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世界は大豆でできている/4


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■: 匿名 [×]
2012-08-07 14:03:46 



※注 できていません


1: 匿名 [×]
2012-08-07 14:09:19


世界は大豆でできている。

オレがそう思うに至ったのは、朝食を見たときだった。
枝豆ご飯に豆腐の味噌汁、納豆、醤油……。どんだけ大豆の恩恵に与っているのやら。いや、全然悪くないのよ、大豆。むしろ好きだし。しかし、なぜだかその日の早朝だけは、強くそんな気持ちになったのだった。

2: 匿名 [×]
2012-08-07 15:09:49



1・醤油が飛んできて


醤油は飛翔するか?そんなことを聞かれたら、十中八九、飛ばないと答えるだろう。また、回答を得られなくても、可哀想な子を見るような視線を感じることもあるだろう。
真剣にそんな事を聞かれたら、オレでも友達をやめてしまいたい衝動にかられるかもしれない。

しかし、事実は事実なのだ。

大豆オンパレードな朝食を食べた後、オレはいつも通り支度をして、家を出た。
支度といっても、制服に中身がスカスカのカバン、携帯やら財布やら貴重品を持つだけ。
最寄り駅まで歩いて、電車に乗って学校に行って帰ってくる。その繰り返し。
確かにそんな日常に飽き飽きしていたのは確かなんだが……。

家を出て、最初の十字路を曲がった時、なにかが額にぶち当たる衝撃を感じながら、視界が暗転した。

3: 匿名 [×]
2012-08-08 15:22:30



目が覚めると、そこは魔物ひしめくファンタジーワールドだった。……ということは無かった。
ただ、明らかに見知らぬ天井であることから、その可能性は捨てきれないが。
オレはゆっくり頭をもたげようとするが、動かない。
………。
あれ?動かない。
よくわからないが、何かが額に乗っている。かなりの重量だ。
四苦八苦して左右を見渡そうとするが、それもままならない。
そういえば、大の大人でも、頭を抑えられたら動けないってテレビでやってたっけ……。

自分がどういう状況なのかわからないまま、実際はたいして経ってないのだろうが、永遠とも思える時間が過ぎた。


オレが絶望的な気持ちで諦めた頃、ドア(だと思われる)が開く気配がした。……だって、白い天井と電灯以外見えないし。
「目が覚めたのですね?」
女性の声がするが、どんな人かはわからない。ただ、落ち着いた印象の声だ。
「ぅひゃい……」
オレは動かない身体で何とも気の抜けた声を出した。
「この度は当方の手違いでこのようなことになってしまい、本当に申し訳ございません」
頭を下げる気配がする。
「あのー、どういう意味ですか?」
全く意味がわからない。当方の手違いとかって言われても。
「申し訳ございません。説明不足ですね。今、鏡をお持ちします」
鏡?


ドアの開閉音と足音。
しばらくして、足音とノック。オレが起きているのを知っているから、ノックをしたらしい。
どうぞ、と言うとドアの開閉音。
「失礼します」
近づいてくる足音。

視界に入って来た女性は、栗色の巻き毛が肩で踊っている、かわいらしい……とはいっても、オレより年上だろう、感じの人だった。
決して、オレとは一生巡り会えないであろう雰囲気のその人が持っている鏡を見た瞬間、鏡のオレの表情が固まった。


……額に醤油(お徳用2リットル)が突き刺さっていた。

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