刹那的不可分衝動を飼う - 創作bml/15

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自分のﾄﾋﾟｯｸを作る
■： beetle man　[×]
2017-05-06 00:56:33　

瓦礫や粗大ごみが点々と目に付く空き地は所有者の手入れも入らず人々に忘れられ、今ではごみの不法投棄に来る者も絶えた。有刺鉄線は錆び付き半ば朽ちて役目を果たさず、彼方此方を野良猫が闊歩する。
その中にぽつりと打ち捨てられた一台の旧型ビートル。天井は凹み、塗装が剥げて錆び、助手席のドアはひしゃげて開かず、周囲を背の高い雑草が取り囲んでいる。但し運転席からは雑草が踏み倒されて道が出来ており、車内には酒瓶や毛布、雑誌の類が置かれている。
ビートルを寝床に生活する男と、そこに足繁く通う男が出逢ったのはいつだったか。

必読:>1/>2

1： beetle man　[×]
2017-05-06 00:57:18

≫逢瀬を続ける二人の男のお話です。
≫会った際はまるで恋人同士のように振る舞い甘い言葉も掛け合う二人ですが、本気ではないとお互い分かっています。
≫只、会う度別れる度に相手を愛おしいと思う気持ちが育っていっていることを二人ともが隠しています。

≫ビートルの車内に暮らす男は定職を持たず、彼方此方に愛人を作りそれを頼りに生活していますが、彼らが提供したがるマンションや家には住みたがらず、空き地に寝泊まりしていることも教えていません。
≫度々空き地に通って来る男とは連絡手段を持たないので、ビートル男は待つのみです。頻度はまちまちですが、平均して月に五回以上会っていることを考えれば多い方だと言えるでしょう。