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日記…的ななんか変なトピ←/1642


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自分のトピックを作る
1592: 桜欄樂 [×]
2015-01-09 18:50:12

カネキくんアオギリ行くんですかそうですか。
どうでもいいけどエトちゃん相変わらず可愛いな。

アヤト半殺し楽しみだったのに…。

1593: 桜欄樂 [×]
2015-01-12 17:11:01

 ずーとずっと一緒。レンもリンもクオ兄も。
「リンのこともレンのことも大好きだぞ」
 大きな笑みで笑う彼はとても格好良かった。


「…レーン?」
 ぼー、としているレンにはミクオの声は届かなかった。もう一度呼ぶ。
「おーい、聞いてる?レン」
「……ぅわっ!?な、なんだよ」
 意識が戻ってきたと思い気や目の前にあるのはミクオの顔。その間近さに驚いて仰け反るレン。
「いや、なんとなーくぼーっとしてたから」
「たっく…そんなことで呼んでたのかよ」
 呆れた、と半眼になってレンは見るとミクオは頬を掻く。
「だって暇だったんだもん。俺とレンしか居ないから、レンがぼーっとしたら話し相手居なくなっちゃうじゃん。ぼーっとしてるくらいならリンと変われよな」
 不満そうに唇を尖らせ、そんなこととは言わせないと主張するミクオ。
 またリンかよ…。
 ミクオの言葉にむ、とするも表情には出さず。
「やだね」
「ひっでー!レンのおばかっ」
 俺だけを見れば良いのに。一人胸の中で呟いた。言えるはずのない言葉。

1594: 桜欄樂 [×]
2015-01-12 17:44:20

「あれ、リンになったんだ?」
「ん?あーそうそう」
 リンとレンが入れ替わったのは一時間前弱。テレビを見ていたリンは彼を一瞥してからまたテレビに戻る。ミクオはそのリンの隣に座る。
「…」
「…」
 二人の間に会話は無く聞こえてくるのはテレビの音。
 先に口を開いたのはリンのほう。二人とも視線はテレビのまま話す。
「…私たちさ、二人で一人でしょ?」
「リンとレンのこと?」
「うん」
「そうだね」
 何を今更。そんな会話だった。
「だからね、リンとレンの記憶は共有できるし気持ちも共有できる」
「うん」
「好きな人も、共有できるんだよ」
「ふぅん」
 好きな人居るんだと少し驚く。リンはそのことには興味を持たずにまた黙ってしまった。
 ミクオはただ次の言葉をゆっくり待つ。急かす真似もどこかに行くことも無く。ゆっくりと。
 ちょっとした時間のあとリンはミクオの方にしっかりと向く。
「クオ兄は私とレンどっちが好き?」
「どっちと一緒に居たい?」
 答えられない質問。
 今までずっと3人で仲良く愛してきた。そのことを信じてたミクオは衝撃を隠せなかった。しかしリンは構わず続ける。
「私は、…私だけを見てほしい」

1595: 桜欄樂 [×]
2015-01-12 17:55:38

「クオ兄をレンに渡したくない、レンに変わりたくない」
 ひどく寂しそうに歪んだ笑み。
「クオ兄とレンが話してるとき分かるの。リンなんて居なければ、俺のことだけ見ろよ、てレンは思ってる」
「私とレンはもう元には戻れないや」
 つう、と堪えてた笑みが頬を伝う。涙を拭うことも出来ないミクオはただかたまってるだけ。
「ごめん、今の全部忘れて」
 絞り出した声でリンは言ったと同時に顔を隠して去ってしまった。
 行ってしまった方向を見つめてから脱力する。


「何でかなぁ…。リンはレンでありレンはリンなのに。二人とも愛しているのにな」

1596: 桜欄樂 [×]
2015-01-16 19:45:11

う、宇井さんって男なの!?

アニメの宇井さんイケメン!

1597: 桜欄樂 [×]
2015-01-18 18:11:50

鏡音 鈴/カガミネ リン
普通科高等学校1年。女。鏡音双子の姉。
本家とは違いリボン無し。
若干つり目、まつげは長め。リップで潤った唇。落ち着いた大人らしい声。
外はねの髪の毛、前髪は黒ヘアピンで止める。
シンプルが好きなお姉さん系女子。
成績は中の上。どちらかというとあまり人に関わりたくない。
愛想笑いが多くあまり泣かない、ため込むタイプ。
一人称、私。


鏡音 錬/カガミネ レン
普通科高等学校1年。男。鏡音双子の弟。
ひょこひょこ揺れる大きなリボンがトレードマーク。
ぱっちり二重に長いまつげ。グロスで潤った唇。スウィートボイス。
ふわふわと内巻きの髪の毛、前髪は白ヘアピン4つで止めている。
女の子に憧れる、可愛いもの大好き系女装男子。
かなりの馬鹿。男女に愛される。よく笑いよく泣く。
一人称、僕。


備考/
二卵生なので顔はあまり似てない。

1598: 桜欄樂 [×]
2015-01-18 19:02:03

初音 未久/ハツネ ミク
普通科高等学校3年。男。初音双子の兄。
いつもハネてるあほ毛がトレードマーク。
一重のきりっとしたつり目だが大体眠そうにしてるので台無し。
低く冷たいクールボイス。
所々ぴょんぴょんハネてる青緑色の髪。
面倒臭がりや腹黒いじり系男子。
成績は中の上、運動得意。
男子とはそれなりに馴染んでる、異性は突き放してる。
友人の前ではよく笑う。素直にきっぱりと言う。弟に微かな嫉妬。
一人称、俺。

初音 久緒/ハツネ クオ
普通科高等学校3年。男。初音双子の弟。
たれ目がちな瞳。ゆっくりと話す中性ボイス。
鮮やかな青緑色のサラサラな髪の毛。
誰にでも優しいお兄さん系男子。
成績は上、運動は苦手。ピアノと読書が好き。
人気者で女子に特にモテ、先生にも好かれてる。
未久に女子からの盾にいつもされる。
大体微笑んでいる。頼まれたことは基本的、快く引き受ける。
兄には厳しい。
一人称、僕。


備考/
一卵生なのでかなり似ている。
よく未久が弟で久緒が兄だと間違えられる。
鏡値双子とは仲良し。

1599: 桜欄樂 [×]
2015-01-18 19:08:56

そんな設定のクオリンください。

未久リンとレンクオ。

1600: 桜欄樂 [×]
2015-01-18 21:11:45

「くー兄!勉強教えて欲しいなぁ?」
 赤ペンで7点と書かれた回答用紙とテスト用紙で口元を隠しつつ可愛らしく小首を傾げる錬。
 くー兄と呼ばれた久緒は優しく微笑んで言う。
「いいよ。何が分からないの?」
「えへへぇ、全部何だけどぉ…」
 恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべ久緒に促され椅子に座る。
 その様子を未久と鈴は見ていた。
「あの子またあんな点数取ってる…」
「おー、久緒も大変だなぁ」
 鈴は錬について呆れたように溜息を吐き、未久は久緒について愉快そうにけらけら笑ってる。
「錬もいつまでも久緒に頼って…、迷惑になっちゃうでしょ」
「なーんてお姉さんぶってるお前の点数はどうだったんだよ」
「別にまあまあだけど…」
「ふーん?へぇ、ほー」
 ニヤニヤして答える未久に鈴はイラっとした。知ってる、知っているのだ。この男が自分より優れていてそれを自分に自慢したいことくらい。
 しかしここで相手をしたら負けな鈴は未久を無視した。
 視線を久緒と錬に向ける。どうして双子なのにこんなにも性格は違うのだろうか。
「あー、どうでもいいんだけどさ。俺、今日また久緒に間違えられたわ」
 無視されても負けない図太い神経を持つ未久。

1601: 桜欄樂 [×]
2015-01-18 21:36:12

「へー」
「俺たち超にてるもんなー!」
 どうやらこの男コミュ力も兼ね備えてるようだ。
 ちら、と未久を一瞥してから鈴は述べる。
「…私は間違えたことないけどね」
「あ?そうだったか?」
「だって全然違うもの、ミクとくー兄」
 それからまじまじと未久を見つめて。
「未久はつり目でくー兄はたれ目。決定的な違いでしょ」
 一つ指摘をすると未久はふうん、と相づちを打つ。しかし興味は今の話題より別の方に移ったようだ。
「つーかさ、なんで俺はミクなのに久緒はくー兄なの」
 今まで気になっていたことのようだ。椅子を前足浮かせ傾けて一見ダルそうに訊ねる未久だが気にかけていることが分かる。
 その質問に対し鈴は何を今更と無表情。
「だってミクはミクじゃない」
「ありえねぇ、何それ」
「て、いうかミクこそ何であたしに突っかかってくんのよ」
 不満そうにぶーぶーと文句を言う未久に逆に鈴が質問する。
「は?」
「…錬には突っかかんない癖に」
 ぽかんとする未久とどこか錬を妬むようにする鈴。
 とりあえず何か言いものはないかと手探り次第に理由を探す。
「錬には…、ほら久緒がつきっきりだし」
 あせ、と視線を泳がせる。

1602: 桜欄樂 [×]
2015-01-18 22:00:39

「まあ錬は可愛いし。未久も紳士でいたいもんね」
「いや、別に俺はそんな目で見てる訳じゃっ…」
「くー兄も錬につきっきりな訳も分かるよ」
 雰囲気が気まずくなったように感じた。とっさに未久は久緒にフォローを求めようとするが残念ながら錬の勉強を教え中。諦めろということだろうか。
「なんか悪ィ…」
 せいぜい言えたのはこの言葉。
 しかし当の本人はけろりとしていて。
「何が?、別に何も気にしてないし」
 未久はその瞬間ほ、としたような謝った自分が馬鹿だったような気がした。
「ふざけんな」
「はあ?」
「何でもねぇよ」
 不機嫌そうにぷいと未久が顔を背けた瞬間、鈴は小さく聞こえないようにぼそっとつぶやいた。
「私も、もっとくー兄に…」
 その先の言葉はいわなくても察せるものだった。
 呟きが聞こえた未久は何も言わなかった。



(久緒なんかより俺にしろよ。)

1603: 桜欄樂 [×]
2015-01-22 21:23:41

 しんとした空間。聞こえるのは規則正しい寝息だけ。
「何、見てんの」
 声を掛けてきたのはフランシス。ただ一点を見つめていたロヴィーノはゆっくりとフランシスの方へ振り返る。
「げ。お前かよ、カッツオ」
「会ってそうそうカッツオってひどくなぁい?お兄さん泣いちゃう」
「勝手に泣いとけこのやろー。俺はお前にかまってる暇なんてないんだよ」
 暇なんてないねぇ、とフランシスは心の中で呟く。ロヴィーノが見ていた先を見てみれば気持ち良さそうに寝ているアントーニョの姿。おそらく、仕事で疲れて寝てしまったのだろう。
「親分のこと見つめてるだけなのに?」
「うるっせ!お前には関係ないだろ」
 ちょっと挑発的に言えば自然と食いついてくる。なんてちょろいのだろうか。しかしフランシスはそこが可愛らしく思える。
「大体、お前トーニョの家に何しに来たんだよ。髭野郎」
 シッシと付け加えるロヴィーノに軽く苦笑を洩らしてフランシスは答える。
「ちょっとした仕事関係だよ」
「ふぅん」
 自分と関係ないとわかった時点で興味なさそうに流す。彼はいくつになっても子供らしい。勿論、子供らしいというのは決して褒め言葉ではないが。
 フランシスはアントーニョが寝ていることに気づいた時点で此処に来たことを無駄足に思ったが、少し思考を変えてたまたま出会ったロヴィーノをからかってみようと試みた。
「ねぇ、ロヴィーノ。君、アントーニョが好きなんだよね?」
 それも、一番核心で、一番卑怯ななからかい方。ロヴィーノは目を見開き、驚いて硬直する。バレバレな反応にくすっと笑いが漏れてしまう。
「でも残念ながらトーニョには恋心は気づかれてないわけだ」
「なんでてめぇがそれを知っている。お前に言われる筋合いなんてないだろ」
 本当はわかっていることなのだろう。しかし、分かりきったことを言われて、むっときたロヴィーノは眉に皺を寄せフランシスを睨みつけた。睨みつけたところでフランシスは何も感じないどころがますます笑みを深めて言う。
「お兄さんはなんでも知っているんだよ」
「んだよ、黙れよ。用も済ませられないだからさっさと帰れよ!」
「そんな怒らないで。ほらほらアントーニョも起きちゃうよ?」
 誰が怒らせてるんだよ、と拗ねたように吐き出すロヴィーノ。それを満足そうに見つめるフランシス。
「ねぇ、届きもしない相手に恋するのは辛いでしょ」
「…」
「だったらお兄さんにしない?結構いい提案だと思うけど、料理も上手いしテクニックもあるし、優しくするよ。ロヴィーノが望めば俺はロヴィーノ一途になるし」
「なんだよそれ」
「ご不満かい?俺と愛を育むのは」
 ロヴィーノは俯いて歯をぎり、と噛み締めたあと何も喋らなくなった。フランシスも同じく黙ってロヴィーノの返事を待つ。二人の重い雰囲気の中で一人だけアントーニョは気づかずすやすやと寝ている、この男は幸せそうだ。否、もしかしたら不幸なのかもしれない。
「…いいぜ、お前と付き合ってやるよ」
 ロヴィーノは小さな声でぼそ、と言ったが静寂に包まれているこの空間ではハッキリと聞こえてくる。フランシスは目をまあるくさせ大声で言う。
「えっ!!?本当に!?本当に俺と付き合うの!?」
「だあああ、うるっせぇ!本望じゃねぇからな!俺はずっとアホトーニョが好きなんだからな!ただアホトーニョを待っていると万年掛かる気がするからお前の選んだだけであってお前のことなんてこれっぽっちも好きじゃねぇんだからな!勘違いすんじゃねーぞ畜生が!しかもなんでお前から嗾けてきたくせに俺が肯定したらしたで驚いてんだよ!」
 フランシスに負けない大きな声でロヴィーノは早口で述べる。一見ツンデレのように見えるのだが彼にはそのつもりはなく心の底からフランシスと付き合うのは心外だと思っている。だが、そんなことフランシスにはお構いなし。ロヴィーノがどれだけ言い訳をしようが付き合ってくれればそれで良いのだ。
「いや、だって。断られると思ったんだよ」
「俺だって断ろうと思ったわ」
「じゃあなんで俺と付き合うの」
「…俺の勝手だろ」
 最大の我が儘を振り散らかすロヴィーノ。
「ああ、そうそう。俺と付き合うんだから俺の我が儘は聞き入れろよ。じゃなきゃすぐに別れるからな」
 すごく可愛くないこの男。けれどもその我が儘すら可愛いと思えるのは好きだからこそに決まっている。長年ロヴィーノに恋して、絶対に叶うことがないとほとんど諦めかけていたのだから我が儘くらい聞いてやる。
 フランシスはにへ、とだらしなく緩んだ笑みを浮かべては一言述べた。
「代わりに夜は沢山甘えて我儘言って、俺を楽しませてね」
 なんて最低な人だろうか。数秒後に蹴りが飛んできたのは言うまでもない。 

1604: 桜欄樂 [×]
2015-01-23 18:32:02

ナキ可愛いww

ナキめっちゃ可愛い、可愛すぎるwww
愛すべき単純バカw

EDのくだり面白い、知らなかったな

1605: 桜欄樂 [×]
2015-01-23 18:44:18

んっ!?
待って、有馬さんって浪川大輔さんなの!!?
ついでに言うと三木も浪川さんなの!!?


はよ!はよ、梟戦!有馬さんと宇井さんがよくでてくる梟戦やりますよね!!?

1606: 桜欄樂 [×]
2015-01-23 20:29:14

ん?ん?

今のVTRに出てたのレイちゃんとマリさんとカヲルくんのフィギュアですよね??
ねぇ?

1607: 桜欄樂 [×]
2015-02-07 01:18:37

 アントーニョ、はふと考えた。
『この先の人生、自分はどう生きようか』
 能天気な彼にとって今までそんなこと思ったことすら無かった。自分あるのは莫大な貯金。普通に就職してそこそこ良い線まで行ってきたアントーニョ。更に彼は欲が浅く、食事と住居、衣服にそれから少々の酒さえあれば満足だったためその2つが重なり合い財産だけはいつの間にか貯まっていっていた。
 そこで彼は仕事を辞め、貯金の半分程を使って小さな自営業に営んだ。とは言っても本当に趣味の範囲の規模で、たまたま料理が得意だったからバーを開いただけ。利益も客も目的とせずにただ時間に任せて営業しているようなものだった。そのため、客が来るのは旧友かもの好きな人ばかり。いつか貯金も果てると考え、そんな個人業だけでは将来苦になると計算したアントーニョは客がいない間は内職に励んでいた。

 店を開いて早3年。悠々自適としたアントーニョに嫁ができることもなく25歳を迎えたある時、とある青年が彼の店を訪ねた。
 高い鼻に、若干つり目で切れ長な目。肌は白く髪の毛はさらさらとした茶髪、前髪に一本くるんとした長いくせ毛が特徴的だった。背は自分より低め。いわゆる美形という整った顔立ちだというのに口はへの字に結ばれてやや不機嫌そうに見える。
「…オススメとか、自信作とかでいい」
 声は意外と低かった。アントーニョは短く「おん」と答える。
 自信作と言われてしまえばこれしかないだろう。サングリアをグラスに注いで差し出す。彼はまるで手探りするように不自然な手の動きを見せたあとグラスを掴み一口飲む。
 外から聞こえる音以外はしんとした空間だった。アントーニョはただ青年を見つめる。よくよく見ればまつげは長いし眉はきりり、としている。グラスを持つ手は筋肉もついておらず男性にしては細すぎてすぐに折れてしまいそうだった。この男のことが気になりとうとうアントーニョは話しかけた。
「なぁ、君。何歳なん?」
 ただ会話をしたかったアントーニョにとって話題の切り出しはこれで十分だった。青年は少し驚いたあと静かに口を開く。
「23」
「23…」
 聞こえてきた数字をオウム返しした。見た目からしてもう少し若いかと思いきや自分とたった2歳しか違わないなんて。ますますアントーニョは青年について知りたくなった。
「それにしても君、美形やなー。て、男に対しておかしいか。此処辺の人や無いよな?何処から来たん?」
「…イタリア」
「イタリアかぁ!」
 成程、イタリア男ならばこの美形さもわかる。一人胸の中で納得すればまた別の質問に取り掛かる。
「せやけど、なんでイタリアからまたスペインに?」
「別に特に理由なんてない」
「ふぅん?一人?」
「いや、弟と」
「ええなぁ。楽しそうやん」
「そんなことない」
 ぶす、と一気に不機嫌になった彼の顔を見てアントーニョは思わずくすりと笑う。喧嘩するほど仲が良い、そんな言葉をアントーニョは信じているのだ。
 がんがん飛ばす質問はまだ止まらず。
「仕事とか何してるん?」
「あ、ていうか肌白いなー。やっぱこだわってたりするんか?」
「彼女とか嫁とかもういる?なあいる?」
 彼は嫌な顔せずに丁寧に一つ一つ答えていった。
「仕事は、弟に任せている」
「肌はこだわってる、入浴後のケアはかかせない」
「彼女も嫁もいない。だからベッラな彼女が欲しい」
 アントーニョと彼の間に警戒など一つもなく親しい友人のよう接していた。
 飲み干したグラスをことりとおくと財布を取り出しお金を払おうとしていた。
 もう帰るのか。と少し寂しくなったアントーニョはお金を受け取りつつまた訊いた。
「また来る?良かったら、名前、教えてくれへん?」
 さすがに引かれただろうか。彼は最初と同じく驚いた顔を見せてから言った。
「ロヴィーノ・ヴァルカス。暇さえあったらまた来てやるよ」
 どことなく高圧的な態度だったがアントーニョにはお構いなし。にへ、と頬をだらしなく緩めてから大きな声で言った。
「おん、また来たってな、待ってるで!」


 


1608: 桜欄樂 [×]
2015-02-07 02:24:25

 がちゃん。
 店内から聞こえてきた音にアントーニョは吃驚した。裏で育てている大好きなトマトたちに水を上げていたところ急に耳に入ってきたのだ。小走りに店内へと戻ると想像以上の光景が広がっていた。
「ロヴィーノ!?」
 ぽたぽたと髪からは酒が垂れており、床に座っているロヴィーノの周りには散乱したグラスと思わしきガラスの破片に倒れたテーブルとイス。おそらく、テーブルかイスにつまづき派手に転んだところテーブルの上に置いてあった飲みかけのグラスが倒れてきてイスにぶつかり割れたのだろう。イスに小さなキズができていた。ロヴィーノはびくん、と体を震わせてアントーニョの方へと振り向いた。
「ご、ごめ…なさ。俺…、その…。あの」
 グラスを割ってしまったところからの焦りと不安で言葉が突っかかっていた。それよりもアントーニョはロヴィーノの傍にしゃがみこみ動揺しながら尋ねた。さすがは接客業をやっているだけはある、店等の心配よりもお客の心配をしている。
「だ、大丈夫なん!?怪我とかしてへん?うわぁお酒、頭から被ってんな。ベタベタするやろ?いまタオル持ってくるで!」
「あっ、あ、おい。このくらい平気だぞ。それより…グラス、割っちまって…」
「そんなん後でで平気や!それよりも今はロヴィーノの方や」
 慌ただしくアントーニョは奥へと駆けていけばすぐにまたタオルを持って戻ってくる。
「んー、…タオルだけじゃベタベタ取れないかもなぁ。あ、そうだ、お風呂入ったって。こっちやから」
「大丈夫だって、風呂くらい入んなくてもタオルで…」
「あかん!ロヴィーノの髪はせっかくサラサラなんやから髪を傷めないためにもお風呂にはいっとき?遠慮いらないから」
「う…」
 ぐいぐいと引っ張られる手をロヴィーノは離せずそのままアントーニョに連れられ風呂場へとむかった。
「着替えは俺のでええ?ちょっと大きいかもしれないけど。タオルも一緒に置いとくからな!」
「…おう」
 半ば強引に入れられた風呂。ロヴィーノは何処か不服そうにしながら湯船に浸かっていた。
 一人での風呂は嫌いだ、水の所為でつるつる滑るから転びそうで怖いしシャワーの温度調整とかも難しい。ふぅ、と溜息をひとつ吐いた。

「せやけど…なんでロヴィーノ勝手に入ったんやろ?」
 ロヴィーノが風呂に入っている間アントーニョは片付けをしていた。ところどころにある血はきっとガラスで肌を切ってしまったのだろう。ただそこまで多くないから安心だ。
 小首を捻りつつ疑問について思考を巡りに巡らせる。しっかりと“cerrar”の札は向けたはずだし、と呟く。しかしアントーニョはそう深く考えなかった。初めてロヴィーノが来店した日から日は浅いものの一気に仲良くなった二人。ロヴィーノは用があれば例え閉まっていてでも入ってくる。今日もたまたまそうだっただけだろう。逆に何故今日、勝手に入ったことが気になったのかが不思議なくらいだ。すると、風呂場の方から声が聞こえた。
「おーい、アントーニョ!風呂場からどう行くんだよ、分かんねぇぞこのやろー!」
「今行くからそこで待っときー」
 仲良くなってからロヴィーノの色々なことがしれた。仕事はしてない所謂ニートなこと、時々方向音痴なこと、口が悪いこと、面倒くさがりやなところ。素直に甘えることが下手でいつも意地ばっかり張っているも結局はヘタレなこと。それら一つ一つはアントーニョにとって可愛らしいことだった。ロヴィーノは年によらず結構子供らしいところもあり、接しているとなんだか子供相手をしているようだった。否、子供というか、なんというのだろう。そう、子分とでも言うのだろうか。
 風呂場につけばロヴィーノはまだ髪に水滴がいくつかついていた。
「もー、ロヴィーノちゃんと拭いとかなきゃ風邪ひくで?」
「うるっせ。面倒臭かったんだよ」
「ほら、俺に任せて」
「やーめーろ!子供扱いしてるだろ!?」
「ロヴィーノが拭かんのが悪い」
 タオルで優しく髪を傷つけないように気をつけながら拭いていく。むう、と眉を顰めつつロヴィーノはおとなしくしている。
 ふとロヴィーノが口を開いた。
「なあ」
「ん?」
「あのさ」
「何?」
「……俺さ」
「なんやねんー、さっさと言うてみ?」
「…」
 ロヴィーノは言いにくそうにあー。だの、うー。だのと漏らしてから小さな声でポツリといった。
「…今まで、ずっと黙ってたけど俺さ」

「…盲目なんだ……」

 衝撃的だった。思わず髪を拭いていた手は止まり思考も止まる。気まずそうにふ、とロヴィーノの顔が下がったのが分かった。
「え?え?盲目?それって、目、見えないってことやん」
「おう」
「いつから?先天的?後天的?」
「多分、後天的。すげぇ小さい頃に…無くした」
「…知らんかった。なんで教えてくれなかったん?」
「だって、盲目ってバレたら面倒がられて…捨てられると思ったから」
「捨てるって…」
 あほちゃうの?そう言いかけた。けど、言葉はなんとか喉元で止まった。捨てられると思うくらい、きっと彼は周りから迷惑がられ面倒がられ寂しい思いや嫌な思いなどをしてきたのだろう。一人ではなく弟と住んでいることも、グラスを掴む前に不自然な手の動きをしていたのも、いつも閉まっていても勝手に店に入ってくることも、今日テーブルにつまづいて転んだことも、全部全部見えないから。中には見えなくても慣れから出来ることもあるのだろう。それでも、できないものにはできないものもある。
「…捨てへんよ。絶対に捨てへん」
 ぐ、と声に力を込めて言った。せめて、自分だけでも子供みたいな彼を大切に出来るように。そんな意味を込めて。もはや、母性愛だった。男が母性というのもおかしな気もするが。
「お前、バカじゃねぇの」
 聞こえてきたロヴィーノの声は震えていた。嬉しそうな安心したようなそれでもって泣きそうな声。アントーニョは小さく微笑み述べる。
「そうかもなぁ、俺はバカかもしれん」




1609: 桜欄樂 [×]
2015-02-08 00:06:54

 気づけばロヴィーノの出会って1年の月日が流れた。1年間色々あった。彼の弟にも会ったし、彼の料理も食べたし、たばこを吸ったことないというので吸わせてみたところ盛大にむせては「なんだこれ、苦しいじゃねーか。このやろー!」と涙目になっていた思い出もあった。目が見えない分アントーニョも彼の目になろうと必死だった。とはいえ、すでに彼の目の代わりに弟がいたが。何よりも変わったのはロヴィーノは笑顔をよく見せるようになった。

 その日もいつもと同じように唐突にやってきた。
「なあ、アントーニョ」
「どないした?」
「俺さ…。入院するんだ」
 盲目と告げたときとはちがく、ロヴィーノはさらっとアントーニョに告げた。その告げ方からアントーニョは楽観視した。
「ああ、もしかして目の手術か何か?」
「ちげーよ」
「ええー?なんでなん?」
「ハイチントン舞踊病」
 ロヴィーノは小さく微笑む。対照にアントーニョは目を見開き言葉を失う。盲目以上だった。ハイチントン舞踊病自体初めて訊いた。聞いたこともないような病名に目をぱちくりさせてからアントーニョは状況がまるでわかったように眉を顰める。
「ハイチントン舞踊病…、て何やそれ」
「先天的の病気。体が勝手に動くんだ、その動きが舞踊みたいだから舞踊病。多くは35~40歳くらいで発症だってさ。俺の場合は結構早めで2年前に発症した。この前まではまだ軽かったけど、最近になってどんどんひどくなってきて盲目もあるし危ないからそろそろ入院しないといけなくなってきた。本当は、何も言わずに入院しようと思った。でも、怖くなっちまった」
 ロヴィーノは寂しさを隠せきれない笑顔を浮かべた。アントーニョは思わず泣きそうになった。込み上げてきた涙を堪えた。今、泣いちゃあかん。自分よりもかロヴィーノの方がずっと辛いんやから。俺はロヴィーノより大人なんやから。そう思って笑顔を作った。
「大丈夫やで。言ってくれてありがとうな。これからも俺はロヴィーノの傍おる」
 精一杯の言葉だった。安心したのかロヴィーノは涙を流して糸が切れたように不安を漏らしだした。
「怖いんだ。自分の体が勝手動くんだ、その様子も見えないから自分が何してるのかが分からない、止められない。たまに誰かに乗っ取られちゃうんじゃないかって自分が自分でなくなるような感覚が襲ってくるんだ」
 アントーニョはただ優しく「安心しぃ。大丈夫やから、絶対」と抱きしめ背中をなでた。アントーニョは俺が弱音を吐いては駄目なんだ、じゃなかったら誰がロヴィーノを慰めるのかと思った。

 それから早くも一週間後にはロヴィーノは入院した。アントーニョは予め病院の場所教えてもらった。病室に着くとロヴィーノはベットの上で天井を見つめていたが、扉の開く音に気づき顔をゆっくりこちらに向けた。
「誰?フェリシアーノか?」
「残念、ちゃうで。アントーニョや」
「トーニョ…か」
 心身に制限されているのだろう。小さな声と笑みは何処か弱々しい印象を受けた。ずき、と胸が痛むような気がした。アントーニョはお見舞い品の花を花瓶に生けてからベットのすぐ傍のイスに腰をかけた。
「大変やな。大丈夫やで」
 何が大丈夫なのだろう。自分は何も知らない、病院生活だって盲目にハイチントン舞踊病が重なる辛さだって、恐怖すら。それでも、言いたかった。白いシーツに広がった茶色の髪の毛をさらり、とする。ストレスからか少し髪の毛が薄くなっている気がする。
「なんや、ロヴィーノはげとるん?はは、中年に近づいとるんやな」
「ふは。俺、お前とお揃いじゃん」
「ええー?はげちゃうもん」
 アントーニョが小さな冗談を言えばロヴィーノも笑って冗談を返す。いつもどおり、そんな気がするだけだ。
 と、そこで扉が開いた。看護師だろうか、と視線を向ければロヴィーノの弟であるフェリシアーノが立っていた。
「あ、こんにちは」
「こんにちはフェリちゃん」
「兄ちゃんのお見舞いだよね。有難う」
 にこにことロヴィーノとは違う愛想の良い誰からでも愛されそうな笑顔を振りまいて此方に近づいてきた。ロヴィーノのお見舞いに来る親族は弟しかいない。両親共に物心ついた時からいなかったらしい、大きくなるまではずっとお爺さんに育てられていたがその人はもう他界。スペインに引っ越してからは親族とも離れ離れになってしまった。しかしロヴィーノいわく「俺は皆から嫌われてたしどうせ誰も来ないだろ」と寂しいことも言っていた。
 他愛のない話を3人でしているとロヴィーノが「疲れた」と一言いいそのまま寝てしまった。寝ている人いるため二人共病室の外で出た。フェリシアーノは重い口を開く。
「本当にいつも有難う。アントーニョ兄ちゃん」
「ええって。俺が居たいだけやし」
「それでも、すごく感謝しているんだ。兄ちゃん、ほら、性格が少し難しいから昔からあまり好かれることが多くないんだ。けど、アントーニョ兄ちゃんはいつも傍にいてくれて。」
 少し困ったような曖昧な笑みを浮かべた後、一旦口をきゅ、と横に結んでからもう一度言う。
「良ければ兄ちゃんの傍に最後までいてくれないかな?兄ちゃん、いつもアントーニョ兄ちゃんのことばかり話すんだ。それも嬉しそうに」
 最後まで、てなんやねん。ロヴィーノ、死ぬんか?ふ、と力が脱力したような気がした。
 そしてフェリシアーノが言うとおりアントーニョは病室に通い続けた。ロヴィーノが寂しくないように。「なんだよ、また来てんのか。暇人だな」なんて呆れたように笑われるほどだ。たまに見られる異常運動は見てみないふりした。しかし途中から薬で異常運動を抑えている副作用なのか熱を出したり辛そうだったりと、起き上がるのが難しいということなのでアントーニョは病室に通うのを抑えた。しばらくして久しぶりにアントーニョはロヴィーノに会いに行った。ロヴィーノは寝ていたがアントーニョに気づくとすぐに目を覚ましてふらふらと起き上がった。
「起きんでええよ」
「大丈夫だちくしょー。今日は、調子いいぞ」
 心配するアントーニョ。笑みには力もなくロヴィーノの言葉には説得力がかけている。
「…何か欲しいもん、ある?」
「お前んところのサングリア飲みたい」
「それは…また今度な。もうちょっと元気になってから一杯飲もうな?」
「ちぇ。んだよ」
 唇を尖らせ拗ねたような表情を見せた。そんな表情を見ると心も痛む。肩を竦めつつ眉を下げ笑うとロヴィーノはあっと思い出したように言った。
「じゃあ俺、散歩したい」
 それなら、と思ったアントーニョは看護師に了承を得てから手を引いてやり散歩をすることにした。少し庭園まで歩くと気持ちの良い空気が肺いっぱいに入ってきた。
「気持ちええな。ロヴィーノ辛くない?」
「そんな心配すんなっつーの。ああ、でも少し歌いたい」
「歌…?」
「俺、小さい頃、キリストの歌唱団に入ってたんだぜ。俺の美声をよく聞いとけよ」
「はいはい。よーく聞いとくから」
 自信たっぷりに笑みを浮かべる彼が子供っぽく可愛らしく感じぷ、と小さく笑って耳を傾ける。すう、と呼吸音が聞こえたあと青年男性の声とは思えぬほど高く綺麗な声で歌い始めた。ロヴィーノを見やると瞼を閉じ歌うことに集中している。なんとも気持ちよさそうだ。アントーニョも瞼を閉じて歌を聴くことに集中した。知らない言語、たぶんイタリア語だろう。最後まで歌いきるとロヴィーノはこちらを向いた。
「どうだ?」
「すごいなぁ。俺にはこんな声出せへんわぁ。羨ましい」
「だろ!」
 アントーニョが素直に褒めるとロvィーノはへへ、と照れくさそうに笑った。
「…迷惑かけてごめんな。こんな病人といて楽しいか?」
 それはロヴィーノにとって最大の不安であった。今まで怖くてずっと訊けなかった質問。アントーニョは泣きそうになった。
「何言うとんねん。俺は、ロヴィーノといると気が一番楽しい」
 変な不安を持って欲しくないためか、アントーニョはハッキリと伝えた。ロヴィーノは小さく笑った。頭を優しく撫でるとトマトのように赤くしてから言った。
「Grazie.有難う」





1610: 桜欄樂 [×]
2015-02-08 02:09:58

 それからの日は割と穏やかに過ぎていった。ロヴィーノは病院から離れられたかったがアントーニョはできるだけ毎日会いに行った。
 アントーニョがいつもどおり病室にいると珍しく先にフェリシアーノが居た。以前、ロヴィーノが歌った歌を口ずさみながら絵を描いていた。多種多様、色とりどりの鮮やかな花たちに囲まれたロヴィーノの絵。思わずアントーニョは呟いた。
「綺麗…」
 此方に気づいていなかったのか二人は少し驚いた様子でアントーニョの方を見た。
「アントーニョ兄ちゃん!」
「トーニョ」
「フェリちゃんが描いた絵、すごく綺麗やんな」
「ヴェー、本当?嬉しいな」
 よく見れば描かれているロヴィーノの表情は寂しそうな表情をしているようにアントーニョは感じた。少し気になったが、それよりもロヴィーノが手にしている絵の方に注目した。
「これ俺やん!!」
「あ、それねー」
 目を見開き絵を指差すとフェリシアーノが説明しようとした。しかしそれよりも先にロヴィーノが阻止した。
「ちぎぃぃぃぃぃ!!ち、ちげーぞ!これは」
「ええー?兄ちゃんが描いてって頼んだんじゃーん」
「なっ、バカ弟!言うなよぅ」
「えっ?なんで俺?」
「うるっせ、もういいだろ!」
 結局アントーニョはその理由を教えてもらえなかった。日が沈み始めた綺麗な時間の頃フェリシアーノは帰ってった。しん、とした空間の中沈黙を破ったのはロヴィーノだった。
「そういや、外泊許可出たんだ。3日間だけど」
「ほんま!?」
「おう、本当だぞ」
「何して過ごすん?」
 アントーニョはつい嬉しくて声が大きくなった。ロヴィーノと楽しい思い出を作ろうと思ったがよく考えればアントーニョと過ごすかはロヴィーノが決めることであったためアントーニョはすかさず予定を訊いた。すると、ロヴィーノはシーツを顔の半分まで覆い小さな声で言う。
「俺は、…その。お前と…居たい」
「だっ、大歓迎やで!!寧ろ、俺もロヴィーノと過ごしたい、て考えてたで」
「そ、か」
 ぱぁ、と表情を明るく変えたアントーニョに対しロヴィーノはそっけなく返した。しかし、シーツで隠された表情には笑みが浮かんでおり内心嬉しそうにしていることがバレバレであった。
「3日間何する?何処かいきたいところとかある?」
「んと、…イタリア。お前に俺の故郷案内してやりたい」
「ほな行こか!、俺が車運転するけどそれでええ?あ、車酔いとか大丈夫か?」
「そんな弱くねーよ。特に南イタリア行こうぜ」
「おん!」
 アントーニョは嬉しそうにしているロヴィーノを見ては絶対に楽しませてやりたいと心の中で思った。それ以外にしたいことを尋ねると首を振りただ「お前と一緒にいたい」と言うだけだった。アントーニョはとても楽しみし待ちきれなかぅった。プレゼントを買ってやろうと思い、何がいいかなど悩んでいた。買ったのは男性用のネックレス。アントーニョは十字架のシンプルなネックレスを常にしていたためロヴィーノにも似たようなものをあげようと選んだのがキッカケだった。
 当日、フェイリシアーノに軽く挨拶をした。優しく微笑んで手をひらひらと振っていた。アントーニョはにこにこして、ロヴィーノは少々照れていた。
「兄ちゃんを宜しくね。じゃあ、行ってらっしゃい」
「任せたって!」
「行ってくる」
 車に乗りイタリアまで出発した。ロヴィーノは目が見えないものの窓を外を見つめていた。アントーニョはその様子を見て笑った。
「楽しい?」
「当たり前だ、このやろー」
「何、見える?」
「分からねぇ」
「はは。今なぁ、トマト畑が見えとるよ」
「へぇ。俺、トマト大好きだ」
「あ、そうなん?俺も好きや、一緒やな」
 そんなような会話を何度かした。途中、ロヴィーノがアントーニョに向けて「たばこ、吸ってもいいぞ」と言った。ロヴィーノの前では一応たばこを吸わずにいたアントーニョは目をぱちくりさせた。
「なんで、いきなり?」
「別に。今なら窓開ければ臭いもそんな気にしないし」
「ううーん、けどまあ今は運転中やしええわ」
「なんだよ、人がせっかく許可したのに」
「なんでお前はそんな上から目線なんやねん」
 それから二人で笑い合ったりした。この前とは違う歌も歌ってたりした。ロヴィーノは結構自由にしてた。何時間かしてようやくイタリアに到着した。
「お。ロヴィー、イタリアやで」
「んあー?イタリアの何処?」
「えーっと…わからん」
「ぶはっ!バカじゃねーの」
 それからロヴィーノはアントーニョの手を引き、色々なところを紹介した。指折り数えて観光スポットを言っていく。
「コロッセオ、トレヴィの泉、パンテオンならローマだぞ!ナポリも勿論忘れるなよ!、あ、あとそれからスペイン広場でジェラート!」
「じゃあ一つ一つ回ろうか」
「おう!」
 車では行けないところは沢山歩き回った。片手にパニーノを持ってはイタリア男のナンパを見ながら。ロヴィーノが「あ、スリ多いから気をつけろよ」と警告もした。ジェラートジェラートと連呼するロヴィーノとスペイン広場に行き念願の物を食べるとそれはもう美味しかった。真実の口を見つけアントーニョが手を入れれば後ろから「噛まれるぞー、噛まれるぞー」とまたロヴィーノがニヤニヤしながら騒いでいた。昼はパスタかピッツァで迷ったがどちらも食べた。ちなみに、ペスカトーレとマルゲリータである。ドルチェなんかも食べたような気がする。
「おい、アントーニョ足りねぇぞ!」
「ロヴィーノは本当食いしん坊さんやな。ほら、俺の少しあげるわ」
「イタリアにきてたくさん食べないなんて損するぞ!」
なんて会話なんかも食べる時にした。
 そろそろ夜になり暗くなってきた。アントーニョが取っておいたホテルに戻ろうかとロヴィーノに尋ねた。けど、ロヴィーノの返答はアントーニョが思っていたものでは無かった。
「まだ、もう少し」
「もう少しって…、そろそろホテル行かなきゃあかんよ」
「ナポリにあるポジリポの丘に行きたい」
 じ、と見つめて懇願するロヴィーノにアントーニョはついに負けてしまった。
「ふぅ、しゃーないなぁ」
 ポジリポの丘に行くまでは何故か二人とも無言だった。しかし、その沈黙は案外心地よかった。ちょうどいい距離感。ある程度近づいてきたところだった。
「…アントーニョ、目瞑れ」
「へ?せやけど、危ないやんか。ロヴィーノも目見えてへんし」
「俺はもうこの道は慣れた、いいから早く」
 釈然としないまま急かされアントーニョは渋々目を瞑った。恐怖感が襲ってきた。ここらへんに家があるんじゃないかだとかこのままだとぶつかるんじゃないかなど目をつぶってる間ひやひやしていた。同時に、ロヴィーノの大変さがわかった気もした。
「もういいぞ」
 合図とともに目を開けた。ああ、良かった。どこにもぶつからなかったなどと安心していたのも束の間。目の前に広がった絶景にアントーニョは息を飲む。
「綺麗だろ?」
「おん。これ、見せたかったん?」
「小さい頃、まだ目が見えてた時に来たことがあったんだ。フェリシアーノと爺ちゃんと3人で。そのとき見た光景がすごく綺麗だったのを覚えている。何度も何度も無理言って来たんだ、失明しても。お前には見せておきたかった」
 アントーニョはじんわり、と胸が温まるのが分かった。柔らかい笑みを見せるロヴィーノも綺麗だった。アントーニョは「有難うな」と呟いた。
「俺さ、お前の顔見てみたかった」
「…」
「暖かい声してさ、性格も広くて。陽気な感じで、どんな顔してんだろうなって」
「ロヴィーノが描いている想像とはちゃうかもな」
「そうだな」
「もしかしたら後悔するかもしれへんよ」
 アントーニョけらけら、と笑うとロヴィーノは真剣な口調なまま言った。
「しねぇよ、ぜってー」
 笑うのをやめたアントーニョは呆気にとられたようにロヴィーノを見つめる。ロヴィーノはふは、と笑ってから付け足した。
「ああ。それに、フェリシアーノが言ってた。お前のことイケメンだって」
「ほんまか。じゃあなんで俺今まで嫁出来んかったんやろ」
「知らねーよ」
 くすくすと笑い幸せな時間だった。
「Muchi'simas gracias.ほんま有難うな」




1611: 桜欄樂 [×]
2015-02-08 16:53:20

 ホテルに入るとあんなにはしゃいでいたロヴィーノは疲れたのだろう、かなり眠たそうにしていた。部屋に行くまでも一苦労。なんとか風呂にいれさせ着替えるのも大変だった。ロヴィーノは早く寝たいのか色々としなくてはならないことにかなり面倒くさそうにしていた。やっとベットにつけば倒れこむようにして布団も被らないまま寝てしまった。アントーニョは優しい笑みを浮かべつつ呆れたように溜息を吐き、布団を被せてやった。
「おやすみ、ロヴィーノ。良い夢見てな」
 それからアントーニョも布団に潜り込んで眠りにつこうとした。完全ではない暗闇の中、ロヴィーノの規則正しい寝息を聞こえてきた。もし、今彼の寝息が止まってしまったら。なんて嫌な考えが頭を過ぎった。頭を振りそんなことあるまい、と強く否定する。それでも、不安は止まらずアントーニョは顔を枕に埋めバレないように息を殺して泣いた。ぼろぼろ、と溢れてくる涙はきっと今まで堪えてきた分も含んでいるのだろう。そのくらい涙はとまらなかった。

 朝、アントーニョが目を覚ました頃にはロヴィーノはすでにおきていた。何もせずただ上半身を起こしてどこかをまっすぐ見ていた。だが、アントーニョが体を起こすときに擦れたシーツの音に気づき「おはよう」と目を細め優しい笑みを浮かべていた。
「おはよーさん。どうしたん、ロヴィーノ。今日はすごくご機嫌やん」
「んーん。別になんでもねーよ」
「そうー?」
 今日は、もうスペインに帰る予定だった。念のためを考えてせめて病院のあるスペインには帰っておこうということ。しかし、実際に行くのはアントーニョ宅。ロヴィーノが行きたいと言い出したのがきっかけだった。ゆっくりと支度をすませ、ホテルを出る。車に乗り込み出発するとロヴィーノがアントーニョに尋ねた。
「そういえばお前は、ひとり暮らしなのか?」
「せやで。社会人になってからはずっとひとり暮らしや」
「兄弟とかいた?」
「ひとり兄が居る」
「へえ。仲いいのか!?」
 兄第がいると聞けばロヴィーノは興味津々に喰らいついて来た。対照にアントーニョは眉を顰めて冷たい声で言った。
「あんまし仲良くないな」
「なんだ」
「俺、兄貴のこと苦手だったんよ」
「…」
「あ!ごめんな、少し暗くしちゃったな」
 ロヴィーノの無言にハッとなったアントーニョはすぐさま謝った。会話はそこで終わった。そんな少し重苦しい雰囲気の中、アントーニョの家に着いた。アントーニョの家と開いている店の場所は少々違う。そのため、ロヴイーノはアントーニョの家自体は初めて来た。早くももう夕方。
「ロヴィーノ、着いたで」
「!、お前んち?」
「おん」
「俺お腹空いた!!」
 おず、と尋ねたアントーニョであったが反対にロヴィーノは先ほどのことなど気にしてない様子だった。そのことに安心したアントーニョはふ、と安堵の笑みを浮かべた。
「俺の手料理振舞う、て約束したもんな」
 扉を開けて家に入る。アントーニョは一直線にリビングへと向かった。ロヴィーノは少しおどおどして玄関で立ち止まっていた。
「入ってええよ」
「…お、おじゃまします」
「ん。どうぞいらっしゃい」
 冷蔵庫を開けると中はあまりいいものは入っていなかった。ここ最近ロヴィーノのことばかりだったため自炊することも忘れていたのだ。あちゃー、と額を押さえたアントーニョ。
「あー、ロヴィーノ。材料足りないからちょっと買ってくるな。ここで待ってて」
「俺も行く!」
「せやけど、大丈夫なん?昨日も歩き回ったからかなり疲れてるんとちゃう?」
「あのなぁ、別に歩き回ったところで病状が悪化するわけじゃねーんだから。ただ勝手に体が動くだけだぞこのやろー」
「まあ本人が行きたいなら…」
「よっしゃ!」
 決まれば早速出かける。ここらへんに慣れてないロヴィーノの手を引いてアントーニョは近くの店まで向かった。傍から見れば男同士で手を繋いでいるなんておかしいだろう。しかしここはスペイン、おまけにロヴィーノの盲目は仕方が無いことなのでアントーニョもロヴィーノも気にしない。
「とりあえず、ムール貝買おうな。ああ、あとエビとイカも…」
「何作るんだ?」
「パエリアやで」
「なんか聞いたことあるぞ」
「そりゃあ、スペイン料理の定番やからな」
 かごにどっさりと入った魚介類たち。ついでに、白ワインも買っておく。ロヴィーノは見えないにも関わらずはしゃいでいた。会計をすまして家に帰るとき、「半分持ってやるぞ」とロヴィーノは袋の片方を持った。2人で家に帰る。まるで、ルームメイトと一緒に帰っているみたいだった。
「おっしゃ、材料も揃ったし作んで!ロヴィーノは待っててな」
「ちくしょー。俺も手伝いたかった」
「じゃあ今度一緒に作ろうな」
「仕方ねーな」
「なんじゃそら」
 アントーニョはエプロンをつけ作り始める。ロヴィーノはまた鼻歌を歌っていた。こつこつ、と指がテーブルを叩く音がする。
「今、エプロンつけてんの?」
「勿論。エプロンのおかげで更にイケメンな俺を見られなくて残念やんな」
「俺の方がイケメンだコノヤロー。エプロン姿今度見せてやるよ」
「うわぁ、楽しみや。ロヴィーノは元が良いからきっと俺よりイケメンになるんやろうな」
「当たり前だ」
 おかしな会話もたくさん挟んだ。いい匂いがしてくると、まだかまだかとばかりにロヴィーノがアントーニョの方に顔を向けていたりもした。料理ができるとテーブルに持っていく。
「はい、じゃあ、いただきます」
「いただきます」
 ロヴィーノが美味しそうに食べていたのをアントーニョは眺めていた。たまにボロボロとこぼす米粒やらを拾ってやったりとアントーニョはお母さん気分だ。やけに気に入ったのか「おい、アントーニョこれ美味しいぞ!」と何度もロヴィーノは言っていた。そんな夕食も楽しく過ごした。
 夕食後、アントーニョは二人分のコーヒーを入れソファーに座っていたロヴィーノにひとつ渡す。穏やかな時間が流れていた。アントーニョの手にはネックレスが握られていた。なんだか、渡すのが恥ずかしくて手の汗がじわりと広がる。
「ロヴィーノ」
「なんだよ」
「あんな、ちょっとこっち向いたまま動かんといてな」
「は?」
 訳も分からずきょとんとするロヴィーノの首にアントーニョはネックレスをつけてやる。流石、とても似合っていた。ロヴィーノは首に感じたそれをそ、となぞった。
「これ…」
「プレゼント!、ロヴィーノのために選んだんやで。気に入った?」
「ちくしょーが。いつも貰っているのは俺だけじゃねーか」
 ロヴィーノは涙目になりつついっぱいの笑顔を浮かべた。
 夜も更けそろそろ寝る時間になる。ロヴィーノはアントーニョのベット、アントーニョは床。ロヴィーノは「俺、床でいい」と言ったがアントーニョが止めた。寝る前にロヴィーノは噛み締めるように言った。
「2日間すごく楽しかった。本当にたのしかった」
 その言葉の中でロヴイーノが病室に帰りたくない、ということが含まれていた。アント-ニョもそうだった。
「俺もや。また行こうな」
 ただそれだけ返してアントーニョは考え込んだ。暫くするとロヴィーノのすすり泣く声が聞こえた。病室の生活は寂しかったのだろう。でも、そのことを誰にも言えずロヴィーノは一人で辛い思いしてたのだ。ロヴィーノは直感的に分かっていた。アントーニョの前ではなんでもないフリをしているが本当はどんどん病状は悪化していること。多分、自分はこのまま言ったら死ぬこと。
 3日目の朝が来た。軽い朝食を食べてから、さあ何をしようと考えた。
「俺、散歩したい」
「散歩なんかでええの?」
「自転車で、二人乗りたい」
 アントーニョは少し考えた。二人乗りは危ないしやめておいたがいいんじゃないかと。しかし、病院に戻ったらもう自由もない。細心の注意を払えばいのだと思い許可をした。
「自転車で何処に行きたい?」
「ブラブラしたい。行くあてもなくていい」
「もう一度聞くけどそんなんでほんまにええの?」
「いい。友達と遊ぶみたいで良い、日常生活がしたい」
 その言葉にアントーニョは打たれた。絶対叶えてやろうと思った。少し休憩してから自転車にまたがった。ロヴィーノはどこに座るか少し悩んでいた。最終的は恋人のような格好になり少しむずかゆくなった。安全のためロヴィーノの腕がアントーニョのお腹に巻きつく。そしてぐるり、と近くを走っていく。小学校、花屋、トマト畑などが一気に流れていった。途中ロヴィーノが「公園に行きたい」と言い出した。あんまり大きくない公園。草原と湖があるのどかな公園。
「おい、アントーニョ!キャッチボールしようぜ!」
 ふと、ロヴィーノが言った。手には小さなボール。見てみるとかなり柔らかそうだ。予め持ってきたのだろう。なるほど、公園に行きたいと言ったのはこういうことか一人納得した。
「キャッチボール出来るん?見えなくない?」
「ふっふっふ、このボールはフェリシアーノが俺のためにボールに鈴入れてくれたんだ!」
「おお。つまり音を頼りにするってことなんか!頭良えな」
 ということでロヴィーノがボールを投げてきた。アントーニョはボールを取るとロヴィーノを返す。見事、ロヴィーノは見えている人のようにボールを取った。
「すごいやん」
「だろ!昔からよくフェリシアーノとキャッチボールしてたんだ」
 笑いながら大の大人二人でキャッチボールをしていた。それからたくさん遊ぶと疲れてぜえぜえ息を切らしあった。
「久しぶりにやるとこれ、案外きついなー」
「情けねぇな」
「そういうロヴィーノも息、きれとるやん」
 また大笑いして。この3日間かなり笑った。そしてかなり楽しかった。公園をでてからまた自転車に乗り、散歩を始める。チュロスの店を見つけるとすぐさま買った。自転車に乗りながらチュロスを齧った。
「おい!!お前の砂糖やらシナモンが風に乗って俺に当たってくるぞちくしょー!」
とロヴィーノがアントーニョに文句を言って脇腹をつねったりいた。するとアントーニョは
「あかんあかん、俺が悪かったからつねるのは止めて!」
と困ったように笑った。
 楽しい時間っていうのはなぜか、早く過ぎる。気づいたらもう病院に戻らなくてはいけない時間だった。
「…じゃ、戻ろっか」
「おう」
 意外だった。もう少しぐずるかと思いきやサラリと返事をした。
「また来ような」
 アントーニョが優しく言うとロヴィーノはぼそ、と小さな声で言った。
「来れるといいな」
 胸がいたんだ。もしかしたら次が無いというのだろうか。ロヴィーノは死との恐怖、不安とずっと闘っていた。
 車に乗ると口数が異常に少なくなった。きっと帰りたくないんだろうと思っていたアントーニョはさほど気にしなかった。しかし違った。暫くすると隣から「うぇ…ぐ」と変な声が聞こえたと思いきや咳き込み、喉からひゅーひゅーという音も聞こえた。そこで嫌な予感がして車を止めた。ロヴィーノは眉を下げて不安そうに此方を見つめていた。
「平気なん?なんかちょっと様子変やで」
「大丈夫に決まってるだろ」
「大丈夫なわけあらへん」
 顔色悪そうに喉を押さえるロヴィーノ。アントーニョは背中をさすりつつどうしようかと動揺していた。アントーニョの強い言い方によって押さえたロヴィーノは唇を噛み締めた。
「ちょっとした舞踊運動…。むせただけ…言ったら絶対迷惑がられるとおもったから」
「だけ、て…。下手たら窒息するかもしれないんやで?迷惑なんて思わん」
 車をすぐさま再出発をさせた。ロヴィーノは「ごめん…ごめんトーニョ」と繰り返し謝っていた。病院に着くときはロヴィーノの顔色はまだ良くなっていった。看護師に説明して、ロヴィーノをベットに寝かした。嚥下障害はそれ以来起きずアントーニョはほっと胸をなでおろした。

 次の日に会いにいくとロヴィーノはいつもどおりになっていた。ただ、手先は不自然な動きをしていた。察するに舞踊運動をしているのだろう。アントーニョはロヴィーノに話しかける。
「昨日は大丈夫やった?」
「アントーニョ。大丈夫に決まっているだろ、このやろー!」
「なら良かった。無理せんといてな。迷惑なんて思ってないから沢山甘えたって」
「…じゃあ俺の話聞いて」





1612: 桜欄樂 [×]
2015-02-21 21:43:42

飽きた。
2ちゃんのゲーセンで出会った(略)をパロつーか元にした奴。

1613: ロマーノ [×]
2015-02-24 20:32:47



スペインのやろーに、

たくさん愛されるのも良いけれども…




1614: スペイン [×]
2015-02-24 20:40:20



なかなか素直になれないロマーノを、愛すのもええんちゃう?

たまーにくるロマーノのでれなんて最高やんか。

すぐに真っ赤になっちゃう可愛い可愛いロマーノを愛でいわぁ。




1615: 桜欄樂 [×]
2015-03-03 23:49:01



春コミ行きます。

西ロマぷちオンリーイベント行きます。




1616: 桜欄樂 [×]
2015-03-03 23:49:59

あ、下げ。

1617: 桜欄樂 [×]
2015-03-04 19:22:02



春コミ初参加だから何したらいいのか分からない。(困惑)

と、とりあえずパンフ買わないと…!、

ああ、交通手段も調べないと!!



1618: 桜欄樂 [×]
2015-03-04 20:11:02

いや、下げろって!!!!

1619: 桜欄樂 [×]
2015-03-05 19:34:20




春コミ楽しみ!!


金がねぇ!!!www

1620: 桜欄樂 [×]
2015-03-16 21:55:13

『じょきん』

 切れ味の良いハサミが私の前髪を切る音がした瞬間、私は最低でも1ヶ月は悪夢が続くだろうと察した。
 わなわなと震えながら前髪の触れる。見事なまでのぱっつんだ。もう少し慎重に行けばよかったなどと後悔してももう遅い。明日には学校だ。
 頭の中の思考は後悔よりも明日への対策をすでに考えていた。仮病を使って休んだとしても前髪が
伸びるまで休めるわけがない。ウィッグを被る?駄目だ、生徒指導の先生にバレたらただ事ではない。あれこれと色々悩んでみても結局たどり着く答えはただ一つ。
 諦めよう。
 そして私は考えを放棄した頭を休めるべく布団に入って眠りについたのだった。

 けたたましく鳴り響く目覚ましの音とともに、私の朝は始まった。ばん、と乱暴に目覚ましを止めて眠気眼をこする。1階からはすでに弟と母親が起きているのかお皿の音やら会話やらが微かに聞こえてきた。
 ベットから跳ね起き、まずは制服に着替えてそれから今日の支度をした鞄を持って下へと降りる。無造作に鞄を玄関の横に放って洗面所に向かう。鏡越しの私はいつも通り寝癖で爆発した髪の毛、しかし一点だけ違うのは昨日までにあった前髪。嫌気がさして、くしゃりと前髪を触る。顔を洗って、歯磨きしてそして髪の毛をセット。
 ぴょんぴょんに跳ねた寝癖をドライヤーとブラシを使って直していく。いつものように前髪にヘアピンをつけようと思ったが、ぱっつんではつけられないことに気づいた。いや、しかしヘアピンは私のトレードマークなのだ。仕方ないのでどこかテキトーな場所につけておこう。髪の毛をセットしたところでリビングに行き、ダイニングテーブルのイスに腰をかけた。
「あれ、前髪切ったの?」
「そう!間違えてぱっつんになっちゃったの!!」
 ママが私の前に朝ごはんを置きつつ訊ねてきた。触れられたくなかった私は少々不機嫌な声を出して答える。ママに八つ当たりしてもいけないということは分かっているのについついしてしまうのが私の悪い癖。すると、ママの一言で弟も此方を見てきた。
「ぶっは!!なんだよ、その前髪!うける!!やべぇ、まじぱっつんじゃん。あっははは!ぎゃははっ、ははっ…ッげほっげほ…はははは!!!」
 盛大に私を馬鹿にしてむせた弟。これは八つ当たりしていいと思うの、弟に腹パンを食らわせてからトーストを齧る。さく、といい音がして美味しいはずのトースト。なのにこれから学校へ行かなきゃならないという憂鬱な気分で全然美味しく感じなかった。
「行ってきます」
 全ての準備を終えてから鞄を取り玄関のドアを開ける。ああ、嫌だなぁ。そんなことも言えずに胃の中に押し込んで私は通学路を歩く。きっと私はむっとした不機嫌顔で歩いていただろう。そんな時に聞こえてきたのは能天気な挨拶。
「はよーす、…て前髪ぱっつんになってる」
 振り向かなくても声を聞いた時から誰かわかってた。初音ミクオ、今一番会いたくないやつ。気づかれたくないことをずばっと言われ、私は心の中でもう嫌だと弱音を吐いた。しかし次の言葉で弱音は塗り替えられた。
「へぇ、可愛いじゃん」
 顔が一瞬で真っ赤になり、バレないようにと俯く。初音を無視して私は早歩きで進む。しかし憎いことに初音の足は長くてさらに歩幅を大きいのかすぐに追いつかれる。
「あれ、無視?」
「…ッ」
 うるさい、と言おうと彼の方を向いたのに初音は初めから全て分かっていたかのように、にやりと笑っていた。その笑みが子供っぽくて、同時に暖かくて私の頬はまた熱を帯びた。結局、何も言えなくなってまた俯いた。
「…初音なんて大嫌いだ」
「え、嘘。悲しい」
「でも」
 顔を上げて、初音を見つめる。多分私の顔は真っ赤、それでも構わない。
「大嫌いよりももっともっと好き」
 なかなか素直になれなくて、可愛くなくて甘え下手な私だけど今のは我ながら素直になれたと思う。初音は目を丸くさせて驚いたあと顔を若干赤くさせた。

「あーあ、不意打ちはずるいよ鏡音さん」

1621: 桜欄樂 [×]
2015-03-16 21:56:05

下げ。

1622: 桜欄樂 [×]
2015-03-18 22:22:14

キス。

耳 :誘惑
喉 :欲求
腰 :束縛
腿 :支配
首筋:執着
背中:確認



1623: 桜欄樂 [×]
2015-03-19 20:19:58


何だこれ 、トリップついてる !

わあぁ 、結構トリつけて欲しいって声あがってたもんね。



1624: 桜欄樂 [×]
2015-03-19 21:40:49

さげさげ

1625: 桜欄樂 [×]
2015-04-05 23:12:43

てすと。
バカ ばか 馬鹿

1626: 桜欄樂 [×]
2015-06-13 22:29:56

中1に作ったのに
もう高1だわ…
時が流れるのって早い

1627: 桜欄樂 [×]
2015-07-26 00:02:39



※ あくまでも個人の意見。


ロルは長けりゃいいってもんじゃないと思うんだよね。
相手に読みやすいか、回しやすいかだと思う。
長すぎると相手の行動を制限する場合もあるし…。
だから私は長ロルはあまり好きじゃない。
豆ロルのほうがスムーズに進むし好きかなー、なにより返しやすい。



1628: ロヴィーノ [×]
2015-07-26 00:06:30



別に、嫉妬なんかしない。

俺を愛してくれればいい。

優しく抱き締めてくれるだけでいいんだ。

それだけでいいんだよ、このやろー…。( ぽつり、 )




1629: ギルベルト [×]
2015-07-26 00:10:35



別に、嫉妬なんてしてなくていいじゃねえか。

お兄様はお兄様、俺はそんなお兄様が好きなんだ。

優しいどころがもう離れられないくらいに強く抱き締めてやる。

それだけじゃ満足させねーくらいにな?( にやり、 )



1630: 桜欄樂 [×]
2015-07-31 19:48:44

過去レス見ると、心がひゅっとして枕に顔を埋めたくなる

1631: 葡萄牙 [×]
2015-07-31 20:25:29



なんや、彼奴の子分やないか。

何しとう?( 首傾、)




1632: 南伊 [×]
2015-07-31 20:46:09



…お前かよ。( 顔ふい、)

何の用だよこんちくしょうが

1633: 桜欄樂 [×]
2015-08-26 14:21:29

私がロマーノくんやると、弱音ばっかでメンヘラヤンデレでビッチな可哀想でたまらない弱々しいロマーノくんになるぅぅ~~~~。
そんなロマーノくんが好きだけどもっと、イケメンっぽくしたい。西ロマじゃなくてロマ西になるくらいイケメンにしたい。

1634: 南伊 [×]
2015-09-20 01:24:00



西でも良いけど、たまにはこっちで甘えたい気分。

砂糖を吐き出すくらい甘々で毎日が幸せでたまらないくらいに浸してほしい。

心がちゃぷちゃぷ、満たされたい。

ばぁか。




1635: 南伊 [×]
2015-09-20 01:33:11



受けがやりたいわけじゃない。

お前が隣で笑って、手を握って、キスしあって、それから幸せだって笑い合いたい。

好き、て言いたいし好き、て言われたい。

甘えたいし、甘えられたい。

そんな幸せみたいな毎日を過ごしたいだけ。

なあ、俺だけのお前が欲しいって言ったら、どうする?



1636: 西 [×]
2015-09-20 01:35:23


そりゃあ勿論、人生愛したいときもあれば愛されたいときもあるもんやろ?

受け攻め拘らずにぎゅーって出来たらそれでええねん。

なあ、今すぐお前を抱き締めたいって言うたら、どうする?



1637: 西 [×]
2015-09-20 01:40:00



後悔、してへんよ。

いっちばん好きやったからなぁ…、気持ちよく終われた。

そりゃあ会いたいって訊かれたら会いたいけどな。

せやから!、他人の幸せが俺の幸せっちゅー訳!

ええやんええやん、お得。ふふ。

俺もいつか、出来るとええなぁ。



1638:  [×]
2015-09-26 19:55:23

貴方より好きな人なんて出来るはずないじゃないですか、なんて。
貴方を困らせたくないから言わない。
だから此処ではワガママ言ってもいいよね。

有り難う御座いました、愛してます愛してました。

1639: 南伊 [×]
2015-09-26 23:37:06

有り難う、有り難う。
きっとお前より素敵な人なんて出会わない。いや、出会いたくないんだ。
俺の中でお前が一番でいて欲しいから。
俺のことなんてどうも思ってないと思ってた。けれども頭の片隅に置いといてくれて、幸せで…、お前の言葉で俺は幸せになれました。報われました。泣きました、今度は悲しい意味じゃない嬉しい意味で。同時にお前は最後までとても優しくて良い人で好きがまた溢れてきちゃいそうだな。本当に有り難う御座いました。

1640:  [×]
2015-09-26 23:42:27

貴方への気持ちはまだ変わりませんがそろそろ閉じさせていだきます。貴方にも迷惑がかかってしまうから。
例え、なりきりであって、顔も見たこともない何も知りもない画面越しの文字であっても紛れもない恋でした。生きていた中で一番の恋でした。キャラクターであろうがなりきりは完璧じゃないから、貴方の演じるキャラが好きなんです。苦くて苦くて苦くてほんの少しだけ甘い恋を有り難う御座いました。


1641:  [×]
2015-09-26 23:49:24

なりきりは私の中で大きな影響を与えてくれました。
このセイチャを教えてくれたカイ兄、仲良くさせていただけたデルタくんやデフォちゃん、その他もろもろ有り難う御座いました。
初めてヘタリアという作品に興味を持つこととなった、あの可愛らしいロヴィーノくん。
貴方を知ってからロヴィーノという可愛らしいキャラに出会えヘタリアに出会え昔も今も南伊領でいられ、コスプレというキッカケになりスペイン語を習うキッカケとなり世界史を楽しめるキッカケとなり留学の道へのキッカケと将来の夢へのキッカケになり、ロヴィーノくんには感謝の言葉しかありません。

どうかどうか貴方がこんなトピを開かないように。


1642:  [×]
2015-09-26 23:52:19

私、頑張ります。
いつか笑えるように。だから誰よりも幸せ、祈っといてくださいね?

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