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自分のﾄﾋﾟｯｸを作る
51：
宇治抹 [×]
2015-11-20 17:10:42
【いじけ猫の家出計画】Part3
登場伽羅 天峰誓/シャオ
誓『こんなところにいたのか』
街中を歩き回り、ようやくシャオの姿を見つけた。
シャオ『……ふーん、だ』
誓『まったく……いつまで拗ねてんだ』
シャオ『拗ねてないわよーだ』
シャオはそっぽを向く。そういや、ここに来てから一人っきりにさせてばかりだったっけ。
家にいた頃はいつも誰かしらシャオと遊んでいたし、それを考えると──悪いことしたかな。
シャオ『いい？言っておきますけどぉ、シャオちゃんってば超超超モテるのよォ？そりゃもう国中の男がキュートなシャオちゃんの姿に釘付けになるぐらい。シャオちゃんに言い寄ってきた男の数なんて、両手の指じゃ数え切れないぐらいだわ。だから別にダーリンじゃなくてもシャオちゃんは良いわけでェ、別にダーリンがいなくても他の男がいるから生きていけるわけで。ダーリンがどっか行っても、シャオちゃんは全然構わないわけで……』
途中から、何を言っているのか分からなくなってきた。自分は一体、何を口走っているのだろうか。
とめどなく溢れでる気持ちは抑えきれず、それが言葉となってシャオの中から吐き出される。
ああ、こんなこと言うつもりはなかった。ちょっと誓を困らせてやろうと思っただけ。
シャオ『だから、シャオちゃんは──』
誓『──シャオ』
シャオの言葉を遮り、誓は彼女の名前を呼んだ。
こんな私に嫌気が指しただろうか。そんな不安が胸中を渦巻く。
シャオ『な、なによぅ』
誓『帰ろう。外は冷えてきた』
予想だにしない言葉。てっきり怒られるかと思ったのに。──いや、よくよく考えれば簡単に予想できた言葉だ。
一体何年、天峰家の家族として一緒に暮らしてきたのか。いつだってあの家族はシャオを蔑ろにはしなかった。
分かりきっていたことだ。とても大事にしてもらってるってことは。
シャオ『──うん』
シャオは素直に頷いた。さっきまでの不安な気持ちは何処へやら。今はとても清々しい気分だ。
シャオ『ダーリぃン、今日は何を食べさせてくれるのぉ？』
誓『ああもう、くっ付くな。──そうだな、野菜炒めかな』
シャオ『ダーリン、最低ェ』
誓『お前、人間に変身できるようになってから玉ねぎとか食えるようになったんだろ？なら平気じゃないか』
シャオ『んー。じゃあ、ダーリンがあーんしてくれるなら食べてあげても良いわよぉ』
誓『あーはいはい。考えとく考えとく』
こんな風にくだらない会話ができる今が──一番幸せかもしれない。柄にもなくそんなロマンチックなことを考えてしまったシャオだった。
了
(/普段びっちなシャオちゃんらしいですが、こういうほっこりした話があっても良いかなと思って執筆しました。本当はここに揺ちゃんも交えたかったのですが、すでに執筆のほとんどを終えていたため断念。また別の機会にでも執筆したいと思います。
とりあえず次以降はまだ登場していない伽羅にスポットを当てていこうと思います。しばらく誓は休みかな？)
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