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白む空に燻る紫煙 ---〆/4417


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4347: ベル・ミラー [×]
2024-07-09 16:33:03





( 救急車の中で辛うじて繋ぎ止められていた意識が途切れたのを見て更なる恐怖から背筋が凍る思いをした。そしてその恐怖は病院に着き、告げられた医師の言葉で更に膨れ上がる事となる。__自殺?毒を盛られた?一瞬頭が真っ白になり目前の医師の顔を見詰めたまま口を開く事が出来なくただただ混乱を呼ぶだけ。「…毒って…でも、そんな__誰が、」漸く唇から僅かな息が漏れ、それに続く様に言葉がぽつ、ぽつ、と落ちるがエバンズが毒を摂取してる場面に身に覚えなど無い。そして絶対的に自殺では無いと言えるからこそ必然的に選択肢の1つは除外される訳で。倒れる前、相手が吐き出し書類に散った血が今尚頭を離れない。だが医師は内蔵の損傷では無く毒の経口摂取による喉への炎症だと説明するものだから、そこに関してだけはまだ唯一、僅か安堵出来るものだろう。「…警部補が口にする物は基本的に限られています。」と、伝えた後、此処で漸く少し頭が働くようになったのか「…警部補の事、よろしくお願いします、」と頭を下げ。__まだ集中治療室を出る事が出来ないとなれば、当然リリーの事件を追う事は不可能。この状況を警視正にも伝え何よりも相手に毒を盛った犯人を並行して見つけなければならない。絶対に許さない、と湧き上がる怒りをそのままに細い息を吐き出して )






4348: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-16 01:28:20

 






( 相手から事情を聞いた警視正は、それが署内で起きた毒殺未遂事件である可能性も考慮して、エバンズに関する詳細は周囲に明かさないよう相手に指示した。彼は急遽対応しなければならない案件でレイクウッドを離れた、というのが表向きの理由。そして相手の他に本当の事情を知る存在として、信頼できる刑事に応援要請を打診すると告げて。---その後、早朝に相手のスマートフォンにメッセージを送ってきたのはダンフォードだった。“警視正から話は聞いた。お嬢ちゃんは大丈夫だったか?エバンズと捜査してた案件は俺が引き継ぐ。昼前には着けると思う。詳細は追って聞かせてくれ”と。 )







 

4349: ベル・ミラー [×]
2024-07-16 16:27:52





( “毒殺未遂事件”、それは言葉以上に重たく腹に落ち、その被害者となったのが相手だと言う事もまた負を助長させた。__翌朝、何故だろうか、応援に来るのは【クレア・ジョーンズ】だとばかり勝手に想像していたものだから、ダンフォードからの連絡には一度目を丸くし、続いて“私は大丈夫です。けれど何故エバンズさんが毒を盛られたのか、何もかもがわからない状態のままです。”と返信して。__時刻は午前11時30分を過ぎた頃。約束通り昼前にレイクウッドに到着したダンフォードと顔を合わせるなり、何も解決していないのだが大きな安堵を覚えたのは、きっと彼がどれ程エバンズを思っているか、その心を少しだけ知っているから。気丈に振舞っていた気持ちが僅か揺らいだ時、手が震え、思わず視界が歪みそうになったのを深い深呼吸で立て直す。リリーの事件、彼女が妊娠していた事がわかり一気に捜査は進みジェイとハンナが最重要容疑者として上がった中、今日は2人に話を聞き何としても証拠を見付ける大切な時なのだ。ダンフォードに事件の詳細が書かれた資料を手渡し、これまでの状況を説明しなきゃいけないのに。「…っ、ダンフォードさん…エバンズさんが…!」唇を開いた時、立て直した“と思っていた”不安定な揺れが顔を覗かせた。警部補専用の執務室の中、声量こそは抑えたものの、その震えまでは止める事が出来ずに )






4350: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-20 02:27:03

 



ルイス・ダンフォード

( エバンズが何者かに毒を盛られ捜査から離脱せざるを得ないとレイクウッドのウォルター警視正から聞いた時、直ぐには状況を飲み込めなかった。同時にまた彼が謂れのない悪意を向けられ一方的に傷付けられ、苦しまなければならない事に憤りを感じた。そして、ミラーも既に同じ気持ちに苛まれているだろう、と。---事情を知らないレイクウッドの署員たちは応援に入った自分を明るく歓迎してくれたものの、彼女と顔を合わせた時からその不安定さ______なんとか感情を押し殺して捜査に集中しようと必死になっている事には気が付いていた。主人が不在の執務室で相手の声が揺らぎ、本当は一番気掛かりであろう本音が漏れると『……分かってる。あいつに毒を盛った犯人は必ず見つけて刑務所にぶち込んでやる。』と、乱暴な言葉選びながら力強く告げて。自分が知りたかった“詳細”は、担当する事件を差し置いて、エバンズの事。『あいつの一番近くに居たのはお嬢ちゃんだ。エバンズの様子に少しでも違和感を感じた事を全て教えてくれ。あいつは友達が居ない上に職場以外で人と接触する事がない。生活の中で毒を盛るなら、一番可能性が高いのは此の建物の中だ。証拠を消して逃げられる前に尻尾を掴む、』と。そこまで言った所で『少女が殺害された事件を早急に解決さえすれば、並行して何をやっていようが文句は言われないだろう。忙しくなるぞ、2つの事件を同時に担当するなんて本部の超売れっ子刑事くらいだ。』と、やや戯けて付け足して。 )








 

4351: ベル・ミラー [×]
2024-07-20 11:50:37





( 同じ署で働く仲間達にもエバンズの事を言う事は出来ず、あくまでも“何も無い”振る舞い方をしなければならなかったのもまた酷く心の磨り減る要因だった。不安も恐怖も顔に出す事が出来ない時間は余りに長く感じたのだ。だからこそ本当の事情を知るダンフォードと顔を合わせた時感情が溢れ出した。己の情けない揺らぎに、犯人に対して確かな怒りを滲ませた荒く力強い言葉が返って来ればそれだけで張り詰めていた心は幾分も軽くなると言うもの。震える息を一度細く吐き出してから同じ気持ちだと言う様に大きく頷き。「…最初は頭痛からだったんです。丁度天気も悪かったから、気圧の関係か風邪をひいたんだろうって思ってて。でも症状は全然治まらないし、それどころか酷くなる一方で、」エバンズの様子は果たしてどうだったか、最初に不調を訴えた所から遡る様にぽつ、ぽつ、と言葉を落とし。「…身体の震えや、脈が早くなったり酷い目眩がしたり__でも本人は過去に関するフラッシュバックが起きてる訳ではないって言ってました。それとはまた違う、わからない不調だって。」言葉にする事でその時の彼の苦しむ姿が思い出され胸が苦しくなるのだが、記憶している事は全て目前の相手に伝えなくてはならない。そうして最後、倒れた時の姿が鮮明に脳裏に浮かび、その時の息が出来なくなる程の恐怖が蘇りそうな感覚に床を見詰めグッと拳を握り締めてから「……此処で、倒れて病院に運ばれました。血を吐いたけど、それは内蔵の損傷によるものじゃなくて、何度も繰り返し毒を摂取した事で喉が傷付いたせいだって医者は。」病院に運ばれるまでの経緯を説明しつつ、静かに顔を上げ。「違和感は特別何も、…基本的にこの部屋に居るか捜査で私と一緒に外に出てるかで__、」この建物内で毒を盛られたとして、果たして一体誰が、と考えてしまう。一瞬だけクラークの姿が頭を過ぎったのだが、恐らく彼は違うだろう。エバンズを苦しめたい願望は人一倍強いだろうが、それはあくまでも“苦しみながら生きている”姿を見たい為。クラークの歪み切った性格を考えるなら生死に関係する様な手段は選ばない筈だ。無意識の内に眉間に皺が寄り険しい表情になったものの、まるで此方の心を少しでも軽くする様な戯けた言葉が続けられれば思わずぱち、と瞬きをし相手を見詰め。それから自然と持ち上がった口角のままに「エバンズさんが起きたら自慢出来ますかね。」と、同じく明るい戯けた返事を返して )






4352: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-25 00:57:21

 





ルイス・ダンフォード

( ひとつひとつ、記憶の糸を辿るようにして紡がれたエバンズの変化。その中には彼の事をしっかりと見て、彼の言葉をしっかりと聞いていなければ記憶に留まらないほど些細なものも含まれていて、エバンズに対する相手の誠実で真っ直ぐな向き合い方を目の当たりにしたような気がした。毒物を摂取し血を吐くほど状態が悪いなら命に関わる可能性もあると一瞬肝が冷える思いをしたものの、内臓の損傷ではないという言葉に思わず息を吐き出す。『外に居る時に毒を盛るのは至難の技だ。煙草のフィルター部分に毒を塗り込んで毒殺を図ったケースを担当した事があるが、あいつは煙草は持ち歩かない。普段口にするものも限られてる…ペットボトルの飲み物や薬くらいだろう。』と、毒の摂取経路について考えを巡らせて。しかしどれも本人にバレずに毒を混入するのはそう簡単ではない。_____ふと、エバンズのデスクに置かれたマグカップに視線が止まる。いつも彼のデスクに置かれているイメージがあるし、此処で話をしている最中彼がマグカップを口に運ぶ姿は何度も見た事があった。『……マグカップなら、気付かれずに毒を混入できるか、』独り言にも近い呟きが溢れて。 )






 

4353: ベル・ミラー [×]
2024-07-25 08:47:34





( 相手の言う通り、署内でも聞き込みをする車の中でも彼が煙草を吸っている姿を見た事は無く、本当にたまに柔軟剤の香りに混じる様に僅かに煙草の香りを感じる事が出来るくらいの認識しかない。薬だって彼が服用している事を知っている人物は限られるのだから、そこを選ぶのは至難の業の筈。残るはペットボトル__と記憶を呼び覚まそうとしたその時。ふ、と溢される様にして落ちた相手の独り言に息を飲み勢い良くデスクに頭を向ける。そこには主不在であっても静かに鎮座する見慣れたマグカップがあり、それを捉えた時にまるで胃液が上がる様な嫌な感覚を覚え思わず片手を口元に宛てがい。「ッ、」この部屋でマグカップに毒を塗る事は簡単だ。彼が捜査で留守にしている間に部屋に入る事は誰でも出来る。このフロアの人物も、別のフロアの人物も、ただ一言“用事がある。”と言えば良いのだから。でも、もし本当に毒物が付着していたのがこのマグカップなのだとしたら__「っは、ぁ…」私は何度、このマグカップで彼に飲み物を淹れた?__自分でもわかるくらいに身体の温度が下がった。勿論毒が付着していると知っていて意図的にそのマグカップを彼にわたし続けた訳では無い。けれどもっと早く気が付き、注意をし、別のコップか何かを選びそれをわたしていれば此処まで酷い事態は避けられたのではないだろうか。喉に息が引っ掛かりそうな感覚に、口元に手をあてたまま俯く。瞳が揺らいだ事で部屋の床が滲み、余りに大きな罪悪感の様な負の感情に飲み込まれてしまいそうで )






4354: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-30 23:57:29

 






ルイス・ダンフォード


( 考えられる可能性として何の気なしに口にした呟きだったが、その反応を見て直ぐに、相手がエバンズの為にとマグカップに飲み物を淹れて渡していた事を悟った。おそらく稀に、という訳ではなく定期的に。『______大丈夫だ、俺の目を見ろ。』明らかに動揺している相手の肩を掴み、視線を合わせるようにしゃがんで相手を見つめる。『悪意を持った人間があれに目を付けた可能性はあるが、お嬢ちゃんが悪いことなんてひとつもない。コーヒーや紅茶の一杯二杯、俺だってあいつに飲ませる。それくらいでしか休憩を取らないからな。…非があるとしたら、ふざけた事を考えた犯人だけだ。マグカップを置いていたエバンズも、お嬢ちゃんも何にも悪くない、』言い聞かせるように言葉を紡ぎ、してを落ち着かせようと。ただマグカップに毒の成分が付着しているかは確認する必要がある。しかしエバンズの物だと気付かれない為には、念の為隣町の鑑識に頼むのが最善だろう。ちょうどここから10kmほど離れたカルダーン署には馴染みの鑑識がいるため、今日中にでも依頼をしようと考えて。 )







 

4355: ベル・ミラー [×]
2024-07-31 13:14:07





( 確定した訳では無いものの可能性として極めて高い毒の付着物に頭が真っ白になる感覚を覚えたのだが、ふいに肩を掴まれ顔を上げた事で揺らぐ緑の虹彩が真剣な色を宿した相手の瞳と重なった。そのまま紡がれる言葉は己にも、勿論エバンズにも非など僅かも無く悪いのはあくまでも犯人ただ1人であると言うもの。相槌を打ちながらその言葉を静かに飲み込み心に落とし、頭を数回縦に動かす。__まだ何も確定せず、何も進めていない以上此処で動揺しやるべき事を見失ってはリリーの事件もエバンズの事件も何方も解決する事は出来ない。軽く瞳を閉じ震える息を一度細く吐き出してから再び相手を見詰めた時、虹彩に今さっき迄の不安定な揺れは無く決意が灯り。「__すみません、」先ず初めに口にしたのは取り乱した事への謝罪。続けてマグカップを一瞥し「…もしこれに毒物が付着していたとして、誰にも怪しまれず調べる事が出来るでしょうか。」と。それは正しく相手が依頼先の件で考えていた事と同じ事で )






4356: アルバート・エバンズ [×]
2024-07-31 15:23:59

 





ルイス・ダンフォード

( 相手の瞳にあった不安定な揺らぎは消え、2つの事件の解決に向けてしっかりと自分を持ち直したようだと思えば頷いて力付けるように肩を叩いてやり。『あぁ、その事なんだが。隣のカルダーン署に馴染みの鑑識がいるんだ。事情は伏せて、そいつに頼もうと思う。今抱えてる仕事より先に分析してくれって頼んどくよ。』相手の問いにそう答えると笑って見せ。_____『さて、そうと決まったら俺はまずカルダーン署に行ってくる。悪いがお嬢ちゃんは本線の方の事件を進めてくれ。鑑識にこれを渡したらすぐに合流する。ただ、おそらくだが…被害者が妊娠していた事実は2人とも知らなかったと言うだろうな。知っていたとなれば動機に繋がる、見た目にも分からない状態となれば認めるメリットがない。証拠を突き付ける意外に認めさせるすべはない、後で話そう。』エバンズのマグカップを、証拠品を扱う時のように袋で掴み口を閉じると、相手に指示を出す。しかし相手が話を聞きに行く2人はシラを切るだろうから、新しい話が出なくとも気落ちしないようにと言っておき。そうして10km離れたカルダーン署へと向かって行き。 )






 

4357: ベル・ミラー [×]
2024-07-31 19:33:00





( エバンズが毒を盛られた事は警視正を含めた自分達3人しか知らない事で、“急遽対応しなければいけない事件”の為署に居ない事になっているのだから当然鑑識に疑われる事態は避けなければならず、マグカップに毒物が付着しているか否かを調べるのはかなりリスクを背負う事になる…と思っていたのだが。相手の人脈の広さを此処に来て知る事となり表情からは自然と硬さが取れる。そうして後に続けられた言葉もまた相手の人柄を表しているのだろう、此方が気落ちしない様に、事件解決を急ぐ余り変に気負わない様に。__相手はカルダーン署へ、自身は先にジェイの元へ行き毅然とした態度でリリーの妊娠の件を突き付けるのだが、ダンフォードが考えていた通り、ジェイは“知らなかったし全く気付く事が出来なかった”と言った。そうしてそれはハンナも同じで何方も認める事をせず、現段階では逮捕出来るだけの証拠を提示する事も出来ない為に周囲の再聞き込みの後署に戻り、一先ず相手の帰りを待つ事となり )






4358: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-08 10:58:40

 





ルイス・ダンフォード

( カルダーン署で馴染みの鑑識の所まで行くと、随分久しぶりの再会に互いの近況を軽く話し合った後に『頼みたい事ってのは、これの解析なんだ。ちょっと訳アリでな、なるべく早く成分を割り出して欲しいんだよ。昔の顔に免じて、明日までに頼めねぇか?』と。随分急な、それも急ぎの依頼に対して男は溜め息を吐いたものの“お前は昔から変わらねぇなあ”と呆れたように言ってマグカップを受け取った。感謝と共に明日また結果を受け取りに来る事を告げ、相手と合流すべく署に戻る。その途中で、エバンズが捜査に回していた照合の結果がデータで届き、確認した内容に深く息を吐き。---署に戻り執務室へと向かうと、相手の聞き込みの結果を聞くよりも前にスマートフォンの写真を相手に見せる。『被害者の身体に巻きつけられていたナイロンテープが、ジェイの働く会社のものだった。この証拠を突き付ければ言い逃れは出来ないだろう、』と。 )








 

4359: ベル・ミラー [×]
2024-08-08 16:15:11





( 執務室で顔を合わせた相手は酷く険しい表情をしていて、見せられた写真とその絶対的な証拠に此方もまた思わず眉間に皺が寄る。「やっぱり何も知らなかった、だなんて嘘だったんですね。」と、溜息混じりに言葉を落とした後相手と視線を重ね「犯行の動機がリリーの妊娠だと仮定して、ハンナが関わっているかどうか__一先ずジェイを連行します。」主犯はジェイである可能性が高いが、果たしてハンナはその全てを本当に何も知らなかったのか。慎重に見極めないと大変な事になると思いつつ、続けて「…あの、マグカップの分析の方は、」と、様子を伺う様な少しばかりの心配を滲ませた問い掛けを )






4360: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-08 20:17:32

 



ルイス・ダンフォード


( この証拠があればジェイを引っ張る事が出来る。彼に証拠を突きつけ、共犯者が居たのかどうかを問い詰めればある程度の事件の大枠は見えてくる筈だと同意を示し。相手にとって何よりも気がかりなのはエバンズの事だろう。マグカップの分析について問われると『安心しろ。昔のよしみで明日には結果を上げて貰える。他のどの分析より優先するように頼んどいた。』と相手の肩を叩き。 )





 

4361: ベル・ミラー [×]
2024-08-08 21:41:34





( 何方の事件の方が大切で、何方の事件の方を優遇する、何て個人意志で勝手に決めて良いものでは無いが矢張り心を支配するのは今尚容態の回復しない上司の事で、それが偽りの無い本心なのだ。だからこそ相手から貰った言葉にわかりやすい安堵の表情を浮かべると「良かった、エバンズさんをあんな目に合わせた犯人を早く捕まえなくちゃ。」結果がどうであれやるべき事をやる、と今一度意気込み。__分析結果が出るのは明日。となれば今日、今やるべきはリリー事件の解決だ。相手と2人で容疑者の取り調べをすると言うのは初めての経験で、エバンズを育てたと言っても過言では無い相手は果たしてどんな進め方をする刑事なのか。ある意味勉強になると思いつつ「取り調べには同席させて下さい。」と、告げて一度署を出て。__向かうは再度ジェイの元。彼は『さっきも言った通り何も知らなかった。』と繰り返したが、此方には証拠品がある。ダンフォードに送って貰った写真を突き付け署への同行を願えば、ジェイは何も言わず素直に車に乗り込み。そのまま署へ、ダンフォードと共にジェイの取り調べに移ろうか )






4362: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-09 11:46:53

 




ルイス・ダンフォード


( エバンズの容態が心配なのは当然変わらないが、応援で来た以上引き継いだ事件を滞りなく解決するのが第一に求められる事。相手と共に、任意同行を求めたジェイと取調室で向かい合って座り。録音機を回した後に、ここまでの捜査で尋ねてきたアリバイの有無や被害者との関係性などについて再び確認を取り『リリー・ブラントが妊娠していた事は知っていたのか?』と、一度はジェイが否定した問いを投げ掛ける。知らなかったと首を振る男に向ける視線は、普段の明るく快活な彼らしさが一切消えた厳しいもの。エバンズが取り調べの時に纏うのは鋭く冷たい威圧感、ダンフォードは更に其の圧を重たくしたような、嘘を吐くのを躊躇わせるような言い知れぬ恐ろしさを感じさせる力があった。『それなら、このナイロンテープについてはどう説明するつもりだ?此れは間違いなく、お前の会社で使われているものだ。通販や店で出回ってる一般的なものじゃない。店長のお前なら自由に持ち出せただろうな。』続けて尋ねると、ジェイはモゴモゴと否定していたものの言い訳がましく、説明が噛み合わなくなってくる。ダンフォードの顔を見る事が出来ず、気まずそうに俯いていたものの『分かりやすい嘘をついて俺たちの手を煩わせるな。此処まで証拠が出てるんだぞ、』と告げれば暫しの沈黙の後にやがて、『……俺が、殺しました……』と認める言葉を呟き。 )








 

4363: ベル・ミラー [×]
2024-08-09 13:49:38





( __背筋が凍るとは正にこの事。何も知らなかった、と否定をするジェイに向けられる視線は鋭く身が竦む様な恐怖を与えるものだから、取り調べを受けているのは自分では無いと言うのにその“氣”に当てられそうになるのだ。それ程迄に相手が放つ圧は圧倒的で空気すらも変える。エバンズと似てはいるが微妙な点に置いて違う箇所もある__。“女性刑事”と言うだけで取り調べ相手にナメられる事も多々ある現状の中、相手やエバンズの様な遣り方が出来れば何か変わる事もあるだろうかと、そんな事を一瞬考えた矢先。相手の圧にこれ以上耐えられなくなったのか、言い訳の苦しさに自分でも気が付きもう無理だと判断したのか、ジェイは至極小さな声で自供を口にした。確りと録音されたその言葉で彼を有罪に出来る事は決まったものの、聞かなければならない事はまだある。目前に座り俯き加減のジェイを真っ直ぐに見詰め「ハンナさんはこの件に関与していますか?」と、問い掛けた後「彼女を守りたい、なんて言う考えで嘘をつくつもりなら辞めて下さい。調べれば直ぐにわかる事です。」少しだけ声に冷たさを含ませた静かな声色で言葉を続け、僅かな動揺や隠し事も見逃さないとばかりに尚も彼から視線を外す事は無く )






4364: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-11 03:35:10

 




ルイス・ダンフォード


( ジェイ相手に更に共犯者の有無についてを詰めて行く相手の姿を見て、こんな顔も出来るのかと驚く。自分の知っている相手は明朗で表情がくるくると変わる少女のようなイメージ。しかし取り調べをしている様子は女性刑事ながら同年代の男性刑事顔負けだ。同時に後輩であるエバンズにも似た空気を孕む事から、彼の仕事ぶりを間近で見ているからこそ成せる技なのだろうと1人納得して。一方のジェイは、ハンナは一切関わっていないし殺人の事も何も知らないと答えた。ハンナに浮気がばれ、リリーとの関係を精算しないなら別れると言われた直後、学生であるリリーから妊娠を告げられ結婚したいとせがまれた。そこで遊びのつもりだったリリーが邪魔になり、結婚の挨拶に行く予定の朝、車の中で彼女を絞殺した上で山の方まで車を走らせ川に遺棄したと______ジェイはそう証言した。 )








 

4365: ベル・ミラー [×]
2024-08-11 10:00:14





( 一時は“何方も本気”的な事を言ってのけたその口で今度は“リリーの事は遊びだった”と言う。妊娠までさせたと言うのに余りに身勝手で人の心を弄ぶ様な言動に嫌悪感しか湧かず眉間には皺が寄り。言葉に詰まる箇所や、何かを隠そう・誤魔化そうとする不自然な表情の変化は見られないものの、ジェイの言葉を100%信じる事は出来ない。険しい表情のまま一度小さく息を吐き出した後、隣に座るダンフォードに僅か顔を寄せ「…ハンナのアリバイは立証出来ていない状態です。」“家で1人野球中継を見ていた”と答えたハンナの言葉を耳打ちして )






4366: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-11 20:38:58

 





ルイス・ダンフォード


( 長く付き合っているハンナと別れるのを回避する為にリリーを手に掛けたという事は、口ではどちらも本気と言っておきながらやはり初めからリリーは“遊びだった”という事なのだろう。ジェイの事は確実に有罪にできるだけの証拠が揃っているが、相手の言うハンナに関しては有罪に出来るだけの証拠がないというのが正直な感想だ。一度断りを入れて部屋を出るとドアの前で声を落としつつ『…今の状況でハンナを引っ張る事は出来ないな。今回の事件のどの証拠を切り取っても、彼女の存在を示す明確なものはない。出来るとして、彼女が履いている靴裏から現場の土砂の成分が検出されるか確認するくらいだろう。』と答えて。 )







 

4367: ベル・ミラー [×]
2024-08-11 22:07:03





( 証言通りジェイの単独犯であるならば、証拠と自供によりこのまま事件解決なのだが。「ですね。__ジェイの逮捕後、もう一度ハンナに会って来ます。」声を潜めた相手の声量と同じ声量で先ずは同意を、続いて僅かでも疑う箇所があるならば再度聴取と彼女の靴を鑑識に、と答え。ジェイに逮捕を告げるべく戻る為に扉に手を掛けその動きを一度止める。傍らに立つ相手に顔を向けると「…ダンフォードさんは、ジェイが嘘をついてると思いますか?、」と問い掛けて。“ハンナは関わってない”と答えたジェイの言葉、相手はどう受け取ったのだろうと )






4368: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-18 13:15:27

 





( もう一度ハンナに会いに行くという相手の言葉に頷きつつ、相手の問いには少し考える素振りを見せて。『…ハンナが被害者の妊娠を知っていたのかどうかで流れは変わって来る。まずハンナが本当に被害者の妊娠を知らなかった場合だ。ハンナと別れたくない、という動機でジェイが被害者と別れようとしていたなら、彼女の妊娠を知って殺害に走る決断をするのにハンナは関わっていないだろう。結果として遊びだったとしても、好意を抱いて付き合っていた相手だ。追い込まれて殺害するしかなくなったというのは矛盾しない。あいつの単独犯の可能性が高いと俺は思う。』頭の中で整理していた可能性をひとつずつ言葉にしていく。『ただ、被害者の妊娠がハンナにも伝わっていた場合_____その場合殺害の指示をするのはハンナにもなり得る。勿論ジェイが勝手に動いた可能性も同じだけどあるが、別れたくなければ女をどうにかしろとか、自分の手で始末しろとか、直接手を汚さずにジェイに殺害させる事はできるだろ。その場合は共謀ということになるが、わざわざハンナが一緒に現場に出向いているとは考えにくい。自分が殺しを指示したとハンナが認めるか、実行犯となるジェイが指示されてやった事だと吐くか、或いは殺害を指示した証拠がスマートフォンなんかに残ってるか…それぐらいでしかハンナを有罪にする事は出来ないだろうな。…とするとだ。ジェイが口をつぐみハンナがシラを切れば、何にせよ女の方は証拠不十分で罪に問えない。』全て可能性の話ではあるが、ジェイが彼女の関与を認めない以上、真実がどうであれハンナを有罪にするのはかなり難しいだろうと自論を述べて。 )







 

4369: ベル・ミラー [×]
2024-08-18 14:38:04





( 静かに紡がれていく可能性の話を最後迄聞き、一度頷きを落とす。仮にジェイがハンナの関与を認めたとしても彼女が否定し証拠が無ければそれはただの虚言となる訳で、相手の言う通り彼女を有罪にするのは余程の事が無い限り極めて難しい状況だろう。「……出来る事は全てやりますが、それで証拠が上がらないのなら…__一先ずジェイを逮捕します。」悔しさを滲ませたまま言葉を切り先ずは目前の男を、と相手と共に取調べ室へと戻り。ジェイに逮捕を告げ再び話を聞く為ハンナに会うが彼女の証言は変わらなかった。リリーの妊娠の事は知らなかったを繰り返し、ジェイが犯行を認めた事を話しても一切関与はしてないと。加えて疑いが晴れるならと、渋々ながらにも携帯とスニーカーの提出にも応じてくれて、その靴裏から遺体発見現場の土砂の成分は発見されず、携帯の全てのデータからも今回の事件に関与している様な証拠は見付ける事が出来なかった。__結果的にリリー殺害事件はジェイの単独犯と言う事で無事解決した訳なのだが。__「お疲れ様です。ありがとうございました。」お礼と共にダンフォードに差し出したのは自販機で買った缶コーヒー。“もう一つの事件”が解決していない以上、マグカップでコーヒーを淹れるなんてとてもじゃないが出来ない。自分の分のカフェラテの缶を両手で包みプルタブを見詰めながら「…動機は何なんでしょう、」と呟く。突拍子も無いその言葉だが、解決した以上リリー事件の話をしている訳では無いと言う事は伝わるだろう )






4370: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-25 22:45:11

 




ルイス・ダンフォード


( 結果的にジェイの単独犯と言うことで事件にはかたが付いた。労いの言葉と共に渡された缶コーヒーに礼を言って受け取るのだが、それが“自販機で購入した飲み物”である事が今の相手にとっては意味がある事なのだろう。プルタブを開けて中身を呷りつつ相手の呟きに視線を向ける。今回の事件に関してではなく、エバンズの事を言っているのは間違いない。『…あいつは不器用で誤解されやすい。その所為で昔から、周りからの恨みを買いやすかった。あの性格だ、言葉はキツいし一切友好的じゃない。なのに同年代の中では出世頭で、顔も稼ぎも良いだろ?』冗談を交えつつ、一方的に妬みや恨みを買いやすい奴なのだと。しかしその後少しばかり真剣な表情になると手元へと視線を落とす。『ただなぁ、…時々あいつが、自分から周囲に恨まれるように仕向けてるんじゃないかと思うことがあるんだよ。仕事内でのいざこざなんてのはあいつは一切気にしてないから良いんだが、“あの事件”が絡んだ時だ。あれは、あいつが1人で背負うような規模の話じゃない。なのに、あることないこと言われても言い返す事もせず、周囲から恨まれる事が過去への償いかのような顔をして受け入れる。それが俺は気に食わねぇ。』あの一件での誹謗中傷を全て受け入れ、周囲から許される事を自ら避けているかのような彼の態度はどうしても納得がいかないのだと告げて。『動機が何かはまだ分からんが、例の事件絡みじゃなければ良いとは思っちまうな。…ただ、明確な殺意があったのは間違いない。あいつがこれまでに担当した事件関係の恨みか、計画が頓挫した犯罪組織かなんかのターゲットにされたか…考えられる動機自体はそう多くは無さそうだが、絞るのは骨が折れそうだ。』現時点では何故エバンズが標的となり命の危険に晒されたのかは憶測にしかならないと肩を竦めて。 )








 

4371: ベル・ミラー [×]
2024-08-25 23:49:48





( 相手が紡いだ冗談には顔を上げ小さくはにかんで見せる。そうしてエバンズが此処に赴任して来た時を思い出す。__署員達からは“本部から来たエリート様”と呼ばれ、当時彼の纏う威圧感や冷たさから好んで近付く者は疎か、必要な仕事の話ですら行きたがらない人が多かった。皆が萎縮し暫くの間は刑事課フロアに何とも言えない重たい空気が漂っていたように思う。“エバンズの顔が良い”と初めて思ったのは確か【ソフィア】が彼にアプローチをした時だ。あの時“カッコイイ”と言ったソフィアの言葉で確かにエバンズは整った顔立ちをしている、と気が付いたのだ。__何だか最近の様な気もするし、もっともっとずっと昔の様な気もする過去に何故かわからないが目頭が熱くなり、一度相手から視線を落とし再び缶を見詰めるも、ふ、と相手の言葉に真剣な色が滲んだのに気が付き顔を上げる。相手が言う“あの事件”とは間違い無く“アナンデール事件”の事だ。そうして相手が感じる“気に食わなさ”を己もまた同じ様に感じる事が多々あるのだ。「…エバンズさんは何時だって自分を守らない…。本当は痛い癖に、苦しい癖に、…そう言う…“負の感情”全部に蓋をして……悪夢に魘される度に薬を飲んで、それで、っ…エバンズさんだって“遺族”なのに、悪いのはあの時の犯人だけなのに…!」相手が紡ぐ言葉に心が引っ張られたか、思わず言葉の端々が震える気持ちが溢れ出した。もう苦しんで欲しくないのに、痛みから遠い所に心を置いて欲しいのに。“助けて”と口にする事すら躊躇うエバンズは一体何時になれば救われるのか。一体何時になれば彼を“悪”だと言う人達は居なくなるのか。缶を強く握る事で昂った感情を落ち着かせようと努め、深く息を吐き出してから「……もし犯人の動機が“あの事件”に関係しているなら、エバンズさんには伏せたいです。…知ったら、また苦しむ事になる。エバンズさんを狙った訳じゃなくて“誰でも良かった”って…そう、嘘を、」瞳に宿るそれは懇願。その嘘がバレずに時が経つ事なんてほぼ不可能なのに、わかってはいるが、そう願わずにはいられないのだ )






4372: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-28 02:31:36

 





ルイス・ダンフォード


( 自分の些細な冗談に、相手が過去へと想いを馳せた事は知る由もなく相手へと視線を向ける。どうやら自分が抱いていたのと同じような“気に食わなさ”を相手もとうに感じていたらしい。『…あいつは生真面目が過ぎるんだ。その上不器用で人に頼るのが苦手で_____全てを背負う必要なんて元から無かった。弱音を吐いても、傷付いている事を叫んでも良かった。なのに誰にも弱い自分を見せようとしない見栄っ張りだ。手の掛かる困った奴だよ、』彼が傷つく度に、それを外に出すまいと必死に自分の中に押し留めようとする様子を見る度に、どうしようもないやるせなさを感じるのだ。もっと楽に生きて良いと、抱え込もうとしているものを吐き出して良いと言ってやらないと潰れてしまいそうで。冷たい表情を浮かべ凛と立っている彼の中に、今にも押し潰されそうな不安な顔をした少年のような姿を見るのだ。だからこそ、平気で彼を傷付けようとする存在が、今回の事件のように見当違いな恨みを一方的に抱いているのであろう人物のやり口が許せない。『……嘘で真実を隠し通すのは難しい。今は犯人の動機がなんだったのか、毒を盛ることができた人物の特定に集中しねぇとな。』相手の懇願に対してそう言葉を掛けて。---スマートフォンが着信を知らせたのはその時だった。成分の解析を依頼していた鑑識官からの電話で、すぐにボタンを押して電話に出ると相手に紙とペンを要求する。詳しい成分はメールに添付したが、毒物が検出されたと。反応が出たのは主にマグカップの飲み口、底にも成分が残っていたが数時間で死に至るような所謂“猛毒”ではない。検出された毒によって殺害を企てたのだとすれば、少なくとも10日以上掛け体内に蓄積する毒物が致死量に達するのを待つという地道な方法になると。“仮にこの毒を毎日同じ量、結果的に致死量近くまで飲んだとすれば最終段階では痙攣やせん妄、呼吸困難などの明らかに異常な症状が出る筈だ。病院にかかる事もなく突然倒れたなら、かなり周到に摂取させる量を調整していた可能性はあるな”と電話の向こうで鑑識官は見立てを伝えて。 )








 

4373: ベル・ミラー [×]
2024-08-28 14:27:57





( 相手が語るそれらは全て真っ直ぐにエバンズを見て確りと心を向けている事が現れているもの。彼は今尚過去に苦しみ、癒える事の無い痛みを抱え生き続けて居るものの、相手の様な存在は彼に絡み付く闇に光を注ぎ、確かな温もりで以て守っているのだろうと感じる。だからこそ「__何時かエバンズさんの抱える痛みが消える事を願ってます。0にはならなくても、僅かでも薄れれば、…その為なら私は何だってするし、例え嫌がられても病院にだって連れて行きます。」前半は確かな意志の籠る言葉で、最後は何かと理由を付けては病院・医師から逃げ回る彼を思い出し少しだけはにかみを交えつつ「…絶対、口煩い生意気な部下だって思われてるでしょうけど。」と、笑みのまま締め。無理だとわかっていた懇願は、矢張り通す事は出来なかった。犯人に嘘の動機を述べさせる事も、供述を書き換える事も、何もかもが出来ない中当たり前と言えば当たり前なのだ。彼を守る為の嘘を並べるより、今やらなくてはいけない事がまだある。相手の言葉に大きく頷いたその時、ふいに相手のスマートフォンが着信音を鳴らし続いた会話で電話の相手が鑑識官なのだとわかれば、要求通りに紙とペンを渡しその内容を見守り。__数十分後、鑑識官と話し終えた相手はその内容を口にした。矢張り毒の付着したマグカップを定期的に使った事が原因で、それには思わず視線が落ちるのだが兎に角犯人を特定しなければ。「署員なら怪しまれず此処に来る事は簡単な筈。…10日__念の為2週間前から遡った防犯カメラの映像を確認します。この部屋の入り口が映るカメラはフロアの角にあるやつだけなので、」例えどれだけの量があろうとも1日も早く、徹夜をしたって関係のありそうな、怪しそうな人達全てを洗ってみせると。後はどうかエバンズが無事に目を覚まして欲しいと願うばかりで )






4374: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-28 22:08:10

 





ルイス・ダンフォード


( 昔から付き合いのある自分やジョーンズを除いて、あの事件以降誰に対しても固く閉ざされていた心が相手にだけは開いているような感覚は度々感じていた。そして今は、相手のような存在が彼のすぐ側に居る事に安堵と嬉しさを感じる。防犯カメラの映像を確認すると言った相手の言葉に頷き『皆が退勤した後に防犯カメラの映像を確認するぞ。エバンズの部屋を度々訪れている人間を絞り込む。犯人の目的がエバンズに毒を盛る事だけなら、目的を果たして早々に行方を眩ませる可能性もなくはない。なるべく早く尻尾を掴んで証拠を炙り出せ。』と、相手に指示して。---今はまだ知る由もないがダンフォードの見立て通り、総務課の男は退職の手続きを既に始めている段階だった。“急遽父親の体調が悪化し介護のため地元に帰ることになった”と課の上司に報告し、既に派遣会社からは新しい人材を送る事で話は着いていて。 )








 

4375: ベル・ミラー [×]
2024-08-28 23:37:05





わかりました。警視正には事情を話し、許可を貰っておきます。
( 署員達が全員帰宅した後となれば夜も遅く、加えて朝方まで監視カメラ映像と睨めっこ状態になる。特別大きな問題に繋がる事は無いがその根本的な理由を知る警視正には一声掛けておくべきかと。同時に相手からの指示は何処かエバンズを彷彿させた。声が似ている訳でも口調が似ている訳でも無い筈なのだが、微妙な点に置いて似ていると思うのは矢張り新人だった頃のエバンズを育てたのが相手だったからなのか。__窓の外がだんだんと薄暗くなりつつあるものの、署員達が退勤する時間にはまだ早い。壁に掛かる時計を一瞥し、相手へと視線を戻しては「…エバンズさんは集中治療室から出られたでしょうか。」と、口を開く。勿論己とずっと共に捜査をしていた相手が今のエバンズの状況をわかる筈は無いと思うが、矢張り気掛かりなのだ。「…意識が戻って通常の病室に移動になれば、きっと医師から連絡があるだろうし、それに何も解決してない状態じゃ行ったって余計に不安にさせるだけですよね。」続けた言葉の数々は“彼の傍に行きたい”と願いつつも、それを抑え込む為の言わば自分自身に対する言い聞かせ。気ばかりが焦る中で「皆が退勤する迄の間、何か出来る事は無いでしょうか。」と、問い掛けて )






4376: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-29 00:16:14

 




ルイス・ダンフォード



( 刑事課のフロアに居る皆の退勤を待たずとも、何かと理由を付けて監視カメラの映像を取り出す事はできるのだが普段と違う行動に些細な疑念を抱いた者から憶測や噂が広がるのはよくある事。今回はエバンズの一件を誰にも察されたくないため、敢えて夜を待ってから行動する事を選んだのだ。エバンズの執務室で別の書類に目を通しながら、心ここに在らずといった状態の相手に視線を向ける。『病院から連絡がねぇからな、まだ目を覚ましてないんだろ。ここに居たって状況が分からなくてヤキモキするだけだ。お嬢ちゃんが見舞いに行ってやれば良い、追うべき事件は解決したんだ。』相手が自分に言い聞かせるようにして蓋をしようとしていた気持ちをいとも容易く肯定すると、病院に行ってみろと助言する。『あいつの顔を見て、医者に容態を聞いてきてくれ。』と明確な目的を相手に与えるためにそう告げて。 )






 

4377: ベル・ミラー [×]
2024-08-29 08:05:31





( 夜までの間、リリーの事件の報告書を書き上げる事も出来たのだが解決した以上心を占めるのはエバンズの事で。ヤキモキしている己の心を汲み取り何の迷いも無くさもそれが今出来る唯一だ、とでも言わんばかりの淀みない指示が来れば思わず一度瞬き。「…あ、」薄く開いた唇の隙間を縫って出た小さな音は「ありがとうございます!」に続いた。「先に警視正に防犯カメラの事を伝えてから行きます。夜__18時までには戻ります。」深く頭を下げてから執務室を出てノートパソコンの入った鞄を片手に刑事課フロアを出れば先ずは警視正の部屋へ。映像の話をすれば彼はダンフォードが考えた時間帯が適切だろうと頷き、これで誰にも怪しまれず監視カメラの件は解決出来そうだと。__エバンズの入院する病院までは車で数十分。入口を抜けて入院患者の居る病棟までエレベーターで上がり、そこにあるナースステーションの前で医師と遭遇すれば「あの、」と呼び止めた後。「アルバート・エバンズさんのお見舞いに来たんですけど、もう集中治療室から出られましたか?」と問い掛けて )






4378: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-29 14:29:35

 






( 相手に呼び止められた医師は、相手の口から出た名前に『アルバート・エバンズさんですね。未だ目は覚ましていませんが、容態は少しずつ安定してきています。つい先ほど一般病棟に移る許可が降りて移動された筈ですよ。』と答えて。集中治療室での対応が必要な重篤な状態は脱したものの、まだ意識は戻っていないという。医師はつい先ほど移ったばかりだという病棟の部屋番号を伝えると、軽く頭を下げて廊下を歩いて行き。---エバンズが移されたという病室は上の階にある個室だった。ちょうど看護師が機械や点滴の調整を行っており、扉が開く音に顔を上げると優しく会釈して。『こんにちは。少しずつ容態も落ち着いてきましたよ。中毒症状はだいぶ改善されて数値も戻ってきましたし、喉の炎症も落ち着いています。』相手を安心させるように告げると、ベッドで眠るエバンズに視線を向けて。未だに酸素マスクと点滴は外れていないものの、倒れた時と比べると顔色の悪さは軽減していると言えよう。『…あの、意識が戻っていなくても、感覚は働いていると言われてるんです。声だったり、手に触れる感触だったり、きっと伝わっているので声を掛けてあげてください。』まだ若い女性看護師は相手を恋人と思ったのか、そう言って少しはにかんだように微笑むとお辞儀をして部屋を出て行き。 )








 

4379: ベル・ミラー [×]
2024-08-29 19:05:37





( 意識は未だ戻っていないが、それでも一般病棟に移されたと言う事は命の危機は無く回復が見込めると言う事だろう。医師の言葉に余りに大きな安堵が胸中を渦巻き、思わず震えた息を吐き出せば深々と頭を下げ。__医師に教えられた番号の部屋には点滴と酸素マスクに繋がれながらもベッドの上で静かに眠るエバンズと、自分と同年代くらいだろうか、柔らかな雰囲気の女性看護師が居た。視線が重なり軽く会釈をすれば、彼女はその雰囲気と同じく柔らかく微笑み此方が望み続けた言葉をくれるものだから、思わず目頭が熱くなる。「良かったです、本当に。ありがとうございます。」沢山の安堵と、同じくらい沢山の感謝を乗せ今一度頭を下げベッドに歩み寄り。見下ろした相手は相変わらず白い顔をしているが、倒れる前の様な酷い顔色の悪さでは無い。酸素マスクが呼吸に合わせて白くなるのもまた確りと息をしている事の証明となる訳だから安堵を助長させ。_と、看護師に声を掛けられ顔を上げる。穏やかな、それでいて何処か可愛らしくも見える笑みで紡がれたのは所謂“希望”。再び相手を見、彼女へと視線を向け直しては、胸に灯った優しい温かさに同じくはにかむ様に笑い「…はい、」と、頷いてその背を見送り。__近くにあったパイプ椅子を引きベッドの脇に。それに腰を下ろし少しだけ距離の近くなった相手の片手を包み込む様に緩く握る。骨張った手の甲を親指の腹で優しく撫でながら「…エバンズさん、」と静かに名前を呼び、「今ね、ダンフォードさんが応援に来てくれてるの。だから何も心配しないで。」まるで起きている相手を前に話している様に、「エバンズさんを苦しめた犯人も必ず逮捕するから、…目が覚めたらまた一緒に仕事しようね。」ゆっくり、ゆっくり、語り掛けを )






4380: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-29 22:53:50

 






( 目を閉じたままのエバンズが相手の言葉に反応を示す事こそなかったものの、温度の低い手の甲に柔らかな熱は感じただろうか。一定のリズムでマスクが曇っては小さな呼吸音が漏れる。当初は摂取した毒物がどれほど体内に溜まり異常を引き起こしていたかが分からなかった為、回復にどれくらいの時間を要するかは勿論、後遺症もなく回復できるのかも見通しが立たない状態だった。しかし幸いにも回復が不能なほどに重篤な影響を受けた機能はなく、薬がしっかりと効果を発揮したこともあり、意識が戻り数値が全て正常なものに戻れば後遺症も残らず退院できる見通しが立っていて。---ダンフォードはエバンズの執務室で、相手の言葉を思い返していた。“もしもあの事件を動機にエバンズを狙ったのなら”。もし仮に犯人があの事件を理由にエバンズを狙ったのだとしたら、彼はまた受けるべきではない恨みを向けられて、必要のない苦しみを味わった事になる。あの事件を担当したばかりに。優秀だったからこそ選ばれた、それだけだった筈なのにその時の何気ない決定が一生彼に付き纏う絶望になってしまった。そんな事を考えて、まだあの事件が関わっていると決まった訳じゃないと暗い気持ちを追い遣って。 )







 

4381: ベル・ミラー [×]
2024-08-29 23:56:17





( __静かな語り掛けに対して相手は目を覚ます事も、手を握り返して来る事も、何か言葉を発する事も無かった。それでも“希望”はその光を失う事無く胸に宿り続けるものだから、それから暫くの間も事件の事、日常生活の些細な事、懐かしい過去の話などを語り。そうしている内に窓の外は薄暗くなりあっという間に時刻は17時を過ぎ。“今から戻ります。”と、ダンフォードにメッセージを送った後「…それじゃあエバンズさん、また来るからね。」椅子から立ち上がり握っていた相手の手を離す。その際、仄かな温もりが失われた事に少しだけ不安を感じたものの、次来る時は相手をこんな目に合わせた犯人逮捕の報告を持って来ると誓い病室を出て。__署に戻ったのは17時30分を過ぎた頃。刑事課のフロアにはまだ数名の署員は残っているが、此処を出た時よりは少なくなっている。フロア内をぐるりと見回しそこにダンフォードが居ない事を確認しては、“警部補執務室”の扉をノックし中へと入り。「戻りました。」何時もはエバンズが座るデスクに居る相手と視線が重なり、軽く頭を下げてから向かいのソファへ鞄と共に腰を下ろす。真っ直ぐに相手を見詰めた緑の虹彩には確かな安堵と喜びの入り交じる色が滲み「まだ意識は戻ってなかったんですけど、一般病棟に移る事は出来ました。容態も安定してきてるし、吐血を引き起こした喉の炎症も落ち着いてるって。…後は数値が完全に戻って、目を覚ませばきっと直ぐ退院出来る筈です。」医師と看護師から告げられた“希望”を余す事無く相手にも。最後の退院の話こそ言われた訳では無いが、願望として思わず言葉となり )






4382: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-30 16:52:20

 




ルイス・ダンフォード


( 戻って来た相手の顔には先程までの翳りはなく、光を浮かべた瞳を向けて彼の様子を報告する様子に口角を緩めて。『そりゃあ良かった。一般病棟に移ったならひとまず安心だ。見舞いに行って良かっただろ、考え過ぎてネガティブになるより動いた方が良いんだ。』と言いつつ、『お嬢ちゃんは本当に感情が分かりやすいな。尻尾が着いてるみてぇだ、』と笑って。---署員たちが居なくなったのは20時を過ぎてからだった。普段であればもう少し残っている署員が数人いる事も珍しくないのだが、比較的忙しくない日だった事もあり数人で飲みに行く話が持ち上がったようだった。エバンズの執務室の扉が見える監視カメラのデータを取り出しパソコンに落とすと、2週間分の映像を相手と手分けして確認する地道な作業を始める。早送りで映像を見て、執務室が開くタイミングで映像を止め人物を確認する。時折マグカップを持ったエバンズ自身が部屋を出て行く様子も映っていたが、当然それが不調の原因などとは思いもしていなかっただろう。『_____こうして見ると本当にあいつは部屋から出てこねぇな、』23時を回った頃、伸びをしつつぼやくように告げたのは、彼の“引きこもり”具合について。時折出てくる事はあるものの圧倒的にフロアに姿を見せる回数が少ないと。『俺なんて暇がありゃフロアに出てる。急ぎで承認して欲しい仕事がある時に限っていねぇと言われる事もあるが、あいつはその心配は無さそうだな。』その後は出入りがあった人物の顔をデータベースの写真と照合し、名前と回数をカウントしていく作業が続き。 )







 

4383: ベル・ミラー [×]
2024-08-30 20:00:25





( 口角を緩め笑みを浮かべた相手のその表情にも喜びを覚えた。相手からすれば今も尚可愛い後輩であるエバンズの容態の安定は絶対的に安堵に繋がるものだろう。相手の心にもまた光が宿っただろうと感じるから。“考え過ぎてネガティブになるより動く”__すんなりと胸に落ちたその言葉はまた別の角度の“希望”の様に思えた。確かにその通りだ。頭であれこれと考えるより心に従う、行動する、それが時にとても大切な何かを生む時がある。「本当に。…話が出来た訳じゃないけど、エバンズさんの顔見たら元気が出ました。」何処となく気恥ずかしさを覚えつつも、今の気持ちに素直な真っ直ぐな返事をして。と、その後に続けられた言葉には思わず瞬く。感情に乏しい訳では無いが“尻尾”だなんて、そこまで分かりやすいとは自分では思って無かったからだ。「……そんなにですか?」と、些か怪しみを込め僅かに首を傾けはしたものの、何処が、何が、と追求する事は無く。__電気が消され暗くなったフロア内、自分達の居る警部補執務室だけは明るい光に包まれていて、その中で至極真剣な表情で以て映像を確認する。ほんの僅かの違和感も見逃さぬ様に、瞬きすらも忘れるくらい本当に真剣に、それは眠気すらも何処かに追いやるくらい。_肩に力が入っていたその余計な緊張を解したのは相手のぼやきだった。確かにこれだけ長い時間映像を見ていてもエバンズが執務室から出て来たのは片手の指でおさまるくらいの数。何時だって此処に閉じこもり、まともな食事を摂ってるのかも怪しい状況で眉間に皺を寄せた険しい顔で書類やパソコンと睨めっこをし、出て来るのは捜査に行く時、飲み物を淹れる時、トイレに行く時くらいと言っても過言では無い。「その内此処で寝泊まりする様になるんじゃないかって心配で、」と肩を竦め、態とらしく溜め息を一つ。そう思えば相手とエバンズは行動面で言えば真逆かもしれない。“自由人”と、何時かの飲み会の日に聞いた単語を思い出し思わず苦笑いを浮かべ。__その後、映像にはエバンズに用事のある署員達、サラやアシュリー、警視正の姿何かもちらほらと映り、その中でこの事件の犯人である総務課の男性派遣社員の姿も何度も映る事となり )






4384: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-31 17:27:58

 




ルイス・ダンフォード


( そのうち執務室に寝泊まりを始めるのではないかという相手の懸念。彼ならやりかねないと、深刻な事態だとばかりに態とらしい真面目な表情を浮かべて同意を示した。まだ全ての映像を確認した訳ではないものの、此処まででも執務室に訪れている回数の多い署員は絞り込めるかもしれないと相手に声を掛ける。当然ながら皆一様にレイクウッド署で働いている一署員。見知った人物の名前が、捜査線上に上がってくるというのは相手にとってもあまり気持ちの良いものではないだろう。『俺が確認した映像で現段階でエバンズの元を訪れている回数が多いのは、刑事課と総務課の署員だな。お嬢ちゃんと警視正は省くが_____サラ・アンバー、ジェイコブ・スミス、サム・テイラー、グレッグ・クーパー。この辺りはほぼ毎日エバンズの元を訪れている。』アンバーとスミスは仕事内容的にも普段からエバンズの元を訪れることが多く、エバンズも2人の名前は把握しているだろう。テイラーは今担当している事件の捜査を始めてからエバンズに報告を求められる事が増え、行きたくないと同僚にぼやきながらもエバンズの部屋を度々尋ねていた。クーパーはここ最近刑事課の経理処理などを担当しているらしく総務課から度々エバンズの部屋を訪れている____あの男だ。 )






 

4385: ベル・ミラー [×]
2024-08-31 20:16:03





アシュリー・ベイルも数回出入りしている様ですが__回数的には除外かと。
( 捜査の為の映像確認とは言え何だか“盗撮”にも似た気持ちも少なからず覚えてしまうのは、同僚であり友人でもある人達を疑いの目で見なければならないからだろうか。自身が確認している映像の中にも相手の方の映像と同じ面々が映っていて、その中にアシュリーの姿もあるが回数的な事を考えれば“容疑者”に加える事は無い筈。「アンバー、スミス、テイラーの3人は刑事課の者ですが、彼は総務課の派遣署員で___、」相手が口にした数名の至極簡単な説明をしようとして、言葉が止まる。画面に映る【グレッグ・クーパー】の姿を見詰め、次に顔を相手に向けては「…一度、エバンズさんの居ない時に此処で顔を合わせました。確かマーティンの名前が新しく容疑者としてあがった時だから、」何処と無く緊張の様な色滲む表情で映像を早送りし、その場面で再生を。そこには書類を持ったグレッグが執務室に入り、それから直ぐに部屋に入る己の姿が。もう少し進めば部屋から出る2人も流れるだろう。「その時は、エバンズさんに渡さなければならない経費関係の書類があるとかで。」つまり、だ。マグカップに毒を塗るとなれば当たり前ながら部屋に誰も居ない時じゃなければならない。エバンズが居て、彼に用事がある時では駄目なのだ。生憎この部屋に監視カメラは無い。名前の上がった他の人達の時はこの部屋の具合がどうだったのかも確認しなければならないと思いつつ )






4386: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-31 21:17:06

 





ルイス・ダンフォード


( エバンズの部屋を訪れている回数が多い人物を絞り込む所までは、滞りなく進んだと言えよう。既に日付を跨いでいる訳ではあるが。ただ相手の言うようにエバンズが部屋にいる時では毒をマグカップに仕込む事など出来ない。エバンズが部屋に居ない時に度々部屋を訪れている人物を割り出す必要がある。調べるべき日を更に絞り込んで効率よく確認をする為には_____『…お嬢ちゃん、事件の捜査がどういう日取りで進んでいったか覚えてるか?いつ何の捜査を行ったか、誰に話を聞いたか、何処に出向いたか。そういう大雑把な記録みたいなもんだ。それがあれば、捜査を軸にあいつが体調を崩していた日を思い出せねぇか?』捜査を行う上で、いつ何をしたかの記録があれば、捜査の動向と合わせてエバンズが大きく体調を崩した日を思い出せるはずだ_____相手ならば。どこに行った時、誰に話を聞いた時、エバンズの調子が悪そうだったと、相手ならば覚えているだろうと踏んだのだ。『検出された毒は即効性こそないが、その日の内には効果が出る。エバンズが体調を崩した日、更にその日の捜査に出向く前のエバンズが部屋に居ない時間帯。そこの映像を調べて人物が特定できれば、そいつが黒だ。』と自分の想定を説明して。 )








 

4387: ベル・ミラー [×]
2024-08-31 23:12:13





( リリー殺害事件、最初は比較的スムーズに進むと思っていたのだが途中から容疑者が増え絞込みの捜査にも時間が掛かったのだ。相手の想定通りに行けば確かにこの部屋で1人になる事が出来た人物を__エバンズに毒を盛った犯人を見付ける事が出来る。「待って下さい、聞き取りをしたメモを見れば、」鞄から手帳を取り出しデスクの上に置く。座る相手の隣に立ち開いた手帳には日付け、時間、を最初に聞き込みをした内容が書き記されていて。__リリーの母親への聞き込みから始まり、大学での聞き込み迄は良かったのだ。この後、「…此処が最初です。此処で初めてエバンズさんに鎮痛剤をわたして、クリスへの聞き込みの後、症状が悪化しました。エバンズさんを自宅に送ってから、もう一度ペットショップに戻って聞き込みをして__さっきのグレッグとの遭遇に繋がります。」ページを開き、そこに書かれている自分の字を追う毎にその時が思い出される。事件の事は勿論、同時進行する様に体調を崩すエバンズの苦しそうな表情も。この後、エバンズの家に二回泊まった事は勿論伏せるものの、その前段階としてエバンズがトイレで“家に帰りたい”と訴えた事や、捜査が進む中でどのタイミングでリリーの遺体を見付けたかなども思い出し。メモを巡るのに合わせて監視カメラ映像を早送りする中で、グレッグがまた1人執務室に入る場面があった。それは己が1人でマーティンの家に聞き込みに行ってる時間の事。この時果たしてエバンズは何処に居たのか思い出せないのだが、リリーの遺体を見付けた後の事は覚えている。「…この時、エバンズさんが調子を崩したんですが、グレッグが来て、3人で顔を合わせました。」明らかに調子の悪そうなエバンズを見て、動揺したグレッグの顔を良く覚えていた。その後はエバンズが倒れ病院に搬送されるまでの流れで。「……私達が捜査に出てる時、この部屋に入ったのはグレッグだけ、とはいきませんが回数で考えたら多いと思います。後の人達は比較的エバンズさんが居る時に来てるんじゃないかと。」固い表情で、真剣な眼差しで、一つ息を吐き出して )






4388: アルバート・エバンズ [×]
2024-08-31 23:33:13

 




ルイス・ダンフォード



( 相手の証言があった日付の映像を遡り、総務課の男がエバンズの部屋を訪れているかどうかを確認する。その結果、彼が体調を崩したという日の朝方や捜査に出て不在にしている間に数度グレッグが書類を持って執務室を訪れている事が分かった。『お嬢ちゃんの言うエバンズが体調を崩した日_____この総務課の男は概ね此処に足を踏み入れているな。…此れを見ろ。日中に別の署員に書類を渡してるが、通りすがりにこの部屋を見てる。エバンズが居たんだろう、中には入ってねぇが気になるな。』相手に見せた映像には別の署員と書類を手に話をした後、通りすがりにエバンズの執務室の中を確認するグレッグの様子が映っていた。その日は朝既に書類を手にエバンズの部屋に入っているが、書類を催促する様子はなく刑事課のフロアを出て行っている。『…こいつについては調べた方が良さそうだな。いつからレイクッドで働いているのか…派遣なら履歴書なんかも総務課にあるだろう。』現時点で1番怪しいのはこの男だと仮定すると、素性についても調べる必要があると。 )






 

4389: ベル・ミラー [×]
2024-09-01 01:12:25





( 記憶と、メモの内容と、カメラ映像をまるでパズルのピースを合わせるかの如く当て嵌め導き出したのは矢張りグレッグは現段階決して“白”では無いと言う事。グレー__何方かと言うと極めて黒に近いグレーであろう。執務室を通り過ぎる際に部屋の中を確認しようとしたその行動は果たしてどんな意味があったのか。「…自分が盛った毒がちゃんとエバンズさんに効いているか…様子を見たかったんでしょうか。」睨む様に画面の男を見詰め、確かな怒りの籠る口調でそう言葉を落としてから、グレッグの調査には同意を示す様に頷き。「リチャードさんに頼めば見せてくれるとは思いますが、その理由をどうするかですね。“刑事課の人が履歴書を見に来た。”なんてグレッグ本人に言われでもしたら直ぐに証拠を消されます。」この事を知ってるのは極僅かの面子だけ。確実に彼を調べるならば、理由は伏せるべきだ。少しばかり考える間を空けた後、「__この時間なら総務課も誰も居ない筈です。“考えすぎるより行動”、ですかね?」先程相手が言った言葉の“ネガティブ”の部分だけを省いたそれは、暗に“忍び込み”をチラつかせるもの。この強引ともとれる考えを相手はどう思うか )






4390: アルバート・エバンズ [×]
2024-09-01 03:54:09

 



ルイス・ダンフォード



( 本人に勘付かれる事なく素性を探るというのは骨の折れる作業だと考えていた矢先。相手からの提案に相手へと視線を向け少しばかり意表を突かれたような表情を浮かべると、やがて豪快に笑い。『さすがお嬢ちゃん、相変わらず大胆だな!お堅い警部補なら嫌な顔をするだろうが、生憎俺はそういうのは嫌いじゃない。ハッキングなんかはする訳にいかねぇが、書類を見るくらいならなんの問題もないだろう。』そう言うと立ち上がり、ぐぐっと伸びをしてから相手と共に部屋を出る。真っ暗な総務課のフロアの電気を点け、総務課長のデスク付近の棚へと向かう。『人事やスタッフの契約に関するファイルがどっかにあるだろ。それを探すぞ。あとは本人のデスク周りにも何かあるかもしれねぇ。』そう言いながら棚の引き戸を開けてファイリングされた書類の中身を確認し初めて。 )






 

4391: ベル・ミラー [×]
2024-09-01 10:04:41





( 此方の“匂わせた提案”を汲み取り豪快に笑い、意図も簡単に了承して見せた相手は矢張り不思議なタイプで、これまで共に捜査をして来たどの刑事とも違う様に思えた。だからか、相手と共に総務課に向かう道すがらで“このタイプ”の相手に教育された、まだ新米だった頃のエバンズを想像してひっそりと微笑み。__日付を跨いだこの時間、矢張り総務課には残ってる署員は居らず何時もの賑わいは無かった。相手の言葉に頷き「朝までに見つけられると良いんですけど。」と、危惧したのは恐らく契約の書類などかなりの枚数があると踏んでいるから。相手が書類を探す間、己は先ずグレッグのデスク周りから、と部屋の一番奥に向かい__足が止まった。その理由は“何かの違和感”を感じたからだ。彼のデスクはきちんと整理整頓がされていて、必要な物を直ぐに取り出し易い様になっているが、“綺麗過ぎる”気がする。徐に引き出しを開けるがゴチャゴチャと余計な物は入っておらず、言うならば“何かあれば簡単に纏めて出て行ける”状態。「…ダンフォードさん、ちょっと来て下さい。」棚の書類を探す相手にそう声を掛け、相手が来たのならば「少し綺麗すぎる気がしませんか?…勿論性格なのかもしれませんが、それにしては物が無さ過ぎる気が、」と、呟いて )






4392: アルバート・エバンズ [×]
2024-09-01 17:19:32

 




ルイス・ダンフォード


( グレッグ・クーパーに関する契約書類を探してファイルを確認していると相手に声を掛けられ、それを棚の上に置いて相手の元へと向かう。確かに相手の言う通り彼のデスクはさっぱりとしていて物が少ない印象を受けた。『言われてみりゃそうだな…最近聞くミニマリストってやつか?ここまで物が少ないと仕事にもならなそうだが、』と怪訝そうに口にしてから、デスクの脇に置かれた紙袋へと視線が落ちる。紙袋の中には書類の束が入っていて、その外側には“廃棄”と書かれた付箋。『_____これを見ろ。書類を大量に処分しようとしてる…デスクを明け渡す為に片付けてる最中なんじゃねぇか?』思い至ったのは、このデスクを他の人物に明け渡すために整理整頓を行っている最中なのではないかという事。異動や退職を控えた人物のデスクとして見ればなんの違和感もない、異動期には度々目にしてきた光景だと。 )






 

4393: ベル・ミラー [×]
2024-09-01 18:20:28





…まだ仕事を任されていない新人なら兎も角、
( 監視カメラ映像にもあった通り、グレッグは以前から度々刑事課フロアを訪れ経費に関する書類や様々な仕事に携わった来た筈。腑に落ちない、と僅かに眉を潜めたその時。デスクの脇にある“廃棄”の紙袋に目を留めた相手がその中にある大量の書類を見付けると思わずギョッとし。「明け渡すって……本当にグレッグが犯人だとしたら、証拠もまだ掴めて無いのにこのままじゃ逃げられます。」相手の考えが正しいなら何時から彼は異動の準備をしてきたのか。そうして今話は何処まで進んでいるのか。「明確な証拠があれば…。」と、落とした呟きは思いの外小さかった。「__リスクはありますが、明日の朝一で本人に直接聞くのはどうでしょうか?勿論事件の事では無く、異動の件のみについて。」顔を上げ廃棄書類から相手へと視線を向けては、果たしてどうするべきか、ある意味指示を待つ形を見せて )






4394: アルバート・エバンズ [×]
2024-09-01 23:38:13

 



ルイス・ダンフォード


( 証拠がまだ出ていない疑惑の状態で男に接触するというのは、疑っている事に気付かれ警戒され、一歩間違えれば隠蔽工作によって証拠を見失う可能性もある。『逃したくない気持ちは分かるが…この状況で本人に退職について聞きに行くのはリスクの方が高いだろうな。_____ただ、それを逆手に取るっていうのは無しじゃねぇな…』一度はリスクが高すぎると懸念を示した提案だったが、上手く使えば尻尾を捕まえられるだろうかと考え込みながら独り言を。『……本人に退職について聞けば、疾しい事がある場合俺たちが疑っている事に気付くだろう。警戒されて証拠を消される可能性もある。だがそれを逆手に取って、揺さぶりを掛ける事はできるかもしれねぇ。疑っている事に気付かせて、動くように仕向けるんだ。被疑者に接触した後、行動を監視する。慌てて証拠を廃棄しようとしたり普段と違う行動があれば任意で事情を聞けるって事だ。明日クーパーが退勤した後を尾行する大掛かりな対応にはなるが、』考えていた方法を相手に告げると、自分は警部補代理の仕事もあるため必然的に尾行するのは相手になると付け加えて。 )






 

4395: ベル・ミラー [×]
2024-09-02 11:15:06





( 普段必要最低限の仕事の事でしか会話をしない相手が急に話し掛けて来た場合、少なからず何かあると疑われるのは必然で矢張りリスクが高過ぎるかと視線を落とすが、間髪入れずに続けられたのはそのリスクを逆手に取る方法だった。態と此方が疑っている事を相手に示しその上で出方を伺うなんて__絶対にバレないと言う事だけを考えていた己にとってそれは視野の広がるもので。相手を見詰め一つ瞬き、漏れたのは“成程”という音の代わりの感嘆にも似た息。勉強になる、と素直にそう思えば数回相槌の様な頷きの後「…では明日、午前中の内にグレッグに接触して行動を監視します。」と、少しの緊張も混じる返事を。それもその筈、今や殺人事件はエバンズと共に多く捜査して来たが、尾行の経験は一度だって無い。バレたらその瞬間に何もかもが水の泡になる程重要だとわかっているからこそ、普段の何倍も緊張するのは当然か。視界の端でチラついた自身の髪を見「……目立つかな、」と誰に宛てるでも無く呟いたのは、比較的目に留まりやすい髪色をしていると自覚があるからで )






4396: アルバート・エバンズ [×]
2024-09-03 22:46:00

 



ルイス・ダンフォード


( 突然対象者の尾行という提案をされても動じない辺り、相手もエバンズにしごかれながら数々の事件捜査を潜り抜け経験を積んで来た刑事だけある。タイプは違うがジョーンズを前にしていた時の頼もしさに似たものがあると思いながら少し笑って。『わかってると思うが、間違ってもカツラなんて被って来るんじゃねぇぞ。帽子も怪しいからな、髪は結んどきゃあ大丈夫だ。』尾行と聞いて、そのイメージばかりでカツラや帽子、サングラスを使うと思っている若手が多いのだ。以前自分よりも2回り以上離れている新人に、何の変装を準備すれば良いかと真剣な眼差しで聞かれた事を思い出し相手にも釘を刺しておき。 )








 

4397: ベル・ミラー [×]
2024-09-04 08:47:06





( カツラ…とはまではいかずとも、帽子の存在の事は少なからず考えていた。後頭部で髪の毛を全て括り帽子の中にしまってしまえば目立た無いのでは、と。だからこそ此方の考えを読んだ様な忠告に一瞬ドキッとし思わず薄い苦笑いが表情に滲み。“感情がわかりやすい”と言った相手には恐らく気付かれただろう。「…危なかったです。自然体が一番バレないって事ですね。」下手に隠す事はせず先ずは素直に過ちの告白を。気付かれない様に、気付かれない様に、と変装をした結果、それが一番不自然となり目を引く。もしこの先潜入捜査や尾行の任務が降りて来た時にも思い出す事が出来る様心に刻んで置こうと決め。__グレッグへの接触が明日ならば、今出来る事は契約書類を確認し彼の素性を知る事。先程呼び止めてしまった相手と共に再び棚の引き戸からファイルを物色し、ややして人事や契約関係のファイルを数冊見付けると「ダンフォードさん、これ。」と、声を掛けて )






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