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朱い契約 / 〆/45


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自分のトピックを作る
41: Royes [×]
2021-01-02 00:50:55

>Nora


…………分かった

(最後の一口位の大きさとなったパンを口に入れ、咀嚼していたのを飲み込んでは彼女の言葉に頷く。まだ日は昇ったばかり、日が沈むまでにはまだ十分な時間がある。雪は降っておらず、昨日の悪天候が嘘のような快晴なのは、起きた際、窓越しに確認していた。やはり吸血鬼、日光は苦手なのだろうか。孤児に居た頃、読書が趣味だったせいもあり、吸血鬼を題材にした物語も幾つか読んでいた。そこに出ていた吸血鬼というのは、姿形や性別、性格なんてものもバラバラであったが、共通して日光が苦手だった気がする。他にも、十字架が苦手だったり大蒜が苦手だったり……、中には炎が弱点なんてものもあった。彼女が出掛ける時間を遅くに送らせるのもやはり日光が原因なのだろう。そう考えれば、昨日雪が降っていなければ、つまり太陽が隠れていなければ、自分が彼女と出会い、今こうして助けて貰うことは無かったかもしれない。こんな天候一つで運命が大きく変わってしまうとは。日常というのは奇跡の連続──、そんな言葉を耳にしたことがある。まさにその通り、改めてそう実感しては妙な納得も生まれる。
残り僅かとなったカプチーノを啜るため、カップを手に取って口まで持ってくると、くいっと顔をあげ残っていた液体を口内へと流し込む。その途中、再び目の前に座る彼女を見れば、小さくだがまた口が開かれた。そこから紡がれる言葉達が耳に届いてから数秒後、持っていた空となったカップを机に置くと、そっと口を開いて。


「“ノーラ”……、いい名前──。僕はロイズ。ロイズ=ヴェルディ。」


まずは彼女の口から発せられたその名前に、率直な感想が零れ。こうして名乗るのもどの位ぶりだろうか、自分の名前でありながら、普段呼ばれることも口にすることもない言葉。何処か懐かしくも感じるその響きをゆっくり声に出す。確かに、お互い名前も知らないのは不便に過ぎないだろう。ついさっき教えて貰ったばかりの名前を何度も脳内で反響させると、何故だか心がほっこり、じんわりと温かくなってきた。前述したように、孤児院ではずっと本ばかり読んでいたため、他の孤児との関わりは一切といっていいほど無く。何処にいても孤立していた自分にとって初めての友達──と言ってもいいのか分からないが、単なる顔見知り、知り合いではない特別な関係。ただ名前を言い合っただけなのに、またひとつ彼女のことを知れた、という嬉しさが確かに胸の奥に存在している。無意識だが小さく口角が上がっており。そのあたたかい気持ちのまま、御馳走様でした、と食事を終わらせ)



42: Nora _ [×]
2021-01-11 00:37:51



>Royes


... ロイズ 、 そう 。 ロイズね 。 それじゃあロイズ ,この後夕方迄は時間があるから出掛ける迄の間は自由にしてくれて構わないわ 。 屋敷の中を散策するでもいいし 、 読書するでも構わない 。 自由に御過ごしなさいな 。


( 貴方が述べた ”いい名前 ” 何て 。 そんな事言われたのは初めてで小さく目を見開いた 。 何だか心がむず痒くて 、 でも悪い気持じゃない 。 でも態々言葉を拾うには少し恥ずかしくて少し間を開けた後に貴方の名前を口にする 。 只名前を口にしただけだと云うのに何処か心がほっこりと温かくて少し目を伏せた 。 そうして 、 貴方が食事を終わらせたのを視界の端で捉えれば再度口を開く 。 これからの行動の事 、 大雑把に言えば好きにすればいい 。 何て内容の言葉を溢し手元のグラスを持ち上げ残りの食事を終えてしまう 。 椅子から腰を上げて空になったグラスと貴方の食事をしていた皿をトレーに乗せて昨日もしていたみたいにキッチンへと運んでいく 。 数分も経たない内に戻って来れば貴方を見遣った後にダイニングから出て行った 。 ここからは本当に自由時間の様で 。 階段を上って行くと自室へと迷いなく向かい朝閉めてからそれっきり 、 光の入る事の無い自室へ足を踏み入れれば後ろ手でドアを閉めた 。 本棚の目の前に立てばすーっと本の背を撫でる様に手を滑らせた後に一冊の本を手に取る 。 それは何かの童話のよう 。 それを手に取ったまま窓辺に佇む椅子に腰を下ろしゆっくりとその本を開いた 。 何の変哲もない只の童話 。 長く続いた飢饉で親が子供を口減らしの為に減らす話 。 御菓子で出来た家に 、 悪い魔女 。 吸血鬼が居る位なのだから魔女も居るのだろうな何て考えながら読んでいたが御菓子で出来た家も魔女も 、 飢餓状態の子供が見た夢なのでは無いか何て 、 フィクションなのだからそこまで深い流れは無いだろうけど 。 結果的に子供達は魔女を殺して家に帰って 、 子供を捨てると言い出した母親も死んでいたから幸せに暮らしました 。と 。 でも一度でいいから御菓子の家は見てみたいものだ 、 味は感じないけれども見た目は気に成る 。 きっと見るからに甘そうな 、 美味しそうな家なのだろう 。 こういう話では魔女とか吸血鬼とか 、 本当に悪役として描かれて居る事が多いなと思う 。 皆人間に害を与えるわけではないのに 、 怖い訳じゃ無いのに 。 でもきっとそれはこの先ずっと変わることが無いのだろう 。 一度怖いと思った物はずっと怖いし 、 ああ 、 でも彼は怖がらなかった 。 目の前で血を飲んでも 、 怖がるそぶり何て見せずに 、 ただ名前を教えあっただけなのに笑顔を浮かばせて 。 本当に 、 貴方は不思議だ 。 何を考えているのか上手く分からないし 、 いつか自身を殺すつもりかもしれない 。 例えば 、 いつかの話 。 でもそのつもりならあの笑顔はなんだろうな 。 上手く人間と接した事がないから感情なんてわからないし 、 いっその事考えが読めたら楽そうだけど 。 でも貴方と話すのは 、 何故か胸が暖かくなって心地が良いのだ 。 何時か感じたあの気持ちに似ている気もしないでもないな何て思い乍らゆっくりと本を閉じて 、 するりと表紙を撫でた 。 )

43: Royes [×]
2021-01-12 16:10:05


>Nora

──、うん。

(そう何度も自身の名前を繰り返されることなんて無いから、少し気恥ずかしいような、慣れないような不思議な感覚に包み込まれる。でもやはり、こうして名前を呼んでもらえることで、自分がここにいるんだ、ということを実感できる。ほっこり、じわじわとしたそんな感情に浸りつつ、彼女の言葉に耳を傾けては頷いた。
自身の目の前の皿が彼女の手に依って運ばれていくのを視線で追いながら、椅子を引いてゆっくりと立ち上がる。ふぅ、と一つ息を吐き、満腹になったお腹をさする頃にはもう彼女はこの部屋から居なくなっており。広い部屋に自分一人。さてこれから何をしよう……と思考を巡らせながら、彼女の言葉を脳内で思い返してみる。
──自由に、か。まだ日が沈むまではかなりの時間があるだろうから、大抵の事は出来てしまいそう。沢山時間があると言えば路上暮らししていた時と同じなのだが、当時していた事と言えば、ただ道の端で震えながら眠るだけ。働く場所もお金も何もないのに無慈悲に空腹だけはやって来るのだ。眠りに落ちれば消費する体力も少ないので、凍えて丸まっているより余程生き残れる──彼女に拾われたあの雪の降る日だけは、あまりの寒さに眠るどころでは無かったのだが──。
しかし流石に、拾われてこんなに豪華な場所にいるというのに此処でも一眠り、なんて勿体無さすぎる。折角の自由時間、そんな無駄なことはせず有意義に過ごしたいもの。ここは彼女の言う通り──一度このお屋敷の中を見て回るのはどうだろう。こんなに広いんだもの、そう簡単には回り終わらないことは安易に想像できる。それに、少しくらいこの屋敷の構造を知っていた方が今後便利だろうから。
そうと決めれば彼女の出ていった扉を抜け、廊下を歩いてゆく。順に部屋を覗いていくが、服が沢山あったり、色々な家具が詰め込まれていたりする中、使われてない部屋も幾つかあったり。その一つ一つを興味あり気に観察しながらまた次の部屋、と手を掛ける──と。
そこには沢山の本棚。何処を見渡しても本、本、本。覗くだけ……のつもりだったのだが、その夢のような空間に思わず足を踏み入れて。試しに一冊手に取ってみる。そのまま表紙を開き、数ページペラペラと捲って読んでみる。これは……吸血鬼の生態について書かれているのだろうか。日光が苦手だとかいう基本的なものから、意外な弱点なんてものも。これが彼女に当てはまるのかは分からないが、内容は十分面白いものだった。これでまた少し彼女の事を知ることが出来るかもしれない。いつの間にか本棚の側に座り込み夢中になって読んでいて。)

44: Nora _ [×]
2021-01-20 22:28:38



>Royes


( あの童話に手を伸ばしてから次へ次へと他の本へ手を伸ばして 、 気が付けば自身が座っている椅子の横のテーブルには本のタワーが出来てしまっていた程だ 。 今何時頃だろう 、 カーテンから差す光もかなり弱まってきている様に思えるからきっともうじき日が落ちる頃だろうか 。
私は読んでいた本を閉じるとそのタワーの横に置いて 、 それからケープを羽織ったら貴方を探しに行こうと椅子から腰を上げた 。 ガラリとクローゼットを開けて昨日 、 貴方と出会った時に来ていたケープを手に取って羽織り胸前でリボン結びをして部屋から出れば階段に降りる前の部屋に立ち寄った 。 理由は貴方が羽織る為のコートを取りに来る為だ 。 幾ら昨日よりは服を着こんでいるとは言えまだ寒い筈だから 、 クローゼットを開ければ少し埃っぽい匂いが鼻に届くが構わずにコートを一着手に取った 。 それを軽く手で叩いて埃を払えば胸前に抱えたまま部屋から出る 。 さて 、 本題だ 。 この部屋が沢山ある屋敷で貴方を探し当てなければならない 。 何分かかる事だろうなんて考えながらも次々に扉を開けていく 。 貴方が入りそうな部屋 .. そう考えて一番最初に思い浮かんだのは本がある部屋だった 。 きっと外に入っていないだろうし本がある部屋を手当たり次第探すしかないかと思えば階段を下りて一階の部屋の扉を開けて行った 。 そうしてやっとの事で貴方を見つけた部屋はもう読まない本をしまってある書庫で 、 床に座り込んでいる様子を見ればかなり夢中になっているのだろう 。


「 ロイズ 、 そろそろ街に行くわよ 。 未だ少し寒いだろうからコートを羽織りなさい 。 」


そんな貴方に近寄れば名前を呼んだ 。 そうして貴方の目の前に持ってきたコートを差し出して 。 )

45: Royes [×]
2021-01-23 20:42:13


>Nora

(始めに手にした、まるで辞典のように分厚い本を読み進めてから数時間。本を開いたばかりは数センチ程あった読んでいないページも、気が付けば残り数ページ、と数えられる程になっていた。薄暗い部屋の雰囲気や、騒音の無い、只ページを捲る音と自身の呼吸の音しか聞こえない環境は、本の中へ入り込んでいくのに最適だとも言え。軽く本の中身に目を通しただけなのに、数分と経たないうちにその中に惹き込まれていた。そのため、どの位時間が経ったか、なんて全く意識になく。ガチャリと扉が開く音でふと現実に引き戻され、そのまま顔を上げる。その先には彼女の姿。そして投げ掛けられたその言葉で、やっとこれから外へ出るということを思い出した。彼女の格好を見るに、既に出掛ける準備は出来ているのだろう。自分も早く準備をしなくては。彼女が外に出られる時間は限られている。夜は長いとは言っても、少しでも時間は無駄にしたくない。「準備が遅かったせいで、用事が全部済ませられなかった」はんて事態は最悪、それだけは絶対に避けたい訳で。急いでぱたんと音を立てて読んでいた本を閉じ、自身が座っている右側の床へと置くと、

「有り難う」

と御礼を言ってコートを受け取り。ふわふわしていて暖かく、手触りも心地いい。きっとこれもかなり上等なものなんだ……そう実感しながら立ち上がると、渡されたそれを羽織り。それにしても、このお屋敷は一体──、彼女だけで此処に住んでいたとは到底思えないし、こんなに沢山の高級品、やはり普通の家とは違うようだ。改めてそう実感しながら、するすると袖を通していく。受け取ったコートは少し大きいようで袖からは指先が少し顔を覗かせている。慣れない手付きで上からコートのボタンを嵌めていくと、足元に付いていた埃をはたいて落とし。出掛ける準備を済ませ、彼女の方へ向き直って)



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