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I’m hooked on you! / 〆/14


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自分のトピックを作る
■: 名無しさん [×]
2022-02-07 20:13:11 




──御相手様決定済み。





1: ななし [×]
2022-02-07 21:06:01





>>主様

募集版にてお声かけさせて頂いた者です。
改めましてこの度はご縁いただきましてありがとうございます。また、トピ建ての方お疲れ様でした。
さて、早速ではあるのですがpfを作成するに当たり募集伽羅に対しての萌萎は御座いますでしょうか。おありでしたらそちらを考慮致しながら作成したいと考えております。
取り急ぎでありますがこちらにて。





2: 名無しさん [×]
2022-02-07 22:15:24




まずはお越しいただきありがとうございます。
こちらの萌萎の方載せさせていただきますので、同じく御提示いただけましたら御希望を踏まえて作成させていただきます。
萌 / 萎以外。
萎 / 過度な暴力的、話が進まない程の無愛想あるいは無口、過度な反応の薄さ。

また舞台としましては、ある程度自由度が高く融通の効く似非中世風を構想しておりますがこちらも御希望等はございますでしょうか?




3: ななし [×]
2022-02-07 23:08:31




>>主様


名前 : シキ・レイジ・呉

年齢 : 29
身長 : 186cm

容姿 : 指通りの良い黒髪は襟足が肩につく程度、横の髪は顎の辺りまであり前髪は目の下辺りまであるために右側から適当に左右へ分けている。その為左目は少し隠れがち。切れ長の僅かな二重の涼しい目元は睫毛が短め、少し鈍めの黄金色をしており瞳孔はやや細め。通った鼻筋に薄い唇、口を開くと尖った小さな犬歯が覗く。外にあまり出してもらえず邸に篭りがちな為に色白で着痩せをする方だが脱げば細マッチョ体型、全体的に骨張った体格。服装はシンプルな物が多く色も落ち着いた暗めのものが多い。基本、タートルネックタイプの長袖とエナメル質のロングコート、短めのブーツに動きやすい細身のカーゴパンツを履いているがどれも黒と黒ずくめ。寝るときは和服を着流しにして寝ている。

性格 : 思った事や感じた事は良くも悪くも口にしてしまう事が多く良く言えば素直だが悪く言えば無神経。しかしそこに上手く表情が付いていかず、物静か。また表情筋が乏しいが故の誤解を生みやすい。その為か上手く伝える事が出来ずに空回りしてしまう不器用さ。それでも根っ子は意外と優しく面倒見も良かったりするがそれを発揮出来ても不器用さが少々目立つ。その無神経とも言えるある意味の素直さ故か恥ずかしい言葉でもストレートな物言いになってしまう。仕事に対しての冷酷さは異様なものであり仲間からも畏怖を向けられる程であった。所謂所の全体的にただの突っ慳貪。

備考 : 一人称「俺」二人称「お前、呼び捨て」
東の国出身と西の国出身の間で産まれた所謂ハーフ。周りからは“シキ”と呼ばれる事が多い。
恵まれない家庭で育ち何時からか犯罪を糧に生きるようになるが両親とは若くして他界し、それ以降ひとりで生きていくために等々人を殺めるのに手を染める。腕の良さを買われ裏社会の組織に勧誘されるも周りが気に入らず壊滅と追い込み生き残った者だけを集め自分を頭とし人攫い等を行ってきた。
躊躇わなく命を奪う道具として昔父に譲り受けた東の国の“太刀”を愛用しており、それを他人に触れられるのを酷く嫌っている。
愛情をあまり受けなかったせいか心に眠る優しさのせいか、必要以上に女と子供の命は奪うのを躊躇う様子が伺える。
東洋の文化が抜けないのか仕事以外の私服は和服が多いらしい。






>>主様
/ 僭越ながらpfの方を作成させて頂きました。扱いにくいような少し欠けた人物像を元にツンデレか?とも思えるような輩ですが、根っこは優しいのでその優しさを少しづつでも表現していけたらなと思っています。
改めまして此方の萌萎ですが、特段拘りはありませんが「強かだが垣間見える弱さ」がある方が好みです。
また此方のpfに直すべきや提案などありましたらご遠慮なく仰ってくださいませ。





4: 名無しさん [×]
2022-02-08 19:17:53




名前: メアリー・フレンローバウト

年齢: 19
身長: 165cm( ヒール分の5cm含む )

容姿: 毛先に向かうにつれクルクルとカールするブロンドは腰まで届き、同じく癖づいた横髪は胸元まで。長めの前髪をカジュアルに左分けで流しているため顔ははっきりと見えており、ボリューミーな髪質ではあるが重ためな印象は与えにくい。刺々しさを思わせる二重の吊り目を持ち、その鋭さはワインレッドの瞳が拍車を掛ける。肌は日焼けを知らないかのように白く、唇はふっくらと色付いており右目の下には艷めく泣き黒子が一粒。体付きは細身だが女性らしい柔らかさと凹凸もしっかりとわかるスタイルの良さを持つ。服装は女性らしさを取り入れつつも、生活上豪奢すぎないないものを好んで身に付けている。大抵の場合は瞳の色と揃いのワインレッドのロングワンピース、Vネックのため鎖骨から胸元にかけてが僅かに覗き、足元まで届く長い裾と手首までピッタリと覆う袖故に全体的な露出は少ないが妖艶さを引き立てる。その上に黒のレザージャケットを羽織っているのでワンピース特有の甘やかな雰囲気は抑えられている。裾でほとんど見えない足を覆うのは白のストッキングとエナメル質の赤いパンプスで、ヒールはあるものの動作の邪魔になりにくい5cm程度のものを愛用している。眠る際は生地の薄いネグリジェを身に付ける。

性格: 端的に表せば高飛車で自信家、それに輪をかける不遜。上から目線で高圧的にも感じる物言いは端麗な容姿によってさらに拍車が掛かり、口調も相俟って典型的な貴族令嬢を地で行く。しかし好きな相手に対しては非常に一途で愛情深く、また滾る心から発される熱烈な愛情表現を抑えない。好きなものは好き、嫌いなものは嫌いと主張がハッキリしており、どちらへの態度もほとんど包み隠さずに表現する。意外にも好意を抱く相手には尽くす傾向があり、隣に立っても見劣りしない人物となる努力も惜しまない。このようにある意味愚直とも言える性格を持つが、実の所は育まれずに腐りかけている低い自己肯定感の裏返し。誰からも必要とされずに易々と姉の身代わりにされるほど愛とは無縁だったが故に"普通"の感覚を測り損ねているが故の数々の言動。過剰とも言える愛情表現は愛されない寂しさを知っているから、研鑽に励むのは価値のない己が隣に立っても彼の価値を損なわせないため。ひたむきだがある種独善的な情愛を秘めている。

備考: 一人称は「 わたくし 」、二人称は「 アナタ 名前+様」
フレンローバウト家の次女。才色兼備の具現と謳われる姉とは違い、多少は見目が整っていようとも秀でた能力を持たなかったために常に冷遇されて育ってきた。裕福ではあるが、家族とともに食事をした経験すらも乏しいほど関係が薄い中でも独学で様々な知識と作法を身に付けることができた程度には才覚が眠っていたものの、しかし一つとして勝るところなどない姉の前では劣化にすらなれない存在だったために終ぞ血縁に愛されることはなく、狙われた姉の身代わりとして人質となる。一目惚れした彼と共に行動するようになってからは危険とも隣り合わせなので、少しでも足手まといにはならないように女性でも扱える"鉄扇"を武器としてアウターの内側に仕込んでいる。

( / ご提出ありがとうございます!修正なんてとんでもございません。素敵なご子息様と物語を紡いでいくことができて幸甚の至りです。こちらの方もpfの方を作成しましたので、修正点等ございましたら遠慮なく申し付けてくださいませ。世界観としましては街並みは中世風で科学は差程発展してはいないものの服装や食事、生活様式等は現代とそう変わらない自由度の高いもので行かせていただきますね。展開に応じてお好きに要素の付け足しなどしていただければと思います。 )




5: ななし [×]
2022-02-08 20:00:39





>>主様

素敵なpfをありがとうございます。
絵に書いたようなお嬢様だけれど、それを鼻につかないような欠けた何かを求める様が何とも愛らしいですね。
これからどのように物語が進んでいくかとても楽しみでございます。
さて、開始ロルに関してですが攫われる辺りからもまた辛辣で面白いのですが、敢えて“攫われた後、摘発されて逃げる前”辺りから初めて見るのも良いのかなと思っていたりとひとつの提案として。
あくまで提案ですので、主様の出会い(攫われてますが)を大切にされたい場合はもっと前から始めて頂いても構いませんし、お好きな場面を選んで頂いて構いませんのでお考えをお聞かせ願えればなと思います。





6: 名無しさん [×]
2022-02-08 21:19:36




お褒めの言葉、ありがとうございます。開始地点ですが、こちらも既に攫われた後辺りを想定しておりましたので異論ありません。連れてきた相手は本来の標的だったフレンローバウトの長姉ではなく身代わりの妹で、人違いだが何らかの交渉には使えるかもしれないので殺すことも出来ずにご子息様は一先ず彼女の見張り役を任せられる──という始まりから、暫く交流した後にやがて捜査の手が入る流れはいかがでしょうか。







7: ななし [×]
2022-02-08 23:02:25




主様とも考えが何処か近いようで少しばかり安心致しました。
それではそちらの背景で開始と致しまして時折回想等も挟みつつロルを回していけたらなと考えております。
初めに関しては何方からロルの方を提出致しましょうか。





8: 名無しさん [×]
2022-02-09 08:38:13




かしこまりました。こちらも時折回想等挟みながら交流を深めていければと思います。初回ロルはこちらの方で提出させていただきますね。少々お時間いただくと思いますので、気長にお待ちいただけますと幸いです。




9: メアリー [×]
2022-02-11 18:27:54




( 窓の一つすらない閉塞的な空間では時間など計れやしない。湿気の立ち込める薄暗い空間に最低限の灯りだけが灯された地下牢、清掃などまともにされていないのか埃っぽいこの場所に押し込められて──攫われてから一体どれだけの時間が経ったのだろうと、質の悪い麻縄で後ろ手に縛られた手首が痛むのを感じつつ、外界へと馳せた思いを溜め息一つに乗せて。石造りの建物特有の肌寒さが背筋をなぞっても満足に身動きが取れない状況では暖を取る術もなく、とことん儘ならぬものだと諦念に近い不服を抱きながら、仕方なく冷たい石の壁に背中を預ける。見悶えるような寒さだが体温が移って少しでも温くなれば良しと捉えるしかない。それにしても、久方振りに家族に呼ばれたかと思えば姉の身代わりとされるなど、誰が想像出来るだろうか。今にして思えば、侍女に施された化粧も姉にはない鋭利に吊った目を幾許か和らげるものだった。だがその些細な気付きで明らかな違和感など抱けるはずもなく、急遽外せぬ私用ができた姉の代わりの穴埋めで父母との食事会へと赴いた。それも終わり、すっかりと日が落ちきって人気のない会場の外で父母が離れた隙に、青天の霹靂と形容するに相応しく現れた男に混乱する頭のまま何処ぞとも知れぬ場所へと攫われた。そして連れてこられた拠点と思しき殺風景なこの建物に蔓延る犯人の一味が姉の名前を出したことから、身代わりの役目を悟る。このような組織の考えに思考を傾けても不毛だが、本来の目標でないとはいえフレンローバウトの血を継ぐ者、その一点の価値がある故に己は監禁されるのみに留まっているのだろう、しかしメアリー・フレンローバウトの身柄のために一銭も投じられることはないと知られればどうなることか。殺されるか売り飛ばされるか、禄な未来は浮かばない。このような状況に置かれたならば、いくら英才教育を施されている貴族子女とて恥も気高さもかなぐり捨てて泣き叫んでも許されるだろうに澄ました面持ちを保つのは、諦念が一匙加えられたある意味の楽しさを環境ではなく状況に覚えているからである。そっと視線を巡らせれば、立ち並ぶ無慈悲な牢越しに見張りとして待機しているのであろう男が映る。彼女を攫った者と同一人物でもあるのだが、同じ空間に脅威が滞在しているにも関わらず彼女は怖がる素振りすらも見せない。それどころか、口を開くやいなや怯えも緊迫も感じられない平常の声音で臆せず語り掛けて。その吊り上がった口元は彼にどう映るのだろうか。 )
ねぇそこの素敵なアナタ。見張り役なのでしょうけれどただ居るだけだなんて退屈ではなくて?わたくしと世間話でもいかが?


( / お待たせしました。初回絡み文の方を投下させていただきます。初回のため確定が多くなってしまいましたが、不都合等ありましたら仰ってください。)




10: シキ [×]
2022-02-14 05:08:47





(街の中ではある程度の勢力まで育ち力を持ったマフィア。人攫いや暗殺、武器密売に麻薬なんかも平気で行うアウトロー集団であり本日もだいぶ前から計画準備されていた任務が行われようとしていた。ある貴族の子女を攫い身代金を請求しようと云う少しばかり生温い計画だったが、資金調達はいくら道筋があっても足りない程に切迫した問題のひとつでもあって。担当するメンバーが呼ばれその中に己も存在し、攫うと云う大役を任されるが相手はまだ若い娘だとはあまり気にかけてはいなかったものの、躊躇うことなく実行に移していた。写真の通りのそれ、色濃く映る驚愕の奥に何処か悟ったような瞳をちらりと視界の隅で捉えた際に違和感があったものの攫う任は完了を迎え、拠点に戻るも後に別人だと判明し地下牢へと監禁させ新たな手段を見出す間の見張りを任されたのが約数時間前。薄暗いそこで、小さな椅子に腰掛けて左傍らの壁に刀を立て掛け暇つぶしにとマフィアの中でも唯一親しい仲間に渡された本を頼りない蝋燭の光の元読み現在に至る。どれだけの時間こうしているか分からないが牢屋と向かい合う形で時折動く音に僅かに顔を上げて見ると、自由の効かない身体でどうにか体勢を直そうとしているのか否か知らないが少し動く相手にしかし何かを言うでもなく再び本へ視線を落とした所で喉に厭に張り付く空気を割くように声が掛かる。凛と、鈴の転がるようなそれはやけに強くこの場には不釣り合いな色と表情に再び上げた顔、眉間へ皺を深く寄せ栞を頁に挟めば立ち上がり座っていた椅子にその本を置くと傍らに控えた背丈の半分以上ほどある太刀を片手に取ると半歩だけ近付き眼下、奥の方で壁に寄りかかる相手を見下ろし冷たくも何処か滲むそれを隠しきれないのか俯き加減で何処か消え入りそうな声で呟いて)
───…、無駄な口を開くな。残り僅かな命、此処で奪いたくはない。




( / 遅くなりましたが此方も提出させて頂きます。これからどのように動いていくかまた、どのような結末が待っているか。選択肢次第では大きく変わるであろう世界にとても心踊ります。 ( 蹴可 ) )





11: メアリー [×]
2022-02-16 18:55:54




あら、わたくし程度などいつでも切り捨てられるでしょうに情けを掛けてくれるだなんてお優しいこと。
( 絢爛な貴族階級が陽ならば野良犬のような人間が蔓延る裏社会は陰だろう、下町のさらに奥は不浄の領域だと教え込まれる貴族子女も少なくはない。彼女も幼き頃からの刷り込みとも言える知識で悪辣な坩堝の如き世界を思い描いていたが、彼を眺めているとそれが必ずしも正しいものではなかったのだと思い直す。読書を嗜む姿からは学が備わっているのだろうと推察でき、ともすれば名前すらも知らない相手の人生の僅かな一片を垣間見たかのような心地になるのだ。どのような本を読んでいるのか、書かれている内容に何を感じているのか、隔てられた世界とて一粒の愉しさは転がっているようで、肌にまとわりつく湿気の不快感も紛れるというもの。それを眺めているのも勿論良い時間ではあるが、半歩の僅かな距離だとしてもこうして歩み寄って反応を返してくれたのだからやはり声を掛けてよかったと、太刀を携えた彼を見上げて。生憎と俯いた角度では目は上手く合わせられないが、寒気すらも震わせるような声音の中にもほんの少しの躊躇あるいは徹しきれぬ非道を見れば、彼の牽制にも動じずに変わらず泰然自若な態度でうっそりと笑って。「 残り僅かならば、躊躇う必要もございませんわね。口煩いと此処で首を落とすのならばそれでも結構、最期を捧げられるのが貴方ならばそれもまた報われるというもの。 」今、この手がしがらみから解放されて自由となったならば神に乞う聖職者のように恭しく手を伸ばしていただろう。加害者を前にして紡ぐそれに媚びの色は滲まず、じっと見つめる瞳にはただ隔てられた向こう側の彼への興味だけがゆらゆらと浮かんでいる。牢獄であろうとも貴族令嬢の矜恃として背筋を伸ばしたまま、人質にしては挑発的とも取れる態度に、恐怖で頭がおかしくなったのだと嗤う者もいるだろうか。「 わたくし、貴方様を恋慕っておりますの。 」先の発言から間を置かず、彼にとってみれば脈絡もないだろうその告白は、異質か異常、或いは冗句や諂と捉えられるのが関の山か。 )




12: シキ [×]
2022-02-19 14:51:14




──何?
(つらりつらりと述べられる言葉は人質にしては些か否、とても普通とは掛け離れていて今までの人質は身分など関係なく訪れた非日常に適応など出来るはずもなく気が狂ったように泣け叫び無様にも慈悲を乞い、虚しく散っていった命ばかり。身代金請求諸々は他のメンバーに任せいざとなった場合を任されているのが己であった。命令通りに見張りとその時が万が一きたら躊躇うことなくこの刀を、今まで奪ってきた命と同じく光を奪わなくてはいけない。命の綱渡りをしていることを知らない訳ではないだろうに、やけに余裕がある相手の言動が心の奥に引っかかり。つけ離した言葉も無意味に次から次へと届く言葉は、自分の命など惜しくないようなうんざりともとれるそれで傍から見ればこの状況に諦めたとも思える言葉でもあるが、僅かに眉間へ皺を寄せつつ話しても無駄かと思ったのか背を向けて再び刀を壁に掛けて本の続きでも読もうかと椅子に腰掛けようと少しばかり身をかがめた時、鼓膜へと届いたそれにはた、と動きを止めて。意味が理解出来なかった訳ではない、ただ何故今このタイミングでしかも出会うなんて綺麗な言葉で片付けられるものではないがあくまで善と悪の立場。顔を合わせるのも今日が初めて、声を交わしたのだってつい先程の事。なのに何故そんな相手に恋慕を抱くのか、泣き落としならぬ別の方法と言うわけか。深く刻まれた眉間の皺、振り返りつつ問い掛け直しては本に伸びかけた手を引っ込めて再び刀を持つと相手へ向き直り 「 お前、命惜しさに──……、 」 何かを言いかけた所で口を噤み。何やら慌ただしい声が上の方から聞こえているのに気がつくと視線を向けつつ一度相手を一瞥すれば、腰掛けていた椅子に戻りドカッと腰を下ろせば刀を傍らに読んでいた本は足元に置いて )





13: メアリー [×]
2022-02-23 14:14:59




まぁ、命など呪いに等しいもの。他の有象無象ならばいざ知らず、貴方様に奪われるのでしたら喜んで捧げますわ。
( 凡そ人質が取るような態度ではないとは彼女自身も知っていた。しかし愛され育まれてきた令嬢ではなく、人生に希望など見出したことのない彼女にとっては命などむしろ呪いと吐き捨てる程に真にどうでもよく、頓着などはしていなかった。過去形だったのは、彼に出会ったからであるが。凶刃を抜くことはせず立て掛けた彼はしかし、冷えた牢獄にじんわりと反響した告白を至極当然に不審に思ったのだろう。「 ようやく目が合いましたわね、はぁ……トパーズなんかよりもずっと綺麗な瞳ですこと。 」、向けられた視線は彼女とは違い熱も何もなく、ただただ彼女の真意を図るよう怪訝な色を宿していた。左目は髪に隠れがちで見えづらいものの、向き合えばなんと綺麗な黄金色かと息を漏らし。寒さで僅かに青白かった顔色も、頬に差した赤みで和らげられる。彼の双眸は今まで見てきた宝石、その眩い輝きから王族が好んで身につけるイエローサファイアよりもずっと落ち着いた高貴な色が嵌め込まれていて、灯火の橙を反射し幻想的な雰囲気を醸し出していた。漂う空気も読まずに彼女の口から発せられたあまりにも突飛な言葉を命惜しさと考えるのは当然だろう、同じ状況に置かれたほとんどの者が助かるために媚びているのだと考えるはずだ、罪人が看守を誑かして脱獄した事例とて珍しいことでは無いのだから。彼の反応を分析していれば、騒がしくなった上階の振動に揺られて天井から砂埃が落ちてきた。髪に降りかかったそれを不機嫌そうに頭を軽く振って落とし、そっと首を上げて見上げ。「 随分と騒がしいこと。お祭り騒ぎとはこのことを言うのかしら。ねぇ、いつもこんなに賑やかですの?もう少し静かにできないのかしら、砂埃が鬱陶しくて仕方がありませんわ。 」、先程よりも少々荒々しくなった彼の態度は警告通り大人しくしない彼女への苛立ちか、あるいは上階の騒ぎのせいか。物静かな空間に響く外界の声は二人きりの世界を妨げる騒音にしかならずに、足の位置を変えるべくもぞもぞと動かながらも呆れ、あるいは不満を表すぶすりとした面持ちで尋ねて。建物が古いのか上階が騒々しすぎるのか、閉じ込められた時から不規則なタイミングで時折パラパラと降り注いでくる疎ましい砂埃に顔を顰めながら傲岸に彼の仲間へズケズケと文句を言ってのけて。 )




14: シキ [×]
2022-02-23 22:48:26





気でもふれたか……、
(命を捧げんと言わんばかりな言動は、人質対象として得ていた情報と異なるものばかり。蝶よ花よと育てられていてしかも非日常且つ明日の見えぬ状況下でよくも惚れた何だと言えるものだと心底謎に思えてしまうものばかりで。徐々に確実に衰弱している顔を赤らめてまで何を言うのかと思えば目が合っただの宝石の様だと褒め言葉とくれば困ったものだと思う反面、恐怖と絶望で狂う寸前かと思えてしまう程、今までの人間だってそういった輩は居た経験があるだとすれば其方の線も考えられるかと頭の隅で考えていると先程から騒がしい地上では何をしているのかと視線だけ向けつつ、騒がしいからどうにかしろと何処か不機嫌そうな相手にはどんな神経な太さを持っていればこの非日常下で言える言葉なのか、しかしそれでも何やら慌ただしいのはとても気がかりで少し腰を浮かせて様子を見てこようかとした時、仲間の1人が慌ただしく降りてきて。だが何故か怪我をしているのに僅かに驚いて近寄ると警察が乗り込んできたとの事、逃げろと言われ再び上へと戻っていく仲間。刀を持ち応戦しようかと思い階段を上がろうとした時、大きな音を立てて階段の入口が崩壊し塞がれてしまいその衝撃で牢屋の鉄格子に背中を強打すると少しだけ噎せ。このままでは生き埋めになっても可笑しくないと、脱出路として用意されている小さなくぐり戸を見るとまだ機能していそうで其方へ走りかがみ込んで扉を開けた所ではた、と立ち止まり。相手の居る牢屋へと目をやれば何処か迷いの色を浮かべつつ小さな舌打ちを零してから駆け寄ると素早く抜刀すると共に鉄格子を切り倒し、中に入り 「 生き埋めになってもらっても困る、来い。声は出すな 」 何処までも冷たいが反転した行動はしかして有無を言わさずに、両手両足を括られている状態なら都合が良いと左腕で相手を持ち上げると左肩に担ぎ上げて )





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