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人もをし、人もうらめし。(〆)/190


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自分のトピックを作る
171: イナリ [×]
2024-04-29 17:47:28

(彼女からの一言に今度こそ動揺を隠せず、「は…?」と声を漏らしてしまった。慌てて咳払いをして、目の前に配膳された食事に目を合わせる。もう私を連れて行ってくれないのか。そんな真っ直ぐな瞳で訊ねられたら、思わず"そんなことは無い"と言ってしまいたくなる。だが言える訳ない。何故ならイナリは彼女を自分自身を愛せるまでという条件の元、ここに置いているのだから。それを破ってしまえばイナリは願いを叶える社の主として失格だ。何より、我が物にしたいという理由で彼女を置いておくのは、あまりに身勝手だ。そこまで考えてようやく分かった。自分はこの女子を我が物にしたい──そう思っているのだ。何百年と生きてきて初めて芽生えた感情だった。つまりそれはイナリがこの女子に恋を──そこまで考えて慌てて思考に蓋をする。莫迦なことを。こういうことは結論ありきで考えてはならないのだ。慎重に考えるべきことなのだ。イナリは大変に臆病者だった。そして単純だった。一度蓋をすると決めたら、容易には開かない。だから彼女が食べようと言うと大きく頷く)

……美味い!

(油揚げに箸を付けると1口大に切って咀嚼する。嚥下すると目を輝かせながら叫ぶように言う。ピコピコと嬉しそうに左右に振る尻尾から見ても分かる通り、先程の思考や動揺はすっかり雲散霧消してしまった)

172: 日向 静蘭 [×]
2024-04-29 18:23:24


(早速油揚げを口にし目を輝かせる相手をみて、「それは良かったわ」と小さく微笑んだ。先程までの考えを払拭して箸を取れば、此方も手を合わせてから食事に手をつける。野菜や魚を油揚げで包む料理なんて正直作ったことは無かったのだが、これは確かに我ながら美味しくできたと思う。
片手を口元に添えながら咀嚼を行いそれを飲み込むと、今度はこれまた油揚げの入った味噌汁に口をつけ、温かな味噌の風味にほっと一息をつく。ちらりと目前の相手を見ると、その尻尾が嬉しそうに揺られていて、これまた安心する。)

……1つ気になったのだけれど、妖同士の交流ってやつはあるの?…ほら、社って他にも幾つかあるでしょう?そこにも誰かいるのかしら。

(暫く食事が進んだ頃、ふと、気になったことをそのまま尋ねてみる。この社には彼が居るように、人間に気付かれて居ないだけで他の妖もたくさんいるのだろうか。もし居るのなら、彼らは面識があったりするのだろうか。街にも出れると言うのなら、ふとした時に同種と出会うこともあるのでは…なんて、書物の読みすぎだろうか?)



173: イナリ [×]
2024-04-29 21:55:17

やはりお主の料理は美味じゃ! 我は最早、これ以外は食えぬな

(まるで子供のように夢中で食べると味噌汁を啜りながら大仰に言う。仕草こそ大袈裟だが、言葉は偽らざる本音で。人間の手料理を口にしたことが無い訳では無い。今までが不味すぎたということもない。ただ彼女の料理は、一級品ばかりの豪華絢爛な料理をも凌駕するものがあった。味付けなのか、イナリの味蕾が変化したのかは分からない。ただ彼女の料理はいつもイナリを酷く感動させる)

む…?
ふん…。昔はようおった。社だけでなくどこにでも妖がおった。それが時代の流れと共に多くが没落し、今この辺りでは数える程度しかおらぬ。
…ここより西に荒れ果てた社がある。そこに狸が棲んでおる。無礼千万で礼儀のれの字もなき妖よ。万が一来ても相手にするでないぞ

(味噌汁を啜りながら眉間に深い皺を作る。それはかつてイナリを「変化バカ」と罵って笑い者にした妖だった。イナリと同じ時を生きている妖で、向こうはイナリが好き──揶揄いの対象として──だが、イナリは大の苦手だった。折角の食事で悪友の存在を回想すると、ゾワッと尻尾と耳が逆立つ。悪友の回想を打ち消すように首を振ると、味噌汁を一気に飲み下す)

174: イナリ [×]
2024-05-01 17:31:19

(/上げです)

175: イナリ [×]
2024-05-05 11:20:08

(/上げです!)

176: 日向 静蘭 [×]
2024-05-07 20:48:45

(味噌汁を啜る相手に“大袈裟すぎだわ”と呆れたように言うが、その口元は少し綻んでいて、やはり褒められるというのは擽ったい気持ちになるものの嬉しいもので。
再度黙々と箸を動かしていると、相手の口が開いたところで一度動きを止め、味噌汁をこくりと飲んだ。)

そう…。やっぱり減っているのね。
……西の社?もしかしたら、前に行ってたことがあるかもしれないわ、柱に彫られた狸の紋章を見た気がするもの。

(妖の数が減っていると話す相手には小さく相槌を打ちつつ、続けて聞こえてきた社や狸の話には幾つかの心当たりを探る。嫌なことがあったり悩みがあると度々神社を訪ねていた頃があった、その時に行っていたのが確か西の社だった気がするのだが──おまけに、前に彼へ“狸寝入り”という言葉を使った際に嫌悪感を示していたけれど、この狸様の事かしら──なんて考える。
何はともあれ、彼は狸の事を毛嫌っているような口ぶりをするけれど、きっと喧嘩するほどなんとやら、なのだろうかとも思う。実際口にすると確実に否定されるので言わないが。)




(/遅くなりました;)


177: イナリ [×]
2024-05-08 19:24:21

何?! …ケホッケホッ……お主、行ったのか。彼奴の社に。なにか変なことは起こらんかったか。人ならざる者に話し掛けられんかったか。

(彼女から狸のことを聞くと驚きのあまり、飲んでいた味噌汁が気管に入り噎せる。噎せが治まると不機嫌そうに問い掛ける。不機嫌な理由は二つあった。彼女の手料理を堪能している時に悪友の話題が出たこと。もう一つは彼女が自分の社より先に悪友の社を訪ねていたこと。身体が酷く緊張する。あの妖とイナリで馬が合わない絶対的な理由があった。それは人間に対する扱いの差であった。イナリは人間を弱者としながらも、その存在に興味があり共存指向だ。対して悪友は人間を弱者として見下し、徹底的な上下関係を敷きたがる支配指向なのだ。どちらが優れているということは無い。妖の中にも様々な価値観が存在するため、イナリはそれを大した問題だと考えていなかった。しかし悪友は支配指向を持つ中で些か暴力的なところがあった。子狸時代に体得したばかりの変化術を用いて、釜に変化して道行く人々を驚かせて遊んでいたことがあった。そんな折、本物の釜と勘違いした人間に対する拾われ、火に掛けられたり、床に落とされたり散々な目に遭ったのだ。以来、悪友は人間を嫌うようになったのだが、幼少の頃の恨みか、人間に対して暴力的になることがあった。彼女が何かされなかったか、不安が胸中に広がる。彼女の回答を待っている間、不安と緊張を湛えた鋭い目はじっと彼女を捉えたままだった)

(/大丈夫です!)

178: 日向 静蘭 [×]
2024-05-09 19:29:09


…別に、何も無かったわ。妖と話したのも貴方が始めてだし…。それに、散歩がてらに少し寄って気分転換していただけだもの。

( 突然噎せ返る相手に此方も驚き、慌てて「大丈夫?」と顔を覗き込む。そして、不機嫌そうに質問をされると、少しばかり首を捻って記憶を辿るが、西の社で誰かに話しかけられたり不思議な体験をした事は無かったように思う。大体仕事終わりにふらりと立ち寄って直ぐに帰路についていたし、こんな人間の事なんて、万が一狸様が見ていたとしても気に留めはしないだろう。
彼が何故、切迫したように質問してきたのかその理由は分からないが、とにかく、心配されるような事は無かったともう一度首を横に振り、残り僅かな白米を口に運んで咀嚼する。)

そもそも、本当にその社かどうか分からないわよ。私の見当違いかもしれないし…。

(だから、大丈夫よ。と鋭く視線を送る相手に言葉をかけると、空になった食器を前に手を合わせ、箸を置く。
相手の様子から察するに、あまり狸の話題を出さない方が良いかもしれないなぁなんて考える。事を知らない自分としては少しばかり会ってみたい気持ちがあるのだが、それも断じて言うまいと胸の中に仕舞っておいて。)


179: イナリ [×]
2024-05-11 17:01:46

…この辺りに狸の紋様が彫られた社なぞ、彼奴しか考えられぬ。
…じゃが何も無いのであれば良い

(何も無いと彼女から告げられるとまずは深く息を吐き、身体の緊張を解く。鋭かった目付きも普段通りになり、安心感からか少しだけ表情が緩む。たまたま眠っていて彼女の存在に気が付かなかったのだろうか。それとも彼女に構う気分でもなくて無視していたのか。いずれにしても悪友の暇潰しのための餌食になっていなければ理由なんてどうでも良い。緊張していたのはほんの数分だけだった筈だが、その間全く微動だにしなかったので身体を動かしたくてたまらなくなる。「我が片付ける」と言って立ち上がると双方の空の食器を下げ、水場で洗い始める。普段ならば妖術で汚れを取ってしまうのだが、今はただとにかく身体を動かしたかった。それに作業に没頭すれば余計なことを考えずに済む。が、食器洗いなど数分もすれば完了してしまい、まだ悪友のことを考えてしまう。
俄に棚から二人分の盃を取り出すと"付いて参れ"とでも言うかのように彼女を一瞥したあと本殿へと向かう。木箱の中から瓢箪を取り出す)

彼奴のことは、これで忘れる。
…お主もどうじゃ。

180: 日向 静蘭 [×]
2024-05-12 22:02:34


( 少しばかり表情が解れた相手を見て安堵すると、食器を片付けようと片膝をつき立ち上がろうとする。しかし、それよりも前に食器を下げられると「ありがとう」と呆気に取られながらも礼を述べる。大人しく食器洗いを任せると、布巾で台拭きを済ませて調味料など後片付けをする為に洗い場にいる彼と並んで手を動かした。てっきり妖術で済ませてしまうのかと思った故に、手作業で洗い物をしている姿がなんだか物珍しくてちらりと様子を伺ってしまう。暫くして洗い物を終えた彼は未だ考え事をしているようで、不味い話題を振ってしまったなと尚も反省しつつ、どうしたものかと人知れず首を傾げた。
丁度此方も後片付けが終わった頃、盃を手にした彼と目が合うと、それに含まれた意図を察してか黙って後ろをついて行く。本殿に着くや否や取り出された瓢箪を見ると、盃との組み合わせにこれまた察して。)

…あら、いいの?なんだか申し訳ないけれど
……まぁ、折角だし頂こうかしら。

(晩酌などをする趣味は無く、飲み歩いたりすることもほとんど無かったため飲酒をするのは久しぶりだ。おまけに彼が木箱に入れて大切に保管していた酒を貰うのは些か気が引けたが、折角の誘いを断るのも違う気がして、結局は頷いて盃を1つ受け取った。)


181: イナリ [×]
2024-05-13 17:52:09

質は良いが、さして高級な酒でもない。もう一本ある故、遠慮せずに飲むが良い。

(何だか遠慮がちに見えたので一言言っておく。以前見た本に無理やり飲酒を勧めるのは「あるこーるはらすめんと」になるらしい。いまいち意味は分からなかったが、何やら物騒な響きなので、きっと酷いことなのだろうか。繧繝縁に座り、瓢箪の蓋を開けると自分と相手の盃に酒を並々注ぐ。そしてそれを一気に呷る。そしてまた盃に酒を並々注ぐ。イナリは酒が好きで古今東西の地酒を飲んできたが、今飲んでいるもののように質の良い酒でも機嫌次第で悪酔いしてしまうことがあった。特に今日のように不機嫌で飲み始めた酒は必ず悪酔いする。だが今目の前には彼女がいる。何とか理性を保たなくてはならない。暫くは特に話すことも無く酒を呷っていたが、ふと彼女の経歴について疑問が浮かび口にする。口にして良いものか否か迷うことは一切なかった。とにかく彼女のことが知りたかった)

…そういえばお主は教師をしていたな。何を教えておった?

182: 日向 静蘭 [×]
2024-05-13 18:53:03


(相手からの言葉には“それならば”というように肩を竦め、相手と向き合うように腰を下ろせば、並々注がれる酒を眺め、彼が呷るのを見届けて此方も一口酒を含んだ。久しぶりのアルコールに喉が熱くなるのを感じるが、良質なだけあってとても美味しかった。決して酒に強いわけでは無い為、飲む量には気を付けようと思いつつも、その飲みやすさについつい盃を傾けてしまう。
ほんのりと頬が赤くなってきた頃、彼から投げ掛けられた質問に、あぁ、と小さく声を漏らした。)

…そういえば、言ってなかったかしら。
私は、国語の教師だったから国語を教えていたわ。
古典が好きで、神社とか趣のある物が好きになったの。
それに言葉って、深くて難しくて、美しいから好き。…まぁ、私自身、あまり良い言葉をかけられた事はないし、良いことを言えるタイプでもないけれど。

( 上記を告げると盃に残った酒を飲み干して、小さく笑いながら視線を伏せた。文面や言葉から相手の心理を探り知るのは、難しいが面白さもある。昔と今とでは言葉の使い方も言葉自体も変わっているが、その違いを知るのもまた面白かった。しかし、皮肉なもので、現実ではそう簡単に相手の心理は分からない。言葉に騙され、言葉に翻弄されてばかりだ。だけれど、教科書に綴られた様々な物語に触れてその情景に耽っていると、少なくとも自分の乏しい人生からは目を背けられた。
少しばかり酔いが回ってきているからか、普段よりもさらに舌が回るようでそのまま言葉を続ける。)

生徒たちには“言葉は大事”って教えるのに、私は思ったことをそのまま口に出して反感を買うばかり…おまけに肝心な事はなかなか言えないの。



183: イナリ [×]
2024-05-14 17:30:23

ふん…。言葉上手でなければ教育者になれんわけでもなし。
それに、思ったことを口に出して何が悪いのじゃ?

(国語教師で古典に関心があるならば、なるほど彼女が社務所の史料に興味が惹かれた理由も分かる。もっと早く聞いていれば、それなりに吟味して選んだというのに。
空になった彼女の杯に酒を注ぎながら、上記を鼻で笑いながら述べる。心と思考が一致しないのは人間ばかりでなくイナリたち妖も同じだった。特にイナリは妖の中でも口下手な方だった。だから彼女の言っていることは理解できる。自分も思ったことを口にして怒られたことが幾度となくあるからだ。しかしそれを欠点だと思ったことは無い。むしろ思っていることを口にしたことで腹を割って話せたこともある。
過去と現在では言葉も人間の在り方も規範も変わるのかもしれないが、現代人にとって思ったことを言うことは悪しきことなのだろうか。そう考えると無性に腹が立ってきた。彼女の言葉を聞き入れず、彼女が誠を尽くしても揶揄いの対象とした教え子達に。)

184: 日向 静蘭 [×]
2024-05-14 18:41:25


…そうね、決して悪いことではないけれど。
使い方によって言葉は凶器に成りうるでしょう?でも、言葉を選ぶのは簡単じゃないわ…面倒くさいなら黙っていた方が楽なのも事実だし。

(注がれた酒の揺らめく水面に視線を落としながら、相手の言葉に返すように上記を述べる。“言葉は刃”という比喩があるように、自分が発した言葉で他人が傷つくこともよくある。思ったことを口に出すことで良い結果が生まれることも勿論多い。だが、自分自身、言葉に傷付けられた経験が多い為、同じように人を傷付けるのは怖かった。
盃を見つめていた視線を外し、またも1口酒を飲むとため息混じりに言葉を続けた。)

……私は、私のせいで誰かを困らせたくないの。
…例えば、私に「好き」だと言われて、喜ぶ人なんていないわよね、とか。そんな消極的なことばかり考えて、言えないの。だって、「嫌い」だと返されたら、きっと立ち直れないわ。

(まるで誰かを想っているかのようにぽつりぽつりと零すように言葉を吐き出すと、もう一口盃に口を付ける。目の前にいる彼へちらりと視線を向けると一間じっと見つめた挙句に「…私は意気地無しなのよ」なんて告げて肩を竦めた。)


185: イナリ [×]
2024-05-14 20:08:56

……言葉は凶器。その通りじゃ。しかしそれが高じるあまり、言いたいことも言うべきことも言えぬは不健全。
それにお主を好いてくれる者も必ずおる。…お主の着物姿、美しい故な…。

(きっとこの女子は傷ついてばかり来たのだろう。言葉で癒される経験をあまりしてこなかったのだろう。時折こうして彼女の口から勝たられる過去に思いを馳せると、胸が痛くなってくる。何故かは分からない。自分にも思い当たることはあるからだろうか。否、彼女と比較して寿命が圧倒的に長いイナリにはまだ救いがある。人の何倍も生きているので、言葉で癒される経験も多くしてきた。だが人間は寿命があまりに短い。その一生では傷付く機会の方が多いのだろう。特に荒んだ今の世では。
盃の酒をまた一気に飲み干すと、また並々酒を注ぐ。その間、彼女の言葉を耳で聞いていたが、視線は酒に向けられていた。だから彼女に向けられた視線に気付くことは無かった。酒を一口飲むと再び口を開く。酔いが回ってきたのか、先程の教え子に対する不機嫌もあって、やや語気が強くなる。しかし彼女の容姿に言及した時だけは、言いにくそうに、それでも弱々しく言う。はっきり言うべきことは言えと講釈をした後に、これでは説得力も何も無いが、そんなことを考える余裕を酒が奪っていく)

186: 日向 静蘭 [×]
2024-05-14 20:46:15


……確かに、本当に不憫な世の中よね。

(彼の言う通り、自分こそまさに不憫な世の中に縛られて、言いたいことも言うべきことも避けてきていたのかもしれない。変わりたいとは思っていてもそう簡単に変わらないのが人間の性であるが、それでも、変われたらいいな と思えるようになってきただけ此方としては大きな進歩だ。この社に来て、少しだけ自分の事に対して客観的に、そして余裕を持って考えることが出来ているように思う。それはきっと、彼がこうして話し相手をしてくれて、弱々しくも自分のことを褒めてくれるから。
励ましとお褒めの言葉を受け取ると、数回瞬きを繰り返した後、ふふ、と楽しげに「ありがとう」と言った。普段は見せないあどけた表情を見せたのは、おそらくいつの間にか空になっていた盃の所為。酒に酔っても気持ち悪さはなく、ふわふわと夢見心地で、だんだんと襲ってくる睡魔に抗いながらも欠伸を1つ。
そして、目を細めて相手のほうへ片腕を伸ばすと、ぽんぽんとその頭に手を乗せてぼんやりとした思考の中でボソリと呟いた。)

…イナリ様が、私を好きになってくれたらいいのに 。


187: イナリ [×]
2024-05-15 20:24:13

(盃の酒が空となり、もう一杯と手を伸ばした時だった。彼女の手が頭に乗せられた。ギョッとして彼女に目を遣ると、その顔は夢でも見ているかのように心地良さそうな顔。先程注いだばかりの盃が自分と同じく空になっているのを見れば、意外と酒のスピードが速い彼女に驚く。いつものように"気安く触るとは不敬だ"と言い放とうとした時、彼女の一言で一気に酔いが覚めた)

な、な、な…お主……。

(とても冗談のようには聞こえない言葉に思わず持っていた盃を落としてしまう。酒に酔った勢いで言っているだけで単なる戯言なのか、それとも本音が酒のせいで表出したのか。この女子の真意が分からず、ひたすらに困惑する。もしも、これが本音ならば。自分はなんと返事すれば良いのか。決まっている。彼女の言葉を諾えば良いだけだ。ずっと気付かないフリをしてきたが、イナリは彼女が好きだ。初めてここに訪れた時こそ不信を抱いたが、今では彼女のことばかり考えている。それは初めての経験だった。妻でさえ好意なく迎えたイナリが、初めて自らの意思で人間を好いている。いっその事、本心を伝えてしまおうか──一瞬だけそんなことを考えた。ダメだ。自分は彼女に自己を肯定できるまで、ここに置くという建前で彼女を受け入れている。それを反故にしてしまっては自分の立つ瀬がない)

…なんだ。何か言うたか。
……全く我に触れるとは不敬じゃ。

(言いたいことを言えと彼女に言っておきながら、自分は彼女の言葉を聞こえないフリをした。今日ほど自分の臆病さが憎かったことは無い。情けなくて、申し訳なくて、憎くて。様々な感情入り交じった震え声で頭の上に乗せられた彼女の手を、ぐっと掴む)

188: 日向 静蘭 [×]
2024-05-15 21:20:31


………、いいえ。何でもないわ。ちょっとした願い事よ。

( ゆっくりと首を振って、何ともないように小さく笑いながら上記を返す。しかし、その顔は少し寂しそうにも見えて、また1つ何かを諦めたような顔にも見えた。というのも、確かに酔いが回って睡魔に襲われてはいるが、自分が何を言っているのかぐらいはちゃんと分かっている。いつもよりも随分早いペースで飲んだものだからまだ酔いが回り切っていないのか、どちらにせよ未だに理性は働いているらしく、ぐいと掴まれた手に視線を移しながら続けて「ごめんなさい、つい」と毎回の如く肩を竦めて謝罪した。
彼の声が少しばかり震えていたのは何故だろう。盃を零してしまったのは何故だろう。彼は、本当に聞こえなかったのだろうか──と、ぼんやりとした頭の中で考えるが、あれこれ憶測するだけ不安になるし悲しくなる。だから、彼が盃を零したのもきっと不意に頭を撫でた所為だし、声が震えていたのもきっと気の所為、酒の力を借りて口に出た願いもきっと、気の所為。そう思うことにして、ゆっくりゆっくりと立ち上がり、掴まれた手を解放しようとする。)

…ごめんなさい。久しぶりに飲みすぎたみたい…、酔いが回り切る前に少し夜風に当たって来ても良いかしら…?


189: イナリ [×]
2024-05-16 17:55:16

あ、ああ。行ってくるが良い。
…いや、我も行こう。些か暑くなった。

(彼女の反応を受けて再び後悔する。酒の勢いで言っている訳ではなかった。まだ彼女には理性がある。そんな理性の隙間から出た偽らざる本音。それを自分は聞こえないフリをしてしまった。彼女が自分の愚行に気づいているのだろうか。彼女のことだから気の所為とかで済ませてしまうのだろう。いっその事、イナリの愚行を見抜いて、その上で罵倒してくれた方が救いがある。
彼女が夜風に当たると言い出すと一度は掴んでいた手を離す。しかし慣れない酒を飲んだ彼女に何かあっては困ると思い立ち、同行を言い出す。何かあっては困る。実際のところはそんなものは言い訳だった。実際は少しでも罪悪感から逃れたかったから。どこまでも手前勝手な理由付けに我ながら呆れてしまい、僅かに口角が上がる。一度離した手を再び掴むと、彼女を支えながら本殿から外へと出る。イナリは彼女以上に飲んでいて、しかも酒に強い訳では無い。にも関わらず普段と違わず乱れることなく歩けるのは、先程の彼女の"独り言"を聞いてしまったからだろう。外へと出て適度に吹く風に当たっていると、心が晴れそうな気がする)

…今宵は何故か飲んでも酔えん。

190: イナリ [×]
2024-05-18 18:30:27

(/上げです)

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