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愛しきプシュケの式日に、ルサンチマンは嘯いた__指名式、BNL/560


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115: ルチア [×]
2020-09-25 00:56:17


>第四皇子サマ(>101)

───……どういう、(彼は一体、何を自分に求めて、何を望んでいるというのか。掴まれた手首が大きく脈を打った。此方を見据える獰猛な光を秘めたアンバーの瞳。彼の呼気、体温、視線。自分に向けられた全てが、熱くて、苦しくて、嬉しくて、いとおしくて。燃え盛る炎に晒されたようで、息が詰まる。そうして、彼が手を離すと同時に錯覚は解ける。地主の娘や、大陸の姫君が相手ならまだしも、お貴族連中曰く道端の石ころ同然の身に望むことなど何もないだろうに。馬鹿な想像をしたものだと辟易する。虚構の熱に侵され、口の中はカラカラに干からびていたけれど、声は出た「……俺の。勘違い、だったみたいです」ぜんぶ、勘違い。花弁も、自惚れも白昼夢。謝罪の意を込めて頭を垂れ、この話題はおしまいにしてしまおう。本当に分不相応な勘違いをしてしまいそうだから。導かれるがまま、辿り着いた庭園の一角。扉の奥から現れた石造りの階段を、興味深げにじっと覗き込む。こんな場所があったなんて、流石は王宮。平民には縁のない贅を凝らした造りである。これは庭師の代役だけでも相当の賃金が貰えそうだ。学はないが、手先の器用さには自信がある。その証拠に自分の仕事っぷりが噂として皇子の耳に入るくらいなのだから。もしかして代役から本職の庭師として大抜擢してもらえたりして。同時に彼が口にした“ヒメサマ”が何を指すのかはまったく分からないまま。すっかり上機嫌になって、自分から彼の胸元に顔を寄せ、すんと匂いを嗅ぎ「ふは、確かに煙草の匂いもしますけど…でも、落ち着きます」ゆるりと真紅の双眸を細めて朗らかに笑う。着飾った香水や甘い花の香りよりも、彼の匂いの方が、ずっと好ましい。それは、紛うことなく本心から。勝手に納屋に寝泊まりしたことに対する采配にも胸を撫で下ろし、必死に追い縋っていた手を離す。泣き落としが功を成したか、元々そこまでの罰則は考えていなかったのか。偶然出会った人物が彼で良かった。安堵に息を吐く暇もなく、降って湧いた提案に瞳を丸めたのは数秒、断る理由もない。むしろ宿無し文無しの身からするなら、願ったり叶ったり「え……俺は構いませんが」どちらに転ぶことになっても、今夜からは納屋で寝泊まりすることも、安宿の主人に値切り交渉をする必要も無いだろう。一先ずの安息と、おまけに当面の住処を手に入れたことで、ようやく本来のお気楽さを取り戻したらしく、今からご馳走になる極上の葡萄酒に想いを馳せながら、周囲の石壁を見渡してへらりと口角を吊り上げて)ワインセラーって初めて入ったけど、けっこー涼しいんですね。海辺の洞窟みたい。

(/わわわ、詳しくありがとうございます。普段から長考・遅筆なもので……語彙が足りずに転げまわって時間がかかってしまって…。詳しく回答をいただけて安心しました。栞に始まりその他にも細やかなお気遣いをありがとうございます…季節の変わり目ですので主様もご無理はなさらないように。非日常感あふれるファンタジーな世界観と見目麗しい皆様に早速仕事の疲れを癒していただいております。幼少期セス様を傍で見守りたいだけの人生でした……(犯罪)こちらこそ、主様の美麗な描写にうっとりしながらセス様の美しさに平伏しております…また何やら質問させていただくやもしれませんが今後とも、まったりゆったりとどうぞ宜しくお願い致します!/レス不)



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