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BLなりきりﾁｬｯﾄ
自分のﾄﾋﾟｯｸを作る
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◆ [×]
2020-01-31 23:23:20
麗らかな陽が差し込む昼下がり。飼い主の手に握られたゴムボールを目敏く見つけると、やれやれとソファーの横から移動する。少し離れた場所に腰を落とせば、屈んだ彼の手から優しくボールが放たれた。子犬の頃から馴染みのある球体をおざなりに目で追って、伸ばした前足で小突くように転がす。ここが屋外であったなら、或いは部屋の中であろうと駆け回れるほど小さな体であったなら。
（…もう少し、派手に遊んでやれるのだが。）
ころころ、ころころ。小さなボールは自分と彼の間を忙しなく往復する。受け止めて、転がして。軽い運動にもならない戯れの、一体何が面白いのか。退屈ではないのかと彼を見上げる。こちらの様子に気が付いたのだろう、程なくして視線がぶつかった。穏やかな眼差しを向けられ、思わず尻尾が揺らめくのが分かる。…あぁ。お前のその瞳が、俺は一等好きなのだ。
（くそ、止まれ。こんな戯れを楽しんでいると思われるだろうが。）
己の胸中とは裏腹に、ゆらゆらと動く尾が恨めしい。しかし、自分が喜んでいると勘違いした彼の嬉しそうな微笑みも、また愛しくて。…お前が主人で幸せだと、少しでいいから伝えたい。必死に視線を交わしていれば、不意に鼻がむずついて、咄嗟に下を向く。
━━くしゅん。
緩く首を振って、目を開けて。違和感にゆっくりと瞬く。床が遠い。無言のまま前足を見れば、自慢の黒い毛皮に覆われたそれは影も形もない。代わりにあったのは、すらりとした指が五本ついた大きな手だった。…手。人間の、手だ。弾かれたように顔を上げる。同じ高さにあるふたつの目が、まんまるく開かれていた。
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