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 炎の灯に照らされて、 /61


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42: 下級妖怪 [×]
2021-05-06 20:55:16



「って危ねー! びっくりするじゃねーか!」

まさか、いきなりランタンを突きつけられるとは思っていなかったのだろう。相手が地面へとランタンを突き出したときにちょうどその場所に居たのか、思わず後ろのほうにのけぞりながらも威嚇するように尻尾の毛を逆立てて。が、尻尾もすぐに落ち着けば、驚いたような表情を浮かべてはハキハキと喋り始めて。見た目が動物なのに、やけに人間の言葉を流暢に話し、かつ人間臭い表情を浮かべている。目の前にいる人間にとってこれほどまでに奇妙なことは早々無い筈であろう。だが雷斗はそれに気付かず、

「その明るくてあったかいやつ、近付けられたらすげー熱かった! 一瞬火傷するかと思ったぜ!」

相手の持っているランタンを“明るくてあったかい”などと称しつつ、そんな感想を続けて述べてみせ。更には二足歩行になってはその場に座りこみ、パタパタと自身の顔を手で仰ぐ等暑がるような仕草をして見せるほどで。勿論、表情も今まさに人間が熱がっているかのようなものであり。が、すぐにコロコロと表情を変えれば今度はまじ勘弁だと言わんばかりに肩を竦めつつも、「火傷するかもと思った」なんて冗談めかした風に述べて

「あっ、てかさ、お前はそれ持ってるけど、手とか熱くないのか?」

座った姿勢からまたもや四足歩行に戻りつつ、ランタンと星莉とを交互に見つめながらも「てか、」と間髪入れずにそう問いかけて。同時に質問の回答を強請るような目で相手の方を見上げながらも、非常に人懐っこい様子で足に何度も擦り寄ったり、足元でウロチョロと動き回ったりしており。気分が良いのか興奮しているのか、理由は何にせよ、完全に自分のペースで話している様子である。
それに雷斗は、星莉が持っているようなランタンは今までに手にしたことが無いのだろう。ランタンを近付けられたときの感覚から、ランタンを持っている手まで熱くなるものだと思っている様子であり。が、それにも関わらず目の前の相手は全く熱がる素振りも見せない。めちゃくちゃ不思議だ、と言いたげな雰囲気を醸し出しており




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