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 炎の灯に照らされて、 /61


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16: 下級妖怪 [×]
2021-05-06 20:05:27



 「ちゃんとついて来ているのなら、それで良いですけど……」
確認するような環の声に頷き、息を吐く。

 思わず後退りをしたらボキッと少し大きめな音が辺りを響き、普段ならなんてこともないのに膨れ上がった恐怖心が飛び出しそうになってしゃがみ込んでしまいそうになる。
静かに噴き出す汗が冷たい夜の空気に冷やされ、ぶるっと震え鳥肌が立つ。もう隠しようがないと諦め掛けていたその時、環にこちらをジッと覗き込むように強く見つめられ込み上がってきた固唾を呑み込んだ。

 「……あ、よろしければですが、手でも繋ぎます? あなた、はっきり言って、怖いんでしょう?」
じぃっとからかいに満ちた声でそう提案してくる環に多少の苛立ちと見透かされていたという焦燥を抱いた立派なびくともしない男でありたい周は少しだけ口を尖らせてしまう。

「べッ、べべ別にッッ! こ、怖くなんてありませんしッッ夜道が怖いなんてそんな女の子でもないしッッ」
という自分の強がる子供のような声に内心吃驚しながらもそんな下手な意地なんて環にとっては面白いことでしかないではないか、と呆れる気持ちが滝のように流れ込んできて。

 楽しむかのように奇麗な瞳を細めて周を見つめる環から目線を逸らし、宙を泳ぐ。何か面子が崩れず手を繋いでもらうようなことはないかと考えるように顎に手をやって考えても良いことは思いつかず結局素直に認めようと諦め、息を吐いた。

 環を見つめ、だけど、恥ずかしくて眼を合わせることは出来なく顔を背きながら「……繋いで……下さ、い……」とかっすかすな蚊のなく声で言った。
耳の先から鼻先まで真っ赤に染め、力なくかぶりを振り、環に聞こえるように声を出す。


 「つッ、繋いで……もッ、貰え……ます、か……っ」
カタカタと細かく震える手を差し出し、上目遣いに環を見て。




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