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 炎の灯に照らされて、 /61


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44: 下級妖怪 [×]
2021-05-06 20:57:18



「へぇ、案外しっかりした設計――」

相手の説明(というよりは半ば相手の考察だが)に感心したように目をきらりと輝かせつつ、やや興奮しているような声色で喋り始める。だが、随分と急に慌てだした相手によってその声は遮られてしまい。
動揺、困惑。何故そんなにも感情を露わにするのか。雷斗にはその理由が分からないのか、そんな感じの様子に陥っている彼女を不思議そうに見つめ。その間、彼女の口から連続的に紡がれる言葉に耳を傾けて

「そういえば……すっかり自己紹介するのを忘れてたぜ、オレは雷斗って言うんだ。いやぁ、言ってくれて助かった!」

大方彼女の言葉を聞き終えれば、恥ずかしげもなく堂々と自己紹介を忘れていたなんて言いながらもそう名乗りを上げて。そしてすぐさまヘヘっと笑いつつも、心の底からそう思っているかのようなトーンでお礼の言葉を口にする。いや、動作こそ大袈裟なようにも見えるが、雷斗は本当にそう思って発言しているのだが。それに雷斗が人間の姿だったなら、今頃後頭部を掻きながら歯を見せて笑っていたことだろう。

「で、後はなんだっけ? この国のこと、だったか? ……まー、お前見るからに余所者だもんな」

と確認を取るようにそう聞きながらも、首を傾げては相手の方を見やり。しかし相手との距離を詰めることはせず、代わりに少し切なさを含んだ視線を彼女が持つランタンへと向けて。雷斗にとって、このようなランタンは負の象徴だ。あまり言いたくないと言いたげな、落ち込んだような声色に変化していき




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