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1279:
レオ [×]
2024-07-13 21:19:23
>ラザロ(>1273)
(他に返す言葉も思い付かなくなった頭に彼の掌が乗って、その仕草に安堵を覚えた思考は、解り易く力の抜けた身体に顕れる。「……む、そうだったか。」見上げていた目線は、浮遊感と共に一度見下ろす形へ変わってぱちり瞬く。未だ意図は読めないまま、それ故無抵抗に身を任せてまたベッドへ座り直す。背後から聞こえる呼吸音に何が起こるかと彼を振り返りかけた次の瞬間、突風にも似た空気の流れに思わずぎゅっと目を瞑って。だがその髪を通る程好い温さと掌の感触に、やんわり細める形に瞼を開いて大人しくそれを享受する。――彼によって仕上げられた髪は、正しく洗いたての羊毛。「おお……凄いな、もう乾いた。」普段よりも空気を含んでもこもこ乱れ膨らむそれに触れ、毛先まですっかり飛ばされた水気に感嘆混じりの呟きを。「…ふむ。私は新鮮だが、懐かしくもある一日だったな。」彼を追って己は俯せに寝転がり、けれどもその胸元から上は両腕で軽く支え起こし、室内に置かれた物を再びきょろきょろ見回して。だが今までのように手を伸ばしに行かないのは、約束以上に彼への興味が強い故。「……今度暇を持て余したら、君のように何か物でも作ろうか。」やがて残りの身体もシーツの上へ滑らせ、支えの両腕は枕の代わりとして顎を乗せて益体も無い独り言を落とす。随分と久方ぶりの“守られている”という幼い安心感に、ほんの僅かぽやっと気の抜けた瞳を暫し緩やかに瞬かせた後、「……そうだ、」そのまま眠ってしまいかねない静けさを、一巡髪を振るって払い、「…君の話を、まだ聞いていないな。たしか祭りの事、だったか。」うっかり頭から抜け落ちかけたそれを確と拾い直し、持ち上げた視線でじっと彼を見詰めて風呂場の続きを促してみた。)
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