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白む空に燻る紫煙 ---〆/4825


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自分のトピックを作る
4806: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-13 00:14:13

 





( 怒りを露わにした事を肯定されるとは思わず、視線はハンドルを握る相手へと向いて。過去の事件について”考察“し、自分の意見を持つ事はそれぞれの自由であり誰にも止められない。だからこそ自分に対する批判に対しても、其れを受け入れ受け流す事が正しいと思っていた。その上”視線“などという証明のしようがないものは、感じ方次第だと言われても仕方がないと思っていたのだ。けれど相手は自分の怒りを否定しなかった。妄想だとも、過敏になっているだけだとも言わない。その事に安堵し、ポツリと言葉を落とし。「______一度気になると、全ての視線が怖くなる。全員に白い目で見られているようで……そんな事、あるはずがないのに。」この一件で気持ちはかなり張り詰めていたものの車の中は落ち着いていられる空間で、深く溜息を吐いて。 )







 

4807: ベル・ミラー [×]
2025-02-13 08:51:14





__そう感じてしまう程、長い間そういう視線に晒されて来たって事だよね。…ずっと、1人で耐えて来たって事。
( 視線を合わさぬ様意図的に窓の外に顔を向けていた相手が此方を見たのを感じ、一度だけ相手と視線を合わせ微笑むと再び運転に集中するべく真っ直ぐ前を見直して。___“あの事件”で大勢の教諭や園児達が命を落としたのは、あの場に居ながら何も出来なかった自分のせいだと、助ける事が出来なかったのだから世間から、遺族から、どれ程責められ傷付けられてもそれは仕方の無い事で全て甘んじて受け入れると矢面に立って来た相手は、自分自身が気が付かぬ内に少しずつ、少しずつ、その心を殺していったのだろう。最初は感じていた筈の痛みにすら蓋をし、重りを括り付け暗い闇の中へ落とし続けた事で何時しかその痛みにも気が付く事が出来ない程に麻痺し、涙を流す事も出来なくなった。その相手が時折苦しさを口にする様になったし、今はやるせない気持ちや燻った怒りの様な感情を僅かかもしれないが表にも出した。___やがて車は住宅街に入り、マンションの駐車場へと停めると、「片付けは後にして、ちょっとゆっくりしよう。」と伝えつつ、共に部屋へと入り )






4808: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-13 13:33:50

 




( あの事件で取り返しのつかない”失敗“をした自分たちは責められて当然だという罪悪感にも似た思いが、あの場にいた全刑事たちの中に根深く残ったと言っても過言ではないだろう。その思いに縛り付けられ、誰も声を上げられず批判に晒され続けた。一度は心に蓋をして感じなくなった痛みややるせなさが、少しずつ湧き起こるようになっているのは自分でも感じていた。気づかなければ楽だと思うのに、苦しいと感じてしまう。---相手と共に部屋に戻ると、静かな空間にようやく気持ちが幾らか落ち着くのを感じた。同時にかなり気を張っていた為か重たい疲労感に襲われ、ソファに座るとそのまま身体を預けるようにして息を吐き。此処には軽蔑するような視線も、囁くように噂をする声も無い。「…俺が打たれ弱くなってるのか、正常な感じ方なのか、分からない。」徐にそんな言葉を紡ぐ。ワシントンに居る間に心身ともに不安定になってしまった事で打たれ弱くなっているのか、或いはこの苦しさが、感情を掻き乱される感覚を感じるのが正常なのか。 )







 

4809: ベル・ミラー [×]
2025-02-13 17:47:33





( 心身共にある意味疲労感に襲われている相手がソファの背凭れに身体を預ける様にして座ったのを確認し、買い物袋を部屋の隅に置く。まだ陽の出ている時間帯とは言え部屋の中はほんの少し冷えており、身体を暖める為紅茶でも淹れようとケトルにお湯を沸かすのだが。静かな空間に落とされた唐突な相手の言葉に振り返る。先程ショッピングモールで見せた瞳の揺らぎと言い、今の言葉と言い、矢張り相手はずっと“迷子”なのだ。一度身を屈め袋の中から“何か”を取り出した後、ゆっくりと歩み寄り相手の横に腰掛けると、先ずはソファの端に畳んでいたブランケットを相手の膝に掛けて。それから優しさの中に真剣な色を宿した瞳を向け「…100%正常です。エバンズさんが苦しいと感じる気持ちも、怒りたくなる気持ちも全部正常。それは悪い感情じゃなくて、エバンズさんが当たり前に持っていて良いもので、当たり前に表に出して良いものだよ。__弱くなったからじゃない。」恥じる事も、後ろめたく思う事も、まして横暴だと思う事何も無いのだと。それは“負”では無く人間として当たり前の感情なのだと。真剣に一つ一つを言葉にして、最後にまた柔らかく微笑むと相手の瞳を覗き込みつつ、向ける己の視線も怖いかと問い掛ける。それに対して首を横に振ってくれたのならば、「じゃあ、目を閉じて口開けて。…大丈夫、別に変な事しないから。」相手には見えないよう後ろ手に隠した“何か”を軽く指先で触りながら、警戒しない様にと言葉を付け足しつつ )






4810: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-13 22:39:21

 





( 自分がどうしようもない暗闇の中をもがきながら彷徨って居る時であっても、相手はいつも、自分自身でさえどうしようも出来ない感情を肯定して”赦し“をくれる。例え過去がどうであれ、全てを飲み込み心を殺す必要はないと。痛みも何も感じない時の方が楽ではあったかもしれないが、今こうして抱えている感情は決して悪いものでは無いと言う事だろう。相手の視線は、此方を見つめる柔らかな緑色の瞳は、例え錯乱しているような時でも怖いと思った事はなかった。相手の言葉に僅かばかり怪訝そうな表情を浮かべたものの、特段拒否する事もせず促されるままに目を閉じ、軽く口を開けて。 )







 

4811: ベル・ミラー [×]
2025-02-13 23:11:47





( 疑問こそあっただろうが相手は此方の要望通り素直に瞳を閉じ軽く口を開いた。それを見届けてから後ろ手に隠していた“アーモンドチョコレート”の包みを前に持って来る。木目調のお皿を買った雑貨屋に売られていたそれは、見付けたその時物凄い輝きを放った様に感じられ、何かを考えるよりも早く手が伸びお会計をしていたのだ。目を閉じている相手には“何か”を開ける小さな音だけを聞く事が出来ただろう。粒子の細かいビターなココアパウダーを纏ったチョコ一粒を摘み、薄く開かれている相手の口元に近付け唇の隙間に軽く押し当てる。甘い香りと甘い味の何方もを認識した時、それが食べ物だとわかるだろうか。「__疲れちゃった時は甘い物が一番。」本当にささやかな贈り物がサプライズとして成功したとはにかみつつ残りが入ったチョコの袋を相手に手渡せば、丁度良くお湯が沸いた事を示す音を鳴らしたケトルのスイッチを切る為立ち上がり。紅に白を垂らしたまろやかなミルクティーを相手の目前に置き再び隣に腰掛ける前、先程買い物した袋を手繰り寄せ。「ちゃんとのんびりする事。」相手に一声そう掛けてから中身を取り出し、値段のシールを取ったりと流れる穏やかな時間を感じながら片付けを始めて )






4812: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-13 23:54:21

 




( 銀紙を開ける小さな音がして、唇に少しひんやりとも感じられる物が触れた。舌の上に転がったそれは甘く滑らかに溶け始め、チョコレートだと気付けば目を開けて。はにかむように笑う相手を瞳に映すと唇に付いたココアパウダーを軽く舌先で舐め取りつつ、少しばかり心が解けるのを感じた。チョコレートが溶けた先に残るアーモンドを噛み、ちょうど良く差し出されたミルクティーをひと口飲んで。「…優しい甘さだな、」と言いながら、気に入ったのだろう、もう一つ銀紙を空けて口に入れて。---疲労感を感じていたため、少しだけ身体を横たえようとソファの肘置きに頭を置く。本格的に眠ろうと思っていた訳ではないのだが、気付けば微睡んでいたようで。少しして寝苦しさのようなものを感じて意識は1時間足らずで浮上する。少し眠ったのだが身体の重たさは増しているようにも感じられ、胸を通る息が熱を持っているように感じた。ソファに身体を起こし「…ベッドでもう少し休んで来ても良いか、?」と相手に尋ねて。 )






 

4813: ベル・ミラー [×]
2025-02-14 00:19:41





( 普段スーパーなどで売られている物とは少しだけ違うその雑貨屋ならではのアーモンドチョコレートは相手の好みから外れなかった様で、更に追加でもう一粒食べる様子を微笑ましそうな表情で見送り。___ソファに身を横たえた相手は何時しか浅い眠りの底に沈んだ様に規則正しい寝息を繰り返していた。その姿を見詰め無意識に口元を緩めると買った物を所定の位置にしまったり、持ち帰った仕事の残りを終わらせる為ノートパソコンのキーボードを叩いたりと時間を過ごし。凡そ1時間程が経過した頃、身動ぎをした気配に気が付き振り返ると、果たしてそこには目を覚ました相手が起き上がって居て心做しか調子が良くなさそうに見える。「勿論。__調子悪い?」申し出に間髪入れず頷き体調の確認の問い掛けをするのだが、不調であるなら再び早く横になりたいだろうと思えばそれ以上話を長引かせる事は選ばず「何かあったら直ぐ呼んでね。」と付け足し、寝室に向かうその背に心配そうな視線を向けて )






4814: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-15 23:30:54

 




______少しな、
( 相手の問い掛けに否定する事なくひと言だけそう答えると、ソファから立ち上がりベッドへと向かい。横になると、薄暗い寝室は程なく眠りを誘う。再び眠りに落ちたのだが、頭には先程のカップルの囁き声がずっと響いているような感覚があった。浅い眠りの中で感じていた寝苦しさは、やがて重たく身体に伸し掛かるような苦しさへと変わり呼吸は上擦り始めていて。眠っていた時間は30分ほど、再び目を覚ますと視界は不安定に揺らいでいて身体は熱い。熱があるようだと自分で感じると「_____ミラー、」と寝室から声を上げて。「…少し熱っぽい。薬があれば貰えるか、…」程なく寝室の扉から顔を覗かせた相手に薬を頼み。 )






 

4815: ベル・ミラー [×]
2025-02-16 00:02:49





( ___相手が寝室に消えてから名前を呼ばれる迄は短く感じた。“何かあったら”がまさか解熱剤に繋がるとは思わず、側に寄れば何処と無くぼんやりとした相手の表情が映る。徐に手を伸ばし前髪を払う様にして額に触れると確かに相手の言葉通り熱がある様だ。「…少し高いね。ちょっと待ってて、」掌に伝わる体温は高く感じられ、これは調子が悪いのも頷けると一度寝室を出て解熱剤2錠と水の注いだグラスを持ち再び相手の元へと戻り。「数日バタバタしてただろうし、疲れちゃったかな。…食欲はある?食べられそうなら少しでも何か胃に入れた方が良いんだけど。」それらを手渡してベッドの縁に軽く腰掛け、心身の調子が此処暫く悪い事や、午前中のショッピングモールであった出来事が少なからず相手の心に負荷を掛けた事も熱の原因の内であるだろうと想像しつつも、ワシントンからレイクウッドに戻る事が決まり忙しない日々が続いた事で少し免疫力が低下しているのかもしれないと言葉にして )






4816: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-17 20:23:36

 





( 此れだから非常勤からという話になるのだと、自分で自分を恨めしく思う。本当はもっときちんと刑事としての責務を果たしたいのに、身体が追い付かないばかりにいつも空回りしてしまう。一度は刑事課さえ外れた身なのだから、一歩ずつゆっくりと無理をせずに進んで行けば良いと皆口を揃えるが、早く功績を上げられるまでに戻らなければと余計に焦りが募るのだ。レイクウッドにいた2年程前までは、未だ“無理をする“事が出来たのだが、此の所は其れも出来ない事が増えた。そんな事を考えていると相手の声が降ってきて、「…いや、薬だけ飲んで少し眠る。」とだけ答えて。自分が”弱く“なっている事が許せなかった。少しの疲労で体調を崩し、ほんの些細な出来事に傷付く。ワシントンでの日々がそうさせたのか、或いはレイクウッドに戻った事で気が緩んでいるのか。何にせよ早く体調を整えなければと焦りとやるせなさとを抱えたまま、布団に潜り込むようにして相手に背を向ける事となり。 )






 

4817: ベル・ミラー [×]
2025-02-17 21:12:51





( スッキリと食べられる果物なり、喉通りの良いゼリーなり、何でも良いから本当なら一口でも食べて欲しい所なのだが、相手はそれを拒否し薬だけを水で押し込む様にして胃へと落とした。そうして何かを続ける事もせずにまるで此方との間に壁でも作るかの様にして背を向け布団に潜り込むのだ。__相手が“背を向ける”理由を僅かも察する事が出来ない程、“思い出す事が出来ない”程、長い長い年月が経った訳では無い。己に対して何か後ろめたい事がある時や居心地が悪い時に相手はこうして背を向けたり目を閉じてしまう。それからもう1つ。“自分自身を許せない時”。今回は間違い無く後者だろう。ワシントンで刑事じゃなくなった事も、此方で刑事に戻れたとは言え非常勤からの様子見である事も、身体の痛みも、ショッピングモールでの出来事に感情を揺さぶられた事も、そうして現状の熱も。相手からすればきっと起きたその何もかもが自分の“弱さ”で、それが許せなくて、元に戻りたいのに上手くいかないもどかしさに襲われ、それもまた“弱さ”なのだと抜け出す事の出来ない茨の覆う深い森の中を彷徨って居る。焦らなくて良いのに、誰もが皆弱い部分を持って居て当たり前なのに。けれど人一倍正義感が強く“贖罪”の為に立ち続ける相手はきっと納得はしないのだろう。己からしてみれば“今の相手”こそが弱さとは全く反対の“強さ”なのだが。それをこの場で言った所で皮肉にしか捉えられ無いと思うからこそ長々と言葉を連ねる事はせず、けれど小さく上下する肩付近の布団に軽く手を乗せ「__これだけは覚えていて。何であれ、この先エバンズさんの居場所が無くなる事だけは絶対に無い。」静かに紡ぐのは相手の抱えるやるせなさを払拭出来る言葉では無いだろう。けれど、奥底にきっとある不安をほんの僅かで良い、包み込みたかった。そのまま静かに擦る様に掌を動かして )






4818: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-18 00:33:40

 






( 居場所が無くなる事は無いと、相手は言った。その言葉は実際に居場所が無くなる事に不安を感じている心の内を見透かされているようで、返事をする事はなく。仮に自分が弱く弱くなってレイクウッドでも刑事を続ける事が出来なくなったら、刑事として生きる事が出来ない自分に居場所などあるのだろうか。深みにはまっていくような此の思考は熱の所為だろうか。心の中は靄掛かっているのに、肩を摩る相手の手の感覚に誘われるようにやがて浅い眠りに再び沈んでいき。---解熱剤で一度は下がった体温は、夜中になって効果が切れると悪化に向かった。あの後何を口にする事もなく眠り続け、目を覚ました深夜。眠っている間は薬が効いて楽だったのだろうが、胸を押さえ付けられているように苦しくて、吐き出す息は熱い。浅くなる呼吸を繰り返しながら僅かに身体を動かしたものの、それだけで視界は大きく揺らぎ眉を顰め。 )






 

4819: ベル・ミラー [×]
2025-02-18 11:14:15





( 程なくして熱に犯された身体が限界を迎えたかの様に相手の意識は眠りの淵へ落ちた。重たい寝息が吐き出されるのを聞きながら暫くの間丸くなる背中を見詰めた後、己もまた全ての支度を終えて相手の隣に横になり眠りに落ちたのが夜の11時頃だろうか。___喉の渇きで目を覚まし隣を見た時、相手はまだ眠っていた。けれど静かにベッドを出てキッチンでグラス1杯の水を飲み再び寝室に戻って来た時、この数分の間に目を覚ましたのだろう相手は眉を顰め苦しそうな浅い呼吸を繰り返して居る。「……」徐に手を伸ばし相手の額へ。幾ら己の手が冷たかろうがわかる程の熱を感じられ解熱剤の効果はすっかり切れてしまっている事を知れば「…苦しいね、」と落とした声量で以てそう声を掛けた後「何か温かいもの飲む?エバンズさんがちょっとだけ待っててくれたら、すりおろしたリンゴのジュースも作れるよ。」熱で身体が寒いだろう事を思い先ずは温かい飲み物を進めるも、相手が今確りと口に出来るものが一番であれば少しだけ微笑みつつ違う物も選択肢として挙げて。額にあてていた手を下ろし熱を持つ頬へと宛てがうと、そのまま親指の腹で軽く撫でる様に擦って返事を待ち )






4820: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-27 23:23:47

 






( 寒さと熱とが同時に押し寄せるような感覚。確かに喉が渇いているのだが、冷たい水を飲みたいのか暖かい物を飲みたいのか、自分でも分からなかった。相手の問いに、何か飲みたいと頷いたものの身体を起こす事は出来そうもない。何が欲しいと言葉で訴える事もなく、相手がキッチンに行っている間に半ば意識を失うようにして浅い微睡に落ちていて。---夢に見た世界が酷く眩しく濃い色彩に思えたのは高熱によるものか。遊園地のような場所で、明るい音楽がやけに頭に響くように聞こえていた。見えている世界は小さな子どもの目線の高さ。メリーゴーランドに乗っている幼い少女のカールした髪が風に揺れ、はしゃいでいる笑顔が見えた。光を受けて輝く若葉色の瞳と、此方に気付き大きく手を振る姿。確かに見た事のある、記憶の断片が脳裏に引っ掛かっているような感覚に陥った。そして音楽をかき消すように、軽やかな鳥のさえずりと羽音が聞こえ柔らかな黄色い色をしたインコが現れる。整頓されたリビングに置かれた鳥籠。“ただいま”と喋るインコに言葉を教えている少女の背中。______子どもの頃の事など、夢に見た事は無かったというのに。何にも汚されていない過去の記憶はあまりに突然、鮮やかに繰り返され、やがて煙のように溶けて消えた。「_____マリーは、…」朦朧としながら紡いだ名前に、相手は聞き覚えがないだろう。マリーゴールドのような鮮やかな黄色、それを由来に妹は”マリー“という名前をインコに与えたのだ。「……窓を、閉めてくれ…」妹が大切にしていた鳥が外に逃げてしまったら困ると、夢と現実の狭間で相手に告げて。 )






 

4821: ベル・ミラー [×]
2025-02-28 00:29:14





( 飲み物が欲しいと頷きはしたものの、“何が飲みたい”と言う相手の意思表示は無かった。けれど何も飲めない訳では無いのならば一先ず脱水は避けられると安堵を胸に寝室を出て。___キッチンでグラス半分のすりおろしたリンゴジュースを作り戻って来たのは10分程が経ってから。間接照明を点けてサイドテーブルに冷たいグラスを置き相手の身体を起こす手助けをしようとするも、それよりも先に暖色の灯りに照らされた褪せた碧眼と視線が交わり、ゆっくりとした瞬きの合間に熱い吐息と共に酷く朧気な言葉が吐き出された。悪夢に魘され目覚めた時の意識の混濁とはまた違う、それでも“今”を認識出来ている訳では無い言葉。“マリー”の名前には当然聞き覚えが無く、“セシリア”では無かった事に一瞬少しの不安を覚えたその理由はわからなかったのだが、続いた不安定な要望と理由を聞けばその気持ちも消えると言うもの。「…大丈夫、ちゃんと閉まってるよ。」嗚呼、これはきっと飲めないな。なんて頭の片隅で考えながらも相手の身体を無理に起こす事はせず、代わりにベッドの縁に腰掛け先ずは相手の不安を払拭する為の返事を。それから今目前に居るのは成人男性で、直属の上司である事を認識しつつも再び眠りに落ちる事が出来る様にと、まるで子供にするそれの様に相手の胸元辺りを布団の上から何度も軽く叩き。「…さっきセシリアさんがご飯あげてたからね、きっともうお腹がいっぱいになって眠ってる頃。…エバンズさんも、もう一度眠らなきゃ。」相手は今、毎日の様に襲い来る悪夢の中ではなくきっと“幸せだった過去”に居る。そう感じるからこそまるで話を合わせる様に、今はもう存在しない1人と1羽の話を静かに聞かせて。それに対しての返事が欲しいとは思わなかった。ただ、今だけは“幸せ”の中に居て悲しみに引き摺られる眠りでは無い、穏やかな眠りを引き連れて欲しかったのだ )






4822: アルバート・エバンズ [×]
2025-02-28 03:27:36

 





( 窓が閉まっているなら、もし鳥籠の中に居なくても逃げてしまう心配は無いと安堵する。インコを籠から出して掌に置いた植物の種を啄ませていたセシリアの姿が浮かび、相手の返答にそれなら大丈夫だという安心と共に小さく頷いて。喉が渇いていた筈だったが、再び引き摺り込まれるようにして意識が途切れると其処からは言葉を発する事なく静かに寝息を立てて。---幾つも夢を見たように思う。懐かしい記憶、事件の記憶、教壇から見る景色や、レイクウッドとワシントンの街中も。過去に経験し、それ以降時折夢に見るようになった記憶もあった。暗闇の中から現れる暗い瞳をした男______恨みを募らせた、其れでいて全てを諦めたような影を宿した瞳と視線が絡んだ次の瞬間、ゆらりと動いて腹部に包丁が突き刺さるのだ。身体に痛みがあるからその夢を見たのか、或いはその夢を見たから身体に痛みが生じるのか。意識が浮上するのと同時に刺すような痛みを感じて、思わず呻き声が漏れる。横になっている態勢では痛みを逃すことができず、浅い呼吸のまま身体を起こそうとするのだが、高熱によって奪われた体力では1人で起き上がる事さえ今は苦しかった。「_____っ、…」鳩尾あたりを強く抑え、細く細く息を吐き出す事でなんとか痛みを軽減しようと。 )







 

4823: ベル・ミラー [×]
2025-02-28 12:11:34





( 熱に浮かされ曖昧な現実の中を彷徨う相手の何処か潤んだ様にも見える碧眼に確かな安堵の色が滲んだのを見て、己はそれに安堵した。どうか__一秒でも長く悪夢では無い夢が続きますようにと、やがて寝息を立て始めた相手を見詰める瞳は慈愛と消せない切なさが宿る。明日の朝、何方かが飲めば良いだろうとサイドテーブルに置いた減る事の無かったリンゴジュースを冷蔵庫に片付けてから再び眠りに落ちたのだが。___静かだった空間に相手の苦しそうな声と身動ぎの僅かな音が響き、眠りの淵にあった意識が浮かびあがった。それと同時にハッとした様に横を見れば、鳩尾付近を握り締め痛みに耐える様に細く短い呼吸を繰り返す相手の姿がそこに在り。「…大丈夫、薬持って来るから待ってて。」熱と痛みの何方にも苦しむ相手に穏やかな時間はまるで存在しないとさえ思ってしまう状態、それを軽減出来る物は今薬しか無いのだ。小走りに寝室を出て相手の鞄から錠剤2錠と水を注いだグラスを持ち再び戻って来ると、夜中の時の様にそれらをサイドテーブルに置いた後、一度相手の頭を軽く持ち上げそこから枕を抜き取り。続いて熱を持ち、上手く力の入らぬ身体をゆっくりと起き上がらせては、先程の枕をベッドフレームと背の間に置く事で相手をそこに凭れ掛からせ「__大丈夫…痛みも熱も直ぐに無くなる、もう少しの辛抱だから。」何も大丈夫では無いとわかっていながらも、今一度その言葉を口にしつつ、相手の肩を擦りながら薬の飲める状態かを確かめる様に伺い見て )






4824: アルバート・エバンズ [×]
2025-03-01 18:37:16

 





( 相手に支えて貰いながら身体を起こすと、視界はゆらゆらと不安定に揺らぐ。薬を飲みたいのだが、痛みが強く浅い呼吸ばかりが漏れ水を飲むだけの余裕がなかった。そのまま相手の肩口に埋めるように額を押し付けると、耐えるように唇を噛む。どれほどの時間そうしていたか、僅かばかり痛みが引き始めると鳩尾を軽く抑えたまま背凭れに置かれた枕へと背中を預けて。「______刺された時の、夢を見た…。」未だ熱を持った身体は怠く瞳は熱っぽく潤んでいるものの、先ほどのように朦朧としている訳ではないようで言葉を紡ぎ。あの事件で子供を失ったばかりに道を踏み外した彼と、残された妻は、今どうしているのだろうかと考えてしまう。同時に、自分が受けるべき痛みなのに、薬に頼り一人だけ楽になるつもりかと蔑むように言ったクラークの言葉が脳裏をよぎり、思わず鳩尾辺りに置いた手に力が入り。けれど相手から差し出された薬を拒否することはなく、少量の水で飲み込むと、再び背もたれに身体を預けて。「……使い物にならないな、」紡いだのは何処となく投げやりな、自分自身への嫌悪が滲んだ言葉。ようやく刑事に復帰するためにレイクウッドに戻って来たというのに、身体はずっと思い通りに動かない。外は青く白み始めているというのにこの時間にも相手を無理に起こしてしまっていると。 )






 

4825: ベル・ミラー [×]
2025-03-02 09:38:17





( 身体を起こした相手が直ぐに背後に体重を掛けないのならば、勿論の事拒む事はしない。肩口にある柔らかな焦げ茶を優しく撫でながら相手に襲い来る痛みが少しでも落ち着くのを待ち。___やがて身体を離した相手が溢したのは先程までの夢現なものでは無い、けれど過去に実際に起きた事の夢の内容だった。釣られる様にして相手の腹部へと視線を落としてから直ぐに瞳を持ち上げる。消えずに残った傷跡と同じ、否、それ以上に心に残り続けたのはきっと罪の意識だろう。あの時の男性は心神喪失の判断が下される事無く有罪となり、今も刑務所の中に居る。残された男の妻はあの家で夫の帰りを待ち続けて居るのだろうか。「…もう終わった事だって思えたら、どれだけ楽なんだろうね、」相手の中には今尚消える事の無い罪の意識が、夫婦の中には少なからずある恨みと膨大な悲しみが渦巻いているだろう。そうしてあの事件は己の心にも感じた事の無い恐怖を残した。そう言った“負の感情”を全て無くし、許し、前を見る事が出来たら__。薬を飲んだ姿を見て小さく微笑むと、捲れた布団を相手の足に掛け直す。鎮痛剤はやがて痛みをとり、解熱の効果も発揮する筈だ。ふ、と再び相手が溢した言葉には嫌悪や自嘲気味た色が混じっていて「私は少しも思わない。」と、間髪入れずに否定する。それから間を空ける事無く“でも”と言葉を置いてから「エバンズさんがそう思うなら、納得のいく時が来るまで私を使って。“今”のエバンズさんが難しいなって思う事、して欲しい事、全部言っていい。」真剣で、けれど酷く柔らかな語調でそう言葉にした後「だって私、優秀な部下でしょ?」と少しだけ悪戯な色も滲ませたのは、相手に重さを感じさせない為。「…持ちつ持たれつだよ。私が出来ない事や助けて欲しい事は、遠慮無くエバンズさんにお願いする。それで、ちょっと頼り過ぎたな、申し訳無いなって思った時は何かで埋め合わせをするの。」相手自身感じる嫌悪や、周りに迷惑を掛けてしまうと思う気持ち、それらは簡単には拭えないかもしれないが、何も難しく考えなくて良い、生きているならば当たり前の事なのだと )






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