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 炎の灯に照らされて、 /61


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43: 下級妖怪 [×]
2021-05-06 20:56:10



「えっなに、しゃべった!?」
 
 あまりの驚愕と、それを上回る恐怖で力が抜けてその場に座り込む。
 怒涛の勢いで喋りかけてくる目の前のカワウソを、星莉は怯えた表情で見つめた。もう訳が分からず、とりあえず自分の周りを動き回る黄色い生物──生物なのかも定かではなく──をひたすら目で追う。
 
「わー二足歩行にもなれるんだったら人間なのかな」
 
 やたらと人間風な動作で話しかけてきたかと思えば二足歩行になった彼に向けるでもなくぽつりと呟く。先程の風景、いつの間にか手の中にあったランタン、そしてこの黄色い生物。立て続けに起こる出来事に、そのうち感覚が麻痺してきたのか、「手とか熱くないのか」と問われれば、そのままその質問に答えようとする。
 
「これ、なんか結構暖かいしまぶしいね……あなた結構悪いひとじゃなさそうなのに、いきなり突き出しちゃってごめん。わたしは別に持ってるだけならあんまり熱くないんだけど───って熱ッ!?」
 
 火傷するかと思った、という彼に向けて申し訳なさそうにそう言って。自分で「持ってるだけでは熱くない」と言いつつ、持ち手の部分ではなく外枠の黒い部分や天井部分に一瞬触れれば、やはりとても熱かったのかすぐ手を引っこめる。
 
「この黒いのが断熱材的ななにかなんじゃない? 分からないけど。持ち手もちょっと暖かい気はするな。これ消えないのかな、ロウソクだし……」
 
 と言いつつ、ハッとしたように顔を上げて。自分が明らかに人でない者と会話しようとしていることに今更気付くと、かなり動揺しつつ、座ったままじわじわと後ずさりして。

「あなた誰!? ここどこ!? わたし模試に行かないといけない……じゃなくて、わたしここの人間じゃないと思うんだけど、いやこの世界に人間がいるかどうかもわからないんだけど」
 
 そんなことを言いながらも、直感的に目の前の彼は敵ではないと分かっているようであり




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