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個人用・練習用
自分のトピックを作る
25:
黒猫 [×]
2017-11-28 23:32:49
それを見せると、海老名はまたふふっと笑った。
「なんでそんなこと言うかなぁ...。女の子に気持ち悪いはダメ、って言ったでしょ?それと...」
うつむきながら、拳を握りしめながら、海老名は言う。
「...そんなこと、言われたことないから。ちょっとだけ、恥ずかしい、から、ダメ」
《 いみわかんね むりしてわらうなっていってるだろ あほ 》
うつむいている海老名の顔の横にスケッチブックをもっていくと、やっと俺の目を見た。俺の目を見て、無理してない、無邪気な笑顔で。
「アホって言う方がアホなの、知ってる?」
それを聞いた俺がイラついた顔をすると、そっちが悪いからね、と悪戯っぽい笑みを浮かべる。それと同時に俺も微笑む。やっぱりこいつには笑顔が似合う。そう思ったから。
「ふふ、やっとあつしくん、笑った」
《 お前こそ 》
二人で少し笑いあって、それから少し話して、腰を上げた。
「ばいばい、あつしくん。...また、来てくれる?」
俺がコクりと頷くと、海老名は微笑んだ。手を振って病室をでた。
そういえば、と思い出す。あのじいさんと約束してたんだった。
確か同じ階の......あった、ここだ。
ドアをノックし、扉をスライドさせる。ここの四つのべッドは三つ埋まっていた。
サァーと顔を見て、さっき見た顔であろう人のベッドの横にたつ。待ち人を待っている内に眠ってしまったらしい。
その人のベッドは海老名のベッドと同じ窓側で、俺は椅子に座りそれを眺める。いい景色だった。紅葉が綺麗な山が真っ直ぐ見える。
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