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605:
アヴァロン [×]
2021-05-04 21:49:03
>クォーヴ (>599)
うむ、承知した!如何なる時も己の道は己で選択しなければならない、改めて肝に銘じておこう。
迎えの手配に感謝する。黒薔薇の屋敷で迎える最初の夜だ、私も存分に楽しませてもらう。では、宜しく頼むぞ!
(起き抜けと呼ぶにはあまりに体が重く、普段ならば直ぐにはっきりと明瞭さを取り戻すはずの意識が依然ぼんやりとしていた。まさか夕食に何か盛られでもしたかときな臭い予感の傍らで、扉の向こう側から聞こえる声に聞き覚えが無いことを認識するや否や全身がぴりりと警戒態勢に入る。それは恐らく騎士としての本能であり、扉を開くその音と呼び掛ける声の主へ向かって鋭い眼差しを向けた――が、予想とは大きく異なる邂逅に堪らず警戒心は驚きへと打って変わることとなる。優しく穏やかな振る舞いも去ることながら、何より驚いたのは彼の姿であった。漂うと言うよりは纏わりつくようにして彼の身を包む黒煙は空気中へ溶け込むことはなく、ただその場で揺らめいている。如何やら衣服の類として役目を担っているようだが、無論目にしたことは無い。更には彼の目、"人間"のそれとは明らかに構造が異なっている。動揺はらしくもないが、今回ばかりは流石に理解が遅れを取って絶句した。とは言え、一方が名乗ればもう一方も名乗らなければ無粋と言うもの。「あ、ああ…」とやや歯切れの悪い一声の後、直ぐにでも動き出せるようにと寝台の外へ両脚を下ろし立ち上がると「私はアヴァロンだ。――すまない、少々理解が追い付いていないものでな。貴殿に敵意が無いことを祈るが…失礼、屋敷と言ったか?」と、怪訝そうな顔をして問い返す。この状況も、掛けられる言葉も、彼と言う存在そのものも、何一つ納得出来ないまま注意深く彼の動向を窺い、やがて再び口を開くと「…此処は何処だ?」と静かに尋ねて)
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