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白む空に燻る紫煙 ---〆/4725


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自分のトピックを作る
681: アルバート・エバンズ [×]
2022-03-12 17:59:44

 







( 暗闇に包まれたその場所は、時折水が波立つ音や木々の揺れる音が聞こえるものの其れ以外目立った動きは無い。懐中電灯を点けて辺りを照らしながら歩みを進めるも目立った異変は無く、よくこの暗闇で不審者の存在に気付けたものだと考えるもこの時点でそれ以上の不審さを感じる事は無く。大量のコンテナが積まれ光に合わせて自分達の影もコンテナに投影されて揺らぐ。辺りに注意を向けながら歩みを進めつつ、落とされた言葉に直ぐに返事をする事は無く。身を潜める事の出来る場所は山程ある為、手分けせずに此の場所を見て回るとなるとかなりの時間を要しそうなのだが、確かにこの場所で離れてしまえば相手に何かあっても直ぐに場所を把握出来ない危険性もあるだろう。そう考え至ると頷いて、何か異変に気付いたら言う様にと告げ辺りに灯りを向け続ける事数分。コンテナに何かがぶつかる様な音が聞こえ、咄嗟に相手を手で制止し足を止めると「___居るのは分かってる、出て来い。」と音のした方へ言葉を投げ掛けて。 )







 

682: ベル・ミラー [×]
2022-03-12 19:28:04




( ドクン、ドクン、と大きく脈打つ心臓の音が外に漏れ出ても可笑しくは無いくらいには緊張と研ぎ澄まされた空気が流れて居る。相手の言葉に小さく頷くだけで言葉を発する事せぬまま静かに一歩一歩を確実に進む中、鈍い金属音が小さく鼓膜を震わせたと同時に制止が掛かればピタリと歩みは止まり。銃に宛てがう手に少し力が加わって直ぐ相手の言葉に応える様にコンテナの後ろからは懐中電灯の明かりに照らされてやや小太りの男性が出て来て。「……」目視出来る限りでは拳銃を持っていない気がするが背後に隠している可能性ももある。更に男の他にも別の所から仲間が見ている可能性も。張り詰めた緊迫した空気の中で、ごくりと唾を飲み込めば「_FBIです、危害は加えませんので両手を高く上げて前に出て来て下さい。」一先ず己が何者なのかを名乗り刺激しないようにとあくまでも落ち着いた声色で言葉を掛けて )





683: アルバート・エバンズ [×]
2022-03-13 06:45:06

 







( 暗いコンテナの陰から姿を現したのはやや小太りな中年の男。自分達の存在を視認しても慌てたり逃げ出そうとしたりする様子は今の所見られないが、少し後ろに控えた相手が自分よりも前に出ない様に制止したまま後手に懐中電灯を渡して、男から視線を離さず拳銃に手を掛けて。こうした人気の無い暗い場所は暫し麻薬などの売買や取引の現場となる事もあるが、男は見た限り怪しげな荷物を手にしている様子も無く。ただ、逃げる事なく此方にゆっくりと歩み寄りはするものの未だ両手を上げて投降の姿勢を示さない事に「___其処で止まれ、手を挙げろ。」ともう一度呼び掛け、威嚇射撃が出来る様足元に銃口を向ける姿勢で拳銃を構えつつ目の前の男を見据えて。 )







 

684: ベル・ミラー [×]
2022-03-13 10:26:21




( 後ろ手で渡された懐中電灯を受け取り男を照らすも、暗闇の中でコンテナを左右背後に挟む状態ではどうしても反射が歪になり、相手の言葉にも行動にも歩みこそはゆっくりだが止まる様子を見せない事に背中には嫌な汗が流れて。「__エバンズさん」丸腰かどうか分からない状態で此れ以上近付かれるのは不味い。威嚇射撃の体勢に入った相手に一瞬だけ視線を向けて其の名前を小さく呼び。__本当に反射的だった。張り詰めた空気の中細く息を吐き出したタイミングで背後のコンテナの奥から小さな物音が聞こえた事に体は思わず反応してしまい、懐中電灯を持つ手こそは男を捉えているものの体を捩り頭を斜め後ろに向けた事でほんの一瞬、懐中電灯の明かりが僅かにずれ。其れと重なる様にして男は背中に隠し持っていた刃渡りの長い包丁を取り出し先程までのゆったりとした歩みは何処へやら、拳銃にすら臆する事無くあっという間に距離を詰めあろう事か相手の腹部へと其の刃先を突き刺して。その間凡そ数十秒。頭を戻した時には全ての状況が一変しており、双眸を大きく見開き立ち竦む時間もまた数十秒。我に返った様に引き攣った息を吸い込むと、目的を達成し逃げる事も抵抗する事もしない男の手首に重たい手錠を掛け、「今、っ、救急車呼んだから、大丈夫だから…っ!」スマートフォンで救急車と応援の手配を済ませた後、繊維製のチョッキでは防ぐ事の出来なかった事と流れ出るあまりに大量の血に自然と震える手を必死に抑え付けながら意識を失わないでくれと懸命に話し掛け続けて )





685: アルバート・エバンズ [×]
2022-03-13 11:27:05

 






____っ…ぐ、…!
( 背後で聞こえた物音に一瞬意識を持って行かれたのは此方も同じで、視界の端で男が動いた事で距離を詰められると理解し咄嗟に足元へと向けた拳銃の引き金を引いたものの、其れは男を止める事には繋がらず。包丁を手にしていると把握するよりも先に腹部に酷く重い激痛が走り同時に身体が折れ曲がり、思わず逃すまいと目の前の男の手首を掴みつつ視線を向けると光を失った暗い瞳が自分への怨みを物語る。___嗚呼、此の男があの日命を落とした子どもの遺族なのだと理解するのと時を同じくして、腕を振り払う様にして深く刺された包丁が引き抜かれ、再び襲った焼ける様な痛みに呻き声を上げて歯を食い縛り。男が離れ、傷口を圧迫する為刺された箇所を咄嗟に手で覆ったものの掌が濡れる嫌な感覚に出血が酷いのは其れを見ずとも分かり、程無く立って居る事が出来なくなり重力に任せて地面に倒れ込んで居て。激しい痛みに襲われて上手く呼吸が出来ず、止血しなければ不味いと頭が警鐘を鳴らして居るのに既にその手に力を込める事が出来ない。必然的に呼吸が浅くなる中、相手から向けられる言葉に聴こえて居ると示す為数度頷き「…っ……ミラー、」と相手の名前を口にしたものの、一気に血圧が下がって居るのか意識を保っている事が難しく眉を顰めて。 )








 

686: ベル・ミラー [×]
2022-03-13 12:12:44




( 重力に逆らう事無く地面へと落ちた懐中電灯は鈍い音と共に光を四方八方に疎らに反射的させながら転がり、近くのコンテナに衝突して動きを止めた。其の眩い光を真正面から浴びながら座り込み『此れで良かったんだ…。』と感情の籠らぬ声で何度も何度も繰り返し呟く男を今此の場で射殺してしまいたいくらいの強過ぎる怒りが体の奥底から湧き上がる。パッと見ただけでも危ない事が分かる程の出血の量、意識を保てない様子、浅い呼吸、其の全てが余す事無く“死”を連想させ恐怖から身体が小刻みに震えるも、傷口を圧迫する手から力を抜く事だけはしない。やがて数台の警察車両と救急車が到着し、男は車に乗る其の時まで抵抗らしい抵抗はせずあっさりと逮捕され、相手は救急車へと乗せられた。その際救急隊員から掛けられた『付き添いは、』との言葉に力なく頭を縦に動かして。__全ての信号を突破した救急車は程なくしてレイクウッドでは有名な総合病院へと到着し、病院の入口に停るや否や中からはキャスター付き担架を押した数人の看護師と医師が出て来て慌ただしく相手を運んで行った。__其れからの記憶は酷く霧がかっていて曖昧だ。『大丈夫ですからね』と背中に優しく手を当てて中へと誘導してくれた看護師に従うままトイレの洗面台で空気に触れてカピカピになった血を洗い流し、グラスの水を僅か飲み、そうやって“手術中”の赤いランプが生々しく光る扉の前の椅子で必死に祈りながら蹲り続けた時間は物凄く長かった様に思う。扉が開く音にハッとして顔を上げれば深刻そうな表情を浮かべた手術医に『非常に危険な状態です。兎に角出血量が多過ぎて、現段階では何とも。』と言いにくそうに告げられ、続けて『ミラーさん、輸血に同意されますか?』と。__渡された同意書を引ったくる勢いで受け取り名前を走り書き、目が覚めたのは真っ白の病室でだった。白の天井がぼやけ、頭が上手く回らない中身体を起こせばくらりとした貧血症状に襲われ全てを思い出す。「っ、」額に手を当て背中を丸め目眩をやり過ごした後、反対の手で近くのナースコールのボタンを押し全ての説明を聞こうか )





687: アルバート・エバンズ [×]
2022-03-13 13:15:16

 







( 意識が途切れる前、最後に見たのは顔を青褪めさせ泣き出しそうな表情を浮かべた相手の姿と暗い空。力が籠らず添えるだけになっている自分の手の上から傷口を圧迫される痛みだけは鮮明に感じて居たものの、やがて相手の声も遠くなり視界が暗転して。---何時間にも及んだ手術は数時間前に終わり、輸血に協力した相手が意識を回復させた事で病室にやって来た医師と看護師は、かなりの量の血を輸血した為暫くはくれぐれも安静にしている様にと相手をベッドに横にならせてから、状況を説明すべく口を開く。『___手術は無事に終わりました。出血が酷く一時はかなり重篤な状態でしたが、容態は安定して居ます。貴女の協力が無ければ状況は深刻でした。』襲撃に使われた凶器の刃渡りが長かった為に傷がかなり深い所まで達して居て出血性ショックを引き起こして居た事、術中危険な状態に陥ったものの今は落ち着いている事、直ぐに輸血が必要だった為、相手の協力が彼を死の淵から遠ざけたという事。其れらを相手に話し相手の協力に感謝を告げて。『…意識は未だ戻って居ませんが、今は手術を終えて集中治療室に入って居ます。彼の精神力を信じましょう、意識が回復すれば数日で一般病棟に移動出来ますよ。』彼の意識は未だ戻っていないものの、容態が急変した場合にも備えて24時間体制でモニタリング出来る状況にある為心配は要らないと相手に伝える。意識さえ戻れば一般病棟にも戻れると先を見据えた言葉を掛けながら、病院に運ばれて来た時に相手を案内した看護師が、医師が説明している間相手を安心させるように肩を摩って居て。 )







 

688: ベル・ミラー [×]
2022-03-13 14:53:36




( ぐわん、ぐわんと揺れる頭に意識を飲まれ無い様にきつく双眸を閉じじっとして居れば、ややして病室の扉が開き担当した医師と看護師がやって来て。重たい目眩を引き摺ったまま顔を上げたタイミングでベッドへと横にならされれば其れに抗う事無く真っ白の枕へと頭を沈め顔だけを向け。医者らしい冷静な口調で紡がれていく状況の説明の中“容態は安定しています”の言葉を聞くや否や双眸にはあっという間になみなみとした涙が溜まり、看護師の優しい手の温もりも相まって後から後から重力に逆らう事無くこめかみを伝い真っ白のシーツを濡らして。医者の説明を最後まで聞き小さく頷いた時には大きな安堵や輸血による血圧の低下から身体は眠りにつく事を求めており、医者と看護師が静かに病室を出た後は其れこそ死んだ様に眠り。__目が覚めたのは次の日の夕方過ぎだった。一度も目を覚ます事無く眠り続けたせいか体は重たかったが目眩はゼロでは無いものの遥かに良くなっていて、ゆっくりと上半身を起こせばタイミング良く看護師が様子を見に来た所で。『まだ立ち上がらないで下さいね。』と言う抑制の言葉に頷きはするものの間髪入れずに紡いだ「車椅子を貸して貰えませんか?」との言葉に怒られる始末で。__其れから自身の回復はあっという間だった。胃に何かを入れる事で体の中の血液はあっという間に作られ、歩く事も出来るようになれば頭の中を支配するのは未だ意識が戻らない相手の事ばかりで、上司からの電話で犯人が誰だったのかを告げられた後は看護師に頼み込み集中治療室の窓から相手の様子を見させて貰う事で、ちゃんと生きている事を実感し )





689: アルバート・エバンズ [×]
2022-03-13 16:06:33

 







( ____長い夢を見ていた。始まりは両親や幼い妹と過ごした幸せな日々、柔らかな黄色の小鳥、リボンの結ばれた焦茶の巻き毛。しかし徐々に全ての平穏を壊したあの事件へと移ろって行く。幾度と無く見た被害者達の姿、子どもを庇って倒れた妹、赤黒い血の色、“お前が殺した”と書かれた付箋……全てを忘れ手離してしまいたいと言う感情が湧き上がると足元が沈み込んで行く様な感覚があり、其れに身を任せたくなる。身を任せて沈んで仕舞えば楽になれると、そんな感覚があった。其処から更に移ろった夢は美しいステンドグラスの影が床に落ちるあの図書館、紅茶の入ったマグカップ、やがて車の助手席から見る車窓の街並みへ。断片的に蘇る記憶の数々が自分を浮き沈みさせる様な、そんな不思議な夢。不意に、日差しを浴びた薄い緑の虹彩が見えた気がした。自分は其れを持つ人間を2人知っているが、どちらの物かは分からない。けれど沈んではいけないと言われている様な気がして、夢から醒めなければと言う意識が浮かび上がる。それと同時に重たい痛みを感じるようになり、瞼を持ち上げた。---意識が戻ったのは、相手が目を覚ましてから更に2日も経ってからの事だった。但し時間の感覚は無く、一定の音を刻む機会音の中で酸素マスクやら点滴やらに繋がれている事で漸く状況だけは理解する。痛みに耐え兼ねてナースコールを押すと慌てた様にやって来た看護師に第一声「…痛み止めを足してくれ、」と依頼する事となり。 )







 

690: ベル・ミラー [×]
2022-03-13 16:36:07




( 相手が眠って居る間、同僚や先輩の見舞いの合間に上司もお見舞いの品を持って一度だけ来た。犯人はアナンデール事件で亡くなった園児の父親であった事、妻は何も知らなかった事、心神喪失で裁判がどうなるかはまだ分からない事、そうしてこうなる前にもっと他に手を打てたかもしれない事を謝罪した。__病院食が味の薄いお粥からちゃんとした固形物に変わり、エネルギーを蓄える為に鶏肉や豚肉が増える様になった頃、此処に来た時から何かと世話を焼いてくれた看護師から『顔色も元に戻ったし早ければ今週中には退院出来そうね。』と嬉しい言葉を貰い安堵に胸を撫で下ろしたのも束の間、“そうだ、”と前置きの後に『貴方の上司さん、さっき目を覚ましたみたいよ。まだ病室には入れないけど行ってみる?』と続けられ再び鼻の奥がツン、と痛み目頭が熱くなる感覚の中で何度も何度も頷き。看護師に連れられ集中治療室の窓の前に立てば沢山の管に繋がれ何処かぼんやりとした表情ながらにも確かに目を開けている相手の姿を確認する事が出来、声は届かないと分かっていながら震える唇で何度も名前を呼び。__相手の願いを受けて先程よりも強めの痛み止めを点滴から流した丁度其の時、窓の向こうの廊下に立つ己に気付いたのか、『窓の向こう見えますか?ミラーさんも無事ですよ。』小さく微笑みながら相手に此方の居場所を伝える看護師の様子が視界に映り )





691: アルバート・エバンズ [×]
2022-03-13 17:04:33

 







( 腹部の傷は深かった様で意識が戻った事ではっきりと感じる様になった痛みに息を吐いたものの強めて貰った痛み止めが効く事を願い。此れ程管理された仰々しい病室に入院したのは初めてだと見える範囲にある機械を眺めてぼんやり考えつつ、此の調子では職場に復帰するには暫く時間が掛かりそうだとも。---看護師に促され窓の外に視線を向けると、同じく看護師に付き添われた相手の姿。入院費を着ている為相手もあの日怪我をしたのだろうか、具合は大丈夫なのだろうかと思いつつ、声は届かないものの泣き出しそうな表情で自分の名前を呼んでいるのが分かり、点滴の繋がって居ない方の手を軽く持ち上げる事で自分は大丈夫だと伝えるべく反応を示して。 )






 

692: ベル・ミラー [×]
2022-03-13 17:27:48




( 本当ならば今直ぐ治療室に入って相手の体温を感じたいが叶わない事は管に繋がれた痛々しい様子で分かる。片手を僅かに持ち上げるだけでも腹部に痛みが走るだろうに、其れでも応えてくれた優しさに眉を八の字に下げた泣き出しそうな笑みを向け。此れ以上は己も相手も休めないと判断した看護師によって僅かの対面は終わり、確かな安堵を胸に病室へと戻って行き。__相手に痛み止めの点滴を施した看護師は『数十分もすれば効いてきますからね。ゆっくり休んで下さい。』と、腕時計を確認し今は兎に角安静にと傷に響かない薄く軽めの布団を掛けつつ『さっきの…ミラーさんが居なければ危なかったんですよ。エバンズさんの傷は相当深くて、早急な輸血が必要だったんです。』“後日担当医から説明があると思いますが”と付け足し一度視線をモニターに向けて問題無い事を確認をした後、ナースコールを相手の手元に置いて再び仕事に戻って行き )





693: アルバート・エバンズ [×]
2022-03-13 18:07:32

 







( 泣くなと言いたいものの、この状況では口を動かしたとて相手には見えないだろう。手を下ろし窓の外に視線を向けたまま部屋に戻っていく後ろ姿を眺めていると、看護師が口にした言葉を聞いて其方に視線を向ける。相手が自分を救う為に輸血に協力した、その言葉の意味を理解し其の所為で入院していたのだと知れば再び窓の外に視線を向けるも既に相手の姿は無く。---集中治療室を出て一般の病棟に戻れたのは更に2日後。身体に力を入れると未だ傷が痛む為殆どを横になって過ごさなければならないのがかなり不便ではあるのだが、至る所に繋がっていた機械類が幾らか少なくなっただけでも気持ち的には楽で。相変わらず未だ強めの痛み止めを入れて貰っては居るものの意識が混濁する様な事は無く、ただ懸念されるのは今回の事件の真相。容態が落ち着き正常に思考が働くようになると、思い出されて仕舞うのは自分を襲った男の絶望に澱んだ暗い瞳で。 )







 

694: ベル・ミラー [×]
2022-03-13 18:36:57




( 相手が集中治療室から一般病棟に移った其の日、手術を担当した医師は看護師を引き連れ輸血の事は勿論、何れ程傷が深く危ない状態だったのかを説明し鞄の中を見たのだろう、精神安定剤と痛み止めの混合服用に問題無い事を伝えて病室を後にした。__其れから数時間後、もうすっかり回復して足取りも普段通りの正常に戻った状態で病室の扉を二度コン、コン、とノックしては静かに扉を開け。「失礼します」と当たり障りの無い挨拶をして病室へと入れば未だ点滴に繋がれ真っ白のベッドに身を横たえる相手の元に歩み寄り、傍らに置かれている丸いパイプ椅子に腰掛けつつ「さっき廊下で先生と少し話したんだけど、食べれるならご飯の縛りは無いって。エバンズさんの嫌いなドロドロのお米食べさせられなくて良かったね。」暗く重たい影を引き摺らない様努めて明るく話し掛ける。意識がハッキリとし頭が正常に動く様になった相手が何に一番気を病むかが手に取る様に分かってしまうから )





695: アルバート・エバンズ [×]
2022-03-13 19:42:26

 







( 仮にもう少し深くまで凶器が刺さって居たら、相手が近くに居なかったら、輸血への協力が得られなかったら___其の時には命を落として居たかもしれない程に重篤な状況だった事を知り、改めて肝が冷える思いをする。自分は運が良かったと言えるだろうし、結果として相手に生かされたと言っても過言では無い。精神安定剤との飲み合わせについて言及されると若干気まずそうな表情を浮かべたものの飲んでも問題無いと分かっているのは安心材料で、医者の言葉に大人しく頷いて。---暫くして扉が叩かれると入って来た相手の姿に視線を向け、体調の悪そうな素振りは見られない事に安堵して。ベッド脇の椅子に腰掛けた相手の言葉には「…ドロドロの米は勘弁して欲しいな、」と同意を示した。其の後横になったまま相手に視線を向けると「……輸血の事は医者に聞いた。___感謝してる、お前のお陰で助かった。負担を掛けたな。」と、相手の身体に負担を掛けてまで自分を助ける為に全力を尽くしてくれた相手に礼を言い。「……あの男が、脅迫して来た遺族だったんだろう。其の後どうなった?」男と視線が重なった瞬間に自分への強い恨みを感じた事もあり、彼が脅迫犯である事は凡そ予想が付いて居て。自分が倒れた後、あの男は何かを語ったのかと事件について相手に尋ね。 )






 

696: ベル・ミラー [×]
2022-03-13 23:03:59




( 褪せたブルーの虹彩とこうして再び視線が合う事、話が出来る事、当たり前だと感じている事が本当は当たり前では無い事を今回の事件で身に染みて分かった。其れと同時に、あの日人質の女性を庇い銃弾を受けた自分を目の前で見た相手が何れ程恐怖したかも。輸血の話を医師から聞いたのだろう改めてお礼を言われれば「全然。血が有り余ってるからね、ちょっと抜いたくらいじゃ何も変わらないよ。」軽く首を左右に振り少しの冗談を交えた返事を返すも、案の定相手が今一番気にしているだろう事を問われては少しの間を空けた後に隠す事無く素直に頷きつつ「_逮捕されたよ。現行犯だし、脅迫電話と嫌がらせの封筒も認めた。…ただ、心神喪失状態で裁判がどう進むかは分からないって」上司から聞かされた事を掻い摘んで伝えてから「何か飲み物飲む?」入院パジャマのポケットをポンポンと叩いて見せて )





697: アルバート・エバンズ [×]
2022-03-14 01:54:36

 







( 医者からはかなりの量を輸血したと聞いて居た。実際相手も長く入院しているのだから身体に掛かった負担も重い物だった筈で、其れでも大丈夫だと笑って見せる相手に其れ以上謝罪の言葉を紡ぐ事はせずに。犯行に及んだ男の現状を聞き、そうか、と軽く頷くと、至近距離で見た男の暗い目を思い出しズキリと腹部の傷が痛む感覚。意識が途切れる前“此れで良かったんだ”と男が繰り返し呟く声を聞いたが、11年の月日も子を失った彼の深い絶望を癒す事は無く、次第に何処かに憎悪を向けなければやって行けなくなって居たのだろうと容易に想像が出来た。自らの手を汚し罪を犯しても尚、此れで良かったと自分に言い聞かせて居た男の背中は酷く哀れな物に見えた。あの事件が起きなければ、男は殺意を抱く事も、犯罪に手を染める事も無くごく普通の生活を送っていた筈なのだ。絶望や逃れ様の無い苦しみ、憎悪が男を変えて仕舞ったのだと思うと、命を落としていたかもしれないと言う状況ながらも重刑を望む気持ちは無く。「……心神喪失により責任能力無しと判断されるなら其れでも良い。」と呟いて。憎悪を向けられた事に対しても、仕方が無かったと言う思いは変わらず抜けては居ない。ただ明確な殺意と憎悪を向けられる感覚は心を翳らせる物で、小さな吐息を漏らし。相手の問いに再び視線を向けると頷いて、ベッドのリクライニングを軽く起こす。寝巻きの下はしっかりと包帯が巻かれ痛み止めも投与されてはいるもののやはり多少の痛みは伴い身体は思う様に動かせない為、「ベッドに縫い付けられてる気分だ、」とぼやきつつ。 )






 

698: ベル・ミラー [×]
2022-03-14 07:41:47




__私は良くない。
( 責任能力が無しという判決になれば最悪無罪になっても可笑しくは無いのだ、冗談じゃない。相手の腹部を幾ら強く圧迫してもそんな行動は無意味だと背後から悪魔に囁かれる様な気持ちを覚えた事、止まる気配無く掌を真っ赤に染め続ける血を忘れない。“大丈夫”と何度も口にした頭の片隅で確かに“死”を想像してしまった事を責めだってした。声に僅かな怒気を含ませ小さく呟き腰を上げては「結果的に先生の思い通りになったね」相手が通院を続ける病院の医師からは此処最近の状態を考えれば、間違い無く休めと言われていた筈、小さく肩を竦めつつ一度病室を出て行き。__少ししてミネラルウォーターのペットボトル二本と先端が折れ曲がるストローを持ち戻って来ると、其の内一つのキャップを開けてストローを差し込み「ゆっくり飲んでね」手渡す際、最早介護同然の言葉を掛けて )





699: アルバート・エバンズ [×]
2022-03-14 11:36:54

 







( 自分達に人生を狂わされた男が憎悪に駆られて罪を犯すに至った、其れは酷く悲しい事だとは思うものの、此れ程傷付けられて尚怒りを感じ無い自分の代わりに相手が怒ってくれて居るのを感じて其れ以上は語らない。立ち上がった相手の言う“先生”と言うのは、此の場合今回の手術を担当した医師では無く、通院していた病院の医師の事を言っているのだろう。実際入院か休職を考えろと強く言われて居た事を思い出し確かにそうかもしれないと肩を竦めて。睡眠とは若干違うかもしれないが、意識を失って居た間は強制的に身体は休まされていた訳で、確かに不眠による身体の不調は軽減している。戻って来た相手からペットボトルを渡され飲み易い様ストローまで用意されると其れを口にして。相手からの声掛けに「…水くらいは普通に飲める、」と若干不服そうな呟きを落として其れを一度脇のテーブルに置き。「……いつ復帰出来るだろうな、」と、署に戻れるのはかなり先になるのでは無いかと漠然とした不安と共に言葉を落として。 )







 

700: ベル・ミラー [×]
2022-03-14 13:37:27




( 不服そうな返事に若干の苦笑いを浮かべるも、腹部には包丁が刃の根元まで突き刺さり、大量出血を起こし、挙句沢山の管に繋がれて集中治療室で何日も意識を失って居たのだ、水だって飲めるか怪しいと思う方が自然だが其れ以上を言わないのは機嫌を損ねられては困るからで。キャップを外し先端に唇を軽く添えて冷たい中身を一口喉へと落とせば気が付かない間に体は水分を欲して居たのだろうか、体内からの潤いが心にも影響したらしく僅か気持ちが上がり。キャップを閉めペットボトルの下の方を膝の間に挟む形で再び視線を相手に向けては、己が銃弾を受け入院した時の事をぼんやりと思い出しつつ「__少なくても一ヶ月は掛かるかもしれないね。」あの時ですら長く入院した。怪我の度合いで言えば相手の方が遥かに重症な為倍以上は掛かるかもしれない。嘘偽りで取り繕う事はせずに素直にそう答えた後、「…今回の事件、もしエバンズさんが全部を知りたいなら逐一報告に来ます。」何かを思案する間を僅かに置いてから、今回の県については果たして相手にとっては何も知らされないのと何方が良いのだろうか。暗に“どうしますか?”と言う疑問符の問い掛けをしつつ瞳に真剣な色を宿して )





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