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新・戦闘恋愛なりちゃ(イベント)/1148


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936: 黄泉 [×]
2022-04-10 09:06:01

    >大海原疾風さん、継接縫姫さん

こちらの挑発に応じたのか、障子の向こうより姿を現したのは着物を身に纏う口元が血に塗れ赤黒い半狐面を着ける女。
確かにパッと見は美しく見えるのかも知れない。
……だが、黄泉はその女が醜く見えて仕方が無かった。
その原因はきっとその女の在り方なのだろう。
悪魔に魂を売り渡し、偽りの美と力に酔い痴れているその滑稽かつ歪な在り方に。

しかし、それも女の感情が生み出した一つの結果。

悪魔に魂を乗っ取られ、未だ醒めない泡沫の夢を見続けるであろう哀れな存在。
自業自得………と言えばそれまでなのかも知れない。

しかし隠されれば知りたくなってしまうのが所謂人の性でもあった。
偽りとはいえあれほど自らの美を強調する者の仮面に隠れる素顔。
と、くればもう生まれる欲求は一つだけ。

素顔が見てみたい、だった。

そんな事を考える間にも再び形成されていく敵の空間魔法。
しかも、その純度は先程形成されていたものより遥かに高いものだ。
徐々に活けた花が水を吸うように太陽の光を呑むように溶けていく感覚が黄泉を襲う。
通常より多くの魔を消費させられ、恐らく元凶の糧とされているのか。
恐らくだが外界と時間軸に齟齬が発生しているのだろう。
であれば多くの魔を消費させられている事も納得というものだ。

「____さぁ、妾に最期にどんな顔を晒すのだ?」

完全に相手は自分自身が勝つと思っているのだろう。
……では、そろそろ現実を認識させてやるのも悪くない。

「……ハハッ、厄介だねぇ、どうするんだい?Yomi?」

そんな時だった。
胸元に抱き抱える気を失っていたであろう疾風の声が聞こえてくる。
どうやらようやく意識を取り戻したらしい。
弱々しい反応に黄泉は疾風に顔を向けると相変わらずの不敵な笑みを浮かべると主に一言だけ呟いた。

【Trust me。(余を信じろ)】

疾風を安心させる様な穏やかな声が囁かれると共に黄泉は障子越しに主を見据える。

絶望的とは欠片も思っていない。
ましては負ける事など微塵も考えていない。

そして黄泉は障子越しの相手に片手を翳すと共に相手に語り始めた。

【偽りの美と強さに酔い痴れし兵よ。弁えていたか?『夢とはやがて尽く――――覚めて消えるのが道理』だと。】

瞬間、途轍もない違和感に相手は驚愕しただろう。
今の今まで自らの手足の如く扱っていた自分自身の空間魔法。
その所有権が突如自分自身から元々無かったかの様に綺麗サッパリと消え失せたのだから。
だが空間魔法は以前として変わりなく残っている。

何が起こったのか。
狐に鼻を摘まれた様な錯覚に陥ってるだろう。

(【見ているか?ユーリよ。これが汝が信じ守り続けてきた魔の可能性だ。】)

これより行使される力は自身の片割れの存在に受け継がれし力。
余を絶対と信じ魔の可能性を切り開き続ける者に心の中でエールを送りながら黄泉はその力の名を告げた。

【全魔完全支配。『百式迷路.紡歌』】

全魔完全支配能力。
嘗てユーリが斑鳩刹那との1件から黒魔と光魔を完全にコントロールする為に覚醒させた力。
全ての魔のコントロールを自由自在とし、使う者のレベルによっては相手の使用魔法の所有権すら我がモノへとする事も容易となる。
だがそれは元々は【最凶の禁忌】のオリジナルであった黄泉の力であったのだ。

全ての魔にとっての禁忌と呼ばれた本家本元の力が―――今ここに姿を見せる。

継接縫姫がコントロールしていた空間魔法の所有権が一瞬で黄泉へと移り、変化が始まった。
外界から隔離され齟齬が生じていた時間軸が振り戻される様に逆向し始めたのだ。

そして継接縫姫の姿を隠していた障子は黄泉の意思により姿を晒す様に勝手に開き継接縫姫の姿が再び顕になる。

極め付けは継接縫姫の眼前に突如出現した1つの金庫。
それは継接縫姫にとっては誰よりも見覚えのあるものだろう。
何故ならそれは他ならない継接縫姫が扱うこの空間魔法から脱出する為のキーなのだから。

だが、それも過去の話。
全魔完全支配により所有権が黄泉に移った以上魔力所有権を取り返す事は不可能であり、黄泉にとって所有権が自らにある金庫のダイヤルを開けることなど赤子の手をひねるが如く簡単な作業であった。

将棋であれば詰み。
チェスであればチェック・メイトと言っても差し支え無い状態。

空間魔法もその効力も黄泉の掌握下に移ると黄泉はダイヤルを指定の番号へと合わせる。

すると、空間魔法そのものがガラスのように音を立てて跡形も無く崩れ去っていく。

そんな中で黄泉は継接縫姫に静かに歩み寄ると彼女の仮面に片手を翳した。
翳す片手から継接縫姫に流れ込んでいくのは極光魔。

継接縫姫の中に巣食うベリアルの洗脳。
継接縫姫の中に渦巻く邪悪なる感情。
継接縫姫の口元を汚す血の跡形。

その全てが見る見るうちに浄化されていくのを彼女は感じているはずだ。
頭の霧が取り払われていく様な爽快感。
それが彼女の身体を満たしていく。

【先程の言葉を返そう。【余にどんな顔を晒す?】】

彼女の身体中の邪気が取り払われ、黄泉は静かに彼女の仮面を指で弾く様に外す。
そこから覗くであろう……彼女の素顔に興味を示しながら。

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