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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
4984:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-01 13:27:15
( 実際はエバンズ本人の了承を得ない限り薬の処方を決める事は出来ないものの、相手の気持ちは分かった。そして相手が説得してくれると言うなら、最終的にはエバンズも渋々ながら了承する事になるであろうことも、これ迄の経験上感じていて。『分かりました。処方の準備は進めておきますね。』と告げて。---エバンズが病室で目を覚ましたのは数時間後の事だった。目を開くと白い天井が目に入り、嗅ぎ慣れた薬品の香り。直ぐには状況を理解出来ずに僅かにみじろぎすると点滴の管が揺れ、此処が病院だと気付く。同時に自分は捜査の為に現場に居た筈だと思い出し、酷い発作に襲われ息を吐く事も出来ない程の苦痛に耐え切れず意識を失ったのだと思い至り。どれ程の時間が経ったかは定かではないが、投薬のお陰だろうか、身体はかなり楽になっていて。 )
4985:
ベル・ミラー [×]
2025-06-01 14:00:08
( アダムス医師が鎮静剤の処方準備を進めてくれている間、点滴の管に繋がれ眠る相手の脇にただ黙したまま座って居たのが数時間。___僅かに瞼が微動しゆっくりと持ち上げられ覗いた碧眼はまだ少し朧気に揺らいでいる様に見えるが、此処が病室であるとわかった瞬間に何があったのかを直ぐに察する事が出来ただろう。「…エバンズさん、」驚かせない様に相手の名前を静かに呼ぶ。視線が此方に向いたのならば「苦しくない?」と、今の体調を問い掛けつつ、相手の瞳の奥に“恐怖”が燻っていないかを確認すべくやや控え目にその瞳を覗き込んで )
4986:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-02 01:01:49
( 相手に名前を呼ばれて視線を向けると、心配げな相手と視線が重なる。薬のお陰で今は落ち着いて居る事もあり、相手の瞳を見て恐怖を感じる事はなかったものの、一瞬身構えそうになったのは先ほどのような前例があるからだろう。「……大丈夫だ、」と答えて時計を見上げる。現場に居たのは昼前頃、今は夕方という事は殆ど丸一日を無駄にしているという事だ。点滴の管が繋がる右腕には赤っぽい鬱血痕が残り、どうにか意識を繋ぎ止めようと爪を立てたその痛みを思い出す。「______悪かった、もうだいぶ楽になった。」と告げて枕に背中を預ける形で少し身体を起こし。今日出来ることはもう限られているかもしれないが、この時間であれば仕事に戻れると。 )
4987:
ベル・ミラー [×]
2025-06-02 13:21:11
( 点滴等の処置が効いているお陰だろう、瞳が重なっても相手が恐怖する事も発作を起こす事も無かった。これなら顔を見て話をする事が出来ると先ずは安堵を胸に「良かった。」と微笑み。__さて、目が覚め身体の調子が比較的良い状態の相手は眠っていた時間を取り戻すべく仕事に戻ろうと考えるだろうが、本題は此処からなのだ。ふ、と短く息を吐きやや背筋を伸ばす。「…エバンズさん、大切な話があるの。」相手を見詰める瞳も静かな声色も決して重たくは無いが真剣そのもの。何処から切り出すべきか考える僅かの間の後「…エバンズさんが眠ってる間にアダムス医師と少し話をしたんだけどね。…普段飲んでる薬と併用して、もう一種類、軽い鎮静剤も飲んでみない?」先ずは話の主となる鎮静剤の存在を伝えた後「勿論副作用は0では無いけど、頻繁に起きるフラッシュバックとか、エバンズさんの中にある恐怖心とかが軽減されるんだって。」“副作用”と言う単語は隠す事無く口にしつつ、果たしてどんな反応を見せるかと表情を伺って )
4988:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-03 10:26:52
( 真剣な口調で切り出された言葉に再び相手と視線を重ねる。服用する処方薬を増やす事で体調が安定するなら直ぐにでもと思ったものの“鎮静剤”という言葉が引っ掛かった。思い出されるのは、いつか別の医師に打たれた鎮静剤のこと。酷い発作を起こす事こそなかったが、強い薬は正常な思考さえも奪いその期間の事は殆ど覚えていない。もう一つは、捜査の指揮官を途中で交代せざるを得なくなった事件の事。精神力だけでは抗えない程に身体が辛く、眠気にも抗えず遂には捜査を続ける事が出来なくなったではないか。副作用がゼロではない、という事はまたあの時のように苦しい思いをする事になる可能性が高いという事だ。「_____鎮静剤は、事件に関わっている限りは飲みたくない。」とだけ答え、相手の提案を拒絶する。前のような状況になれば、此の捜査を途中で投げ出す事にもなりかねない。「点滴を外してくれ、休んだら落ち着いた。もう大丈夫だ。」と告げて、捜査に戻ろうと。 )
4989:
ベル・ミラー [×]
2025-06-03 21:23:40
__大丈夫じゃないよ。今は安定してるかもしれないけど、時間が経てばまた頻繁に発作が起きる。…私の目、見れなかったよね?
( 案の定相手はこの提案を拒絶した。ただその返事は想定内で捜査に戻ろうとするのも想定内。相手の中にある“鎮静剤”のイメージが最悪なのは過去の事例があるのだから仕方が無い事。けれど今回はその鎮静剤が相手を救うと思っていた。だからこそ“大丈夫”を首を横に振る事で否定した後、相手自身が“恐怖の対象”に気付いて居るかはわからないが、一拍程の間を空けて問い掛けた確認は切なさとほんの僅かの苦しげな表情を纏い__それも一瞬。今度は努めて柔らかな声色で「“あの時”みたいな事にはならない。エバンズさんが信頼する先生が処置する薬なんだから。__それに私も、もう勝手に指揮官を変えて欲しいなんて言わない。“事件を解決する為”に、少しだけ苦しいの取ろう。」相手が懸念する全ては何も起こらないと諭しつつ、点滴の管に繋がれる手の甲を親指の腹で緩く撫でて )
4990:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-04 10:09:13
( 相手の口から紡がれた問い掛けに、思わず言葉を失う。いつからか相手の瞳が過去の記憶と結び付き不安や恐れを感じるようになって居た事に、其の所為で無意識ながら相手と視線が重なるのを避けてしまっていた事に、相手は気付いていたのだろう。少なからず傷付いていた事を、一瞬翳ったように見えた表情から察するとそれ以上の拒絶の言葉は続かなかった。「……自分でもどうしようもないんだ、…意思とは関係なく、過去の記憶が呼び起こされる。気付いた時には、記憶の波に飲まれた後だ。」相手の言葉を否定する事なく、やがて視線を落としたまま言葉を紡ぐ。相手が悪い訳でも、自分がそれをコントロールできる訳でもない。些細なきっかけがフラッシュバックを引き起こし、何が起きたのか理解出来ないままに苦痛の中に突き落とされるのは、酷く辛い事だった。---事件を解決する為に鎮静剤を使う_______確かにこれまでのトラブルでは、自分の事をよく知らない医師による薬の処方が原因となっていた。主治医が、副作用が少なく気持ちを落ち着ける事が出来ると言うのなら、それに頼るのは悪い事ではないのかもしれない。現に頻繁に発作が起きコントロール出来ない状況には疲れ果てていた。手の甲を撫でる相手の指先を見つめながら、何と答えるべきか決めかねていて。 )
4991:
ベル・ミラー [×]
2025-06-04 19:30:19
( 沈黙の後、視線を落とし紡がれたのは否定では無かった。つまり互いに“緑の瞳”に思う所はあると言う事だ。責める事は勿論せず言葉を肯定する様に一度軽く頷き「わかってる、誰のせいでも無い。」優しい相手が罪悪感を覚える事の無い様に柔らかく微笑む。今、何よりも優先すべき事は相手の苦しみが僅かでも良い、軽減される事だ。骨張った手の甲を撫でている指の動きはそのままに、様々な事を考えて居るのだろう、沈黙を落とし続ける相手のやや伏せられた瞳を見詰める事数秒。「__思考が上手く働かない時は、もどかしいかもしれないけど私も一緒に考える。この捜査を担当してるのは私達2人だよ。…薬を飲んで、仕切り直そう。」此方まで薬の副作用に意識引っ張られ考え過ぎては、それを飲む本人はもっと不安になるだろうと、努めて普段通りの声色を心掛けつつ、“捜査を続ける”事を中心に置いた声掛けを )
4992:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-04 22:13:15
( 此れまで幾度と助けられて来たのに今になって“相手の瞳が怖い”だなんて。相手を傷付けるという事も分かっているのに、自分ではこの恐怖心をどうしてもコントロールする事が出来なかった。続いた相手の言葉は、変わらず自分を支えようとしてくれているもの。その上捜査を外れなくて済むようにという思いが籠っているもので、これ以上拒絶を続ける必要もないと思えた。やがて小さく頷くと「_______分かった、」と鎮静剤を処方して貰う事を了承して。---倒れた時に頭を打った事で少しズキズキとした痛みはあったものの身体は楽になっていて、主治医も今すぐに入院による加療が必要だという見解ではなかったようで捜査に戻れる事に安堵する。ようやく犯人に近づく事が出来たのだから、このまま解決まで導かなければならないと決意を新たにして。 )
4993:
ベル・ミラー [×]
2025-06-04 22:58:38
( 正直な所、数時間による説得も覚悟の上だった。それ程迄に相手が鎮静剤に良いイメージを持っていない事はわかっていたから。だからこそ100%の納得では無かったとしても了承してくれた事に大きな安堵を覚え。___MRIの結果も問題が無く、処方される事となった鎮静剤は朝食後に一錠飲めば夜まで効果が緩やかに持続する軽いもの。アダムス医師から相手へ、直接注意事項や現在飲んでいる安定剤や鎮痛剤と併用しても問題が無い事が告げられ、点滴終了後に病院を後にする事となり。___空は薄い雲と、隙間から漏れる夕日の橙がコントラストを描いていた。「点滴の効果が切れる前に、もう少し証拠を掴もう。」相手と共に車に乗りエンジンを掛けると、告げたのは家に戻り休む提案では無く、暗に署に戻ると言うもの。今が相手にとって一番身体が楽な時である事は明白で、事件現場で倒れ、何時間も捜査が出来なかったもどかしさを抱えて居るだろう事もわかっていた。だからこそ、今日はこれ以上休めと口煩く言うつもりは無く。車を発進させながら考えるのは明日以降の事。明日の朝飲む鎮静剤は、幾ら軽いものとは言え果たしてどれ程の副作用を相手に齎すのだろうか )
4994:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-05 00:48:40
( 倒れたのだから休むようにと言う事も無く、いつも通りに相手が署へと車を走らせた事はありがたい選択だった。時間を大幅にロスしている分、薬が効いて落ち着いている今は捜査を少しでも進めたい。自身の思いを、相手も主治医も少なからず汲んでくれている事は理解できて、礼を述べる事こそしなかったものの其れは信頼に繋がるだろう。---翌日、1錠増えた薬を朝食後に飲みいつも通り仕事へと向かう。薬が効き始めている事を感じたのはその数時間後。体調は安定していて、焦りや不安が胸の内にさざめく事もない。けれど倦怠感や頭がぼんやりするような感覚があり、少し身体が重い。報告書や資料に目を通すも、内容を理解し読み込むスピードが普段より遅いように感じた。「……ミラー、コーヒー淹れてくれ。」少しして相手に頼んだのはブラックコーヒー。少しでも頭を覚醒させたいと思っての事だった。 )
4995:
ベル・ミラー [×]
2025-06-05 11:04:22
( ___朝飲んだ鎮静剤が効果を発揮しているのか、唐突に響く物音や遺体の写真で発作を起こす事も無く、視線が重なっても相手の褪せた碧眼に恐怖の色が滲む事は無かった。けれど副作用もまた同じ様に顔を覗かせているのだろう。資料に目を通して居た相手からふいにコーヒーを所望されれば、頷き直ぐに給湯室へと向かい。__相手専用のマグカップの中に注がれた黒はその水面を揺蕩わせ香り良い湯気を生んだ。「お待たせしました。」と声を掛け相手にマグカップを手渡すと、「どんな感じ?」と問い掛ける。それは勿論の事、報告書や書類についてでは無く鎮静剤を服用した相手の体調、その副作用についてだ )
4996:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-06 13:47:01
( 身体が有無を言わさず休息を欲するようになるのも、鎮静剤の副作用なのだろう。以前も、そして今も、普段のように少しの無理をする事が出来なくなる。確かに此れまで鎮静剤を服用していた時のように身体が辛いという感覚は無いのだが、普段に比べて格段に情報の処理スピードが落ちる事はストレスだった。些細なきっかけが発作に繋がる事はなく、其処の“結び付き”も鈍くなる一方で他の感覚も鈍くなっているのだろう。相手から手渡されたマグカップを受け取り、コーヒーを口にしつつ「……内容が頭に入って来ない、」とひと言。思考が思うように働かない事に少なからず苛立ちを感じているのは明らかで、こめかみを抑えて。 )
4997:
ベル・ミラー [×]
2025-06-06 20:14:35
( アダムス医師が言った通り“違和感”は顕著に現れている様で、返事の端々に苛立ちの色が滲んでいるのを感じた。頭の回転が早く感覚が鋭い相手の事だ、もしかしたら他の人が同じ鎮静剤を服用した時に現れる副作用の倍の違和感を感じているのかもしれない。前程では無い…なんて言葉は相手にとっては何の慰めにもならないだろう。「…文字を追うより、映像として視覚に働き掛けた方がまだ頭には残るかも。」此処は書類と向き合うのでは無く、監視カメラ映像等の直接動き、音の出る物に意識を、と別の角度からの提案するも、“副作用”として現れる以上全て消し去る事は出来ないとも理解していた。そうして己に出来る事が殆ど無い事も。「__これ、気休め程度にしかならないかもしれないけど。何も無いよりは良い筈だから。」ジャケットのポケットから取り出したのは眠気防止のタブレット。強い清涼感のあるそれは、夜遅くまで捜査をした日の帰り道に運転に集中する為食べている物。ほんの僅かでも何か変われば良いと思っての事で )
4998:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-07 02:18:39
( 全てが何の犠牲も無く丸く収まる、という事は何事に於いても滅多に起き得ない。発作が頻繁に起きる辛い状態を脱するのと引き換えなのだから、少しの我慢が必要な事は分かっていたが、それでも不便さや違和感に苛立ってしまう。「…ああ、」と気のない返事ながらも大人しく相手が手渡してくれたタブレットを受け取り。---相手の提案通り防犯カメラの映像や、任意聴取をした時の録音などを再確認したものの、やはり情報の処理スピードの遅さは痛感させられる事となった。疑わしい人物としてマークしている為把握していたはずの複数の被疑者の内、名前と被害者との関係性、アリバイが結び付かず資料を確認する手間が増えた。倦怠感が纏わり付き、集中力がいつものように持続しない。夜になる頃には積み重なった苛立ちを分かりやすく醸し出す事となり。---『…ねぇ、警部補と何かあった?かなり虫の居所が悪そうだけど、』相手にこっそり話しかけて来たのは、隣の席のアンバー。彼が感情を露わにする時は相手が関わっている事が多い、という此れまでの経験を元にしたイメージのままに相手に尋ねる。『さっきもロドニーが、“要領を得た説明をしろ”って怒られてた。』と、肩を竦めて。 )
4999:
ベル・ミラー [×]
2025-06-07 23:00:17
( わかり易い程の気の無い返事に若干困った様な苦笑を浮かべるも、これ以上あれこれと言えば苛立ちが募り続けるだけだろうと軽く頭を下げ警部補執務室を出て。___夜になる頃には刑事課フロアに居る署員のほぼ全員が相手の苛立ちに気が付いて居た。フロアは何時にも増して静かで、何処となく微妙な空気も漂っている。八つ当たりをされたくないと、極力相手に話し掛け無いようにしている署員が居るのも傍目に感じていた。思わず溜め息が漏れた時、ふいに隣の席のアンバーが此方に身を寄せた事で顔を近づけると、尋ねられたのは矢張りこの空気を生み出して居る相手の事。彼の機嫌が悪い時、確かに己が関わっている事が多いのは認めるが、アンバーの中でもその認識だったなんて。今回は違うと思わず態とらしいジト目を向けるも直ぐに肩を竦め「捜査が思う様に進まなくてね。…さっきコーヒー頼まれたんだけど、お菓子も付けなかったから怒ってるのかな?」まさか体調の事や薬の事をあれこれ説明する訳にもいかず、捜査と言う無難な単語を出しつつも、不穏な空気を少しでも払拭すべく有り得ないと互いにわかる冗談を一つ。それから名前の上がったロドニーを一瞥する。少しばかり表情が暗いものだから「……エバンズさんと話してみるよ。」と、呟き視線を再びアンバーに向け小さく微笑んで )
5000:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-11 03:59:30
( 主治医の想定通り、鎮静剤を服用する事で体調は改善したと言えるだろう。この事件の捜査を始めてから大小こそあれど1日に何度も発作を起こすようになっていて、何が其の引き金になるかも分からなかった。けれど今は其の不安定さはない。正しい処置なのだろうと分かって居ながらも苛立ちを拭い切れないのは、今の状態があまりに自分の“理想”とかけ離れているからだろうか。真剣に向き合い解決しなければならない、被害者の無念を晴らさなければならないと何よりも強く願っているのに捜査の進展は遅く、自分の思考も追い付いていない。焦りばかりが先行して、自分の感情をコントロール出来ていないのだと少し冷静になれば分かるのだが。苛立ちを抑えられず集中力も持続していない今の状態で署に留まっても良い事はないと見切りを付け、仕事は持ち帰ろうと、普段よりも早い時間に執務室を出た。相手のスマートフォンに「帰る頃に連絡をくれ」とメッセージを入れたのは、相手が家に戻る時間まで別の場所で時間を潰そうと思ったから。未だ署員達もまばらに残っている時間帯、執務室の明かりが消えた事に驚きと少しの安堵が入り混じった表情で目配せをする者も居ただろう。 )
5001:
ベル・ミラー [×]
2025-06-11 13:59:56
( アンバーと相手の機嫌の話をし、折を見て様子を確認しようとしていた矢先。警部補専用執務室の扉が開き鞄を持った相手が出て来れば、身構えた署員達数名を筆頭にフロア内が一度わかり易い程に静まった。続けてデスクに置いたスマートフォンがメールの受信を知らせ、見れば普段よりも随分と早い帰宅を示す文面が。鎮静剤の効果で調子の悪さはかなり軽減されている中、仕事人間の相手がこんな早く帰ると言う事は矢張り副作用が大きく影響しているに違いない。そのメールに返信する事無くノートパソコンの電源を落とすと、カーディガンと鞄を引っ掴み、隣のアンバーに挨拶をして小走りに刑事課フロアを出て。___「…エバンズさん!、」相手の背中に声を掛けたのは署を出た所。小走りで駆け寄りその距離を縮めては「帰る頃になった。」さも当たり前の様に微笑んだ後「先に寄りたい所があるからちょっと付き合って。」と。___相手を助手席に乗せ車を走らせたのは街を抜けた静かな道。この道を以前も通った事はあるがその時はまだ昼間だった筈。やがて到着したのは相手の記憶にもあるだろう数回訪れた事のある海。昼間の様に海の青さを感じる事は無く、夜特有の暗く冷たい雰囲気こそ漂うが、騒がしくも無いこの場所は今必要な場所の様に思えたのだ。ライトを消しエンジンを切ると隣の相手に顔を向け「…少しだけ、寄り道しない?」と既に目的地に到着した後ながら提案をして )
5002:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-17 13:11:33
( 突然背後から自分の名前を呼ぶ声が響いて振り返ると、鞄を手にした相手の姿。つい先程、執務室を出た時には未だデスクに居たはずの相手がもう”帰る頃になった“と言って此処に居るのだから可笑しな話だ。自分に合わせて無理に急がなくて良いと伝えようとしたものの、付き合えと言われては其の言葉も飲み込み、ややして大人しく助手席へと乗り込んで。---車は町を抜け静かな道へと入り、やがて暗がりの中でも緑が目立つようになる。軽く倒した背もたれに身体を預け、何を語るでもなくぼんやりと車窓へと視線を送り、見覚えのある道だと気付いたのは随分と目的地に近付いてからだった。エンジンを切り静けさと波音ばかりが響くこの場所で徐に向けられた提案には「…普通着いてから言う事じゃないだろう、」と呆れたようにひと言告げたものの、その提案自体を無碍にする事はしない。帰ると言う事はせず、車内から海を眺められれば良いのか、或いは波打ち際の方まで行きたいのかと視線で相手に問い。 )
5003:
ベル・ミラー [×]
2025-06-17 21:22:00
細かい事は気にしない。…それにね、此処なら8割断られないだろうって自信があったんだ。
( 遅過ぎる提案に返って来たのは案の定呆れを前面に出した返事。全く細かい事では無いものの、悪戯に口角を持ち上げ肩を竦めた後、何処からそんな自信が来るのか今度は僅かはにかんだ笑みを送り。遠くに街灯はあるものの車のライトを消してしまえば辺りは闇に飲まれる。一度フロント硝子から外を見て考える間を空けたのは、静まった車内で視線で問われた選択に若干の遠慮をしたから。けれど本当に嫌な選択は選択肢から除外するだろう相手の事、此方に委ねてくれているのだと判断すれば「__近くまで行きたい。」と、言葉にし車を降りて。___吹き抜ける柔らかな海風はこの季節の蒸し暑さを消し去ってくれるようだった。砂浜を踏み締めた時の独特の感触が靴を履いていても足の裏に伝わる。暗い空と暗い海、一定間隔の波の音。「…暗いね、」なんて極当たり前、見たままを小さく呟くと軽く相手を見上げて )
5004:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-20 17:18:40
______着いてからじゃ断りようも無いだろう、
( 相手の言葉に対してぶっきらぼうな返答をしたものの、実際帰りたいと言う事もなくこの場に留まっている事がその証明とも言えるだろう。足元が見えにくいとか靴の中に砂が入るとか、多少なり日中の苛立ちを引きずっている状況で言いたい事は色々あるのだが、それを言葉にする事はせず波打ち際まで相手と共に向かう。海を眺めるのは嫌いではないのだ。「…夜だからな、」相手から落とされた言葉には、此方もまた至極当たり前の、そして相も変わらずぶっきらぼうな返答を。波が来ない場所に徐に腰を下ろして暗闇の中寄せては返す波に静かに視線を向けて。 )
5005:
ベル・ミラー [×]
2025-06-20 22:19:12
( 相手はそう言うが果たしてどうだろうか。本当に嫌だった場合、例え既に目的地に到着していたとしても“帰る”と主張し続けただろうし、まして波打ち際まで行くかどうかと言う選択肢を此方に委ねて来る筈が無い。ぶっきらぼうな返事の裏にある“別に良い”を勝手に抜き取り「確かにそうだね。」と頬を緩ませると相手と同じく隣に腰を下ろして。___返って来た当たり前の返事には小さな笑みを。その後互いに口を開かなければ聞こえるのは波の音だけ。酷く居心地が良く感じるこの時間で、職場での相手の苛立ちに此方から触れる事は辞めようと思った。その代わり海を見詰める端正な顔を、冷たい月の光を受ける碧眼を横から見「…帰ったら、何も考えなくて良い時間を作ろう。甘さ控え目のホットミルクと、アーモンドチョコで寝る前の贅沢な時間を満喫するの。今日は月が明るいから、電気点けないで過ごすのも良さそうじゃない?」語調こそ穏やかなものなれどやけに饒舌な理由は自分でも説明が出来ない。そうして静かに伸ばした手で相手の袖口を軽く掴んだその理由もまた、説明の出来るものでは無かった )
5006:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-24 14:29:17
( 普段なら執務室でパソコンと向き合っている時間。それなのに今は暗い海を前に波音を聞きながらこうして砂浜に腰を下ろしている。隣の相手も日中の自分の態度に対して思う事もあるだろうに何を言うでも無くこの後の過ごし方を提案されると、ややして「……偶には良いかもな、」と答えた言葉は、幾分棘の抜けた声色で紡がれて居ただろう。未だ夜更けでも無いのに少しの眠気を感じるのも薬の影響か。しかし相手と話している分には不自由を感じる事が無いため、確かに医師の言う通り副作用が最小限に抑えられた薬ではあるのだろう。「_____思考が不明瞭なのがストレスだ。…自分の思考に、意識が追い付いて来ない。」日中に感じていた苛立ちを静かに言葉にした。その背景には、一刻も早く事件を解決しなければならないのにという“焦り”ばかりがある事は自分でもわかっているのだ。 )
5007:
ベル・ミラー [×]
2025-06-25 18:36:15
( 静かに返された同意の言葉に微笑んだのは、そこに滲む僅かな穏やかさを拾ったから。袖口から手を離し意味を持たない直接的では無い触れ合いを終えて視線はまた暗い海へと向く。___波音と共に鼓膜を揺らしたのは静かに吐露された気持ちだった。再び隣の相手を一瞥し、そうして視線を前に戻す。確実に犯人逮捕まで近付いているこの段階で思考が不明瞭だと言うのは、相手自身が一番苛立つ事だろう。それを感覚の鋭さで敏感に感じてしまうから尚更の筈だ。「__焦らないでゆっくり…なんて悠長な事を言ってる場合じゃない事も、到底そんな気持ちになんてなれない事もわかる、」と、共に事件の捜査を担当しているからこその、そこの部分の共感を口にした後。「靄が掛かってる感じ?」相手の苦しみの部分を静かに問い掛けて )
5008:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-28 13:35:01
( 頭が上手く回らない此の感覚を、どう言葉にすれば良いのか分からなかった。相手に問い掛けられた事で改めて苛立ちの原因を冷静に分析すると、考えながら言葉を紡ぐ。「靄掛かっているのとも少し違う。……データを開く処理速度が遅いと言うべきか、…時々思考が途切れるような感覚が近い、」と言葉にして。考えたい事があり、いつも通りに色々な状況を頭の中で整理したいのに、パソコンが重くて一向にデータが開かない時のように思考が付いていかない。途切れそうになる思考を保とうと躍起になる事も、自分のペースで物事が進んでいかない事も苛立ちに直結するのだと。「……でも、確かに身体は楽だ。過去の記憶が強制的に引き出されるあの感覚が薄れている事に、助けられてる。」実際副作用と引き換えにずっと辛かった身体の状態が少し落ち着いているのだと正直に言葉にする。感覚が鈍っていると言うべきか、些細な事で発作を起こしていた苦しさから解放されている今の状況は大きい。医師の見立ては正しかったと言うべきだろうと、暗い海に視線を向けつつ小さく息を吐き出して。 )
5009:
ベル・ミラー [×]
2025-06-29 10:52:12
( “データを開く処理速度が遅い”と言うのは自然と想像の出来るわかり易い例えだった。急ぎの書類を作成しなければならない時、被疑者の勾留時間が残り僅かしか無いのに絶対的な証拠を見つけられない時、一分一秒も無駄に出来ない中で一向に開かないデータを前に募るのは間違い無く焦燥と苛立ちだ。「それは__物凄く腹が立つ。新しいパソコンに買い替えたくなるくらい。」100%全ての気持ちをそれで代弁出来る訳では無いだろうが、想像し眉の寄った険しい顔でそう静かな言葉を落とした後。それでも副作用と引き換えにした辛さが軽減されている、との素直な言葉には確かな安堵が生まれた。本来ならば何かと引き換えになどせずとも常に痛みからも苦しみからも解放されていて欲しいのに__。「……今はきっとエバンズさんに必要な物だよ。」捜査を降りる選択を決してしない相手に掛けた鎮静剤が“必要”と言う言葉。けれど心の奥底で燻る不安もある。事件解決後、心身に大きな負荷が掛かった相手に襲い来る何か嫌なものが具現化されそうな感覚。杞憂であって欲しいと願う反面、どうしても逃れられない気がしてしまうのだ。___吹き抜ける海風に冷たさが増した気がして隣に視線を向ける。「風、冷たくなって来たね。そろそろ帰る?」終わりの選択は相手に委ねようと問い掛けて )
5010:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-29 13:06:50
( 波が寄せては返す音を聞きながら涼しい風に当たり、相手の言葉を聞いている内にささくれ立っていた心が幾らか落ち着きを取り戻したのは確か。「______泣き言を言ってる場合じゃないな。此処まで捜査を積み重ねてきた、1日でも早く逮捕に踏み切れるように進めるのみだ。」決意を口にしつつ、“その先”の事は自分でも見通せない。必死に自分を奮い立たせ、心身に鞭打って立ち続けて来た今回の事件。ただ一つの目的はこの事件を解決する事、其れを達成した後の事は考えても居なかったが、今のように立っていられるだろうか。そんな珍しく弱気な考えが顔を出しそうになるのを振り払うと、「あぁ、戻ろう。」と頷いて立ち上がり、軽くスーツに着いた砂を払うと相手と共に車へと戻って行き。 )
5011:
ベル・ミラー [×]
2025-06-29 14:54:28
そうだね。私も悩んでる時間が惜しい。
( 相手が口にした決意は“らしい”もの。同意する様に真っ直ぐに海を見ながら頷いた後、少しの名残惜しさの様な感情の揺れを抱えたまま相手と共に車に戻り来た道を引き返し家へと帰って。___暗い海で話した通り、テレビも点けない静かな部屋の中で共にソファに座り蜂蜜入りのホットミルクとアーモンドチョコレートで穏やかな一時を過ごした。カーテンの隙間から射し込む月明かりが部屋の中をぼんやりと照らし、何処か神秘的な空間に染め上げる中でする会話は決して多くは無いが居心地の良い時間。多少特殊な上司と部下の関係を物語る一つのベッドで眠ると言うそれもまた、余す事無く安心へと繋がる。そうやってその日の1日を終え、翌日から変わらず一分一秒でも早い犯人逮捕を目指し捜査を続ける日が続いて )
5012:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-29 19:26:34
( ______事件解決までの道のりは長く、当初の想定よりもかなりの時間を要したと言えよう。しかし最終的に掴んだ証拠から容疑者として浮上した、カフェの客だった男の偽装されたアリバイを崩し、逮捕状を男に突き付けたのが今朝の事だった。“俺じゃない”と何度も無実を訴え喚いていた男だったが、隠蔽工作や偽装されたアリバイの証拠をひとつずつミラーが提示して行くうちに大人しくなり、その後『仕方なかったんだ!』と再び喚き始めた。犯行を認める言葉に深く息を吐き出した後、「……連行しろ、」と控えていた署員に指示すると暴れる男は手錠を掛けられ車に乗せられた。車がひと足先に走り去り、相手と2人になった家の前でもう見えない車の方向を向いたまま、終わったのかと妙に冷静に考えていた。喜びや達成感とは程遠い、犯人を逮捕しても尚胸の内に渦巻くのは虚無感に近い感情。犯人が明らかになり、身勝手な動機や浅はかな人間性を目の当たりにした事が寧ろ虚無感を増長させたと言っても良いかもしれない。“彼女”はこんな男の、一時の感情によって殺されたのか、と。外で吸う事は滅多に無いのだが、ジャケットの内ポケットに入れていた煙草を徐に取り出し火を点けると、犯人の家の敷地で階段に腰を下ろして煙を吐き出した。やりきれない感情をどうにかしたかったのだが、煙草の煙で身体を満たした所で気が晴れる訳でもない。「……事件は解決した。…犯人は裁かれ自分の罪を償う事になる、」相手にも労いの言葉を掛けられぬまま、自分に言い聞かせるかのように言葉を紡いで。 )
5013:
ベル・ミラー [×]
2025-06-29 21:38:46
( 散々無実やら身勝手な理由やらを喚き散らしていた男が連行され辺りは静かな住宅街の色を取り戻した。数台の警察車両に何事かと表に出て来ていた近隣住人の姿ももう無い。後に残るのは事件を解決しても尚残る重たい空気だけ。___追い風の微風に乗って香ったのは煙草の紫煙だった。振り返ると階段に腰を下ろした相手が煙草を燻らせていた。寝付きが悪く気持ちを落ち着かせる時など、たまに部屋の中で吸っている姿を見る事はあれどこうして仕事中、外で吸っている姿を見たのは恐らく初めての筈。煙に続いて吐き出された言葉はきっと己に向けたものでは無く、言うなれば相手が相手自身に言い聞かせる為に落とした言葉の様に聞こえた。「…そうだね。出来る限りの重い刑で、一生償い後悔し続ければいい。」相手の隣に腰を下ろし、低く冷たい声色でそう答えれば、一度深く息を吐き出し。「__…やりきれないね、」続けたのは短い素直な気持ち。犯人は逮捕されたがだからと言って彼女が生き返る事は無いのだから )
5014:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-29 22:20:18
( この事件をなんとか、自分の手で解決しなければと必死になって来た筈だった。犯人逮捕だけを目標に、正に捜査に心血を注いだ筈だった。けれど其の悲願を達成しても晴れる事のない気持ちを抱え、中途半端に取り残されてしまったような、虚無感にも似た感覚ばかりが纏わり付いている。相手も似た気持ちを抱えているのだろうと思えば、その言葉には小さく頷く事で同意を示し。座り込んだ場所から立ち上がるのが酷く億劫に思えたが、一番に向かうべき所はあのコテージだろう。短くなった煙草は家の前にでも捨ててやろうかと思ったものの、余り使われず新品同様の携帯用灰皿へとしまい立ち上がる。「…コテージに行こう。彼女に報告したら署に戻る、」と告げて、車へと歩き出し。 )
5015:
ベル・ミラー [×]
2025-06-29 22:52:35
( 正直な気持ち的には再びコテージに行く事に一抹の不安があった。例え事件解決の報告であってもあの場所は“思い出す”には十分過ぎる場所だからだ。けれど同時に心身を擦り減らし此処まで来た相手だからこそ、報告をすると言うのは矢張り必要不可欠な事だとも思うのだ。それは刑事としてだけでは無く1人の人として。___車を走らせ辿り着いたコテージは相変わらず鳥の鳴き声と風が葉を揺らす耳心地の良い音が聞こえる静かな場所だった。この場所で悲惨な殺人事件があったなどと、言われなければ誰も信じないだろう。___エンジンをきって車を降りる。落ち葉を踏む音がやけに大きく聞こえる中、相手の斜め後ろを歩きその背を見詰める。余りに大き過ぎる苦しみを背負い、それでも立ち続ける相手が何時か消えてしまう様な、そんな漠然とした不安を此処最近感じる様になっていた。手を伸ばし、その腕を取り、もう良いのだと言う事が出来れば…否、例え出来たとしても相手の歩みは止まらないだろう。「…痛みを感じた時間が、ほんの僅かであって欲しい。」中へと足を踏み入れた開口一番はそれ。即死では無かったのだから、どうしたって痛みも恐怖も感じてしまっただろう。それならばせめて、と。外の澄み切った空気とは違い、コテージの中は酷く重たく“死”を強く感じた気がした )
5016:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-29 23:24:06
( 此の場所は記憶を色濃く甦らせる。少しでも気を抜くと過去に意識を奪われるという恐怖心は少なからずあり、目の前の物だけを見据えて中へと足を進め。彼女が死の間際何を思ったかは分からないが、相手の言う通り痛みや苦痛、悲しみと言った負の感情を感じる時間が少しでも短ければ良いと思ってしまう______実際そうで無くても、残された者はそう願い続ける。---彼女が倒れていた場所は暖炉の近く、絨毯の上。其の光景が鮮明に甦りそうになり軽く目を閉じて再び開く。その場所で静かに手を合わせるも、犯人を逮捕した事を彼女が“喜んでいる”と思う事が出来なかった。自分の行動を悔いている訳でもない愚かしい犯人を逮捕してその目的が少なからず果たされた途端、進む道が途絶えてしまったかのようだった。「……犯人を逮捕するために、必死になっていた筈なのに…あの男を逮捕しても、虚無感ばかりが残る。事件を解決すれば、何かが変わると思った______でも、何も変わらない。セシリアも、アンナも、生き返らない。」事件を解決した事を喜び、いつものように相手の働きに感謝の言葉を述べる事も今はままならず、どうしたら良いのか分からない不安定な思いが溢れていて。 )
5017:
ベル・ミラー [×]
2025-06-29 23:57:55
( 相手の隣で視線を絨毯の敷かれる床へと落とす。広がる染みが何かなど考えるまでも無い。艶やかな髪の散り具合も、寸前まで恐怖を宿していてだろう光を失った緑眼も、これだけの日数が過ぎても昨日の様に思い出す。___不安定に揺れる静かな相手の声が静まり返ったコテージの中で大きく聞こえた。刑事に出来る唯一の事は犯人を逮捕し事件を解決する事。それが被害者が天国で喜んでくれる事に、残された遺族の心の痛みを僅かでも軽減する事に繋がるだろう。そう信じるしか無い。だが、実際どうだろうか。犯人逮捕は勿論望まれる事だ。だがそれを果たしたとて、亡くなった人が戻る事は決して無いのだ。遺族が、被害者本人が心の底から望む事はたった1つ、“今まで通りの日常”であろう。それを叶える事はどうしたって出来ない。「……私達は、無力だね。」相手の言葉を聞き、思わず漏れたのは余りに苦しい現実。「…身勝手な理由で奪って良い命なんて、そんなのある筈無いのに。…昨日まであった日常が急に消えて、それが、その傷が、簡単に癒される筈なんて無いのに__何で…そんな簡単な事もわからないで、」絨毯を見詰めたまま続けた言葉は途中喉に引っ掛かり、音を止めた。拳を握り締めた掌に爪が食い込み、その痛みが心の痛みと繋がる。相手は今、どんな顔をしているだろうか。見上げる事が何故か躊躇われ、深く息を吐き出した後、拳の解いた手を隣の相手の背に軽く添えて )
5018:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-30 00:19:03
( 自分たちに出来るのは、起きてしまった事件の真相を突き止め犯人に裁きを受けさせる事。多くの場合、未然に事件を防いだり人の命を救う事は叶わない。だから相手の言う通り“無力”なのだ。日常が壊れた後にしか、自分たちは動けない。背に添えられた相手の掌の温度を感じて、視線を落としたまま静かに息を吐き出す。やりきれない思いを抱えているからと言って、幾ら泣き言を言っても何も変わらない。またいつものように、刑事として進んでいく______其れが自分の望んだ道だ。「……今回は、色々とお前に助けられた。感謝してる。」それ以上弱音を吐く事は選ばず、普段の毅然とした態度でそう言うと署に戻ろうと相手を促しコテージを後にする。このままやるせない気持ちを抱えながらもいつも通り次の仕事が舞い込んで来て、捜査に赴くのだと、この時は思っていた。 )
5019:
ベル・ミラー [×]
2025-06-30 00:42:36
( 紡がれたお礼に返したのは首を横に振ると言うそれだけ。犯人逮捕に全力を尽くした事は事実、けれど事件と並行して“相手の心”を助ける事が出来たかは別だ。事件に集中しなければならないと、それが刑事である己の務めだとわかっていても心をそれだけに向ける事など出来ないのだ。例えFBI失格だと言われても。___相手に促されコテージを出る前、最後にアンナが倒れていたその場所に視線を落とす。笑顔の彼女の姿だって確りと覚えている。誰も居ないそこに一度だけ軽く頭を下げてコテージを出れば相手と共に署へと向かって。___それから2日後、出張に出ていた警視正が帰って来た。報告書の提出と共に口頭での事件解決の報告や詳細を伝える為先に警部補専用執務室の扉を開ける。「エバンズさん、準備出来ました。」仕事の区切りをつける事が出来、警視正の元に行けると伝え。___この2日間、相手に対して“違和感”を感じていた。それは何か説明の出来ない程の小さなものだったが、確かに頭の奥で警告を鳴らす様な違和感。それが何か、この時はまだわからずにいて )
5020:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-30 01:53:17
( 事件を担当する上で感じる虚無感や無力感というのは、刑事であれば誰もが通る道。其れは時間の経過や仕事に追われている内に徐々に薄れ行くのが常なのだが、今回は何故だろうか。日ごとに虚無感が深く根を張り心を絡め取られるような感覚があり、仕事に向き合う事が出来なくなっていた。“糸が切れた”と表現するべきか、あの事件で犯人を逮捕した瞬間から捜査に対する情熱のようなものが消えてしまった気さえするのだ。精神力だけで立っていた物が崩れつつあるのか、今は体調が酷く悪いと言う訳では無かったが身体が重たい感覚があり、鎮静剤の効果も相まってか仕事に向き合う事が億劫に感じられた。こんな状態では捜査に当たる事は愚か、刑事たちの上に立ち業務を遂行する事さえままならないと言えよう。---相手の声掛けに顔を上げると「…あぁ、今行く。」と答えて立ち上がる。胸の内は空虚なのだが、身体も未だ持ち堪えていた為、ここ数日普段通りに振る舞う事は出来た。この感情を、言い様のない苦しさを、相手に話す事はしていない。此れから警視正に話そうとしている事を相談する事も。警視正の部屋をノックし相手と共に入室すると、捜査報告書を手渡し「_____容疑者のアリバイ捏造や証拠の隠滅などもあり、想定よりもかなりの時間を要しましたが容疑者の逮捕に至りました。」大まかな捜査の流れや鑑識との連携の改善点などを交えながら、今回の捜査の報告を行い。 )
5021:
ベル・ミラー [×]
2025-06-30 11:03:37
ウォルター警視正
( 相手から手渡された報告書にザッと目を通した警視正は、同時に口頭で紡がれる捜査報告を時折相槌交え聞き終えた後『__改善すべき点がお前達の中で確りとわかっているのなら問題は無い。ご苦労だった。』と、両者に順番に視線を向け労いの言葉を掛けた。それから受け取った報告書をファイルの中に仕舞い込み、別のファイルから一枚の書類を取り出すとそれを相手に差し出しつつ『…2人にはパインストリートに向かって貰いたい。近隣住人から不審者を見たとの通報があってな、勿論地元警察も巡回は強化すると言っているが__どうにも心配性なご年配女性がFBIに、と譲らないらしい。』若干の困った様な苦笑いと共に次なる仕事を告げ。それは相手の心身に今何が起こって居るのか、それに対して相手がこれから話そうとしている事を知らないからこそで )
5022:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-30 14:44:27
( 労りの言葉に軽く頭を下げ、報告が以上であれば引き続き警視正と話を、と思ったものの次の捜査依頼と共に資料を差し出されると、その紙に視線を落としたものの受け取る事のないまま動けなくなる。次の仕事を受けるのは簡単だ、いつも通り資料を受け取り内容を確認して現場に赴けば良い。それも重大な事件性が有るものではないため負担も少ない。けれど。結局其の紙を受け取る事はせずに顔を上げると「_____警視正、少しお話があるのですが。」と言葉を紡いで。本当は相手が席を外した状況で話そうと思っていたのだが、自分たちに捜査を依頼されている状態で今から退室を促すのも可笑しいだろう。「……少し、休みを頂けませんか。次の捜査も依頼いただいている状況で申し訳ありませんが、少し勤務日数を減らしたいと考えています。」特別具合が悪そうな様子も、憔悴した様子も見せずいつも通りと言えばいつも通りの毅然とした態度ながら、願い出たのは非常勤での勤務。「管理業務はなるべく影響の出ないように行います。事件の捜査に関しては…暫く、別の刑事に。_____中途半端な勤務が支障を来たすようなら、休職も視野に入れています。」表向きはいつも通りを装っていても、心の穴は広がるばかり。張り詰めていた糸が切れた今、そう時間を要さずに“前借りしたもの“のツケが回ってくる。いつ内側から崩れ始めるか分からないような不安定な状態を、自分自身は感じていた。 )
5023:
ベル・ミラー [×]
2025-06-30 20:18:13
ウォルター警視正
( 相手の手に渡らない資料を挟み3人が微動だにしない静かな時間が数十秒続いた。明らかに変わった空気に警視正は怪しむ様に僅か眉を寄せ、ミラーは隣に立つ相手を神妙な面持ちで見詰める。__と、その静寂を破ったのもまた相手だった。その口から出た休みの所望に今度は警視正は一瞬目を見開き、ミラーは思わず「え、」と声を漏らし表情に隠し切れない驚愕と不安を滲ませた。それはそうだろう、何があっても仕事を優先させ幾ら此方が休めと言った所で聞く耳を持たない事が常な相手が自ら非常勤での勤務を望み、更には休職も視野に入れているとまで言い放ったのだ。理由など聞かずともわかってしまう。それだけ調子が悪い…否、限界だと言う事だ。一瞬にして顔色が悪くなったミラーを一瞥し、一度は相手に手渡そうとしていた資料を引っ込めた警視正は『…わかった。』と、悩む素振り無く相手の望みを聞き届けた後『休職に関して、此方から何かを言うつもりは今の所無い。非常勤でも難しいと感じたその時、お前の口から教えてくれ。』休職の事は一先ず置いておくと保留を持ち出し。再び訪れた沈黙はまた数十秒。俯き視線を落とすミラーの表情は翳ったまま。『……限界か?』相手を真っ直ぐに見据え、その口から今の気持ち、状態を聞いておきたいと静かな口調でみじかい問いを投げた警視正の表情もまた、真剣な中にやるせなさの様な色がうっすらと入り交じっていた )
5024:
アルバート・エバンズ [×]
2025-06-30 22:36:42
( 2人の反応はもっともだ、自分が余りにも急に周囲に迷惑を掛ける事を願い出ている自覚はあった。けれど長い沈黙の後、非常勤での勤務を許可する言葉を警視正が紡いだ事に安堵する。日数を減らし療養しながらの仕事であれば、少しずつ心身の状態は元に戻って行くかもしれない。正直な所今休職を選択する事には、戻れなくなってしまうかもしれないという一抹の不安もあったため続いた警視正の言葉に頭を下げて感謝を示す。たったひと言、問いかけられた言葉に目の前の警視正の瞳を真っ直ぐ見詰め、少しして小さく頷くと「_______恐らく、」とだけ言葉を紡いだ。恐らく、この状態を”限界“と言うのだろう。胸の内に渦巻く苦しさを何処へも追いやれない。どういう訳か捜査に一切の熱を持てず、ただ全ての事件から離れた所に居たいと感じた。間も無く手持ちが切れる鎮静剤を服用しなくなれば、たちまち体調を崩す可能性もある。恐らく限界なのだ、自分の心身は。 )
5025:
ベル・ミラー [×]
2025-06-30 23:22:23
ウォルター警視正
( その一言に全ての気持ちが籠っている気がした。『…わかった。』と、先程と同じ言葉を返した警視正は、尚俯いたままで居るミラーの名前を呼び相手に手渡す予定だった書類を渡し『この捜査はお前に任せる。スミスが今何の捜査も請け負っていない筈だ、彼と行ってくれ。今直ぐにだ。』と、或る意味での退室を促し。若干の戸惑いを見せたものの、命令に背く事無く頭を下げミラーが部屋を出て行くと残されたのは2人。改めて相手を真っ直ぐに見据え、深く長い息を吐き出してから少しばかり表情を緩めると『お前の選択はきっと正しい。非常勤であっても、例え休職する事になったとしても、居場所が無くなる事は決して無い。…頼られる事を望む人が近くに居る事を忘れるなよ。』刑事に拘る相手が抱えるだろう不安を少しでも払拭出来たらと言う思いでの前者を、そうして暗に自分もその内の1人なのだと含ませた後者を告げつつ、『話しておきたい事は他にあるか?』と問い掛けて )
5026:
アルバート・エバンズ [×]
2025-07-01 00:01:40
( 捜査を命じられた相手が部屋を出て行くのを見届けると、警視正に向き直る。続いた言葉には迷惑を掛ける事への申し訳なさも募るのだが、“居場所はなくならない”という言葉は漠然とした不安を和らげてくれるものだった。「……犯人逮捕だけを目指して捜査に心血を注いで来た筈なのに、男を逮捕した後に残ったのは虚無感だけでした。其処で、“糸が切れた”のだと思います。少し足を止めないと、これ以上前に進めない気がして、」自分が休みを貰いたいと申し出るに至った感情を、あくまで理性的に伝える。薬を飲まなくなれば、嫌でも無理をした皺寄せが来るだろう。心が壊れてしまう前に、少し休む時間が必要だと自分自身で感じていた。「迷惑をお掛けしますが、非常勤で出来る事はきちんと熟すつもりです。」と告げ、それ以上今話す事は無いと首を振り。 )
5027:
ベル・ミラー [×]
2025-07-01 09:28:20
ウォルター警視正
___今回の事件の被害者の顔は、私も確認している。心身にどれだけの負荷が掛かるものだったかは想像に容易い。…心が壊れる前に、お前自身が気付けて良かったよ。
( 目前の相手が語る言葉は普段通り理性的で、その表情や声色にも特別大きな不調が見える訳では無かった。だが、今は逆にそれが恐ろしいと感じた。まるで嵐の前の静けさの様な。出張から戻って来て直ぐに2人が請け負った捜査の被害者と犯人を確認して絶句したのは今朝の事だった。被害者が余りに見覚えのある顔___勿論記憶にある女性とは別人だと理解していたが似過ぎていたのだから。背凭れに体重を掛ける様に重心をずらし座り直すと、首を振る相手に頷き『では、もう戻って構わない。仕事の日数や時間は任せる。』と、勤務のやり方は相手に委ねる形を取り。___一方スミスと共に指定された場所の巡回をしていたミラーの心は酷く不安定だった。勿論それをおくびにも出さず平静を装いはしていたが、あの相手が自分から非常勤を願い出て休職を視野に入れているとまで言ったのだから当然と言えば当然だ。アダムス医師から臨時処方されている鎮静剤の残りは後僅かの筈、当然飲まなくなれば副作用が現れるのは時間の問題だろう。思わず漏れそうになった溜め息を飲み込み、近隣に住むご婦人に“FBIが巡回した”事を、地元警察も巡回を強化する事を伝え、また何かあれば連絡を、とスミスと共に署へと戻って行き )
5028:
アルバート・エバンズ [×]
2025-07-01 16:38:12
( その後、月水金の3日を勤務日とする事が決まり、其の日に纏めて報告書などを確認する事となった。翌日の休みに備えて既に上がって来ている報告書に目を通しているうちに気付けば夕方になっていた。鎮静剤の効果で、矢張りまだ意識が途切れるような感覚があるものの捜査のように頭をフル回転させる必要のない業務では、そこまで大きな不便さを感じる事は無い。寧ろ鎮静剤が切れた時、また以前のようにほんの些細な事で頻繁に発作を起こす状態に陥る事が怖かった。報告書に目を通し終えると眼鏡を外し、中身の冷たくなったマグカップを手にしてコーヒーを啜る。ちょうど相手とスミスが出先から帰ってきたのだろう、窓の向こうで部屋の外の人の動きが目に入るとそちらに視線を向けたものの、相手に声を掛ける事は選ばなかった。 )
5029:
ベル・ミラー [×]
2025-07-01 22:49:45
( 署に戻り直ぐ警視正に近隣住人の不安を落ち着かせる事が出来たとの報告はしたが、そこで相手の願い出た非常勤の話を聞く事はしなかった。警視正もまたその話題に触れる事は無く、刑事課フロアに戻ればスミス捜査官とは互いに別れ自席へと。___頭の中にあるのは勿論先程の相手と警視正の会話だ。鎮静剤の服用が無くなった後の副作用については勿論懸念していた。けれどそれよりも前の段階で、相手を襲っていた虚無感の大きさを見誤って居たのが正直な所だ。この後の反動の大きさも、最早想像が出来ない。険しい面持ちで席を立ち警部補専用執務室の扉をノックする。中から入室の許可が来れば扉を開け、その表情は意識的な微笑。「戻りました。そろそろ熱いコーヒーが必要な頃かと思って、」手を伸ばし、マグカップを受け取る姿勢を見せて )
5030:
アルバート・エバンズ [×]
2025-07-01 23:21:21
( 部屋に入って来た相手が先程の事を意識してか、いつもよりほんの僅かにぎこちない微笑を浮かべた事に気付く。コーヒーを淹れると暗に言われると「…よく分かったな、」と、先ほど空になったばかりのマグカップをおとなしく相手に手渡して。熱いコーヒーをマグカップに淹れて戻ってきた相手に礼を述べひと口其れを啜ると「不安がってる地域住民は大丈夫だったのか、」と先程の捜査の事を尋ねて。お互いに本質に触れぬよう出方を窺っているような状況だとも思う。「_____休みの日は、家に居ても良いか?」と徐に尋ねたのは、相手が仕事に出て自分が休みの時他人を家に残す事を相手が快く思わない可能性を考慮しての事。近場のホテルにも空きはあったと付け足し、必要ならそちらに移ると。なんだかんだで相手の家に居座っている状況も、そもそも何とかしなければならないのだろうが。 )
5031:
ベル・ミラー [×]
2025-07-01 23:45:50
( 熱いコーヒーを淹れたマグカップを相手に手渡し、そこで再び自席に戻る事は選ばなかった。執務室の扉を閉め備え置きのソファに腰掛けると問い掛けられた捜査状況に「一先ずは問題無いかな。地元警察の巡回強化の説明もしたし、納得してくれたと思う。…スミス捜査官が凄い親身でね、結構頑固なお婆さんって聞いてたんだけどすっかり打ち解けて、今度お茶でもって誘われてた。」後半先程のぎこちないものでは無い、普段通りの屈託のない思い出し笑いと共にそう答え。___と、先に“本質”に繋がる部分に触れたのは相手の方だった。流れる空気が僅かに変わったが、それは決して悪いものでは無い。「勿論。」と、僅かの間を空ける事も無く了承する。「寧ろ今更ホテルに泊まられる方が嫌。もう1人で眠れる自信無いし、いっその事このまま一緒に住めば良いとさえ思ってるくらい。」念の為声量こそ落としたものの、淀見なく紡ぐ言葉の数々は勿論心の底から思っている事だが相手には戯言くらいの軽さで捉えられるだろう。言い切ってから一つ息を吐き出した後。沈黙を置いてから「__今は苦しくない?」と、今度は此方から“本質”に繋がる問い掛けを )
5032:
アルバート・エバンズ [×]
2025-07-02 08:58:34
( 相手の言葉にスミス捜査官の性格を思い、今回のような件には適任だろうと納得する。仮に依頼通り自分が行っても、住民と打ち解ける事は到底出来ない。本当の意味で住民を安心させ信頼を勝ち得る事が出来たのは2人の功労だろう。相手から返ってきたのは了承の言葉。このまま一緒に住みたい、という冗談めいた言葉には呆れたような反応を示しただけで。いつも通りのやり取りの中で、相手から紡がれた問いに再び視線を持ち上げる。「…体調は問題無い、」と答えたものの、胸のうちに広がる苦しさのようなものは容疑者を逮捕したあの日から心に纏わり付き、気力を削いで行くようだった。「_____事件を解決してからの方がしんどい。…目的を持って捜査をしている時は、突き動かされるように動けて居たのにな。」と言葉を落として。かなりの無理をして捜査を続けた結果にもたらされた虚無感に絶望した、精神力が切れたというような事なのだろうが、この苦しさを取り払う事が出来ないのだ。何も考えずに眠り込んでしまいたいとさえ思った。 )
5033:
ベル・ミラー [×]
2025-07-02 13:33:00
( 案の定返って来た言葉の無い呆れた表情に態とらしくにっこりと微笑み終了を。鎮静剤や鎮痛剤のお陰で物理的な痛みや苦しみに襲われはせずとももっと別の___自分自身では何処にやる事も出来ない虚無感にまるで全身を覆い尽くされ、内側からじわじわと侵されて居る感覚があるのだろうか。そうしてそれは事件解決と共に多くの“氣”を奪い去って行った。正しくそれが“糸の切れた状態”だろう。「…本来立ち止まるべきだった時に、薬を使って強引に進んだからね。沢山の無理と沢山の気持ちが溢れて、きっと少し疲れちゃったんだよ。身体が、休むのは今だよって教えてくれてるんだと思う。」抱える虚無感を取り除く事はどうしたって己には出来ないだろう。それでも静かに紡いだ言葉はあくまでも穏やかなもの。「後の事は何も心配しないで。確りやるから。」と続けてから、「…鎮静剤、後何日分残ってる?」もう1つの、次はそれが無くなった後にも来るだろう副作用の心配からそう問い掛けて )
5034:
アルバート・エバンズ [×]
2025-07-02 15:52:26
( レイクウッドに赴任し相手と共に捜査を始めた当初は、殺人事件の捜査経験もない新人さながらの捜査官で戦力になるどころかお荷物だとさえ思っていた訳だが、今はどうだろうか。“心配しないで”という言葉を何の違和感もなく受け入れている自分が居た。「…お前もそろそろ、独り立ちできそうだな。」相手の頼もしい言動と捜査経験を鑑みれば、小さな事件からであれば任せられる日も近そうだと純粋な感想を述べたのだが、今の相手を不安にさせるものだっただろうか。鎮静剤は今朝飲んだ時点で残りが2錠だった事を思うと、休みの明日は飲まずに翌日の仕事の為に取っておくべきかもしれないと考えつつ「あと2日分残ってる。必要な日の為に取っておくべきかもな、」と告げて。 )
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