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1515:
秋天 [×]
2024-09-18 01:34:20
>クォーヴ ( >>1513 )
( 自称怪物の死神は僕の最期を優しく祈った。贅沢な話だなと思う。この世界に来なければ得られようのない経験の一つだった。「心強いな」そう呟いてはにかみを向けると、彼がどこか歯切れ悪そうに目を伏せたことを感じ取って小さく首を傾ける。追求するレベルではないかと判断して「もちろん。薔薇庭園を散歩するのも赤い湖でボートを漕ぐのも、クォーヴとじゃなきゃ嫌だよ」と笑顔で返事をした。僕は庭園を歩く脚もボートを漕ぐ腕も失えない。捕食者たちの根城の中で、身の振り方はきちんと考えなくてはと改めて気が引き締まる思いがした。クォーヴには年齢よりずっと子供扱いされているような気がしている。僕自身幼いつもりは全くないが、頼りない振る舞いがそうさせているのであればもっとしっかりしなくてはと心の中で思った。彼がおもむろに両手を掲げたことに気づくと、一体何をしているのかと不思議そうな顔で見つめる。いっそ病的なほど白い手のひら同士。その中間で彼の瞳の黒とターコイズが絡み合って光を放つのを呆然と眺め、いかにもな魔法の力に息をのむ。その輝きはやがて小さくしぼんでいき、何かに生まれ変わって彼の手のひらに転がった。その物体とクォーヴの顔を交互に見る。彼の言葉からたっぷりの間をおいて「……僕に?いいの?」恐る恐る零すと美しい黒のネクタイピンをそっと慎重に受け取った。しっかりとした作りだが邪魔に感じるほどの重みはない。黒いからだに光が当たって白く跳ね返るのがとびきりきれいで、天の川みたいだなと思った。「ありがとう。大切にするよ、最期まで……」後ろの方は声が掠れて、正しく彼に届いたかわからない。ほとんどひとり言だったからそれでよかった。優しさだけが込められた贈り物。彼は盾としてこれをくれたようだけど、僕はひとかけらだって欠けさせくないと心の中で思った。クォーヴには内緒の話。惚れ惚れと眺めていたネクタイピンを胸ポケットの縁に刺す。「実は今朝、ネクタイを締めようか悩んで結局やめちゃったんだ。でも……これからは毎日締めることにするよ」そう言うと恥ずかしそうに笑った。あなたの心遣いが本当に嬉しかったから。 )
ありがとう。あなたが背中を押してくれるのはすごく心強いよ。たくさん知り合いができるといいな……
備忘録の件もバケモノの件も承知したよ。そういうことなら、いいタイミングが訪れたときに再度声をかけさせてもらうね。
さまざま答えてくれてありがとう。何もないようであれば返事は大丈夫。一生懸命生きてみせるから、これからもよろしくね。
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