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八封煌珠(ファンタジー/封印か破壊か/世界命運)/5


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■: 語り部 [×]
2019-08-19 16:44:42 

むかしむかし、あるところに魔王に囚われたお姫様がいました。

「なにが昔々だ、コラァ!ふざけんなっ」
「ダメだぞ?お姫様がそんな乱暴な言葉をつかちゃあ」
「うるせぇ!現在進行形で私を拐ったお前が言うな!変態野郎!」
「これから素敵な素敵なお話が始まるんだから、お姫様らしくしないと」
「どの面下げてほざいてんだお前は!」

誰もいない、世界のどこかの、静かな鍾乳洞の中で繰り広げられる二人の会話。どこか緊張感が抜けてしまう、この妙な状況。

「だって、仕方ないじゃないか。僕は中途半端に封印解かれちゃって力出ないし、一部の人間が望んで行ったことを僕のせいにしないでよ」
「私が怒ってんのは、そこじゃなくてお前が有無も言わさず連れ去ったこの状況だ!」
「え、だって。お姫様がいたら僕世界壊せないじゃない」
「壊すなよ!」
「いや、僕そういう仕様だし」
「仕様てなんだよ!?どんな理屈だよ」

天然の柱に繋がれてしまった少女は、目の前に立つ諸悪の根源である魔王を睨んだ。

「いいから、私を帰せ!お前の事情なんか知らん!」
「そんなこと言われても、僕だってこうして動けるようになったからには、やることやらないと……」
「やらんでいい!お前は大人しく再度封印されてろよ!」
「ごめんね?もう遅いんだ?だってその柱に、お姫様が繋がれてるというか、埋まってる時点で僕と同化してるもの」
「……は?」

魔王はにっこり微笑んで明るく告げた。

「だから僕を封印したら、もれなく封印の要たるお姫様も封印されるよね!」
「な、な、な」
「だからと言って、封印を壊してしまえば僕は完全復活、お姫様は死んじゃう。さて、人間たちはお姫様を助けると思うかい?」
「き、貴様……汚いことを……」
「そのために、僕はお姫様をここへ連れてきたんだ。お姫様を助けようとしてくれる人、現れるといいね」

魔王の非道な言葉に、少女は抗うことを諦めたかのように項垂れた。

もう魔王と同化してしまった封印を司る少女を助けてくれる者など、居はしない。少女は、自身の宿命を呪うことしかできなかった。

「僕のお姫様。これから素敵な素敵なお話を綴っていこう……」

魔王は静かに少女の頬にキスを落とした。


>>1あらすじ
>>2世界観説明1
>>3世界観説明2
>>4ルール、募集
>>5プロフテンプレ



1: 語り部 [×]
2019-08-19 17:50:38

空に浮かぶ天空大陸が存在する世界エディタペリエ。浮遊する大陸船や、飛空挺。空にはいくつもの物がある。たが、そこへ辿り着くには相応の資格と地位が必要となる。空を往き来できる者を『サンペスト』、地上しか居られない者を『リペアラント』と区別し、更なる溝が深まっている。

『サンペスト』と『リペアラント』との抗争は自然に起きても仕方ない状態。そんな時、世界を揺るがすことが起きたのは今から数百年も前の話。

人間の負の感情が形を成した存在。それは、強大な力を持ち、人間だけでなく生きる全てのモノを消し去るほど。人は恐怖に例えて、その存在を『破滅の王』と呼んだ。

『破滅の王』に人間たちは為す術がなく、ただ世界が滅びるのを待つしかなかった。そこに『サンペスト』や『リペアラント』の垣根などない。地位があろうが、なかろうが『破滅の王』にとって虫けらの一つでしかない。

立ち向かう者もいたが、強大な力に疲弊するばかり。誰もが諦めた時、『破滅の王』の前に立ちはだかったのは二人の少女であった。彼女たちは、天空大陸にある神殿に住まう聖女と、地上大陸にある神殿に住まう聖女。二人は双子のようによく似た姉妹であった。

『魔王よ、お前の行動はあまりにも目に余る。悪いことは言わない、早急に私たちに封じられてしまえ』

地上大陸の聖女は物怖じもせずに、きっぱりと言い切った。すると『破滅の王』は、高らかに笑った。

『我を前にして恐怖を知らぬと言うか』
『どうせ滅びるのならば、恐怖する必要などあるのか?』

聖女の言葉に『破滅の王』はさらに笑った。そして、ニタリと強気な聖女を見つめてほくそえむ。

『良いだろう。存外に弱すぎて拍子抜けしていたところだ。それにそなたが我は気に入った。もし次に我が目覚めた時、そなたを我の嫁にしてやろうぞ』
『迷惑な話だな』

二人の聖なる力に、大人しく囚われた『破滅の王』は最後に、天空大陸の聖女の胸に暗黒の槍を突き刺した。

『アリーシャ!!』

鮮やかな血を流して倒れる妹の名を聖女は叫んだ。

『そなたは我のもの。忘れるな、必ず迎えに行くぞ未来の花嫁よ』

『破滅の王』は高らかに笑ってから、その姿を消した。聖女は落ちていく妹を追いかけ、森のどこかにたどり着く。

『姉様……、ごめんなさい……』
『アリーシャ!喋るな!今、助けてやる!』
『せっかく、魔王を封じれたのに……、私が死んじゃったら封印が弱くなっちゃう……』
『喋るな!』
『姉様……、私の分まで生きて……』
『やめろ……。アリーシャ、それだけはやめろ!』
『アリーシャは……姉様と共に……』
『やめてくれぇぇえ!』

天空大陸の聖女の体は、眩しく輝くと光と共に地上大陸の聖女の体の中へと吸い込まれていく。残ったのは、妹が身につけていた八つの煌珠で作られた首飾りであった。

たった一人残された聖女は、妹の力をも身に宿し首飾りを握りしめた。ポタポタと八つの煌珠に聖女の涙が落ちる。すると八つの煌珠が妹と同じ聖なる力と同じ光を放った。

『ああ……。そうか……アリーシャ。お前はそうしてでも私を守ろうとしてくれるというのか……。ならば、私は生涯をかけて封じつつけよう……』


聖女は自身の地位を最大まで使い、妹の力を宿した八つの煌珠を四方に隠すことにした。そして聖女は願う。

どうか、この私たち姉妹が命懸けで施した封印が解かれないことを。

聖女の命は妹の力と共に八つに分けられた。封印は二人の聖女の力があってこそ、成り立つものであり、それが欠けたとき、あの恐怖の『破滅の王』が復活する。




伝説になりそうなほどの長い年月が経った現在。
とある集団によって、八封煌珠の一つが壊された。そのために『破滅の王』の封印に綻びが生じ、魔王はまだ力を全て持たないままに目覚めてしまった。魔王はかつて聖女に一方的に交わした約束を果たそうと探しだし、己の住処へ連れ去った。

封印を司る要である聖女を奪われた人間たちは、どうすべきか迷った。封印が一つ壊された今、完全に封印を為すには新たに封印し直さなければならない。しかし、封印できるような存在が見つからない。そこで人間たちは、聖女の代わりになる人間を募った。

『破滅の王』を再度封印できる自信のあるものを募る。見事封印できた暁には『サンペスト』の最上位『サンダリオン』を授ける。

それ以来、『サンダリオン』欲しさにさまざまな者が我こそが封印できると名乗り始めたのだった。

もう聖女の身を案じる者は、世界にいないのかもしれない……。

2: 語り部 [×]
2019-08-19 18:31:44

【エディタペリエ】
天空大陸と地上大陸が織り成す世界。天空大陸や飛空挺に行くには、それなりに必要な資格と地位が必要であり、往き来できる者を『サンペスト』できない者を『リペアラント』と呼んで区別している。数百年も前に起きた災厄は一時期人々に差別を自重させることができたが、時が流れるにつれ、やはり人の人に対する優劣は再び始まってしまった。『リペアラント』の『サンペスト』に対する劣等感。『サンペスト』の『リペアラント』に対する優越感はさらなる二間の溝を深め、紛争は激化し始めている。
そんな折りに起きた災厄の再来は、世界を激震させた。頼みの綱である封印の聖女は囚われて所在不明。
とっさに作られた『サンダリオン』という地位は、『サンペスト』と『リペアラント』にどう影響を与えるのだろうか。

【サンペスト】
天空大陸と地上大陸を往き来できる人間を指す。貴族以上の地位か、飛空挺の操縦、整備の資格を持つか、軍や騎士団に所属する者しか許されていない。基本的に『リペアラント』を見下している。

【リペアラント】
天空大陸に行く地位や資格を持たず、地上大陸にしかいられない人間を指す。基本的に『サンペスト』に憧れ半分、憎しみ半分抱いている。地位や資格を持たないが、柔軟な考え方や行動力や優しさは『サンペスト』より上である。

【サンダリオン】
災厄の再来(『破滅の王』の復活)をなんとかするために、無理に作られた地位。『破滅の王』を封印することができる者のみに与えられるもので、『サンペスト』より地位は高く優遇される。『リペアラント』の『サンペスト』に対する下剋上も夢ではなくなっている。

【封印の聖女】
神殿に住まう唯一聖なる力を扱うことができる女性。数百年前に『破滅の王』を封印したのも彼女である。『破滅の王』に気に入られ、花嫁として拐われ現在所在不明。聖女らしからぬ物言いと勝ち気さを持っている。彼女が放った八封煌珠一つ一つに彼女の命と力が宿っており、全て壊されると死んでしまうが、一つでも無事であるならば封印がかかったままであるかぎり不老不死である。

【破滅の王】
人間の負の感情が形を成し、ヒトの姿をとった存在。その力は強大で、エディタペリエに住まう生きとし生けるもの全てを消し去ることも可能。二人の聖女によって封印されたが、この度とある集団によって八封煌珠の一つを壊されたことにより目を覚ました。当時の力は皆無であるが、八封煌珠が全て壊れれば完全に復活することができる。強気な聖女を嫁にしたいぐらい気に入っており、目覚めた直後にすぐさま拐った。

【世界粛正(アークシン)】
八封煌珠の一つを壊した集団。『サンペスト』と『リペアラント』の格差を消し、腐った世界を壊して新たに創造しようと正義を騙っている。『破滅の王』を使役しようとしたが失敗。それでも世界中に散らばった八封煌珠を見つけ出し壊そうと暗躍している。

【八封煌珠】
『破滅の王』を封印する煌珠。八色の珠で、一つ一つに聖女の力と命が宿っている。世界中に散らばっており、簡単には見つけることは困難である。緋、黄、翠、蒼、紫、白、黒、茶の八色で成り立っているが、世界粛正によって茶色の八封煌珠は破壊された。

3: 語り部 [×]
2019-08-19 19:14:44

【世界地理】

天空大陸
└本土…いくつもある天空大陸の一番大きな大陸。中央に大神殿があり、そこから放射状に街や工場、商業地区が並び、主に貴族や軍、騎士団が住んでいる。自然は地上大陸ほどはないが、それでも所々に森や川湖なども存在している。

大陸船…大陸でありながらも空を動くことができる船に似た形をしている。地上大陸並みの自然を有し、飛空挺の資格を持つ者が住んでいることが多い。飛空挺よりは小回りが利かないが、天空大陸の同士の行き来に一躍を買っている。

飛空挺……天空大陸と大陸船の間を自由に行き来できる船。『サンペスト』たちの天空地上の行き来をするためのツールとなっている。

諸大陸……本土よりは小さい島のような大陸の数々。大陸一つ一つに名はついているのかいないのかは不明である。


地上大陸
└本土…五つある大陸の一番大きな大陸。中央に大神殿があり、その周りを森が囲い、海岸側にいくつもの街や村が存在している。大神殿北東に『静寂の蒼』と呼ばれる大きな湖があり、北には『白氷滝』と呼ばれる凍った滝が存在している。

アクアフィール大陸…本土の北に位置する大陸。凍てつく氷に覆われており、人が住むには適していない大陸である。しかし、さまざまな鉱物が氷の下に埋まっているため、武器や銃器、宝石に使えるものを得るために足を踏み入れる者は後を絶たない。

ゼノエイル大陸…本土の西に位置する大陸。比較的に緑豊かな自然を多く有する。故に人間だけでなく、さまざまな生き物が生息し、今では『破滅の王』の再来の影響で生物異常が発生している。

ネイベル大陸…本土の南に位置する大陸。活火山が多く噴火は日常茶飯事。全体的に気温は40℃を越えている。特殊生物であり世界の遺物とされるドラゴンが生息。何人もの冒険者や貴族がドラゴン狩りをしたために、いまでは数が激減。『リペアラント』にとって、資格や地位なしで天空大陸に行ける唯一の手段でもある。

ラシュオン大陸…本土の東に位置する大陸。主に工場や商業、学園都市などがある技術発展が目覚ましい。この大陸から『サンペスト』になる者が多い。また武器や銃器などを生産しているため、紛争の舞台にもなっている。

4: 語り部 [×]
2019-08-19 20:15:21

【ルール】

①セイチャットが定めるルールに則り、最低限のマナーを守ること。
②ロルはある程度の行動が分かるものであれば短くても構いません。終止、小説、心情ロルは過剰でなければOKとします。
③無駄な小文字の使用は禁止します。顔文字は、本体会話のみ許可。
④【キャラ/場所】をつけて、どこにいるのかわかるようにお願いします。混乱を防ぐためドッペルは原則禁止します。やむを得ない場合はトピ主に報告の上、お相手様の許可を得てからお願いします。
⑤プロフに関しては、美化、万能、構ってなど相手が困るような設定は一部のキャラ以外は禁止します。
⑥確定(決定)ロルは原則禁止します。相手様の行動を制限するようなことはしないでください。頻繁に行われいるならば、どんな理由があれど注意、最悪キャラリセをします。
⑦keepは申告制とします。keepの際は何日までに出しますと必ず入れてください。ご自身で伝えた期日は厳守です。体調不良、緊急の用事が出来た等の理由のやむを得ず期日までに出せない場合は延長させていただきます。無制限とある枠はkeepは必要ありません。そのままプロフを提出してください。
⑧基本的なベース設定はありますが、それ以外は参加者様が自由に決めてくださって構いません。ベース設定さえ崩さなければ、何でも構いません。
⑨全てに目を通した証に、備考欄にキャラのイメージカラーまたは、イメージボイスの記載をお願いします。
⑩質問や意見受け付けますが、本体同士での喧嘩や揉め事になる場合、最悪キャラリセを視野に入れます。



【募集】
『世界粛正』メンバー……5人(うち一人はリーダーです。)

『サンダリオン』を求める者……無制限(『サンペスト』『リペアラント』から選択)

聖女を救おうと立ち上がった者……5人(『リペアラント』限定です。聖女に世話になった等、なにかしら関わりがあること)

『サンペスト』……無制限(騎士団や軍、貴族などはこちらへ)

『リペアラント』……無制限


※他になにか案がありましたら応相談です。
魔王と聖女は基本的に他のキャラとは関わることは少ないので、募集は保留です。どうしてもという要望がありましたら、考えます。
※性別の偏りが出た場合は制限をかけることもあります。ご理解ください。

5: 語り部 [×]
2019-08-19 20:42:53

【プロフ】

「キャラにあった台詞。3個前後。できるだけ長いと嬉しいです」

名前:洋名のみ。(ファミリーネームなしでも構いません)
性別:男か女。間はなし。
年齢:16歳以上。偏りは制限かけます。
地位:『サンペスト』か『リペアラント』
性格:改行無しで100文字以上
容姿:服装含む。奇抜な色もOKですが、似たような色にならないようにお願いします。金、銀の髪は極力控えてもらえると助かります。こちらも改行なしで100文字以上。
役柄:募集より
武器:闘うために必要なものです。物理的なものであれば、メインとサブで計二つまで大丈夫です。性能や弱点、形状など詳しく。魔法みたいな特殊能力は、何かしらの媒体または代償がなければ発動が叶わないです。またその力を得たきっかけなどを詳細にお願いします。できる限り物理的な武器にしていただけると嬉しいです。無限に使えるのは聖女と魔王のみです。
備考:一人称、二人称。キャラの背景などを詳しく。証もこちらにお願いします。
募集:あれば。



(/お待たせしました。需要があるかは分かりませんが、今からレス解禁と共に募集開始させていただきます。)

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