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暇を持て余した匿名の遊び【無登録/暇つぶし/どなたでもお気軽に】/164


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121: 匿名さん [×]
2018-11-25 09:57:38

支援

122: 匿名さん [×]
2018-11-25 10:50:58

(初めて会話を交わしたのは数ヶ月前。周りにいつも女子がいてちやほやされているあいつのことは嫌いで嫌いで仕方なかった。見た目が良いだけのただのたらし。あいつに対する印象はたったそれだけ。お早う、の言葉に対して返した言葉は近寄るな。どうせ遊び。だから絶対好きになってやらない__そう思っていたのに。向けられた好意は紛れもない本物。一緒にいるうちにあいつが本当は人のことを考えている良い奴なんだと気付いてしまった。否、最初から知っていたのかもしれない。日に日に大きくなっていく気持ちはもう隠しきれない。他の人といるところを見る度に胸が苦しくなる。誰もいない放課後の教室。周りに人がいないのを確認すると意を決して言葉を放つ。いつもよりも弱々しく情けない声色に自分でも笑ってしまう。これで終わり。明日からはまた赤の他人だ。)
......好き。好きだよ、お前のこと。笑いたければ笑えよ。俺の負けだ。

(/スペースとお目汚し失礼します。自己満足で書き散らした文章なので読んで頂けるだけでも嬉しいのですが、もしも気になった方がいらっしゃったら絡んで頂けたら嬉しいです。男子高校生だということしか決まっていませんので見た目はご想像にお任せします)

123: 匿名 [×]
2018-11-25 19:14:08



>122の男子高校生様

(自然な笑顔を貼り付けて、柔らかな声を意識する。何時からだろう、こんなコミュニケーションしか取れなくなったのは。周りに集まってくれるのはいつも女の子達で、それに勿論文句はない。だからそんな毎日に飽きてしまっのは只々俺の所為としか言い様がないし、薄っぺらな会話だと感じてしまうのも勿論只の俺の主観。顔が良いと持ち上げられるのはその印象を壊さぬよう案外気を遣うものだなんて、そんな事を言ったら投げ飛ばされるだろうか。うっそり笑った俺に女の子が不思議そうな顔をするけれど、俺の視線は彼女を通り越し窓際の男に集中される。恐らく俺とは正反対に位置する彼を、気が付くと何時も目で追っていた。多分羨ましかったのだろう、俺の持たないものを持つ彼が。俺が持たなくて彼が持つもの。具体的に言葉で言い表すには難しいけれど、学校という場において自然体でいられる事が酷く煌めいて見えたのだ。だからこそ初めて挨拶をしたのは多少のやっかみと意地悪を込めてであった。俺と関われば注目を集めるだろうから、そこで彼がどう取り繕うのか見てやろうという魂胆であった。だというのに警戒心と嫌悪感を隠しもせずすっぱり言い切られたのは今でもよく覚えている。彼には悪いがそれで益々目につく様になった、なんて世間に告白すれば俺は漏れなく変態の称号を手に入れるのだろう。何時しか彼に話し掛ける時だけが自然に呼吸が出来るようになったことは__まだ当分秘密。一方通行でもいいとそう願っていたというのに、何故俺は今告白を受けているのだろう。それも振られる前提の。弱々しく響く声が甘く耳朶を打つも体はカッと血が逆流したかのように熱くなる。ざけんな、ざけんな。こちとらどれだけ悩んで我慢して諦めたことか。もう爽やかな笑顔なんて保ってられない、つかつかと近寄ればその腕を乱暴に取って冷ややかな、それでいて熱情の孕んだ言葉を紡ぎだそう。)誰が笑うって?ふざけんな、これで終わりになんざしてやらねーよ。どっちが負けてんのかなんて…、お前は知らねぇだろ。


(/だらだらと長くなってしまい改めて見返すとしみじみ駄文だなぁと思うこの頃ですが、可愛らしい男子高校生に思わず返信させて頂きました。提供様の甘酸っぱさに身悶えております…!それでは楽しい時間を有難う御座いました。)




124: 匿名さん [×]
2018-11-25 20:26:15

>123

(これで終わりだ。本当の意味ですべてが終わった。もう彼と関わることなどない明日になれば彼はきっとこのことを言いふらすだろう。元々彼と俺は住む世界が違ったのだから、関わっていたこと自体が変なのである。絶対男のくせに男が好きだなんておかしいと笑い者にされるに決まっている。そうなれば学校に行くのが億劫だ。そんなしょうもないことを考えていたが、予想もしないような彼の言葉に思考が止まる。今の彼は女の機嫌を取ろうとへらへらしているいつもの奴とは違って怖いと思ってしまう。とはいえ本性があることは最初見たときからわかっていたが。有り得ない状態にこれは夢かとさえ思えるが、掴まれた腕から伝わる熱とこれまでにない程早鐘を打つ心臓に現実であることを思い知らされる。嫌だ、嫌だ、嫌だ。別に付き合うのを望んでいるわけではない。さらりと受け流してなかったことにしてくれればそれで良かったのだ。それなのに彼は此方に冷ややかな視線を向けてくる。視線から逃れるように遠くに目を向け深呼吸して漸く気付いた。だから彼のことが心から大好きで大嫌いなのだと。調子を取り戻すと息を吸うように悪態をつく。しかし我慢できずに涙が溢れ、ぐっと制服の裾で拭い)
何なんだよ。聞かなかったことにすれば良いだろ?...やめろよ。本当お前のそういうところが気に入らねーんだよ!

(/まさか絡んで頂けるとは思わず、興奮しながらお返事を書かせて頂きました。語彙力の無さに此方の下手さが滲み出ているようでお恥ずかしい限りですが、裏表のある彼に振り回されるのも楽しそうだなぁと思ってしまう程で...!素敵なロルを有り難うございました!)

125: 匿名さん [×]
2018-11-26 18:26:07

支援

126: 匿名くん [×]
2018-12-09 15:53:18


(冬は嫌いだ。何も全部がってわけじゃない、本当は好きなところは一杯ある。炬燵でテレビ観ながらうたた寝するのは心地が良いし、冬休みには毎年友達とスキーに行く約束をするし、年末のガキ使も正月に見る駅伝だって好きだ。サンタクロースの正体が親父だと知ってからだってずっと変わらずクリスマスは待ち遠しい。それでもやっぱり冬が嫌いだ。俺にこう思わせる理由はたった一つ、あいつがまだ他の誰も足を踏み入れていない真新しい雪の上に、最初の足跡を残すのが好きだから。いつもはぴったり隣に引っ付いて幾ら離れろと言っても聞かないくせ、雪が積もったとなれば俺はお払い箱。何が愉しいんだかキャッキャと高い笑い声を上げてどんどん先へ走って行ってしまう、人の気も知らないで。俺はお前が残した足跡の上を辿りながら、その歩幅の小さいことにさえ、ちょっと泣きそうになるっていうのに。──ドサッと何かが倒れた音がして、咄嗟に顔を上げたがあいつの姿が無い。…いや有った。最早これも毎年恒例、初雪の積もった日にあいつは必ず転ぶ。そして絶対に一人では起き上がろうともしないのだ。必ず助けが来ると確信して、ああしてじっと待っている。それを知っていながらこうして駆け寄ってしまうのだから、俺もとことん仕方のない奴だ。傍らに屈んで片手を差し出してやるのも、もう何度目か。)
んだがら危ねって言ったべっちゃ、おめぇはいったりかったり落ち着ぎねんだがら…ほれ捕まらい。


(/今朝庭に雪が積もっていたのが嬉しかったのと、一度方言全開の台詞をやってみたかったので…!都道府県名は伏せときます。ちょっぴりやんちゃな幼馴染の女の子のことが大好きだけどなかなか想いを伝えられない男子高校生です。見渡す限り山と田んぼな田舎町です。スペースありがとうございました!)



127: 匿名さん [×]
2018-12-22 12:12:18

支援

128: イオ(♂) [×]
2018-12-22 22:57:31



うーん、抜けない!
(伝説と言われる剣の前に来て、いざ抜こうとするも、ビクともせずに。それでも諦めきれずに
疲れて、その場に横になって剣を見つめながら)

129: 死神さん [×]
2018-12-22 23:54:53


(灰色の空の下、雪がちらちらと舞い始めた宙を漂う人影一つ。身に着けている黒い羽織に白い雪が触れては静かに溶けていく。その手には身の丈程の大きな鎌が握られているが、そんな珍妙な格好の彼が浮いている光景にも道行く人々は視線も向けない。そう!なぜなら自分は人ならざる死神であるので、普通の人には姿が見えないのである!)
……はぁぁ。今月のノルマ、全然足りねぇな。
(ガシガシと銀色の髪を掻いて盛大に溜息を吐くのには理由があって、それは寿命を迎える人間の魂の回収の数が振るっていないこと。この寒い時期は比較的回収率が上がるはずなのだが、他の死神と狩場が被ってしまったこともあり結果がでていないのであった。自分で言うのもアレだが、お人好しな性格が災いしていつもの狩場を譲ってしまった。そのため今は新たなターゲットを探しにこうして移動をしていて。…ふと、眼下を見れば白い建物が。どうやら大きな病院らしい。寿命が近い魂の気配も感じられる。)
お、良さそうな狩場発見。サクッと仕事すっか。
(にやりと口端を上げ、病院に向けて高度を落とし近付いて。適当に目を付けた窓に寄ってみれば、ベッドで読書をしている人間が一人。寿命が近いらしい気配、まずはこいつがターゲットだ。そのまま窓をすり抜け侵入しようとしたとき、自分が見えないはずのその人間と目が合った。思わず灰色の目をぎょっと瞠ってしまった。)
…まさか見えてるわけねぇよな…。
(今までにない行動パターンに若干どぎまぎしつつ、気を取り直して窓をすり抜け病室へと着地をしたのだった。)


(/スペースお借りします。当方は人間の魂を狩りに来た死神という設定です…。人間さん側はこの死神が見える設定でも、たまたま視線が窓に向いた設定でも構いませんのでお相手になって下されば嬉しいです!)


130: 匿名さん [×]
2018-12-25 17:48:46

(今日はクリスマス。聖なる日だなんて言われるけど、自分にはまったく関係がない。毎年のように一人だけで過ごすクリスマスが定番となっている己からしたら、密かに想いを寄せる人の存在は遥か遠くに感じられる。きっと、あの人は沢山の人に囲まれて...皆の中心となって、楽しく過ごすのだろう。だから、一緒にいることは叶わない。好きだという気持ちなんて伝えられるわけがない。そう、思っていた。それなのに__何で此処にいるんだろうか。特徴的なコートにネックウォーマー。沢山の人の波に囲まれているというのに、後ろ姿を見ただけでその人だとわかってしまう程。こんな風に想っていることを知られたら、引かれてしまう。声を掛けようと足を進めるが、理性的な自分が止めようと考えてしまって中々声を掛けられずにいた。それでも何故か、やらなきゃという気持ちが自分を支配する。今行かなかったら、もう勇気を出すチャンスなんてない。彼が一人でいる今こそが、チャンスだ。ぐっと拳を握りしめると、駆け寄ってそっと腕を掴んで。)
あ、あの...急に、ごめんね。私ね、貴方のことが好きなんだ。それだけ、ちゃんと伝えたくて。

(/クリスマスなのに悲しく家にいるのも何だからとクリスマスの設定で書き殴りました。目立たないタイプの女子高生です。もし目に止まりましたら、相手はクラスメイトでも先輩でも幼馴染でも、関係は決めてありませんので自由に設定して頂けたら。スペース有り難うございました。)

131: 通りすがりのサンタクロース [×]
2018-12-25 18:48:43


あー、や───っと起きた。ったくどんだけ寝りゃ気が済むんだか。どうせパーティーだのデートだのって柄でもねーんだ、クリスマスくらい早寝早起きしろっての。
(12月25日、夕暮れ。早くも夜の帳が街を覆えばツリーのないこの部屋にもクリスマスソングとカラフルなイルミネーションが入り込んでくる。それにつられてか部屋の主がようやく瞼を開けば思わず溜め込んでいた息と文句が溢れ出て、寝顔を眺め続けて凝った体を伸ばしながら言うだけ言ってやり。これじゃ今日中の帰宅は無理だな。バイクの駐車料金えげつねえことになってるだろうな。と、あれこれ考えている間も相手の返事がないことに気づけば、その呆気に取られた表情で未だ自己紹介を済ませていない事を思い出し「あ、見りゃわかると思うけど俺サンタね。サンタクロース。アンタももう子供って歳じゃないけど、最近は少子化だの何だので業界も暇なのよね。だからまあ、願い事をした人間のとこにはなるべく行ってやろうってのがウチの方針な訳よ。昨日の夜からスタンバってたんだぜ?アンタはぐーぐー寝てたから知らないだろうけど」白いシャツに赤のライダースという、古参サンタには伝統を蔑ろにしていると嫌われるもはや色しか合っていないコーデを指さしながら端的に述べ。何せクリスマスはあと6時間程しかない。御託よりまずはプレゼントだと、前夜に相手が呟いた"望みのもの"を差し出して「ほら、アンタの欲しかった"クリスマスを一緒に過ごす恋人"。ちゃーんと届けに来たぜ」広げた腕と愛情一杯のスマイル、俗に言う"プレゼントはアタシ"状態。あとは煮るなりイチャつくなり好きにしろ、と得意げな眼差しで嬉々として受け取られるのを待ち)


(/スペースお借りします!株式会社サンタクロースから派遣されたお馬鹿なイケメン(?)チャラ男サンタです。クリスマスもあと僅かですが、男性でも女性でも受け取ってくださる方がいれば幸いです!)

132: 匿名さん [×]
2018-12-30 17:14:20

支援

133: 名無しさん [×]
2019-01-03 09:32:25

支援

134: Picc. [×]
2019-03-04 02:46:19



──……ヘッタクソ。

(リードを噛みすぎて甲高く哭くハイノートがいやに必死に聞こえた。事実奏者は必死な表情で楽譜に齧り付いていた。先週からこの時間にずっと流れているのに全く上達しないルパン三世のテーマのアルトサックス・ソロを毎日聞かされるこちらの身にもなってほしい。奴は恐らく誰にも知られていない秘密の特訓のつもりなのだろうが、顧問の管轄でこんな時間まで特別に空けられている音楽室の戸締りが俺に一任されていることには一体いつ気付くのだろう。──と苛立ちに駆られる中気を遣って奴の気の済むまで準備室に引き篭ってやっていたがそれももう限界というもので、フレーズの切れ目を見計らって扉の前に立ち溜息混じりに)

定演まで日がないからか知らないけどリズム滑りすぎだし段々速くなってる。そのくせにこのクソ寒い中暖房もつけずにやってるから指動かないで運指が間に合わなくて崩れんだろ。……あと、

(一番南側の三分の一しか明かりの点かない部屋は影を沢山拵えていて、赤みのないセピア調の写真のように見えたそこからの光景は未だ冬の域を出ないと主張しているようだった。豆鉄砲をくらった鳩のように間抜けに開いた目と口に詰め込むが如く問題点を並べ立てる。部内でもマシンガンと名高い己の悪癖を何の心構えもさせずに炸裂させたのは確かにこちらの落ち度だったかもしれないが、しかし驚きのあまり楽器を手放すのはお粗末に過ぎると思う。ぷらんと落下を防いだ優秀なストラップには多大なる感謝をすべきだ。少しだけ眉間に皺を寄せその金色にちらと視線を走らせながらもセピア色の影になった双眸を見据えて)

余裕ないのが客に丸分かりな演奏すんな、格好悪い。そんなんじゃ憐れまれるだけだぞ。

(誰に、の部分を喉元で食い止めつつ。こいつが今年卒業する一つ上の先輩に片想い中なのは同期の間では割と有名な話で、下級生だけで演奏する曲の内一曲限りとはいえソロなんていう大役をパート内技術序列最下位のこいつが勝ち取れたのもその先輩へのアピールを手伝いたいお節介焼き共が手を回した結果なのだ。本人は自分の恋心が周囲にバレているなどとは露ほども思っていないと次期サックスパートリーダーは面白そうに言っていたが、流石に察するものがあるのではと個人的には思っている。

──そう、自覚したときから報われないことが決定していた。既に周囲は応援傾向で、味方につけるためにこれをひけらかすのは馬鹿馬鹿しく高いプライドが許さなかった。生まれて幾許もしない内に殺して故意に風化させていた恋心は何度も端から鮮やかに色付いて、その度にナイフで切り付け、墨で塗りつぶし、炎で燃やした。その内に見るに堪えない醜いものになった。早く告白でもなんでもして一緒になれ。或いは手酷く振られてしまえ。あの先輩が人間のクズみたいな人ならいいのに。あの下手くそなソロに籠った熱を向けられるのが自分であれば、良かったのに。一度だけ奥歯を強く噛んだ。表情と心情がリンクしていない人種で本当に良かったと思う。お陰で今まで誰にもこの厄介な代物の存在を悟られずに済んでいる。

ぱちり、スイッチを押して残った二列の電灯を点けた。)

さっさと楽器片付けて帰れ。残るなら暗譜とフィンガリング完璧にしてからにしろ。家でできんだろが。

(分かりやすく顔を顰めて追い払う仕草を。暴言のようなアドバイスを口にしながら、気分は敵に塩を送りながら辛酸を舐めるようなものだった。セピア色を名乗るには眩し過ぎる相手の顔をもう見ていたくなかった。)




(/友人が母校の吹奏楽部の定期演奏会の助っ人に呼ばれたという話を聞いて。ラブコメっぽくしようとしてたはずがなんだか重たくなってしまって私も困惑しております、あれ?重い片想い拗らせたプライド富士山系男子、稀によくいる演奏凄い上手いけど後輩から怖いって思われるような奴ですね。サックス吹きさんは男女問わず、よろしければ暇潰しにでも。すぺかんです。)



135: 匿名さん [×]
2019-07-15 15:46:56

支援

136: 匿名さん [×]
2019-07-24 09:49:44

支援

137: 人間嫌いの吸血鬼 [×]
2019-08-10 04:38:47

嫌いだ、人間は。

(暗闇が支配する室内でぽつりと落ちる呟き一つ、どこか嘆くようなそれは窓を叩く雨音にかき消された。数時間前に訪れた見事なまでの雷雨は、その時優雅に読書をしていた私の情緒を激しく乱した。こんな姿を同族が目にすれば、雷を怖がるなどと人間のようでみっともないと笑うのだろう。否、否、否! 私が怖がっているのは雷雨ではない。雷雨から思い起こされる記憶が何よりも煩わしいのだ。椅子の上にて膝を抱えて踞る、などという行為を衝動的にしてしまうくらいには。

 もうあの出来事を覚えている者は同族でも数少ない。人間たちなどは歴史に埋もれた闇としてその存在を知ることもないだろう。遥かなる太古、吸血鬼と人間が融和の道を歩み始めた尊き時代、心を通わせ愛した人間の死と裏切りが私をいつまでも苛んでいる。黄金の髪をくしゃりとかきあげ、牙を剥き出しにし唸り声をあげてもなお静まらぬ怒り。我が妻を殺された憎しみ、妻を護れなかった悲しみ、私を置いて逝った妻への怒りと慟哭がこの胸の中で渦巻いていた。出来ることならば人間を一人残らず切り裂いてしまいたい。それでも我を忘れて怒りのままに動かぬのは、やはり妻との誓いが未だに私を縛っているからだ。人間と手を取り合い平和に生きていく───結ばれるその時誓ったこと。手を取り合うことは難しいが、関わらないことで平和を保ち心穏やかに暮らすことはできる。牙を剥けば取り返しがつかなくなるが、牙を剥かないよう自制もしている。あの誓いだけは壊したくないと、歯を食い縛れば雨音に混じって微かなノックの音。暗闇だろうと吸血鬼の瞳はよく見える……顔を上げれば許可も待たずに扉を開く従者の姿が紅の瞳に映って呆気に取られたのもつかの間、すぐに冷徹な光を瞳に宿すと椅子の上から足を降ろし)

とんだ従者だな。私は入室許可を出した覚えなどないのだが? ……それ以前に、雷雨の間はそばに来るなと教わらなかったか。命が要らんのか──私がその首、ねじ切ってくれようか?

(未だに続く雷雨が私の中にある殺意にも似た敵意を育んでいる。従者の目には何が映っているだろうか、こいつに気遣って普段通りの姿を見せてやるには落ち着く時間が足りなかった。椅子から立ち上がり長い足を運んで威圧するように従者の前に立ち、沸き上がる想いのままに冷たい声を浴びせれば、手を従者の首もとにやって)



(/過去人間に裏切られ妻を亡くし、今でもトラウマとして抱えて生きる吸血鬼さん。雷雨の日は(トラウマを刺激されて)凶暴になるお人。従者は吸血鬼、人間、男女どちらでも。スペース感謝です)

138: 魔女と呼ばれた女 [×]
2019-08-19 00:49:43



(見渡す限りに小麦の金と木々の緑が広がる田舎に越してきて何ヶ月経っただろうか。王都の石畳の敷かれた道路や、煉瓦造りの重厚な街並みには、未だ何の未練も浮かんでこない。何せ、此処は酷く暮らしやすいのだ。自然に囲まれ、触れ合うのは草花と森の獣達のみ。息がしやすいのは、何も空気が美味しいという理由だけではないだろう。もう溢れ返る人の波や、それに付随する数多の目を気にする必要は無いのである。何十年かは分からない、だが長く腰を据える心算で選んだ住まいは、森の中の小さな丸太小屋。かつて森番をしていた男の住居であったという。質素で慎ましく、それでいて満たされた生活をしていたのだろう彼の片鱗があちこちに散りばめられたその家は、不思議と淋しさを覚える事が無い。家の横に作った庭で薬草にブリキの如雨露で水をやりながら、頬を撫でてゆく柔風に目を細める。夏の日差しを和らげた木漏れ日が体を包む。嗚呼、幸せだ。心も身体も満ち足りた生活よ、万歳。そんな事をぽわりと胸に抱いた平和な昼下がり、だが暗雲は突然やって来るらしい。心を通わせた森の木々がざわざわと落ち着かない様子で葉を揺らしていたかと思えば、獣道からゆらりと姿を現したのは傷付いた人間であった。襤褸布の様な衣服、そこから出た四肢は血だらけ。何処かから追われて逃げてきましたと言われても頷ける風体をしたそれは、一度だけ視線を絡ませるとそのままとさりと地へ倒れ伏す。明らかに面倒臭そうな案件が舞い込んだものだと深々溜息を落としながらも、流石に自分の森で人死なんて出すのも寝覚めが悪い。がりがりと頭をかけば、襤褸雑巾の身体を抱き起こし腕に抱える。仕方が無い、今夜の寝台は此奴に貸してやろう。家へと歩みを進めながら、硬く目を閉ざした顔へ視線を落とす。まあ、哀れなものよな。逃げ込む先がここだなんて。ずり落ちそうになった身体を抱え直しながら、他人事の様な感想を一つ共にして、家の中に消えていき。)


動植物の声を聞き、見えざるものを視る為に重宝されつつも迫害されてきた女が王都を飛び出し森暮らしをしていた所に一人の人間がやってくる。という雑な世界観です。
白髪短髪/切れ長灰褐色の目/丸眼鏡/長身痩型




139: 匿名さん [×]
2019-09-22 22:44:27

支援

140: 通りすがりさん [×]
2019-09-25 01:26:09

……これでよし、と。しかしこのご時世だ。5年前と比べても依頼の数は右肩下がり…。このままじゃアルやブルース達諸共食いはぐれちまう。どこかで大きな内戦やら汚職でも起きねえもんかな…。

(どこかの往来。掲示板にでかでかと手書きのビラが貼られる。方眼紙で出来たお手製のビラを気怠げに貼り付けたのは金髪オールバック、口髭を蓄え緑の迷彩服を着たサングラスの男。まばらな往来を見渡すと、誰かに話し掛けられるのを待つように傍らの長椅子に座り込んでコーンパイプを燻らせ始めた。)

「警備会社『ガルエード』。ワンちゃんのお散歩から嫌いな奴へのしっぺ返しまで、何でも承ります。 気兼ねなくご相談下さい!」

(/スペース失礼します!面白そうなトピだと感じ、書き込ませていただきました。参加させていただいてもよろしいでしょうか…?さるトピが過疎で消えてしまい持て余していた、警備会社の皮を被った犯罪組織のボスというキャラです。なりきり不慣れですがよろしくお願いします…!)



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