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名無しの悪魔狩り [×]
ID:2499132ca 2021-05-06 22:06:45
>51
>52
新手の悪魔が現れても当然屍人は空気を読んでいなくなってくれたりなどしない。
一方に集中すればもう一方の警戒が疎かになる、自然の道理だ、だからこそ背を預けられる相手の存在はこの様な場面では救いになる。
「任せる」
未だ互いの名前すらも知らぬ同朋、短時間の触れ合いではあるがしかし、背を預けるには十分だと判断して。
ただ目の前の人間を食らおうと鈍い足を動かす屍人の群れから意識を離し、レベッカは自らの左手の甲を浅く噛み千切る。
まだ足りない、目の前の悪魔を狩り切るには、あの程度の血では足りていない。
明らかに有象無象の雑魚とは違うと分かる、だがそれでも啖呵を切るのがレベッカという女の性格であった。
「分からないのか、貴様等私一人で十分相手取れるという意味だ、人の言葉は真似られてもどうやら心はそうでは無いらしい。
いや、所詮は悪魔――それも当然か!」
掴まれた蛇腹の剣を無理矢理に引き戻し、真新しい傷口から流れた血液がその刃を薄くコーティングしていく。
その最中、狙いを外し地面へと突き立てられたままであった深紅の槍はまた姿を変えた。
人一人の胴体ならば両断も出来そうな大振りの一枚刃、テスラの肩口から脇腹にかけてを袈裟懸けに切り裂こうと回転する。
「(あの再生力ならば手傷は無意味、身体の大部分を一息にだ!)」
>テスラさん
/蛇腹剣を掴む行動が確定ロールになっておりましたので、申し訳ありませんが今回のみそれを引き抜くところを確定で返させていただきました……!
/同様の行動を表したい場合は、「剣を掴もうとする」「掴もうとして」という形の言葉を使うのがベストと思われます、お気を付けいただければ幸いです!
>53
リリアへと伸ばした両腕は空を切る、じっとその掌を見つめ、男は乾ききった舌を空に泳がせた。
「無い、無い……なぁ、味わいが無い、味わい……探しても、味わいが……。
ひぃ、ひぃひぃひひ、味わい味わい味わいが……」
虚ろな瞳は消えた女を探している、ふらふらと何も無い空中を引っ?いて。
リリアの憂慮は的を射ていた、男は決して悪魔では無い、見て分かる通りに心身には多大な異常をきたしてはいるもののただの人間であった。
故に反応出来る事柄にも限度がある、死角からの一撃を想定出来る訳も無い。
頭部へ加えられた打撃により倒れ込んで……。
「ぎギゃっ……「ァァアアアアアアアアアアア!!!!!」!!」
だが事態はそう単純では無かった。
男の口から洩れた悲鳴に重なって、まるで赤ん坊の鳴き声の様な金切声が同時に響き渡る。
リリアは果たして気付くだろうか、悲鳴の刹那大きく開いた男の喉奥、そこにへばり付く『胎児の様な何か』の姿があることに。
男は決して悪魔では無い――男「だけ」は。
>54
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