でアメリアの描写をしていただいても、その前で切っていただいてもどちらでも結構です。
設定置場についてのご理解もありがとうございます。
この提案をさせていただいた時点で、完全にこのサイト内の個人用・練習用のカテゴリを想定しておりましたので、他のテキストサービスを利用するという発想は目から鱗でした。此方でも規約やマナーを確認してまいりましたが、セイチャットでの交流ありきかつ、出会い目的では無いのでセーフ……だと当方も解釈いたしました。
仰る通りセイチャットですと、後からの編集が難しいので、背後様にご提案いただいた方法に賛成です。現時点で背後様の方では、どのサービスをご利用されるご高察でしょうか。
バルガスとリズについても拾っていただいて非常に嬉しいです。毎回本編に必要ない脇道も丁寧に拾っていただき、大変感謝しております。
テンションの差が非常に激しい幼馴染ですが、小さな頃からリズが辛い時はバルガスが無意識に助けているというイメージで、リズの長い長い片想い。それ故にビビと仲良くなるのが遅かったという裏設定がございました。設定置き場が出来た暁には、そちらももう少し掘り下げられれば、と同時に、背後様のご負担でなければホセ様や、いつもビビを可愛がってくださるスヴェトラーナ様のお話も聞けたらと考えております。 )
201:
ギデオン・ノース [×]
2022-09-21 02:13:54
何度も? ・・
……ああ、そういやあったな、実例が。
(冒険者という物好きな人種は、上の世代から下の世代へ、嘘か真かもわからぬ逸話を語り伝えていくものだ。だからギデオンとしてはあくまでも、普通に与太話を興じた程度のつもりだった。しかし問題は、相手を間違えたということ──ある意味では、大正解ド真ん中を当ててしまったということで。明らかに虚勢の構えをとる相手を怪訝そうに見下ろすと、彼女の言葉の引っかかった部分を鸚鵡返しに繰り返す。と、そこでふと、かの幽霊船エウボイア号が脳裏に甦り。次いで、『ゴーストって殴れるんですかね……』と呟きながら己を抱きしめていた誰かさんのことも思い出して。……本人にとっては酷い話かもしれないが、魔獣や犯罪者相手にはあんなにも勇猛な娘がこうも震え上がるというのは、傍から見る分にはなかなかにこう、趣深いというものだ。思わず口許が淡く緩むし、彼女に注ぐ青い視線にはささやかな嗜虐心が乗ってしまっても、致し方ないというもの。だから、必死さを隠せぬ断言には、わざとのんびり、噛んで含めるような返事を。そんな空気を読んでか読まずか、曲がり角を抜けた瞬間に相手がびゃっと挙動不審になると、先を行くメイドがふと足を止め。能面のような顔のままゆっくり振り返ったかと思えば、「ただの絵? とんでもございません。大奥様はどんなお姿になっても、お客様をおもてなしすることがお好きですよ。今もほら。──貴女様の、すぐ後ろに」なんて、ほんのり微笑むものだから。横にいるギデオンは思わず拳を口に当て、小さく咳き込むようにして笑いを誤魔化すことになった。)
(さて、しれっとお茶目な能面メイドの案内のもとやって来たのは、娼婦たちの休憩サロンだ。客待ちで着飾っている華やかな夜の蝶たちは、他所の──ギデオンにその自覚はなかったが、普通に親密そうな──男女がここまで入り込んだことに、驚いた顔を浮かべるも、メイドが案内しているとわかれば特に何を言うでもなかった。そうして通されたのはサロンの奥、天蓋付きのベッドが鎮座している一室で。『シャバネ』のやり手婆がつきっきりで看病しているらしいその傍らには、かのアメリアと思しき女性が臥せっている。病の匂いはしないし、それを薄れさせてしまう香水の匂いも当然しない、それなのにそこまでの弱りようとはこれ如何に。やり手婆はこちらを見たが、またアメリアに目を戻し、彼女の耳元に屈んで何事か囁く。やはり『サテュリオン』の方から、ギデオンの派遣をとうに知らされていたのだろう。ギデオンが近づこうとすると、「来な……いで」と、弱々しい声が上がった。「殿方に……見られたくないの……お願い」。どうやら、容貌に支障をきたす呪いでもかけられたようだ。シャバネの華と名高い女がいきなり萎れた姿など、医者以外の男相手に晒したくないに決まっている。隣の相棒と目を合わせ、無言でしっかりと頷きかけた。──アメリアには相手が、『シャバネ』のやり手婆には自分が聞き込むのが良さそうだ。)
(/かしこまりました。ついアドリブで入れてしまった要素でしたが、巧みに取り入れてくださりありがとうございます。動揺するビビの裏返った奇声に大変身悶えております。
設定置場に関してですが、「poolsketch」というサイトがおすすめかなと。任意の文字列の追記により、独自URLを作成できるサービスです。他の無料サービスも確認してみたのですが、会員登録やアプリダウンロードが必要だったり、編集者の使用端末が表示されてしまったり、リンクが機能しなかったり、といった懸念事項がございまして。リンクを知る第三者も閲覧可能ではありますが、その辺りは元のセイチャも同じですので大丈夫かなと考えております。
ひとまず「0oooPetuniaooo0」で試作しましたので、そちらを入力してご確認ください。ざっくりと、こんな感じでフォルダ分けや引用が可能かな……という感じの書き込みを行っております。いずれもサンプルとしてご覧いただければ。
そしてバルリズが想像以上の破壊力。なんという破壊力。ちょっとこれはどこかで本編でも垣間見たいというかむしろスピンオフを発売してほしいというか……! ツンとしてるけど一途なリズと情に厚い天然イケメンなバルガスの幼馴染CP、滅茶苦茶好きです。ホセやスヴェトラーナについても、初期段階からずっと胸の内で温めておりましたので、設定置場が定まり次第喜んで投下しますね。)
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