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──荒廃した魔法界で。【ハリポタ創作NL】/4


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■: 語り部 [×]
2018-01-19 22:04:04 




それは、『生き残った男の子』が『初めて敗れ去った』世界。

だが同時に、『例のあの人』もまた不完全な眠りに度々つくようになった世界。

──ベラトリックス・レストレンジ率いる死喰い人が地上を闊歩し、マクゴナガル率いるダンブルドア軍団は地下に隠れ潜むレジスタンスとなった世界。



世界観 【>>1】※読み飛ばし推奨
募集提供【>>2
ロル  【>>3






1: 語り部 [×]
2018-01-19 22:07:55




「貴様、死喰い人か? 杖を──」
「違うわ! この守護霊を見て!」

帝王は不規則に目覚め、ハリーは眠りについた世界。
英国魔法界は荒れ狂う死喰い人の手中に落ち、彼らに反抗する者たちは地下への潜伏を余儀なくされた。
疑心暗鬼が蔓延る終末世界で──一組の男女が出会う。


━━━━━さらに詳しい世界観━━━━━


1998年5月2日、英国魔法界ホグワーツ城。
ハリー・ポッター率いるダンブルドア軍団とヴォルデモート卿率いる死喰い人は、一世一代の大決戦を繰り広げていた。
卿自身は知らないが、ヴォルデモート卿の活路は実は殆ど絶たれているも同然だ。
日記は破壊され──指輪も破壊され──創始者ゆかりの三つの品も破壊され──ネビル・ロングボトムによってナギニも破壊され──残るはハリー・ポッター自身。彼が自ら死に赴くのみ。

ところが、ここで歴史的な番狂わせが生じてしまう。
『タイム・ターナー』によって未来から来た死喰い人の何者かが、禁じられた森の奥にて、ハリーを彼の母親と同じように『アバダ・ケダブラ』で葬ろうとしたヴォルデモート卿を阻止し──ベラトリックス・レストレンジの怒りの制止も振り切って、当時死喰い人の手中にあった魔法省から『レデュシオ』を用いて持ち出していた『死のベール』を使用したのだ。

『母親の愛の守護魔法』に守られているハリーには、闇の帝王の『アバダ・ケダブラ』は通用しない。リリー・ポッターの守護魔法は、『帝王が』『ハリーを殺そうとした』条件下においてのみ発動する。帝王の殺人呪文は、ハリーの中にある卿自身の魂しか殺さない。
ならば『死のベール』はどうか。
『死のベール』はただの物体だ。『死』そのものに害意はない。ヴォルデモート卿の意志はそこに介在しない。──故に、『母親の愛の守護魔法』を以てしてもハリー・ポッターを守れない!
その死喰い人は、ハリーを守護魔法の圏外にある『死のベール』の中に永遠に閉じ込めることで、帝王の分霊ごと、ハリーの魂をあの世に追放するつもりだった。多少の犠牲はあるにしろ、本体さえ無事ならば闇の帝王は生き残るからだ。

だがそうはならなかった。『死のベール』の圏内では、ハリーと母親の守りの絆は確かに絶たれた。ところが幸か不幸か、今度はハリーとヴォルデモート卿の忌まわしい絆が作用する。
ハリーの中にはヴォルデモート卿の魂の欠片が存在している。故に、本体であるヴォルデモート卿がベールの外に生存している以上、ハリーは完全には死なない。『死のベール』に放り込まれても、ハリーの魂とヴォルデモート卿の分霊にはその効果が十全には作用しない。
卿の分霊箱であるハリーは、奇しくも卿に救われて、『死のベール』から弾き出されるようにして再び現世に呼び戻されたのだ。

だが、死のベールから弾き出された時、ハリーの魂は傷ついていた。肉体は生きていたが──ハリーの魂は、『死のベール』の世界に晒されて眠りについてしまっていた。
そして、正史でハリーを殺した時に彼も意識を失ったように。ヴォルデモート卿もまた、肉体は生きているが、ハリーと同じく気を失う。

以降、ハリーはかろうじて生きてこそいるものの、植物状態のように目覚めなくなり。
ヴォルデモート卿は、ハリーの中にも魂がある以上彼よりは強いらしく、時々は目覚めるものの、やはり意識を失って眠りにつくことが多くなった。

──元凶となった死喰い人はどこに?
その人物は、自分の計画が失敗に終わったことを知るや否や、怒りに杖を抜く死喰い人たちとハグリッドの前からたちまち『姿くらまし』してその場を離れ、再び『タイム・ターナー』を使って、別の時点からやり直した。
だが、この世界ではそれは最早無意味なことだ。
『タイム・ターナー』を持つ死喰い人は、時線をまたいでいくつものパラレルワールドを渡り歩ける。ほかの世界ではそのやり直しが成功したのかもしれない。

だが、この世界では既にもう、『ハリーとヴォルデモート卿が共倒れとなった未来』の路線が確定してしまった後だ。
故に。
ここからは。

不規則に目を覚ます帝王に命じられ、この忌まわしい眠りの呪いを解くために奔走しながら世界を荒らす死喰い人。
帝王を破る唯一の切り札である、目覚めぬハリーを守りながら、同じく眠りを解くために地下で密かに活動するレジスタンス。

不完全なリーダーを抱えた、二大勢力の攻防戦が始まり。
それ以外の者たちもまた、その戦いに巻き込まれることになる。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


1998年5月2日のあの夜以降。
死喰い人たちは帝王をホグワーツ城に運び込み、そこを拠点として、帝王を再び万全の状態にするための方法を模索しながら、破壊と殺人を繰り返す領域を広げていく活動を開始した。

一方、帝王が倒れて動揺する死喰い人たちの隙を突いたハグリッドは、ハリーを抱えて逃げ出し、マクゴナガルやハーマイオニーやロンたちと合流。
切り札ハリーが仮死状態となった今、ダンブルドア軍団は一旦敗北宣言を掲げ、地下への撤退を味方に命じた。

死喰い人たちに反抗していた人々は、英国魔法界に散り散りに。
だが、この世界はドローレス・アンブリッジ率いる魔法省すらも民衆の敵だ。
「穢れた血を殲滅せよ!」「彼らに味方する純血も裏切り者だ!」
恐ろしく意見が一致する死喰い人とアンブリッジ派の魔法省が癒着するのに時間はそうかからなかった。
魔法省の名の元に、各地のレジスタンスは次々に検挙され、名ばかりの裁判の後に死喰い人から拷問を受けた末、吸魂鬼によって廃人にされる。そんな絶望の時代が始まる。

──ある少女もまた、魔法省と死喰い人から逃げ惑う生活を送っていた。
一度は別れたマクゴナガルらともう一度合流したい。彼らを探し出さなければ。
決死の逃避行の果てに、しかし少女は偶然、レジスタンスと死喰い人が殺し合いを繰り広げる現場に遭遇する。

「貴様、死喰い人か? 杖を──」
「違うわ! この守護霊を見て!」

戦いが終わった後、殺気にぎらつく目とともに杖を向けてきたひとりの青年に対し、少女は守護霊を杖から放つ。
それは死喰い人相手であれば、「自分はレジスタンスだ」と証明する自殺行為に等しいものだ。
だが同じレジスタンス相手なら、それは「自分は死喰い人ではない」というこの上ない証明になる。

かくて少女は、辺境に潜伏していたレジスタンスのひとつに加わった。
彼らはマクゴナガル、ハグリッド、ハーマイオニー、ロンといった、レジスタンスのリーダーグループとは少し遠いグループだった。ハリー・ポッターとさして親しかったわけでもない。
だが間違いなくハリーたちを支持しており、彼らがハリー覚醒の手段探しに集中できるよう、各地で死喰い人や魔法省との戦いを繰り広げていた。

だが、あの時杖を向けてきたあの青年だけは、少女を酷く疑っているらしい。
「仲間の振りをして背後から殺人呪文を放つ人間を、俺は見た」と。
少女と同様に、青年もまた、数々の死を目の当たりにしてきていたのだ。

──しかし、この絶望しかない荒廃した魔法界で、やがて互いに深い仲になることを、少女と青年はまだ知らない。

青年が少女を愛おしく思うあまり、いつしか魔法界のためではなく、彼女のために杖を振るうようになることを、まだ、知らない。





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