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1対1のなりきりチャット
自分のトピックを作る
161:
宮村 湊 [×]
2025-12-06 14:54:31
あはは、真面目ですね。良いんですよ、俺も完全に理解している訳じゃないですし、大事なのは共に過ごすこの時間を楽しんでもらうことですから。
(メニュー表を閉じたタイミングを見計らってオーダーを取りに来た店員に対してグリーンサラダとカプレーゼ、タリアテッレを使用したボルチー二のクリームパスタとオルトラーナピザを1枚、最後にスパークリングワインとアペロール・スプリッツをオーダーしてから、柔らかな笑顔を正面の彼へと向ける。彼に対して以外では個人的な情を挟んだことがないため、自分にはよく分からないが───歳下の手前、少しバツが悪いという感情もあったりするのだろうか。自分からすれば彼は十分に博識で、自分だけが知っている知識より彼だけが知っている知識の方がずっと多いのだろうという想像は容易くつく。水族館での説明然り、コーヒーの知識然り、重ねてきた人生経験の重みの差に焦りを覚えるのは寧ろこちらの方だ。それでも彼の前では余裕があるように振る舞いたくて、少しでも年齢の差を埋められるような、対等に見て貰えるような存在になりたくて、机の上で重ねた自らの左右の手に軽く力を込めて本心を伝える。──少し格好をつけすぎたか。父のジャケットを借りて背伸びをする子供のように彼の目に映っていたらどうしよう。僅かに顔に集中する熱は橙色の柔らかな間接照明のせいにすることにして、唇を引き結んだちょうどその時、タイミングよく先程頼んだドリンクが運ばれてきた。自らが注文したスパークリングワインを手に取り、中に入った黄金の液体を軽く揺らすとそっとグラスを掲げ)
───乾杯しましょう、悠さん。あなたと過ごす、素敵なこの夜に。
162:
常葉 悠 [×]
2025-12-08 05:45:13
確かに、それが一番大事ですね
("真面目"と表現されたことに少なからず疑問を抱いたが、彼にしてみれば時間を共有できるだけで十分なのだろうか。自分としてはもっとスマートにコミュニケーションが取れるようになりたいのだが。だが彼があまり気にしないというのであれば、今のままで良いかなんて思う。彼がメニュー表を閉じると、見計らったかのように店員がオーダーを取りに来た。グリーンサラダとカプレーゼまでは聞き取れた。だが、"タリアナントカ"や"オルトカントカ"など全く理解できない単語をスラスラ羅列する彼を見て今しがた思ったことを撤回する。少なくとも今日のメニュー位は理解できるようにしよう──そうでなければ今後に差し障る。そう思って頭の中に今の単語を記憶しておく。そうして暫くするとドリンクが運ばれてくる。アペロール・スプリッツのステムに指を添えると、彼と同じようにそっと掲げる)
はい。二人の夜に、乾杯。
(思わずグラス同士を当て合いたくなったが、店の雰囲気からしてイタリアン式の乾杯が適切だろうと思い、グラスを目の高さまで上げるだけに留めておく。柑橘のほろ苦さとフルーティーな甘みがバランスよく口の中に広がる。すっきりとした爽やかな味わいは食中酒としても飲めるのではないかと思う。彼は自分と過ごす夜を素敵だと言ってくれた。そのおかげだろうか。やたらとアペロールが美味しく感じられる。何度かアペロールのグラスを傾けると、ふと思っていたことを彼に訊ねてみる)
先程の注文はとても手馴れていましたね。こういう所たくさん来たことあるんじゃないですか? 湊くん、友達も多そうですし。
163:
宮村 湊 [×]
2025-12-09 16:31:18
───そうですね、"仕事関係の人"とは良く行ったりしますよ、イタリアン。
(彼がグラスに口をつけたのを見て、自らもスパークリングワインに口をつける。爽やかな炭酸と共に口の中に華やかな風味が広がるのを愉しんでいると、不意に投げかけられた質問に一瞬また返事が遅れた。イタリアンはお洒落で尚且つ格式ばりすぎず、またメニュー数も豊富で苦手な食材がある人でも必ず何かしらは食べられるメニューがあるため、"仕事"で女性と共に食事を摂る時はよく重宝していることを思い出す。言葉を濁して返答をするものの、それと彼を同列に並べることは躊躇われた。彼をここに連れてきたかったのは、『とりあえず手頃』だからではなく、『ここのイタリアンプリンを食べて欲しい』という明確な理由に基づくものなのだが、それを上手く表現できず僅かに口ごもってしまう。──いつまでこんな誤魔化しを続けなければいけないのだろうか。彼に抱く好意は最早疑う余地の無いものであるものの、彼と出会うきっかけが"仕事"だったことは否めない。最早彼を騙すつもりは微塵も無いが、このまま秘密を抱えて彼と過ごして行って、万が一にでも彼にその秘密を握られることがあるとしたら?彼を深く傷つけてしまうことは容易に想像が着いた。それならば、早めの段階で彼にしっかりと事実を伝え、その事については謝罪を済ませた方が良い。未だ何も彼から情報を得ていないのは彼自身も恐らく理解してくれているだろうし、正直に自分から話せば彼も耳を傾けてくれるかもしれない。そんな、あまりにも浅はかな───甘い考えを抱きながらゆっくりと唇を開く)
……あの、悠さん、実は、俺………
(ちょうどその時、ウエイターがサラダとカプレーゼを運んできたため、言葉が途切れてしまった。そして、同時に思い至る───自分から打ち明けたから、何だ?そもそもそんな仕事をしていたという事実だけで彼にとっては許容出来ない存在になる可能性が高い。彼が思い浮かべている宮村湊の人間像と、本物の自分の乖離を彼が知れば、もう二度と会って貰えないかもしれない。そんなことは耐えられない。開きかけていた唇をそっと閉じて、無言で小皿にサラダを取り分けていく。やはり彼に打ち明けるべきではない。そう判断してにっこりと笑顔を浮かべると綺麗に盛り付けたサラダを何事も無かったかのように彼へと差し出した)
はい、どうぞ。美味しそうですね!
164:
常葉 悠 [×]
2025-12-11 05:59:35
ああ、お仕事でよく来るんですね。こういった所で会食なんて、ふふ。お洒落で良いなぁ。
(友人とではなく、仕事で来ることが多いのだろうか。普段から料亭で会食することが多い自分にとっては、こういう所での会食は羨ましい限りだ。おまけに彼は色々と知識もある。この歳になっても西洋文化への憧れは、やはり捨てきれない。スラスラと横文字を読むことができれば、格好もつくだろう。そんな幼い内心と、羨望の眼差しを彼へ向ける。実の所自分は体面を気にする方だ。それは社長という肩書きも然ることながら、幼少の頃に身に付けてしまった癖だった。自分は周囲とは違う。だから常にどう見られるか、どう思われるかを気にして生きてきた。今まではそんな癖を持っている自分がたまらなく嫌いで、悪癖だと思っていた。それが今では"彼に"どう思われるかを気にして、イタリアンの用語を覚えようと躍起になっている。そんな自分は割と嫌いではない。彼と出会ってから、心の氷が解けてきた。そんな感覚がする。そんなことを思っていると、彼の唇が動いた。視線を遣ると、彼は何かを伝えようとしているようだった。彼の表情はどこか緊張しているようだった。何か言いづらいことだろうか──そう思って姿勢を正した所で、ウエイターがサラダとカプレーゼを運んできた。彼もそれに合わせて口を閉ざしてしまった。表情と声色から何か大事なことを伝えようとしていたに違いない。彼が言いやすいように、こちらから切り出してみようと思ったが、彼が何事も無かったかのようにサラダを差し出したので──しかも眩しい位の笑顔と共に──咄嗟に礼を言って受け取ってしまった。完全にタイミングを逃したが、そもそも自分の思い違いかもしれない。今は詮索しない方が無難だろうと、サラダを口に運ぶ)
ん。美味しいですね。ドレッシングも濃すぎない味で。カプレーゼも……チーズと相性がいいですね……!
(サラダとオリーブオイルの入ったドレッシングはとても相性が良い。さっぱりとした味付けで、前菜としては丁度良いバランスだった。カプレーゼも、もっちりとした弾力とクリーミーな口どけのおかげで、濃厚な味を楽しむことができる。普段食べていないということも相俟って、前菜の時点でその美味しさに心動かされていた)
165:
宮村 湊 [×]
2025-12-11 23:35:00
……好きですか?こういうお店も。それなら俺とまた行きましょう。たくさん調べておきますから。
(彼の口から零れる言葉にはどこか憧憬の色が滲んでいるように感じた。社長という身分で会食ともなればイタリアンでは軽すぎるのだろう。肩肘張らずに純粋に食事を楽しめる場所───例えば先日の定食屋やこのイタリア料理店のような───を求めているのかと理解し、心に刻んでおく。自分の分もサラダを取り分けてフォークを手に取ると、レタスとトマトを纏めて口へと運んで咀嚼した。自分が何かを切り出そうとしたことに当然相手は気づいていたはずだが、それを追及してくる気配の無いことに僅かに安堵してしまう。これは自分の"罪"だ。彼に話して救済を乞うこと自体が烏滸がましい──自分一人で抱えたまま、彼には気付かれないように墓場まで持って行くしかない。もし万が一にでも、彼に露見したとしたら、その時は───そこまで考えていた時、向かいに座る相手からこぼれた明るい舌鼓を打つ声に意識を引き戻される。目の前で溢れる純粋な笑顔に、思わず釣られるように頬が緩んでいくのを感じる。この笑顔を守るためならば何だって出来ると、真剣にそう思わずには居られなかった。フレッシュなトマトとモッツァレラチーズに手を伸ばし、それを味わいながら同意するように頷く)
ほんとだ、ここのカプレーゼ美味しいですね。…というか、トマトが美味しい。凄く甘いトマトですね。
(先程から使用されているトマトは酸味がごくごく少なく、果実のような甘みのあるトマトで、それが他の食材の味を引き立てているようだった。暗い考えを頭から振り払うようにして料理を味わっていると、サラダとカプレーゼが空いたタイミングで今度はメインのパスタとピザが運ばれてきた。熱々の湯気が立っている料理を見て瞳を細めつつ、再びパスタを小皿へと取り分けて、綺麗な皿の方を相手に差し出した)
タリアテッレと言って、少し平麺のようなパスタなんですけど、きのこのソースがよく絡んで美味しいんですよ。僕は結構こういうパスタが好きなんです。ピザもちゃんと切れてるみたいなので、そちら側半分お好きなタイミングで取ってくださいね。
166:
常葉 悠 [×]
2025-12-14 00:50:08
ええ。好きですよ。ふふ、君と行くイタリアン、楽しみですね。
(”俺とまた行きましょう”なんて言葉が耳に入ると、思わず顔を上げる。そしてふっと頬が緩み、大きく頷く。頭の中で何度も彼の言葉が響き渡る。俺と、俺と、俺と。そうだ。自分は普段行かないイタリアンに心踊っている訳ではない。彼と共に来ていることに心躍っているのだ。純粋に食事を楽しめているのは、彼と空間と時間を共有しているからに他ならない。これがいつも通りの会社の役員や取引先とであれば、自分はここまでイタリアンを楽しんでいる訳はない。仕事中はどんな時も無表情を心掛け、決して感情を悟られないようにしてきた。感情を表す器官は極力動かさないように意識をして、”彫刻”なんて陰口もたたかれている。そんな自分が、彼といる時は素でいられるのだ)
なるほど……これはタリアテッレと言うのですね。よしよし。覚えましたよ。湊くんが好きなパスタの味も。
(彼が取り分けてくれた皿を礼を述べてから受け取ると、彼の説明に耳を傾け、よくパスタを観察する。細長いリボン状の麺で、イタリアンに疎い自分でも見たことのある形状の麺だ。頭の中にパスタの名前と?の形状を記憶する。そして、彼の好きなパスタの味も。後者と結び付けておけば、よく記憶できるに違いない。彼のことは何だって知っておきたいから。パスタを一口食べる。コシが強い麺にきのこソースがよく絡み付いていて、とても美味だ。続いてピザにも手を伸ばし、一ピース取ると口に含む。咀嚼するとまず最初にトマトの甘みがした。続いて他の野菜が口の中で溢れる。野菜特有の甘みのおかげで、何個でも食べれそうなくらいだ。やはり彼の言う通りこの店はトマトがとても美味しい。口を拭いてアペロール・スプリッツを飲むと、彼へまた視線を戻す)
イタリアンとは、こうも美味しいものなのですね。今まで未開拓だったのが悔やまれますよ。でも、初めてが君とだったのはラッキーでしたね。
167:
宮村 湊 [×]
2025-12-14 10:35:10
俺もですよ。おかげで初めてのイタリアンを楽しむ悠さんの顔を沢山堪能できましたし。
(もちもちとしたタリアテッレに濃厚なきのこのクリームが絡んだパスタは非常に美味で、思わず舌鼓を打つ。念入りに下調べはしたとはいえ、当日現地でこうして自分の口に運ぶまでは本当に美味しい店なのかと不安に思う部分はあったのだが、やはりこの店は当たりのようだ。濃厚なパスタとは対照的にピザはあっさりとしたものを選んだのも良かったのかもしれない。トマトの甘味と酸味、野菜の瑞々しさが口をリセットしてくれる。眼前の彼もまた初めてのイタリアンを存分に楽しんでくれているようで、深い安堵と充足感に長い息を吐いた。ひとつひとつに感動するように料理を口へと運ぶ彼を眺め瞳を細めつつ、そろそろタイミングかと再びメニュー表を開きデザートのページへと移動する。今日の一番のお目当てとも言えるかもしれないイタリアンプリンがメニューにしっかりと記載されているのを確認してからドリンクのメニューを開くと再びそれを彼の方へと差し出した)
悠さん、そろそろデザート頼みましょうか。俺は食後のコーヒーを頼もうかと思うんですが、悠さんはどうしますか?
168:
常葉 悠 [×]
2025-12-15 22:19:22
いいですね。甘いものにはコーヒーが不可欠ですから。そうしたら……エスプレッソをいただきましょうかね。
(一頻りパスタとピザを堪能すると、早いものでもうデザートの頃合いとなっていた。先程まで皿に盛られていたはずのパスタやピザはすっかり胃の中に収まっている。これでデザートを頼み、コーヒーを飲みながらプリンを食べ、会計を済ませたら彼と別れなければならない。また明日から現実に戻らなければならない。辛く苦しい現実に。そう考えると気分が憂鬱になる。だが彼の声でふと我に返る。差し出されたメニューを受け取ると、食後のコーヒーという言葉に眉を微かに上下させる。てっきり食後酒を頼むものだと思っていたので、イタリアンプリンに合うような酒とはどういうものだろうかと悩んでいた。だが彼がコーヒーを頼むと言うのなら、自分もコーヒーを頼もう。別に強制されている訳でもないのに、自然とそういう思考になるのは、彼と何かを共有したいという思いからだろうか。メニュー表を見てコーヒーを探すと、カプチーノやカフェマキアートなど様々な種類があった。ここは厳格なイタリアンレストランという訳ではないだろうが、やはりエスプレッソを頼んだ方が良いだろうと思い、メニュー表の文字を指差す)
私はイタリアンプリンも一緒にいただきますが、湊くんはどうしますか。良かったら一緒にプリン、食べませんか。
169:
宮村 湊 [×]
2025-12-16 12:31:25
喜んで、俺も食べたいなって思ってたんです。
(ドリンクメニューを真剣な表情で眺めている彼の様子を見詰めながら幸福感に瞳を細める。この時間がずっと続けば良いと願ってしまうほどには今日一日はあまりに幸福だった。隣で笑う彼の表情が見られるなら、自分の持ち得る何を差し出してもいい───そう思うほどにはどろどろとした執着にも似た感情が生じていることを自覚はしている。今、この時間は他の仕事のことも、彼から引き出した情報の少なさに上層部から早く結果を出せとせっつかれていることも些事に思える。いっそ組織を抜け出してしまおうか。足抜けなど容易に出来るものでは無いと知っていながら頭によぎるそんな甘い考えも、今までの自分であれば考えられないことだった。彼が指さすエスプレッソの文字へと視線を落としながら、同時に示された提案へと賛成するように一度頷き再び店員を呼ぶと、目当てのイタリアンプリンを二つと彼のエスプレッソ、そして自分用にホットのブラックコーヒーをオーダーした。店員が席から離れ立ち去った後に残った静寂を破るように徐に唇を開くと少しバツが悪そうに軽く頬を人差し指で掻きながら眉を下げ)
あの……悠さんに謝らないといけないことがあって。頼まれていたマカロン、実はまだ完璧に納得のいく物が完成してなくて……今日は作って来れなかったんです。次、必ず完成させて持ってきますから、……また遊んでくださいね。
170:
常葉 悠 [×]
2025-12-18 20:52:47
ああ、気にしないでください。マカロンなんて難しいものを頼んだ私が悪いのですから。ふふ……湊くんは意外に完璧主義者なんですね。
(またしても彼と同じものを共有できることに大いなる喜びを感じる。できることなら、このまま時間も共有したい。自分の人生の時間だ。お互いに半分ずつ、お互いの時間を。そうすることで安らぎを得られる。そんな気がしている。だがあくまでも自分だけの想いだ。彼がそれを断る可能性もある。自分は彼が好意があると考えているが、この会話の中で彼の気持ちが離れていってしまったのではないか。そんな不安も心の片隅にある。またしてもネガティブ思考が頭の中を支配するかと思いきや、その思考は途中で遮られた。唐突に謝りたいことがあると言われたからだった。エスプレッソとイタリアンプリンに注がれていた視線が、思わず彼の方へ戻る。何を言うつもりなのか。些か緊張したが、聞けばマカロンの出来が芳しくないことだと言う。自然と身体の力が抜け息を吐くと、気にしなくて良いと本心をそのまま伝える)
それにね、湊くん。私は完璧なマカロンが食べたい訳ではないですよ。純粋に君の作ったマカロンが食べたいのです。完璧じゃなくて良いですから、次は食べさせてくださいね。うーん……そうですね。来月の13日なんていかがですか。平日なんですが、珍しくスケジュールが真っ白で。
(そうだ。自分は完璧なマカロンが食べたいわけではない。彼が作ったマカロンが食べたいのだ。例え、見てくれが悪くても味がイマイチでも、彼が作ってくれたものが食べたい。味覚の問題ではなく心が満足するかの問題だ。無論、そんな自分の自己満足とも言える欲求に付き合ってくれている彼には申し訳なく思う気持ちを持っている。この次は、自分が最上のもてなしをしなければ。頭の中でスケジュールを確認すると、来月の13日のスケジュールが全くないことを思い出す。確かこの日は前日に多数の会食やシンポジウムへの出席がある。新任の秘書が気を利かせてスケジュールを開けてくれたのだった。思い出すと、すぐに彼へ笑みを向けながら提案する)
171:
宮村 湊 [×]
2025-12-18 22:29:22
……悠さんに渡すものだから、ですよ。なるべく拘りたくて。でもそれで渡せなかったら本末転倒なので、次回は必ず。
(彼が完璧なものを求めているわけではないことは理解していたものの、そんな彼に贈るものだからこそ完璧に仕上げたいと思ってしまうのは矛盾だろうか。努力などせずとも手先はそこそこ器用な自負はあった。100点満点中90点のものを作り上げることは自分にとって造作のないことだ。素人が趣味で作るものならば十分すぎる出来だろうし、"宮村湊"として他の標的に同じことを頼まれていたら、あえて80点の出来のものを渡すかもしれない。少し抜けていた部分がある方が人間味があって取っ付きやすく親しみを持たれやすいからだ。だが、彼に対してはそんな計算など全て取り去って、自分の出来る最大限を提供したいという拘りが生じてしまう。そのリクエストが嬉しくて、それに応えるために本気になれることの、なんと幸せなことか。今までに生じなかった感情に心地よさそうに瞳を細めつつ相手を見詰めていると、不意打ちのような提案に細めていた瞳を見開き数度瞬きをした。忙しい彼のことなので、また暫く夜のみ会う生活が続くのかもしれないと考えていたが、杞憂だったようだ。スマートフォンを取りだしスケジュールを確認するものの、他の仕事は何も入っていない。密かにガッツポーズしたい気持ちを抑え口元を緩めてスマートフォンを閉じると、賛同するように頷いて)
大丈夫ですよ、13日なら会社休めますから。予定入れておきますね。…ふふ、貴重な休みなのに、俺と会ってくれるんですね。嬉しいです。
(スケジュールが詰まりに詰まっている彼のことだ、一日空いている休みは相当貴重だろうに、それを自分のために割いてくれると言われて喜びを隠さないことなど出来るはずもなかった。幸福そうに目尻を下げてからようやくテーブルに置かれた小さな銀のスプーンを手に持って少し硬めのイタリアンプリンに手をつけて)
……あ、すごい。固くてしっかり卵の味を感じるプリンですね。美味しい。
172:
常葉 悠 [×]
2025-12-21 00:06:18
ん……! これは……思ったよりも濃厚ですね。弾力もあってクリーミーですね!
(彼が食べたのを見てから自分もイタリアンプリンを一口口に運ぶ。一口食べると眉がピクリと上下する。口に中に独特の甘みが広がる。そして想像よりも濃厚な卵の味にこれまた驚く。ずっと食べたいと思っていたイタリアンプリンだが、いざ口にすると奥行きのある味に少しばかり感動を覚える。何度かプリンを口に運ぶと、エスプレッソを飲む。イタリアンプリンの甘みとエスプレッソの苦味が調和をして、口の中が落ち着く。大好きなスイーツとコーヒー。そしてそれを一緒に楽しんでいるのは心通じ合う友人。恐らく今自分は人生で一番幸福かもしれない。残りの人生、ずっとこうして過ごしたいと思うのは叶わない願いだろうか)
13日ですが、今度は私がプランを立てましょうか。ですが、私は君のように上手くプランを立てられる自信がありません。そこで直接お聞きしますが、君は何をしたいですか。
(エスプレッソを片手に彼へ訊ねる。今、自分はとてつもなくカッコ悪いことを言っている自覚はある。30を過ぎてプランの一つも満足に立てられないのだ。だが自分が自分の考えのみでプランを立てると、彼が微妙な気持ちになってしまうのは明白。それならば直接聞いてしまった方が安全だろう。自分がプランを立てると、最悪の場合自宅で映画鑑賞などになってしまう。さて、彼はこの問いになんと答えるのだろうか。エスプレッソを一口飲むと、彼へ視線を戻して答えを待つ)
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