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【 指名制 / Remake 】耽溺のグランギニョル【 提供人外 / マルチエンド式 】/1521


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1502: グルース・リヨン [×]
2024-09-08 20:26:40



>ナザリ(>1500


(己が行き着いた結論が真実である事を物語る、悲痛そうに染まる彼の表情。その奥に何かが潜んでいるなど今は考える余裕は無く、沈黙を落としたその目の前に浮かんだ水差しとグラス、そしてそれを運んだらしい小さな生き物にも、先程よりも解り易く見開いた目を瞬かせる。それから己の身分を正しく察した彼の言葉に頷きで肯定を返した次、褒める暖かな声へ、「公爵家の長子だからね、当然さ。」初めよりは幾分か固さの溶けた物言いで告げるそれは、何処と無く自らに言い聞かせて縛り付けるような厳格さを含めていて。――問い掛けにはっきりとした答えは届かなかった。しかしそれが咎めようのない事であるのは悩み果てる彼の態度から理解出来て、余計に不安で曇る思考を読んだようなタイミングで忠告が刺される。「……化け物が、」まるでお伽噺、いいや、質の悪い怪奇小説でも聞かされている気分。信じられないと訴える感情とは裏腹に、すんなり頭にそれが真実だと染み込んでいくのは、彼の真摯な語り口の所為だろうか。「本当に――違う世界のお屋敷に来てしまったのだね、僕は。」ふと、すっと視線を移した先は窓の向こう。煌々と輝く大きな満月を見詰めて誰に問うでもない事実を零す声は自らでも驚くほど冷たく震えて、現状へ追い付ききれない心の揺らぎがそこに顕れる。また彼へと向き合う形に戻す筈の瞳は、組んだ手元に緩やかに伏せられて、「でも、…そう。僕の覚えている限り、誰も居なくなってはいないから…」もう一度彼からの答えを反芻し、掘り起こすは屋敷に招かれる直前の記憶。少し前のパーティーで見掛けた友人にも、馬車から眺めた街の人々にも、夕食時に揃った家族や使用人達にも、欠けは何処にだって無かった。「……じゃあ、僕一人だけ。他は、誰も…」思考に沈んでいく程、今は身を守る毅然も悠然も剥がれて、言葉遣いも年相応と柔くなる。やがては俯いた額に絡み合う十指を押し当て、小さく背を丸めた後。「…………良かった、」“なら、問題は何も無いね”。……そう吐き出した弱い弱い安堵の吐息の、その内側に――背負い続けた大事な荷を不可抗力に下ろしたような、離れてはならない場所からうっかり逃れたような、そんな後ろめたさや罪悪感の混ざる喜色が凝っていた。「……取り乱したね、すまない。それから、教えてくれて有り難う。」それに何かを言われる前に上げた顔は、今までよりもずっと穏やかに晴れ、何処か重たい憑き物が取れた風情を醸す。「…さあ、これからの事を考えなくてはね。お屋敷で御役目を果たすと言っても、今すぐではないのだろう?」汗が仄かに滲んだ両手を解いて、テーブルに置かれたデカンタに指を掛けながら、ここまでに得た情報から測った状況を確かめる言葉を。続けて、「なら、どんな自由が認められて、どんな禁制があるのか――此処での振る舞い方を初めに学ばなくては。」持ち上げたグラスに注いだ水越し、映った異形を臆さず見詰めるのは、今の今まで話に応じてくれた信用故に。……いずれ己を喰らうかも知れぬ者とその環境さえ受け入れた自らの気質は、きっと立派に見えて異様だろう。「そのご教授を君に願えるかい、サー・ナザリ。」だがそんなものを気にする必要は無いと何かを見ない振りした少年は、緊張のすっかり失せた悪戯な微笑みと物言いで屋敷のルールの教えを彼へ請うては、ゆったり優雅に首を傾げてみせる。)




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