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不死の少女(戦闘アリ/異能/途中参加・初心者歓迎)/456


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407: tenma [×]
ID:6aed18bc1 2020-09-12 23:21:11

>>384
>>401

威力と精度を高めて放った六天撃――その二撃目は、見事敵対者達にダメージを刻み込むことに成功した。
だが完全な決着を付けるには至らない。青年は膝をついてなお味方を庇おうとする余力があり、少女に至っては本体の重傷ぶりとは裏腹に球体が強烈な敵意を見せている。
押しているように見えてゼクシアも相当に苦しい。頭部を打ち付けた以外に目立ったダメージは無いものの、少なくとも六天撃は二度と撃てない程に消耗している。決して持久力に優れないわけではないが、序盤から畳みかけたツケとでも言うべきか。
元々守りは得意としない彼女のことだ。敵地でこれ以上戦いが長引けばどうなるかは火を見るよりも明らか――その表情が僅かに曇る。

(もしかして、この男が……)

突如として戦闘に介入する、銀髪に冷たいオーラの偉丈夫。彼の名や正体はゼクシアの知る所ではないが、まるで狼の如き雰囲気と青年の叫びから、あの兵士の言葉を思い出す。天狼軍――『天狼』――帝国に与する第三勢力。
何はともあれ、戦闘の幕引きはゼクシアにとって願ってもないことだ。疲弊した身体に鞭打って足早に立ち去る。

本番はこれからだというのに……随分と消耗してしまった。体力的にも時間的にも、物資や兵器の破壊を優先するというのは非現実的だ。王都が近いだけに補給のスパンも短く、直に損害分を補填されてしまうのが目に見える。
ならばせめて防御力を削ぎ落とし、要塞としての効力を弱めてから離脱すべきだろう。

(もう六天撃は使えない。私に残された手は――)

必殺技が使えない今、防壁を破壊するにはこれしかない。
混乱に乗じて倉庫から運べるだけの火薬を盗み出し、要塞を囲む煉瓦壁の一角に積み上げる。
爆風と石片の飛散から自身を守るべく氷の防壁を作り、その背後に隠れて炎をぶつける。
耳をつんざくような轟音の後に煉瓦が吹き飛び、巨大な亀裂を生じさせた。素早くその裂け目に身体を滑り込ませ、予め馬車を待機させていた場所目掛けて全力疾走する。
背後から迫る足音や投擲される槍に冷や汗を垂らしながら駆け抜け、遂に追っ手を振り切ることに成功した。

「はあ……」

馬車の室内に飛び込み身を投げ出すと、安心するあまり間抜けな溜め息が漏れ出す。危険な任務など幼少の頃からこなしてきたが、王国という一大勢力を相手取ってここまでの大立ち回りをしたのは初めてだ。
極度の疲労でピクリとも動かない手足と対照的に頭の中は忙しく、声に出せばまくし立ててしまうような洪水が起きている。思い浮かぶことは山ほどあるが――取り敢えず城へ帰ろう。ステラ・カンパニュラが待っている。

(/これでゼクシアを撤退させていただきます!ありがとうございました)

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