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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
89:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-01-31 22:08:51
(淡々と順序立てて話を続けるホームズ。そして事件の全容が徐々に明らかになってきた。まるでこれまでバラバラに散らばっていたパズルピースが一枚ずつ繋がっていくようだ。ソファに深く腰掛け、いつの間にか彼の話に聞き入っていた。それは自分だけではなかったらしい。レストレード警部の方を見ると彼はホームズの言葉を一言も聞き漏らすまいとでもいうように注意深くホームズの一挙手一投足をじっと見つめていた。彼はテーブルにメモが置かれると少し身を乗り出して目を細めてそれを眺めた。
「“止めないと” か」目を伏せ、誰に言うでもなくぽつりと1人呟く。ホームズの言葉で目の前がぱっと開けた。アッシュフォード氏は家を飛び出したその日には犯人が誰なのか知っていたのだ。 しかもホームズが言うにはなんと犯人は彼の知り合いらしい。連続殺人事件という極めて重大な出来事にも関わらず、アッシュフォード氏は犯人を知っても尚警察に駆け込もうとはしなかった。それどころか自らの危険をもかえりみず自分1人で、犯人を止めようとした。…いや、危険とすら思わなかったのかもしれない。犯人が自分に危害を加える筈がないと思える間柄だったかのかもしれない。だから彼は誰にも行き先と外出の目的を意図的に“言わなかった”のか。ひょっとすると、犯人の未来のために。自分の妻にさえ本当のところを打ち明けず、知り合い…いや、おそらくは友人のあやまちを止めるべく家を飛び出し、そして無惨にも殺されたのだ!
なんという事だろう、と思った。無意識に膝の上で組んだ両手の力が入る。一体犯人は誰で連続殺人の動機はなんだったのだろうか? それは犯人に良き友人をも殺させたのだ。悪魔に取り憑かれでもしたとしか思えない。
レストレード警部がメモから視線を外しホームズに向き直ると注意深い視線を彼へ向けた。事件の核心に近づいている気配は彼も肌で感じていることだろう。『と、するとペンバートンさんの受け持っていた失踪事件で失踪した男は連続殺人の犯人を知っていて、“止めようと”したわけですね? そして4人目の被害者となってしまった、と……。連続殺人の目的はバス事故の生存者を1人残らず殺害する事と仰いましたがどうも要領を得ません。犯人は何故そのようなことを?』)
(/大変お待たせいたしました!!!ただいま戻ってまいりました。引き続きよろしくお願いいたします!
ううむ、どちらも面白そうですね…迷いますね。
一番目の挑戦状の事件はホームズの旧友が亡くなる直前に思いついたちょっとした遊びだった、というのはいかがでしょうか。
旧友とホームズは昔は仲が良かったが過去になんらかの衝突?不可抗力?があってお互い全く連絡を取っていなかった。
旧友は風の噂でどうやらホームズが探偵業に就いているのとを知り、自分の余命が幾ばくもないということもあってホームズと連絡を取ろうとした。
彼or彼女はかねてからホームズが頭脳を持て余して退屈に悩まされていた事を知っていたので普通には連絡を取らず挑戦状という形でコンタクトを図った…というのはいかがでしょう。
旧友とはいえホームズとは浅からぬ仲っぽい雰囲気ですが…笑
この案ですとちょっと湿っぽい内容になってしまいますので、もっとバリバリのミステリーにしたい!という事でしたら他にも考えてみたいと思います!!!)
90:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-01 19:51:46
犯人の動機については、今朝私が行った調査で殆ど判明しました。
( 警部の言葉に小さく頷くとそちらを向いて上記。「私は午前9時ごろにバス事故の被害者であるクレア・ボスロイドという女性の両親が住む家を訪問しました。そこで彼女の母親から、深く愛し合っていた婚約者がいたこと、事故によって引き裂かれたこと、残された恋人の方は一切連絡が取れなくなったこと、そして彼女からの手紙が遺されていたという事を聞きました。」右手の指先で顎の辺りを撫でるようにして触りながらそう話す。今朝の話を鮮明に思い出していく。警部やワトソンからの視線を感じるとコホン、と一度咳をして再び口を開いた。「…手紙には、恋人への愛の言葉が書かれていました。そして私はその手紙を読んで確信したのです。…犯人はクレア・ボスロイドの元恋人である、と。」きっぱりと言い切ると警部は驚きを隠せないでいた。身を乗り出してこちらへ近づくと警部は言った。『それは一体、どういう事です?手紙には愛の言葉が書かれていたのでしょう?それが何故犯人に繋がるのですか?』落ち着きのない言葉で話す警部をなんとか宥めるとこう話した。「ああ、お話しますから…どうか落ち着いて。…まず、なぜ私がその手紙を読んで確信したのか。それを今から説明しましょう。被害者のミス・ボスロイドの直接の死因は何であったか覚えていますか?」問いかけると警部か言った。『ええと、確か全身打撲によるものだと記憶していますが。』その言葉にコクリと頷いた。「そう。打撲によるものです。さて、では今回の連続殺人事件の被害者の死因は何でしたか?」するとまた警部が答える。『…打撲。』再びコク、と頷く。「その通り。」ソファから再び立ち上がって部屋をゆっくりと歩き始めながら話していく。「私の推理では…恋人を失った犯人が、逆恨みによってあのバス事故での生存者全員に彼女と同じ目に遭わせようと思い、撲殺という方法を選んだのでしょう。」その言葉に警部がなるほど、と納得の表情を浮かべて小さく頷いた。「そしてもう一つ。私が確信に至った直接の理由は、手紙に書かれていた"宛名"です。手紙の最後にこう書かれていました。〝貴方の恋人、クレア・ボスロイドより ショーン・ノリントンへ 〟…つまり、S.B.Lです。」そこまで話すと一旦話すのをやめて窓の外を眺めた。手紙に書かれていた内容は、今起きている事件を全く予想させない程幸せに満ち溢れたものだったからだ。「実はその手紙は彼女の母親から私が譲り受けて、今ここにあります。」そう言って自分の懐を指さした。「…これは犯人を自首させる為に必要なものとなるでしょう。」静かな声色でそういった。警部をチラリと横目で見ると彼は何やら複雑そうな表情を浮かべていた。それもそうだろうと思った。何しろこの事件は悲劇から生まれたものだったのだから。「ケーベリー社から消えた資料には…恐らくバス事故での生存者や死傷者リストがあったのでしょう。それを元に犯人は当時の生存者を殺害していった…アンドリュー、アザレア、チェド。つまり、ファーストネームを数字に置き換えた時に数字の若い順に。そして次に来るのはE。狙われるのは妻であるエマ・アッシュフォードだと彼は気づいた。然し不運にも彼は犯人の怒りを買い、殺害されてしまった。だからアッシュフォード氏はS.B.Lではなく数字でメッセージを遺したのでしょう。"順番に殺されていっている"と。」重苦しい空気が部屋中に漂った。暫く沈黙が続くと再び口を開く。「私の推理が正しければ、犯人は今日の深夜にでも当初の目的を果たすために計画を実行するでしょう。アッシュフォード夫人の身が危険です。警部、ご同行願えますか?ワトソン、勿論君にも来てもらいたい。銃は持っているね?」外を見ていた視線を外し、振り返って2人に問いかけた。警部は『ええ、勿論です。』と頷いて快い返事をしてくれた。ワトソンに銃の有無を問いかけるのと共に自分も引き出しに置いていた護身用の銃を取り出し、弾を数発込めていき )
( / おかえりなさいませ!!お待ちしておりました!こちらこそよろしくお願いします!!
なるほど…!素敵なストーリーですね!!
旧友との衝突は
・旧友にとっての大切な人の裏の顔?みたいなものをホームズが暴いてしまい、大切な人は殺されるor姿を消した、そして大切な人がそうなった原因はホームズにあると知った旧友が(その時は若かったので色んなショックで)激昴して殆ど絶縁状態になった
なんてのはどうでしょうか!
いえいえ!そんな雰囲気も好きですので私は大歓迎でございます! )
91:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-02 13:25:39
(全てのピースが揃い、正しい位置に当てはめられていく様は手品を見ている時の感覚によく似ていた。いつもならホームズの推理と考察の種明かしのテンポに驚くとともに小気味好いと思うところだが、今回は心が鉛のように重たくなって深く暗い海に沈んでいくような感覚も伴っていた。“犯人はクレア・ボスロイドの元恋人である” ホームズはきっぱりとそう言い切った。その言葉にはっと息をのみ、どうしようもなく居た堪れない気分になってホームズに向けていた視線を組んだ指先に落とす。レストレード警部は驚きを隠せない様子で自分とは反対に身を乗り出して疑問を浮かぶままにホームズにぶつけた。それからの二人のやり取りは聞いてはいたもののどこか心ここにあらずで。
恋人の突然の死が犯人を悪魔にした。
職業柄、人の死に立ち会う事は他の職業よりも多い。軍医のときもそうだったし、医者でもそうだ。ホームズのところに舞い込んでくる事件と関わるようになってからは“複雑な事情”の死を目の当たりにする事が増えた。言ってしまえば慣れてしまいつつあるのだ。いちいち立ち止まっていては前に進めないし仕事にならない。感情移入は不要だ。それはこちらの命取りになりかねない。そうはっきり分かっていても今回はいつもの通りに機械的に頭の中で整理する事が困難だった。もしかするとそれは自分も彼らの想いをよく知っているからかもしれない。犯人がかつて恋人に向けたであろう想いや、アッシュフォード氏が夫人の身の危険に気づいて必死に守ろうとした想いを。
“銃は持っているね?”というホームズの言葉にはっとして、レストレード警部に続いて返事をする。「ああ、もちろん。退役するときにちょろま……、貰い受けたものがあるよ」ちょろまかした、と言おうとしてふと警部と同席していた事を思い出して慌てて言い直して。立ち上がって自室へコートと帽子と杖、そして拳銃と弾倉を取りに行く。
戻ってきたときには2人とも準備が整っていたようで、レストレード警部は椅子から立ち上がると神妙な面持ちで言った。『そうと決まれば急ぎましょう。アッシュフォードさんの家はここからそう遠くはありません。道案内は任せてください。…実はアッシュフォードさんの死を奥方に伝えたのは私なんです。大変な取り乱しようで…本当はいろいろ聞き込みをする筈だったんですがね。いやしかし、無理もありませんよね。気の毒なことです』
その言葉に何も言わず、ただ目を伏せて頷いて。
レストレード警部の言っていたとおり、アッシュフォード氏の自宅はそう遠くはなかった。「ホームズ、どうするんだ? このまま外で張込むのか、それとも家の中で待ち伏せするのか?」と、隣を歩くホームズに問いかける。正直どちらも辛かった。外は酷い冷え込みようだし、中は夫人と顔を合わせなければならない。)
(/わー!ありがとうございます!!泣
衝突の原因、とてもしっくりきます!旧友もホームズもお互いに若い時の話ですからそれが原因で絶縁って流れ、ありそうです。旧友の大切な人についてですが
・恋人
・旧友が片思いしていた先生
などでしょうか…。
恋人ならば恋人の知られたくなかったことは実は他の人と婚約している、事情で遠くへ引っ越さなければならない、不治の病に侵されている、などいかがでしょう。
先生ならば、旧友が慕っていた先生は過去の不正をしていた→暴かれて学校にいられなくなって旧友の前から去る
みたいな流れはいかがでしょうか!)
92:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-02 20:23:29
( 外へ出ると既に日は落ち始めていて辺りは暗がりが立ち込めていた。帽子を深く被りツバでその目を隠すようにしてしまうと顔に影が落ちる。夫人の家へと向かって歩いている途中に隣で歩いているワトソンに問いかけられると一呼吸置いてから答えた。「ああ、決めておこうか。二手に分かれよう。まず、私と警部が外で見張っておく。それからワトソン、君は中で夫人の身の安全を確保してくれ。もしもの時は君が頼りになるだろう。」提案は以上の通りだ。二手に分かれさせたのは先ほどの理由は本当であるが、ワトソンを危険な目に遭わせたくないという思いもあっての事だった。言い終わるか終わらないかのうちに夫人の家の玄関まで着いてしまうと、自然と口を噤んで辺りを警戒する。視線だけを動かして周りに怪しい人影が見当たらない事を確認するとコンコン、と玄関を数回ノックした。暫く経つとゆっくりと玄関の扉が開き、中から目が赤く腫れ、明らかに泣き腫らした様子の夫人が顔を覗かせた。『…あぁ、ペンバートンさん…っ…あの、今は…』そう言いかけたところで言葉を遮った。「分かっています。こんな時に本当に申し訳ない。然し事は一刻を争うのです。どうかご協力お願いしたい。でないと貴方の身が危険です。」そこまで言ってしまうと夫人がハッとした表情を見せた。恐らくこれから起ころうとする恐ろしい出来事を予感してのことだろう。分かりました、と涙声ながらも返事をした夫人は中へ入るよう促した。「ありがとうございます。貴方の事は我々が全力を尽くしてお守りします。ではレストレード警部、私と一緒に。アッシュフォード夫人、貴方はワトソンと共にこの家の中で1番安全な場所に避難していて下さい。できれば身を守れるようなものがある場所に。」真剣な目でそう言うと警部と目配せしてそのまま外で待っている趣旨を夫人に送って。その場から離れる前に一度ワトソンの方を振り返ると"必ず戻る"という意味を込めた目線を一瞬送ったのち、すぐに警部の方に顔を向けると警部と共に家の近くの茂みに身を潜めて )
( / いえいえ!!!
おお、そう言っていただけてよかったです!!
良いですね!個人的には先生の話がとてもグッときました!
あ、それに少し付け足しみたいな感じで思いついたのですが…
・先生は旧友と恋仲関係にあったが、先生は旧友の事を好きだと思っておらず寧ろ遊びだった
・純粋な旧友は遊ばれていたと知らずその事もホームズに暴かれた
・不正+遊び=消えた 事は全てホームズのせいだと罵り絶縁
というのはいかがでしょうか? )
93:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-03 06:58:57
ああ、分かった。…自宅に専属の医者がいるからって風邪ひかないでくれよ。
(ホームズの提案を飲むとにっと笑ってみせて。心の中に暗雲のように広がる不安を消し去りたかった。犯人は武器を持って来るだろう。誰も怪我をしなければいいのだが。
ホームズと別れるとき、何も言葉は交わさなかったものの彼の眼差しは雄弁だった。小さく一度頷いたのちにゆっくりと扉を閉め、そして彼の姿は見えなくなった。不安に思うのはやめた。これは今生の別れにはならないし誰も傷つかない。そんなことには絶対にさせない。
エマ・アッシュフォードは、依頼に来たときにもやつれていたが今はその比ではなかった。彼女は赤く腫れ潤んだ両目をさっと手の甲で拭うと居間へ案内し掠れた声で弱々しく言った。『安全なところと言いましても…、居間で大丈夫かしら。二階へはできるだけ上がりたくないんです。夫の気配を感じてしまって……。どうぞ、おかけになってください。紅茶か珈琲はいかがですか?』勧められるままにソファに腰掛けると微笑んで。「いえ、どうぞお気を使わずに」その言葉に夫人はそうですか、と弱々しく呟くと覚束ない足取りで向かい側に座った。それから暫くの間沈黙が続き、時計の秒針が進む音と銃を整備する音だけが居間に響いていた。弾倉をはめるとより拳銃の重みが増して。手のひらに伝わる冷たい感覚は恐れを麻痺させる。ぽつりと口を開いたのは夫人の方だった。『あの…私、犯人に狙われているんでしょうか』ぱっと顔を上げると彼女は不安げに右の拳を胸に寄せてこちらを見ていた。「ええ。でも何も悪い事は起こりませんよ」夫人の表情は曇ったままだ。『ごめんなさい、戯れ言だって聞き流してください。でも』大粒の涙が頬を伝う。『彼の元へ行けるのならそうなっても良いって思ってしまうんです』何を言うんです、ときっぱり否定するべきなのだろう。しかしそれは難しい事だった。「アッシュフォードさん。旦那さんは貴女を守ろうとしていたんですよ」彼女は赤い目を見開いた。その時玄関からノックの音が聞こえて。ここにいるようにと身振りで示すと拳銃のスライドを一度引いてコッキングし玄関まで静かに向かう。拳銃を持った右手を身体の後ろに隠すように引き左手で扉を開けるとそこには男がいた。身長180cm、額にはまだ新しい傷跡がある。ホームズの言っていた男だ。)
(/あああ〜〜素敵です〜!そして切ないですね!切ないですがとても惹かれるところのあるストーリーです…!是非それで行きましょう。先生の不正は何にしましょうかね。学校のお金に手を出したとか、裏口入学に一枚噛んで小遣いかせぎしていたとかでしょうか? もっと凶悪な方が良いですかねえ…)
94:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-03 18:06:45
( 風邪を引かないでくれ、という言葉に微かに笑ってみせた。そうすることで不安な気が紛れると思ったのだ。
背後で扉がゆっくりと閉まる音を聴くと気持ちを奮い立たせた。警部の背中を追いかけ、2人とも無言で身を隠した。暫くはお互い無言だったがふと警部がポツリと呟いた。『犯人の特徴はどんなものかお伺いしましたかな?』問いかけられるとヒソヒソと小声で返す。「いえ、言っていませんでした。身長は約180cmと大柄で額に新しい傷跡があるはずです。それから証拠を残さない為に手袋と繊維が落ちないような毛糸等以外の格好をしてくるでしょう。マフラーもせず帽子も被ってこないでしょうね。」警部はなるほど、分かりました、とだけ返すと再び2人の間に沈黙が流れた。暫くすると数メートル先の街角の方から人影が現れた。遠目から見ても大柄だとわかるその影は段々こちらへ近づいてきて、そしてアッシュフォード夫人とワトソンの居る家の玄関の前で立ち止まった。さっと瞬間的に緊張が走った。玄関口の灯りに照らされた犯人の姿は予想していた通りのものだった。犯人はゆっくりとした動きでドアをノックした。すると暫くしてからワトソンがドアを開けて少しだけ身を覗かせた。"手を出すまでは現行犯で逮捕する事が出来ない。然し誰も怪我をさせてはならない。"それが今の自分の使命だった。警部と目配せしてバレないように身を隠しながらゆっくりと近づいていく。犯人がふいに口を開いた。『…エマ・アッシュフォードという人物に用がある。』確かにそうワトソンに言ったのを聞いた。ある程度近づいたところで再び身を潜めれば様子を伺って )
( / うわああお褒めいただきありがとうございます!!
あ、いいですね!
その中でしたらお金に手を出した、とか良さそうですね!もしもう少し凶悪さを出すならその金額が1000万にも及ぶとかにするとか…!
他は何か決めておくことはありますかね?? )
95:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-04 07:41:43
(扉を開ければすぐにでも鈍器で殴りかかってくるかと内心ヒヤヒヤしていたがそんな事態にはならなかった。男は本当にふらっと昔の知人の家に訪ねて来たかのような落ち着きようで、落ち窪んで翳った暗い瞳には興奮の影すらもも見られない。顔面は病的に青白く色素の薄い無精髭が彼をやつれて見窄らしい印象に仕立て上げていた。気味が悪いほど落ち着き払った静かな声で、この男はあくまで単純な作業を淡々とこなしに来たにすぎないのだと気がついて。
仮面的に愛想のいい笑みを浮かべて「ええ。居ますよ。中へどうぞ」と言うと男は表情を変えぬままにそれを辞退した。『いや、玄関先で結構。すぐに済む。呼んできてくれ』男はこちらの目をじっと見つめていたがどこか視線の交わらないような、奇妙な感覚を覚えた。彼は恐るべき凶行を頭の中で予行しているのだろう。しかし少し妙だった。ホームズの目は誤魔化せないとしても、警察だけの捜査の上では今まで殆ど完全犯罪をやってのけていた男が素顔を見られるなんてヘマをするだろうか? しかもどうやら彼は顔を第三者に見られたにも関わらず予定通り計画を実行に移すつもりのようだ。素人目にも分かるくらいとても同一人物とは思えない粗さだ。
もちろんです、と言って頷くと一度扉を閉めて急いで居間に戻り。居間のソファではアッシュフォード夫人が不安げに座っていた。右手に持ったままの拳銃をジャケットの内ポケットに仕舞うと出来るだけ冷静な声音を意識して。「良いですか、落ち着いて聞いてください。今玄関に犯人が来ています。今から貴女に扉を開けていただきます。私は犯人の死角になるところから貴女の身を守ります。外には警部とペンバートンも居ますから、何も心配する事はありません。どうかご協力お願いいたします。犯人を逮捕するために必要な事なんです」
夫人は不安げではあったが数回小刻みに頷くと先ほどとは打って変わってしっかりとした足取りで玄関へ向かった。玄関の外にいる犯人の死角に入るよう、そして手を伸ばせばすぐに夫人の腕を掴めるようにドアのすぐ横の壁にぴったりと背中をつけて拳銃を両手で握り。夫人は一度目配せをするとそっと扉を開けた。相変わらず不気味なほど落ち着き払った男の声が聞こえてきた。『エマ・アッシュフォードだな?』夫人が答える。『ええ、そうです』彼女がそう言い終わるか終わらないかのうちに男は拳銃を内ポケットから取り出すような仕草でロング コートの内側に手を突っ込んだ。しかし取り出されたのは拳銃ではなく。コートの中にどうしまい込んでいたのかは分からないが、手袋をはめた手がコートの内側から引っ張り出したのは三十センチはあろうかというバールだった。男がそれを振りかぶる。間一髪で身体を強張らせたエマ・アッシュフォードの腕を強く引きよせ自分の身体を盾に彼女を背後に隠して「ホームズ!! 警部!!」と外に向かって大声で怒鳴って)
(/なるほど!凶悪さが出ますね笑 そうしましょう!あと決めておくのは旧友と先生のそれぞれの人物像と時系列でしょうか。なんとなく先生は聖人の面の皮を被った悪魔みたいな、でもどこか魅力的な男にしてみたいなと思うのですがいかがでしょうか笑
旧友は人を疑うことを知らない根っからのお嬢さんのように先生と対照的だと面白いかもしれませんね。)
96:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-04 17:41:47
( 犯人は不自然すぎるくらい冷静な声でアッシュフォード夫人を呼び出した。暫くして緊張した面持ちの夫人が玄関から顔を覗かせた。その瞬間にこちらは動き出す。犯人が凶器を持ち出して大きく振りかぶった。用意していた銃を持ち出すと狙いを定め、バールに向かって引き金を引いた。放たれた弾は定めた通り凶器に当たり、はじかれたバールは犯人の手から離れていった。突然の衝撃に犯人は呻き声を漏らしながら手を抑え、今度は先ほどとは打って変わり血走った目でこちらを見た。目が合うと犯人は怒りの表情を浮かべてこちらへと向かってきた。こうなる事を予想して凶器も無しに殴りかかってきた犯人の拳を肘でいなし、攻撃をかわした。「警部!夫人とユキヒコの安全を確保してくれ!」物凄い力で掴みかかってくる犯人と対峙しながら警部に向かってそう叫んだ。思わず荒い言葉になったのは犯人の異常性が思っていた以上に強かったからか。警部はこちらの意図を汲み取ると夫人とワトソンの居る玄関口へと急いで向かった。初対面で興奮状態の人間を落ち着かせるのは容易なことではなかった。全力を込められた拳は頬を掠めた。やや大振りで比較的かわしやすいものではあったが、日頃の運動不足が災いした。間一髪だった。然し頭に血が上っている人間の行動は至極読みやすかった。左からきた拳を今度はひょい、と避けるとすぐに両腕を使って相手の大動脈付近に不意打ちを食らわせた。するとフラフラと足元を覚束せた犯人が地面へと倒れこもうとしていた。すぐ様近づいて取り押さえようと犯人の肩を掴んだ時、パァンッという音と共に左肩に鋭い痛みが走った。思わずガクッと膝をつく。肩を見ると血が流れていて、犯人の右手には拳銃が握られていた。しまった、と思う暇もなく逃げようともがく犯人を痛みに耐えながら必死で押さえた。「警部!手錠を!」そう叫ぶとすぐさま警部はこちらへ向かってきて )
( / 分かりました!私の想像する旧友と先生の人物像をとりあえず書いていきますね!
旧友
・女
・頭が良い
・ホームズとはお互いに尊敬し合っている仲でたまにお互いの意見を言い合ったりしていた
・先生が好き
先生
・男
・表面だけみると容姿端麗で誰にでも優しく接する完璧な紳士
・裏の顔は人を見下し、無能な連中だと蔑むような人
・金に汚い
こんな感じですかね?笑
聖人面した悪魔…わかります!そんな感じのイメージですよね笑
とりあえずこちらのイメージは上記の通りです!)
97:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-04 20:24:23
……ッ!!
(二発目の銃声が人通りの少ない静かな夜の通りに響き、その突然の出来事と眼前の光景に声が出なかった。辺りはもうすっかり陽が落ち犯人とホームズの姿は玄関の明かりと街灯とで暗闇から浮き上がって見える。ホームズが被弾した事を悟ると頭の血がサッと下がって顔面が蒼白になるのが自分でも分かった。戦場にいた時のような気分になり、ほぼ反射的に両手で拳銃を構え犯人に狙いを定めると右の人差し指をトリガーガードから引き金に滑らせるように移しその指に力を込めーーしかし、ホームズの“手錠を!”という声ではっと我に返ってトリガーから指を離した。レストレード警部がすぐさま駆け付け猟犬のように飛びかかって拳銃を持つ犯人の右手を踏み、犯人が痛みで拳銃を手放すとすかさずそれを遠くへ蹴った。直後、乾いた金属音と共に犯人の両手に手錠がかけられて。『ふう…、すぐに応援と救急車の出動を要請します。ペンバートンさん、大丈夫ですか?』警部は犯人が逃げないようにホームズに代わって片手で抑えつけながらもう片方の手で仕事用の携帯電話を取り出し、ホームズにそう聞いて。犯人は手錠をかけられた事でがっくり来たようで逃げようともがくのを諦めていた。
犯人に手錠がかかったのを確認すると夫人のそばを離れてアルバートに駆け寄る。
「ごめん。寒いだろうけどちょっと我慢して」そう声をかけると彼の肩を抱くような形でその場を座って。彼のコートとその下のシャツとを左上半身だけ器用に脱がせ、ポケットから取り出したスマートフォンのライトで照らして銃創を確認する。射入口は5mm程度で煙渣で傷口付近が黒くなっている。調べると射出口もすぐに見つかった。幸か不幸か意識もしっかりあるし首と手首の脈もちゃんと触れている。撃たれた後も犯人を押さえつけていたから肩から手にかけての知覚と動作にも問題はなさそうだ。
「貫通射創だ。大丈夫、鎖骨は折れてないし動脈損傷もなさそうだ…おそらく上腕骨骨折の手術だけで済むよ。不幸中の幸いだな」
淡々とそう言いながらスマートフォンのライトを切りポケットにしまうと取り出したハンカチを広げて縦長に折りたたみ射入口と射出口の両方を塞ぐように肩を包み込んで両の手のひらで傷口を圧迫して。彼と目を合わすことができなかった。半分だけ脱がせた服をうまい具合にハンカチがずれないように肩にそっとかけると服の上から圧迫を続ける。傷口に障ると知っていながらどうしても語気鋭く叱らずにはいられなくて。「アルバート! どうしてあんな無茶をしたんだ! 君は警部を僕らの方へ来させるべきじゃなかった。犯人と2対1ならともかく、1対1でどうにかしようなんていくら君でも無茶だろう。銃創があと10cmでもずれて動脈を傷つけていたら今頃君は……!」もしかすると泣きそうな表情をしているかもしれない。正直みっともない…誰も傷つけまいと決意した結果がこのザマだ。じっと彼の目を見つめ、彼の体温を手のひらで感じて彼が生きている事を何度も何度も繰り返し確かめる。「君が生きていて良かった。本当に…」消え入りそうな声でそう呟いて)
(/おおー!ぴったりです!人物像はそれで行きましょう!それから時間軸なのですが、その事件があったのはいつにしましょうか。ハイスクールか、大学でも良さそうですよね。
また、今の事件の解決後のほのぼのパートはホームズくんの肩の傷が治るまでの看病がメインでいかがでしょうか。あんまりほのぼのしてないですかね?笑)
98:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-04 22:19:15
( その後の展開は驚くほどにあっという間だった。警部が応援を要請するとすぐに何人かの警察官がパトカーで駆けつけ、すっかり大人しくなった犯人は警察官に囲まれ、促されるがままに署へと連行されていった。救急車を呼ぶ、という警部の言葉にはすぐさま反応した。「救急車を呼ぶには及びません警部。それよりも、私も彼の事情聴取に同行させていただけませんか。」痛む傷口を右手で抑えながら顔を見上げて言った。警部は少し驚いた顔をしたがすぐに眉根を寄せた。『…ペンバートンさん。あなたが犯人の犯行手口を深くまで知りたがる性分はこちらとしても十分承知しているつもりですが、今回ばかりはあなたの負った傷を治すことを優先しなければなりません。』こちらの事を思っての言葉だとは大いに分かっているが、それを聞いてあからさまに肩をがっくりと落とした。警部はまた後ほどお話をお聞かせしますから、とだけ告げると夫人の方へと駆け寄っていった。夫人は終始放心していたようだった。無理もないだろう。突然始まった恐ろしい出来事は、こんなにも呆気なく、そして突然終わったのだから。
それからすぐにワトソンがこちらへと駆け寄ってきた。傷口が見えるように服を脱がされると、はだけた部分は冷気に晒されてようやく寒さを感じた。医学を修めているだけあって流石の分析だと感心する。彼の顔を見つめていると突然語気を荒めて叱られた。あまりに唐突な出来事にきょとんとした表情を浮かべる。だが彼の言葉はまさに正論そのものだった。最後に彼が語尾を弱め、消え入りそうな声でそう言うのを聞くと申し訳なさそうな困った表情をした。「…すまないユキヒコ。だが君を傷つけられるのを見たくなかったのだ。」ポツリと呟くように言うと右手で彼の頬を撫でた。ズキズキと疼くように痛み続ける感覚に少し顔を苦しそうに歪ませる。「ふ、ははっ…愚かだと思うよ、私自身。君への好意が判断を鈍らせた。」目を細め、彼の瞳を見つめながら自嘲気味に言う。「…だがあれで君を守れたなら、私はそれが正しい判断だったのだと信じている。」そう言って今度は優しく微笑んだ。少し肌寒くなってきて彼に身を寄せた。白い息を吐くと頭を彼の胸元に預けた。緊張が解けたせいか自然と口元に笑みが広がっていった。傷の痛みも先程より気にならなくなり、鼻をずずっと啜るとポツリと呟く。「…寒い。」 )
( / ありがとうございます!!了解です!
すいません、時系列について触れるのを忘れておりました…汗汗
そうですねぇ、では折角なのでハイスクール(パブリックスクール?)はどうでしょうか?エリート校で起きた事件となると色々隠蔽されて~とかまた後々話を繋げられそうですし!
あ!!それいいですね!笑
ワトソンくんに世話を焼かれるホームズを想像してしまい思わず笑ってしまいました笑 ではほのぼのパートはそれメインでいきましょう!! )
99:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-05 20:52:36
(彼の右手が頬に触れた。それは夜の冷気にさらされて体温を失いひんやりとした感触だった。
「いや、愚かなんかじゃないさ。でもそれが君自身に無茶をさせるんなら僕は迷ってしまう。もし僕らが出逢わなければ君が僕のために無茶をやるなんて事もなく、君の肩に穴が空くことも無かったんだ。…こんな息の詰まりそうな思いをする事もね」
彼が頭を胸元に寄せると身体が冷え切っているのがよく分かった。マフラーでも持って来ていれば良かったのだが。
「ま、もしもの事なんて考えても仕方ないな。僕らは出会ってしまったし、君の肩にはしっかり穴があいてる。…散々怒った後で言うのもなんだけど君に本気で怒れないのはなんかこう、惚れた弱みみたいなものを感じるよ…」ふ、と苦く笑い。
それからは慌ただしく時間が過ぎて行った。夫人と犯人の事はレストレード警部が全部引き受けてくれたようだ。間も無く救急車が到着し近くの病院に搬送される事になった。このまま怪我の詳しい状況も分からず1人で帰るのも少々不安だったので一応付き添いでついていく事にして。ERに着くなり傷口の処置とレントゲン撮影、感染症予防のため点滴による抗生剤の投与が行われた。担当してくれた医師曰く弾丸がうまく貫通したため上腕骨骨頭の粉砕はそこまで深刻ではないそうだ。医師との話が終わった頃、警部からEメールが届いている事に気がついた。開封してざっと目を通すと外科の入院棟にいるホームズの元へ急いだ。
彼のベッドはすぐに見つかった。「気分はどうだ?」ベッドの横の丸椅子に腰掛けるとそう尋ねて。
「もう聞いたかもしれないがとりあえず今夜と明日は入院して血腫がひいたら骨折の手術をするそうだよ。…あと、警部からメールがあってね」そこで一旦言葉を切ると側に置いてあった彼の着ていたコートに触れて。無残にも2つの穴が空いて血だらけだ。「犯人は完全黙秘をしているらしい。取り調べも何も進まなくて早くもお手上げ状態だってさ。血塗れでも君に来てもらった方が良かったって嘆いてるよ」彼に視線を戻すとそう言って少し笑い。)
(/いえいえ!おお、良いですね!巨額のお金が動いていそうなイメージありますしね笑
ではとりあえず今後の事はざっくり決まりましたかね。挑戦状についても何か考えておきますね〜)
100:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-06 17:25:41
( 頭上から聞こえる彼の声とその言葉に耳を傾ける。心地よいが時折悲しみが伝わるそれに終始罪悪感を感じてしまって。彼を悲しませてしまったのは何よりも辛かった。それでも、と最後に彼は前向きな言葉を口にしてくれて自分の心は幾らか中に浮き上がったかのように軽くなった。そして再び、判断は間違っていなかったのだと頬を緩ませるのだった。
それから少しはあまり記憶がなかった。覚えているのは救急車の喧しいサイレンの音と付き添ってくれたワトソンの自分を見つめる瞳で、ふと意識がはっきりし始めた頃には病室のベッドの上に居た。気がつくと負傷した肩にあまり痛みがなく、このベッドに寝かされるまでに適切な処置が施されたのだということを理解した。それから少しして犯人が逮捕されたのだということを思い出す。今までの犯行の手口と今回の犯行について色々と不可解な部分があったのは確かで、それを聞き出したい思いでいっぱいになると病室を抜け出そうと体を起こした。然し、丁度いいタイミングで彼が自分の元へとやってきた。ワトソンだ。彼はベッドの近くに置いてある小さな丸椅子に腰掛けるとそう尋ねた。「ああ、悪くない。」短いながらも的確な言葉を返す。「入院なんて時間が勿体ないだけだろう。私は自宅療養で十分だよ。」心底嫌そうな顔をして彼にそう返した。とはいえ同じ言葉を担当医にも言ったところ完全無視を決められたわけだが。彼の言葉に耳を傾けると、どうやら警部らは苦戦を強いられているらしい事がわかった。「うん、やはりそうか。ま、なんとなく私はそうなる事を予感していたよ。…となると、私と"あの手紙"の出番というわけだ。」話している途中で視線を彼から自分のコートへと移すと、片手を伸ばしてコートを引っ掴み、自分の方へと引き寄せて内ポケットからゴソゴソと何かを取り出した。ポケットに入れていた為か初めより少しクシャッとしてしまった古い手紙を取り出すと彼に見せた。「古典的なやり方ではあるが…まぁ、とにかく彼の元へ行けば分かるだろう。」そう言うと手紙を再びコートのポケットの中に突っ込んで。「はぁ全く。帰ったらまずはピアノを弾くとしよう。久々に音楽が恋しいよ。」溜息がちに言いつつ彼に笑いかけて )
( / そうですよね!笑 というか思ったんですがパブリックスクールって女人禁制でしたっけ…?笑 やっぱり普通にハイスクールですかね。笑
そうですね。ではこちらも考えておきます!
また何かありましたら遠慮なく仰ってくださいね! )
101:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-06 20:25:10
その手紙…たしかクレア・ボスロイドの書いた手紙だったか?
( ホームズが取り出した古い手紙は内ポケットに保管されていたせいか少々クセがついていたが、幸運な事に血が付着することはなかったようだ。中に何が書いてあるのかは分からないが彼の口振りからしておそらく頑なに真相を話すことを拒む犯人にとって良い薬になるのだろう。そこでまだ一連の事件が収束していない事にあらためてはたと気がついて。犯人の逮捕で一先ず連続殺人の悪夢自体は既に終幕し一区切りついていたので危うく忘れるところだった。そしてホームズは最後まで見届けないと落ち着かないはずだ。おそらく担当してくれたERの医師からも説明があったはずだが念には念を、と思い腕組みをしてじろりと相手を見やり「…言っておくが君は最短でもこの病院に二泊三日コースだぞ。特に手術前はベッドの上で絶対安静だ。君は肩を骨折してるんだ…包帯である程度固定してあるとはいえ今無茶に動けば骨のかけらが転位しかねない。僕は君の肩がトゲトゲになるのは嫌だぞ。無理しないと僕と約束してくれるよな?」一応尋ねる形ではあるもののその問いかけは相手にイエスとしか言わせないぞというやや高圧的な態度で。そして右手を顎に添え少し視線を逸らして彼のやり遂げたい仕事が今後いつ実現するか考えを巡らせると「幸いそんなに腫れてないから明日には手術できるんじゃないかな。それまでの辛抱だ。犯人は逃げやしないさ。完全黙秘してるなら取り調べも長引きそうだし」と自分の見解を述べ。音楽が恋しいという彼の言葉にふ、と表情を緩めると柔らかに微笑みかけて。
「ふむ、久しぶりに君のピアノが聴けるのか。それはとても楽しみだね。…じゃあ僕は今夜は家に帰るよ。明日非常勤の仕事が終わったら見舞いに来る。何か必要なものとか欲しいものはあるかい? 」)
(/ああったしかにそうですよね!名門校は男女別学な気が…!!じゃあ旧友も男でいいですかね笑 ホームズくんはいいとこの学校通ってそうですし。
はい、かしこまりましたー!)
102:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-06 23:00:04
( 引き寄せたコートを元の場所に戻すには少し遠い位置にコートスタンドがある為に、掛けることを諦めてベッドの上にぽいと放り投げる。「その通り。まぁ気になる内容は尋問室で披露するとしよう。」彼に向けてニコリと笑いかけながら意気揚々と語る。ミス・ボスロイドの手紙の内容は実際読んでみるととても純粋で一途な愛が語られていた。それは犯人であるショーン・ノリントンという男と彼女の関係が円満であり素晴らしいものであったことを物語っていた。だからこそこの手紙は犯人を捕まえる際に使おうと思っていたのだったが。然しこの手紙に新たな使命が与えられたのは明確だ。彼にじろりとした瞳で見られ、高圧的且つ絶対的な態度でそう告げられると思わずたじろいだ。「ぅ、…まぁ医師である君の言う通り安静にしておこう。絶対とは言いきれな…あ、いや、何でもない。」言いかけた途中で彼の目が鋭く光ったように感じるとすぐ様言い直してははは、と誤魔化し笑い。「ふむ。その点について心配はしていないんだが…アッシュフォード夫人を殺害しようとした時の犯人の行動に幾つか疑問を抱いた。私はその事と残りの幾つかの犯行の手口についての事実を知りたいと思っている。ああ、もし興味があるのなら君も来てくれて構わないぞワトソンくん。」暫し眉根を寄せてずっと気になっていた事を口にすると何処かをじっと見据え、右手の指の腹で顎の辺りを撫でた。一人目の被害者から四人目の被害者までは___不謹慎ではあるが___素晴らしいまでの完全犯罪が成し遂げられていた。だが何故か今回は違い、誰が見ても素人だと分かるくらい無防備で粗雑な犯行だった。これが何を意味するのか。もしかしたら共犯者、或いは裏で操っていた人物が居たのかもしれないと考えを巡らせた。「安心したまえ、もう朝の3時にピアノは弾かない。4時か5時にしておくよ。」久しぶりだ、と頬を緩ませる彼を見て冗談っぽくそう言い、何時ぞやか 突然のインスピレーションに突き動かされ午前の3時過ぎだったのにも関わらず盛大にピアノを弾き始め、飛び起きたワトソンにこっぴどく叱られたのを思い出して一人クス、と笑みを漏らした。「ん、もう帰るのか。足元に気をつけて、雪道は君の足では歩くのが少々辛いだろう?…わかった。そうだな、レコベリー通りにあるマリオン・アンド・ウイリアムズのフィッシュアンドチップスが食べたい。あそこのサパーは隠し味に林檎のすり身とスイス産のビールを使ってるんだ。」そう告げると口元を緩ませて )
( / うわあこちらの失念でした、申し訳ないです汗汗
わかりました!では折角なので代わりに先生の方を女性にしますか?
はい! )
103:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-07 14:57:58
そうか。まだこの一連の事件は終っていないのだな。無論僕も君にお供する事にするよ。
(どうやらホームズにはこの事件に関して引っかかる所が未だに多くあるようだ。ならば自分はそれを最後まで側で見届けるまでだ。
「それあんまり変わらないじゃないか」彼の冗談にじろ、と睨んでみせるがすぐに笑いだしてしまい。レコベリー通りのフィッシュ&チップスの店を記憶の中から引っ張り出してきて、“分かった。買ってくるよ”と口を開きかけたとき、彼に手術が控えていることを思い出して。「あー…大変申し上げにくいんだが麻酔を使うから手術の8時間前からは絶食だ…。だから手術が終わってからだな。うん、お楽しみが増えたじゃないか」軽く咳払いすると気まずそうにそう言い。おそらく彼はもどかしい思いをしていることだろう。事件は未だ解決していないのだからなおの事だ。
「うんありがとう。さて、じゃあもう行くよ。おやすみ、アルバート。……愛してるよ」足をさすると意を決して立ち上がり挨拶を述べたのち、一瞬の間があってから普段は口が裂けても言わないような言葉をそっと呟いて。気丈に振舞ってはいるもののどうやら彼の怪我は自分を弱気にさせるには充分過ぎたらしい。
その翌日は何かと散々だった。あの忌々しい弾丸がホームズの心臓を貫くぞっとするような悪夢をみて、深夜に自分の声で目が覚めた。それからは浅い眠りと覚醒の繰り返しが続き、ようやく深い眠りに入りかけたところで耳障りなアラーム音に叩き起こされて。仕事中も睡魔と疲労との戦いは続き、余程疲れた雰囲気を醸し出していたのか看護師のみならず患者にまでどうしたんですかと声をかけられてしまった。
午後に仕事が終わって見舞いに向かうと病院の廊下で彼の担当の医師とばったり会った。経過は順調らしい。一先ずほっとして彼の元へ向かう。
「やあ。どんな感じだい。もうこれから手術なんだって? 間に合ってよかったよ」と笑ってそう声をかけて。手に持っていた紙袋を彼に見えるように持ち上げると「退院した時のために着替えを持ってきた。シャツとコートは僕のお下がりで悪いけど、血塗れのを着て職質されるよりはましだろ」そう言ってベッドのそばの小さな机の上に置き。)
(/いえいえそんなとんでもないです! こちらこそ全く気がつかず…汗
そうですね、先生は女性にしましょうか。悪女の描写に腕がなりますね笑)
104:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-07 18:41:24
( 彼の言葉に頷く。自分にとって心の拠り所でもある彼が傍に居てくれることはいつだって非常に心強かった。今回もそうだ。必ず犯人から情報を得る自信が何処からか湧いてくるのを感じる。彼が笑い出した時に釣られてこちらも笑みを漏らした。然し直後に彼の口から出てきた言葉にハッとさせられる。そういえばそうだ、と改めて気がつけば苦笑いを浮かべて。「私の楽しみはいつでも何かに邪魔されるな」なんて皮肉って言ってみるものの、退院したあかつきにはもれなく犯人への尋問とフィッシュアンドチップスとワトソンの手料理が待っていると思い直すことにして。そろそろ、と椅子から立ち上がって別れの言葉を口にした彼を見た。「おやすみユキヒコ。私も愛して…え、君、今なんて?」愛している、と言いかけた途中で彼が自分に向けて何を言ったのか気がつくと即座に耳を疑い動揺しつつも問いかけた。彼は確かに愛していると言った、と、思う。そんな言葉は驚きと喜びで心を満たすのに1秒もかからなかった。彼の顔を改めて見上げて満面の笑みを浮かべた。
彼が帰った後の病室はなんだか物寂しく、怪我を負っていることもあってか心細く感じた。暫く事件の事やワトソンの事について考え込んでいると気がつけば時刻は既に午前2時を回っていた。もう寝よう。そう思ってゴロンと右肩を下に寝返りを打てば静かに目を閉じた。それでも瞼の裏に浮かぶのは犯行の手口の事だ。頭の中で犯人がどう動いたのか、どう計画を立てたのか、どうやって途中まで完全犯罪を成し遂げていたのかを推測していく。然し段々思考は停止していき、気がつけば深い眠りに落ちていったのだった。 目が覚めたのは時計の短針が10時を指した頃だった。包帯のせいで少々動かしづらくなった左肩を庇いながら身を起こすと看護師が気分はどうか、と尋ねてきた。"まぁまぁだ。"と答えると看護師はニッコリと笑い、手術の時間まであともう少しありますから、とゆっくりと過ごすように指示を出した。どうにもこの時間が暇なもので、コートのポケットの中に入れていた本を取り出す。表紙の端には自身の血が少し付着してしまっていて、真ん中には汚れたゴールドで"What is freedom?"といったタイトルが書かれている。くすんだマホガニー色のその本は見るからに何年も前から繰り返し読まれているのが分かるくらいにボロボロになっていた。実はこの本の作者であるクリスチアン・アンダーソンの密かなファンである自分は彼の著書を沢山所有していた。その中でも自由とは何か、というフレーズを題材としたこの本は非常に興味深く何度読んでも考えさせられる。紙と紙との間に挟んでいた栞を手に取り初めのページに挟み込んで読みかけのページに目を通した。そして暫く没頭して読み続けていると足音が聴こえてくる。堅い革靴の底の音と規則正しくあるが特徴のあるその聞き慣れた足音に「ワトソンか。」と呟いた。「ああ、君が来てくれて大変心強いよワトソンくん。」本から視線を彼に向け、ニコリと笑いかけてそういった。「ありがとう。いやいや、君のお陰で私は服を買わなくて済むからね。助かるよ。」冗談とも本気とも取れないようなニュアンスでそう言うと彼の顔色が多少悪い事に気がつく。「ところで何か悪いことでもあったのか?随分と顔色が悪いみたいだ。ちゃんと昨日は睡眠を取ったのか?」相手の顔をのぞき込みながらいつもは自分自身が相手に言われるような言葉を口にして )
( / あ、そうだったんですか!いやぁそう言っていただけて助かります笑
了解しました!本当ですね笑 どれだけ悪い女性になるのかワクワクしてます笑 )
105:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-07 20:45:46
(どうやら彼は読書をしていたようだ。体調もそんなに悪くはないようで安心した。
彼の本気とも冗談とも取れる言葉に「そうか、それならよかった」と、うわの空で謎の納得を示す返事をしたものの内心ではんん?とやや違和感を覚えて首を捻り。単なる思い過ごしにすぎないとは思う(むしろそうであってほしい)が、ホームズと暮らしていると時々彼の思い通りに誘導されているような気がする事がある。
ホームズの的確かつ核心をついた観察結果に目を丸くして一瞬固まり、「ああ…うん」と歯切れの悪い曖昧な返事をすると側にあった丸椅子を引き寄せて座りしょんぼりと肩を落として。「しまったな、君にはバレないようにするつもりだったんだ。君に隠し事はできないね。…ま、ホームズを欺けたら表彰ものだけど」眼鏡を外して眉間を押さえ、もう一度眼鏡をかけて彼を見つめると少し落ち込んだ様子で微笑んで。「実を言うとあんまり眠れていない。それも些細な理由からなんだけど、夢を見たんだ。その夢で君は心臓を撃ち抜かれてしまうんだ…僕に出来る事は何一つなくて、僕は腕の中で体温を失っていく君を……」そこで言葉がつかえてしまった。いつの間にかひどく沈んだ声音と表情になってしまっていたことに気がつくとぱっと顔をあげて虚勢をはるように普段の自分を演じ。「すまない。こんな話、縁起でもないよな。君はこうして生きているんだから何も落ち込む必要は無いのにね。少しだけ感傷的になってしまっているみたいだ」言葉の裏に自嘲を隠して力なく微笑み。
「昨夜も僕、変じゃなかったかい? その…あれは気が動転していたからつい口が滑ったんだよ。早急に忘れるように」昨夜の彼の表情を思い出して僅かに頬を赤らめ、それを悟られまいとして顔を背けて片手の拳で咳払いをするように口を覆い。あの時の彼の表情が忘れられないでいた。彼の驚きと喜びの混じった素直な笑顔にどきりとしてしまう。うっかりさらっと言ってしまったが、あの笑顔で “言ってしまった!!” と自覚し照れてしまったのは確かで。)
(/ はい、楽しみですね〜笑 ではまた何かありましたらお呼びくださいませ!)
106:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-08 13:02:33
( 彼は曖昧な返事で言葉を濁す。肩を落としてポツリポツリと弱音のように話す言葉に耳を傾ける。「ふむ、どうやら事件の反動があとになってきたようだな。」話を聞く限り、と簡単に分析してみる。酷く落ち込んでいる様子の彼を見てこれは相当だな、なんて考える。そして手を伸ばすと彼の手を手に取り、両手で包み込んだ。「どうだ?私の手は冷たいか?君が現実を見ているなら私の手は暖かいはずだよ。」そう言って不安そうな相手に慰めるかのように優しく微笑みかけた。「だいぶ疲れてるな。少し休んだらどうだ?私の胸を貸してやってもいいぞ。」心配しつつも冗談を交えて笑った。半分本気で半分冗談のつもりだ。ふふん、と自分が怪我をしている側であるのにも関わらず上から目線である。彼がほんの少し頬を赤くさせて忘れろ、と言うのを聞くとわざとっぽく腕組みをして考える素振りをしてみせる。「んん?昨夜か。えーっと何があったかな?ふむ、思い出せないなあ。」どこかニヤついた表情を浮かべて相手の顔を覗き込んだ。自分で言っておいて照れている彼が可愛らしくてついついからかいたくなったのだ。「あーなんだか思い出せそうな気がするなあ。あから始まってよで終わる言葉だったような」そう言うとたまらずニヤッと笑う。愛してるという言葉はめったに聞けたものではないからだ。「ま、そう照れるなワトソンくん。そう可愛らしい態度を取られるとこちらとしてもそれ相応の対処を取らせてもらうことになる。」最後に一言付け足すとゴホン、と咳払いをする。赤らめた頬でこちらを見つめられるとどうにもキスをしたくなるのを頑張って抑えなければならないのが辛く )
( / かしこまりました!では背後は一旦失礼致しますね! )
107:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-08 18:40:11
( 彼の手が自分の片手を引き寄せ、両の手で包みこむ。穏やかな温もりにはっとして彼を見つめて。「うん…温かいな、君は。」両目を細めて安堵した微笑みをうかべて、噛みしめるようにぽつりとそう言って。その温もりで初めて本当の意味で彼が生きている事をはっきりと確信できたような気がした。彼がどこか得意げに冗談ぽく言うのでどうにも可笑しく堪えきれずにふふ、と笑みを漏らす。こうしていると鉛のようだった心が随分軽くなるようだ。「はは、怪我人の君に看病されては世話がないね。君が良くなってくれれば僕も平気さ。ついでにこれからはあんまり危険な事をしないようにしてくれると僕の寿命が延びると思うんだけど」お返しにとばかりに冗談めかしてそう言って。しかしおそらく自分がこんな事を言ったところでホームズはこれからもそれが正しいと思えば無茶な判断も強行するだろう。彼がそういう意味で真っ直ぐな人物なのは分かっていたつもりだったが、どうやら考えが甘かったらしい事を今回の一件で知った。自分は彼の側に居てやるくらいしか出来ないのだろうか。
彼がいつになく生き生きと追い討ちをかけてくるので益々照れくさくなる。“アルバートめ、はっきり聞いてしっかり覚えてる癖に!”と心の中でぼやいてまだ微かに熱の残る表情で恨めしそうにじろっと睨み。「ああもう! 違うんだ! 本当にアレはうっかり口が滑っただけなんだって。いや、もちろん本当はそう思ってないとか嘘を言ったってわけじゃないんだが…」慌ててどうにか誤魔化そうとするが動揺しすぎて墓穴を掘る一方なのでそこで口を噤んだ。片手で目頭を押さえてはぁ…と力なくため息をつく。彼の付け足した一言に顔を上げると「相応の対処? なんだろう。“僕はヘタレです”って書かれたTシャツを着せられるとか? ははは…もういっそ楽しみだよ」遠い目をして力なく呟いて。
それから暫くして1人の看護師が車椅子を押しながらやってきた。彼女は『これから手術の準備にとりかかりますからね〜』と告げると手際よくホームズのバイタルチェックを始めて。手術は大体2時間前後らしい。その間にレコベリー通りに行ってこようかな、などと考えながら準備の様子を眺め。「いってらっしゃい」と、微笑んで彼を見送り)
(/ はーい! それでは引き続きよろしくお願いいたします!)
108:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-08 21:07:27
( ホッとした様子の表情を浮かべた彼を見て微笑んだ。ようやく心の底から笑ってくれたような気がしてこちらも心に安心感が広がっていくのを感じる。笑みを漏らして冗談っぽくそう言った彼に釣られて笑い。「残念ながらそれは保証出来ないな。私は探偵として犯人を突き止め、犯行を阻止するという義務がある。ま、でも確かに君の言う通りかもしれない。暫くは危険とは無縁の生活を送るとするよ。…入院なんて無駄な時間をこれ以上過ごしたくないからね。」彼にはそう返した。彼がどんな気持ちでああ言ったのかは分かっているつもりだ。然し危険を冒さない約束はやはり出来なかった。それは自分自身の探偵としての性格と彼なら分かってくれる、というほんの少しの甘えから出てきた答えで。じろっと睨んでくる彼だったが少し照れた様子が垣間見える為か全く迫力を感じられない。「ぷっ…君は動揺すると自分から墓穴を掘っていくな。聞いてて飽きないよ。」笑いを含んだ声色でまたからかうように言う。全く可愛らしくてたまらない。慌てる様子もしっかりとこの目に焼きつけておこうと密かに思うのだ。「はははっ、そうじゃないよ。私が考えていたのは…あ、でもそれも面白そうだ。」途中まで言いかけて彼のいうヘタレTシャツの案に興味を示して。特注で作らせて本当に着せてみようかな、なんて悪戯心が密かに湧き出してくる。そんな事を考えていると自然と口元に笑みを浮かべてしまうのだ。
自分に向けて微笑みかけてくれる彼に安心する。「ああ、行ってくるよ。」看護師の指示に従いながらこちらも彼に向けて笑みを返した。そろそろか、と思うもののやけに冷静だった。最後に彼の顔を一目見てそれから看護師に連れられるがままに手術室へと向かった。手術衣に着替え、手術室に入り台の上へと横になった。それから全身麻酔を打たれ、真上から自分を照らし出す明かりを最後に意識が途切れた。
気がつくと自分は再びベッドに横たわり真っ白な天井を見つめていた。時刻を見ると先ほど見た時より2時間弱は経っていた。肩に視線を移すとどうやら手術は成功したようだった。横には担当医が立っていて様子はどうですか、と尋ねてきた。「かなり良いですね。」と答えると担当医はニコリと微笑んで、それは良かったです、と返事をした。それから今度は自分が医師に尋ねた。「今日中には帰れますね?」すると担当医はゆっくりと頷き、約3時間お身体を回復させていただければすぐに、と返した。その言葉をきいて嬉しそうな表情を浮かべると、辺りをキョロキョロと見渡した。ユキヒコは何処だろうか、と )
109:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-08 23:33:50
( その日の午後は曇っていたが雪は降っておらず比較的過ごしやすい日だった。手術室へ向かうホームズを見送ってから1時間後、病院前の大通りをのんびり歩いている。なるべく悪い想像をしないようにしながら。彼を見送ってからしばらくは病院の廊下に設置されたベンチに腰掛けて、ぱたぱたと小走りで行き交う看護師や医師を眺めるでもなく眺めてみたり、偶然会った昔馴染みの医師と少しの間雑談をしたりして時間を潰していたが病院にいるとどうにも手術室の中の様子が気になってソワソワしてしまう。そういう訳で、思い切って外へ出かける事にしたのだ。ステッキが地面に触れて規則正しくコツコツと鳴る音、ロンドンの街並み、行き交う人々。それらに意識を集中していれば何も考えないで済む。大通りを30分程真っ直ぐ進むとレコベリー通りにぶつかる。小さな飲食店や雑貨屋が並ぶ小洒落た通りを道なりに進み記憶を総動員させようやくマリオン・アンド・ウイリアムズにたどり着くとフィッシュ&チップスを注文して。お金を払って品物の入った温かい紙袋を受け取ると足取りも軽く元来た道を戻り。
彼のいないがらんとした病室に戻ると思うとなんとなく気分が沈む。しかし病室の入り口で彼の担当医とすれ違い、おや?と思って二時間前に彼が横たわっていたベッドへ目をやると、ぱっと表情を明るくして。「アルバート」そう彼の名を呼んだ。どうやら手術は思っていたより早めに終わったらしい。
「お疲れ様。無事に終わったようで何よりだ。…ああそうそう、これなんだと思う? 気分が悪くなければ一緒に食べないか。ほっとしたら僕もお腹空いてきたよ」椅子に腰掛けながら店名の入ったまだ温かい紙袋を彼に見せ、微笑んで。
「ところでどれくらいで退院出来そうか聞いたか? 君、どうせ此処から直接拘置所に向かうつもりだろ。警部に連絡入れとこうと思って」出来れば家に帰って安静にしていて欲しいものだが彼の性格ではそんな穏やかな夕どきは望めないだろう。それに事件の完全な解明は彼にとって何よりの薬だ、と半ば諦念の如き心境で。)
110:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-09 15:13:33
( 担当医が病室を出ていくと入れ違いで彼が入ってきた。彼は自分の顔を見ると同時にパッと表情を明るくさせてこちらの名前を呼んだ。どうやら手に持っている紙袋から香るのは香ばしいフィッシュアンドチップスのようで。「ああ、ありがとう。最高の気分だよ。ん、勿論いただこう。」ニコリと笑いかけながらそう言うと紙袋を受け取ろうと手を伸ばして。まだ肩は動かしづらく、右手だけを動かす。「うーん、このM&Wのマークは懐かしい。久しく通っていなかったからね。」暫く出かけていなかった事と仕事とが重なってフィッシュアンドチップスを味わう機会が減っていたのを改めて思い出す。「その通りだ。あと3時間身体をゆっくりと休ませればすぐにでも帰れると聞いたよ。」彼の言葉に頷いてそう言うと言葉を続ける。「なら早速警部に電報…じゃなくてメールか手紙でも送っておいてくれ。3時間後にそちらへ向かう、とね。」最近はあまり使われなくなった電報という手段は古臭いだろうか、と思い直して言いかけた途中で言葉を変えた。手術前に読みかけていた本をコートの中から引っ張りだしてついでに彼の持ってきてくれた紙袋の中に手を伸ばしフィッシュアンドチップスの一欠片を取り出した。口に含むと懐かしい味が口の中に広がっていった。「懐かしいな。前はよく食べていたものだったが…ところでワトソンくん。君はクリスチアン・アンダーソンのThe difference between the dwarf and the elf _ドワーフとエルフの違い_ という本を読んだことがあるかな?」本をベッドの横に付属されている小さなテーブルの上に置くと視線を彼に向けて問いかけた。「もし読んでいないのならば、一度目を通してみるといい。題材は小人達だが、人の見分け方がよくわかるよ。これから先役に立つだろう。」そういうと再び本に視線を戻して )
111:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-09 16:48:38
( 彼がにっこりと笑ったので安心した表情になり。しかし左肩を庇って右手だけで紙袋を受け取る仕草に気がつくと数秒の僅かな間じっと左肩を見つめて。傷を意識するとまだ少し胸が痛む。彼の言葉に我に帰ると肩から目を逸らして頷いて。「ああ、勿論さ。電報でもEメールでもここは君の助手に任せておきたまえ」わざと厳めしい表現で冗談ぽくそう言い、ポケットからスマートフォンを取り出して早速レストレード警部にメールを送った。メールを送ってしまうと自分もひょいとフィッシュ&チップスを摘んで口の中に放り込んだ。そういえば今日は朝から何も食べてなかったな、と思い出すと安心したのも相まって余計に空腹を感じて。空腹は最高のスパイスと言うがそれを抜きにしても美味しいフィッシュ&チップスだと思う。「そうだな、君は随分忙しかったようだしね。一緒にあのフラットで暮らし始めてから随分経つように思うけど、大抵君はいつも何らかの事件に関わってる気がするよ」初めて彼の捜査を目のあたりにした時の衝撃は忘れられない。そしてどうやらあの時からずっと虜のようだ。
「いや、読んだことないな」ちらりと机の上に置かれた本に目をやる。著者は“クリスチアン・アンダーソン”とある。そういえば時々彼がこの著者の本を読んでいるところを見かける気がする。「君がそう言うならきっと有意義な本に違いないね。今度読んでみるよ。…でも僕はホームズのようにはなれないだろうな。僕は__大抵の人間はそうだけど__物事の表面、それも本当に目立つ箇所にしか気付くことが出来ない。でも君は裏側まで見透かしてしまう」そこで一旦言葉を切ると彼に視線を戻して。「例えば…そうだな、君の手術を担当してくれたあの医師についてだ。僕が観察して分かったのは年齢は30代後半くらい、左手に結婚指輪をしていたから既婚者、人当たりが良くて使命感を持った情熱的な仕事人って事くらいだ。君はどうだい?」脚を組んで両の手で膝を抱え込むように座り直すと記憶の中のホームズの担当医をなるべく鮮明に思い出して。)
112:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-09 18:19:06
( 態とらしい口調で得意げに言うので思わずふふ、と笑ってしまう。早速警部にメールでも打っているのだろう。スマートフォンを取り出して指先を慣れた手つきで動かしている彼を暫くの間見つめていた。「ああ、期待しているよワトソンくん。」なんてこちらも合わせて同じような口調__というか普段とあまり変わらないが__で返す。フィッシュアンドチップスをまた1つ摘んで口の中に放り込む。衣に加えられている隠し味のビールと林檎の甘味が丁度良くマッチしていてとても美味しい。彼の言葉に少し首を傾ける。「そうだったかな?私はこの生活リズムが普通だと感じているから分からなかったな。…ま、君が言うなら忙しかったのかもしれない。」常に謎や事件と深く関わる職業故か、他人がどのような生活を送っているのか興味を示したことも知る機会もなかった。それに自身の性格上、1つの事に没頭すると眠気も疲れも感じないのだから余計気がつかなかったのだ。そういう点については彼はよく見てくれているな、なんて思ってみたり。彼の突然の推察を興味深そうにじっと聞いていた。彼が何をどう見てそこから何を導き出したのかを聞くのが新鮮でとても面白かった。聞き終わるとふむ、と顎に手を当てた。「なかなか良い推理だ。既婚者というところは勿論当たりだ。年齢も皺や髪の色、全体的な外見からして恐らく合ってるんじゃないか?」そこまで言うと一旦言葉を区切って考え込んだ。そしてすぐにまた口を開く。「…そうだな。私の推察では、あの医師は人と話す時 初対面の人が相手でも_まぁその相手が私なわけだが_目線を合わせ、はきはきと淀みのない返事をした。これだけでまず彼は自信家であり何事にも協力的な人物である事が分かる。それから仕切りにウエットティッシュで手や指先を拭いていた。恐らく潔癖症なのだろう。キッチリとした身なりや、私の病室から出て行く際に花瓶をわざわざテーブルの真ん中に起き直して小さな埃をゴミ箱に捨てていった事からもそれが伺える。あと右手の人差し指の横にマメが出来ていた。勉強熱心で真面目な性格で周りからの信頼も厚い。_これは手を見て推測しただけに過ぎないことだが_ 趣味は読書で休日は1人で過ごすことが多い。ああ、それから彼の歩き方をじっくりと観察したかい?ほんの僅かにだが左足を引きずって歩きづらそうにしていた。多分持病か過去に軽い事故に遭っているかのどちらかだ。」そこまで一気に言ってしまうと一呼吸置いて彼を見た。「私の推理は以上だ。答え合わせは病院を出ていく時でも遅くないだろう。質問はあるかな?」に、と笑ってそう言い )
113:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-09 21:37:22
( 彼はまるで一言一句違わず用意された台本通りに台詞を読み上げる舞台俳優のように途切れる事なく自身の推理を述べた。こちらが口を挟む間も無くつらつらと続く言葉を聞きながら驚きと好奇心の入り混じる、実に楽しそうな表情で彼を見つめて。
「いいや、疑問点は全部君がすっかり説明してくれたとも。まったく、君の推理にはいつだって驚かされるよ。探偵は君の天職に違いないね。レストレード警部が毎度毎度君の元へ訪ねてくる理由もよくわかる」非常に感心した様子でそう言い。彼の推理を聞く機会は多いが毎回違った新鮮さがあり飽きることがない。こんな事を言うのは一般的な倫理観からすると不謹慎な話だが事件解決の過程を楽しんでいる自分が少なからずいる。はたから見れば似ても似つかないだろうが、ある意味でホームズと自分はよく似た同類なのだと思う。
そうこうしているうちにおおよそ3時間が経過して。例の担当の医師が看護師を1人引き連れてホームズの元へやってきた。今まで気がつかなかったがよく観察すると左足を僅かに引きずっているような不自然な歩き方をしている。彼はホームズに明朗快活に質問を投げかける。『肩の痛みは如何ですか? ご気分は悪くありませんかな?』手際よく診察をする両手の爪は几帳面に切り揃えられ汚れひとつない。右手の人差し指にはマメがある。面白いほどホームズの言っていた通りなのでにやっと笑ってホームズに“君の言っていた通りだ!”と目で会話して。ポケットに入れっぱなしになっていたスマートフォンが鳴り、見るとレストレード警部から面会の了承の連絡だった。)
114:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-10 09:10:22
( 2人で暫くの間楽しい一時を過ごしていると早くも3時間が経ったのか、担当医が自分達の元へとやってきた。テキパキとした口調でこちらにそう問いかけてきて、自分は少し笑みを浮かべて言葉を返す。「問題があるような事は全く。先生のお陰です。」こちらの言葉に担当医はニッコリと爽やかな笑顔を浮かべると、それは良かった、と言った。チラ、とワトソンの方を見ると目線で"君の言う通りだ"なんて事を言ってきたのでこちらも目線で"観察して人物像を作り出すのは基本的なことだよ、ワトソンくん。"なんて悪戯っぽくこっそり笑って見せて。『それではペンバートンさん、もう体調も良さそうなら退院出来ますよ。おめでとうございます。』担当医とその横に居る看護師も微笑みながら祝福の言葉を送ってくれた。ありがとうございます、とこちらも返す。再びワトソンの方に視線を移すとスマートフォンを取り出して画面を覗いていた。恐らく警部からだろう。「さぁ、もう外に出られるというのならグズグズしてはいられないな。早く警部の元へ行こう。」ワトソンが持ってきてくれていた、彼のお下がりの服に着替えようと手に取りながらそう言った。病衣の上衣部分をいつもの調子で脱ぎ捨てるようにしてしまい____たかったが左肩が引っかかって上手く脱げなかった。そのため右手で左袖を引っ張ってようやく脱いでしまうと綺麗に巻かれた包帯が顔を覗かせた。彼のシャツに腕を通すと割と丁度良く、ついでに言うと彼の香りに包まれて心がホッとしたような気がした。担当医と看護師が『それでは請求書が出来次第、お部屋までお呼びに伺いますのでその際は1階の入退院フロントまでお越しください。』と丁寧に説明して病室を出て行った。ズボンの方も着替え、彼のコートを手に取ると机に置いた本をポケットに突っ込み、自身の穴あきコートから懐中時計と手紙を取り出して新しい方にしまいこんだ。「さて、私の方は準備完了だ。聞くまでもないだろうが、君は?」そう言ってニコリと笑いかけながら彼の方を見て )
115:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-10 13:03:50
( ホームズの悪戯っぽく意味を含んだ笑み。担当の医師は自分が話題になっていたともつゆ知らず人の良さそうな笑顔でホームズに祝福の言葉を送る。警部からのメールには拘置所の住所も書かれていた。タクシーを捕まえれば直ぐに着く距離だ。“グズグズしてはいられない” という実に彼らしい言葉に目線をスマートフォンの煌々と眩しく明るい画面から目線を病室内に戻すと看護師から会計の説明があり、そして医師と看護師は去っていった。手持ち無沙汰なのでぽいと脱ぎ捨てられた病衣を律儀に畳んで机の上に置いたり、彼が肩のせいで着替えにくそうにしていれば少しだけ手伝ってみたりして。しかしそれにしても___と、シャツのボタンを留める彼を不意に眉間にしわを寄せてじろ、と睨んで。自分で用意しておきながら言うことでもないが彼が自分の服を着ていると妙な感じがする。…いやダメだ。自分で用意してるんだからこれでは相当にアブナイ奴になってしまう…。そんな葛藤に頭を悩ませていると会計の準備が整ったらしく看護師が呼びにきた。一階へ降りて会計を済ませ、併設された薬局窓口で痛み止めと腫れ止めの薬を受け取り。医療費諸々はゼロ、払ったのは薬代のみ。この医療制度には色々問題は多いものの我が家の経済状況からすれば高福祉社会に感謝するばかりだ。病室へ戻ると彼の支度も整ったようで。彼はにこりと笑ってこちらの用意を尋ねた。「無論さ。さあ行こう」口角を少し上げてそう答えて。
さて閑話休題、僕らが向かうべき場所はただ一つだ。外は夕やみが差し迫っており些か不穏な空気を感じたものの決着をつけるべきは今日であると分かっていて。コートの襟を正して気持ちを入れ替えると大通りに出てタクシーを止め彼と連れ立って乗り込む。レストレード警部のメールに書かれた住所を運転手に告げると一瞬の間ののち承諾の返事があった。まあ病院から出てきた男二人がその足で拘置所へ向かうとなれば普通は何らかのドラマを想像するだろう。
拘置所の入り口で相変わらず浮かない表情を浮かべたレストレード警部が出迎えてくれた。簡単な挨拶を交わすと彼は取調室へ僕らを案内しながら状況を説明する。『あれから私どもで取り調べを続けていますがサッパリで。膠着状態ってところですね』そう言う彼は苦々しい表情で。)
116:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-10 16:34:31
( 彼が慣れた手つきでシャツのボタンを留めた。その行動に不覚にもドキリと心臓が高鳴ってしまう。"全くこの無意識な行動がどれだけ私の心を乱していくのか自覚しているのかな。"心の中で呟く。看護師からのお呼び出しがかかりワトソンと2人で1階へと降りていった。支払いや薬の受け取りは全てワトソンに任せると自身は先程コートにしまいこんだ懐中時計を取り出して時刻を確認していた。そろそろ夕方になる頃だ。彼と共に病院を出てすぐにタクシーを捕まえると目的地を伝えてその場所まで送ってもらう。
拘置所に着くとレストレード警部が自分達を出迎えてくれた。どうやら未だに犯人は口を割らない様で、苦戦している様が警部の表情を見て取れた。苦々しい表情を浮かべ、取調室まで案内してくれながらそんな事を言った。「…なるほど。分かりました。とりあえず、まずは私と彼とワトソンの3人だけにしていただけますか?警戒させてしまっては元も子もありませんので。」警部は少し躊躇した表情をしたものの、すぐに分かりました、と言って了承してくれた。中に入るとこじんまりとした狭い部屋の真ん中に置かれた小さなテーブルと粗末な椅子に座り、俯いて暗い表情を浮かべた男と、部屋の隅で黙々と機械的に仕事をこなす1人の警官が居るだけだった。自分達の気配に気がついた男はゆっくりと顔を見上げると落ち窪んだ目で睨むようにこちらを見つめた。男の向かい側に用意された簡易的な椅子を引いて腰掛けると男の方から口を開いた。『…俺は何も言わないし、言うつもりもない。』ふてぶてしく険のある声で男は言った。「ふむ、どうやらその様だ。君は頑固で自分の意志は必ず貫き通し、周りとの馴れ合いを嫌う。頭もよく切れ、その上相当我慢強い。…だが、そんな貴方がなぜ誰かも知らない人物の命令を聞いているのです?」そう言うと男はハッと驚いた様な顔をし、それと共に怯えたような表情も浮かべた。『な、なぜ…いや、俺は知らな…ああ、どうして?』かなり動揺していて嘘をつけない様子だった。慌てて目線を逸らした男にやはりか、と心の中で確信した。「ええ、ただ貴方を観察して推測しただけの事です。高確率でそうだとは思っていましたが、その反応を見る限りどうやら当たっていたようですね。私が貴方に聞きたいことは2つあります。」話しを持ちかけると男は身を引いてこちらの言葉を拒むようにした。それでも構わず話を続ける。「まず、貴方の犯行の手口についてだ。1人目の被害者、アンドリュー・カインは頭部を強く凶器で打ちつけられ死亡した。遺体付近には犯人の手がかりとなるようなものは何一つ見つからなかった。恐らく貴方は彼を撲殺したあと、何か手がかりとなってしまうようなものはないかと徹底的に探し出したのでしょう。そして破片や足跡を残さないような全て消し去った。」男はこちらの話を聞くうちにみるみる顔色が悪くなっていった。「2人目の被害者、アザレア・マクアードル、3人目の被害者、チャド・ビリンガムの時も同様。然し変ですね?頭が切れるとはいえ、全くの素人である貴方がこうも簡単に完全犯罪を成し遂げられるとは。もしやと思いますが、裏で誰かに復讐をするよう焚き付けられ、その上警察に見つからないよう口添えもされたのでは?」その言葉をきいた男はサッと顔を青白くさせてこちらに視線を向けた。何かおぞましいものでも見るかのようだ。『あんたは…あんたは一体…何処かで俺を見ていたのか?何が目的だ?もしや…奴の使いなのか?俺を…俺を殺す気か!?』震えた声ではあるものの段々落ち着きを無くしてそういう男。「そうではありませんよ。私はただ、私の推理が正しいかどうか知りたいだけです。さぁ、お願いです。私に教えてください。」宥めながら言うと椅子から身を乗り出しかけていた男はゆっくりと椅子に座り直し、暫し躊躇したあと口を開いた )
117:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-10 19:49:03
( ホームズと共に通されたのは質素で無機質な冷たい部屋だった。ショーン・ノリントンは以前顔を付き合わせた時よりやつれて年老い、いくらか小さくなったように見えた。完全黙秘を貫いてきたということは警部たちの厳しい取調べの緊張感にも耐えてきたというわけで。無論拷問が認可されているはずもないので取り調べは会話を通してのみ行われた筈だが、その緊迫した空気に何時間も耐えぬくのは生易しいものではないだろう。ホームズの隣に腰掛けると、2人のやりとりにじっと耳を傾けて。ホームズの言葉は最初から予想外な内容で、驚きを隠せずに彼の横顔へ視線を移した。予想外だったのは犯人も同じだったようで明らかに動揺している。___ホームズは要するに “真犯人がいる” と、そう言いたいのだろうか?しかし彼の言葉は聞けば聞くほど納得がいく。
“ 私はただ、私の推理が正しいかどうか知りたいだけ” ホームズのその言葉は神経が過敏になっているショーン・ノリントンを宥めさせ警戒を解くための言葉に違いないが、それと同時に心からの本心でもある事を僕は知っている。彼は頑固そうな人柄をよく表している双眸を鈍く光らせてゆっくりと重々しく答えた。
『……俺の仕事は未だ終わっていない。だから俺は口を割るつもりはない。俺には果たさなければならない使命があるんだ』低く掠れた声は苦しみと覚悟に満ちている。そうして気がついた。この男は一切のも改悛の情も後悔の念も、砂の粒ひと粒ほども持ち合わせていないのだ!恐るべき覚悟、恐るべき傲慢さだ。たまりかねて今まで押し黙っていた口を開く。「君がその仕事を完遂させる事はもうないと思うけどね」ショーン・ノリントンは右の口角を歪めた。『ふっ…ああ。そうだろうな。俺の中での問題だ。最初からそこから始まってる。このまま一生壁の中に閉じ込められようが知ったこっちゃねえよ。例え果たせずとも俺は使命を諦める事はない』そして彼は視線を僕から自分の手元に移した。
『俺の後ろにいる存在を当てたのはあんたが初めてだ。だが奴についてもノー・コメントだ。…殺される』
歯の隙間から絞り出すような声。目線を逸らしたのはもしや動揺からなのだろうか。「殺されるって、君がその “奴” に? 馬鹿な。君は拘置所にいるんだぞ。この厳しい監視の中で誰がどうやって君を殺すんだ?」そう問いかけると彼の視線が不自然に泳いだ。『ああ。必ず仕留めに来る。それも最も惨い方法でな。奴はその為の手脚を持っている。自分の手は絶対に汚さない…。1つだけ俺があんたらに教えられる事があるとすれば……』そこで彼は言葉を一旦切った。完全な無音と重苦しい空気でその一瞬は永遠にも感じられた。
『 “教授” だ。奴はそう呼ばれている』
「教授?」彼の口から吐き出された単語を脳もなく繰り返した。彼が “そうだ” と無言で頷く。
『…とにかくこれ以上話す気はない』ショーン・ノリントンはいら立たしげに片脚を細かくゆすりながらそう言い。僕はふぅと深く息をつき、この難しい局面でホームズの次の手は果たして何だろうかと考えて)
118:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-11 11:02:18
( 男の口から謎の"教授"という言葉が発せられた。その教授とやらがどんな人物で、何が目的でこの男を焚き付けたのか思考を巡らせていると、男は"これ以上話す気はない"とまたその堅い口を閉じてしまった。「まだ貴方は私の質問に答えていませんよ、ショーン・ノリントンさん。」そう言うと男は鋭い視線でじろりとこちらを睨んだ。『話す気はないと言っただろう。』低い声で一言そう言う。「…そうですか。そんな事では、クレア・ボスロイドさんも報われませんね。」こちらが口にした名前に僅かではあるがピクッと男の身体が震えた。「貴方の犯行動機は分かっています。3年前に起きたバス事故でただ1人犠牲者になってしまった恋人の恨みを晴らすため、ですよね?」問いかけると男は何も言わず、ただこちらの話を聞きたくないかのように身を引いていた。「然しそんなやり方では誰も報われませんよ。…これが何だか分かりますか?」そう言ってコートの内ポケットからあの手紙を取り出すと男の視界に入るようにテーブルの上に置いた。男はチラリと手紙を横目で見ただけだった。その様子を見てふぅ、と息を吐くと手紙を手に取り中身を取り出した。「これはクレアさんの遺族から預かったものです。貴方が目を通すつもりがないなら、私が読み上げてもよろしいですか?」そう尋ねるも男は黙って目を瞑るだけだった。その行動をYESと勝手に捉えると声に出して読み始める。
「"こんな手紙を急に送ったら貴方は驚くかしら。でも手書きのものを送った方が温かみがあるでしょう?
ねぇショーン。この間の事は貴方の責任じゃないわ。あれは仕方のないことだったのよ。貴方は真面目で責任感の強い人だから、きっと今酷くショックを受けていると思う。周りの人達もあれは貴方のせいだって言っていたのを聞いたわ。だけど私は知ってる。貴方は悪い事なんてしない、誠実で素敵な人だってこと。自分に自信を持って。貴方は私の誇りよ。
それにしても、来週は久しぶりのデートね!バス旅行なんてあまりした事がないから楽しみだわ。絶対に遅刻しちゃダメよ? 愛してるわ。
私の愛しい人、ショーンへ 貴方の恋人、クレアより"」読み終わり、手紙から男へと視線を移すと男はこちらを黙って見つめていた。『…ふん、情に訴えかけて口を割ろうっていう魂胆か?見え透いているな。』棘のある冷ややかな口調で男はそう言ったが、僅かに声が震えていたのを聞き逃さなかった。「だが貴方は既に話すしかないと考えている。違いますか?」そう静かな声で尋ねる。男はそれでも無言だった。然し、閉じていた目を開くとその瞳に少し迷いを浮かべた。そして遂に何かを諦めたかのように一度深く溜め息をつくとその重い口を開いたのだ。『…もういい。分かった、俺の負けだ。…クレアには敵わない。あんたはその手紙が俺に口を開かせるものだと初めから分かっていたんだろう?』そう言ったのち、暫く間を置いて男は話し始めた。『あんたは俺の犯行の手口を知りたいんだったか?いいだろう、それなら分かりやすくするためにまずは何故俺が殺人事件を起こすことになったのかという所から始めよう。俺とクレアは3年前、バス旅行をする為に出かけていた。その日は雨が降っていて不運にも俺達が乗っていたバスは対向車と接触し、横転した。俺は頭を酷く打ちつけられ、朦朧とする意識の中隣にいるクレアの体温がどんどん下がっていくのを感じていた。そしてクレアだけが死に、俺を含む他の乗客は全員助かった。俺は絶望した。なぜ彼女だけが死ぬことになってしまったのか、と。然しその時の俺は悲しみに暮れ、生きる希望を失ってしまった絶望感に苛まれはしたが、生き残った奴らを殺してやろうと思ったわけじゃなかった。それから最近の事だった。確か1ヶ月くらい前の話だ。知らない人物から手紙が届いた。その手紙にはこう書かれていた。"なぜ彼女だけが死に、他のヤツらはのうのうと生きているのか?" たった一言、それだけの短い文章だった。然し何故か俺はその文章に強烈に惹き付けられた。というより、復讐心を生み出されたと言った方が正しいだろうな。そこからの俺の行動は早かったと思う。まずバス事故の生存者リストが詳しく書かれた書類はないかと、近くの新聞社に真夜中に忍び込んだ。その会社に過去の記事や資料が沢山保管されている資料室があることは知っていた。なぜならそこには俺の知り合いが勤めていて、昔そいつから話を聞いていたからだ。』そこで一旦話を区切ると、こちらの目を真っ直ぐに見て再び口を開き )
119:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-11 18:42:29
(ショーン・ノリントンはホームズの目を見据え、話を続けた。
『どういう仕組みかわからんが “奴” は俺が行動を起こした直後に見計らったようにコンタクトをはかってきた。教授、とだけ名乗ってな。俺は教授の言う通りに動けばいいだけだった…』彼はホームズに向かって皮肉に歪んだ笑みを向ける。その裏側にあるのは自虐と諦めだろうか。どうやらクレア・ボスロイドの手紙が相当こたえたらしい。
『あとの事はあんたはもうすっかり分かっているんじゃねえか? 教授の指示に従ってアルファベットの順に片付けたんだ。監視カメラ網の抜け穴、凶器の選び方、証拠の消し方…全部奴の入れ知恵だ。誤算だったのはジェドだな。あのタイミングで出くわすとは思っていなかったし、まさかあいつが勘付くとはね。想定外だった。ダイイングメッセージが遺っていたらしいが俺は気づけなかった…全てが誤算だ』
「…アッシュフォードさんを殺すことに躊躇いはなかったのか?」ずっと疑問に思っていたシンプルな問いが口をついて出て。ショーン・ノリントンは眉根を寄せて暫く沈黙し、そしてようやく重たい声音で答えた。
『………無いね。いや、正しくは無かった、か。俺にとってはクレアが全てだったんだ。クレアがいない世界なんて間違ってる』そう言うと彼は両ひじを机につくと目の上に庇を作るように両手を額に当て。彼の言葉は徐々に悲痛な響きを増していく。
『でももう全部お終いだ。俺のやった事にはなんの意味も無かったじゃねえか…。クレアは理不尽に死んだとしても恨んだりなんかする女じゃなかった! 初めからそんな事分かりきっていたのに…なんで俺は今の今まで、あいつの手紙を知るまで気が付かなかったんだ?なぜクレアだけが死んだ!? どうして俺じゃないんだ!?』ショーン・ノリントンは固く握った右の拳で机を力任せに叩いた。不快な音が空気を劈く。蛍光灯の白い明かりが俯いている男の顔に陰を作り、その鬼のような形相は悲しみに沈んでいるようにも、或いは怒りに歪んでいるようにも見えた。
哀れな叫びに胸が締め付けられるようだ。三年前のあの日にあと10秒バスが出るのが遅かったら、雨が降っていなかったら、対向車が車線をはみ出していなかったら、バスは横転せずにクレア・ボスロイドは生きていたかもしれない。もし彼女が生きていれば連続殺人の被害者たちは無惨に、無意味に殴り殺されることもなく今も日常を過ごしたはずだ。きっかけはほんの少しの事だったはずなのに…。この一連の事件は全部が全部無意味な死だ。そこにあったはずの愛情を全て踏みにじった結果の不条理で無意味な殺しだったのだ。
『……他に聞きたいことは?』消え入りそうな声で男がそう言った。)
120:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-12 13:15:52
( 男は終始感情を昂らせ、強く机を叩いた。叩きつけられた拳は徐々に赤くなり始めていたが、そんな事は気にもしない様子だった。他に聞きたいことは、と問いかけられるとこう尋ねた。「ええ、一つ。貴方はジェド・アッシュフォード氏を殺害するまでは完璧な犯罪を遂行していた。アルファベット順でまだ殺害する番ではない彼を殺してしまった事で計画が狂ったことは予想できます。然し本来先に殺害するはずだったエマ・アッシュフォード夫人を殺害しようとした際、貴方の行動や服装は素人目にも分かるくらい全くの素人だという事が分かりました。まるで今まで殺人を犯してきた人物とは別人だと思えるくらいにね。これは、貴方のいう"教授"の指示と何か関係が?」男は少し落ち着きを取り戻した様子でこちらの話を聞いていた。眉根を寄せたまま暫く黙っていたが、少しすると男はこちらの質問にぽつりぽつりと答え始めた。『…ああ、関係はある。それも、あんたが言う通りジェドを殺害するまでのことだ。奴は俺が3人目を殺すまでは事細かく指示が書かれた手紙を送ってきた。だが俺が奴の指示になかったジェドを殺してしまうと、まるでその場にいたかのような手紙を送りつけてきやがった。』男はまるで恐ろしい怪物に出会ってしまったかのように顔を青白くさせ、身震いをした。『手紙の内容はこうだった。"お前は神から受けた使命を真っ当しなかった。神のご加護は受けられないであろう。彼女の命は永遠に報われないであろう。" それを最後に奴からの手紙は一切来なくなった。俺は恐ろしくなったが、クレアの為にと思って殺害を続けようとした。だが俺の自己流のやり方じゃ、あっさりと捕まっちまったわけだが。』言い終わると男は目を逸らして深く溜め息をついた。話を聞いて疑問点は殆ど解消された。残る謎は教授という人物のことだけだが、恐らくショーン・ノリントンは何も知らないだろう。もう聞くことは無くなったと判断すれば椅子からゆっくりと立ち上がった。「話してくれてありがとうございます。残念ながら私は警察ではありませんので、今回は私的にお聞きしたい事を伺いました。入れ違いで警部が戻ってくるでしょう。貴方のするべき事はもうお分かりですね?」去り際に振り返ってそう言うと男は暗い表情ながらも、小さく頷いた。
外へ出るとレストレード警部がすぐに話しかけてきた。『ああペンバートンさん。何か情報は得られましたかな?』切羽詰まった表情で詰め寄られ、少し後ずさりしながらまぁまぁ、と宥める。「いえ、大したことは。ですが彼はもう大丈夫です。警部の質問に答えてくれるでしょう。」ニコリと笑いかけながらそう言うと警部はぽかんとした表情を浮かべた。『ほう、一体どんな風にあの頑固者を?…おっと、これは失礼。ですがまぁ、ともあれ助かります。』警部は一度軽く咳払いをしてからこちらに向かって笑いかけた。警部が取調室へ入ってしまうとワトソンに尋ねた。「ワトソン。君は彼のいう"教授"という人物についてどう思う?」自身も考えながら難しそうな表情を浮かべ )
121:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-12 18:02:08
( ホームズとショーン・ノリントンの問答でアッシュフォード宅の玄関先でノリントンと対峙した時に感じた妙な違和感の理由が明らかとなった。彼が言っていることが本当ならばあの時点で彼の背後に “教授” が居なかったからそれまでの彼とのギャップが生じていた、という事なのだろう。裏を返してみれば教授の影響力はそれほどまでに大きい、という事だ。恐るべき脅威に背筋が凍るようだった。
ホームズがゆっくりとした動作で席を立つとそれに従ってこちらも席を立ち。部屋を出るとき、最後に見たショーン・ノリントンからはあの堅い殻のような頑なさと溢れんばかりの復讐心は見る影もなくなって居た。
レストレード警部と入れ替わりで取調室を後にすると、暗い廊下を出口へとゆっくり歩きはじめて。やけに音の響く廊下に2人ぶんの足音とステッキの音が不気味に反響している。「どうって、うーん。そうだな」ホームズに教授について意見を求められると口をきゅっと横一文字に固く結んでしばらくの間考え込み。正直言ってさっぱり分からない。なんならむしろこっちが教えてほしいくらいだ。それでも自分なりの答えを出してみようと頭を捻って。「教授のやってる事は…犯罪者のスポンサー? いや、もしかして顧問なのかな。罪を犯すよう焚き付けてそれが完全犯罪になるように助言しているってことだろ。まるで警察の相談を受けて顧問探偵をしている君みたいに…」そこではっとして言葉を切ると申し訳なさそうな表情で彼の方を見て。ただの思いつきとはいえ犯罪者と一緒にされては誰だって良い気分はしないだろう。自分の失言に心底うんざりして声のトーンを落として彼に謝る。一体どうしてこんな事言ってしまったんだろう?「ごめん、言葉のあやだ。どうか気を悪くしないでくれ。言うまでもなく君と教授は全く違うよ。君は犯罪を犯したりなんかしない」そこでふと、似ているのではなくて立ち位置が対照的なのかもしれないと気がついた。しかし一体どういう人物なのだろうか?男なのか女なのか、若者なのか老人なのか…そして、 何が目的なのか。犯罪を犯すように焚き付けてその助言をする真意が分からない。全くもってすべてが謎につつまれた人物だ。
「ホームズ、君は教授についてどう思ってるんだ? どんな人物だと思う?」ホームズは先ほどのショーン・ノリントンとの会話で教授について何か分かった事はあったのだろうか、と気になり眉をひそめるとそう尋ねて。)
122:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-13 10:16:57
( 彼は少し考えた後にぽつりぽつりと教授についての見解を口に出していった。その言葉一つ一つを聞き逃すことなく聞いていると彼は途中でしまった、というような顔をした。無論、彼が自分と教授を一緒に見ている、という意味で言ったわけではないということは分かっているのだが、優しい彼の事だ。自分の発言を心底悔いているのだろう。すぐにそんな事が予想できた。「ああ、分かってるよ。単なる例えだ。」そう言って少し微笑みかけた。今度はこちらが同じ質問を返されると そうだな、と少しのあいだ考えた後 口を開いた。「表向きは恐らく心理学者か…数学者といったところかな。ショーン・ノリントンは、教授自身は手を汚さないと言っていたから狡猾で悪賢く、計算高い人物ではないかと思う。」自分の見解を述べながらも、その謎は逆に深まるばかりだった。実際、教授という人物は何が目的でノリントンを焚きつける必要があったのか?分からない事が多くても検討がつかないことは初めてだ。思わず顔を顰めると頬を指でぽりぽりと掻く。「あー、すまない。正直私にもさっぱり分からない。一つだけ言えることがあるとすれば、"教授"は私達にとって危険を及ぼす人物だということだ。」厳しい表情を浮かべたまま真っ直ぐ前を見据えた。何か確信的な証拠があるわけではない。だが自身の脳が、全神経が警鐘を鳴らしているのだ。これから先、一刻も早くその人物を捕まえなければ市民は危険に晒される、と。
外へ出ると先程とは打って変わって太陽の眩いほどの光が全身を照らして、思わず目を細めた。光というのは不思議なもので、屋内の暗い通路を歩いて来た時よりも幾分か心が晴れやかになった気がする。その場に立ち止まって一度深く深呼吸すると気持ちを入れ替えワトソンの方を振り返った。「うちへ帰ろう、ユキヒコ。そろそろバートン夫人が私の部屋を勝手に掃除してしまいそうだ。」冗談ぽくそう言うとよくよく考えれば割と本気でそんなことをしてそうな気がしてならなくなってきて。綺麗好きの女主人だ。前々から私の部屋を見ては随分と小言を言われたものである。彼に向けて微笑み、それからまた前を向くと歩みを進めて )
123:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-13 13:49:06
( 彼はこちらの失言に気を悪くするでもなく微笑んだ。多分こちらの真意もわかった上で、なのだろう。そして彼はちょっと考えたのちに見解を述べた。「なるほど。蜘蛛みたいな奴だな。そして手強そうだ。…危険だから手を引けって言っても君は聞いてくれないよな?」暗く沈んだ声でそう言うと悲しく微笑んで。「まあ、止めても無駄なのは分かってる。君の性分はよく心得ているつもりだしね。僕は君の助手として努めよう」
一先ずこの事件は幕を降ろした。彼は予期しているようだった。最大の謎である “教授” がこの先も大きく関わってくる、と。嫌な予感が心の中で不気味な霧のように立ち込めている。外へ出ると太陽光が目を射て。少し先を歩く彼が立ち止まって此方を振り返った。彼の心地よい声が僕の名前を呼ぶ。それに続く冗談めかした言葉に思わず笑ってしまう。「はは、片付けるのは僕も大賛成だけどね。でもバートンさんは片っ端からゴミ袋に放り込むから、帰ったら部屋が殺風景になってたりして。…先に言っとくけど元に戻すのは手伝わないからな」君の頭の中に記憶されている通りに復元するなんて僕には絶対無理だし、と少し口を尖らせ付け足して。考えれば考えるほどなんだか有り得そうな展開で可笑しい。
彼に追いついて二人で並んで帰路を歩く。いつの間にか不穏な心の霧は隅の方へ追いやられていったみたいだ。また日常が始まる。)
( /再び背後から失礼します。お疲れ様でしたー!このようなサスペンスは自分にとって初めての試みでしたがやりごたえがありとても楽しかったです!次の謎の手紙事件も楽しみです!
とりあえずこれから場面転換して日常ロルで小休止、で宜しいでしょうか? バレンタインも近いですし折角なのでバレンタインを取り入れても面白いかなあなどと妄想しております。笑 主様は何かやりたいことはございますでしょうか。)
124:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-13 18:45:28
( 不快な頭痛と吐き気で目を覚ますと何故か自分はシャツ1枚とハーフパンツのみというこの上なく自殺行為な薄着姿でソファの上で寝ていた。気持ちの悪さをなんとか抑えながらゆっくりと身を起こすと昨日何があったのかを必死に思い出してみる。ズキズキと痛む頭。部屋全体に漂っている微かな異臭と壊れたフラスコやビーカーを見つければ、ああそうだ、と記憶が蘇ってきた。昨日自分は1年間慎重に研究を続けてきた実験に失敗したのだ。そしてヤケになって普段は飲みもしないアルコール度数の強い酒を何本もラッパ飲みし、潰れたというわけだ。よく見れば自分の周りには空になった酒瓶がそこら中に転がっている。何があったか理解すればソファの上で体育座りになって頭を抱え込む。暖炉の火は燃え尽きて部屋の中は冷えきっているのにも関わらず、服を着込む気すら起こらない。完全に絶望モードである。ふと何かを思い立ったようにその場からのっそりと動きを見せる。目指している場所は沢山の薬品が仕舞われている棚だ。覚束無い足取りで何度か中身の入っていないガラス瓶を机の下に落としては音を立てて割ってしまいながらたどり着く。そしてようやく棚の下部分の引き出しの中からパイプと何かを持ち出すとその場に座り込んで火をつけ、パイプから流れ出るその煙を思いっきり吸い込んで )
( / お疲れ様でした!綺麗な幕閉め素敵でした〜!
こちらとしてもちゃんと伏線を拾いきれているかとか色々不安な所はありましたが貴方様の素晴らしいフォローや場面転換のお陰でなんとかやりきる事ができました!いやぁ楽しかったです。笑
そうですね、ここからは一先ずほのぼの日常に戻るとしましょう!あ、良いですねバレンタイン!是非是非やりましょう!笑 そうですねぇ、久しぶりの日常ですのでちょっとワトソンくんとのイチャイチャとかを描いてみたいですかね笑 とりあえず(?)ホームズの奇行から始めてみてしまいました! 他にも何かやりたい事がおありでしたら何なりと言ってくださいね! )
125:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-14 01:33:17
( それをうっかり買ってしまったのは夜勤明けの少し気怠い身体とぼんやりとしてあまり働かない意識のせいだと思う。病院の夜勤が終わってまず向かったのは食料品店だった。ホームズが空っぽの冷蔵庫を見て食料品を買い揃えておいてくれるなんて事は天地がひっくり返らない限りはあり得ない。そういうわけで今日餓死しないためには自分で買いに行くほかなかった。食料品店から我が家に帰る途中で小さなチョコレート店の前で足を止めたのは血糖値が下がっていたからに違いない。店員に『恋人に贈り物ですか?』と問いかけられて飛び上がりそうになる。ああそういえばもうすぐバレンタインなんだっけ、ていうかそういえば僕らって恋人でいいのか? などとごちゃごちゃ考えながら「ええ…まあそんなところですかね」と歯切れの悪い返事をしたところ店員がお勧めの商品の説明をしてくれて。気が付いた時には綺麗なバレンタインカードにメッセージを書かされていて、いつの間にか赤い小さなチョコレートの箱が1つ荷物に加わっていた。
家にたどり着いたときに頭の中は “しまった、うっかり買ってしまった…一体どうやって渡そう…” という心配事で頭がいっぱいで、だからドアを開けるまでフラットの異変に気づかなかったのだ。部屋の酷い有様にさっと血の気が引く。「アルバート!」薬品棚の前に座り込んでパイプをふかしている彼を発見して、驚いた声音で彼の名を呼び。「君、肩の手術したばかりだろ! まだ万全じゃないんだからわざわざ身体を痛めつける様な真似するな」眉間にしわを寄せてそう叱ったものの自分も禁煙できているとは言い難いので説得力にかけていると思う。取り敢えず食料品をキッチンに置くと毛布を見つけ出してきて彼の肩にかけると「…で、どういう事なんだ? 僕が留守の間に何があった?」と、問いかけて)
( / いえいえ〜、ホームズくんの活躍とても素晴らしかったです!一読者として楽しませていただきました、ありがとうございました!
日常ロルもありがとうございます。繋げやすくて助かります!
そうですね、なんだかんだで忙しくてこの二人は甘い雰囲気になる事が少ないですしね〜。恐らくこの後バレンタインでワトソンがデレるかと思います!笑
かしこまりました〜ではこちらの背後会話は蹴っていただいて構いませんので!)
126:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-14 10:10:13
( 口から白い煙を吐き出していると背後から自分の名前を呼ぶ彼の声がした。迅速な行動で毛布を掛けてくれた彼を虚ろな目で見つめると引き攣った笑顔を浮かべた。どうやら自分を叱っているようだが、言葉の内容がさっぱりで頭に入ってこなかった。代わりに相変わらず焦点の合わない目と無理やり口角を上げたような不自然な笑みで彼の方に顔を向けた。「…ああワトソン。君は本当にいい助手だよ。誰よりも誠実で気遣いができて家庭的だ…愛してる…世界の誰よりも…私の味方でいてくれるのは君だけだ…あれ、君 目が3つ…いや4つあるぞ」毛布を頭から被って芋虫のようになりながら彼を見つめた。まだ酔いが残っている為か饒舌になっている。言動も支離滅裂で意味不明だ。再び襲ってきた頭痛に呻きながらうずくまってしまうとか細い声で何があったのか、という質問にぽつりぽつりと話し始める。「1年間慎重に慎重に大切に続けてきた研究が…昨日の実験のお陰で全て…パーになってしまった!まるで悪夢を見ているかのようだよ。…ああ、さよなら私のコガネムシ。さよなら私のM0-001…」段々涙声になっていくと次第に語尾が萎んでいった。毛布の中から少しだけ顔を出すと涙目になって何かを訴えかけているかのような悲痛な表情でまた話し出す。「論文だってもうすぐ完成するはずだったんだ…ほら、そこのフラスコの横にある…あれ、無いぞ……そうだ、昨日自分で暖炉の中に…」自分の発言が自分の首を絞めているという事に気がつかないまま、また落ち込んで再び毛布を被り直して芋虫状態になってしまい。今日が何の日であるのかも自暴自棄になっているせいか全く気がついていない様子で )
127:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-14 13:58:25
( 実験するなら片付けまできちんとやれとか、でもどうせ結局片付けるのは僕なんだからもうちょっとコンパクトに実験してくれとか、なんでそんな薄着なんだもっと自分の身体を大事にしろ、とか。言いかけていた文句が全てホームズの予想外の言葉で引っ込んでしまった。「なっ… ど、どうしたんだよ急に」不意をつかれてどきりと心臓が跳ね上がって。“愛してる” だって!? いや知ってはいるが、改めて言われるとこんな幸せな事は無い。しかしホームズの言動の異変に気がつくと彼の隣にしゃがみこみ。「ホームズ、もしかして君酔ってる? …おい冗談だろ、この酒瓶全部君が空にしたのか」そこらに転がっている酒瓶のうち一本を手にとって見てみると決して弱い酒ではない。呻いている様子から飲み過ぎのせいで具合が悪いのだろう。一体またなんでこんな真似を? そう疑問に思っていると彼はぽつりぽつりと答えてくれた。
「なるほど。つまり君は大事な実験に失敗してやけ酒してたんだな」ちらと暖炉の中を見ると数時間前には論文だったであろう紙の束らしき黒い塊が見えた。再び毛布を被り芋虫状態になってしまった探偵の背中をよしよしとさする。彼は酷く落ち込んでいるようだ。一年も費やした研究なのだから当然か。「ホームズ、きっと君は今日が最悪な日だと思っているだろうね。でも、もしかしたらだけど少しはましになるかもしれないよ」何かを思いついた様にそう言うと立ち上がってキッチンへ。そうして赤い包装紙に包まれたチョコレート箱を持って戻ってくると彼の前に座ってその箱を置いて。
“My dear Albert, I’ve never felt that before. I’m just exactly where I want to be. From your Valentine.”
バレンタイン・カードには走り書きで書いた遠回しで少し曖昧な、だけど救いようのないくらい突き抜けて真っ直ぐな愛の言葉。僕らの関係は難しい。親友でルームメイトで助手と探偵でお互い惹かれあっていて大切で、…つまり一言では表現しきれない。だけど差出人の "Valentine" の文字にはこれだけははっきりしている、という自分なりの自覚と決意がこもっていた。こんなイベントでもなければ改めて自覚するとこともなかったかもしれない。「僕は君が落ち込んでいる姿は見たくない。…もしかすると甘いチョコレートなら君を元気付けられるかもしれないね」少し照れた表情で最愛の人に微笑みかけて。)
128:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-14 17:23:14
( 突如としてコツン、と自分の目の前に何かが置かれた。気になってひょいと顔を覗かせるとそれは赤くて小さくてメッセージカード付きの可愛らしい箱だった。驚いて暫くその箱を見つめた。そして数十秒後その箱の正体が何なのか理解すると、先程までの落ち込みようから打って変わってぱああっという効果音がお似合いなほど顔を明るくさせた。「え、君、これ、あれだろう?…本当に?貰っていいのかい?」まるで子供のように無邪気に笑ってみせると箱を大事そうに受け取って、堪らず彼を抱き寄せる。彼は変わらず温かくて清潔でいい匂いがする。ぎゅっと抱きしめながら彼の背中越しにその赤い箱を見つめた。「わざわざメッセージカードまで付けてくれるなんて本当に君は几帳面だな。でもそういう所が君らしくて私は好きなんだけどね。ありがとう、とっても嬉しいよ。」突然の出来事に一瞬で酔いが冷めたようで、いつもの調子で話し出す。こんな時だから、とお礼のつもりかのように愛の言葉も交えた。彼と知り合う前は愛なんて本当にあるのかと疑っていたし、結婚だって人生の墓場だと思っていたし、クリスマスなんてただの祭り、ついでに言えばバレンタインなんてなぜチョコを渡すのにキャーキャーと騒いでいるのか理解できなかった。然し今、自分でも驚く程になぜそんな事になるのか理解していた。というより、深く実感している。それも全部彼が教えてくれたことだ。ふと抱きしめていた彼から少し離れて顔を見つめると若干緊張した面持ちでぽつりと言う。「ユキヒコ。実は…私も昨日…君のためにとチョコを用意したんだ。だがそのー…あー、実験の煙がかかって…」そう言いながら立ち上がって机の引き出しの奥にしまっておいた、__元は綺麗なワインレッドだったであろう__煤のついた黒く細長い、くすんでしまった金色の飾りがある箱を取り出してはすぐに自分の背中に隠して彼に向かってバツが悪そうに苦笑いし )
129:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-15 01:44:12
( 彼に抱きしめられるとパイプの馨しい煙の香りがした。彼の真っ直ぐな心と言葉に胸のあたりがぽかぽかと暖かくなる。「喜んでもらえてなによりだ……ちょっと待て君、酔いからさめてきてないか? 参ったな、君が泥酔してたら照れずに渡せると思ったんだけど。…なんてね、どうもそれは無理らしいね」
バツが悪そうにぽつりと零した彼の言葉に自分の耳を疑った。「信じられない! 君が、僕に?」目を丸くして彼を見る。彼はこういう世の中のイベントに意義を見出せないタイプだと思っていた。必然的に一方通行になるだろうな、と。「駄目だな、自惚れてしまいそうだ。…それにこんなのは本当に幸せすぎるよ。」ぷい、と顔を逸らして頬が緩んでしまうのをどうにか堪えようとして。嬉しい気持ちがどうにも誤魔化せなくて立ち上がると緩慢な動作で彼に歩み寄る。「で、実験の煙で燻されたのか? はは、その方が君らしいね。ありがとう。」そっと彼の肩に掌をあてて、シャツの下の包帯の感触を確かめる。危うく失いかけたもの。子どものように無邪気な笑顔やくるくるの柔らかい栗色の髪、…会話を交わしていなくともフラットにいる時にはいつも気がつけば視界の端で彼を追いかけてしまう。非常に厄介な恋をしてしまった。今まではハッピーならそれでよかった。苦しかったり辛ければ一言さよならを告げればいい。ただそれだけ。だけど彼は違う。身を焦がすような気怠い苦しみでさえ愛しく思うのだ。肩に触れた手をついと滑らせて頬に触れて。「可笑しいな、幸せで堪らないのに胸が苦しいなんてさ。僕をこんな気持ちにさせるのは後にも先にも君だけだと思う。君は本当に特別なんだよ。本当に。」慈しむように彼を見つめるとにっ、と泣き笑いのように微笑んで。)
130:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-15 10:44:23
( 信じられない、と彼は目を丸くして驚いていた。彼が驚くのは当然だろう。何しろ自分ですら自身の行動に驚いているのだから。あまりの驚きように実は迷惑だったのかもしれないと一瞬不安な気持ちが強まったが、それは間違いなのだとすぐに気がつく。彼は幸せすぎる、と言った。そんな彼の心からの思いを聞いてしまったかのような、なんだか照れくさい気持ちになると思わず顔を下に向けて頬がみるみるうちに緩んでいくのを許す他なかった。君らしい、なんて言って笑ってもらえるとは思ってなかった。ガッカリされると思っていたものだから彼の優しさに改めて感動させられた。そして自分は彼のそんな優しさに心底惚れているのだとはっきりと自覚したのだ。恋など今まで一度もした事がなかった自分には彼が最初で最後の人だろう。泣き笑いのような、儚いような、美しい微笑みを浮かべる愛おしい彼の顔を見つめた。ドキドキして胸が苦しくなって、そんな慣れない鼓動に耐えられなくて思わず彼の胸元に頭をポフ、と預けた。「…それ以上言われると、困る。」何とか絞り出して言った精一杯の言葉。態勢的に背中に隠しているチョコの箱はもう彼からは丸見えだろう。そんな事にも気がつかないくらい目の前の彼の事で一杯だった。「ユキヒコ、私も君と同じだよ。幸せで堪らないし、今物凄く心臓が働き者だし…私には、君しかいない。君が全てなんだ。」この煩い鼓動を彼に聞かれてやしないか、とか。身体がじわじわと熱くなっているのを知られてやしないか、とか。頬が赤いとか泣きそうだとか。全部、全部。想いが全て身体に出るなんて知らなかった。こんなに苦しくなるなんて知らなかった。そんな苦しさも心地よくて、愛おしく感じるなんて。知らなかった。想いを口にするとなんだかこの大きな大きな気持ちが伝わる気がした。「…あんまり、包装紙の部分は見ないでくれ。出来ればすぐに破いてほしい…でないと罪悪感でどうにかなりそうだ」そう言ってゆっくり彼の胸もとから頭を上げて再びバツが悪そうに笑みを浮かべると、背中に隠していた細長い箱を彼に差し出して )
( / 甘々な雰囲気の中少しだけ背後から失礼致します…!
再び申し訳ないのですが、また明日から背後が忙しい期間に入りそうで、暫く来れないかもしれませんという連絡を…!今日はまだ大丈夫なんですが…本当に申し訳ないです…泣泣 時間が空きましたらすぐにこちらへ帰って参りますので!!)
131:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-16 00:22:18
( 彼が自分の胸に頭を預けた。彼が背中に隠したチョコレートの箱は確かに煤だらけだったがどんなに美しく高価な贈りものよりも嬉しいのだ。その言葉の1つ1つに胸が苦しくなる。こんなに幸せでこんなに苦しい気持ちは彼と出会わなければ知ることはなかっただろう。彼がどんな顔をしてチョコレートを買いに行ったのだろうとか、綺麗な包装紙が煤だらけになったときのがっかりしたであろう様子だとか、なんとなく眼に浮かぶようで思わず微笑んで。“私には、君しかいない。君が全てなんだ” 彼の言葉は甘くて切ない。いいや違うよアルバート、と心の中で彼に言う。君を愛する人は僕だけじゃないんだ。僕は君のように特別じゃないから、僕の代わりはいくらでもいる。だから君には僕しかいないなんて事はないんだよ、と声にならない心の声がそう囁く。しかしそれを言葉にしないのはその事に気付いてほしくないという自分勝手な暗い感情のせいだ。もしいつか彼が気付いてしまったとしても、この幸せがほんの刹那の間だったとしても。「…ああ。じゃあ全部あげるよ。僕の心も身体も時間も全て君にやる。だから大丈夫だよ。何も心配することなんてないんだ。」繊細なガラス細工でも扱うみたいにそっと抱きしめて髪にキスをして。
バツの悪そうな彼の微笑み。すぐに破ってくれ、なんて。愛おしくて思わず笑ってしまって。「…ふふ。ああいや、笑ってごめん。君が気に病む必要なんて全くないのに。君が用意してくれたって事が重要なんだからね。本当にありがとう。嬉しいよ。」箱を受け取ると喜びを噛みしめるようにお礼を言い。「さあ珈琲を淹れてくるよ。今日だけは掃除は後回しだな。バートンさんに見つからなければ良いんだけどね。この部屋の有様じゃ卒倒されかねないな」悪戯っぽくにやっと笑ってみせて。)
(/ なんと!それはしばらく寂しくなりますね(*´-`) こちらは次の事件の案でも練りながらのんびりお待ちしておりますので、気兼ねなくそちらに集中してきてくださいね。 どうぞご安心を、留守番はお任せ下さい!笑 またお会いできるのを楽しみにお待ちしております!)
132:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-24 19:53:19
( 今にも心臓が破裂しそうだ、なんていうと大袈裟に聞こえるだろうか。ふとそんな事を思って火照る頬を何とか冷まそうとしながら心の中で密かに笑った。どうにも自分は恋愛においてはマイナス思考の人間のようで、彼がいつか自分の元から離れていくことを考えると今度はひやりと、不安そうに心臓が脈打ち始めた。今まで経験したことのない、幸せな時間。彼は自分と同じ、幸せを感じているだろうか。頭上から掛けられる彼の甘く優しい言葉。"心配なんていらない" 彼はそう言って自分の髪に口づけをした。その瞬間に不安な気持ちがかき消されるように温かなものが広がった。恋というのは不思議なものだ。急に不安になったり嬉しくなったり。常に心が不安定だ。でもその不安定さが楽しくて面白くて刺激的で、とても愛おしい。「…それは本当か?私に君が言ったもの全てをくれるなら、君を実験に一生付き合わせるし、何処に起きた事件にだって無理やり連れていくし…寂しくならないようにずっと傍に居てもらうことになるけど、それでも私にくれるのか?」頭を上げて彼の瞳を見つめる。まだ鼓動は煩かった。弱々しく微笑みを浮かべて、そっと自分を抱きしめる彼に身を預けた。 突然笑い始めた彼に驚きつつムッとした顔を浮かべる。そこにちょっとした照れを隠しながら。「…?チョコが重要ではないのか?…うーん、要は気持ちの方が重要視されるということかな」今更ながら彼の言葉に漸く合点がいったようで、思わずぽんっと手と手を合わせた。それにしても素直に喜ばれるとこちらも何だか嬉しい気持ちになった。"バレンタインも悪くないな。"と興味の無かったイベントにも少し関心を持つことができて。新たな進歩である。「ん、ありがとう。なら珈琲と共に君からのチョコもいただこうかな。」そう言ってふ、と目を細めて笑う。彼が悪戯っぽく笑うのを見るとつられて自分もニヤリと笑い。「それどころかバートン夫人は私をアパートから追い出しにかかるだろうね。」怒ると怖い夫人の事を脳裏に浮かべながらクスリと笑って )
( / 長らくお待たせ致しました!!只今戻りましたー!
温かいお言葉ありがたき幸せでございます…!
なんとお優しいお方なんでしょう…!もしまだ居られましたら私はいつでも此処におりますので、その際はまた宜しくお願い致します! )
133:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-25 07:56:31
……あー、うん、勿論だ。薬は困るけどな。
( いつかの事を思い出して苦く笑い。しかしああいう事でもなければ一生この想いは秘めたままだっただろうから、あまり文句も言えない。実際、ホームズのしている実験には毎回興味をひかれてしまうのだ。「助手は僕なんだろ? なら言われなくたって君が事件で出掛ける時にはついて行くよ。メモを取ったり調査を手伝ったり、何より君が無茶しないように見てなきゃいけないし。君は寂しいって思う暇もないだろうな」どこか少し得意げにふふ、と笑ってそう言って。きっとアルバートは知らないだろう。僕がアルバートにどれだけ救われている事か。彼には僕が必要なんだという自負(但しこれは主に生活能力の点においてだが)はあるものの、本当の意味では僕の方が彼を必要としている。“君の居ない人生なんてなんの意味もないんだ” …なんて、そんな事は素面では本人に面と向かっては言えそうもないが。
「ああ、いいよ。それでも全部やる。だから、どんな事があっても生きてこのフラットに帰ってくるって約束してくれないかな。」予感のようなものが常にあった。そしてそれはこの前の悲しい事件の時に確信に変わった。アルバートは窮地に立たされた時、自らの命を賭す事すら厭わない危うさがある。自分のこの言葉がどれだけ彼を引き留められるのかは分からない。…恐らくあまり効果は無いだろう。声のトーンを落としてゆっくり語りかけるように囁いたのは不安を悟られまいとしたためで。煩い心臓の鼓動と言葉の端に潜む不安が相手に見破られない事を祈って。
「うん、そういう事なんじゃないかな。何より気持ちが重要なんだ」双眸を細めて微笑んで。「はは、それは困るな。僕とルームシェアできる人なんてロンドン中探しても君くらいなものだよ」笑いながら手際よく珈琲を淹れると彼にマグカップを一つ手渡して。ソファに腰掛けて丁寧に包装紙を剥がし、蓋をあければお行儀よく並んだ綺麗なチョコレートに目を輝かせて。一つ摘んで口に含むと甘くて優しい味がした。「美味しいよ、ありがとう。…なあ、ところで君の中で心境の変化でもあったのか? だって君はバレンタインなんて気にも留めないタイプだったはずだろ。僕は都合よく解釈してしまうから僕が君にそうさせたんだって、そう勘違いしてしまう。訂正するなら今の内だよ」と、問いかけて。思い返してみれば彼はわりと好意をもたれる事も少なくないのだ。)
(/ おかえりなさいませ! もちろん居りますよ! 優しいだなんてそんな、お互い様の事ですからね。笑 是非引き続きよろしくお願いいたします!)
134:
アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-26 11:03:18
( 苦笑いを浮かべて"薬は困る"と言われては、少し押し黙ってから"ああ、あの時のことを言っているのか"といつの日か自分が彼に惚れ薬なるものを飲ませてしまった記憶が蘇ってきてはこちらも思わず苦笑い。彼の言葉は不思議と心を落ち着かせてくれる。何時からそうなるようになったのか、気がつけば彼からの優しい言葉を求めていた。ふ、と目を細めて笑いかけポリポリと照れくさそうに頬を指で掻いた。「それなら安心だな。実に優秀な助手が傍に居てくれて私は心強いよ。」"寂しいなんて思う暇もない"そう言ってくれる事が素直に嬉しくて頬が緩んだ。「…もう君を不安にさせるようなことはしないさ。」そう言って彼に向かって微笑みかけるものの、本当に約束できるだろうかと内心自問自答していた。目の前で犯人がいれば恐らく自分は彼との約束をいとも簡単に破ってしまうだろう。約束をしたところで、彼のいない所では銃弾だってまた浴びる覚悟すらあった。でも彼を裏切りたくはない。そんな迷いが生まれている。だから"約束する"なんてはっきり言えなかった。彼の心の不安に気づかず、こちらもまた自分の中の不安と迷いを隠すように笑みを浮かべるのだった。
「んー、理解できたようで出来てないような…ま、君がそう言うのなら正しいのかもしれないな。」単純なのか複雑なのかわからない、自分には理解し難かった"恋愛においての心理"にまだ悩みつつも彼の言うことなら、と自分を納得させることにした。椅子に腰かけながら彼の言った言葉を聞いてこちらもクス、と笑った。「その言葉、そのまま返すよ。私のような人間と一緒に住めるのは君くらいだろうね。」冗談っぽく笑いを含んだ声で言いながら彼から貰った可愛らしい箱をテーブルに置いた。包装紙をいつもより丁寧に剥がそうと慎重に手にするとゆっくり剥がしていく。が、途中で"ベリッ"なんて音がすると汚く剥がれてしまって思わず「あ。」と声が出て。少し申し訳なさそうな顔になるととりあえず全て剥がして箱の蓋を開けた。一口サイズの可愛らしいチョコが入っている。一粒摘んで食べると口の中でほろ苦く、そして後から程よい甘さが広がっていった。「うむ、私好みの甘さのチョコだ。さすがワトソンくん。」なんてお礼を言いつつも冗談めかして。「ん…まぁ多少の変化はあったかもしれない。いや、この前君が午前の非常勤で出かけていた時に私も外へ出たんだ。久しぶりにね。そしたら何故か街が…チョコだらけで…2月14日という日付を思い出して、気がついたら買っていたんだよ。…君の、その…喜ぶ姿が見たくて。」最後は少し照れくさくなって目を逸らしながらそう言った。「君を好きになってからだ。他人の為に何かしようと積極的になったのは。」照れ隠しにチョコをもう一粒口に入れてから彼を見つめて )
( / ただいまです!ああ良かったです!ありがとうございます!こちらこそです!! )
135:
雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-26 19:04:44
( 彼は微笑んで “不安にさせるようなことはしない” と言った。自分はただ、その言葉に縋るほかなく。細い一本の糸のような心もとない言葉でも大切にしたくて「うん、ありがとう」と微笑み。
包み紙を開ける彼をにこにこと眺める。べりっという音ともに包み紙が破れると彼は申し訳なさそうな表情を浮かべて。その様子が愛おしく、思わずふふと笑いそうになるがどうにか噛み殺して。「……そうか」あまりの衝撃に口から出たのはそのたった一言だけで。数秒固まって彼を見つめていたが不意にぱっと顔を染めて視線を逸らし。「自分で聞いておいておかしな話だけど、そんな事言われたらどんな顔して君を見たらいいのか分からなくなるな。凄く嬉しくて如何にかなりそうだよ。君は僕をこんなに幸せにして一体どうするつもりなんだ」幸福感で胸がいっぱいで頬が熱を持つのを抑えられなかった。せめてもの抵抗に、む、と口を一文字に結んで気恥ずかしさと嬉しさを隠そうと彼を睨んで。こほん、と照れを誤魔化すように咳払いをすると医者らしいきっちりとした口調で相手に問いかける。「…ホームズ、酔いはもうすっかりさめたのか。気分は悪くないか?」今朝から心臓と心が忙しく働いていたので忘れかけていたが腰掛けていると夜勤明けの気だるい眠気と疲れが襲ってきて。睡眠欲に身を委ねてクッションを抱えるとソファに深く沈み込み。ひとつ欠伸をすると思考力の鈍ってきた頭で“ベッドに移動しなければ”と思いながらも重たい身体は動かなかった。「僕は眠くなってきたよ…、ちょっとだけひと眠り…君も少しは眠ったらどうだい。睡眠は人間の基本だぞ…」うつらうつらと半分眠りの世界に片脚をつっこみながらそう言って目を瞑り「僕も…君を好きになって変わったんだ。心配性になった」冗談か本気か分からない事をさりげなくぼそりと言うが眠たげな声はまだ完全に眠ってはおらず「まあそれは半分冗談だけど…愛を知ったような気がするんだ。今までの恋は一時の幸福は過ぎるもので冷めれば別れが来ることが前提だった。君ともいつかは別れはくるかもしれないし、君の方が冷めて何処かへ行ってしまうかもしれないけどそれは大したことじゃない。何があろうとも揺らがない愛を僕は初めて知ったんだ…」夢うつつの不明瞭でゆっくりとした発音。しかしはっきり起きている時には気づかなかった本心により近い気がした )
( /はい!! 実は次の事件の大まかな流れをざっくり考えておりまして、一通りまとまりましたのでそちらも投下しますね。長くなりますのでこのレスとは分けさせていただきます。連投失礼します!)
136:
医者背後 [×]
2017-02-26 19:06:48
( / 事の発端はパブリックスクールの学校長の突然死と旧友の淡い恋心だった。学校長はある日突然不審な死を遂げる。そして彼の死後、彼が学校の金を不正に着服していた事、そしてその巨額の金が跡形もなく消えている事が判明する。一大スキャンダルが世に知れ渡る事を恐れた学校側は学校長の死因は心臓発作であると公表し着服事件を揉み消してしまった。
一方でホームズの旧友は1人の教師と恋仲だった。実はこの女教師は学校長の愛人で心臓発作に見せかけて学校長を殺害、消えた着服金は彼女の手中にあった。そしてホームズはその事に気付いてしまう。ホームズが旧友と教師に真相を突きつけた数日後、教師の礫死体が発見される。頭部の損傷が激しく断定は出来ないものの服装と持ち物から教師本人である事と飛び込み自殺であるらしい事が警察によって結論づけられた。旧友はホームズを激しく責め立て、以後二人は絶縁状態となる。
時が流れて現在、ホームズの元に差出人不明の手紙が届く。手紙に書かれた謎を解くとまた新たな手紙が届いた。やがてホームズは差出人が旧友である事を突き止める。最後に届いた手紙は『自分は病床にふせっていて動けないからどうか代わりに彼女の墓参りに行ってほしい』という内容だった。
しかし実は教師は死んでおらず、教師とされた礫死体は彼女の工作によるものだった。
以上がざっくりとした流れの案です! あくまで案ですので主様のご意見を是非お伺いしたいと思っております。その後の流れは旧友と教師を再会させるもよし、旧友が“会わない。生きていただけで充分”と決意する終わりかたもよし、可能性は無限大ですね!笑 教師をどの程度悪女にするかにもよるかな、と思います…)
137:
匿名さん [×]
2017-03-22 00:30:50
(/もうすぐ春がきますね!いかがお過ごしでしょうか。たったひと冬の間でしたが主様とのやりとりは充実していてとても楽しく、心に残っています。しばらくお見えにならなかったので、本音を言えば何かあったのだろうかと少々心配です。どうかどこかで元気に過ごしていらっしゃいますように。
このトピは長文でしかもいろいろ考えながら、というトピなので(それが魅力でもありますが)主様の負担も少なくなかったかと思います。それでも100レス以上もやりとりできたことは幸いでした。いつかまたどこかでお会いできたらとても嬉しいです。もちろん、いつだってここに帰ってきてくださっても良いんですよ!笑
それでは最後に、ありがとうございました。本当に本当に楽しかったです( ´ ▽ ` ) )
138:
匿名探偵 [×]
2018-05-28 01:51:24
( お久しぶりです、まずは謝罪をさせてください。
本当に申し訳ないです!ごめんなさい!突然消えるなんて本当の本当に最低なことをしました…こんなに素晴らしくて素敵なお相手様に会えることなんてそうそうある事ではないのに、私はそれを自ら手放してしまったことを後悔しなかった日はありません。
実は今日、このスレの存在がどうなっているのかとても気になり再び訪れた身でございます。
初めから最後まで全て読みました。懐かしくて、とても作り込まれていて、こんなに素晴らしい世界観を完璧に作れていたのはお相手様である貴方様が居たからこそなのだということを、一年越しにようやく理解することができました。
もう長い月日が経ちましたね。
貴方様がこのスレに来ることはないだろうと思っております。
ですが、どうか言わせてくれませんか?
貴方ほど素晴らしいお相手様に会ったことは今までありませんでした。そしてこれからも貴方ほどの人に会えることはないでしょう。
ありがとうございました。
本当に感謝しきれません。
素敵な思い出をありがとうございます。
許されるなら、もう一度このスレを…なんて、ワガママを言える身ではありませんので、せめてどうかお元気で。
私なんかよりもっともっと誠実で素晴らしいお相手様に貴方が会えることを心から願っております。
そして、理想のワトソンをありがとう。
とても楽しかったです。
ああ、本当に…自分から手放しておきながら未練がましいですよね。申し訳ないです。
ここでこのスレを終わらせてしまった自分が憎らしい。
今更寂しく思うなんて、おこがましいですよね。
すいません。
それでは、お元気で。
本当に本当にありがとうございました!! )
139:
元助手 [×]
2018-05-29 18:41:17
(/ 主様、お久しぶりです。久しぶりの更新通知メールに目を疑いました。
早いものでもう一年以上も経つのですね。随分昔の事のような、それでいてついこの前の事のような不思議な気分です。私は随分長い間、このトピックの事を忘れられずにいました。メッセージを残してくださったのは、きっと主様にとってもこのトピックがどこか心に残るものだったからなのでしょう。主様にとってもそうである事をとても嬉しく思います。
途切れてしまったのは決して主様のせいではなくて、そうなるべくしてそうなったのだと思います。別れ自体は悲しい事かもしれません。しかしいつか必ず起こる事がたまたまそのタイミングで起こっただけの、たったそれだけの事なのだと思うのです。
後悔も謝罪も、する必要は全くありません。これは私の我儘ですが主様には楽しい素敵な思い出だけを持っていてほしいのです。主様が無事に元気でいてくださっただけでもう本当に十分です。ですからどうかお気に留められませんよう。)
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