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スケープゴートは籠の中【個人用】/2


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■: 1 [×]
2016-07-31 00:33:35 ID:fef322984

1:1トピより移りました。


1: 1 [×]
ID:fef322984 2016-07-31 00:48:02

アレグラ
悪意を司る魔女。
カトレア(カトリアナ・ウールロック)
時を司る魔女。
アリアナ
不可を司る魔女。
ヴィヴィー(ヴィヴァエレ)
太陽を司る魔女。
マチェーテ
成長を司る魔女。
ロテナ
知恵を司る魔女。
カッツェ
蘇生を司る魔女。
アドリアーナ
慈悲を司る魔女。
メアリー
精霊を司る魔女。
バーバラ
堕ちた天使。

魔女
古くは人々を恐怖に陥れ、傍若無人に生きていたが、時代の移り変わりや魔女の短命化、その個体数が減ったこともあり、人間との盟約を受け入れ、お互いに一線を設けた上でなるべく関与せずを通している。
エルフとは交易により繋がっているが悪くはないが決して良くはない微妙な関係だ。
吸血鬼、妖怪、精霊、神獣などは魔女とはまた違った種族だが多くの知識のない人間に魔女と混合されることが多い。吸血鬼や神獣とは特に関わりが深い。
魔力を持たない者と交わると多くの場合魔力を持たない子が産まれる。稀に微小に魔力を持って産まれる子もいるが、その殆どは魔女とは切り離され、人間やエルフの里親の元で暮らすことになる。
魔女は古きやしきたりを重んじることが多く、帽子の着用もその一つである。魔女は杖の次に帽子を大切に扱い、魔女集会、冠婚葬祭、どんな時でもそれを忘れたりはしない。

多くは魔女の魔力を増強させるものであり、魔力を込めた宝石を埋め込むことによって苦手な属性の精霊との仲を取り持つものである。中にはあまりに強すぎる魔力を杖を通すことによって落ち着かせる者もいる。
その形状は魔女の杖と言われて想像するようなものからマグカップや怨念のこもった頭蓋骨、人の形をした器など様々だ。一部の杖には意思があり、その杖自体が非常に強力な場合もある。

人間の多くは髪色に関係なく、黒や茶、青の瞳を持つことが多く、エルフは茶、青、緑。
魔女はそれを含め更に赤、紫、黄、白などの瞳を持ち、特に赤は血の色で不吉とされ、過去のことを含め魔女が敬遠されやすい理由になっている。
神獣
古くを生き、古くを知る。この世の監視者である。その二つの目はこの世の全ての出来事を見通し、慈しむ。もう一つの第三の目はこの世の全ての悪意を見抜き、罰を与える。清らかなる魂を成仏させ、天へと導く定をもつ。


2: 1 [×]
ID:fef322984 2016-07-31 18:10:41

ベアトリーチェ_彼女は本当に普通の幸せな家庭で17まで育ったのだろうかと魔女は思考する。と言うのは彼女の無意識から「覗き見」をした普通の幸せな家庭と、客観的な普通の幸せな家庭とでは酷くかけ離れていたからだ。
魔女はもう1度彼女の無意識から記憶を覗く_。

___________________

彼女はただただ従順に何も考えず言われるがままに、まるで着せ替え人形のように屋敷で日々をすごした。それでも彼女は幸せだった。
たとえ、ママだと慕っていた女性が、実は一滴の血のつながりもなく、無抵抗にブクブクと肥え太らされたガチョウのように彼女を17まで育てて、18の時に三枚ぽっちの金貨と引き換えに奴隷商人に引き渡そうとしていたとしても。
何処かの挿絵で見た、遠い島国に咲く曼珠沙華のような紅蓮が彼女を無意味に縛り付けていた屋敷と彼女のママを覆い尽くし、彼女が人間と人間の子供ではなく、人間と魔女の間に生まれた「魔女」であると知るまでは_____。

__________________


「とてもこわい夢をみたの」
彼女はとても酷い汗をかいていて、同情を誘うほど白く不気味な肌は間違ってペンキを零してしまったかのように「青」に汚れていた。
震える手には彼女が「どうしても」と言って離さない白百合の髪飾りが握られていて、それがよりいっそうあなたの夢を鮮明にしてしまうのよ。聡明な魔女は言葉にしないでそっと彼女の頬に手を添えた。
「大丈夫、大丈夫よベアトリーチェ。私がいるわ、ここにいるから」
「ママ、ママ。お本を読んで」
現実を受け入れきれなかった幼い魔女は18歳になる前日に起こった全てを拒絶し、屋敷に閉じこもった。燃えて失われたはずの屋敷は幼いが故の不安定で強力な魔力によって蘇り、かけられた祝福は彼女を守るために魔女を呼んだ。
彼女を優しく見守るママを。
「...どれを読んでほしい?」
「これ、これを読んで」
呼ばれた魔女はラグーシャと言った。
無意識を司る魔女ラグーシャ。私と過ごせばこの子も忌まわしいあの出来事を忘れられるだろう。ベアトリーチェは記憶を「追いやった」だけで決して忘れてはいない。それを私が封じ込めるのだ。私の無意識で。
ラグーシャは手渡された本をゆっくりと読み上げる。幼い魔女はママに抱かれながらゆっくり微睡みに身を任せ、その初心で柔らかな瞼に蓋をし、恐ろしい記憶の欠片と共に思考を手放した。
無意識の欠片の受け皿となった魔女は小さく「ママ」と呟いて少し泣いた。



_彼女にとっての祝福、魔女にとっての呪いとは



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