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白む空に燻る紫煙 ---〆/4959


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自分のトピックを作る
4744: アルバート・エバンズ [×]
2025-01-30 12:47:40

 




アダムス医師



( 1年以上前、彼が突如ワシントン行きを決めた理由を初めて知る。相手に余計な危害が加わる事が無いように_____過去に取り憑いた亡霊から相手を覆い隠すように、離れる事を選んだのだろう。その不器用な優しさと、時が経っても尚、他に矛先がないがために恨まれ憎しみを向けられ続ける相手が不憫で、小さく息を吐いて。『…死んでいる者と生きている者、それだけの区別で怒りや憎しみと言った負の感情を向けられるのがエバンズさんだけなんて、あり得ない話です。』言葉にはやりきれない怒りが滲む。あれほど傷付き、苦しみ、それでも自分の使命を果たそうと必死に立ち上がる彼の姿を見ても同じ事が言えるのかと。『____ミラーさんが悔やむべき事ではありません。悪いのは犯人だけ。“あの事件”も、屋上での事件も同じです。』決して相手は悪くない、悔やむ必要は何も無いのだと諭した上で『……医師としては、取り返しが付かない程に病状が悪化する前に、レイクウッドに戻って欲しい。1人で苦しませたくないという、…医師らしくない行き過ぎた思いもあるかもしれません、』と少し困ったように笑って。けれど、彼が壊れてしまう前に、1人で苦しみの中を彷徨わなくて済むように、近くで彼を支える一手を担いたいと思ってしまうのだ。“あの事件”が起きてすぐの彼を初めてワシントンの病院で診た時から。 )






 

4745: ベル・ミラー [×]
2025-01-30 19:06:14





( __何時だってそうだ。“残った者”に悪意ある矛先は向けられる。例えそれが本来罰せられるべき相手じゃなくとも。大抵の場合自分は無実なのだと訴えるかそんな声も届かない場所に逃げてしまうだろう、けれどエバンズはまるで全ての棘のある言葉を被り、悪だと罵られる事を受け入れ、あまつさえ自身の罪だと心を痛める。相手の言う通り悪いのは犯人ただ1人だと言うのに。__電話口から聞こえる相手の言葉の端々に確かな怒りが滲んでいるのを感じ、心が共鳴する。スマートフォンを握る指先に僅かに力が篭もり爪の先がうっすらと白くなった。「私も同じ気持ちです。本来恨まれるのはエバンズさんじゃない。…身体や心を壊してまで耐える必要なんて、背負う必要なんて何処にも無い筈なのに、__逃げたって、本当は良い筈なんです。」声が震え、一瞬息が喉に引っ掛かったのを1つの深い深呼吸で立て直す。それから2、3深呼吸を続け、最後に力の篭っていた指先が緩んだ時、諭された言葉もまたすんなりと心に届いた。そして相手の思いも。だからこそ緑の虹彩には強い覚悟が灯る。「1日も早く犯人を見付けて逮捕します。…エバンズさんが此処に戻って来れるように__彼の中にある恐怖に私が少しでも関わっているのなら、ちゃんと排除したい。」犯人を逮捕する事、そうしてもう1つ。心にひっそりと決めた覚悟がある。「私がエバンズさんに見せた覚悟は、“傷付いても構わない”って言う自己犠牲だったんです。でも、その覚悟はエバンズさんをただ不安にさせて、余計な恐怖を生むだけだって気付きました。…独り善がりな“大丈夫”では、救えない事……気が付くのが遅いですね。」少しだけ自嘲気味た、けれど決して折れたりネガティブになった訳では無いのは揺るがない口調が物語るだろう )






4746: アルバート・エバンズ [×]
2025-01-31 00:54:08

 



アダムス医師


( 相手の紡ぐ言葉が、吐き出す息が震えた後に紡がれた言葉はとても前向きなものだった。彼の事を思い、行動しようとする姿からはいかに相手が、例え遠く離れたとしても彼の事を大切に考えているかが伝わるものだ。『…彼は、周囲の人が傷付く事を極端に恐れます。其れなら自分が傷付いた方がずっとマシだと______もう傷だらけなのに、我が身を差し出そうとする。それはきっと、大きな喪失を経験したからでしょう。どうか、彼の側に寄り添ってあげて下さい。物理的な距離が離れて居ても、心を寄せるだけでも良い。それと、ミラーさん自身も無理をしない事です。自己犠牲は互いの溝を生む結果になりかねませんから、』諭すように言葉を紡ぐと、今はレイクウッドに居ないエバンズに思いを馳せる。彼が少しでも心身共に穏やかに過ごせる事を願わずにはいられない。 )






 

4747: ベル・ミラー [×]
2025-01-31 08:12:21





__自分自身を犠牲にするエバンズさんを心配して、大切に思う人達がたくさん居るって事、何時か届くと良いなと思います。
( 彼の自己犠牲は間違い無く“あの事件”が引き金となったのだろう。その場に居たのに目の前で為す術なく10人以上を失いその中には幼い子供も大勢居た。そして彼が大切に思う妹も。大きな喪失感は例えどれ程の時間が経った所できっと完全に癒える事は無く、ふとした時に、ほんの些細な何かの切っ掛けで頭を擡げる。その度に彼は当時を思い出し1人また心を痛めているのだ。もう楽になっても良いのに、幸せになっても良いのに、未来を生きても良いのに。___「例えこの先何があっても、私の心は永遠にエバンズさんの側にあります。」相手の言葉に柔らかく微笑み言い切る。心が離れる事は無いと、そう言い切れる自信があった。途端に心には暖かな光が灯り脳裏には苦しむエバンズの姿では無い、たまに見る事のあるほんの僅か表情を緩める姿が浮かび、それがまた光の鮮明度を高めた気がした。「先生、」と、先程と同じ様に呼び掛けてから「エバンズさんは何時か幸せになれるでしょうか。」そう問い掛けたのは、エバンズの主治医で彼の事を長く真っ直ぐに見て来た相手からの安心出来る言葉が欲しかったからかもしれない )






4748: アルバート・エバンズ [×]
2025-01-31 11:02:10

 




アダムス医師



( 彼が抱えた過去でも肩書きでもなく彼自身の事を見て、優しい心を向けてくれる______そんな相手のような存在がエバンズには必要だとずっと思っていた。“あの事件”を経て心に張った厚い氷が少しでも溶け、誰かに開かれる事。心の痛みに気付き、抱え込んだ苦しさを少しでも打ち明けられる事が、前進するきっかけになると。相手からの問い掛けには『勿論、』と頷いた。『何度絶望に突き落とされても____彼は立ち上がろうとしています。…過去が消える事はなく、苦しみが消えるのには時間も必要でしょう。けれど、貴方は許されて良い存在なのだと伝え続ける事、彼が抱えた苦痛に寄り添う事、その小さな積み重ねは確実にエバンズさんを明るい所に引き上げていると私は感じます。特にレイクウッドに来てからは、暗く冷たかった瞳が優しくなった。“苦しい”と声を上げる事も出来るようになった。エバンズさんが笑えるようになって、薬も通院も必要なくなるまで、私も“主治医”として支えるつもりです。』レイクウッドに来て相手と出会ってからの彼の変化を感じていると優しい言葉で紡ぎつつ、医師としての決意も述べる。10年以上の付き合いだが、いつか彼が一切医者と接触する必要がなくなるまでを見届けるつもりだと1人微笑んで。 )







 

4749: ベル・ミラー [×]
2025-01-31 13:50:23





( “勿論”と、そう何の躊躇いも無く紡がれた言葉は心を包み込む柔らかな羽毛の如く不安を覆い隠す。そこに明確な根拠は無いかもしれないが彼を真っ直ぐに見て心を寄せてくれる“エバンズの主治医”と言うそれ自体が既に己からすれば何よりの根拠だ。苦しむ彼を前にして何も出来ない歯がゆさは募り、結局は無力な存在なのだと絶望しかけても、“寄り添う事”でほんの僅かでも彼の苦しみを和らげる事が出来るならこれ程嬉しい事は無い。相手の言葉は不安に駆られ霞んでいたその事を思い出させてくれる。__何故だか目頭が熱くなり、今は此処に居ない彼に無性に会いたくなった。「…私も全力でエバンズさんを支えます。」うっすらと濡れた睫毛を指の甲で軽く擦り、相手と同じ決意を告げた後、少しばかり思案する間を空ける。そうして思うのは“繋がり”だ。エバンズと相手は所謂患者と医師の関係で、患者側が治療を必要としなくなれば当然会う事は無くなる。それでも__「…通院が必要無くなった後も本当にたまにで良いんです、先生の仕事が落ち着いてる時や都合があえば__お節介な自覚はあるけど、エバンズさんとの繋がりが切れて欲しくないって思うんです、」“会って欲しい”と第三者の自分は声を大にしては言えないが、僅かでも良い、繋がり続けて欲しいと思うのは、遠くながら少なからず2人の信頼や絆の様なものを感じていたからか )






4750: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-02 05:00:45

 





( 医師と患者の関係で無くなったとしても、関係は切らずに居て欲しいという相手の言葉に微笑む。一方で『…その時は、エバンズさんが私を友人と認めてくれれば良いのですが。目の敵にされている可能性もありますからね、』彼の望まない事ばかり口煩く促す事になる医師という立場を引き合いに、冗談めかして。電話口の相手の声は当初よりも明るく穏やかなものに変わっていて、少しでも不安を拭えた事に安堵する。また必要があればいつでも電話して欲しいと伝えてその日は電話を終え。---ワシントンで変わらず教官としての仕事を続けていたエバンズは、休みこそ取れるようになったものの相変わらず身体の痛みと悪夢には悩まされる日が続いていた。そんな中、思いがけず“あの日屋上でミラーに薬を打った犯人が捕まった”という一報を聞く事となり。再び相手に危害が加わる事をずっと恐れていただけに、それは心から安堵できる、待ちわびた報告だった。同時に、結果として逮捕までにこれ程時間を要した事を思うと、早々にレイクウッドを離れた自分の判断は間違って居なかったと思えた。現に犯人が逮捕されたのはワシントン内だったのだから。 )






 

4751: ベル・ミラー [×]
2025-02-02 10:49:38





警視正


( ___1年以上逃げ回っていた犯人2人組がワシントン市内で逮捕されたと言う報告は直ぐにレイクウッドの刑事課にも伝わりミラーを含めた大勢の警察官が安堵と歓喜に沸いた。それから数週間と経たずしてエバンズの代わりに警部補として赴任して来ていた男性が再び異動になった事で、レイクウッド署の警部補の役職に空きが出た。次の警部補候補を……と考えた時、ウォルター警視正の脳裏を過ぎったのは紛れもなく【アルバート・エバンズ】その人。本部の警視正からエバンズの今置かれている状況は告げられている。一度は此処を離れたもののその理由も知っている。そうしてその理由の内、大きく占める1つの“事件解決”は数週間前の犯人逮捕の一報で叶ったのだ。何も迷う事は無いと、ウォルター警視正が電話を掛けたのは本部で。___レイクウッド側の警視正から連絡を受け、その内容を書き留めてから向かう先はエバンズが働くFBIアカデミー。腕時計に視線を落とし、この時間ならば座学も全て終わり後は翌日の準備だけだろうと生徒の少ない廊下を進み一室の前で立ち止まる。数回ノックをし中から相手の声が聞こえると扉を開け『…ご苦労。暫く顔を出せなくて悪かったな。』と労いの言葉を掛けた後、『大切な話しがあるんだが、今時間は空けられるか?』早々にレイクウッド側からの報告を伝え、相手の気持ちを確認する為にこの後の予定を問うて )






4752: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-02 22:15:38

 





( レイクウッドに戻る事は出来ないと以前相手に伝えた時、其の大きな理由は犯人が野放しにされていた事だった。しかし犯人が逮捕されたからと言ってレイクウッドに戻るという単純な話でも当然なく、教官として講義を淡々と進めるばかりで生活が大きく変わる事はなく。---その日の座学を終え教官室で教材に目を通していた時、不意に扉がノックされ入室を許可する。学生だろうと思ったものの、立っていたのは本部の警視正で、驚いたように立ち上がり。大切な話、と言われて思い出すのは此処への異動を命じられた時の事。教官の職さえも辞するようにと告げられたら自分には何も残らないと、自然と其の表情は僅かばかり固いものになるのだが、頷く事で相手の言葉を促して。 )







 

4753: ベル・ミラー [×]
2025-02-02 22:58:23





警視正



楽にしてくれ。今回はそう悪く無い話だ。
( 驚きに立ち上がった相手に座って構わないと促し自分も相手の目前の椅子に腰掛ける。それから相手自身は気が付いて居るのか、恐らく無意識だろう表情が僅かに固くなると対照的に口角を僅かに持ち上げた緩い笑みを浮かべ、ある種の警戒心の様な感情をおさめて欲しいと。そうやって相手と向き合う形で1つ息を吐き、瞳に真剣な色を携えてから『__1年程前にレイクウッドで君とミラーが関わった事件の犯人が逮捕された事は既に知ってるな?』先ずは数週間前に漸く逮捕された2人組の犯人の話を前置きに、『数日前、ウォルター警視正から直々に君をレイクウッドの警部補に、との打診が来た。前任の警部補は既に異動になったらしく、今空きのある状態だそうだ。…勿論今の君の状況も知っている。__以前同様すぐに警部補として現場に立つのでは無く、向こうできっちりと検査をし身体を休めながら…所謂“非常勤扱いの警部補”と言う形での戻りになるが__君はどうしたい?』電話でウォルター警視正から告げられた内容を静かに話していく。最後に相手が自分の考えを、気持ちを、答えやすい様にと再び表情を緩めて )






4754: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-02 23:58:28

 





( 警視正が口にしたのは思い掛け無い言葉だった。ウォルター警視正が自分を再びレイクウッドに警部補として呼び戻したいと打診して来たと言うのだから。再び刑事に戻れると言うのは願っても居ない事だったが、迷いなく返事をする事は出来ずに一瞬開きかけた口を噤む。確かに犯人は逮捕されたが、自分がレイクウッドという小さな町に居る事で再びあのような事が起き周囲に迷惑を掛ける可能性はゼロではない。同時に此処数ヶ月はまともに捜査にも出ず、座学の講義をするばかり。時間に余裕ができ、無理をする事さえ無くなった訳だが身体の調子は良くない。その状態で、まともに警部補として勤務する事が出来るのかという不安も拭いきれず、自分を呼び戻すばかりに警部補が非常勤では迷惑も掛かるだろう。見栄っ張りな性格ゆえ、本部でまともな功績も上げず再び出戻る事への気まずさのようなものも僅かばかりあっただろうか。「_____とても有難いお話です。…再び刑事として働けるのは願ってもない事ですが、本当に良いのでしょうか。…何処で、どういう形であれば迷惑を掛けずに居られるか_____正直、今警部補として期待されるだけの働きが出来るかどうか、」と珍しく弱気な言葉を紡いで。けれど、此れを逃せば二度と刑事には戻れないかもしれない。それだけは避けたいという思いもあり、言い淀む。一度全てを失いかけた自分には勿体ないほどの話だからこそ、受けたい気持ちこそあれど即答する事ができなかった。 )






 

4755: ベル・ミラー [×]
2025-02-03 00:34:04





警視正


( 真っ直ぐに見据えた相手の碧眼は僅か不安定に揺らいだ気がした。刑事で在る事に拘る相手からすれば唐突に訪れたこの機会は当然逃せられないものの筈だが__何故だろうか、途中長い間が空きはしたが昔から見て来た相手の事、素直に頷く事が出来ないでいるのが手に取る様にわかってしまった。即答出来ず様々な事を考え身動きがとれなくなっている相手に軽く首を振る。『迷惑が掛かると思っているならこの話すらあがって来ないだろ。…それに、ウォルター警視正は最初から何もかも完璧に警部補としての勤めを果たして欲しいとは思っていない。だからこそ“非常勤”と言った筈だ。__焦らなくて良いんだ、エバンズ。君の帰りを待って居る人達がレイクウッドに居て、後は君が“今”どうしたいかが重要だ。』一言一言、静かに語る様に紡ぎながら、相手の口からたった一言“戻りたい”との言葉を待つ最後、『__堂々と警部補席に座ってろ。』と、余りに簡単に聞こえるかもしれないが、そう重く捉えすぎるなと言う意を込めた言葉と共に、口角を器用に持ち上げた笑みを浮かべて見せて )






4756: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-03 01:14:07

 





( 完璧な警部補で在る事を求められている訳ではない、と相手は言った。別の誰かを据えれば非常勤からのスタートになる事もなくよりスムーズに事は運ぶだろうが、其れでなくとも良いから戻って来ないかと打診されている______それは身に余るほど有難い事だ。“自分がどうしたいか”。意識が途切れそうな苦痛に耐える間、懸命に呼び起こすのは全てレイクウッドの記憶だ。車窓を流れる緑はワシントンの中心部にはない。湯気の立つ紅茶が入ったマグカップも、此方ではあまり使わなくなっていた。本部よりもずっと小さな建物も、執務室に掛かっていた風景画も、出張先で見たステンドグラスも、緑色の瞳も。その全てが、夜の暗闇の中であっても自分を正しい場所に引き戻す。「______レイクウッドに、戻らせて下さい。」再び相手を見詰めた瞳に不安定な揺らぎはなく、いつも通りの光が宿っている事だろう。レイクウッドは自分にとって“戻りたい”場所だ。「本部に来たいと我儘を聞いて頂いたのに、申し訳ありません。」正に我儘を聞いてもらった相手には何も恩を返せずに再びの異動となる事を謝罪する。けれどもう一度刑事として、レイクウッドで働ける事は間違いなく喜ばしい事だった。 )






 

4757: ベル・ミラー [×]
2025-02-03 08:10:21





警視正


( 暫しの間の後、此方を真っ直ぐに見た相手の瞳には先程までの不安定な揺らぎは無く見慣れた光がチラついた。__言うなればそれは“刑事”である事の光か。久々に見た気がする意志のある相手の瞳を見詰め返し、言葉を聞き、至極満足そうに頷けば『あぁ、勿論だ。君の返事は今日中にウォルター警視正に伝える。…此方の引き継ぎの事は何も気にせず、準備が出来次第戻って構わないからな。』相手が気にするであろう此処での業務や代わりの教官の事は何とでもなると先に伝える。実際此処の教官は相手が思う以上に沢山居るのだ。立ち上がり扉に歩みを進めた時に続けられた謝罪にも、返す返事は決まっている。振り返ったその瞳に浮かぶ色は優しく、『謝る必要は無い。__あぁ、そうだ。署員達は最後に飲み会を開くと言うだろう、ちゃんと出席してやってくれよ。』不甲斐無さも、罪悪感も、何も感じる必要は無いと。相手の活躍を遠く応援していると言葉にはせずとも伝わるだろうか。最後に少しだけ肩を竦め軽い口調でそう伝えた後は、今度こそ部屋を後にしその足で直ぐに自室へと戻りレイクウッドで返事を待つウォルター警視正へと電話を掛けるだろう )






4758: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-03 14:18:05

 





( 二度目のワシントンでの生活は大変な事の方が多かったのだが、間違いなく人には恵まれた1年半だったと言えよう。---その後は教官として使っていた教材や入校証やらを返却し、引越しの準備が始まった。引越しとは言え、本部の執務室は既に明け渡している上、ホテル暮らしをしていた為大きな家財道具も無いのだが。其れと時を同じくして、レイクウッド署ではウォルター警視正が“周知すべき決定事項”を伝える為に刑事課に訪れていた。『皆、聞いてくれ。ドリー警部補の異動に伴う後任人事が決まった。後任は本部から、来週には着任する予定だ。厳しい事で有名だが、腕は確かだ。』一時的に空席となっていた警部補の座に着任する人物について淡々とその人物像を紹介しつつ、不意に笑みを浮かべて。『_____エバンズ警部補、と言えば分かるな。』フルネームで紹介せずとも皆分かるだろうとフロアを見回す。一瞬沈黙が広がったのち、直ぐにエバンズが戻って来ると理解した署員たちによって騒めきが大きくなる。サプライズが成功した事に1人満足げな様子だった警視正は、相手と視線を合わせると笑みを浮かべ、片目を閉じて見せた。 )






 

4759: ベル・ミラー [×]
2025-02-03 17:42:20





( ___ドリー警部補が異動し刑事課が纏まらなくなった、忙しくなった、と答える署員は正直な所居ないに等しいだろう。それ程迄に言ってしまえば“難ある人物”だったのだ。彼が異動し空席となっていた警部補専用の執務室に明かりが灯る事は無く再び主人を失った部屋は冷たい空気の中に包まれていたのだが。__その日は突然訪れた。刑事課フロアに来た警視正が皆を集めて告げたのは当然誰も予想すらしていなかった事。周りの騒めきが何処か遠く聞こえ、棒立ちのまま警視正をただ見詰める事しか出来ない。隣に居たアンバーが震える声で『良かったね…っ、ベル。本当に良かった、』と、珍しく抑えられない感情のままに此方の心に寄り添ってくれたのだがその声すらもすんなり入って来ない程の衝撃だった。__報告を終えた警視正が刑事課フロアを出てから数分、後を追うようにして小走りに向かった先は警視正が戻った専用執務室。ノックの後入室を許可する声に部屋へと入れば開口一番「…さっきのあれ、確定ですか!?エバンズさんが戻って来るって、」渦巻く様々な感情を懸命に抑え付けようと努めるのだが、端々に何処と無く興奮の滲む声色で今一度、確りと聞きたいのだと )






4760: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-03 19:34:52

 



ウォルター警視正



( バタバタと足音がして部屋にやって来たミラーの第一声に頷くと『あぁ、正式に決まった事だ。本部での手続きは全て滞りなく終わったと聞いている。』と伝えて。良かったな、と付け足すと、抑えきれない感情が覗く相手の肩をポンポンと叩いて。『レイクウッドに戻る事を打診したのは私だが、意向を確認した所エバンズからも“戻りたい”と好意的な返事が返ってきた。…住居を整える為に、そろそろレイクウッドに戻っていてもおかしくないな。』彼も此処に戻りたがっていたと告げつつ、早ければそろそろレイクウッドに着いている頃かもしれないと。彼が相手も含めレイクウッド時代の知り合いには何も言わずに異動の準備を進めている事は知っていた。この場所に愛着を持っていた事がバレるのが気恥ずかしいのか、これほど喜んで歓迎する者が居るというのに頑なな態度だと肩を竦める。『_____皆にはまだ伝えていないが、初めは非常勤で勤務して貰おうと思っている。私も向こうでの事は聞いている、きちんと身体を休める時間が必要だろう、』と告げて。 )






 

4761: ベル・ミラー [×]
2025-02-03 21:18:39





( 肩を軽く叩かれ漸く深く息を吐き出す。__戻って来るのだ、やっと、約1年半待ちに待った上司が。彼自身が“戻りたい”と言ったのならそれはもう疑う事の無い決定事項だろう。「…ありがとうございます…っ、」相手からの打診が無ければ彼はずっと本部に居続ける選択をした筈だと思えば感極まった様子で頭を下げて。着任は来週からかもしれないが、既に彼は此方での住居の整えや諸々の準備の為に戻って来ているだろうとの事。飛行機に乗らずとも会いに行ける距離に彼は居る、今直ぐ電話を掛けて会いに行きたい気持ちを飲み込み、少しばかり真剣な口調で続けられた言葉を聞き届け頷けば「此処には警部補が信頼する主治医も居ます。…どんな形であれ、私を含めた署員全員が、警部補が戻って来る事を歓迎しています。」“エバンズさん”では無く、普段上司や他の署の人の前で彼を呼ぶ時の呼び名で言葉を返す。それは確りと落ち着きを取り戻した事の証明で。この打診の話を相手が持ち出した時、フロア内は大きく響めいたものの、その何処からも溜め息や不満があがる事は無かった。それはきっと、萎縮したり厳しく怖い上司だと思う事はあれど皆がエバンズの事を認め少なからず信頼を置いているからだろう。___部屋の壁に掛かる時計の針は16時20分を指していた。警視正に今一度深々とお辞儀をして部屋を出る。途端に一度は抑え込んだ気持ちが溢れ、それが視界を滲ませるのだがこんな所で泣いていては擦れ違う人達に心配を掛けるだけだと深く深呼吸をし仮眠室へ。内側から鍵を掛けて取り出したスマートフォンで電話を掛けるのは勿論エバンズその人にだ )






4762: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-04 06:27:56

 




( 警視正の読み通り、ワシントンで世話になった人たちに礼を言いスーツケースと共に飛行機に乗り込んだのは朝の事だった。ジョーンズも自身の復帰を喜び、また応援でレイクウッドに行った時には食事に付き合うようにと笑って送り出され。---一度不動産屋と連絡を取り、以前住んでいた部屋には既に別の人が住んでいる事だけ分かったものの、内見もしていないため家を決める事はしていない。仕事に使う物は直接署に送り、その他の私物は全てスーツケースの中に入っていた。ホテルに泊まり、週末にでも家を探せば良いだろうという考えでチェックインしたのがつい先ほどの事。長距離移動というのはやはり疲れるもので、1階のコーヒーショップで珍しく温かいカフェラテを購入しソファに身体を預けて。窓の外に広がっているのは、懐かしいレイクウッドの景色だ。ちょうどスマートフォンが着信を知らせ画面を見ると、表示されていたのはミラーの名前。警視正から聞いたのだろうと思えば、電話に出る。「______そういう事になった、」事前の報告もなく第一声が其れかと怒られそうなものだが、そうひと言。「また世話になる。」と伝えて。 )






 

4763: ベル・ミラー [×]
2025-02-04 07:54:41





( ___何が“そういう事になった”だ。電話口から聞こえた相手の第一声は何の説明も主語も無い、此方が警視正から何も聞いていなければちんぷんかんぷんなもの。出て行く時も帰って来る時も事前報告一つ無いそれが相手らしいと言えばらしい気もするが。「…それ、通じるの私だけですから。」感極まった感情も引っ込み誰も居ない仮眠室で1人肩を竦める。やれやれと吐き出した溜め息も、2人だけの会話なのに使った態とらしい敬語も、結局向ける相手が彼ならば絆されてしまうのが道理か。僅かの沈黙を置いて次に吐き出した吐息は呆れの溜め息では無く安心から出たもの。それに釣られる様にして表情は微笑みに変わり、そうなればもう行動は早い。相手が今居るホテルを聞き、会いたいからと指定した時間に外に出ていて欲しいと一方的に要求して電話を切る。__その日の仕事を全て終わらせ署を出たのは17時を少し過ぎた頃。車を走らせホテル入口に車を停めたのは約束の時間の少し前。既にそこには相手が立っていて、姿を見ると助手席側の窓を開け僅かに身を乗り出し「__乗って。一緒に夕飯食べよう。」と告げて )






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