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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
541:
朧 [×]
2015-12-14 19:46:46
(次の日、再びボスから呼び出しをされた。今度は何の用件だろうか?と思っていれば「藜君のことだけど誰に殺されたのかは朧にも分からないんだよね? 君が敵討ちがしたいなら全力で調べてあげても良いけどどうする?」と聞かれ、一瞬ギクリとした。おとといの晩の出来事は一切話していなかった。周りにはずっと気絶をしていたと嘘をついていた。だから勿論、狼君のことも話していない。敵討ち……昨日は自嘲してしまったが、冷静に考えればそれはしたくないのが本音で。一層のこと心中でもしてしまおうかと思うが、“絶対”と言って良いほど自分には彼を殺すことが出来ない。だから、もし今後これ以上現実に耐え切れなくなって、死にたくなるほど辛くなったら自ら命を絶ってしまおうかと。薄暗い気持ちを抱えたままそう思い。ボスの問い掛けには首を横に振った。相手は「そうか…」と一言呟いて「朧、良いものをあげよう。手を出しなさい」と言われたので手を差し出せば、旅行券を二枚手渡され「東京からロサンゼルスまでの往復の旅券だ。日付は自分で指定出来るから有給でも取って行って来なさい。……藜君は裏切り者であったけど、君にとっては恩師だったから黙っていて悪かったとは思っているよ。ごめんね」と謝られてしまう。「いえ、別に……大丈夫です。済みません、ありがとうございます」と上手く回らない頭でボスの部屋を後にして。
ーーそれから夜になって自室に帰る。藜さんが死んだことは悲しいが、同時に狼君が裏切ったことも悲しく。ボスに貰った旅券を見て、日本から少し離れて気持ちを落ち着かせようと思い。今日はひとまずベッドに倒れ込んで、日にちは明日決めようと考えて眠りにつき)
542:
狼 [×]
2015-12-14 20:04:43
(あのカジノの一件から一週間ほどが経過した日。漸く医務室から解放され、未だ左腕は包帯でぐるぐる巻きにされていたが、右足の怪我はそもそもそこまで酷いものではなかったので完全に傷が塞がっていた。改めて虎牙と龍に挨拶に行くものの何処か気は漫ろで、早いところ日本から出てしまおうと荷造りを始めた。朧の事を忘れること以外に何の目的もない旅。武器も捨てて平和な日々が送れる。纏めた荷物には服が数着ほど入っているのみで自分でも驚く程少なかった。組織から離れる前に一言龍に言っておこうと龍の部屋を訪れ、この間の礼とこれから出発すること、帰ってくる日程はまだわからないが一ヶ月程度だと伝えると”そうか、気をつけて。”とだけ言葉を掛けられた。目に見える傷が治っても心の傷は全く言えることが無く、知り合いは自分の窶れた表情に驚く程であった。そこまで顔に出している積もりも無かったが、確かに体重もかなり落ちた。車で空港まで向かい、空港の駐車場に車を止めるとガラガラとスーツケースを引き摺って空港のゲートにたどり着いた。チケットを受付の女性に見せ、搭乗手続きを済ませていると、運良く直ぐに出るロサンゼルス便に空きが出たということで、本来夜の出発になるはずが一時間と待たずに中に入ることが出来た。スーツケースを預け、完全に身軽な服装で歩く。銃を所持せずに歩くのはいつぶりだろう。闇社会で生きている自分にとって、表の社会はやはり少し眩しく感じる。そして、搭乗開始のアナウンスがかかったので、搭乗口へと向かって歩き始め)
543:
朧 [×]
2015-12-14 20:23:13
(カジノの一件から一週間が経った。有給休暇の取得が降りたので、早くロサンゼルスに行ってしまおうと旅行ケースに荷物を入れる。最低限必要な物しか入れていないので少々身軽だ。武器はどうしようかと思ったが、ナイフだけは隠して持って行こうと考えて探知されない素材の物を選びロングコートの裏にしまう。せっかくの表世界での旅行なのに職業病だなと思いながらチケットを手に取り、いつものロングコートを羽織る。一週間は帰れないと付け加えて部下やボスに挨拶をすれば、タクシーで空港へと向かい。ようやく到着する。旅行ケースを預けて、指定された便まで歩けば搭乗口が見えてきて。それに乗ろうとした瞬間。いきなり後ろから来た若者の集団とぶつかりそうになり、相手に舌打ちをされる。ガラが悪いなと思いながら気を取り直して飛行機に乗り、すぐに見つけることの出来た指定席に座って窓の外を見遣り。日本にいるのが辛くなってきた所だったからちょうど良かったと思いながら、空港を暫くぼんやりと眺めていき)
……ロサンゼルスか。
544:
狼 [×]
2015-12-14 20:30:09
(搭乗口から機内に入り、先ほど取った番号の座席へと足を運ぶ。隣に座る乗客が既に座っているようで、背後からチラリとその荷物が見えたため軽く会釈して隣に座り)
…隣、失礼しま…ッ!?!?
(しかし、瞬間衝撃で固まった。何故、彼が、此処に。訳がわからない。其処に居たのは絶対に居るはずのない朧の姿で。腐れ縁という言葉があるが、今だけは本当に無いで欲しかった。掛ける言葉も見つからず、その場でずっと固まっているのも周りの乗客から見て不自然である為、隣に腰掛けるとすぐにイヤホンを耳に差し込み、無言を貫いた。余りに居心地が悪い。そもそも、朧の事を忘れる為に旅に出ることにしたのに、何故飛行機の隣の席が朧張本人なのだ。これでは却って逆効果だ。そもそも彼に合わせる顔なんて無いのに。選りに選ってとしか言い様がない。こんな事、本当にあり得るのだろうか。悪い夢でも見ているのではないかと疑うほどだ。10時間以上もフライトはあるというのにその間朧が隣に座っているとは。今にも卒倒しそうな状況で)
545:
朧 [×]
2015-12-14 20:42:00
(空港で忙しなく動く他の飛行機を見ていれば。不意に声を掛けられ、隣に座る音がしたので振り向くが)
………………っ。
(今、一番会いたくない人がそこにいた。慌てて視線を窓の外に向き直して、お互いにそれっきり黙り込んでしまう。何で彼がいるのだろうか? こんな偶然があるだなんて本当に止めて欲しい。心の整理が出来ていない内は狼君に会いたくなかった。だって、彼は自分のことを何とも思っていなくて。むしろ簡単に今まで騙されていてくれたから、こうして今も腹の底で嗤っているのだろう。そんなことを考えれば途端に悲しくなり、けれども今でも彼のことが好きなのは変わらず。だからこそ早く、早くロサンゼルスに着いて離れたいと思いながらバックから小説を取り出して、気を紛らわしていき)
546:
狼 [×]
2015-12-14 20:53:29
(やはり、余りに気まずい。終始無言で、気味が悪いほどの沈黙。話しかけるか?無理に決まっている。何て話しかけるつもりだ。”この前の事は悪かった”?白々しいにも程がある。第一そんな言葉でもう許されることではない。小さくため息を零し、座席に設置された液晶に気を紛らわせようと視線を遣っていると不意に飛行機が妙に揺れ始め。気流の激しい所に入ったのだろうか等と考えていると突然聞こえるはずのない音が聞こえた。発砲音だ。直後上がる悲鳴。思わず此方も驚いて体を硬直させる。何が、今、何処から?辺りを見渡し様子を確認すると、座席の前の方に男が二人立っていた。怪我人は居ない様子であるところから見るとただの威嚇射撃か。しかし、ここはあの街ではなく飛行機の中である。街では当たり前の銃撃戦も飛行機の中で行われればそれは当たり前ではない。”ハイジャック”という言葉が頭にちらつく。最悪だ。今日は銃も何も持ち合わせていないというのに。”お前ら全員妙な動きをしてみろ!一人ずつ撃ち殺していくぞ!”という男のドスの聞いた声が響き、飛行機の中は軽くパニックに陥る。どうすればいい、どうしてこんな時に限って。焦りと焦燥のみが徒に増していく。銃を持っていれば、朧と協力ができれば、あんな男等直ぐに制圧出来るのに。チラリと隣の朧を盗み見る。最悪、このままでは共死にになってしまう。彼のことだけはどうしても守らなくては。彼の大切なものを奪った自分が言えた口ではないが。しかし、銃はない。どのようにして男達を抑えるかを必死に考えており)
547:
朧 [×]
2015-12-14 21:35:09
(何も考えず小説を読んでいくが、やはり上手く集中出来ず途中からは流し読みになってしまう。内容が頭に入って来ない。それもそのはず、狼君が隣にいるからだ。自分から声なんて掛けられない。今度こそ、前みたいに“少し一緒に行動しただけで簡単に油断しやがって”なんて言われたら立ち直れる気がしないからだ。
ーーそして、そのまま無言の時間が過ぎてゆく。空港から飛び立ってから何時間か経った頃。刹那、飛行機が少し揺れ何事かと思い小説を仕舞えば続けざまに銃声が聞こえ。こんな飛行機の中で何を考えているんだと視線を動かせば、二人の男が前の方で銃を構えていた。どことなく見覚えがあるなと見ていれば不意に思い出し、先程ぶつかったガラの悪い若い集団にいた者達だと気付く。すぐに思い浮かんだのはハイジャック。最低最悪のフライトだ。そんな悪態をついていれば機内放送が流れ『この飛行機は我々が占拠した!機長と副機長は既にこちらの支配下だ!目的は日本政府への身代金と刑務所にいる仲間の解放の要求!人質の貴様らは命が惜しければ大人しくしていることだな!』と荒い声で伝えられる。今の放送から察するに主犯格はコックピットにいるのかと考えるが、恐らく銃を突き付けられながら機長か副機長が操縦をしているのだろう。だとしたら下手に動けない。その二人が死んだらこの飛行機は海に真っ逆さまだ。鉄の棺桶。仲良く墜落死。けれどこの期に及んで裏切られたのにも関わらず、狼君だけは助かって欲しいと思う自分は馬鹿なのだろうか? “すぐ死ぬ”と言うあの時の彼の言葉を思い出して、そうなのかもしれないと感じ。しかし絶対に狼君だけは死なせはしないと決めて。二本しか持ってきてないナイフを取り出せば、片方を無言で隣の彼の膝に置き。馬鹿だと嗤われても構わない。そう思いながら狼君の方は見ずに敵の様子を伺っていき)
548:
狼 [×]
2015-12-14 21:44:58
(アナウンスからして、自分の予想は遠からず当たっているようだ。タイミングが余りにも悪いと神経を張り詰めさせいた時、膝上に置かれる重量。軽く目を見開き其方を見れば置かれていたのはナイフ。相手を見詰め、すぐに視線を逸らしてナイフの柄を握る。名前を呼びたい気持ちをぐっと堪えてよく戦況を確認した。少なくとも男達は三人以上。コックピットの機長、副機長の命を最優先に考えると前にいる二人を同時に始末しなければ恐らくコックピットにいる単独、もしくは複数の男達に連絡が行き、この飛行機は落ちる。自分と朧によって同時にあの二人の男を一撃で仕留めたとして、コックピットに男が居る以上、其方ではかなり早急な動作がされなければならない。コックピットの広さからして男は居ても三人程度と読むと、片方が男を切りつけつつ早急に機長と副機長を守り、もう片方が止めをささなければいけないが、それは男達の人数が多ければ多いほど不利だ。そして、この程度の策ならば隣の相手はきっと言わずもがなわかっている筈。今はあの時の事をズルズルと引きずっている場合ではない。覚悟を決め隣の相手に小声で話しかけ)
朧。次にあの男の内一人でもこっちから目を離したときに飛び出すぞ。一瞬で仕留めねぇと連絡が行く。最悪ナイフを投げつけるしかねぇ。
549:
朧 [×]
2015-12-14 22:11:32
(狼君の言葉にこくりと頷き。少なくとも今この場では協力してくれることに安堵する。きっと日本政府はあの馬鹿高い身代金や囚人の釈放などの条件を呑まないだろうと考えつつ、ならば自分達で動くしかないと思考を巡らして。前方に見える男達に意識を集中させる。チャンスはいつ来るのだろうか。自分達の他にも人質、しかも一般人が大勢いるので一度も失敗は出来ない。ナイフを握り直し目を凝らしていき。ーー瞬間、乱気流に乗ったのか飛行機が大きく揺れ、敵の一人がバランスを崩してこちらから視線を外し)
ーーーーっ!
(揺れる中、足に力を入れれば飛び出すように敵へと向かい。バランスを崩していない方がこちらに気付くが既に遅い。声を出され銃を発砲される前に、その喉から手に掛けてナイフで一閃し。そのまま蹴り飛ばして倒していく。すぐに連絡機器のスイッチを切って敵の銃を奪えば、乗客に騒がないように指示を出していき)
550:
狼 [×]
2015-12-14 22:30:38
(相手が頷いたのを見て、固唾を飲み状況を見守る。瞬間、飛行機が大きく揺れ、一人はそれに気を取られている。今しかない。地面を蹴り上げ一気に間合いを詰める、その隣に朧が居るのがわかる。もう片方のバランスを崩した方の男に蹴りを食らわせ手から銃を飛ばすと、瞬時に胸を一突き。乗客席を見れば、これまでに殺人等見たこともないのだろう、可哀想に、最前列の小学生ほどの少女が目一杯に涙を貯め、しかも悲鳴を上げることも許されず両手で口を塞いでいる。ナイフを握った血塗れになった手と反対の手で優しくその頭を撫でてやると”大丈夫だから”と声を掛け。こくこくと頷く少女をもう一度だけ撫でて客席に背を向けると銃を拾い上げ。此処からが更に警戒しなくてはいけない所だ。朧の顔を見ることは出来ないが、相手の方に向き直り、静かな声で作戦を告げ)
扉はセキュリティロックが解除された状態になってるな。パネルが壊されてる。
お前が扉を開けろ。俺が先陣切ってまず男を一人斬りつけて、何人居るかわからねぇが男達から機長と副機長を守る。男達の注目が俺に集まったら、お前はその後に後ろから男達を始末しろ。
良いな?
(正直、上手くいくかわからない。機長と副機長を一人で守りきれるかもわからない。だが、狭い操縦室で男達を抑えるにはこの方法が一番有用だ。銃をポケットに仕舞い、ナイフを握り直す。相手の心構えが出来、相手が了承して扉を開けてくれるのをじっと待ち)
551:
朧 [×]
2015-12-14 22:42:19
(相手の囮作戦に少し不安を感じつつも小さく頷く。正直声を出したいのも山々なのだが、扉の前にいる以上無駄な私語は出来ない。この扉の向こう側にはハイジャックの主犯格と仲間が数人いるはず。ナイフは使えるが、無闇に銃は乱射出来ない。操縦パネルを壊してしまったら元も子もないからだ。神経を研ぎ澄ませいつもより緊張しているせいか、小さく息をつき。素早く、しかし静かにコックピットの扉を開いていき)
552:
狼 [×]
2015-12-14 22:53:09
(静かに扉が開いていく。隙間から一瞬で中の様子を覗き見た。三人だ。正直、左腕はまだ完全復帰には程遠く半分庇う形になってしまうが仕方ない。一人分の隙間が空いた瞬間体を滑り込ませ、呑気に背を向け談笑している一人の頸動脈を掻っ切ると二人の隙間を潜り抜け、機長と副機長と男二人の間に体を割り込ませ。即座に戦闘態勢に入り片方の男が銃を突きつけてくるがその照準が定まる寸前にナイフで弾き飛ばす。温い。裏社会の男達に比べれば戦闘的な技術はかなり劣っている。銃を扱う訓練もロクにしていないのだろう。ナイフで機長を人質にしようとする片方の男の腕を切り裂いた瞬間、副機長の方の防御に隙が出来てしまった。不味い。早く来てくれと心の中で焦りを感じつつ扉の向こう側を見遣り)
553:
朧 [×]
2015-12-14 23:07:25
(彼が囮になり敵達の注目を集めている中、自身はタイミングを見計らって後ろから近付き。防御の手薄だった副機長を狙う男の背後から、その首をナイフで掻っ切れば横の壁に蹴り飛ばし。死んだことを確認するまでもなく、もう一人。謂わば狼君の方にいる男にもナイフで急所を斬り裂き地面に叩きつける。これで全員だろうと思いながら機長と副機長を見遣り、口に押し込まれていた布を取って話せるようにして“大丈夫でしたか?”と問い掛けようとし)
554:
狼 [×]
2015-12-14 23:15:05
(本格的に不味いと思った瞬間に副機長を狙う男の体が崩れ落ち、相手の姿が見え。次の瞬間にはもう一人の男も倒れており、安堵の息を漏らして。どうやら上手く行ったようだ。機長と副機長は大分憔悴しきっていたが怪我はひとつもなく無事らしい。フライトは続けられないだろうが一応一件落着だ。裏の世界の人間としては目立ちすぎた行動をしてしまったが半ば正当防衛であるし。朧に礼を言おうと思ったものの自分が話しかけて良いのかという躊躇いを感じて声を押し殺した瞬間、不意に朧の背後に男が近づいているのに気付き。真逆、そんな馬鹿な。何処に隠れていたのか、そのもう一人の男が朧に向かってナイフを振りかざし)
───…朧…ッ!後ろ!
(即座に銃を取り引き金に手を掛けるがこのままでは間に合っていない。焦燥と共に男の心臓を目掛け引き金を引き)
555:
朧 [×]
2015-12-15 00:01:14
(機長と副機長の様子を見ていれば、狼君から後ろと指摘され。急いで振り返るが既にナイフは振り下ろされており。瞬時に横に避けようとするものの、そうすれば機長に当たると思い留まって。それだけは阻止しないといけないが構えは間に合わない。苦肉の策で咄嗟に左手でそれを受け止めれば、手のひらにナイフが刺さり。肌を貫かれる痛みで顔を歪めたがとにかく先制攻撃は防げた。相手の手には何も無い。ならば大丈夫、このまま押し切れる。そう確信して利き手の右でナイフを構え直し、後ろの二人を何としても守ろうとする、がーー瞬間。パンッと、乾いた音が一つ。それは自分の銃からでもなく狼君の銃からでもないもので。聞こえてきたのは目の前の至近距離からで。思わず、小さく声が零れ)
ーーー………え?
(恐る恐る腹部を見れば、ロングコートの下の真っ白なシャツには血が滲んでいて)
556:
狼 [×]
2015-12-15 00:18:59
(彼の左の掌にナイフが突き刺さっている。だが、ナイフを手放したせいで男の手には何も残っていない。これは貰ったと再び銃を構え直した瞬間、乾いた発砲音がして。一瞬全く何が起きたのか理解できず、朧の方を見やれば相手の腹部から血が滲んでいるのが見え。その赤い染みは留まるところを知らず、どんどん彼の白いシャツを赤く染めていく。この短時間で何が起きたのか、理解が追いつかない。そもそも銃声は何処から?眼前だ。まず朧ではない。後ろの二人である筈もない。この四人の男の内のどれかだと言うのか。しかし、入ってきた男の手には先ほどは何も握られていなかった。真逆、そんな瞬時に銃を取り出し構えたというのか?兎に角、即座に銃の引き金を三回引き、目の前の最後の男を撃ち殺し。顔から血の気が引き、激しい頭痛のなか、機長と副機長に向かって叫び)
早く空港に戻ってくれ!
(二人は困惑しながらも了承し、直様管制塔と連絡を取り始める。何処かで油断していた。彼が怪我をするはずないと信じ込んでいたのだ。だから彼に対する攻撃への警戒を怠っていた。全部自分のせいだ。朧の体を支え、床に寝かせる。その際に、掌にべっとりと付着した血液に目の前が暗くなる。止血しなければと思うものの腹部では止血の施しようがない。かなり焦った表情で相手の顔を覗き込み声を掛け)
朧…!おい、しっかりしろ!!
557:
朧 [×]
2015-12-15 00:43:03
(状況がよく分からず。しかし、この至近距離から銃で腹部を撃たれたことは間違いなく。あらかじめ袖口に銃口を仕込んでいたのか? よくある暗殺の手口だから注意はしていたのに、しかし確かめようにも頭は回らない。シャツを伝って真っ赤な血がポタリと落ち出し。遅れて口から血がせり上がって来る。耐え切れずに床に血を零し、体に力が入らず倒れ込みそうになるが誰かに支えられる。足には全く力が入らない。血で咳き込んでいるせいか、上手く呼吸が出来ず。出血をしているせいで先程から視界がボヤけたままだ。腹部や喉が焼けるように痛い。口内が鉄の味しかせず気持ちが悪い。『死』と言う単純明快な答えがこちらを見下ろしているような気がして、言い様の無い悪寒が背筋を走る。けれど、けれども。曇る視界の中、顔を上げて。自身に声を掛けてきている彼に、狼君に)
…………ごめ、ん……。
(やっと声を絞り出すのが限界で。何とかそう言い切り。鞄に救急セットでも入れて来れば良かったなんて思うが。血の色を見る限り運良く内臓はやられていないものの、きっとこの傷では助からないかもしれないと考え。ここは地上の遥か上、上空。当然、病院など無い。だから、死ぬ確率は高いだろうと思って。心残りは無い。機長と副機長の二人は無事だから墜落の危険は無く狼君は助かる。だから心残りは無い。元々カジノ時から既に生きる意味を見出せなかったのだから。心残りは無いはずなんだ。……でもせめて、最後だからもう一度だけ狼君の顔を見ておきたいと顔を向けて。ーーそのまま強制的に意識は途切れていき)
558:
狼 [×]
2015-12-15 07:53:34
(待て、待ってくれ。まだ彼に言ってないことは沢山ある。伝えなくてはいけなかったことが沢山ある。大好きだという気持ちも、傷つけてしまったことへの謝罪もまだ彼には一つだって告げていないのだ。相手の瞳が閉じる。どうしても"死'という文字がちらつく。嫌だ、嫌だ嫌だ。どうしてこんな時に。どうして自分は今まで素直になれず、明日があると過信して何も伝えずに居たのだろう。裏社会ではいつ何方が死んでもおかしくなかったではないか。過去の自分を殴って胸倉を掴みたい。冷たくなっていってしまう、大事な人が。助けられなかった、母の命。あの時と一緒ではないか。時間経過と共に目の前の相手から血は失われていく、体温が下がっていく。死んでしまう、死んでしまう死んでしまう!相手の体を引き寄せてぎゅっと抱き締めた。既に冷えかけた体温を必死に戻そうとして。この自分の熱を全部分けても構わない。だから、彼だけは。不意に、機体がぐらりと揺れ、下がり始めた。着陸態勢に入るというアナウンスだ。ぼんやりとした頭で朧の体をゆっくりとキャビンアテンダントの席まで連れて行ってシートベルトを付ける。自分はその隣で崩れ落ちそうになる相手の体を支えていて。気付けば飛行機は空港に着いていて。扉が開いた瞬間に救急隊員が駆け込んできたので、咄嗟に立ち上がり朧のシートベルトを外して縋る様に救急隊員に言って)
朧が…朧が死んじまう…!早く…!
(自分も相当血塗れで顔面蒼白だったからだろう。怪我をしているのではないかと思われ自分まで病院に搬送されそうになったが、違う事を説明し、病院までの付き添いを願い出れば連絡先が分からず困っていたからと案外すんなり許可された。そもそも飛行機の中には他にハイジャック犯の四体の死体も転がっていて酷い状況だった。一体何がこの飛行機であったのかと救急隊員も驚いていたが、朧の体を担架に乗せて直ぐに救急車で病院へと輸送した。救急車の中で既に治療が開始されるものの救急救命士の"出血が多すぎる""内部まで弾が入っている"という途切れ途切れに聞こえる声に更に血の気が引いていくのを感じ。全部自分のせいだ。自分がもっと警戒していたら、彼がどういう経緯であの便に乗ったかはわからないが、あの一件を起こさなければ彼はあの便に居なかったかもしれないのに。吐き気を催すほどの罪悪感に殆ど何も考えられていなかった。病院に着くとそのまま朧は手術室へ運び込まれた。それを見届ければ今度は病院の人に呼ばれ、朧の詳細な名前や生年月日などを聞かれ。裏の社会では入るときに苗字を捨てるのが通例だ。だから自分の名前は狼であるし、彼の名前は朧である。元に彼が本来持っていた苗字は知らなかった。そして、血液型も、生年月日すらも書くことができず、自分が朧のことを何も知らないという事実を突きつけられた。連絡先の所だけ、少し迷った後Apatheia本部の電話番号を記入して提出すれば殆ど倒れこむように手術室前の椅子に座り)
559:
刃 [×]
2015-12-15 09:29:40
(午後、Apatheia本部。刃こと自分は、一週間のお休みを取った朧先輩が纏めた資料を参考にしながら仕事をしていた。今頃はロサンゼルス行きの飛行機の中かな?なんて思っていれば、ざわざわとした声が傍らから聞こえてくる。何だろうかと視線を向けて見ると、聖がスマホの画面を周りに見せていて。仕事中なのに何をしているんだかと止めようとするが、近付いた彼に真っ青な顔で「……この便って朧さんが乗ってる便だよね?」と問われ。スマホの画面を覗けば飛行機のハイジャックのニュースが書かれていた。いやいや、まさか。そんな偶然があるわけないと思っていたが、数時間後にはボスに呼び出され「病院から連絡が入ってきた。朧が重体のようだ。今は緊急手術をしているらしい」と告げられる。「既に病院に根回しはしておいた。ここを離れることが出来ない私の代わりに、刃が病院に行ってこちらに情報を提供して欲しい。頼む」と言われてしまい、とにかく自分も心配で仕方がなかったので急いで指定された大病院へと駆け込み。手術室の前まで来れば手術中のランプが灯っていて、側の椅子には見覚えのある人物がおり)
狼先輩!?どうしてここに?
それよりもあの朧先輩が重体って一体何があったんですか?
(まさか、Ataraxiaの彼がいるとは知らず。一瞬驚きはしたものの、この場にいるということは何か事情を知っているのではないかと考え、そう問いかけ)
560:
狼 [×]
2015-12-15 10:18:54
(椅子に座って何時間が経過しただろう。いや、本当は何時間もまだ経過してないのかもしれない。不意に声をかけられて顔を上げると、其処には彼の部下が。ああ、そうだ、Apatheiaの連絡先を紙に書いたんだったとつい先ほどのことを思い出し。彼にどうやって説明すればいいのだろう。そもそも声を出すことすら苦しい。朧が死んでしまったらと考えると目の前が暗くなる。ゆっくりと深呼吸して乾ききった小さな声を出して)
ハイジャック、遭って、それで、朧が
(ただ簡潔に説明をすれば良いだけなのに、出来ない。視線が泳ぐ。胸が苦しい。いっそのこと死んでしまえたら。暗い瞳で再び視線を下に落とす。何で、どうして自分でなく朧なのだ。何故彼が。酷いほどの自己嫌悪だ。彼が死んだらその時は直ぐに後を追おう。声に出さずに決心をして)
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