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個人用・練習用
自分のトピックを作る
241:
黒猫 悠華 [×]
2017-01-27 19:49:50
*
俺は、誰かと一緒にいちゃ、だめだ。
そう思った。
だって今、現にレナを斬り殺そうとしていたじゃないか。レナに刃物を向けて。レナに文句いって。
でも純粋に嬉しかった。捨てないっていってくれた。忘れないっていってくれた。一緒にいるって、一緒にいたいって。
だから、だからこそ、突き放した。
だって俺は、あっちに戻ったら、すぐに命を絶つつもりだから。すぐに、といっても少しやりたいことをすませてから、だが。
そんなの、酷だろ。そんなこと、したくない。
ただ、それだけだった。俺は。
それだけの考えをめぐらせた結果、突き放したのだ。
……人というものは、よくわからないものだ。
242:
黒猫人形 [×]
2017-01-29 19:43:52
〖……ふぅ〗
一仕事終え、主への報告が終わり、自分の部屋(になるのかは曖昧だが)の扉にもたれかかる。
…あぁ、また、あいつらのとこ、いかないと。めんどくさいなぁ、人間って。俺が人間だったとき、こんなにめんどくさくなかったんだけど。
人間というのは言葉1つで自分の思い通りに動かせる操り人形、としか考えてなかったんだけど、それは上級社会のやつらだけだったのか…?
このへんてこな世界にきて、人間のめんどくささを知った。
人間関係やら愛想笑いやら、人に好かれようとか考える奴もいれば、人なんて知ったこっちゃない、とかいう自分勝手な奴もいる。
人間というのは実にめんどくさい。…俺が言えないけど。
〖さぁてと!またいこーかなぁ…〗
黒猫の人形の姿になり、のんびりとあの空間へとつなぐゲートのようなものを目の前に。
2画面に分け、レーナと悠哉、2人を映す。
悠哉は自分の部屋のベッドに仰向けになって寝そべっている。あとでからかいにいこうと決め、目線をレーナの方へ。
〖……ヤバい……っ!!〗
直感的に思い、反射的に声が出る。そして俺はレーナの部屋に飛び込んだ。
…そこにいたレーナはナイフを手に握り、首元へ突き立てようとしているとこだった。
〖レーナちゃんっ!!だめ、ストップっ!!〗
243:
黒猫人形 [×]
2017-01-29 19:52:34
俺は、人間が死ぬ条件を大体知っている、と思う。
八割皮膚が焼けたら死んじゃうし、空気…酸素がなくなったら死んじゃうし、血液が体を循環しなくなったら死んじゃう。
人間というのは非常に脆い生き物だ。
喉を一突き、なんて空気が摂取できなくなるわ、血液循環しなくなるわ、死期、ってのが長引くわもう悪いことだらけじゃないか。
だから俺はよくこの暗殺法をやっていた。
顔は見られないよーにしてるから正体がバレることはない。絶望の顔して死というものに抗っているところは非常に見てて快感を感じる。俺は死を知らないが。
でも、だからこそ、それを、このあまりにも無垢な少女にはしてほしくなかった。
レーナの部屋の扉が勢いよくあき、悠哉が入ってくる。
俺が止める前、レーナは首元の前でナイフを止めていた。
だから、俺はこういいたかった。いいたかったがために、そんな方法で死なれるのは嫌だった。
〖勇気もねぇくせにんなことすんじゃねぇよ〗
気がついたら俺は人の姿になっていた。
244:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-01 19:53:38
ベッドに寝転がり、ごろごろとだらだらとこれからのことを考えていた。
レナのこと、ルルアと名乗る黒猫人形のこと、こここらでる方法のこと、戻ったあとのこと。
うつらうつらしていた俺を起こす声が唐突に家の中に鳴り響く。
〖レーナちゃん!!だめ、ストップっ!!〗
黒猫人形の声。いつもの大きい声よりさらに大きい。
俺は部屋を飛び出し、レナの部屋の扉をばぁんと勢いよくあけた。
レナが、ナイフを首元へ向けている。
「っレナ…っ!?」
俺のかすれ声とは対照的に、黒猫人形が姿形をかえ人間へと変わっていて、いつもの面影のない低い声でレナに言った。
〖勇気もねぇくせにんなことすんじゃねぇよ〗
ルルアと名乗った黒猫人形…いやこいつはレナが持っていたナイフを握る。床に血が滴る。
〖あーあ…また拭かないと悪いじゃん。今度はお前がやれよな、めんどくせぇんだよ、あれ〗
245:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-01 20:10:45
*
…もう、ついに、私は誰にも必要とされなくなったのかな。
ユーヤからも捨てられちゃった。あーあ。
私は手に簡単なナイフを出す。この感じはいつも料理で使っているナイフだと思う。
それを喉元に突き刺すマネをする。
あぁ…これで**たらどんだけ楽だろうか。生憎だが私にそんな勇気はない。
手を下ろし、ナイフを握り直す。
「……あーあ」
なんの意味もなくつぶやく。全てがどうでもよくなってきた。
ユーヤもここにいたいって一度は言ってたんだから、別にいいんじゃないか。そんな気がしてきた。ユーヤは頭いいんだからいつかは1人で出られる方法でも見つけるんじゃないか。そんな気がしてきた。
もう一度、ナイフを喉元へ。
…あぁ…これで**たらどんだけ楽だろうか…っ!
そう思った瞬間、目の前に人形が出てくる。
〖レーナちゃん!!だめ、ストップっ!!〗
そういったとたん、人形が姿を変えた。人間だ。銀髪の少し髪が長くて、スーツの恰好でネクタイがだらーんとなっている。つり目で瞳は青い。
ドアがばぁんと開く。ユーヤが見えた。
〖勇気もねぇくせにんなことすんじゃねぇよ〗
気迫に押され少し後ろへ。
黒猫人形…ルルア、だったっけ。が私の持っていたナイフをにぎる。刃の方を、だ。
〖あーあ…また拭かないと悪いじゃん。今度はお前がやれよな、めんどくせぇんだよ、あれ〗
腰が抜けたのかわからないが私はへたりと座り込む。
床には、ルルアの血が、ぽたぽたと、落ちてくる。
「……ごめ……なさい……」
なんの意味をもつことのない言葉が空中へと放たれる。
〖ごめんなさいなんて簡単に言うんじゃないよ。本当にそんなこと思ってないでしょ。放心状態のくせによくいうよねぇ〗
人間姿だってルルアが少し慌てて黒猫人形の姿へと戻る。いつもの黒猫人形だ。
246:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-02 19:22:46
キャラ説明とかする必要ないけどしてなかったなーと思ったのでやってみる。
・紅林(桐羽) 悠哉(17)
この物語(笑)の主人公。意外と冷静?協調性とか皆無に等しいけど親しんだら別に普通に接することができる。頭は回る方だけど成績いいとかそんなのない。普通。生んだ親から捨てられ(ほんと二年前くらいに知った)、今の桐羽家にすんでいた。結構二次元好き。現実逃避は日常茶飯事だったけどこんなことになって逃避する必要なくなった。別に女の子と喋らないわけではないけど始めは緊張する。んでなんかいいこという。ちょっとモテてる。告白はされない。だから自覚なっしんぐ。男子からは少し協調性がないけど結構いいやつぐらいにしか思われてない。家に帰れば無言。二年前からは素っ気ない。妹(中2)と弟(小6)とは話す。結構話があう。めんどくさいこと好きじゃない。だけどそのためにはめんどくさいことする。いろいろ、考えとか行動が矛盾してる。人の気持ちを考えるのが下手。いっつも空回りする。自分好きじゃない。はっきりいって大嫌い。
黒髪。ちょい猫毛。目はつり目でもたれ目でもないって感じ。いつもはジャージ(黒)。今もジャージが多くなった(最初の方は少し気を遣ってTシャツとか着てた)。基本動作は、ベッドの上でだらだらする、レナと話す、黒猫人形と話す、食べる、寝る、のみ。それ以外だるくてしない。
247:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-02 19:34:12
キャラ説明とかする必要ないけどしてなかったなーと思ったのでやってみる。2
・レーナ・アリー (17)
この物語(笑)のヒロイン的な。昔から少し意味の分からない行動をする子。いつもいい子のお姉ちゃんにナイフを向けるところまで行動を起こしてしまった。そのせいで家族、親戚からも嫌われ者。お姉ちゃんだけは話しかけてくれていたけど無視。合わせる顔がない。思い込みが激しいとこがある。料理得意。料理でストレス発散。歌も結構うまい。他の人に比べ、何事も積極的にする。混乱とかしたのは今回初めて。男子としゃべったり男子にふれられたりしたのも初めて。自分って女の子なんだなーと最近思ってる。お人形ごっこが好き。かわいいとこもある。普段はツンだけど、甘えるときとかにはデレ。俗に言うツンデレ。ツンが多い。
外国人みたいな名前だけど茶髪。ちょいつり目。瞳は青い(お父さんが外国人だから)。白を基調にした服を着る。ワンピースとか好きだけどあんま着ない。膝上のズボンのベルトするとこに小さな人形(白猫さん)ぶらげてる。
248:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-06 18:47:40
キャラ説明とかする必要ないけどしてなかったなーと思ったのでやってみる。3
・ルルア 〖通称、黒猫人形〗 (年齢不詳)
いつもは何故か黒猫の人形の姿。目はボタンで全長50㎝。あーモチーフにするならサーヴァンプのクロの力の部分みたいな感じ。いつも小馬鹿にしたような仕草で、2人(まだ他にもいる)と話す。いたずら大好き。何故こんな姿になれるのかは本人もわからない。多分、この変な空間にいるせいだろうと思っている。
人間姿は銀髪の猫毛、猫目。瞳の色は紫。背は高い(身長決めてない)。主と会うときとかに人間になるので大体くずしてスーツを着ている。暗殺する際は黒フードに黒のズボンなどを着て、真っ黒になる。特に銀髪を隠す。
いつか話したように、自分を裏切らない主には命をも差し出すという、珍しいタイプの暗殺者。裏切られたとわかった瞬間、主を殺す。そしてまた主を見つけるための放浪を始める。主がいないと仕事しない。でもそれなりにお金はもっているから困らない。孤児で優しさをもらったことがなかった。レナからの優しさが一番のお気に入り。悠哉も結構お気に入り。
249:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-07 19:40:59
黒猫人形、ルルアのボタン、瞳は青、です。
250:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-07 19:54:23
黒猫人形の手から赤いものがぽたりぽたりと落ちている。痛そう。痛くないのかな、この人。すごく、きれいな人だった、なぁ。
〖知ってた?ごめんなさいって、自分の罪を認めて相手に許しを乞う行為なんだよ。まぁ外国じゃ当然意味は違ってくるけど。君は今、自分の罪を認めた上でごめんなさいっていった?相手、つまり僕に許してもらおうと思ってごめんなさいっていった?違うでしょ?君は何も知らない。あまりにも無垢な子どもなんだよ。自分を殺す…?そんな勇気もないのに刃物を自分に向けるんじゃないよ。卑怯者。まるで自分の罪から逃れようとしているようじゃないか。まるで自分の罪を認めようとしてないみたいじゃないか。そんなの、卑怯だよ!〗
人形のまま、必死に私に訴えかけるルルア。
「…ねぇ、なんで…なんでそこまでして止めるの…。私は生きる意味がないからここにいるんでしょ…?どうせならルルアが殺してくれればよかったじゃない」
〖はぁ?…こっちの身にもなりなよ。てゆーか殺されたいんだったら最適な人がいるでしょ?〗
黒猫人形は後ろの方を向いて、手を、悠哉の方へ向けた。
「……。」
悠哉は、目を反らした。
251:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-09 21:21:02
*
「…ねぇ、なんで…なんでそこまでして止めるの…。私は生きる意味がないからここにいるんでしょ…?どうせならルルアが殺してくれればよかったじゃない」
〖はぁ?…こっちの身にもなりなよ。てゆーか殺されたいんだったら最適な人がいるでしょ?〗
「……。」
俺は目をそらす。いろんな思いが頭をぐるぐる回る。
あぁ、どうして…。どうしてこうなるんだよ…っ!俺は、ただ、レナと仲直りしたかった、だけなのに。
「……ゆぅ…や…」
俺はレナの方を見る。
「…んな物欲しそうな目で俺を見るな。いっただろうが。お前が、レナが死にたいとか馬鹿なことほざいても俺が止めるって。俺はお前を殺さない」
レナは目をおとす。少しの沈黙。顔をあげ、口を開こうとしたその瞬間、口を開いたのは黒猫人形、ルルアだった。
〖…なに綺麗事言ってんのかな、君は〗
めんどくさい、という風にルルアは人間の姿に。呆れた顔をしていた。
〖僕さぁ、君たちのこと、結構気に入ってたんだけどなぁ。もう、どーでもよくなっちゃったよ。なにして殺そっかなぁ〗
俺とレナは同時に目を見開いた。
ルルアが手に持っていたのは、鋭利な鎌だった。
そんなルルアの姿はまるで、
〖Got Deathのルルアの復活だよ……っ!!〗
死神のようだった。
252:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-11 20:34:29
俺は咄嗟にレナの手を引っ張る。
「怪我とか、ないな?」
レナが頷く。
〖あっれ?逃げれるとでも思ってるの?〗
ルルアが、一歩、こっちにくる。
「じゃあ、走れるな?」
「……ん」
〖じゃあ、五秒待っててあげるよ…いいかい?〗
またルルアが、一歩。
「立って」
レナが立ち上がる。俺に近寄ってくれたが、俺の方は見てくれない。
…やっぱり、嫌われてしまったのだろうか。でも今はそんなこと、いいや。後で、2人で、いろんなこと話すんだ。
〖…じゃあ目をつむるね……?僕を、楽しませてくれよ…!〗
ルルアが目をつむった。
俺たちは走り出した。
〖いぃぃーーちっ!〗
部屋を抜け出し、俺は後ろに迷路のイメージをして迷路をつくっていく。俺たちのところにはこないように、複雑に、そして丈夫に。
〖にぃぃー!さぁぁぁんっ!〗
ルルアの声がまだ近くにある。幼い、まだ少年の声。でも体は大人だった。
「レナ、よく聞いてくれ」
〖よぉぉぉぉんっっ!!〗
「もしルルアがお前を殺そうとしても、何があっても!」
〖ごっ!んじゃいくよー!!〗
「逃げろ!」
後ろから誰かが走ってくる音が聞こえた。
253:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-13 18:45:53
インフルになったぜ((キラーン
ちょっときつすぎるので安定したらかきにくる
254:
奈落創磨 [×]
2017-02-13 22:23:30
がんばれ
255:
てるはる [×]
2017-02-14 21:51:14
てれーーーーーーーーーーーーーん
やな(笑)(笑)
お大事に!!
256:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-15 20:25:30
えと、報告?遅れたけどインフルじゃなかったぜ((
すごくきつかったけど熱は下がりつつあるので!
257:
てるはる [×]
2017-02-15 20:34:52
なんやったん?
258:
黒猫 悠華 [×]
2017-02-16 22:30:06
風邪が悪化したやつ(にっこり)
みなさん!風邪の悪化には気をつけましょぉね!(はいうざい)
えーと全快したので今日時間ないので明日カキニキマス
259:
黒猫人形 [×]
2017-02-17 20:06:26
〖ごっ!んじゃいくよー!!〗
僕は走りだす。家の二階から軽々飛び降り一旦猫の姿になって走る。その方が早いもの。
前に2人が見えた。ルルアに戻る。鎌を再び構える。
…殺す気なんて、さらさらない。というか勝手に殺しちゃ主さまに怒られるしね。だから、脅すだけ。
僕はお前らを簡単に殺せるんだよって。
「逃げろ!!」
悠哉の声。あぁ、やっぱり、優しいね。さっすがー。
___るるあ。
僕の中で1人の女の子の声がなる。それは、僕に初めて優しくしてくれた人。それは、初めて僕がバグった原因になった人。それを僕は忘れようとしてきた。忘れられなくて苦しめられた。
悠哉くんは、少し似てるんだ。その子に。だから、すごく、すごく、殺したくなる。
〖みぃつけたぁー〗
僕がそういうとレナがひっ、と声を出す。
悠哉はレナを少し前へ押し、自分が身代わりになるかのように後ろを少し向いた。
「…こいよ」
息を切らしながらいう悠哉くんは、すごく殺したくなる。殺したい。あーもう、今までせっかく押さえてたのに。
〖いっただぁきまぁぁぁすっ!!!〗
ずしゃっ、と生々しい音が鳴る。
まぁこんな僕でもギリギリ理性が働いたので腕を片方切り落としただけ。
ぼとっ。悠哉の腕が落ちた。
「うああああぁぁぁぁぁぁっっっ!!??!!」
痛みに悶える悠哉。
…僕は、ほんとは、こんな風にしたかったんだ。
自分に言い聞かせるようにくり返す。
あいつは僕のなんかじゃない。あいつは僕のなにかにさえなれなかったんだ。
あいつは、ただの、ターゲットだったんだ。
260:
黒猫人形 [×]
2017-02-21 20:31:35
過去
*ルルアの場合
ある家のキッチンにて。
俺と年齢の変わらない少女がたっていた。
「るあーこっちきて手伝ってー」
手伝って。前まで大嫌いだったその言葉はこいつがいうと少し心地いい。
「おう、わかった、なにすればい?」
「この人参をるあーの得意なざく切りよろしくね!」
俺はナイフを手に持ち狙いを定める。
「おーていや」
がたんっと音がなる。人参が真っ二つに折れた。
「あははっ、怖い怖い、ゆっくりしなきゃだよ、るあー」
「ん、わかったー」
ザクザクと少し固い人参を切りながら考える。
俺はこいつと、玉名悠希(タマナ ユウキ)と一緒に暮らしている。俺はあくまで護衛として、だが。
ユウキは父がヤクザ?マフィア?ってやつでそこから逃げてきたところをフリーだった俺と会い、契約も交わさずここに2人でいる。俺はユウキを守って、ユウキは俺と一緒にいて俺の心を取り戻す、っていう契約は一応したけどそれは契約には入らないと俺はカウントしている。
ユウキが行くとこには俺がついていくし、ユウキの父の仲間が攻撃しようとしたら俺がユウキを守る。
ただし、条件…いや、その生活を終わらすのは俺だと決まってる。決められた。お得意さんであるユウキの父からの命令だ。
ユウキを、殺せと。
実の娘だろ、と説得しようとしたけどどんなやつでも殺してきた俺が言うことじゃないなと思い、終わりをいつにしようかと平和に浸っている日々。
「ん、できた。次は?」
「じゃ、このジャガイモざく切り!」
「…ユウキはなにしてんだよ」
「肉を炒めてんの。はい人参とーにゅー!」
じゅーといいおとがなる。肉のいいにおい。
今日はカレーかな。茶色いブロックが出てる。
「ステーキがいーな」
「はい、そこ文句いわなーい!ほら早くしてー」
「うーい」
こんな日々が、俺は好きだった。好きになるつもりなんてさらさらなかったのに。ただ殺せばよかったのに。いつもみたいに、いつもみたいに…!
カレーができた。簡素な皿に盛り付け、2人で机の前に座る。
「「いただきまーす」」
黙々と食べる。ご飯が美味しい。
今まで偉いやつの下についてたときとか高いもんばっか喰ってたり(まぁなにも喰ってなかったり)したが、こいつと喰うご飯が一番美味しい。ユウキがただ料理がうまいだけか、ほかに理由があるか。理由があったとしても俺には関係ない話だが。
ふと思ったので聞いてみた。
「…死ぬの、怖くねぇの?」
「…なぁにー?きゅーに。………怖いに決まってるじゃん」
ユウキに似合わない悲しげな顔。
そんな顔させた俺には少しの罪悪感。
ナニコレ、俺、こんなこと思えたのかよ。
「でも、怖くない、かな」
「え?なんでだよ」
俺がたずねるといつものあの苦手な笑顔でこっとを向いてユウキはいった。
「るあーがまもってくれるんでしょ?だから別に怖くない、かな!」
「……へぇ」
人間とかなんとかっていう生物は非常に理解しがたいものでこまる。
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