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愛に推理は必要ない 《非募》/139


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自分のトピックを作る
81: 雪彦・H・芳賀 [×]
2017-01-16 17:03:42


( チェーンスモークするには自分には重たすぎる煙草だがフィルタ近くまで灰に変わってしまうと火を消したその手は新たな一本を取り出していて。火を点けた所でふと窓の外に視線をやると白い雪がはらはらと空から降り積もっていた。咥え煙草のまま窓を開けると冷たい風が室内に入り込む。それは生温く煙たい室内の空気をあっという間に散らしてしまった。コートを羽織ると窓枠に頬杖をつき、気だるげな様子でゆっくりと煙を吐き出して。

煙草を辞めようと決めたのは今のアパートに移ってからだった。管理人のバートン夫人に“室内ににおいがつく”と嫌な顔をされ、勤務先の病院の看護師にも“お医者さんが煙草なんて”と散々小言を言われていたからだ。軍医上がりだし仕方ないじゃないか、ストレスの捌け口が必要なんだよと言い訳しても火に油を注ぐだけである。さして命に換えるほど必要というわけでもなかったので取り敢えず辞めてみることにしたのだ。しかし時々あの馨しい香りが懐かしくなって、誰も側にいない時に引き出しの奥の方から取り出してそっとマッチを擦る。

痛みを訴える患者に“今の痛みは0から10までの11段階のうちどれですか?”と聞くことがある。他人の痛みを客観的に測る事はむずかしい。主観的で不確かな情報でも確かな治療をするための判断材料にせざるを得ない。
アフガンの地で脚に深い銃創を負い高熱が出て生死の縁を彷徨ったとき、朦朧とする意識の中で “9だ” と思った。10ではないと思い込むことで自分はまだ耐えられると信じたかったのもあるが、10の痛みがこんなものでないことを知っていたからという理由が大きい。脳裏に浮かぶのは、無力な自分のせいで永遠に失ったもののこと。

10の痛みが忍び寄ってくる予感がした時に紫煙を燻らせる。自分の命を削る代わりに10の痛みを感じるような最悪な事態が起こりませんように、とどうしようもなく救いのないくだらない願掛けをする。全く、実にくだらない。

憂鬱なため息をつくように最後の煙を細く吐くと灰皿に短くなった煙草を押し付けて。窓を閉めるとコートを脱いでソファに腰掛け、読みかけの本を開いて物語の世界に集中することにして。)


(/ はーい!どうぞ思う存分調査してくださいませ!
そう言っていただけるとありがたいです…! いい機会なので心情描写たっぷりに遊びたいと思います!)

82: アルバート・ペンバートン [×]
2017-01-16 21:47:40



( ボスロイド夫人の瞳は酷く悲しそうで憂いを帯びていた。でもそれは決して恨みを持ったものではないと、観察眼無しにでも判断できた。夫人はこう話した。『私には娘がおりました。一人娘のクレアです。クレアは3年前…バスの事故に遭い、命を落としました。あの娘には、当時婚約していた恋人がいました。2人は本当に愛し合っていた…でも、あの事故によって引き裂かれたのです。』そこで一旦話を止めると、目に浮かべた涙を抑えるように目頭をハンカチで覆った。『…ごめんなさい。…初めこそ私達夫婦は、なぜあの娘だけが、と嘆き、恨んでおりました。…でもそれは間違いだと気がついたのです。ある日、私が何か読もうと本を手に取ると、1枚の手紙が挟まっていることに気がつきました。中身を見るとそれはクレアからの手紙でした。そこにはこう書かれていました。"______"…と。』
話を全て聞き終わったのは午前11時を過ぎた頃だった。玄関の戸口で夫人に感謝の言葉を述べるために帽子のツバの辺りをくいっと持ち上げた。「ご協力、感謝します。大変貴重なお話でした。」そう言うと夫人は微笑んだ。『これ位のこと、構いませんわ。…お仕事頑張って下さいね。』夫人の言葉にニコリと笑みを浮かべるとそれ以上は何も言わずにその場を去った。すっかり外は冷え混んでいたが、太陽が辺りを照らしているからか、それともほかの要因からなのか、早朝に出かけた時よりもずっと心は晴れやかだった。懐中時計をポケットから取り出して確認すると既に正午近くになっている事に気がついた。まずいな、と足早に帰路につくと小さなボロついた階段を何段か登り玄関の扉を開いた。帰ってすぐに直行したのは自室、ではなくワトソンの部屋だった。ノックも呼びかけも無しにいきなり扉を開くと暖炉の前のテーブルにメモとペンとマフラー、そして手袋とを置くと無言で彼に近づきギュッと抱きしめ、首元に顔を埋めた。顔が冷たくなっていた事に気がつかなかったが、彼の首から伝わる暖かな体温に触れてふわっと安心感が広がった。「…寒い。」ただいまも言わず先程まで無言でいたが、ふと出てきた一言を口にして )


( / ありがとうございます〜!ですが丁度終わっちゃいました笑 そろそろ犯人へ辿り着きそうな展開へ導いちゃってもよろしいでしょうか…!
はい!!もっともっと遊んじゃってくださいませー!!
あ、それから大変申し訳ないのですが、もしかしたら明日から数日間こちらの都合で来れなくなるかもしれません…!必ず戻ってきますのでお待ちいただければ幸いでございます…!!)



83: 雪彦・H・芳賀 [×]
2017-01-17 14:02:56


( 何時間経ったか分からない。どうやらかなり集中していたようで窓に視線を移すと陽がすっかり高く昇っていた。ホームズはまだ帰っていない。事実は小説より奇なりと言うが実際そうで、どんなによくできたサスペンスドラマや恋の物語よりホームズが目の前で推理をしている様を見ている方がずっと面白く感じる。しかし今はそんな事を言っても仕方がないので再び本に没頭することにした。

階下から響く足音に続いて玄関が開く音が聞こえると、胸に安堵感が広がる。今回の一連の事件は無差別なのではないかとの意見もあったし、万が一のことがないとも言い切れないと思っていたのだ。どうやらあのくだらない願掛けも多少は役に立つらしい。少々憂鬱な気分に浸っていたがいくらか機嫌が良くなり1人ふっと微笑んで。間も無く突然に開かれたのは自室の扉。あえて本から視線を外さずに平然とした様子で文句を言う。「こら、ホームズ。ノックくらいしろ…よ…」言葉が途切れたのは彼が自分を抱きしめたから。細いが案外力強い腕、服越しに感じる体躯。彼の全てにどきりと心臓が鳴って。手にしていた本がバサ、と音を立てて床に落ちる。動揺していた。かつての自分なら“近い!離れろ!”とでも言って照れ隠しをしていたかもしれない。何故か今はどうすればいいのか分からなかった。もしや怪我をして弱っているのかとも考えたがいつも通りに歩いていたからそれは無さそうだ。困り果てて遠慮がちに彼の背中に腕をまわすと氷のように冷え切っていた。そうしてしばらく無言が続き、その静けさを破ったのはホームズの一言だった。その一言に驚いて目を丸くする。が、次の瞬間に可笑しくなって吹き出して。「ぶっ…はは、僕は湯たんぽか何かか? まったく、僕の純情を返してくれよ」冗談まじりに楽しそうにそう言うと今度は遠慮せずにぎゅっと抱きしめて、「おかえりアルバート。何か収穫はあったのか」落ち着いた低い声でそう言って。)


(/はい、調査お疲れ様でした!もちろん大丈夫ですよ〜!事件解決のあたりは任せっきりになって申し訳ないです…

かしこまりました! こちらはのんびりいつまででも待っておりますのでどうぞ無理をなさらずにお時間に余裕ができたときにまた戻っていらしてくださいね!)

84: アルバート・ペンバートン [×]
2017-01-25 18:41:04



( ぷ、と吹き出した彼の温かな笑い声にこちらも釣られて笑みを漏らした。「ただいま、ユキヒコ。」そう言うと埋めていた顔を上げ、彼の顔を見てニッコリと笑った。「ああ、少し苦労したが…僕の推理が正しければ、犯人は特定できたと言っても過言ではないだろう。身長は約180cmで額には比較的新しい傷痕があるはずだ。そして、その人物は恐らくアッシュフォード氏が失踪した理由と関係がある。…まぁ、とにかくこの仮定が正しいかどうかを判断するにはレストレード警部のリストが必要だ。」ふと難しい顔になって頭の中を整理していくかのように語りかけた。もうすぐこの事件は終わりを迎えるだろう。探偵としての勘がそう告げた。時刻は既に12時05分を指していて、そろそろ警部が来る頃だろうかと思っていると玄関のベルの鳴る音が聴こえた。ずっと抱き締めていた彼の目を見つめて暫く名残惜しそうな表情を浮かべるも、そんな事をしている場合じゃないと自らを奮い立たせ、彼から離れると部屋を出て階段を降りていった。玄関のドアを開けるとA4サイズくらいの大きさの封筒を大事そうに抱えた警部の姿があった。「お待ちしておりました、警部。さぁ中へ入って。」中へ通すと寒さで鼻と頬を赤くした警部が封筒を渡してくれた。『少しばかり遅くなってしまい申し訳ない。然しペンバートンさんの望むリストは全てその中に入っていますよ』自室へと向かう階段を登りながら警部は言う。部屋へと招き入れるとソファに腰掛けるよう促した。そして自らも向かい側のソファに深く腰を沈めると封筒の中身を取り出した。依頼していた通り、中にはバス事故の生存者リストが入っていた。目を通していくと推測が段々と確信へと変わっていくのを感じた。「ふむ、なるほど。警部、犯人は確定できました。」自信を持った声色で警部に向かってそう言うとふ、と笑ってみせて )


( / 長らくお待たせしてしまって本当に申し訳ありません!!!!そしてこちらにお気を使って下さって本当になんといったらいいか…!
事件解決の事についてはぜんっぜん大丈夫ですよー!!どうかお気になさらず!こちらが付き合って頂いている身ですので寧ろありがとうございます!
それからお待たせしてしまったお詫びといってはなんですが、この事件が終わったあとおそらくほのぼの日常が戻り、その後にまた事件が起こる、という感じになると思うのですが…
その次の事件について色々考えてみました!
・物が消える屋敷事件(ここではホームズの兄を出してみる予定です)
・謎の手紙事件(ここではホームズorワトソンくんの旧い友人を出してみたいという予定です)
・不死身の囚人事件
こんな感じで3つ候補を揃えてみました!ど、どうでしょうか…?
ともかく、ただいま戻りました!もしまだおられましたらこれからもどうぞ宜しくお願いしたい所存であります…!! )



85: 雪彦・H・芳賀 [×]
2017-01-26 16:36:14


(目が合うと彼はにっこり笑ったが、仕事の話になると不意に難しい表情を見せた。このたった数時間の間に随分大きな収穫があったらしい。「驚いたな。そんな事までわかるのか。レストレード警部もそろそろやってくる頃だろう。君の仮定が証明されるのもすぐだ」驚きと敬愛の混ざった眼差しで彼の目を見つめて。彼はまるでパズルでも解くかのように確実に答えを導き出して行く。それは素晴らしい事だ…しかし恐ろしくもある。その能力を疎ましく思う輩は多い。
階下からベルの鳴る音が聞こえた。彼はほんの一瞬だけ “ホームズ” から “アルバート” に戻って、じっとこちらの目を見つめたがそれは本当に少しの間のことだけだった。彼が去って急にがらんとした自分の部屋で1人、先程床に落としてしまった本を拾う。
間も無く二人分の足音が階段を上がってくる音が聞こえ、ホームズの部屋の扉が開かれ、閉じた。自分も彼の部屋へ向かうと丁度ホームズが書類に目を通しているところだった。こちらを振り返ったレストレード警部と目が合い、言葉は交わさずに軽く挨拶をする。彼は疲弊しきっているように見えた。“このクソ忙しいのになんで全く関係ない書類を俺が探して持ってこなきゃならんのだ” とでも言いたげな不満そうな表情だったので思わず笑いそうになり。ホームズの隣に腰掛けた直後、ホームズの自信に満ちた声が沈黙を破った。レストレード警部の不満げな表情がぱっと変わる。『…えっ? どういう事です? どうか分かるように話してください』警部は少し前のめりに上半身を傾けて驚いた表情でホームズとホームズの持つ書類とを交互に見つめてそう言って。)



(/おかえりなさいませ〜‼︎! いえいえ全然大丈夫ですよ!どうかお気になさらないでくださいね。まったりのんびり末長くお付き合いいただければこちらも幸いです!
なんと…こちらがぼーっとしていた間に主様は先の事まで考えてくださっていたとは…!すみません、ありがとうございます!泣
おおー、一番目の事件はマイクロフト兄さんですね!彼は今後ぜひぜひ出してみたいですよね〜!
どれもとても気になりますが…二番目の謎の手紙事件が特に気になります!事件概要などは決まっておりますでしょうか?もしよろしければ話の肉付けを手伝わせてください!)

86: アルバート・ペンバートン [×]
2017-01-26 21:04:32



( 驚きの表情を浮かべている警部の顔を見てやや嬉しそうに口元を緩ませて。そして一呼吸おいてから淡々と話し出して。「まずは私が受けた依頼と連続殺人事件を整理していきましょう。私は初め、エマ・アッシュフォードと名乗る夫人からある事を依頼されました。それは彼女の主人であるジェド・アッシュフォード氏の捜索でした。彼は妻である夫人に何も言い残すこと無くある日姿を消した。この時点で私自身の目的は彼を探し出すことでした。」話している途中でソファから立ち上がると机の引き出しの中にしまっていたメモを取り出した。「さて、次は連続殺人事件です。私が夫人から依頼を受けた同日、警部から事件の相談を受けました。被害者が書いたと思われる謎のダイイングメッセージ。ああ、警部には言っていませんでしたっけ。あのメッセージの答えはS.B.Lです。」警部の方を振り返りそう言うと、彼はほう、と感嘆の声を上げるもすぐに怪訝そうな表情に変わった。『S.B.L、か。そうと分かりましてもそれが何を意味するのかまた謎につつまれていると思うのですが。』警部の言葉に私は返した。「ええ、その事も踏まえて今から私が全てをお話しましょう。私の受けた依頼と連続殺人事件は、悲しい形で繋がっていました。殺人事件での被害者は1人目がアンドリュー・カインという男性。2人目はアザレア・マクアードル嬢。3人目はチャド・ビリンガム氏。そして4人目はジェド・アッシュフォード氏。殺害された彼らには、ある共通点がありました。それは、三年前に起きたバス事故の被害者ということです。私はワトソンと一緒にアッシュフォード氏の務めるケーベリー社へと出向き、失踪の原因について調べていました。するとそこで資料室から"タワーブリッジ バス事故"についての資料のみ盗まれていたという情報を得たのです。その時は殺人事件と関連がある事に気がつきませんでしたが…」一旦言葉を区切って再びソファに座り直すと再び口を開いた。「バス事故の被害者は全部で18名。のち1名だけが亡くなっています。クレア・ボスロイドという名前の女性です。あぁ、彼女の事は後にするとして…バス事故の資料は恐らく殺人事件の犯人が持ち出したのでしょう。アッシュフォード氏は連続殺人事件の報道を見ていくうちに犯人の意図に気づき始めていた。それも恐ろしい意図に。連続殺人事件の犯人はバス事故の被害者であり、そしてその事故の生存者を一人残らず殺害するつもりです。」そこまで言うと警部はハッと息を呑んだ。『ペンバートンさん、それは本当なんですか?推測であるとはいえそこまで断定的に言うのは…』彼の言葉が途切れたのは私が手を少し挙げ、制止したからだ。「いえ、私の推理に恐らく間違いはありません。…話を続けましょう。」そう言うと警部は納得のいかない表情を浮かべるものの口を噤んでソファに深く腰掛けた。「…先ず、アッシュフォード氏は何故失踪したのか。これは殺人事件の事を考えればすぐに謎が解けました。彼はまず初めに殺人事件の1人目の被害者の名前を目にします。アンドリュー・カインとアッシュフォード氏は面識がありません。然しテレビに映し出される顔写真で誰なのかを知ります。そして2人目、アザレア・マクアードル。彼女の事もテレビや新聞で見かけた事でしょう。ここではまだ気づいていなかったのでしょうね。3人目、チャド・ビリンガムが被害者として報道された時、彼は犯人の悪意ある意図に気づき、周りを警戒するようになったのです。そして恐らくアッシュフォード氏と犯人は面識のある者同士。間違いを犯していると分かっているアッシュフォード氏はこう思ったことでしょう。"止めないと。" と。」夫人に依頼された日にとったメモ用紙をテーブルに置いてそう告げ )


( / なんというお優しいお言葉…!!本当にありがとうございます!!こちらこそです!!!私は本当に幸せ者でございます!いえいえ!これくらいの事はやっておこうと思いましたし、今回の事件の事でも色々と考えてくださっていたので少しでもお役に立てればと…!
そうですよね!笑 いつかお兄様を出したいです笑
かしこまりました!本当ですか!?ありがとうございます!ではお言葉に甘えて頼りにさせていただきますね!笑そうですね、ざっくりいうと
・ホームズへの挑戦状として送られてきた差出人不明の謎の手紙
・謎の手紙が送られてきて差出人を突き止めてほしいと依頼される
の2つのストーリーを考えているのですがどうでしょうか??
1番目でしたら 挑戦状が送られてくる→謎を解く度に段々と差出人に近づいていく→突き止めたと思ったら既に差出人は死んでいた→謎が深まる→また挑戦状が送られてきて→(考え中)
2番目でしたら 依頼人が来る→差出人を突き止めてほしいと依頼→謎の手紙の内容には予言が書かれていて実際にその事が起きていく→依頼人が恐怖で自殺してしまう(これも予言によるもの)→謎を解いて犯人を突き止める→予言の種と仕掛けは心理を悪用したものだった的な→(未定)
というのを考えております!)



87: 匿名さん [×]
2017-01-27 14:53:05


(/ 背後のみ失礼いたします!!すみません、少々バタバタしておりまして来週の半ばくらいまで来られなくなりそうでして…! 時間が出来次第すぐに戻ってまいります!お返事をお待たせしてしまってすみません泣)

88: 匿名探偵 [×]
2017-01-27 17:20:31



( / かしこまりました!気長にお待ちしておりますのでお暇になった時にいらっしゃってくださいませね!
いえいえお気になさらないでください!お互い様ですから!笑 )



89: 雪彦・H・芳賀 [×]
2017-01-31 22:08:51


(淡々と順序立てて話を続けるホームズ。そして事件の全容が徐々に明らかになってきた。まるでこれまでバラバラに散らばっていたパズルピースが一枚ずつ繋がっていくようだ。ソファに深く腰掛け、いつの間にか彼の話に聞き入っていた。それは自分だけではなかったらしい。レストレード警部の方を見ると彼はホームズの言葉を一言も聞き漏らすまいとでもいうように注意深くホームズの一挙手一投足をじっと見つめていた。彼はテーブルにメモが置かれると少し身を乗り出して目を細めてそれを眺めた。

「“止めないと” か」目を伏せ、誰に言うでもなくぽつりと1人呟く。ホームズの言葉で目の前がぱっと開けた。アッシュフォード氏は家を飛び出したその日には犯人が誰なのか知っていたのだ。 しかもホームズが言うにはなんと犯人は彼の知り合いらしい。連続殺人事件という極めて重大な出来事にも関わらず、アッシュフォード氏は犯人を知っても尚警察に駆け込もうとはしなかった。それどころか自らの危険をもかえりみず自分1人で、犯人を止めようとした。…いや、危険とすら思わなかったのかもしれない。犯人が自分に危害を加える筈がないと思える間柄だったかのかもしれない。だから彼は誰にも行き先と外出の目的を意図的に“言わなかった”のか。ひょっとすると、犯人の未来のために。自分の妻にさえ本当のところを打ち明けず、知り合い…いや、おそらくは友人のあやまちを止めるべく家を飛び出し、そして無惨にも殺されたのだ!
なんという事だろう、と思った。無意識に膝の上で組んだ両手の力が入る。一体犯人は誰で連続殺人の動機はなんだったのだろうか? それは犯人に良き友人をも殺させたのだ。悪魔に取り憑かれでもしたとしか思えない。

レストレード警部がメモから視線を外しホームズに向き直ると注意深い視線を彼へ向けた。事件の核心に近づいている気配は彼も肌で感じていることだろう。『と、するとペンバートンさんの受け持っていた失踪事件で失踪した男は連続殺人の犯人を知っていて、“止めようと”したわけですね? そして4人目の被害者となってしまった、と……。連続殺人の目的はバス事故の生存者を1人残らず殺害する事と仰いましたがどうも要領を得ません。犯人は何故そのようなことを?』)


(/大変お待たせいたしました!!!ただいま戻ってまいりました。引き続きよろしくお願いいたします!
ううむ、どちらも面白そうですね…迷いますね。
一番目の挑戦状の事件はホームズの旧友が亡くなる直前に思いついたちょっとした遊びだった、というのはいかがでしょうか。
旧友とホームズは昔は仲が良かったが過去になんらかの衝突?不可抗力?があってお互い全く連絡を取っていなかった。
旧友は風の噂でどうやらホームズが探偵業に就いているのとを知り、自分の余命が幾ばくもないということもあってホームズと連絡を取ろうとした。
彼or彼女はかねてからホームズが頭脳を持て余して退屈に悩まされていた事を知っていたので普通には連絡を取らず挑戦状という形でコンタクトを図った…というのはいかがでしょう。
旧友とはいえホームズとは浅からぬ仲っぽい雰囲気ですが…笑
この案ですとちょっと湿っぽい内容になってしまいますので、もっとバリバリのミステリーにしたい!という事でしたら他にも考えてみたいと思います!!!)

90: アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-01 19:51:46



犯人の動機については、今朝私が行った調査で殆ど判明しました。

( 警部の言葉に小さく頷くとそちらを向いて上記。「私は午前9時ごろにバス事故の被害者であるクレア・ボスロイドという女性の両親が住む家を訪問しました。そこで彼女の母親から、深く愛し合っていた婚約者がいたこと、事故によって引き裂かれたこと、残された恋人の方は一切連絡が取れなくなったこと、そして彼女からの手紙が遺されていたという事を聞きました。」右手の指先で顎の辺りを撫でるようにして触りながらそう話す。今朝の話を鮮明に思い出していく。警部やワトソンからの視線を感じるとコホン、と一度咳をして再び口を開いた。「…手紙には、恋人への愛の言葉が書かれていました。そして私はその手紙を読んで確信したのです。…犯人はクレア・ボスロイドの元恋人である、と。」きっぱりと言い切ると警部は驚きを隠せないでいた。身を乗り出してこちらへ近づくと警部は言った。『それは一体、どういう事です?手紙には愛の言葉が書かれていたのでしょう?それが何故犯人に繋がるのですか?』落ち着きのない言葉で話す警部をなんとか宥めるとこう話した。「ああ、お話しますから…どうか落ち着いて。…まず、なぜ私がその手紙を読んで確信したのか。それを今から説明しましょう。被害者のミス・ボスロイドの直接の死因は何であったか覚えていますか?」問いかけると警部か言った。『ええと、確か全身打撲によるものだと記憶していますが。』その言葉にコクリと頷いた。「そう。打撲によるものです。さて、では今回の連続殺人事件の被害者の死因は何でしたか?」するとまた警部が答える。『…打撲。』再びコク、と頷く。「その通り。」ソファから再び立ち上がって部屋をゆっくりと歩き始めながら話していく。「私の推理では…恋人を失った犯人が、逆恨みによってあのバス事故での生存者全員に彼女と同じ目に遭わせようと思い、撲殺という方法を選んだのでしょう。」その言葉に警部がなるほど、と納得の表情を浮かべて小さく頷いた。「そしてもう一つ。私が確信に至った直接の理由は、手紙に書かれていた"宛名"です。手紙の最後にこう書かれていました。〝貴方の恋人、クレア・ボスロイドより ショーン・ノリントンへ 〟…つまり、S.B.Lです。」そこまで話すと一旦話すのをやめて窓の外を眺めた。手紙に書かれていた内容は、今起きている事件を全く予想させない程幸せに満ち溢れたものだったからだ。「実はその手紙は彼女の母親から私が譲り受けて、今ここにあります。」そう言って自分の懐を指さした。「…これは犯人を自首させる為に必要なものとなるでしょう。」静かな声色でそういった。警部をチラリと横目で見ると彼は何やら複雑そうな表情を浮かべていた。それもそうだろうと思った。何しろこの事件は悲劇から生まれたものだったのだから。「ケーベリー社から消えた資料には…恐らくバス事故での生存者や死傷者リストがあったのでしょう。それを元に犯人は当時の生存者を殺害していった…アンドリュー、アザレア、チェド。つまり、ファーストネームを数字に置き換えた時に数字の若い順に。そして次に来るのはE。狙われるのは妻であるエマ・アッシュフォードだと彼は気づいた。然し不運にも彼は犯人の怒りを買い、殺害されてしまった。だからアッシュフォード氏はS.B.Lではなく数字でメッセージを遺したのでしょう。"順番に殺されていっている"と。」重苦しい空気が部屋中に漂った。暫く沈黙が続くと再び口を開く。「私の推理が正しければ、犯人は今日の深夜にでも当初の目的を果たすために計画を実行するでしょう。アッシュフォード夫人の身が危険です。警部、ご同行願えますか?ワトソン、勿論君にも来てもらいたい。銃は持っているね?」外を見ていた視線を外し、振り返って2人に問いかけた。警部は『ええ、勿論です。』と頷いて快い返事をしてくれた。ワトソンに銃の有無を問いかけるのと共に自分も引き出しに置いていた護身用の銃を取り出し、弾を数発込めていき )


( / おかえりなさいませ!!お待ちしておりました!こちらこそよろしくお願いします!!
なるほど…!素敵なストーリーですね!!
旧友との衝突は
・旧友にとっての大切な人の裏の顔?みたいなものをホームズが暴いてしまい、大切な人は殺されるor姿を消した、そして大切な人がそうなった原因はホームズにあると知った旧友が(その時は若かったので色んなショックで)激昴して殆ど絶縁状態になった
なんてのはどうでしょうか!
いえいえ!そんな雰囲気も好きですので私は大歓迎でございます! )



91: 雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-02 13:25:39


(全てのピースが揃い、正しい位置に当てはめられていく様は手品を見ている時の感覚によく似ていた。いつもならホームズの推理と考察の種明かしのテンポに驚くとともに小気味好いと思うところだが、今回は心が鉛のように重たくなって深く暗い海に沈んでいくような感覚も伴っていた。“犯人はクレア・ボスロイドの元恋人である” ホームズはきっぱりとそう言い切った。その言葉にはっと息をのみ、どうしようもなく居た堪れない気分になってホームズに向けていた視線を組んだ指先に落とす。レストレード警部は驚きを隠せない様子で自分とは反対に身を乗り出して疑問を浮かぶままにホームズにぶつけた。それからの二人のやり取りは聞いてはいたもののどこか心ここにあらずで。
恋人の突然の死が犯人を悪魔にした。
職業柄、人の死に立ち会う事は他の職業よりも多い。軍医のときもそうだったし、医者でもそうだ。ホームズのところに舞い込んでくる事件と関わるようになってからは“複雑な事情”の死を目の当たりにする事が増えた。言ってしまえば慣れてしまいつつあるのだ。いちいち立ち止まっていては前に進めないし仕事にならない。感情移入は不要だ。それはこちらの命取りになりかねない。そうはっきり分かっていても今回はいつもの通りに機械的に頭の中で整理する事が困難だった。もしかするとそれは自分も彼らの想いをよく知っているからかもしれない。犯人がかつて恋人に向けたであろう想いや、アッシュフォード氏が夫人の身の危険に気づいて必死に守ろうとした想いを。

“銃は持っているね?”というホームズの言葉にはっとして、レストレード警部に続いて返事をする。「ああ、もちろん。退役するときにちょろま……、貰い受けたものがあるよ」ちょろまかした、と言おうとしてふと警部と同席していた事を思い出して慌てて言い直して。立ち上がって自室へコートと帽子と杖、そして拳銃と弾倉を取りに行く。
戻ってきたときには2人とも準備が整っていたようで、レストレード警部は椅子から立ち上がると神妙な面持ちで言った。『そうと決まれば急ぎましょう。アッシュフォードさんの家はここからそう遠くはありません。道案内は任せてください。…実はアッシュフォードさんの死を奥方に伝えたのは私なんです。大変な取り乱しようで…本当はいろいろ聞き込みをする筈だったんですがね。いやしかし、無理もありませんよね。気の毒なことです』
その言葉に何も言わず、ただ目を伏せて頷いて。

レストレード警部の言っていたとおり、アッシュフォード氏の自宅はそう遠くはなかった。「ホームズ、どうするんだ? このまま外で張込むのか、それとも家の中で待ち伏せするのか?」と、隣を歩くホームズに問いかける。正直どちらも辛かった。外は酷い冷え込みようだし、中は夫人と顔を合わせなければならない。)


(/わー!ありがとうございます!!泣
衝突の原因、とてもしっくりきます!旧友もホームズもお互いに若い時の話ですからそれが原因で絶縁って流れ、ありそうです。旧友の大切な人についてですが
・恋人
・旧友が片思いしていた先生
などでしょうか…。
恋人ならば恋人の知られたくなかったことは実は他の人と婚約している、事情で遠くへ引っ越さなければならない、不治の病に侵されている、などいかがでしょう。
先生ならば、旧友が慕っていた先生は過去の不正をしていた→暴かれて学校にいられなくなって旧友の前から去る
みたいな流れはいかがでしょうか!)

92: アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-02 20:23:29



( 外へ出ると既に日は落ち始めていて辺りは暗がりが立ち込めていた。帽子を深く被りツバでその目を隠すようにしてしまうと顔に影が落ちる。夫人の家へと向かって歩いている途中に隣で歩いているワトソンに問いかけられると一呼吸置いてから答えた。「ああ、決めておこうか。二手に分かれよう。まず、私と警部が外で見張っておく。それからワトソン、君は中で夫人の身の安全を確保してくれ。もしもの時は君が頼りになるだろう。」提案は以上の通りだ。二手に分かれさせたのは先ほどの理由は本当であるが、ワトソンを危険な目に遭わせたくないという思いもあっての事だった。言い終わるか終わらないかのうちに夫人の家の玄関まで着いてしまうと、自然と口を噤んで辺りを警戒する。視線だけを動かして周りに怪しい人影が見当たらない事を確認するとコンコン、と玄関を数回ノックした。暫く経つとゆっくりと玄関の扉が開き、中から目が赤く腫れ、明らかに泣き腫らした様子の夫人が顔を覗かせた。『…あぁ、ペンバートンさん…っ…あの、今は…』そう言いかけたところで言葉を遮った。「分かっています。こんな時に本当に申し訳ない。然し事は一刻を争うのです。どうかご協力お願いしたい。でないと貴方の身が危険です。」そこまで言ってしまうと夫人がハッとした表情を見せた。恐らくこれから起ころうとする恐ろしい出来事を予感してのことだろう。分かりました、と涙声ながらも返事をした夫人は中へ入るよう促した。「ありがとうございます。貴方の事は我々が全力を尽くしてお守りします。ではレストレード警部、私と一緒に。アッシュフォード夫人、貴方はワトソンと共にこの家の中で1番安全な場所に避難していて下さい。できれば身を守れるようなものがある場所に。」真剣な目でそう言うと警部と目配せしてそのまま外で待っている趣旨を夫人に送って。その場から離れる前に一度ワトソンの方を振り返ると"必ず戻る"という意味を込めた目線を一瞬送ったのち、すぐに警部の方に顔を向けると警部と共に家の近くの茂みに身を潜めて )


( / いえいえ!!!
おお、そう言っていただけてよかったです!!
良いですね!個人的には先生の話がとてもグッときました!
あ、それに少し付け足しみたいな感じで思いついたのですが…
・先生は旧友と恋仲関係にあったが、先生は旧友の事を好きだと思っておらず寧ろ遊びだった
・純粋な旧友は遊ばれていたと知らずその事もホームズに暴かれた
・不正+遊び=消えた 事は全てホームズのせいだと罵り絶縁
というのはいかがでしょうか? )



93: 雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-03 06:58:57


ああ、分かった。…自宅に専属の医者がいるからって風邪ひかないでくれよ。
(ホームズの提案を飲むとにっと笑ってみせて。心の中に暗雲のように広がる不安を消し去りたかった。犯人は武器を持って来るだろう。誰も怪我をしなければいいのだが。

ホームズと別れるとき、何も言葉は交わさなかったものの彼の眼差しは雄弁だった。小さく一度頷いたのちにゆっくりと扉を閉め、そして彼の姿は見えなくなった。不安に思うのはやめた。これは今生の別れにはならないし誰も傷つかない。そんなことには絶対にさせない。
エマ・アッシュフォードは、依頼に来たときにもやつれていたが今はその比ではなかった。彼女は赤く腫れ潤んだ両目をさっと手の甲で拭うと居間へ案内し掠れた声で弱々しく言った。『安全なところと言いましても…、居間で大丈夫かしら。二階へはできるだけ上がりたくないんです。夫の気配を感じてしまって……。どうぞ、おかけになってください。紅茶か珈琲はいかがですか?』勧められるままにソファに腰掛けると微笑んで。「いえ、どうぞお気を使わずに」その言葉に夫人はそうですか、と弱々しく呟くと覚束ない足取りで向かい側に座った。それから暫くの間沈黙が続き、時計の秒針が進む音と銃を整備する音だけが居間に響いていた。弾倉をはめるとより拳銃の重みが増して。手のひらに伝わる冷たい感覚は恐れを麻痺させる。ぽつりと口を開いたのは夫人の方だった。『あの…私、犯人に狙われているんでしょうか』ぱっと顔を上げると彼女は不安げに右の拳を胸に寄せてこちらを見ていた。「ええ。でも何も悪い事は起こりませんよ」夫人の表情は曇ったままだ。『ごめんなさい、戯れ言だって聞き流してください。でも』大粒の涙が頬を伝う。『彼の元へ行けるのならそうなっても良いって思ってしまうんです』何を言うんです、ときっぱり否定するべきなのだろう。しかしそれは難しい事だった。「アッシュフォードさん。旦那さんは貴女を守ろうとしていたんですよ」彼女は赤い目を見開いた。その時玄関からノックの音が聞こえて。ここにいるようにと身振りで示すと拳銃のスライドを一度引いてコッキングし玄関まで静かに向かう。拳銃を持った右手を身体の後ろに隠すように引き左手で扉を開けるとそこには男がいた。身長180cm、額にはまだ新しい傷跡がある。ホームズの言っていた男だ。)

(/あああ〜〜素敵です〜!そして切ないですね!切ないですがとても惹かれるところのあるストーリーです…!是非それで行きましょう。先生の不正は何にしましょうかね。学校のお金に手を出したとか、裏口入学に一枚噛んで小遣いかせぎしていたとかでしょうか? もっと凶悪な方が良いですかねえ…)

94: アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-03 18:06:45



( 風邪を引かないでくれ、という言葉に微かに笑ってみせた。そうすることで不安な気が紛れると思ったのだ。
背後で扉がゆっくりと閉まる音を聴くと気持ちを奮い立たせた。警部の背中を追いかけ、2人とも無言で身を隠した。暫くはお互い無言だったがふと警部がポツリと呟いた。『犯人の特徴はどんなものかお伺いしましたかな?』問いかけられるとヒソヒソと小声で返す。「いえ、言っていませんでした。身長は約180cmと大柄で額に新しい傷跡があるはずです。それから証拠を残さない為に手袋と繊維が落ちないような毛糸等以外の格好をしてくるでしょう。マフラーもせず帽子も被ってこないでしょうね。」警部はなるほど、分かりました、とだけ返すと再び2人の間に沈黙が流れた。暫くすると数メートル先の街角の方から人影が現れた。遠目から見ても大柄だとわかるその影は段々こちらへ近づいてきて、そしてアッシュフォード夫人とワトソンの居る家の玄関の前で立ち止まった。さっと瞬間的に緊張が走った。玄関口の灯りに照らされた犯人の姿は予想していた通りのものだった。犯人はゆっくりとした動きでドアをノックした。すると暫くしてからワトソンがドアを開けて少しだけ身を覗かせた。"手を出すまでは現行犯で逮捕する事が出来ない。然し誰も怪我をさせてはならない。"それが今の自分の使命だった。警部と目配せしてバレないように身を隠しながらゆっくりと近づいていく。犯人がふいに口を開いた。『…エマ・アッシュフォードという人物に用がある。』確かにそうワトソンに言ったのを聞いた。ある程度近づいたところで再び身を潜めれば様子を伺って )

( / うわああお褒めいただきありがとうございます!!
あ、いいですね!
その中でしたらお金に手を出した、とか良さそうですね!もしもう少し凶悪さを出すならその金額が1000万にも及ぶとかにするとか…!
他は何か決めておくことはありますかね?? )



95: 雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-04 07:41:43


(扉を開ければすぐにでも鈍器で殴りかかってくるかと内心ヒヤヒヤしていたがそんな事態にはならなかった。男は本当にふらっと昔の知人の家に訪ねて来たかのような落ち着きようで、落ち窪んで翳った暗い瞳には興奮の影すらもも見られない。顔面は病的に青白く色素の薄い無精髭が彼をやつれて見窄らしい印象に仕立て上げていた。気味が悪いほど落ち着き払った静かな声で、この男はあくまで単純な作業を淡々とこなしに来たにすぎないのだと気がついて。
仮面的に愛想のいい笑みを浮かべて「ええ。居ますよ。中へどうぞ」と言うと男は表情を変えぬままにそれを辞退した。『いや、玄関先で結構。すぐに済む。呼んできてくれ』男はこちらの目をじっと見つめていたがどこか視線の交わらないような、奇妙な感覚を覚えた。彼は恐るべき凶行を頭の中で予行しているのだろう。しかし少し妙だった。ホームズの目は誤魔化せないとしても、警察だけの捜査の上では今まで殆ど完全犯罪をやってのけていた男が素顔を見られるなんてヘマをするだろうか? しかもどうやら彼は顔を第三者に見られたにも関わらず予定通り計画を実行に移すつもりのようだ。素人目にも分かるくらいとても同一人物とは思えない粗さだ。
もちろんです、と言って頷くと一度扉を閉めて急いで居間に戻り。居間のソファではアッシュフォード夫人が不安げに座っていた。右手に持ったままの拳銃をジャケットの内ポケットに仕舞うと出来るだけ冷静な声音を意識して。「良いですか、落ち着いて聞いてください。今玄関に犯人が来ています。今から貴女に扉を開けていただきます。私は犯人の死角になるところから貴女の身を守ります。外には警部とペンバートンも居ますから、何も心配する事はありません。どうかご協力お願いいたします。犯人を逮捕するために必要な事なんです」
夫人は不安げではあったが数回小刻みに頷くと先ほどとは打って変わってしっかりとした足取りで玄関へ向かった。玄関の外にいる犯人の死角に入るよう、そして手を伸ばせばすぐに夫人の腕を掴めるようにドアのすぐ横の壁にぴったりと背中をつけて拳銃を両手で握り。夫人は一度目配せをするとそっと扉を開けた。相変わらず不気味なほど落ち着き払った男の声が聞こえてきた。『エマ・アッシュフォードだな?』夫人が答える。『ええ、そうです』彼女がそう言い終わるか終わらないかのうちに男は拳銃を内ポケットから取り出すような仕草でロング コートの内側に手を突っ込んだ。しかし取り出されたのは拳銃ではなく。コートの中にどうしまい込んでいたのかは分からないが、手袋をはめた手がコートの内側から引っ張り出したのは三十センチはあろうかというバールだった。男がそれを振りかぶる。間一髪で身体を強張らせたエマ・アッシュフォードの腕を強く引きよせ自分の身体を盾に彼女を背後に隠して「ホームズ!! 警部!!」と外に向かって大声で怒鳴って)

(/なるほど!凶悪さが出ますね笑 そうしましょう!あと決めておくのは旧友と先生のそれぞれの人物像と時系列でしょうか。なんとなく先生は聖人の面の皮を被った悪魔みたいな、でもどこか魅力的な男にしてみたいなと思うのですがいかがでしょうか笑
旧友は人を疑うことを知らない根っからのお嬢さんのように先生と対照的だと面白いかもしれませんね。)

96: アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-04 17:41:47



( 犯人は不自然すぎるくらい冷静な声でアッシュフォード夫人を呼び出した。暫くして緊張した面持ちの夫人が玄関から顔を覗かせた。その瞬間にこちらは動き出す。犯人が凶器を持ち出して大きく振りかぶった。用意していた銃を持ち出すと狙いを定め、バールに向かって引き金を引いた。放たれた弾は定めた通り凶器に当たり、はじかれたバールは犯人の手から離れていった。突然の衝撃に犯人は呻き声を漏らしながら手を抑え、今度は先ほどとは打って変わり血走った目でこちらを見た。目が合うと犯人は怒りの表情を浮かべてこちらへと向かってきた。こうなる事を予想して凶器も無しに殴りかかってきた犯人の拳を肘でいなし、攻撃をかわした。「警部!夫人とユキヒコの安全を確保してくれ!」物凄い力で掴みかかってくる犯人と対峙しながら警部に向かってそう叫んだ。思わず荒い言葉になったのは犯人の異常性が思っていた以上に強かったからか。警部はこちらの意図を汲み取ると夫人とワトソンの居る玄関口へと急いで向かった。初対面で興奮状態の人間を落ち着かせるのは容易なことではなかった。全力を込められた拳は頬を掠めた。やや大振りで比較的かわしやすいものではあったが、日頃の運動不足が災いした。間一髪だった。然し頭に血が上っている人間の行動は至極読みやすかった。左からきた拳を今度はひょい、と避けるとすぐに両腕を使って相手の大動脈付近に不意打ちを食らわせた。するとフラフラと足元を覚束せた犯人が地面へと倒れこもうとしていた。すぐ様近づいて取り押さえようと犯人の肩を掴んだ時、パァンッという音と共に左肩に鋭い痛みが走った。思わずガクッと膝をつく。肩を見ると血が流れていて、犯人の右手には拳銃が握られていた。しまった、と思う暇もなく逃げようともがく犯人を痛みに耐えながら必死で押さえた。「警部!手錠を!」そう叫ぶとすぐさま警部はこちらへ向かってきて )

( / 分かりました!私の想像する旧友と先生の人物像をとりあえず書いていきますね!
旧友
・女
・頭が良い
・ホームズとはお互いに尊敬し合っている仲でたまにお互いの意見を言い合ったりしていた
・先生が好き
先生
・男
・表面だけみると容姿端麗で誰にでも優しく接する完璧な紳士
・裏の顔は人を見下し、無能な連中だと蔑むような人
・金に汚い
こんな感じですかね?笑
聖人面した悪魔…わかります!そんな感じのイメージですよね笑
とりあえずこちらのイメージは上記の通りです!)


97: 雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-04 20:24:23


……ッ!!
(二発目の銃声が人通りの少ない静かな夜の通りに響き、その突然の出来事と眼前の光景に声が出なかった。辺りはもうすっかり陽が落ち犯人とホームズの姿は玄関の明かりと街灯とで暗闇から浮き上がって見える。ホームズが被弾した事を悟ると頭の血がサッと下がって顔面が蒼白になるのが自分でも分かった。戦場にいた時のような気分になり、ほぼ反射的に両手で拳銃を構え犯人に狙いを定めると右の人差し指をトリガーガードから引き金に滑らせるように移しその指に力を込めーーしかし、ホームズの“手錠を!”という声ではっと我に返ってトリガーから指を離した。レストレード警部がすぐさま駆け付け猟犬のように飛びかかって拳銃を持つ犯人の右手を踏み、犯人が痛みで拳銃を手放すとすかさずそれを遠くへ蹴った。直後、乾いた金属音と共に犯人の両手に手錠がかけられて。『ふう…、すぐに応援と救急車の出動を要請します。ペンバートンさん、大丈夫ですか?』警部は犯人が逃げないようにホームズに代わって片手で抑えつけながらもう片方の手で仕事用の携帯電話を取り出し、ホームズにそう聞いて。犯人は手錠をかけられた事でがっくり来たようで逃げようともがくのを諦めていた。

犯人に手錠がかかったのを確認すると夫人のそばを離れてアルバートに駆け寄る。
「ごめん。寒いだろうけどちょっと我慢して」そう声をかけると彼の肩を抱くような形でその場を座って。彼のコートとその下のシャツとを左上半身だけ器用に脱がせ、ポケットから取り出したスマートフォンのライトで照らして銃創を確認する。射入口は5mm程度で煙渣で傷口付近が黒くなっている。調べると射出口もすぐに見つかった。幸か不幸か意識もしっかりあるし首と手首の脈もちゃんと触れている。撃たれた後も犯人を押さえつけていたから肩から手にかけての知覚と動作にも問題はなさそうだ。
「貫通射創だ。大丈夫、鎖骨は折れてないし動脈損傷もなさそうだ…おそらく上腕骨骨折の手術だけで済むよ。不幸中の幸いだな」
淡々とそう言いながらスマートフォンのライトを切りポケットにしまうと取り出したハンカチを広げて縦長に折りたたみ射入口と射出口の両方を塞ぐように肩を包み込んで両の手のひらで傷口を圧迫して。彼と目を合わすことができなかった。半分だけ脱がせた服をうまい具合にハンカチがずれないように肩にそっとかけると服の上から圧迫を続ける。傷口に障ると知っていながらどうしても語気鋭く叱らずにはいられなくて。「アルバート! どうしてあんな無茶をしたんだ! 君は警部を僕らの方へ来させるべきじゃなかった。犯人と2対1ならともかく、1対1でどうにかしようなんていくら君でも無茶だろう。銃創があと10cmでもずれて動脈を傷つけていたら今頃君は……!」もしかすると泣きそうな表情をしているかもしれない。正直みっともない…誰も傷つけまいと決意した結果がこのザマだ。じっと彼の目を見つめ、彼の体温を手のひらで感じて彼が生きている事を何度も何度も繰り返し確かめる。「君が生きていて良かった。本当に…」消え入りそうな声でそう呟いて)


(/おおー!ぴったりです!人物像はそれで行きましょう!それから時間軸なのですが、その事件があったのはいつにしましょうか。ハイスクールか、大学でも良さそうですよね。

また、今の事件の解決後のほのぼのパートはホームズくんの肩の傷が治るまでの看病がメインでいかがでしょうか。あんまりほのぼのしてないですかね?笑)

98: アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-04 22:19:15



( その後の展開は驚くほどにあっという間だった。警部が応援を要請するとすぐに何人かの警察官がパトカーで駆けつけ、すっかり大人しくなった犯人は警察官に囲まれ、促されるがままに署へと連行されていった。救急車を呼ぶ、という警部の言葉にはすぐさま反応した。「救急車を呼ぶには及びません警部。それよりも、私も彼の事情聴取に同行させていただけませんか。」痛む傷口を右手で抑えながら顔を見上げて言った。警部は少し驚いた顔をしたがすぐに眉根を寄せた。『…ペンバートンさん。あなたが犯人の犯行手口を深くまで知りたがる性分はこちらとしても十分承知しているつもりですが、今回ばかりはあなたの負った傷を治すことを優先しなければなりません。』こちらの事を思っての言葉だとは大いに分かっているが、それを聞いてあからさまに肩をがっくりと落とした。警部はまた後ほどお話をお聞かせしますから、とだけ告げると夫人の方へと駆け寄っていった。夫人は終始放心していたようだった。無理もないだろう。突然始まった恐ろしい出来事は、こんなにも呆気なく、そして突然終わったのだから。
それからすぐにワトソンがこちらへと駆け寄ってきた。傷口が見えるように服を脱がされると、はだけた部分は冷気に晒されてようやく寒さを感じた。医学を修めているだけあって流石の分析だと感心する。彼の顔を見つめていると突然語気を荒めて叱られた。あまりに唐突な出来事にきょとんとした表情を浮かべる。だが彼の言葉はまさに正論そのものだった。最後に彼が語尾を弱め、消え入りそうな声でそう言うのを聞くと申し訳なさそうな困った表情をした。「…すまないユキヒコ。だが君を傷つけられるのを見たくなかったのだ。」ポツリと呟くように言うと右手で彼の頬を撫でた。ズキズキと疼くように痛み続ける感覚に少し顔を苦しそうに歪ませる。「ふ、ははっ…愚かだと思うよ、私自身。君への好意が判断を鈍らせた。」目を細め、彼の瞳を見つめながら自嘲気味に言う。「…だがあれで君を守れたなら、私はそれが正しい判断だったのだと信じている。」そう言って今度は優しく微笑んだ。少し肌寒くなってきて彼に身を寄せた。白い息を吐くと頭を彼の胸元に預けた。緊張が解けたせいか自然と口元に笑みが広がっていった。傷の痛みも先程より気にならなくなり、鼻をずずっと啜るとポツリと呟く。「…寒い。」 )


( / ありがとうございます!!了解です!
すいません、時系列について触れるのを忘れておりました…汗汗
そうですねぇ、では折角なのでハイスクール(パブリックスクール?)はどうでしょうか?エリート校で起きた事件となると色々隠蔽されて~とかまた後々話を繋げられそうですし!
あ!!それいいですね!笑
ワトソンくんに世話を焼かれるホームズを想像してしまい思わず笑ってしまいました笑 ではほのぼのパートはそれメインでいきましょう!! )



99: 雪彦・H・芳賀 [×]
2017-02-05 20:52:36

(彼の右手が頬に触れた。それは夜の冷気にさらされて体温を失いひんやりとした感触だった。
「いや、愚かなんかじゃないさ。でもそれが君自身に無茶をさせるんなら僕は迷ってしまう。もし僕らが出逢わなければ君が僕のために無茶をやるなんて事もなく、君の肩に穴が空くことも無かったんだ。…こんな息の詰まりそうな思いをする事もね」
彼が頭を胸元に寄せると身体が冷え切っているのがよく分かった。マフラーでも持って来ていれば良かったのだが。
「ま、もしもの事なんて考えても仕方ないな。僕らは出会ってしまったし、君の肩にはしっかり穴があいてる。…散々怒った後で言うのもなんだけど君に本気で怒れないのはなんかこう、惚れた弱みみたいなものを感じるよ…」ふ、と苦く笑い。

それからは慌ただしく時間が過ぎて行った。夫人と犯人の事はレストレード警部が全部引き受けてくれたようだ。間も無く救急車が到着し近くの病院に搬送される事になった。このまま怪我の詳しい状況も分からず1人で帰るのも少々不安だったので一応付き添いでついていく事にして。ERに着くなり傷口の処置とレントゲン撮影、感染症予防のため点滴による抗生剤の投与が行われた。担当してくれた医師曰く弾丸がうまく貫通したため上腕骨骨頭の粉砕はそこまで深刻ではないそうだ。医師との話が終わった頃、警部からEメールが届いている事に気がついた。開封してざっと目を通すと外科の入院棟にいるホームズの元へ急いだ。
彼のベッドはすぐに見つかった。「気分はどうだ?」ベッドの横の丸椅子に腰掛けるとそう尋ねて。
「もう聞いたかもしれないがとりあえず今夜と明日は入院して血腫がひいたら骨折の手術をするそうだよ。…あと、警部からメールがあってね」そこで一旦言葉を切ると側に置いてあった彼の着ていたコートに触れて。無残にも2つの穴が空いて血だらけだ。「犯人は完全黙秘をしているらしい。取り調べも何も進まなくて早くもお手上げ状態だってさ。血塗れでも君に来てもらった方が良かったって嘆いてるよ」彼に視線を戻すとそう言って少し笑い。)

(/いえいえ!おお、良いですね!巨額のお金が動いていそうなイメージありますしね笑
ではとりあえず今後の事はざっくり決まりましたかね。挑戦状についても何か考えておきますね〜)

100: アルバート・ペンバートン [×]
2017-02-06 17:25:41



( 頭上から聞こえる彼の声とその言葉に耳を傾ける。心地よいが時折悲しみが伝わるそれに終始罪悪感を感じてしまって。彼を悲しませてしまったのは何よりも辛かった。それでも、と最後に彼は前向きな言葉を口にしてくれて自分の心は幾らか中に浮き上がったかのように軽くなった。そして再び、判断は間違っていなかったのだと頬を緩ませるのだった。
それから少しはあまり記憶がなかった。覚えているのは救急車の喧しいサイレンの音と付き添ってくれたワトソンの自分を見つめる瞳で、ふと意識がはっきりし始めた頃には病室のベッドの上に居た。気がつくと負傷した肩にあまり痛みがなく、このベッドに寝かされるまでに適切な処置が施されたのだということを理解した。それから少しして犯人が逮捕されたのだということを思い出す。今までの犯行の手口と今回の犯行について色々と不可解な部分があったのは確かで、それを聞き出したい思いでいっぱいになると病室を抜け出そうと体を起こした。然し、丁度いいタイミングで彼が自分の元へとやってきた。ワトソンだ。彼はベッドの近くに置いてある小さな丸椅子に腰掛けるとそう尋ねた。「ああ、悪くない。」短いながらも的確な言葉を返す。「入院なんて時間が勿体ないだけだろう。私は自宅療養で十分だよ。」心底嫌そうな顔をして彼にそう返した。とはいえ同じ言葉を担当医にも言ったところ完全無視を決められたわけだが。彼の言葉に耳を傾けると、どうやら警部らは苦戦を強いられているらしい事がわかった。「うん、やはりそうか。ま、なんとなく私はそうなる事を予感していたよ。…となると、私と"あの手紙"の出番というわけだ。」話している途中で視線を彼から自分のコートへと移すと、片手を伸ばしてコートを引っ掴み、自分の方へと引き寄せて内ポケットからゴソゴソと何かを取り出した。ポケットに入れていた為か初めより少しクシャッとしてしまった古い手紙を取り出すと彼に見せた。「古典的なやり方ではあるが…まぁ、とにかく彼の元へ行けば分かるだろう。」そう言うと手紙を再びコートのポケットの中に突っ込んで。「はぁ全く。帰ったらまずはピアノを弾くとしよう。久々に音楽が恋しいよ。」溜息がちに言いつつ彼に笑いかけて )


( / そうですよね!笑 というか思ったんですがパブリックスクールって女人禁制でしたっけ…?笑 やっぱり普通にハイスクールですかね。笑
そうですね。ではこちらも考えておきます!
また何かありましたら遠慮なく仰ってくださいね! )



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