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 炎の灯に照らされて、 /61


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15: 下級妖怪 [×]
2021-05-06 20:04:32



「ちゃんとついて来ているのなら、それで良いですけど……」

環の瞳はいわゆる夜行性動物由来のものである。故に、周囲が暗かろうとある程度目には見えるようになっているのだ。つまりは日比谷の様子もそれなりには分かるわけで。きっとこの子は怖いのを隠そうとしているのだろう。あまり良いとは言えないぎこちない笑みと、どこかよそよそしいような素振りからそう察する。
まぁとにかく、彼がちゃんと後ろにいるか確認を取りたかっただけだ。相手は少し不安に駆られているようにも見えるが、家まで案内する分には問題無いだろう。そう判断すれば至って落ち着いた声でそう述べる。周りからも薄々強がっているのだろうと分かるくらいには恐怖心が肥大している彼とは対照的な様子である。ちょうど環が話しているときに大きめの枝を踏んだのか、少し大きな音が立つもさほど気に留めていない様子であり。相手から目を離せばまた前を向いて

「……あ、よろしければですが、手でも繋ぎます? あなた、はっきり言って、怖いんでしょう?」

しかし、前を向いた刹那、ふと環の脳内に面白い考えが思い浮かび。頭に思い浮かんだそれは日比谷にとっては楽しくないものだろうが、環にとっては少なくとも最低限の暇潰しにはなるだろうもので。
今度はちらっと見る程度だが、またすぐに相手の方に顔を向ければ、からかうような声でそんな提案を持ち掛ける。これこそがついさっき思い浮かんだ考えである。彼を少しからかいたくなったのだ。恐怖でいっぱいなのだろう?と相手の胸の中を言い当てながらも、決して断言する口調ではなく。あくまで問いかける形でそう言いながらも、まるで楽しむかのようににまっと目を細めては相手を見やり。




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