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 炎の灯に照らされて、 /61


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17: 下級妖怪 [×]
2021-05-06 20:06:28



「それではまるで、私が女じゃないみたいな口ぶりじゃないですか」

完全否定する相手にそう揚げ足を取り。完全に言葉の綾というやつだし、否定したいがために咄嗟に出てきた言い訳で相手もそう本気で思っているわけではないだろう。環はそれを理解した上で、相手が何かを考えている最中、口元を服の袖口で隠せばシクシクとわざとらしい泣き真似をしてみせ

「あら。先程は確か怖くないと仰っていたような……まあ、女の子みたいに怖がってばかりの周くんですものね、ふふっ」

しかし相手から何か聞こえれば、泣き真似をやめて視線を相手の顔へと向けて。そうして再度繰り出された相手のお願いに、今度は愉快だとクスクスと楽しげに笑いを溢し。最初からそうしておけば良いものを。相手にそれが伝わるか否かはさておき、遠回しにそんな意味も込めて、先程の相手の発言を武器にそう揶揄ってみせる。完全に相手の反応を楽しんでいる態度である。しかし彼から差し出された手を握る手つきは包み込むように優しいものであり。……いや、実はと言うと、内心ダイレクトに伝わる相手の震えに笑いが止まらないのが本音だ。それを環はなるべく表に出さぬよう、意識して優しく手を握っているだけである。

「って言ってももう折り返し地点過ぎてますし、あともう少し頑張れば家ですよ」

とはいえ家に着くまで相手がずっとこの調子では、面白いといえば面白いが堪ったものではない。相手の恐怖心を和らげようと、先程の揶揄うときとは違う優しい声音でそんな言葉を掛けつつも相手の歩くペースに合わせて




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